JP2500685B2

JP2500685B2 - 酒粕入浴剤

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Publication number: JP2500685B2
Application number: JP61262689A
Authority: JP
Inventors: 直紀橋本; 岩男内山; 康弘村越
Original assignee: Tsumura and Co
Current assignee: Tsumura and Co
Priority date: 1986-11-06
Filing date: 1986-11-06
Publication date: 1996-05-29
Anticipated expiration: 2011-05-29
Also published as: JPS63119419A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は酒粕を含有した入浴剤に関する。

〔従来の技術〕

酒を風呂の湯に入れた酒風呂なるものが古くから知ら
れている。

この酒風呂は酒を浴湯180リットルに対し約１リット
ル程度入れたものであるが、保温効果、美容効果等種々
の効能があるといわれており、かなりの愛好者が存在し
ている。特に最近では健康法の一つとして酒風呂健康法
なるものまで出現し、酒風呂に対する関心が高くなって
きている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、従来の酒風呂は前述のとおり浴湯180リット
ル当り約１リットルの酒を使用するため高価なものとな
り、酒が液体であるための制約、例えば容器の密閉性が
完全でなくてはならず、且つ強度、材質等の制約もある
といった問題、及び浴剤原料として一般に使用されてい
る粉末状の無機塩類、色素等を高濃度に混合せしめるこ
とが難しいという問題点もあった。

〔問題点を解決するための手段〕本発明者は上記した問題点がなく、しかも酒風呂以上
の効能を有した入浴剤を開発すべく鋭意研究を行った結
果、清酒製造時の副生成物である酒粕に着目し、これを
利用することによって該目的を達成できることを見出し
た。

即ち、本発明は酒粕を含有した入浴剤酒粕30〜90重量
％に無機塩類、有機酸類、生薬類、油脂類、色素類、香
料類、アルコール類、多価アルコール及び界面活性剤類
から選ばれた少なくとも１種の添加成分10〜70重量％を
配合した入浴剤を提供するものである。

以下本発明を詳細に説明する。

本発明で用いられる酒粕は、清酒の醸造行程で米こう
じによる糖化及び酵母によるアルコール醗酵（併行複醗
酵）終了後に、もろみを絞って清酒とした残りの粕を用
いる。この酒粕はアルコール６〜８重量％を含み、他に
澱粉、糖分、蛋白質、アミノ酸類（アデニン、グワニ
ン、ヒポキサンチン、ヒスチデン、アルギニン、ベタイ
ン、コリン、リジン、チロシン等）、繊維質等及び醪蓋
として醪の表面に浮ぶ油分の大部分を含んでいる。

したがって酒粕を含有する本発明の入浴剤は、酒粕に
含まれるアルコールにより酒風呂と同様の優れた温熱効
果、血行促進効果等を発揮し、且つ疲労回復に役立ち、
就寝前に本発明入浴剤を入れた風呂に入れば熟睡ができ
るなどの諸効能を有すると共に、本発明入浴剤に含有さ
れるアミノ酸類、油分等の働きによって優れた美容効
果、美肌効果を発揮するものである。

本発明入浴剤中の酒粕の含有割合は１〜95重量％であ
り、好ましくは30〜90重量％である。

本発明の入浴剤は、酒粕の他に使用目的に応じて入浴
剤成分として従来使用されてきた次に示す添加成分を適
宜選択して配合することができる。

無機塩類塩化ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝
酸カルシウム、硫酸アルミニウム、ポリリン酸ナトリウ
ム、塩化アンモニウム、硫酸鉄燐酸ナトリウム、チオ硫
酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、硼酸、メタ珪酸、無水
珪酸等。

有機酸類安息香酸、クエン酸、フマル酸、酒石酸、ピロリドン
カルボン酸、コハク酸、リンゴ酸等。

生薬類ソウジュツ、ビャクジュツ、カノコソウ、ケイガイ、
コウボク、センキュウ、橙皮、トウキ、ショウキョウ
末、ニンジン、ケイヒ、シャクヤク、ハッカ葉、オウゴ
ン、サンシシ、ブクリョウ、ドクカツ、ショウブ、ガイ
ヨウ、マツブサ、ビャクシ、ジュウヤク、リュウノウ、
サフラン、オウバクエキス、チンピ、ウイキョウ、カン
ピ末、カミツレ、メリッサ、ローズマリー、マロニエ、
西洋ノコギリ草、アルニカ等。

油脂類イソプロピルパルミテート、イソプロピルミリステー
ト、スクワラン、トリ（カプリル−カプリン酸）グリセ
リン、糠油、米糠エキス、オリーブ油、ホホバ油、大豆
油、流動パラフィン、白色ワセリン等。

色素類赤色２号、黄色４号、緑色３号、青色１号、赤色213
号、橙色205号、黄色202号の１、緑色204号、青色２号
等の厚生省令タール色素別表Ｉ及びIIの色素、クロロフ
ィル、リボフラビン、アンナット、カンタキサンチン、
クロシン、コチニール、べにばな、アントラキノン等の
食品添加剤として認められる天然色素。

アルコール類エタノール、ステアリルアルコール、イソプロピルア
ルコール、セチルアルコール、ヘキサデシルアルコール
等。

多価アルコールグリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール
等。

界面活性剤類アルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル硫酸塩、ラウリン酸ジエタノールアミド、ポ
リエチレングリコールモノステアレート等。

香料類ラベンダー油、ジャスミン油、レモン油、ローズ油、
オレンジ油、パイン油等の天然香料及びゲラニオール、
シトロネロール、フェニルエチルアルコール、ベンジル
アセテート等の合成香料並びにそれらの調合香料。

その他イオウ、鉱砂、湯の花、カゼイン、中性白土、サリチ
ル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム、卵黄末、イリ糠、雲母末、脱脂粉乳、ポリビニルピ
ロリドン等を添加使用することができる。

さらに本発明の入浴剤は、上記したもの以外にも、必
要に応じて殺菌防腐剤（例えば安息香酸、安息香酸エス
テル、ソルビン酸等）、金属封鎖剤（例えばEDTA、NT
A、クエン酸等）、その他の広い範囲の原料を配合する
ことができる。

以上の添加成分のうち、無機塩類、有機酸類、色素
類、香料類、アルコール類及び界面活性剤類から選ばれ
た少なくとも１種は特に好ましい添加成分である。

次に本発明の入浴剤の製造方法について説明する。

酒粕と前記の配合成分とを均一に混合することができ
る方法であればいかなる方法であってもよいのである
が、通常は酒粕に使用目的に応じて配合する他の成分を
添加し、均一に撹拌混合することによって製造する。

本発明の入浴剤には水不溶性成分を有する酒粕が用い
られるので綿、不織布、紙等の小袋に充填した形態で用
いるのが好ましい。又、酒粕の変質を防止するため剤中
に殺菌防腐剤を入れたり、真空パックにすることも推奨
される。

〔発明の効果〕

本発明の入用剤は以下に示す効果を有する。

保温効果すばやく体のしんまで暖めて湯ざめを防ぐ。

血行促進効果毛細血管や細少動脈をひろげ血行をよくする。

疲労回復効果新陳代謝を活発にし、精神疲労や肉体疲労の回復を促
進する。

熟睡効果就寝前の入浴により熟睡できる。

美肌効果酒粕中のアルコール及びアミノ酸類、油分等の働きに
より、皮膚に適当な刺激を与え、皮脂や毛穴に詰まった
汚れを落とし、皮脂腺の分泌を活発にして、潤いのある
美肌を作る。

（注）以上の諸効果は酒粕とともに無機塩類、色素、
香料等を配合することによって相乗的に増大せしめるこ
とができる。

酒風呂にいれる清酒に比べ、酒粕は副生産物である
ため、コスト的に極めて有利な入浴剤となる。

次に本発明の入浴剤を従来の入浴剤の温熱効果、美肌
効果との差異を明らかにするために実施した実験例を示
す。

〔実験例〕

本発明の入浴剤と従来の入浴剤をそれぞれ次のように
して製造した。

本発明の入浴剤酒粕60重量部、炭酸水素ナトリウム20重量部、乾燥硫
酸ナトリウム17.5重量部、ジャスミン系調合香料2.0重
量部、及び青色２号0.5重量部を均一に撹拌混合し、試
料とした。

従来の入浴剤炭酸水素ナトリウム47.5重量部、乾燥硫酸ナトリウム
50重量部、ジャスミン系調合香料２重量部、及び青色２
号0.5重量部を均一に撹拌混合し、試料とした。

（評価法）二つの浴槽にそれぞれ41℃のお湯を200リットル入
れ、夫々の浴湯に本発明の入浴剤及び従来の入浴剤を各
30グラム添加した。尚、本発明の入浴剤は不織布の10cm
×8cmの袋に詰めて使用した。

熟練したパネラー６名がそれぞれの浴槽に各３〜５分
間入浴し、入浴中の肌のなめらかさ、入浴後の肌のなめ
らかさ、温まり感を下記基準で評価した。

評価基準 ◎：非常に優れた効果がある。

○：かなり優れた効果がある。

△：やや優れた効果がある。

×：効果がない。

上記表から明らかなように、本発明の入浴剤は従来の
入浴剤より温熱効果、美容効果に優れていことがわか
る。

〔実施例〕

以下実施例で本発明を具体的に説明する。

実施例１酒粕70重量部、乾燥硫酸ナトリウム26.7重量部、レモ
ン系調合香料２重量部、軽質無水ケイ酸0.5重量部、黄
色202号（１）0.4重量部、ソルビン酸カリウム0.4重量
部を均一に撹拌混合して入浴剤を得た。

この入浴剤30gを不織布の8cm×8cmの小袋に詰めて浴
湯180lに添加し、入浴したところ優れた温熱諸効果を示
した。

実施例２酒粕50重量部、セスキ炭酸ナトリウム30重量部、ホウ
砂16.8重量部、ジャスミン系調合香料２重量部、緑色20
4号0.8重量部、ソルビン酸カリウム0.3重量部、１−メ
ントール0.1重量部を均一に撹拌混合して入浴剤を得
た。

この入浴剤50gを10cm×10cmの小袋に詰めて浴湯180l
に添加し、入浴したところ優れた温熱効果と清浄効果を
示した。

実施例３炭酸水素ナトリウム40重量部、酒粕35重量部、炭酸マ
グネシウム23.3重量部、アルファビネン１重量部、青色
２号0.5重量部、ソルビン酸カリウム0.2重量部を均一に
撹拌混合して入浴剤を得た。

この入浴剤40gを8cm×8cmの小袋に詰めて浴湯200lに
添加し、入浴したところ優れた温熱効果と清浄効果を示
した。

実施例４酒粕80重量部、乾燥硫酸ナトリウム16.5重量部、シト
ラス系調合香料３重量部、ソルビン酸カリウム0.5重量
部を均一に撹拌混合して入浴剤を得た。

この入浴剤300gを不織布の15cm×10cmの小袋に詰めて
浴湯180lに添加し、入浴したところ市販の酒風呂と同様
又はそれ以上に優れた温熱効果、美容効果等前記の発明
の効果の項に記載した諸効果を示した。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】酒粕30〜90重量％に無機塩類、有機酸類、
生薬類、油脂類、色素類、香料類、アルコール類、多価
アルコール及び界面活性剤類から選ばれた少なくとも１
種の添加成分10〜70重量％を配合した入浴剤。
【請求項２】添加成分が無機塩類、有機酸類、色素類、
香料類、アルコール類及び界面活性剤類から選ばれた少
なくとも１種である特許請求の範囲第１項記載の入浴
剤。