JP3568603B2 - 浴用剤組成物 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
本発明は入浴時に浴中に溶かして使用する浴用剤組成物に関し、入浴後の素肌の保湿効果とかさつき改善効果に優れしっとりとしたうるおいのある肌が得られる浴用剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
入浴は清潔な身体を保ち身体全体を芯まで温めることにより新陳代謝を計ると同時に、リラックス効果をもたらす等、健康を維持していく上で欠くことのできないものであるが、反面素肌から油分が洗い流されることにより入浴後において皮膚表面がカサカサしてきたり、また外気が乾燥してくる季節特に湿度が低い季節に於てはこのかさつき現象が強く発生することは通常経験するところである。この様な現象は皮膚の水分や油分の保持バランスの崩れに起因するものであり、皮膚を乾燥から守り健康に保つために保湿剤や油分が配合された化粧用のクリームやハンドクリーム等のスキンケア製品を肌に塗りこのかさつきを抑制する方法がとられている。しかしながらこの様にスキンケア製品をその都度塗布することは面倒で手間を要するばかりか、実際には該製品の塗布を必要とする皮膚の全部分に斑なく塗ることは至難の技と云わざるを得ない。
【0003】
この様な不都合な点を解消するために保湿剤や油分等を配合した浴用剤を含む温浴中で入浴することにより、身体全体に斑なく容易に塗布効果を得る方法が行われるようになった。しかしながら油分を加えた浴用剤を使用した場合でもその効果が不十分であったり、また十分な効果が得られるまでに油分を加えた場合にはかさつき抑制効果は得られるが、皮膚表面がヌルヌルして不愉快となる等の問題もあり、改善が強く望まれていた。
【0004】
本発明の目的は上記した欠点を伴うことなく、素肌への保湿効果やかさつきの改善効果に優れ、入浴することによってしっとりしたうるおいのある素肌が得られる浴用剤組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、セリシンを含有させた浴用剤組成物が肌の保湿効果やかさつき改善効果に優れ、日常の入浴において用いれば容易に斑なく皮膚に付与することができ、しかも常用しても皮膚への副作用の心配が全くなく、入浴によりしっとりしたうるおいのある肌が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち本発明は塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、チオ硫酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の無機塩を必須成分として含む浴用剤組成物において、化学精練法又は酵素精練法により絹に含まれるセリシンを部分加水分解して溶出させた後分離取得した、セリンを20〜40%含有するセリシンを1.0〜20重量%粉末状で存在せしめてなることを特徴とする浴用剤組成物である。
セリシンは絹から抽出して得られる天然蛋白質であり、吸湿性、吸水性に優れていることは知られているが、この種用途に用いられた例はなく、本発明で用いるセリシンが通常の浴用剤成分との混和性に優れると共に、セリシンを配合した浴用剤組成物が入浴後の皮膚の保湿機能を高める作用を有し、肌のかさつきを防止し、べとつきがなくしっとりしたうるおいのある肌を得るのに極めて有用であるという顕著な効果を示すことは予想外のことである。尚本発明において浴用剤組成物とは入浴時に浴槽内の温水に少量混入して用いるための組成物をいう。
【0007】
本発明に用いられるセリシンは化学精練法又は酵素精練法により絹繊維に含まれるセリシンを部分加水分解して溶出させた後薬剤による析出法等の方法により得たものが好ましく、セリシンを20〜40%含有するものが特に好ましい。
【0008】
本発明に用いるセリシンは易水溶性であり、前記したように通常の浴用剤成分との混和性に優れ、また水溶液として安定な性状を維持し、皮膚への副作用の懸念が全くなく安全性に優れているので適宜通常の浴用剤成分と組合せて用いることができる。
このような浴用剤成分の一例としては次のようなものがある。
【0009】
(1)無機塩類
塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、チオ硫酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等
(2)無機酸類
無水硅酸、ホウ酸等
(3)有機酸類
安息香酸、クエン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸等
(4)生薬類
ソウジュツ、ビャクジュツ、カノコソウ、ケイガイ、コウボク、ニンジン、センキュウ、ショウブ、チンピ、カミツレ、ケイヒ等
(5)油脂類
イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、スクワラン、グリセリン、オリーブ油、大豆油、白色ワセリン、流動パラフィン、ホホバ油等
(6)色素類
赤色2号、赤色106号、黄色4号、黄色202号の1、緑色3号、緑色204号、青色1号、青色2号等の厚生省令タール色素別表第1及び第2の色素、クロロフィル、アンナット、クロシン、リボフラビン、コチニール、紅花等の食品添加剤として認められる天然色素等
(7)アルコール類
(8)ビタミン類
(9)その他
湯の花、鉱砂、硫黄、カゼイン、中性白度、サリチル酸ソーダ等。
更に本発明の浴用剤組成物には必要に応じて金属封鎖剤、殺菌防腐剤、香料、その他の配合剤を配合することができる。
【0010】
なお浴用剤組成物中のセリシンの配合量は1.0〜20重量%である。1.0%以下では皮膚への作用効果が弱く、20%以上では実際に皮膚に作用しないセリシンが多くなり不経済となる。
【0011】
【発明の作用及び効果】
本発明の浴用剤組成物の必須成分であるセリシンは水に容易に溶解して安定な性状を維持すると共に皮膚への副作用の心配もなく高い安全性を有するものであり、本発明の浴用剤組成物を溶解した温浴中で入浴することにより皮膚全体に隅々まで斑なく作用し、皮膚の角質の水和状態を改善し、皮膚の保湿能力を回復させ、肌のかさつき症状を治療し、しつとりしたうるおいのある肌にする等従来の浴用剤組成物の成分にはみられない顕著な効果を示すのである。
【0012】
【実施例】
次に本発明を実施例及び比較例を示し具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.対象:
皮膚のかさつきを日常訴えている成人20名を対象とした。
【0013】
2.浴用剤の準備と入浴方法:
<浴用剤組成>
炭酸水素ナトリウム 25.8g
セリシン 4.0g
香料 0.1g
色素 0.1g
上記の各成分を炭酸水素ナトリウム、セリシン、香料、色素の順に加えて十分混合し、浴用剤を得た。
<入浴方法>
入浴1回につき上記で得られた粉末状の浴用剤30gを浴槽中に適温にて用意された約200lの温湯に溶解し使用した。
入浴は1日に1回、約10分間とした。
なお入浴時のシャンプーや石けん等の使用は原則として被験者が通常使っていた製品を継続して使用した。
【0014】
4.試験方法及び期間:
被験者は10日間前記の方法で入浴(全身入浴)をした後、乾燥タオルにて通常の方法で肌を拭い取り2分後に皮膚表面を手で前後に軽く擦りかさつきやしっとり感について観察した。
より具体的には、被験者20名を2班に分け第1班の10名は、前記で得られた浴用剤30gを200lの温浴に溶解して1日に1回、10分間入浴し10日間続行した。
第2班の10名は同浴用剤からセリシンを除いたものを用い、他は第1班と同様の条件で入浴を行った。
この結果の官能評価を後記する評価項目及び評価基準に従って評価し、表1に示した。
【0015】
5.評価項目及び基準:
肌のかさつき感、しっとり感及び全般的評価について評価基準は以下に示す通りとした。
(1)肌のかさつき感については次の4段階
(イ)認められる
(ロ)若干認められる
(ハ)変わらない
(ニ)ほとんど認められない
(2)肌のしっとり感については次の3段階
(イ)認められる
(ロ)やや認められる
(ニ)ほとんど認められない
(3)総合評価
(イ)効果が認められる
(ロ)やや効果が認められる
(ニ)ほとんど効果は認められない
【0016】
【表1】
Claims (1)
- 塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、チオ硫酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の無機塩を必須成分として含む浴用剤組成物において、化学精練法又は酵素精練法により絹に含まれるセリシンを部分加水分解して溶出させた後分離取得した、セリンを20〜40%含有するセリシンを1.0〜20重量%粉末状で存在せしめてなることを特徴とする浴用剤組成物。
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