本願の実施形態の技術案をより明確に説明するために、以下では、実施形態の説明で使用される添付の図面を簡単に紹介する。明らかに、以下の説明における添付の図面は、本願のいくつかの例又は実施形態にすぎず、当業者にとって、創造的な努力なしに、これらの図面によって、本願を他の同様の状況に適用することもできる。文脈から明らかでない限り、又は別段の指示がない限り、図中の同じ番号は、同じ構造又は操作を表示する。図面は、例示及び説明のみを目的としており、本願の範囲を限定することを意図していないことを理解されたい。図面は、一定の縮尺で描かれていないことを理解されたい。
「中心」、「上表面」、「下表面」、「上部」、「下部」、「頂部」、「底部」、「内側」、「外側」、「軸方向」、「半径方向」、「外周」、「外部」などが指示する位置関係は、図面に示される位置関係であり、装置、アセンブリ又はユニットが特定の位置関係を持たなければないことを指示するわけではない。これは、本願の制限として解釈されるべきではない。
本明細書で使用される「システム」、「装置」、「ユニット」及び/又は「モジュール」は、異なるレベルの異なるアセンブリ、要素、部品、部分、又は取り付けを区別する方法であることを理解されたい。他の用語は同じ目的を達成することができれば、他の用語で前記用語を置き換えることができる。
本願及び特許請求の範囲に示されるように、用語「一つ」、「一個」、「一種」及び/又は「該」などの用語は、単数を指すのではなく、文脈が明らかに例外を示さない限り、複数を含んでもよい。一般的に言えば、「含む」という用語は、明確に識別されたステップ及び要素を含むことを示唆するだけであり、これらのステップ及び要素は排他的なリストを構成するものではなく、方法又はデバイスは、他のステップ又は要素も含んでもよい。
本願でフローチャートを利用して、本願の実施形態のシステムが実行される操作を説明する。先行又は後続の操作は、必ずしも順序で正確に実行されるとは限らないことを理解されたい。逆に、さまざまなステップを逆の順序で、または同時に処理することができる。同時に、これらの手順に他の操作を追加したり、これらの手順から特定の手順を削除したりすることができる。
図1は、いくつかの実施形態に示される例示的な結晶の製造装置の概略図である。
結晶の製造装置100は、結晶を製造することに用いられる。いくつかの実施形態において、結晶の製造装置100は、物理的蒸気輸送(Physical Vapor Transport,PVT)に基づいて結晶を製造する。結晶の製造装置100の成長チャンバの上部には種結晶が接着され、成長チャンバの底部には原料が配置され、成長チャンバの外側には加熱アセンブリ(例えば、誘導コイル)が設けら、成長チャンバを加熱することに用いられる。結晶の成長過程において、成長チャンバの内部の温度場分布を制御することにより、原料と種結晶との間に軸方向温度勾配を形成する。原料は高温で気相成分に分解・昇華され、気相成分は軸方向温度勾配に駆動され、低温領域での種結晶に輸送される。種結晶が位置する場所は温度が低いので、気相成分が種結晶の表面に結晶を形成することができる。いくつかの実施形態において、結晶は、炭化ケイ素結晶、窒化アルミニウム結晶、酸化亜鉛結晶又はアンチモン化亜鉛結晶を含むことができるが、これらに限定されない。
図1に示すように、結晶の製造装置100は、成長チャンバ110及び加熱アセンブリ120を含む。加熱アセンブリ120は、成長チャンバ110を加熱することに用いられ、結晶成長に必要な温度場を提供し、結晶を製造するようになる。
成長チャンバ110は、結晶成長を提供するための場所でる。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110は、種結晶を成長し、その後、種結晶に基づいてさらに結晶を成長させることに用いられる。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の内部は、種結晶及び原料を置き、種結晶及び原料に基づいて結晶を成長させることに用いられる。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110は、成長チャンバカバー111及び成長チャンバ本体112を含む。いくつかの実施形態において、成長チャンバ本体112は、成長チャンバ底部カバーを有し、成長チャンバカバーがない容器であってもよい。いくつかの実施形態において、成長チャンバカバー111は、成長チャンバ本体112の上部に配置され、成長チャンバ本体112の上部の開口部を閉じることに用いられる。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110は、るつぼであってもよく、るつぼがるつぼカバー及びるつぼ本体を含む。いくつかの実施形態において、成長チャンバ本体112の形状は、円筒形、直方体、立方体などを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、成長チャンバカバー111の形状は、円形のディスク、長方形のディスク、正方形のディスクなどを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、成長チャンバカバー111及び成長チャンバ本体112の形状互いに適合している。いくつかの実施形態において、成長チャンバ本体112の形状は、バレル底部及びバレル側壁を含む円筒形のバレルであってもよく、成長チャンバカバー111の形状は、円盤であってもよい。いくつかの実施形態において、成長チャンバ本体112の形状は、バレル底部及びバレル側壁を含む直方体のバレルであってもよく、成長チャンバカバー111の形状は、長方形のディスク又は正方形のディスクであってもよい。
いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の材料は、グラファイトを含んでもよいが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の材料は、グラファイト及び炭化ケイ素を含んでもよい。いくつかの実施形態において、グラファイトの質量は、成長チャンバ110の質量の40%~90%を占めてもよい。いくつかの実施形態において、グラファイトの質量は、成長チャンバ110の質量の45%~85%を占めてもよい。いくつかの実施形態において、グラファイトの質量は、成長チャンバ110の質量の50%~80%を占めてもよい。いくつかの実施形態において、グラファイトの質量は、成長チャンバ110の質量の55%~75%を占めてもよい。いくつかの実施形態において、グラファイトの質量は、成長チャンバ110の質量の60%~70%を占めてもよい。いくつかの実施形態において、グラファイトの質量は、成長チャンバ110の質量の64~66%を占めてもよい。いくつかの実施形態において、成長チャンバカバー111及び成長チャンバ本体112の材料は、同じであっても異なってもよい。
加熱アセンブリ120は、結晶を製造するために、成長チャンバ110を加熱し、結晶成長に必要な温度場を提供することに用いられる。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の内部の温度場の下で、原料を昇華し、分解して気相成分を生成することができ、気相成分は、軸方向温度勾配に駆動され、種結晶に輸送され、種結晶で生長し、結晶化して結晶を形成する。いくつかの実施形態において、加熱アセンブリ120は、成長チャンバ110の外側及び/又は内側に配置される。いくつかの実施形態において、加熱アセンブリ120は、抵抗加熱装置及び/又は電磁誘導加熱装置などを含むことができるが、これらに限定されない。図1に示すように、加熱アセンブリ120は、成長チャンバ110の外側に配置された電磁誘導加熱装置を含む。いくつかの実施形態において、電磁誘導加熱装置は、誘導コイルを含む。誘導コイルは、異なる周波数の交流電流の下で、成長チャンバ110の表面に渦電流を発生させることができる。渦電流の下で、成長チャンバ110の表面で生成された電気エネルギーを熱エネルギーに変換して、成長チャンバ110を加熱するようになる。いくつかの実施形態において、加熱アセンブリ120は、抵抗加熱装置を含む。いくつかの実施形態において、加熱アセンブリ120は、グラファイト抵抗加熱装置を含み、グラファイトに通電した後、電流がグラファイトを流すジュール効果によって生成される熱エネルギーを利用して、成長チャンバ110を加熱することができる。
図1に示すように、成長チャンバカバー111の内側に種結晶150が接着され、成長チャンバ本体112の内部に原料160が置かれる。図1の点線aは、種結晶150の下表面を示す。図1の破線bは、原料160の上表面を示す。いくつかの実施形態において、半径方向温度差は、成長チャンバ110の同じ高さに位置する水平断面における最高温度と最低温度との間の差を表す。成長チャンバ110は高さを有するので、異なる高さの水平断面で最高温度と最低温度との間の差は、異なるかもしれない。いくつかの実施形態において、半径方向温度差は、種結晶の下表面がある平面(図1の点線aがある水平面)の最高温度と最低温度との間の差を指す。いくつかの実施形態において、半径方向温度差は、原料の上表面がある平面(図1の点線bがある水平面)の最高温度と最低温度との間の差を指す。いくつかの実施形態において、半径方向温度差は、原料160の上表面がある平面と種結晶の下表面がある平面との間の任意の水平面における最高温度と最低温度との間の差を指す。
図1に示すように、加熱アセンブリ120は、成長チャンバ110の外側に配置された電磁誘導加熱装置を含む。電磁誘導加熱装置は、誘導コイルであってもよい。誘導コイルが通電され、成長チャンバ110を加熱すると、熱エネルギーは、成長チャンバの壁から成長チャンバ110の内部に伝導される。成長チャンバ110の内部では、熱エネルギーが成長チャンバ110の周辺領域から成長チャンバ110の中央領域に伝導される。熱伝導の過程で、熱放散があるので、成長チャンバ110の内部の周辺領域は相対的に高温領域となり、中央領域は相対的に低温領域となる。いくつかの実施形態において、周辺領域は、成長チャンバ110の壁に隣接する領域であってもよい。中央領域は、成長チャンバ110の中心軸に近づく領域であってもよい。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の内部で、周辺領域から中央領域に温度の低下する温度場が形成される。温度場は、成長チャンバ110の内部の温度の時間的及び空間的な分布を反映することができる。温度が低下する温度場は、半径方向温度差を形成することができる。
半径方向温度差は、種結晶の成長面に熱応力が発生することを引き出し、種結晶の成長面が原料の方向に膨らみ、マイクロパイプや介在物などの欠陥が発生する。特定の状況下では、半径方向温度差は、原料の昇華した気相成分のモル比が半径方向に沿って不均一に分布されることを引き出し、それによって結晶の品質に影響を与える。従って、高品質の結晶を製造するために、半径方向温度差を小さくする必要がある。本発明の実施形態において、特に明記しない限り、温場、温度場及び温度分布は、置き換えて使用することができる。
いくつかの実施形態において、温度制御システムは、結晶成長中で成長チャンバの内部の半径方向温度差に結晶成長温度の第一プリセット範囲を超えさせないことができる。いくつかの実施形態において、結晶成長温度及び/又は第一プリセット範囲を予めに設定することができる。いくつかの実施形態において、プリセット条件に基づいて、特定のアルゴリズムに従って、結晶成長温度及び/又は第一プリセット範囲を動的に決定することができる。いくつかの実施形態において、プリセット条件は、成長チャンバ110のサイズ、形状及び材料、種結晶のサイズ、成長しようとする結晶の種類及びサイズを含むことができるが、これらに限定されない。温度制御システムの具体的な説明については、本明細書の図2とその関連説明を参照してください。
半径方向温度差は、結晶成長中にマイクロパイプや介在物などの欠陥を引き起こす可能性がある。従って、高品質の結晶を獲得するために、結晶成長中に半径方向温度差を制御する必要がある。具体的な制御処理については、本明細書の他の部分の説明(例えば、図2)を参照してください。いくつかの実施形態において、結晶成長温度は、結晶成長に必要な摂氏温度を指す。結晶の種類が異なれば、成長温度も異なる。いくつかの実施形態において、炭化ケイ素結晶の成長温度は、2200℃~2400℃であってもよい。いくつかの実施形態において、温度制御システムは、結晶成長中に成長チャンバの内部の半径方向温度差に結晶成長温度の1%を超えさせないことができる。いくつかの実施形態において、温度制御システムは、結晶成長中に成長チャンバの内部の半径方向温度差に結晶成長温度の0.8%を超えさせないことができる。いくつかの実施形態において、温度制御システムは、結晶成長中に成長チャンバの内部の半径方向温度差を結晶成長温度の0.6%を超えさせないことができる。いくつかの実施形態において、温度制御システムは、結晶成長中に成長チャンバの内部の半径方向温度差に結晶成長温度の0.5%を超えさせないことができる。いくつかの実施形態において、温度制御システムは、結晶成長中に成長チャンバの内部の半径方向温度差に結晶成長温度の0.4%を超えさせないことができる。いくつかの実施形態において、温度制御システムは、結晶成長中に成長チャンバの内部の半径方向温度差に結晶成長温度の0.3%を超えさせないことができる。いくつかの実施形態において、温度制御システムは、結晶成長中に成長チャンバの内部の半径方向温度差に結晶成長温度の0.25%を超えさせないことができる。いくつかの実施形態において、温度制御システムは、結晶成長中に成長チャンバの内部の半径方向温度差に結晶成長温度の0.2%を超えさせないことができる。いくつかの実施形態において、温度制御システムは、結晶成長中に成長チャンバの内部の半径方向温度差に結晶成長温度の0.15%を超えさせないことができる。いくつかの実施形態において、温度制御システムは、結晶成長中に成長チャンバの内部の半径方向温度差に結晶成長温度の0.1%を超えさせないことができる。いくつかの実施形態において、温度制御システムは、結晶成長中に成長チャンバの内部の半径方向温度差に結晶成長温度の0.08%を超えさせないことができる。いくつかの実施形態において、温度制御システムは、結晶成長中に成長チャンバの内部の半径方向温度差に結晶成長温度の0.06%を超えさせないことができる。いくつかの実施形態において、温度制御システムは、結晶成長中に成長チャンバの内部の半径方向温度差に結晶成長温度の0.05%を超えさせないことができる。いくつかの実施形態において、温度制御システムは、結晶成長中に成長チャンバの内部の半径方向温度差に結晶成長温度の0.02%を超えさせないことができる。
いくつかの実施形態において、温度制御システムは、結晶成長中に成長チャンバの内部の半径方向温度差にプリセット半径方向温度差閾値を超えさせないことができる。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、0.5℃~6℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、0.6℃~5.7℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、0.7℃~5.4℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、0.8℃~5℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、0.9℃~4.7℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、1℃~4.4℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、1.1℃~4℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、1.2℃~3.5℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、1.3℃~3℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、1.4℃~2.5℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、1.5℃~2℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、1.6℃~1.9℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、1.7℃~1.8℃の範囲にあってもよい。
結晶が所定のサイズに成長するには所定の時間がかかるので、結晶成長の過程において、成長チャンバの内部の半径方向温度差を制御する必要があり、成長チャンバの内部の半径方向温度差を、所定の時間区域で結晶成長温度の第一プリセット範囲又はプリセット半径方向温度差閾値を超えさせない。結晶が所定の結晶面に沿って成長するので、ある時間区域で成長された結晶に欠陥が発生すると、その後の結晶成長段階で欠陥が蓄積及び拡大し続け、最終的に結晶品質が低下し、ひいては使用することができないことを引き出す。従って、結晶成長期間の前段階の時間で、結晶成長中の成長チャンバの内部の半径方向温度差を、結晶成長温度の第一プリセット範囲又はプリセット半径方向温度差閾値を超えないように制御する必要がある。
いくつかの実施形態において、温度制御システムは、結晶成長する時の成長チャンバの内部の半径方向温度差が少なくとも結晶成長サブインターバルにおいて、結晶成長温度の第一プリセット範囲又はプリセット半径方向温度差閾値を超えないこと、を維持する。いくつかの実施形態において、結晶成長サブインターバルは、結晶成長インターバルの前のあるインターバルの期間であってもよい。いくつかの実施形態において、結晶成長インターバルは午前4時から午後24時までであり、結晶成長サブインターバルが結晶成長インターバルの最初の90%である期間であり、結晶成長サブインターバルが午前4時から午後22時までであることを表すことができる。いくつかの実施形態において、結晶成長インターバルは、結晶が所定のサイズに成長するのに必要な最小時間を指す。いくつかの実施形態において、予めに設定された条件によって、結晶成長サンターバルを確定することができる。いくつかの実施形態において、予めに設定された条件は、成長チャンバ110のサイズ、形状及び材料、種結晶のサイズ、ならびに成長される結晶の種類及びサイズを含むことができるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、結晶成長サブインターバルは、結晶成長インターバルの最初の80%である期間であってもよい。いくつかの実施形態において、結晶成長サブインターバルは、結晶成長インターバルの最初の85%である期間であってもよい。いくつかの実施形態において、結晶成長サブインターバルは、結晶成長インターバルの最初の90%である期間であってもよい。いくつかの実施形態において、結晶成長サブインターバルは、結晶成長インターバルの最初の95%の期間であってもよい。いくつかの実施形態において、温度制御システムは、結晶成長中に成長チャンバの内部の半径方向温度差を、結晶成長インターバル全体において、結晶成長温度の第一プリセット範囲又はプリセット半径方向温度差閾値を超えないように維持することができる。
いくつかの実施形態において、半径方向温度差は、成長チャンバの半径に関連する。図1に示すように、成長チャンバ110の半径が大きいほど、熱エネルギーが成長チャンバ110の壁から成長チャンバ110の内部に伝導する過程で、より多くの熱エネルギーが放散され、半径方向温度差が大きくなることを引き出す。いくつかの実施形態において、異なる半径を有する成長チャンバ110に成長される結晶が成長する時の半径方向温度差が、結晶成長温度の第一プリセット範囲又はプリセット半径方向温度差閾値を超えないようにする。
いくつかの実施形態において、成長チャンバの半径が5cmを超えない場合、温度制御システムは、結晶が成長する時、成長チャンバの内部の半径方向温度差が結晶成長温度の0.075%又はプリセット半径方向温度差閾値を超えないようにする。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、0.5℃~1.5℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、0.6℃~1.4℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、0.7℃~1.3℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、0.8℃~1.2℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、0.9℃~1.1℃の範囲にあってもよい。
いくつかの実施形態において、成長チャンバの半径が5cmより大きく8cm以下である場合、温度制御システムは、結晶成長中の半径方向温度差が結晶成長温度の0.15%又はプリセット半径方向温度差閾値を超えないようにすることができる。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、0.8℃~2.8℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、0.9℃~2.7℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、1℃~2.6℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、1.1℃~2.5℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、1.2℃~2.4℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、1.3℃~2.3℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、1.4℃~2.2℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、1.5℃~2.1℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、1.6℃~2℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、1.7℃~1.9℃の範囲にあってもよい。
いくつかの実施形態において、成長チャンバの半径が8cmより大きく10cm以下である場合、温度制御システムは、結晶成長中の成長チャンバの内部の半径方向温度差が結晶成長温度の0.2%又はプリセット半径方向温度差閾値を超えないようにすることができる。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、1.5℃~4.5℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、1.7℃~4.3℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、1.9℃~4.1℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、2.1℃~3.9℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、2.3℃~3.7℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、2.5℃~3.5℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、2.7℃~3.3℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、2.9℃~3.1℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は3℃であってもよい。
いくつかの実施形態において、成長チャンバの半径が10cmより大きい場合、温度制御システムは、結晶成長中の成長チャンバの内部の半径方向温度差が結晶成長温度の0.3%又はプリセット半径方向温度差閾値を超えないようにすることができる。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、1.5℃~6℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、1.7~5.8℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、1.9℃~5.6℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、2.1℃~5.4℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、2.3℃~5.2℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、2.5℃~5℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、2.7℃~4.8℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、2.9℃~4.6℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、3.1℃~4.4℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、3.3℃~4.2℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、3.5℃~4℃の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値は、3.7℃~3.8℃の範囲にあってもよい。
いくつかの実施形態において、半径方向温度勾配は、成長チャンバ110の同じ高さでの水平断面における成長チャンバの内壁から成長チャンバの中心軸までの単位距離当たりの温度差を含む。いくつかの実施形態において、温度の低下は、成長チャンバの内壁から成長チャンバの中心軸への方向に半径方向温度勾配を形成する。半径方向温度勾配は、種結晶の成長面に熱応力が発生することを引き起こし、種結晶の成長面が原料の方向に膨らみ、マイクロパイプや介在物などの欠陥を生成する。特定の状況下では、半径方向温度勾配は、原料の昇華した気相成分のモル比が半径方向に沿う分布を均一にならせ、それによって結晶の品質に影響を与える。従って、高品質の結晶を製造するために、半径方向温度勾配を小さくする必要がある。
いくつかの実施形態において、温度制御システムは、結晶成長中に成長チャンバの内部の半径方向温度勾配がプリセット半径方向温度勾配閾値を超えないようにすることができる。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値を予めに設定してもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値を予めに設定された条件によって確定してもよい。いくつかの実施形態において、予めに設定された条件は、成長チャンバ110のサイズ、形状及び材料、種結晶のサイズ、ならびに成長される結晶の種類及びサイズを含むことができるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.1℃/cm~0.5℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.11℃/cm~0.49℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.12℃/cm~0.48℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.13℃/cm~0.47℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.14℃/cm~0.46℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.15℃/cm~0.45℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.16℃/cm~0.44℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.17℃/cm~0.43℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.18℃/cm~0.42℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.19℃/cm~0.41℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.2℃/cm~0.4℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.21℃/cm~0.39℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.22℃/cm~0.38℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.23℃/cm~0.37℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.24℃/cm~0.36℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.25℃/cm~0.35℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.26℃/cm~0.34℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.27℃/cm~0.33℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.28℃/cm~0.32℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.29℃/cm~0.31℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.3℃/cmであってもよい。
いくつかの実施形態において、半径方向温度勾配は、成長チャンバの半径に関連する。図1に示すように、成長チャンバ110の半径が大きければ大きいほど、熱エネルギーが成長チャンバの壁から成長チャンバ110の内部に伝導する過程で、より多くの熱エネルギーが放散される。成長チャンバ110の中央領域に伝導される熱エネルギーが少なくなり、成長チャンバ110の中央領域の温度は低くなる。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の中央領域の温度は比較的に低く、種結晶の成長面に熱応力が発生することを引き起こし、種結晶の成長面が原料の方向に膨らみ、マイクロパイプや介在物などの欠陥を生成する。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の中央領域の温度は低くなるので、原料の昇華した気相成分のモル比が半径方向に沿う分布を均一にならせ、それによって結晶の品質に影響を与える。いくつかの実施形態において、異なる半径を有する成長チャンバ110で成長する結晶が成長する時の半径方向温度勾配に、プリセット半径方向温度勾配閾値を超えさせない。
いくつかの実施形態において、成長チャンバの半径が5cmを超えない場合、温度制御システムは、結晶成長中に成長チャンバの内部の半径方向温度勾配がプリセット半径方向温度勾配閾値を超えないようにすることができる。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.1℃/cm~0.3℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.11℃/cm~0.29℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.12℃/cm~0.28℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.13℃/cm~0.27℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.14℃/cm~0.26℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.15℃/cm~0.25℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.16℃/cm~0.24℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.17℃/cm~0.23℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.18℃/cm~0.22℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.19℃/cm~0.21℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.2℃/cmであってもよい。
いくつかの実施形態において、成長チャンバの半径が5cmより大きく8cm以下である場合、温度制御システムは、結晶成長中に成長チャンバの内部の半径方向温度勾配がプリセット半径方向温度勾配閾値を超えないようにすることができる。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.1℃/cm~0.37℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.11℃/cm~0.36℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.12℃/cm~0.35℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.13℃/cm~0.34℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.14℃/cm~0.33℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.15℃/cm~0.32℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.16℃/cm~0.31℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.17℃/cm~0.3℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.18℃/cm~0.29℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.19℃/cm~0.28℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.2℃/cm~0.27℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.21℃/cm~0.26℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.22℃/cm~0.25℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.23℃/cm~0.24℃/cmの範囲にあってもよい。
いくつかの実施形態において、成長チャンバの半径が8cmより大きく10cm以下である場合、温度制御システムは、結晶成長中に成長チャンバ内部の半径方向温度勾配がプリセット半径方向温度勾配閾値を超えないようにすることができる。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.15℃/cm~0.45℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.16℃/cm~0.44℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.17℃/cm~0.43℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.18℃/cm~0.42℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.19℃/cm~0.41℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.2℃/cm~0.4℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.21℃/cm~0.39℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.22℃/cm~0.38℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.23℃/cm~0.37℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.24℃/cm~0.36℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.25℃/cm~0.35℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.26℃/cm~0.34℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.27℃/cm~0.33℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.28℃/cm~0.32℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.29℃/cm~0.31℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.3℃/cmであってもよい。
いくつかの実施形態において、成長チャンバの半径が10cmより大きい場合、温度制御システムは、結晶成長中に成長チャンバの内部の半径方向温度勾配がプリセット半径方向温度勾配閾値を超えないようにすることができる。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.15℃/cm~0.6℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.17℃/cm~0.58℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.19℃/cm~0.56℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.21℃/cm~0.54℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.23℃/cm~0.52℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.25℃/cm~0.5℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.27℃/cm~0.48℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.29℃/cm~0.46℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.31℃/cm~0.44℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.33℃/cm~0.42℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.35℃/cm~0.4℃/cmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、0.37℃/cm~0.38℃/cmの範囲にあってもよい。
図1に示すように、種結晶150の下表面と原料160の上表面との間の距離は、Hcmで表す。いくつかの実施形態において、軸方向温度勾配は、成長チャンバ110の中心軸の方向における単位距離当たりの温度差を指す。原料160の上表面がある平面に半径方向温度差がない、又は半径方向温度差が無視できると仮定すると、原料160の上表面がある平面の温度は、a℃で表すことができる。種結晶150の下表面がある平面に半径方向温度差がない、又は半径方向温度差が無視できると仮定すると、種結晶150の下表面がある平面の温度はb℃で表すことができる。その中で、a>b、軸方向温度勾配は(a-b)/Hで表すことができ、単位は℃/cmである。
軸方向温度勾配は、原料の熱分解によって昇華した気相成分を種結晶の表面に輸送して結晶を成長させる原動力である。軸方向温度勾配が不安定である場合、気相成分が軸方向に均一に分布せず、成長した結晶の品質が低下する。従って、高品質の結晶を成長させるために、安定した軸方向温度勾配を維持する必要がある。いくつかの実施形態において、加熱アセンブリは、結晶が成長する時の軸方向温度勾配の安定を維持することに用いられる。
いくつかの実施形態において、軸方向温度勾配は、結晶の品質を確保するために、プリセット軸方向温度勾配の範囲で制御される必要がある。軸方向温度勾配が小さすぎると、駆動力が十分ではない可能性があり、種結晶の下表面で気相成分の堆積速度が遅すぎて、物理的気相輸送(PVT)が質量輸送に対する要求を満たすことができない。軸方向温度勾配が大きすぎると、質量輸送が速すぎ、種結晶の下表面で気相成分の堆積速度が速すぎて、結晶成長面に大きな応力が形成され、介在物などの欠陥を形成しやすく、さらに他の転位欠陥を引き出し、結晶品質に影響を与える。従って、軸方向温度勾配は、適切なプリセット軸方向温度勾配の範囲に維持される必要がある。
いくつかの実施形態において、温度制御システムは、結晶成長中に成長チャンバの内部の軸方向温度勾配をプリセット軸方向温度勾配の範囲に維持することができる。いくつかの実施形態において、プリセット軸方向温度勾配の範囲は、0.2℃/cm~2.5℃/cmであってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット軸方向温度勾配の範囲は、0.3℃/cm~2.4℃/cmであってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット軸方向温度勾配の範囲は、0.4℃/cm~2.3℃/cmであってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット軸方向温度勾配の範囲は、0.5℃/cm~2.2℃/cmであってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット軸方向温度勾配の範囲は、0.6℃/cm~2.1℃/cmであってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット軸方向温度勾配の範囲は、0.7℃/cm~2.0℃/cmであってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット軸方向温度勾配の範囲は、0.8℃/cm~1.9℃/cmであってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット軸方向温度勾配の範囲は、0.9℃/cm~1.8℃/cmであってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット軸方向温度勾配の範囲は、1.0℃/cm~1.7℃/cmであってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット軸方向温度勾配の範囲は、1.1℃/cm~1.6℃/cmであってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット軸方向温度勾配の範囲は、1.2℃/cm~1.5℃/cmであってもよい。いくつかの実施形態において、プリセット軸方向温度勾配の範囲は、1.3℃/cm~1.4℃/cmであってもよい。
いくつかの実施形態において、加熱アセンブリは、少なくとも一つの加熱ユニットを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットの数量は、一つ、二つ、三つなどを含んでもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットが成長チャンバの外側に配置される。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットの一部が、成長チャンバの周囲に囲んで配置される。いくつかの実施形態において、少なくとも二つの加熱ユニットのうちの少なくとも一つの加熱ユニットは、成長チャンバの周囲に囲んで配置されてもよく、少なくとも二つの加熱ユニットのうちの少なくとも一つの加熱ユニットは、成長チャンバの外側の上表面及び/又は下表面に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットが成長チャンバの内部に配置される。いくつかの実施形態において、少なくとも二つの加熱ユニットのうちの少なくとも一つの加熱ユニットは、成長チャンバの内部に配置されてもよく、少なくとも二つの加熱ユニットのうちの少なくとも一つの加熱ユニットは、成長チャンバの周囲に囲んで配置されてもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも二つの加熱ユニットのうちの少なくとも一つの加熱ユニットは、成長チャンバの内部に配置されてもよく、少なくとも二つの加熱ユニットのうちの少なくとも一つの加熱ユニットは、成長チャンバの外側の上表面及び/又は下表面に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、成長チャンバの外側に位置する少なくとも一つの加熱ユニットは、少なくとも三つの第一加熱ユニットを含んでもよく、少なくとも三つの第一加熱ユニットは、成長チャンバの内部の結晶化領域、成長チャンバの内部の原料区域及び結晶化領域と原料区域との間の気相輸送区域の位置にそれぞれ対応してもよい。
いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットは、抵抗加熱装置、電磁誘導加熱装置などを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットは、抵抗発熱体及び/又は電磁誘導コイルを含んでもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットの材料は、グラファイト、タングステン、プラチナ、モリブデン、タンタル、又はイリジウムのうちの少なくとも一つを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットは、抵抗発熱体を含んでもよい。抵抗発熱体は、黒鉛発熱体、タングステン発熱体、白金発熱体、モリブデン発熱体、タンタル発熱体、イリジウム発熱体、又は二ホウ化ジルコニウムの複合セラミック発熱体のうちの少なくとも一つを含むことができるが、これらに限定されない。
結晶の製造装置100に関する上記の説明は、例示及び説明のみを目的としており、本願の適用範囲を限定するものではないことに留意されたい。当業者であれば、本発明の技術構成の趣旨や範囲を逸脱しない前提下で、結晶の製造装置100にいろいろな更正及び変形を行なうことができる。これらの更正及び変形は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるべきである。
図2は、いくつかの実施形態に示される例示的な温度フィードバックの調節システムの概略図である。
いくつかの実施形態において、結晶の製造装置は、温度フィードバックの調節システム200を含むことができる。図2に示すように、温度フィードバックの調節システム200は、温度感知アセンブリ210、加熱アセンブリ220、及び制御アセンブリ230を含むことができる。本明細書の実施形態では、特に明記しない限り、温度フィードバックの調節システム及び温度制御システムが互換的に使用することができる。本明細書の実施形態では、加熱アセンブリ120及び加熱アセンブリ220は、同じアセンブリを表すことができる。
いくつかの実施形態において、温度感知アセンブリ210は、少なくとも一つの温度感知ユニットを含むことができる。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの温度感知ユニットが成長チャンバの周囲に配置される。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの温度検知ユニットは、成長チャンバの温度を測定することに用いられ、結晶成長中の温度分布を取得し、測定した温度を制御アセンブリ230に発送する。いくつかの実施形態において、温度分布は、半径方向温度分布及び軸方向温度分布を含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、半径方向温度分布は、成長チャンバ110の少なくとも一つの水平断面にわたる温度分布を含むことができる。いくつかの実施形態において、軸方向温度分布は、成長チャンバ110の中心軸又は中心軸に平行な方向の温度分布を含むことができる。いくつかの実施形態において、半径方向温度分布は、半径方向温度差分布及び/又は半径方向温度勾配分布を含むことができる。いくつかの実施形態において、軸方向温度分布は、軸方向温度勾配分布を含むことができる。
いくつかの実施形態において、少なくとも一つの温度感知ユニットの数量は、一つ、二つ、三つなどを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの温度感知ユニットは、少なくとも一つの温度センサを含むことができるが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの温度感知ユニットは、少なくとも一つの赤外線温度計を含むことができる。
いくつかの実施形態において、少なくとも一つの温度感知ユニットを成長チャンバの外側の上表面に配置され、種結晶の下表面又は結晶成長面の温度を測定することに用いられる。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの温度感知ユニットが成長チャンバの外側の下表面に配置され、原料の上表面の温度を測定することに用いられる。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの温度感知ユニットが成長チャンバの外壁に配置され、成長チャンバの内周区域及び外周区域の温度を測定することに用いられる。
いくつかの実施形態において、少なくとも一つの温度感知ユニットは、成長チャンバカバー又は成長チャンバ底カバーの中心を円心として、リング形状に配置され、成長チャンバの直径が等しい位置の温度を測定することに用いられる。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの温度感知ユニットが、成長チャンバの中心軸に平行し、成長チャンバの外壁に配置され、成長チャンバの軸方向温度を測定することに用いられる。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの温度検知ユニットは、正方形又は長方形などの他の形状に配置されてもよい。
いくつかの実施形態において、温度感知アセンブリの情報は、少なくとも一つの温度感知ユニットの配置、少なくとも一つの温度感知ユニットの数量、少なくとも一つの温度感知ユニットの位置、少なくとも一つの温度感知ユニットによって測定される温度を含むことができるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、制御アセンブリ230は、少なくとも一つの制御ユニットを含むことができる。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの制御ユニットのそれぞれは、結晶成長中の温度分布がプリセット温度分布を満たすように、各加熱ユニットの少なくとも一つのパラメータを単独で制御するために、少なくとも一つの加熱ユニットのそれぞれに接続されてもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのパラメータは、電流又は加熱電力のうちの少なくとも一つを含んでもよい。いくつかの実施形態において、プリセット温度分布は、プリセット半径方向温度差分布、プリセット半径方向温度勾配分布、及び/又はプリセット軸方向温度勾配分布を含むことができるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、制御アセンブリ230は、温度感知アセンブリ210によって測定された半径方向温度に基づいて、半径方向温度差分布及び/又は半径方向温度勾配分布を生成することができる。いくつかの実施形態において、制御アセンブリ230は、温度感知アセンブリ210によって測定された軸方向温度に基づいて、軸方向温度勾配分布を生成することができる。
いくつかの実施形態において、制御アセンブリ230は、結晶成長中の温度分布に基づいて、少なくとも一つの加熱ユニットの少なくとも一つのパラメータを制御し、結晶成長中の成長チャンバの内部の半径方向温度差が成長チャンバの内部の平均温度の第一プリセット範囲又はプリセット半径方向温度閾値を超えないようになる。いくつかの実施形態において、制御アセンブリ230は、結晶成長中の温度分布に基づいて、少なくとも一つの加熱ユニットの少なくとも一つのパラメータを制御し、結晶成長中の成長チャンバの内部の半径方向温度勾配がプリセット半径方向温度勾配閾値を超えないようになる。いくつかの実施形態において、温度感知アセンブリ210は、成長チャンバの半径方向温度を測定し、測定された半径方向温度を制御アセンブリ230に発送することができる。制御アセンブリ230は、温度感知アセンブリ210によって測定された半径方向温度に基づいて、半径方向温度差分布及び/又は半径方向温度勾配分布を生成することができる。制御アセンブリ230は、成長チャンバ110のサイズ、形状及び材料、種結晶のサイズ、ならびに成長される結晶の種類及びサイズによって、プリセット半径方向温度差閾値及び/又は半径方向温度勾配閾値を確定することに用いられる。制御アセンブリ230は、半径方向温度差分布における半径方向温度差をプリセット半径方向温度差閾値と比較するか、又は半径方向温度勾配分布における半径方向温度勾配をプリセット半径方向温度勾配閾値と比較することができる。半径方向温度差がプリセット半径方向温度差閾値よりも大きい場合、又は半径方向温度勾配がプリセット半径方向温度勾配閾値よりも大きい場合、制御アセンブリ230は、半径方向温度差がプリセット半径方向温度差閾値を超えなく、及び/又は半径方向温度勾配がプリセット半径方向温度勾配閾値を超えなくなるまで、半径方向温度差及び/又は半径方向温度勾配を減少させるために、成長チャンバ110の中央領域に配置された少なくとも一つの加熱ユニットの加熱電力を増加させることができる。
いくつかの実施形態において、制御アセンブリ230は、結晶成長中の温度分布に基づいて、少なくとも一つの加熱ユニットの少なくとも一つのパラメータを制御して、結晶成長中の成長チャンバの内部の軸方向温度勾配に安定を維持させるようになる。いくつかの実施形態において、制御アセンブリ230は、結晶成長中の温度分布に基づいて、少なくとも一つの加熱ユニットの少なくとも一つのパラメータをさらに制御して、結晶成長中の成長チャンバの内部の軸方向温度勾配がプリセット軸方向温度勾配の範囲に維持されるようにする。いくつかの実施形態において、温度感知アセンブリ210は、成長チャンバの軸方向温度を測定し、測定された軸方向温度を制御アセンブリ230に送ることができる。制御アセンブリ230は、温度感知アセンブリ210によって測定された軸方向温度に基づいて、軸方向温度勾配分布を生成することができる。制御アセンブリ230は、成長チャンバ110のサイズ、形状及び材料、種結晶のサイズ、ならびに成長される結晶の種類及びサイズによって、プリセット軸方向温度勾配範囲を確定することに用いられる。制御アセンブリ230はさらに、軸方向温度勾配分布における軸方向温度勾配をプリセット軸方向温度勾配の範囲と比較することができる。軸方向温度勾配がプリセット軸方向温度勾配の範囲より小さい場合、制御アセンブリ230は、成長チャンバの外周に配置され、成長チャンバカバーに近い少なくとも一つの加熱ユニットの加熱電力を減少させるか、又は成長チャンバの外周に配置され、成長チャンバの底カバーに近い少なくとも一つの加熱ユニットの加熱電力を増加させ、軸方向温度勾配がプリセット軸方向温度勾配の範囲にあるまで軸方向温度勾配を増加させるようになる。軸方向温度勾配がプリセット軸方向温度勾配範囲よりも大きい場合、制御アセンブリ230は、成長チャンバの外周に配置され、成長チャンバカバーに近い少なくとも一つの加熱ユニットの加熱電力を増加させるか、又は成長チャンバの外周に配置され、成長チャンバの底カバーに近い少なくとも一つの加熱ユニットの加熱電力を減少させ、軸方向温度勾配がプリセット軸方向温度勾配の範囲にあるまで軸方向温度勾配を減少させるようになる。
いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度差閾値、プリセット半径方向温度勾配閾値、及びプリセット軸方向温度勾配範囲は、成長チャンバ110のサイズ、形状及び材料、種結晶のサイズ、成長される結晶の種類とサイズによって決定することができる。プリセット半径方向温度差閾値、プリセット半径方向温度勾配閾値、及びプリセット軸方向温度勾配範囲の関連内容については、図1及びその関連説明を参照して、ここでは繰り返さない。
いくつかの実施形態において、温度フィードバック調節システム200は、ストレージコンポーネント(図示せず)をさらに含む。ストレージコンポーネントは、データ、命令、及び/又はその他の情報を記憶することができる。いくつかの実施形態において、ストレージコンポーネントは、結晶成長に関与するデータ及び/又は情報を記憶することができる。いくつかの実施形態において、ストレージコンポーネントは、結晶成長に必要な結晶成長温度、結晶成長期間、結晶成長間隔、プリセット温度分布、プリセット半径温度差閾値、プリセット半径温度勾配閾値、プリセット軸方向温度勾配の範囲などを記憶することができる。いくつかの実施形態において、ストレージコンポーネントは、結晶の種類、種結晶のサイズ、成長される結晶のサイズなどを記憶することができる。いくつかの実施形態において、ストレージコンポーネントは、結晶の製造装置100が本明細書の実施形態で説明される例示的な結晶成長方法を実行又は達成するために使用するデータ及び/又は命令を記憶することができる。例えば、ストレージコンポーネントは、結晶成長中に調節された少なくとも一つの加熱ユニットの少なくとも一つのパラメータを記憶することができる。
いくつかの実施形態において、ストレージコンポーネントは、温度フィードバック調節システム200の一つ又は複数のコンポーネント(例えば、温度感知アセンブリ210、制御アセンブリ230など)と通信するためにネットワークに接続される。フィードバック調節システム200の一つ又は複数のコンポーネント(例えば、制御アセンブリ230など)は、ネットワークを介してストレージコンポーネントのデータ又は命令を読み取ることができる。
いくつかの実施形態において、ストレージコンポーネントは、大容量記憶装置、リムーバブル記憶装置、揮発性読み書きメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)など、又はそれらの任意の組み合わせを含む。例示的な大容量記憶装置には、磁気ディスク、光ディスク、ソリッドステートドライブ、リムーバブル記憶装置などを含む。例示的なリムーバブル記憶装置は、フラッシュドライブ、フロッピーディスク、光ディスク、メモリカード、ZIPディスク、テープなどを含む。例示的な揮発性読み書きメモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。ランダムアクセスメモリには、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、ダブルデーレート同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(DDR-SDRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、サイリスランダムアクセスメモリ(T-RAM)、ゼロキャパシタンスランダムアクセスメモリ(Z-RAM)などを含む。読み取り専用メモリ(ROM)には、マスク読み取り専用メモリ(MROM)、プログラム可能な読み取り専用メモリ(PROM)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタルバーサタイルディスクなどを含む。いくつかの実施形態において、ストレージコンポーネントは、本明細書で説明されるクラウドプラットフォームを通じて実現する。いくつかの実施形態において、クラウドプラットフォームは、プライベートクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド、コミュニティクラウド、分散クラウド、クロスクラウド、マルチクラウドなどの一つ又は組み合わせを含む。
いくつかの実施形態において、温度フィードバック調節システム200は、ディスプレイ(図示せず)をさらに含む。いくつかの実施形態において、ディスプレイは、結晶成長の時間、結晶のサイズ、結晶成長中の温度分布、及び/又は少なくとも一つの加熱ユニットの少なくとも一つのパラメータなどをリアルタイムで表示することができる。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのパラメータは、電流、加熱電力などを含むことができるが、これらに限定されない。
温度フィードバック調節システム200に対する上記の説明は、説明の便宜のためだけのものであり、本願を例示的な実施形態の範囲に限定するものではないことに留意されたい。当業者であれば、システムの原理を理解した後、原理から逸脱することなく、各々のアセンブリを任意に組み合わせたり、他のアセンブリと接続するサブシステムを形成したりしてもよいことを理解することができる。例えば、図2に開示された制御アセンブリ230は、二つ以上のコンポーネントの機能を実現できる一つのコンポーネントであってもよい。一例として、制御アセンブリ230は、少なくとも一つの制御ユニット及び少なくとも一つの処理ユニットを含んでもよい。そのような変形はすべて、本願の保護範囲にある。
図3は、いくつかの実施例に示される例示的な結晶の製造装置の概略図である。いくつかの実施形態において、結晶の製造装置100は、物理的気相輸送に基づいて半導体結晶(例えば、炭化ケイ素結晶、窒化アルミニウム結晶、酸化亜鉛結晶、アンチモン化亜鉛結晶)を製造することができる。図3に示すように、結晶の製造装置100は、成長チャンバ110及び加熱アセンブリを含む。
成長チャンバ110は、種結晶150及び原料160を置くことに用いられる。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110は、成長チャンバカバー111及び成長チャンバ本体112を含むことができ、成長チャンバカバー111は、成長チャンバの上部に配置され、成長チャンバ本体112の上部に位置する開口部を閉じることに用いられる。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110はるつぼであってもよく、るつぼは、るつぼカバー及びるつぼ本体を含んでもよい。いくつかの実施形態において、成長チャンバ本体112の形状は、円柱、直方体、立方体などであってもよい。いくつかの実施形態において、成長チャンバ本体112は、バレル底部及びバレル側壁を含む円筒形バレルであってもよい。いくつかの実施形態において、成長チャンバ本体112の形状に対応して、成長チャンバカバー111の形状は、円形ディスク、長方形ディスク、正方形ディスクなどであってもよい。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の材料は、グラファイトを含んでもよい。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の材料は、全体的又は部分的にグラファイトであってもよい。
いくつかの実施形態において、種結晶150は、成長チャンバカバー111の内側(「下表面」とも呼ばれる)(例えば、内側の中心位置)に固定的に接着されてもよく、原料160は、チャンバ本体112の内部(例えば、成長チャンバ110の下部)に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、種結晶150は、接着剤によって成長チャンバカバー111に固定されてもよい。接着剤は、エポキシ接着剤、AB接着剤、フェノール樹脂接着剤、砂糖接着剤などを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、原料は、粉末、顆粒、凝集体などの形態であってもよい。結晶成長中に、成長チャンバの加熱環境を制御することによって、原料160と種結晶150との間に軸方向温度勾配を形成することができる。原料160は、加熱されると分解して、気相成分に昇華することができ(例えば、炭化ケイ素結晶の製造を例にとると、気相成分は、Si2C、SiC2、及びSiが含まれる)、軸方向温度勾配に駆動されて、気相成分は、原料160の表面から種結晶150の表面に輸送され、種結晶150の箇所の温度は比較的に低いので、気相成分が種結晶150の表面に結晶化し、結晶を形成する。
加熱アセンブリは、成長チャンバ110を加熱することに用いられる。いくつかの実施形態において、加熱アセンブリは、電気加熱装置、電磁誘導加熱装置などを含むことができる。いくつかの実施形態において、加熱アセンブリは、誘導コイルであってもよい。いくつかの実施形態において、加熱アセンブリは、結晶成長に必要な熱の少なくとも一部を提供するために、成長チャンバ110の外側に配置される。誘導コイルを例にとると、誘導コイルは、中間周波数の交流電流の下で、成長チャンバ110の表面に渦電流を発生させることができ、渦電流の下で、成長チャンバ110の表面に形成される電気エネルギーが熱エネルギーに変換され、成長チャンバ110の表面を加熱し、成長チャンバ110の内部に熱伝導を行うことができる。上記と組み合わせて、成長チャンバ110の内部の温度場の下で、原料160は、昇華し、気相成分に分解され、気相成分は、軸方向温度勾配に駆動されて、種結晶150の表面に輸送され、種結晶150の表面に結晶化し、結晶を形成する。
いくつかの実施形態において、加熱アセンブリは、成長チャンバ110の外側に配置することができる。いくつかの実施形態において、加熱アセンブリは、少なくとも二つの加熱ユニットを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも二つの加熱ユニットのうちの少なくとも一つの加熱ユニットは、部分的に成長チャンバ110の外周に囲んで配置されてもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも二つの加熱ユニットのうちの少なくとも一つの加熱ユニットは、成長チャンバ110の上表面及び/又は下表面に配置してもよい。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の上表面及び/又は下表面に配置された少なくとも一つの加熱ユニットは、温度補償アセンブリ1210と呼んでもよい。いくつかの実施形態において、温度補償アセンブリ1210の少なくとも一つの加熱ユニットの数量は、一つ、二つ、三つ、四つなどを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、温度補償アセンブリ1210の少なくとも一つの加熱ユニットの形状は、円柱、三角柱、四角柱、五角柱又は六角柱などの規則な柱体又は不規則な柱体を含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、温度補償アセンブリ1210は、正方形、長方形、円形又はリングなどの規則な形状又は不規則な形状で配置されてもよい。いくつかの実施形態において、温度補償アセンブリ1210は、成長チャンバ110の上表面及び/又は下表面の中心を円心として、リング又は円形に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、配置は均一な配置であっても不均一な配置であってもよい。いくつかの実施形態において、温度補償アセンブリ1210は、成長チャンバ110の上表面及び/又は下表面の中心を円心として、リング状に配置される場合、隣接する二つのリングの間の半径は、等しくても等しくなくてもよい。
いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の外周に囲んで配置された少なくとも一つの加熱ユニットは、第一加熱アセンブリ1220と呼ばれる。いくつかの実施形態において、第一加熱アセンブリ1220の少なくとも一つの加熱ユニットの数量は、一つ、二つ、三つ、四つなどを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、第一加熱アセンブリ1220は、成長チャンバ110の中心軸を中心として成長チャンバ110の外周に囲んで配置される。いくつかの実施形態において、配置は均一な配置であっても不均一な配置であってもよい。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の外周に囲んで配置された二つの隣接する加熱ユニットの間の間隔は、等しくても等しくなくてもよい。いくつかの実施形態において、第一加熱アセンブリ1220及び温度補償アセンブリ1210の加熱方法は、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、温度補償アセンブリ1210の加熱方法は、抵抗加熱であってもよい。いくつかの実施形態において、第一加熱アセンブリ1220の加熱方法は、抵抗加熱又は誘導加熱であってもよい。
いくつかの実施形態において、加熱アセンブリの位置及び/又は加熱アセンブリに印加される加熱パラメータ(例えば、電流、加熱電力など)を調節する(例えば、成長チャンバ110の外表面に沿って上下に調節する)ことによって、成長チャンバ110の内部の温度場を変えることができ、結晶成長を促進するために適切な温度勾配分布を生成するようになる。誘導コイルを例にとると、誘導コイルは、成長チャンバ110の内部の温度場を制御し、それによって適切な温度勾配分布を形成するために、成長チャンバ110の外側にらせん状に巻かれ、且つ隣接するコイル間の距離は、成長チャンバ110の下部から上部に徐々に増加する。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の下部は、成長チャンバカバー111から離れた成長チャンバ110の部分を指してもよい。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の上部は、成長チャンバカバー111に近い成長チャンバ110の部分を指してもよい。いくつかの実施形態において、誘導コイルは、複数の接続されたサブ誘導コイルを含んでもよく、各サブ誘導コイルの加熱パラメータは、成長チャンバ110の内部の温度場を制御し、それによって適切な温度勾配分布を生成するために、それぞれに制御されてもよい。サブ誘導コイルの数量及び/又は位置は、システムのデフォルト設定にすることもでき、さまざまな状況に応じて調整することもできる。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110のサイズ、形状及び材料、種結晶のサイズ、ならびに成長される結晶の種類及びサイズによって、サブ誘導コイルの数量及び/又は位置を調整してもよい。
温度補償アセンブリ1210は、結晶成長中に温度補償を提供することに用いられる。いくつかの実施形態において、温度補償アセンブリ1210は、成長チャンバ110の上表面及び/又は下表面に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、温度補償アセンブリ1210は、成長チャンバ110の上表面の中心の近く及び/又は下表面の中心の近くに配置されてもよい。従来の結晶の製造装置では、通常、成長チャンバを加熱するために成長チャンバの外側に誘導コイルが配置される。従って、熱は、成長チャンバの周辺領域から成長チャンバの中央領域に伝導し、結果として、外周領域が比較的に高温の領域であり、中央領域が比較的に低温の領域であり、中心領域に近ければ近くほど、温度が低くなる。成長チャンバの上部領域(例えば、種結晶が配置される成長チャンバカバーの内側)にとって、この半径方向温度勾配は、結晶成長表面に大きな熱応力が発生することを引き起こす可能性があり、結晶成長表面でさえ原料に向かって大きく膨らみ、マイクロパイプや介在物などの欠陥が容易に生成される。成長チャンバの下部領域(例えば、原料で覆われた領域)にとって、この半径方向温度勾配は、原料の昇華した気相成分のモル比の半径方向に沿う分布が不均一であることを引き出し、結晶品質に影響を与える。従って、この半径方向温度勾配を減らす必要がある。従って、温度補償アセンブリ1210は、半径方向温度勾配を低減するために温度補償を提供することができる。温度補償アセンブリ1210が成長チャンバ110の上表面に配置される場合、成長チャンバカバー111の内側表面(又は「下表面」と呼ばれる)の半径方向温度勾配を低減することができ、それによって、結晶成長表面の応力によって引き起こされる欠陥を低減することができ、結晶の裏面の腐食欠陥を低減又は回避することができる。温度補償アセンブリ1210が成長チャンバ110の下表面に配置される場合、原料160に被覆される領域の半径方向温度勾配を低減することができ、半径方向温度分布の均一性を改善することができ、それによって昇華した気相成分のモル比の半径方向に沿う分布をより均一にならせることができ、結晶品質が向上する。図3は、温度補償アセンブリ1210が成長チャンバ110の上表面に位置する場合のみを示す。
いくつかの実施形態において、温度補償アセンブリ1210は、少なくとも一つの加熱ユニット1212を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニット1212は、少なくとも一つの高抵抗黒鉛ユニットを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニット1212は、成長チャンバ110の上表面又は下表面に半径方向に沿って均一又は不均一に分布する。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の上表面又は下表面のサイズ、成長される結晶の種類、種結晶150の形状又はサイズ、成長チャンバ110の上表面又は下表面の温度分布などによって、少なくとも一つの加熱ユニット1212のパラメータ(例えば、少なくとも一つの加熱ユニット1212の数量、形状、サイズ、配置、電流、又は加熱電力のうちの少なくとも一つ)を調整する。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニット1212の数量、形状及び/又はサイズは、少なくとも一つの加熱ユニット1212と成長チャンバ110の上表面及び/又は下表面との接触面積が成長チャンバ110の上表面及び/又は下表面の面積の50%以上を占めるようにすることができる。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニット1212の数量及び配置は、少なくとも一つの加熱ユニット1212の配置形状及び配置面積を、種結晶150の水平断面の形状及び面積と同じにすることができる。いくつかの実施形態において、成長チャンバカバー111の上表面における少なくとも一つの加熱ユニット1212の配置位置は、成長チャンバカバー111の下表面における種結晶150の位置に対応する。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニット1212を流す電流及び/又は少なくとも一つの加熱ユニット1212の加熱電力は、成長チャンバ110の内部の温度分布をプリセット温度分布を満たすようにすることができる。
いくつかの実施形態において、半径方向温度勾配分布の調整を容易にするために、少なくとも一つの加熱ユニット1212のそれぞれのパラメータ(例えば、加熱電力、電流)が単独で制御される。
いくつかの実施形態において、温度補償アセンブリ1210は、固定フレーム1216をさらに含み、固定フレーム1216は、少なくとも一つの加熱ユニット1212を置くための少なくとも一つの固定ユニットを含む。いくつかの実施形態において、固定フレーム1216は、成長チャンバ110と同軸であってもよい。いくつかの実施形態において、固定フレーム1216は、保温材料又は断熱材料で作られてもよい。いくつかの実施形態において、固定フレーム1216は、ジルコニアセラミックプレート又は窒化ホウ素セラミックプレートであってもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの固定ユニットの間が着脱可能に接続されてもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの固定ユニットの形状は、六角形、正方形、円形、三角形などの規則的な形状又は不規則的な形状を含んでもよい。それに対応して、少なくとも一つの加熱ユニット1212の形状も、六角形、正方形、円形、及び三角形などの規則的な形状又は不規則的な形状を含んでもよい。少なくとも一つの固定ユニット及び少なくとも一つの加熱ユニット1212についてのさらなる説明は、本明細書の他の箇所(例えば、図4、5及び説明)を参照する。
いくつかの実施形態において、温度補償アセンブリ1210は、少なくとも一つの第一電極1213、少なくとも一つの第二電極1211、及び電極固定プレート1215をさらに含む。電極固定プレート1215は、第一電極1213と第二電極1211を固定することに用いられる。いくつかの実施形態において、第一電極1213及び第二電極1211の材料は、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、第一電極1213及び第二電極1211は両方とも低抵抗黒鉛電極であってもよい。いくつかの実施形態において、第一電極1213と第二電極1211の形状は、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、第一電極1213及び第二電極1211は両方とも円筒形の電極であってもよい。いくつかの実施形態において、成長チャンバの外周領域が比較的に高温の領域であり、中央領域が比較的に低温の領域であるので、このような半径方向温度勾配は、結晶欠陥を引き起こすことができる。従って、第一電極1213の直径は、第二電極1211の直径より小さい。いくつかの実施形態において、第一電極1213及び第二電極1211は、リード線(例えば、銅線1214)を介して、電源(例えば、DC電源)に接続される。いくつかの実施形態において、電極固定プレート1215は、保温材料又は断熱材料で作られてもよい。いくつかの実施形態において、電極固定プレート1215は、ジルコニアセラミックプレートであってもよい。いくつかの実施形態において、電極固定プレート1215は、少なくとも一つの第一穴1215-1及び少なくとも一つの第二穴1215-2(図7に示されるように)を含むみ、少なくとも一つの第一電極1213が少なくとも一つの第一穴1215-1を通過して、少なくとも一つの加熱ユニット132に固定され、少なくとも一つの第二電極1211は、少なくとも一つの第二穴1215-2を通過して、成長チャンバ110の上表面又は下表面に固定される。従って、第一電極1213、少なくとも一つの加熱ユニット1212、成長チャンバ110の上表面又は下表面及び電源は、少なくとも一つの加熱ユニット1212を加熱するための電流経路を形成する。いくつかの実施形態において、電極固定プレート1215は、半径方向に隣接する第一穴1215-1の間、又は少なくとも一つの第二穴1215-2の設定範囲に位置する少なくとも二つの温度測定穴1215-3をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも二つの温度測定穴1215-3を通して、少なくとも一つの加熱ユニット1212の温度、又は成長チャンバ110の上表面又は下表面の外周の温度を測定してもよい。少なくとも二つの温度測定穴1215-3についてのより多くの説明は、本明細書の他の箇所を参照する(例えば、図7及びその説明)。
いくつかの実施形態において、結晶の製造装置100は、少なくとも一つの参考パラメータ(例えば、少なくとも一つの加熱ユニット1212の数量、形状、サイズ、配置、電流、加熱電力)に基づいて、少なくとも一つの加熱ユニット1212のパラメータを調節するための制御アセンブリをさらに含んでもよい。成長チャンバ110の上表面又は下表面の半径方向温度勾配が、プリセット半径方向温度勾配閾値(例えば、0.5℃/cm)を超えないようにする。いくつかの実施形態において、プリセット半径方向温度勾配閾値は、システムのデフォルト値であってもよく、又は異なる状況によって調整してもよい。いくつかの実施形態において、異なる結晶を製造する場合、プリセット半径方向温度勾配閾値は、対応して異なってもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの参考パラメータは、結晶の種類、種結晶のサイズ又は形状、結晶成長中の成長チャンバ110に関連する温度情報などを含む。炭化ケイ素結晶を例にとると、炭化ケイ素結晶は、最密六方晶構造、立方晶構造、及び菱面体構造の三つの結晶種類がある。炭化ケイ素結晶は、3C-SiC、4H-SiC、6H-SiC、15R-SiCなどを含み、3C-SiCが立方構造であり、4H-SiCが最密六方構造であり、6H-SiCが最密六方構造であり、15R-SiCが菱面体構造である。異なる炭化ケイ素結晶の種類について、少なくとも一つの加熱ユニット1212のパラメータを調節することによって、成長チャンバカバー111の内側領域の半径方向温度勾配分布が、この炭化ケイ素結晶の種類の成長に適するようになる。いくつかの実施形態において、種結晶のサイズ又は形状は、異なる結晶成長要件に応じて異なってもよい。それに応じて、異なるサイズ又は形状の種結晶について、少なくとも一つの加熱ユニット1212のパラメータを調節することによって、成長チャンバカバー111の内側領域の半径方向温度勾配分布が、このサイズ又は形状の結晶が高品質の結晶に成長されることに適するようになる。
いくつかの実施形態において、結晶成長中の成長チャンバ110に関連する温度情報は、少なくとも一つの加熱ユニット1212の第一温度と、成長チャンバ110の上表面又は下表面の外周の第二温度とを含む。温度補償アセンブリ1210が成長チャンバ110の上表面に配置されることを例にとると、少なくとも一つの加熱ユニット1212が、成長チャンバカバー111の中心を円心として、半径方向に沿って成長チャンバカバー111の外側(すなわち、成長チャンバ110の上表面)に配置される。それに対応して、第一温度は、成長チャンバ110の上表面に半径方向に沿って分布する少なくとも一つの温度(「少なくとも一つの第一温度」とも呼ばれる)を含む。第一加熱アセンブリ1220が成長チャンバ110を加熱する時、同じ水平面で、熱は、移送プロセス中に成長チャンバ110の外周から成長チャンバ110の中心軸に向かう方向に徐々に減少する。補償熱がない場合、成長チャンバ110の外周の温度は、成長チャンバ110内部の温度よりも高い、すなわち、第二温度は第一温度よりも高い。第一温度と第二温度との差(又は半径方向温度差)が大きすぎると、このときの半径方向の温度分布は結晶成長にとって好ましくない。いくつかの実施形態において、制御アセンブリは、少なくとも一つの第一温度と第二温度との間の差を比較し、少なくとも一つの加熱ユニット1212のパラメータを調節して、成長チャンバカバー111の半径方向温度差がプリセット半径方向温度差閾値を超えないようにする。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の中央領域に配置された少なくとも一つの加熱ユニットの加熱電力を増加させることは、成長チャンバ110の中央領域における補償熱を増加させ、第一温度を上昇させ、第一温度と第二温度との間の差(又は半径方向温度差)を減少させ、成長チャンバカバー111の半径方向温度差を、プリセット半径方向温度差閾値よりも小さくするようになる。
いくつかの実施形態において、制御アセンブリは、第一温度及び第二温度を測定するための少なくとも一つの温度感知ユニット(図示せず)を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの温度感知ユニットは、温度計(例えば、赤外線温度計)を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの温度感知ユニットが、温度補償アセンブリの少なくとも二つの温度測定穴1215-3を通して、第一温度及び第二温度を測定することができる。上述のように、少なくとも二つの温度測定穴1215-3が半径方向に隣接する第一穴の間に位置し、少なくとも一つの第一穴が少なくとも一つの加熱ユニット1212に対応するので、温度感知ユニットは、温度測定穴を通して、少なくとも一つの加熱ユニット1212の温度を測定することができる。同様に、少なくとも二つの温度測定穴も、少なくとも一つの第二穴の設定範囲(例えば、2cm)に位置するので、温度感知ユニットは、温度測定穴を通して、成長チャンバの上表面の外周の第二温度を測定することができる。いくつかの実施形態において、設定範囲は、少なくとも二つの温度測定穴の中心と少なくとも一つの第二穴の中心との間の距離を指す。いくつかの実施形態において、設定範囲は1cm~5cmであってもよい。いくつかの実施形態において、設定範囲は1.5cm~4.5cmであってもよい。いくつかの実施形態において、設定範囲は2cm~4cmであってもよい。いくつかの実施形態において、設定範囲は2.5cm~3.5cmであってもよい。いくつかの実施形態において、設定範囲は2.8cm~3.2cmであってもよい。図4は、いくつかの実施形態に示される例示的な加熱ユニットが配置される上表面図であり、図5は、他の実施形態に示される例示的な加熱ユニットの配置される上表面図である。
固定フレーム1216は、少なくとも一つの加熱ユニット1212を置くための少なくとも一つの固定ユニットを含む。図4に示すように、固定フレーム1216は、七つの中空の正六角形の固定ユニットを連結して形成され、これに対応して、加熱ユニット1212の形状も正六角形である。図5に示すように、固定フレーム1216は、九つの中空の正方形の固定ユニットを連接して形成され、それに対応して、加熱ユニット1212の形状も正方形である。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の上表面又は下表面の面積に応じて、その上に配置される少なくとも一つの固定ユニットの数量を適切に増やしたり減らしたりする。
図6は、いくつかの実施形態による例示的な第一電極及び例示的な第二電極の概略図であり、図7は、いくつかの実施形態による例示的な電極固定プレートの上表面図である。
図6及び図7に示すように、少なくとも一つの第一電極1213が、少なくとも一つの第一穴1215-1を通して、少なくとも一つの加熱ユニット1212に固定され、少なくとも一つの第二電極1211が、少なくとも一つの第二穴1215-2を通して、成長チャンバ110の上表面又は下表面に固定される。いくつかの実施形態において、第一電極1213と第二電極1211の形状は、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、第一電極1213及び第二電極1211は両方とも円筒形の電極であり、第一電極1213の直径は第二電極1211の直径より小さくてもよい。いくつかの実施形態において、第一電極1213及び第二電極1211は、リード線(例えば、銅線1214)を介して電源(例えば、DC電源)に接続される。銅線1214が電源に接続された後、第一電極1213、少なくとも一つの加熱ユニット1212、成長チャンバ110の上表面又は下表面及び電源は、少なくとも一つの加熱ユニット1212を加熱するための電流経路を形成する。
電極固定プレート1215は、少なくとも二つの温度測定穴1215-3をさらに含む。少なくとも一つの温度感知ユニットは、少なくとも二つの温度測定穴を通じて、少なくとも一つの加熱ユニット1212の第一温度及び成長チャンバ110の上表面の外周又は下表面の外周の第二温度を測定する。図7に示すように、少なくとも二つの温度測定穴1215-3は、半径方向に隣接する第一穴1215-1の間、又は少なくとも一つの第二穴1215-2の設定範囲に位置する。温度測定穴1215-3の形状は、円形、正形状、多角形などの規則的な形状又は不規則的な形状である。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの温度感知ユニットは、少なくとも二つの温度測定穴1215-3を通じて、少なくとも一つの加熱ユニット1212の第一温度及び成長チャンバ110の上表面の外周又は下表面の外周の第二温度を測定するので、成長チャンバ110の上表面又は下表面の温度分布を得ることができる。さらに、制御アセンブリは、少なくとも第一温度及び第二温度に基づいて、少なくとも一つの加熱ユニット1212のパラメータ(例えば、数量、形状、サイズ、配置、電流、加熱電力)を調節することができ、成長チャンバ110の上表面又は下表面の半径方向温度勾配をプリセット閾値よりも小さくならせる。
いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニット1212の数量が七つであり、配置が図4に示されるようなもであると仮定すると、電極1213は、七つの第一穴1215-1を通じて、少なくとも一つの加熱ユニット1212に固定される。さらに、成長チャンバ110の上表面の外周又は下表面の外周に四つの第二電極1211が配置され、四つの第二電極1211が四つの第二穴1215-2を通じて、成長チャンバ110の上表面又は下表面に固定される。時計回りに、赤外線温度計で温度測定穴1215-3を通じて、少なくとも一つの加熱ユニット1212における6つの第一温度T1、T2、T3、T4、T5、及びT6を、順次に検出する。また、赤外線温度計で温度測定穴1215-3を通じて、成長チャンバ110の上表面又は下表面の外周の四つの第二温度P1、P2、P3、P4を順次に検出する。四つの第二温度の少なくとも一つの第二温度がプリセット温度Pより低いか高い場合、及び/又は六つの第一温度の少なくとも一つの第一温度がプリセット温度Tより低いか高い場合、四つの第二温度がプリセット温度Pと等しく、及び/又は六つの第一温度がプリセット温度Tと等しいまで、少なくとも一つの加熱ユニットのパラメータ(例えば、少なくとも一つの加熱ユニット1212の加熱電力を増やし、又は少なくとも一つの加熱ユニット1212の加熱電力を減らす)を調節する。その中に、プリセット温度Tがプリセット温度Pより低く、プリセット温度Tとプリセット温度Pとの温度差がプリセット閾値より低い(例えば、10K)。いくつかの実施形態において、四つの第二温度の平均温度P^を計算し、次に、平均温度P^を六つの第一温度とそれぞれ比較する。六つの第一温度のうちの少なくとも一つが平均温度P^より大きい場合、又は、六つの第一温度のうちの少なくとも一つが平均温度P^より小さく、且つ温度差がプリセット閾値より大きい場合、六つの第一温度がすべて平均温度P^より低くなり、且つ温度差がプリセット閾値(例えば、10K)より小さくなるまで、平均温度P^に基づいて少なくとも一つの加熱ユニット1212のパラメータを調整する(例えば、少なくとも一つの加熱ユニット1212の加熱電力を増加させるか、又は少なくとも一つの加熱ユニット1212の加熱電力を減少さる)。
結晶の製造装置100に関する上記の説明は、例示及び説明のみを目的としており、本願の適用範囲を限定するものではないことに留意されたい。当業者であれば、本願のガイダンスの下で、結晶の製造装置100に対して様々な修正及び変更を行うことができる。ただし、そのような修正及び変更は、依然として本願の範囲である。
これらの実施形態の可能な有益な効果には、以下が含まれるが、これらに限定されない。(1)成長チャンバの上表面に温度補償アセンブリを取り付けることにより、誘導コイルの加熱によって引き起こされる成長チャンバがバーの内側面の半径方向温度勾配を減らすことができる。それによって、結晶成長面の応力によって引き起こされる欠陥を減少し、結晶の背面の腐食欠陥を減少又は回避し、さらに結晶の品質と歩留まりを改善する。(2)成長チャンバの下表面に温度補償アセンブリを取り付けることにより、誘導コイルの加熱によって引き起こされる原料被覆領域の半径方向温度勾配を減らすことができる。それによって、半径方向温度勾配の均一性が向上し、昇華した気相成分のモル比の半径方向分布の均一性を改善し、さらに結晶の安定成長を促進する。(3)成長チャンバの上表面又は下表面のサイズ、成長される結晶の種類、種結晶のサイズ又は形状、及び/又は成長チャンバの内部の温度分布などに応じて、温度補償アセンブリの加熱ユニットのパラメータを柔軟に調整でき、且つ各加熱ユニットのパラメータを単独で制御できる。(4)結晶成長中の成長チャンバの上表面又は下表面の温度分布を監視することにより、温度補償アセンブリのパラメータを調節して、安定した高品質な結晶成長を保証する。
図8は、いくつかの実施例に示される例示的な結晶の製造装置の概略図である。いくつかの実施形態において、結晶の製造装置100は、物理的気相輸送に基づいて半導体結晶(例えば、炭化ケイ素結晶、窒化アルミニウム結晶、酸化亜鉛結晶、アンチモン化亜鉛結晶)を製造することができる。図8に示すように、結晶の製造装置100は、成長チャンバ110及び加熱アセンブリを含む。
成長チャンバ110は、種結晶150及び原料160を置くことに用いられる。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110は、成長チャンバカバー111及び成長チャンバ本体112を含む。成長チャンバカバー111は、成長チャンバの上部に配置され、成長チャンバ本体112の上部に位置する開口部を閉じることに用いられる。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110はるつぼであってもよい。るつぼは、るつぼカバー及びるつぼ本体を含む。いくつかの実施形態において、成長チャンバ本体112の形状は、円柱、直方体、立方体などである。いくつかの実施形態において、成長チャンバ本体112は、バレル底部及びバレル側壁を含む円筒形バレルである。いくつかの実施形態において、成長チャンバ本体112の形状に対応して、成長チャンバカバー111の形状は、円形ディスク、長方形ディスク、正方形ディスクなどである。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の材料は、グラファイトを含む。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の材料は、全体的又は部分的にグラファイトである。
いくつかの実施形態において、種結晶150は、成長チャンバ110の上部に置かれる。いくつかの実施形態において、種結晶150は、成長チャンバカバー111の内側面(「下表面」とも呼ばれる)(例えば、内側の中心位置)に固定的に接着されてもよい。いくつかの実施形態において、種結晶150は、接着剤によって成長チャンバカバー111に固定される。接着剤は、エポキシ接着剤、AB接着剤、フェノール樹脂接着剤、砂糖接着剤などを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、原料160は、チャンバ本体112の内部(例えば、成長チャンバ110の下部)に配置される。いくつかの実施形態において、原料160は、粉末、顆粒、凝集体などの形態である。結晶成長中に、成長チャンバ110の加熱環境を制御することによって、原料160と種結晶150との間に軸方向温度勾配を形成することができる。原料160は、加熱されると分解して、気相成分に昇華することができ(例えば、炭化ケイ素結晶の製造を例にとると、気相成分は、Si2C、SiC2、及びSiが含まれる)、軸方向温度勾配に駆動されて、気相成分は、原料160の表面から種結晶150の表面に輸送され、種結晶150の箇所の温度は比較的に低いので、気相成分が種結晶150の表面に結晶化し、結晶を形成する。
加熱アセンブリは、成長チャンバ110を加熱することに用いられる。いくつかの実施形態において、加熱アセンブリは、成長チャンバ110の外側に配置される。いくつかの実施形態において、加熱アセンブリは、成長チャンバ110の外側に囲んで配置される。いくつかの実施形態において、加熱アセンブリは、結晶成長に必要な熱の少なくとも一部を提供することができる。いくつかの実施形態において、加熱アセンブリは、電流の下で熱を生成し、熱が成長チャンバ110の周辺領域から中央領域に伝導され、温度場を形成するために、熱放射によって熱を成長チャンバ110に伝達する。成長チャンバ110の温度場の下で、原材料160は昇華し、気相成分に分解される。気相成分は、軸方向温度勾配の駆動の下で、種結晶150の表面に運ばれ、結晶化して結晶を生成する。
いくつかの実施形態において、加熱アセンブリは、抵抗発熱体を含む。いくつかの実施形態において、抵抗発熱体は、高抵抗グラファイト発熱体、タングステン発熱体、モリブデン発熱体、二ホウ化ジルコニウム複合セラミック発熱体などを含む。いくつかの実施形態において、抵抗発熱体の形状は、円形リング、正方形リング、長方形リングなどである。従来の結晶の製造装置では、通常、成長チャンバの外側に誘導コイルを配置して、成長チャンバを加熱する。この際、熱は成長チャンバの周辺領域から成長チャンバの中央領域に伝導する。従って、周辺領域は比較的高温領域であり、中央領域は比較的低温領域であり、中央領域に近いほど温度が低く、成長チャンバの内部の半径方向温度差又は半径方向温度勾配が大きくなる。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の円周に沿った様々な位置での差異(例えば、表面粗さ、密度又は厚さなどの異なり)は、成長チャンバ110の円周に沿った様々な位置での熱伝導性能の異なりをもたらし、さらに成長チャンバ110の内部の温度分布の不均一をもたらす。成長チャンバの結晶領域(例えば、種結晶が配置される成長チャンバカバーの内側面)にとって、このような大きな半径方向温度差及び/又は半径方向温度勾配は、結晶成長面に大きな熱応力をもたらし、ひいては種結晶の成長面が原料の方向に膨らみ、マイクロパイプや介在物などの欠陥を生成しやすい。成長チャンバの原料領域(例えば、原料被覆領域)にとって、この大きな半径方向温度差及び/又は半径方向温度勾配は、原料の昇華した気相成分のモル比を半径方向に沿って不均一に分布させ、結晶品質に影響を与える。従って、そのような半径方向温度差及び/又は半径方向温度勾配を減らす必要がある。誘導コイルによる加熱と比較して、抵抗発熱体による成長チャンバ110の加熱は、成長チャンバ110の内部の半径方向温度差及び/又は半径方向温度勾配を効果的に低減し、同時に結晶成長温場の安定性を改善することができる。
いくつかの実施形態において、抵抗発熱体は、三つの加熱モジュールを含む。三つの加熱モジュールは、成長チャンバ110の結晶化領域、成長チャンバ110の原料領域、及び結晶化領域と原料領域との間の気相輸送区域を加熱することに用いられる。ここで、結晶領域は、成長チャンバ110の上部領域に位置する。いくつかの実施形態において、結晶領域は、種結晶150の設定範囲の領域を指す。原料領域は、成長チャンバ110の下部領域に位置する。いくつかの実施形態において、原料領域は、原料160の設定範囲の領域を指す。蒸気輸送領域は、成長チャンバ110の中央領域に位置する。いくつかの実施形態において、気相輸送領域は、結晶領域と原料領域との間の領域を指す。結晶成長過程において、原料領域に位置する原料160は、熱分解され、気相成分に昇華する。気相成分は、軸方向温度勾配150によって駆動され、気相輸送領域を介して、結晶化領域の種結晶150に輸送され、種結晶150の表面で結晶化して結晶を生成する。
いくつかの実施形態において、少なくとも三つの加熱モジュールは、第一加熱モジュール1230-1、第二加熱モジュール1230-2及び、第二加熱モジュール1230-3を含む。三つの加熱モジュールは、成長チャンバ110の結晶化領域、原料領域、結晶化領域と原料領域との間の気相輸送領域をそれぞれ加熱することに用いられる。いくつかの実施形態において、加熱モジュールの数量は、実際の必要に応じて柔軟に増減することができる。いくつかの実施形態において、少なくとも三つの加熱モジュールのそれぞれの少なくとも一つのパラメータ(例えば、電流、加熱電力)を個別に制御することができる。いくつかの実施形態において、適切な軸方向温度勾配を維持するために、結晶成長過程において、第一加熱モジュール1230-1の加熱電力は、第二加熱モジュール1230-2の加熱電力より小さく、第二加熱モジュール1230-2の加熱電力は、第三加熱モジュール1230-3の加熱電力より小さい。いくつかの実施形態において、軸方向の異なる位置で少なくとも三つの加熱モジュールのそれぞれの加熱電力を個別に制御することによって、結晶成長中に軸方向温度勾配分布を調整しやすい。抵抗発熱体の詳細については、図9~12及び関連する説明を参照されたいので、ここでは繰り返さない。
いくつかの実施形態において、結晶の製造装置100は、断熱層をさらに含む。断熱層は、成長チャンバ110及び/又は加熱アセンブリを断熱することに用いられる。いくつかの実施形態において、断熱層は、任意の断熱材料で作る。いくつかの実施形態において、断熱層は、グラファイトフェルト、ジルコニアセラミックなどを含む。いくつかの実施形態において、断熱層は、加熱アセンブリの外部に位置する。いくつかの実施形態において、断熱層は、加熱アセンブリの外側に囲んで配置する。いくつかの実施形態において、断熱層の数量、厚さ及び加熱アセンブリとの距離は、実際の必要に応じて設定することができる。いくつかの実施形態において、グラファイトフェルトの厚さは10~40mmであってもよい。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110のサイズ、成長される結晶の種類、抵抗発熱体の加熱電力、結晶成長中の成長チャンバ110に関連する温度情報などによって、断熱層と加熱アセンブリとの間の距離を適応的に調節することができる。いくつかの実施形態において、抵抗発熱体の加熱電力が、成長チャンバ110の半径方向温度差をプリセット半径方向温度差閾値より大きくさせる場合には、断熱層と加熱アセンブリとの間の距離を短くすることができる。いくつかの実施形態において、断熱層を加熱アセンブリの外側に配置し、且つ断熱層のパラメータ(例えば、断熱層の数量、厚さ、及び成長チャンバ110との間の距離)を柔軟に調整することによって、成長チャンバ110及び/又は加熱アセンブリの温度が容易に放散されなく、結晶の安定した成長を促進する。断熱層の層数が少なすぎたり、厚さが薄すぎたりすると、熱が放散されやすくなり、温度場が不安定になり、結晶成長を助長しない。断熱層の層数が多すぎたり、厚みが大きすぎたりすると、結晶の製造装置のコストが高くなりすぎる。従って、温度場を安定させるには、断熱層の数量と厚さを設定範囲に制御する必要がある。いくつかの実施形態において、断熱層130の層数は、2~10層を含む。いくつかの実施形態において、断熱層130の層数は、3~9層を含む。いくつかの実施形態において、断熱層130の層数は、4~8層を含む。いくつかの実施形態において、断熱層130の層数は、5~7層を含む。いくつかの実施形態において、断熱層130の層数は、6層を含む。いくつかの実施形態において、断熱層130の厚さは、1mm~50mmである。いくつかの実施形態において、断熱層130の厚さは、3mm~48mmである。いくつかの実施形態において、断熱層130の厚さは、5mm~45mmである。いくつかの実施形態において、断熱層130の厚さは、8mm~42mmである。いくつかの実施形態において、断熱層130の厚さは、10mm~40mmである。いくつかの実施形態において、断熱層130の厚さは、15mm~35mmである。いくつかの実施形態において、断熱層130の厚さは、20mm~30mmである。いくつかの実施形態において、断熱層130の厚さは、23mm~28mmである。いくつかの実施形態において、断熱層130と加熱アセンブリとの間の距離は、1mm~20mmであってもよい。いくつかの実施形態において、断熱層130と加熱アセンブリとの間の距離は、2mm~18mmである。いくつかの実施形態において、断熱層130と加熱アセンブリとの間の距離は、3mm~16mmである。いくつかの実施形態において、断熱層130と加熱アセンブリとの間の距離は、4mm~14mmである。いくつかの実施形態において、断熱層130と加熱アセンブリとの間の距離は、5mm~12mmである。いくつかの実施形態において、断熱層130と加熱アセンブリとの間の距離は、6mm~11mmである。いくつかの実施形態において、断熱層130と加熱アセンブリとの間の距離は、7mm~10mmである。いくつかの実施形態において、断熱層130と加熱アセンブリとの間の距離は、8mm~9mmである。
いくつかの実施形態において、加熱アセンブリは、温度補償アセンブリ1210をさらに含む。温度補償アセンブリ1210は、結晶成長中に温度補償を提供することができる。抵抗発熱体によって成長チャンバ110を加熱することは、成長チャンバ110内部の半径方向温度差及び/又は半径方向温度勾配を効果的に減少することができる。結晶の安定した成長を促進するために、半径方向温度差及び/又は半径方向温度勾配をさらに低減するために、温度補償アセンブリ1210によって温度補償を提供することもできる。
いくつかの実施形態において、温度補償アセンブリ1210は、第一温度補償アセンブリ1210-1及び/又は第二温度補償アセンブリ1210-2を含む。いくつかの実施形態において、温度補償アセンブリ1210は、成長チャンバ110の上表面及び/又は成長チャンバ110の下表面に配置される。いくつかの実施形態において、第一温度補償アセンブリ1210-1は、成長チャンバ110の上表面の中心付近に配置される。第二温度補償アセンブリ1210-2は、成長チャンバ110の下表面の中心付近に配置される。いくつかの実施形態において、温度補償アセンブリ1210の材料は、高熱伝導率の材料である。いくつかの実施形態において、温度補償アセンブリ1210は、高熱伝導率のグラファイト体である。いくつかの実施形態において、温度補償アセンブリ1210の形状は、円形のディスク、立方体のディスク、長方体のディスクなどである。いくつかの実施形態において、高熱伝導率のグラファイト体を例に挙げると、高熱伝導率グラファイト体(例えば、第一温度補償アセンブリ1210-1)は、成長チャンバ110の上表面の中心に配置され、高熱伝導グラファイト体の下表面の周辺領域が成長チャンバ110の上表面の周辺領域と接触するので、成長チャンバ110の上表面の周辺領域の熱を成長チャンバ110の上表面の中央領域に伝導して、成長チャンバ110の結晶化領域(例えば、種結晶が置かれる成長チャンバカバーの内側面)の半径方向温度差及び/又は半径方向温度勾配を低減することができる。高熱伝導率のグラファイト体(例えば、第二温度補償アセンブリ1210-2)は、成長チャンバ110の下表面の中心に配置され、高熱伝導率のグラファイト体の上表面の周辺領域が成長チャンバ110の下表面の周辺領域と接触するので、成長チャンバ110の下表面の周辺領域の熱を成長チャンバ110の下表面の中央領域に伝導して、成長チャンバ110の原料領域(例えば、原料被覆領域)の半径方向温度差及び/又は半径方向温度勾配を低減し、原料領域の加熱均一性を改善する。温度補償アセンブリ1210(又は第一温度補償アセンブリ1210-1及び第二温度補償アセンブリ1210-2)の詳細については、図3~図6及び関連する説明を参照して、ここでは繰り返さない。
いくつかの実施形態において、結晶の製造装置100は、制御アセンブリ(図示せず)をさらに含む。制御アセンブリは、少なくとも一つの結晶成長パラメータに基づいて、加熱アセンブリ及び/又は温度補償アセンブリ1210の加熱電力を調整することに用いられ、結晶成長界面と原料との間の温度場に基本的に安定を保持させる。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの結晶成長パラメータは、原料の量、結晶成長のサイズ、結晶成長界面と原料との間の高さの差などを含む。いくつかの実施形態において、結晶成長の異なる段階で、成長チャンバ110内部の異なる原料の量に基づいて、加熱アセンブリ及び/又は温度補償アセンブリ1210の加熱電力を調整することによって、成長チャンバ110の内部の軸方向温度勾配分布、成長チャンバ110の内部の結晶領域及び/又は原料領域の半径方向温度勾配分布に、異なる成長段階での結晶の成長に適させる。結晶成長のさまざまな段階で、成長チャンバ110の内部に成長される結晶のサイズに基づいて、加熱アセンブリ及び/又は温度補償アセンブリ1210の加熱電力を調整することによって、成長チャンバ110の内部の軸方向温度勾配分布、成長チャンバ110の内部の結晶領域及び/又は原料領域の半径方向温度勾配分布に、異なるサイズの結晶の成長に適させる。結晶成長中に、原料が継続的に消費されるにつれて、種結晶に結晶を継続的に堆積し、成長し、結晶成長界面と原料との間の高さの差が継続的に増加して、加熱アセンブリ及び/又は温度補償アセンブリ1210の加熱電力を調整することによって、結晶成長界面と原料との間の温度勾配分布を基本的に変更せずに効果的に制御することができる。加熱アセンブリ及び/又は温度補償アセンブリ1210の加熱電力の調整に関する詳細については、図9及びその関連説明を参照して、ここでは繰り返さない。
いくつかの実施形態において、少なくとも三つの加熱ユニットのそれぞれは、少なくとも一つのサブ加熱ユニットを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのサブ加熱ユニットは、少なくとも二つの電極によって分離される。いくつかの実施形態において、少なくとも二つの電極のそれぞれは、リード線を介して電源に接続されるので、各サブ加熱ユニット、電極、リード線、及び電源は、電流回路を形成することができ、さらに各サブ加熱ユニットの少なくとも一つのパラメーター(例えば、電流や加熱電力など)が個別に制御される。いくつかの実施形態において、抵抗発熱体は、複数の加熱セグメントを含み、複数の加熱セグメントが複数の電極を介して互いに接続され、成長チャンバ110の外周に配置される。
図9は、いくつかの実施形態に示される例示的な抵抗発熱体の概略図である。
図9に示すように、抵抗発熱体は、少なくとも第一加熱モジュール1230-1、第二加熱モジュール1230-2、及び第三加熱モジュール1230-3を含む。第一加熱モジュール1230-1、第二加熱モジュール1230-2、及び第三加熱モジュール1230-3は、成長チャンバ110の結晶化領域、結晶化領域と原料領域との間の気相輸送領域、及び原料領域を加熱することにそれぞれ使用される。いくつかの実施形態において、各加熱モジュールは、複数のサブ抵抗発熱体を含む。いくつかの実施形態において、第一加熱モジュール1230-1は、第一サブ抵抗発熱体1230-11、第二サブ抵抗発熱体1230-12、第三サブ抵抗発熱体1230-13、及び第四サブ抵抗発熱体を含む。第二加熱モジュール1230-2は、第五サブ抵抗発熱体1230-21、第六サブ抵抗発熱体1230-22、及び第七サブ抵抗発熱体1230-23を含む。第三加熱モジュール1230-3は、第八サブ抵抗発熱体1230-31、第九サブ抵抗発熱体1230-32、第十サブ抵抗発熱体1230-33、第十一サブ抵抗発熱体1230-34、第十二サブ抵抗発熱体1230-35、第十三サブ抵抗発熱体1230-36、第十四サブ抵抗発熱体1230-37、第十五サブ抵抗発熱体1230-38、及び第十六サブ抵抗発熱体1230-39を含む。
いくつかの実施形態において、第一加熱モジュール1230-1、第二加熱モジュール1230-2、及び第三加熱モジュール1230-3の加熱電力は、個別に制御される。いくつかの実施形態において、各加熱モジュールにおける複数のサブ抵抗発熱体の加熱電力は、個別に制御される。結晶成長中に、原料160が継続的に消費されるにつれて、結晶成長界面と原料160との間の高さの差が継続的に増加し、結晶成長界面と原料160との間の温度場を基本的に安定に保つために、第一加熱モジュール1230-1の加熱電力、第二加熱モジュール1230-2の加熱電力、及び第三加熱モジュール1230-3の加熱電力を調整する必要がある。さらに、軸方向温度勾配の安定性を維持するために、第一温度補償アセンブリ1210-1及び/又は第二温度補償アセンブリ1210-2の加熱電力を調整する必要もある。いくつかの実施形態において、結晶成長前に、第一サブ抵抗発熱体1230-11の温度は、2010℃であり、第二サブ抵抗発熱体1230-12の温度は、2020℃であり、第三サブ抵抗発熱体1230-13の温度は、2030℃であり、第四サブ抵抗発熱体1230-14の温度は、2040℃であり、第五サブ抵抗発熱体1230-21の温度は、2050℃である。第六サブ抵抗発熱体1230-22の温度は、2060℃であり、第七サブ抵抗発熱体1230-23の温度は、2070℃である。第八サブ抵抗発熱体1230-31~第十六サブ抵抗発熱体1230-39の温度は、2080℃である。結晶成長界面が第五サブ抵抗発熱体1230-21の水平面に達し、原料の上表面が第九サブ抵抗発熱体1230-32の水平面まで消費されると、第一サブ抵抗発熱体1230-11~第八サブ抵抗発熱体1230-31の加熱電力をそれぞれ調節して、第一サブ抵抗発熱体1230-11の温度を2000℃に低下させ、第二サブ抵抗発熱体1230-12の温度を2010℃に低下させ、第三サブ抵抗発熱体1230-13の温度を2020℃に低下させ、第四サブ抵抗発熱体1230-14の温度を2030℃に低下させ、第五サブ抵抗発熱体1230-21の温度を2040℃に低下させ、第六サブ抵抗発熱体1230-22の温度を2050℃に低下させ、第七サブ抵抗発熱体1230-23の温度を2060℃に低下させ、第八サブ抵抗発熱体1230-31の温度を2070℃に低下させ、第九サブ抵抗発熱体1230-32~第十六サブ抵抗発熱体1230-39の温度を2080℃に保持させる。加熱電力の調整は、結晶成長界面と原料160との間の軸方向温度勾配分布に基本的に安定を保持させる。さらに、結晶が成長するにつれて、成長チャンバ110の上表面に配置される第一温度補償アセンブリ1210-1の加熱電力に、それに応じて減少させ、成長チャンバ110の下表面に配置される第二温度補償アセンブリ1210-2の加熱電力に、それに応じて不変を保つ必要がある。
図10は、いくつかの実施形態に示される例示的な第一電極及び例示的な第二電極の配置の上表面図である。図11は、いくつかの実施形態に示される例示的な第一電極及び例示的な第二電極の配置の上表面図である。
いくつかの実施形態において、加熱アセンブリは、少なくとも一つの第一電極1213(例えば、正極)及び少なくとも一つの第二電極1211(例えば、負極)をさらに含む。少なくとも一つの第一電極1213及び少なくとも一つの第二電極1211は、抵抗発熱体1230の外周方向に沿って分布する。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの第一電極1213及び少なくとも一つの第二電極1211は、リード線(例えば、水冷銅線)を介して電源(例えば、DC電源)に接続される。それに応じて、少なくとも一つの第一電極1213、少なくとも一つの第二電極1211、抵抗発熱体1230、リード線及び電源は、抵抗発熱体1230を加熱するための電流経路を形成する。
いくつかの実施形態において、図8に示すように、抵抗発熱体1230は、円形リング、正方形リング、長方形リングなどである。それに応じて、少なくとも一つの第一電極1213及び少なくとも一つの第二電極1211は、リングの周方向に沿って分布する。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの第一電極1213及び少なくとも一つの第二電極1211の材料は、同じであっても異なっていてもよい。例えば、少なくとも一つの第一電極1213及び少なくとも一つの第二電極1211は、両方とも低抵抗グラファイト電極である。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの第一電極1213及び少なくとも一つの第二電極1211は、抵抗発熱体1230の周囲に均一又は不均一に分布する。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの第一電極1213及び少なくとも一つの第二電極1211は、抵抗発熱体1230を複数の加熱セグメントに分割して、複数の加熱セグメントの加熱電力を個別に制御することができる。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの第一電極1213と少なくとも一つの第二電極1211の数量の合計は、偶数である。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの第一電極1213及び少なくとも一つの第二電極1211の数量を実際の必要に応じて調整することができる。抵抗発熱体1230に配置される電極の数量が多いほど、抵抗発熱体1230の加熱電力に対する制御精度が高くなる。いくつかの実施形態において、抵抗発熱体1230は、M個の第一電極1213及びN個の第二電極1211を含む。ここで、MとNは、どちらも0より大きい整数である。いくつかの実施形態において、M及びNは、等しい。いくつかの実施形態において、第一電極1213と第二電極1211の数量の合計は、偶数である。
図10に示すように、抵抗発熱体1230の形状は、円形のリングであり、二つの第一電極1213(正電極)と二つの第二電極1211(負電極)は、抵抗発熱体1230の外周方向に沿って分布する。第一電極1213と第二電極1211は、等間隔に配置され、抵抗発熱体1230は、四つの加熱セグメントに均等に分割され、各加熱セグメントの加熱電力は、個別に制御されることができる。図11に示すように、抵抗発熱体1230の形状は、正方形のリングであり、二つの第一電極1213(正電極)及び二つの第二電極1211(負電極)は、抵抗発熱体1230の外周方向に沿って分布する。第一電極1213と第二電極1211は、等間隔に配置され、抵抗発熱体1230は、四つの加熱セグメントに均等に分割され、各加熱セグメントの加熱電力は、独立して制御されることができる。
いくつかの実施形態において、図9の説明を結合して、抵抗発熱体1230は、少なくとも三つの加熱モジュールを含む。少なくとも三つの加熱モジュールのそれぞれは、複数のサブ抵抗発熱体を含む。これに応じて、複数のサブ抵抗発熱体に少なくとも一つの第一電極及び少なくとも一つの第二電極が設置される。複数のサブ抵抗発熱体にとって、その上に配置される第一電極及び第二電極の数量は、同じであっても異なっていてもよい。
図12は、いくつかの実施形態に示される例示的な第一電極及び/又は例示的な第二電極は、固定プレートを介して抵抗発熱体に固定される概略図である。
図12に示すように、加熱アセンブリは、少なくとも一つの第一電極1213及び/又は少なくとも一つの第二電極1211を固定するための電極固定プレート1215をさらに含む。いくつかの実施形態において、電極固定プレート1215は、少なくとも二つの穴1215-4を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの第一電極1213は、少なくとも二つの穴のうちの一つを通過して、抵抗発熱体1230の外側に固定され、少なくとも一つの第二電極1211は、少なくとも二つの穴のうちの他方を通過して、抵抗発熱体1230の外側に固定される。いくつかの実施形態において、電極固定プレート1215は、保温材料又は断熱材料で作られる。いくつかの実施形態において、電極固定プレート1215は、ジルコニアセラミックプレートである。
結晶の製造装置100に関する上記の説明は、例示及び説明のみを目的としており、本願の適用範囲を限定するものではないことに留意されたい。当業者であれば、本願のガイダンスの下で、結晶の製造装置100に対して様々な修正及び変更を行うことができる。ただし、そのような修正及び変更は、依然として本願の範囲である。
本実施形態の有利な効果は、以下が含まれるが、これらに限定されない。(1)抵抗発熱体を介して成長チャンバを加熱することにより、成長チャンバの内部の半径方向温度勾配を効果的に減少させると同時に、結晶成長温度場の安定性を向上させることができる。(2)温度補償アセンブリを成長チャンバの上表面に設置することにより、成長チャンバカバーの内側面に存在する半径方向温度勾配をさらに減少させることができ、それによって、結晶成長表面の応力によって引き起こされる欠陥を減少させることができ、結晶の裏面の腐食欠陥を減少又は回避させることができ、さらに結晶の品質と歩留まりを向上させることができる。(3)成長チャンバの下表面に温度補償アセンブリを設置することにより、原料で覆われた領域の半径方向温度勾配をさらに小さくすることができる。それによって、半径方向温度勾配分布の均一性を向上し、昇華気相成分のSi/Cのモル比の半径方向分布の均一性を向上し、結晶の安定成長を促進する。(4)加熱モジュールの数量を柔軟に増減又は減少し、且つ複数の加熱モジュールの加熱電力を個別に制御することができ、成長プロセス中の軸方向温度勾配を調整することに便利であり、結晶成長要件を満たすようになる。(5)各加熱モジュールが含まれるサブ抵抗発熱体の加熱電力を、個別に制御でき、複数の加熱セグメントの加熱電力を個別に制御でき、軸方向温度勾配を正確に制御できる。
図13は、さらなる実施例に示される例示的な結晶の製造装置の概略図である。
図13に示すように、結晶の製造装置100は、成長チャンバ110及び加熱アセンブリ120を含む。成長チャンバ110の説明については、図1及び関連する説明を参照して、ここでは繰り返さない。
いくつかの実施形態において、加熱アセンブリ120は、少なくとも一つの加熱ユニットを含む。少なくとも一つの加熱ユニットは、成長チャンバ110を加熱することに用いられ、結晶を製造するために、結晶成長に必要な温度場を提供する。いくつかの実施形態において、加熱アセンブリ120は、成長チャンバ110の内部に配置される。成長チャンバ110の内部に位置する少なくとも一つの加熱ユニットは、第二加熱アセンブリ1240と呼ばれる。いくつかの実施形態において、第二加熱アセンブリ1240の少なくとも一つの加熱ユニットの数量は、一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つなどを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、第二加熱アセンブリ1240の少なくとも一つの加熱ユニットの形状は、成長チャンバ110の水平断面形状と同じである。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110は、円柱であり、第二加熱アセンブリ1240の少なくとも一つの加熱ユニットの形状は、円形である。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110は、直方体又は立方体であり、第二加熱アセンブリ1240の少なくとも一つの加熱ユニットの形状は、長方形又は正方形である。
いくつかの実施形態において、第二加熱アセンブリ1240の少なくとも一つの加熱ユニットは、成長チャンバ110の軸方向に沿って成長チャンバ110の内部に間隔をあけて配置される。いくつかの実施形態において、二つの隣接する加熱ユニット間の距離は、等しくても等しくなくてもよい。いくつかの実施形態において、距離は、軸方向の距離を指す。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットの材料は、高抵抗加熱材料を含むことができるが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットは、少なくとも一つの高抵抗グラファイトプレートである。少なくとも一つの高抵抗グラファイトプレートが通電された後、少なくとも1枚の高抵抗グラファイトプレートを流れる電流のジュール効果によって生成される熱エネルギーを利用して、成長チャンバ110を加熱することができる。
いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットのそれぞれは、成長チャンバ110に取り外し可能に接続される。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の内部に少なくとも一つの第一コネクタが設けられ、少なくとも一つの加熱ユニットの各加熱ユニットに少なくとも一つの第二コネクタを設けられ、少なくとも一つの第一コネクタと少なくとも一つの第二コネクタが取り外し可能に接続される。従って、少なくとも一つの加熱ユニットは、成長チャンバ110の内部に取り付け及び固定することができ、及び/又は少なくとも一つの加熱ユニットは、成長チャンバ110の内部から取り外すことができる。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの第一コネクタは、ボルト穴を含み、少なくとも一つの第二コネクタは、ボルト穴と嵌合するボルトを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの第一コネクタは、フックを含み、少なくとも一つの第二コネクタは、フックと嵌合する吊り下げ穴を含む。
いくつかの実施形態において、成長チャンバの内部に位置する加熱ユニットは、原料が加熱ユニットの上表面に分配され、加熱ユニットが変形せず、温度場の均一な安定性が保証されるように、設定された強度を満たす必要がある。加熱ユニットの厚みは、加熱ユニットの材質によって調整する。いくつかの実施形態において、グラファイト製の加熱ユニットの厚さは、金属(例えば、タングステン、プラチナ、モリブデン、タンタル、又はイリジウム)製の加熱ユニットの厚さより薄くない。
加熱ユニットの厚さが小さすぎると、加熱ユニットの発熱量が小さくなるので、加熱アセンブルによって形成される温度場が結晶成長を満足することができない。成長チャンバのスペースが固定されるので、加熱ユニットの厚さが大きすぎると、加熱ユニットの上表面に置かれる原料の質量が低下するだけでなく、加熱ユニットのフローチャネルの高さが増加する。ひいては原料の昇華によって生成された気相成分が加熱ユニットを通過して、種結晶の下表面に達する抵抗が大くなるので、結晶成長速度や結晶品質に影響を与える。従って、加熱ユニットの厚さは、プリセット範囲に制御する必要がある。いくつかの実施形態において、第二加熱アセンブリ1240の少なくとも一つの加熱ユニットの厚さは、2mm~30mmである。いくつかの実施形態において、第二加熱アセンブリ1240の少なくとも一つの加熱ユニットの厚さは、4mm~28mmである。いくつかの実施形態において、第二加熱アセンブリ1240の少なくとも一つの加熱ユニットの厚さは、6mm~26mmである。いくつかの実施形態において、第二加熱アセンブリ1240の少なくとも一つの加熱ユニットの厚さは、8mm~24mmである。いくつかの実施形態において、第二加熱アセンブリ1240の少なくとも一つの加熱ユニットの厚さは、10mm~22mmである。いくつかの実施形態において、第二加熱アセンブリ1240の少なくとも一つの加熱ユニットの厚さは、12mm~20mmである。いくつかの実施形態において、第二加熱アセンブリ1240の少なくとも一つの加熱ユニットの厚さは、14mm~18mmである。いくつかの実施形態において、第二加熱アセンブリ1240の少なくとも一つの加熱ユニットの厚さは、15mm~17mmである。いくつかの実施形態において、第二加熱アセンブリ1240の少なくとも一つの加熱ユニットの厚さは、15.5mm~16.5mmである。
いくつかの実施形態において、第二加熱アセンブリ1240の少なくとも一つの加熱ユニットは、少なくとも一つのフローチャネル1250を含む。少なくとも一つのフローチャネル1250は、少なくとも一つの加熱ユニットの上表面に開口される。いくつかの実施形態において、結晶成長に必要な少なくとも一つの成分が加熱ユニットの下表面から加熱ユニットの上表面に輸送され、さらに軸方向温度勾配の駆動の下で種結晶の下表面に輸送され、結晶を成長するように、少なくとも一つのフローチャネル1250が加熱ユニットを通って延びる。いくつかの実施形態において、結晶成長に必要な少なくとも一つの成分は、原料の熱分解によって生成される少なくとも一つの気相成分である。炭化ケイ素結晶の成長を例にとると、高純度炭化ケイ素粉末を原料として、高純度炭化ケイ素粉末の熱分解によって生成される気相成分Si、SiC2及びSi2Cは、結晶成長に必要な少なくとも一つの成分である。
いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の数量は、五つ、十個、二十個、三十個などである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の形状は、円形、三角形、四角形、五角形、六角形などの規則的な形状又は不規則な形状である。いくつかの実施形態において、一つの加熱ユニットの少なくとも一つのフローチャネル1250の形状は、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250は、円形、リング形、三角形、四角形、五角形、六角形などに配置されてもよい。
いくつかの実施形態において、異なる加熱ユニットの少なくとも一つのフローチャネル1250の数量は、等しくても等しくなくてもよい。いくつかの実施形態において、二つの隣接する加熱ユニットにおいて、一方の加熱ユニットの少なくとも一つのフローチャネル1250の数量は、十個であり、他方の加熱ユニットの少なくとも一つのフローチャネル1250の数量は、二十個である。いくつかの実施形態において、異なる加熱ユニットの少なくとも一つのフローチャネル1250の形状は、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、隣接する二つの加熱ユニットのうち、一方の加熱ユニットの少なくとも一つのフローチャネル1250の形状は円形であり、他方の加熱ユニットの少なくとも一つのフローチャネル1250の形状は、六角形である。いくつかの実施形態において、異なる加熱ユニットの少なくとも一つのフローチャネル1250の配置は、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、隣接する二つの加熱ユニットのうち、一方の加熱ユニットの少なくとも一つのフローチャネル1250が均一に配置され、他方の加熱ユニットの少なくとも一つのフローチャネル1250が不均一に配置される。いくつかの実施形態において、隣接する二つの加熱ユニットの少なくとも一つのフローチャネル1250は、加熱ユニットの中心を円の中心として環状に配置される。いくつかの実施形態において、一方の加熱ユニットの隣接するリングの間の間隔は、等しくてもよく、他方の加熱ユニットの隣接するのリングの間の間隔は、等しくなくてもよい。いくつかの実施形態において、隣接するリングの間隔は、隣接するリングの半径の差に表示される。
一つのフローチャネルの面積が大きすぎると、原料がフローチャネルから成長チャンバ110の底部に漏れるので、成長チャンバ110に位置する少なくとも一つの加熱ユニットの上表面に原料160を配置することができない。一つのフローチャネルの面積が小さすぎると、原料160がフローチャネルを塞ぐので、原料160が気化して得られた気相成分は、フローチャネルを通って種結晶150に達して、結晶を成長させることができない。従って、一つのフローチャネルの断面積を一定の範囲に制御する必要がある。いくつかの実施形態において、フローチャネルの断面積は、原料の粒径の1.5倍以下である。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの断面積は、原料の粒径の1.4倍以下である。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの断面積は、原料の粒径の1.3倍以下である。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの断面積は、原料の粒径の1.2倍以下である。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの断面積は、原料の粒径の1.1倍以下である。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの断面積は、原料の粒径の1.0倍以下である。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの断面積は、原料の粒径の1.0倍以上であってもよい。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの断面積は、原料の粒径の1.1倍以上である。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの断面積は、原料の粒径の1.2倍以上である。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの断面積は、原料の粒径の1.3倍以上である。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの断面積は、原料の粒径の1.4倍以上である。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの断面積は、原料の粒径の1.5倍以上である。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの断面積は、原料の粒径の1.0~1.5倍である。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの断面積は、原料の粒径の1.05~1.45倍である。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの断面積は、原料の粒径の1.1~1.4倍である。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの断面積は、原料の粒径の1.15~1.35倍である。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの断面積は、原料の粒径の1.2~1.3倍である。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの断面積は、原料の粒径の1.22~1.28倍である。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの断面積は、原料の粒径の1.24~1.26倍である。
一つの加熱ユニットの上表面における少なくとも一つのフローチャネルの開口面積の合計が大きすぎるため、一つの加熱ユニットの上表面に配置される原料の質量又は数量が制限され、それによって結晶の成長効率に影響を与える。一つの加熱ユニットの上表面における少なくとも一つのフローチャネルの開口面積の合計が小さすぎると、フローチャネルは黒鉛化炭素粒子が種結晶に移動するのを防ぐことができず、それによって結晶欠陥が生じる。従って、加熱ユニットの上表面における少なくとも一つのフローチャネルの開口面積の合計を一定の範囲に制御して、黒鉛化炭素粒子が種結晶に移動しないようにする必要があり、これにより、結晶欠陥をさらに低減することができ、同時に結晶成長効率を確保することができる。いくつかの実施形態において、一つの加熱ユニットの上表面における少なくとも一つのフローチャネルの開口面積の合計は、一つの加熱ユニットの面積の20%~60%である。いくつかの実施形態において、一つの加熱ユニットの上表面における少なくとも一つのフローチャネルの開口面積の合計は、一つの加熱ユニットの面積の25%~55%である。いくつかの実施形態において、一つの加熱ユニットの上表面における少なくとも一つのフローチャネルの開口面積の合計は、一つの加熱ユニットの面積の30%~50%である。いくつかの実施形態において、一つの加熱ユニットの上表面における少なくとも一つのフローチャネルの開口面積の合計は、一つの加熱ユニットの面積の35%~45%である。いくつかの実施形態において、一つの加熱ユニットの上表面における少なくとも一つのフローチャネルの開口面積の合計は、一つの加熱ユニットの面積の38%~42%である。いくつかの実施形態において、一つの加熱ユニットの上表面における少なくとも一つのフローチャネルの開口面積の合計は、一つの加熱ユニットの面積の40%である。
図13に示すように、加熱アセンブリ120は、成長チャンバ110の内部に配置され、成長チャンバ110を加熱すると、熱エネルギーの一部が成長チャンバ110の壁を介して成長チャンバ110の外部に伝導される。従って、加熱ユニットの成長チャンバ110の壁に近い領域の温度は、低くなり、加熱ユニットの成長チャンバ110の壁から離れた領域の温度は、高くなるので、成長チャンバ110の内部に、半径方向温度差及び/又は半径方向温度勾配を形成する。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットの材料は、高抵抗加熱材料を含むことができるが、これに限定されないので、少なくとも一つの加熱ユニットにおける少なくとも一つのフローチャネル1250の密度を調整することによって、少なくとも一つの加熱ユニットの抵抗を調整することができる。それにより、少なくとも一つの加熱ユニットの加熱電力を調整する。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の密度は、単位面積当たりの少なくとも一つのフローチャネル1250の数量を指す。いくつかの実施形態において、空気の抵抗率が少なくとも一つの加熱ユニットの材料の抵抗率より大きい場合、加熱ユニットの少なくとも一つのフローチャネル1250の密度が大きくなるほど、加熱の抵抗率が高くなり、等しい電流の条件下では、加熱ユニットの加熱電力が高くなる。
半径方向温度差及び/又は半径方向温度勾配を低減又は削除するために、いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットの上表面の中央領域の少なくとも一つのフローチャネル1250開口の密度は、少なくとも一つの加熱ユニットのエッジ領域の少なくとも一つのフローチャネル1250の開口部の密度より小さくてもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットのエッジ領域は、加熱ユニットのエッジに近い領域又は加熱ユニットの中心から離れた領域を指す。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットの中央領域は、加熱ユニットの中央に近いの領域を指す。本明細書の実施形態では、特に明記しない限り、少なくとも一つのフローチャネルの開口の密度と少なくとも一つのフローチャネルの密度は、交換に使用することができる。
図13に示すように、成長チャンバ110の内部の少なくとも一つの加熱ユニットの上表面に原料160が配置される。原料160は、結晶成長に必要な少なくとも一つの成分を提供することに用いられる。原料160は、少なくとも一つの加熱ユニットによる加熱下で、分解されて気相成分を生成することができる。気相成分は、結晶成長に必要な少なくとも一つの成分である。気相成分は、軸方向温度勾配によって駆動され、少なくとも一つの加熱ユニットの少なくとも一つのフローチャネルを通って、種結晶150に輸送される。いくつかの実施形態において、原料160は、粉末、顆粒、凝集体などの形態などである。
図14は、いくつかの実施形態に示される例示的な少なくとも一つの加熱ユニットの概略図である。
図14に示すように、少なくとも一つの加熱ユニット1212の形状は、円形であってもよい。少なくとも一つのフローチャネル1250の形状は、円形であってもよい。少なくとも一つのフローチャネル1250は、少なくとも一つの加熱ユニット1212の円心Oを円心とし、Rnを半径として円周状に配置される。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250は、少なくとも一つの円周に配置される。図14に示すように、少なくとも一つのフローチャネル1250は、4つの円周に配置される。少なくとも一つの加熱ユニットの中央領域から、少なくとも一つの加熱ユニットのエッジ領域までの半径方向において、4つの円周は、第一フローチャネル円周1251、第二フローチャネル円周1252、第三フローチャネル円周1253、第四フローチャネル円周1254にそれぞれ表示される。本明細書の実施形態では、特に明記しない限り、円周配置と環状配置は、交換に使用することができる。
いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の密度は、単位弧長あたりの少なくとも一つのフローチャネル1250の数量を指す場合もある。いくつかの実施形態において、異なるフローチャネル円周の少なくとも一つのフローチャネル1250の密度は、等しくても等しくなくてもよい。図13に示すように、加熱アセンブリ120は、成長チャンバ110の内部に配置され、成長チャンバ110を加熱すると、熱エネルギーの一部が成長チャンバ110の壁を介して成長チャンバ110の外部に伝導される。従って、加熱ユニットの成長チャンバ110の壁に近づける領域の温度は、低くなり、加熱ユニットの成長チャンバ110の壁から離れた領域の温度は、高くなるので、成長チャンバ110の内部に半径方向温度差及び/又は半径方向温度勾配を形成する。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の密度は、少なくとも一つの加熱ユニットの中央領域から少なくとも一つの加熱ユニットの周辺領域まで徐々に増加する。いくつかの実施形態において、第一フローチャネル円周1251の少なくとも一つのフローチャネルの開口密度は、第二フローチャネル円周1252の少なくとも一つのフローチャネルの開口密度より小さくてもよい。第二フローチャネル円周1252の少なくとも一つのフローチャネルの開口密度は、第三フローチャネル円周1253の少なくとも一つのフローチャネルの開口密度より小さくてもよい。第三フローチャネル円周1253の少なくとも一つのフローチャネルの開口密度は、第四フローチャネル円周1254の少なくとも一つのフローチャネルの開口密度より小さくてもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の密度は、少なくとも一つの加熱ユニットの中央領域から少なくとも一つの加熱ユニットの周辺領域まで段階的に増加する。いくつかの実施形態において、第一フローチャネル円周1251及び第二フローチャネル円周1252の少なくとも一つのフローチャネルの開口密度は、等しくてもよい。第三フローチャネル円周1253と第四フローチャネル円周1254の少なくとも一つのフローチャネルの開口密度は、等しくてもよい。第二フローチャネル円周1252の少なくとも一つのフローチャネルの開口密度は、第三フローチャネル円周1253の少なくとも一つのフローチャネルの開口密度より小さくてもよい。
いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径は、rとして示される。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径は、少なくとも一つのフローチャネル1250の内接円又は外接円の半径であってもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の形状が円形である場合、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径は、円の半径である。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の形状が、三角形、四角形、五角形、又は六角形などの規則的な形状である場合、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径は、三角形、四角形、五角形又は六角形などの規則的な形状の内接円又は外接円の半径である。
原料160が気化して得られる気相成分がフローチャネルを通って種結晶150に到達して結晶を成長させ、結晶成長効率を確保するために、いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.1mm~1mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.2mm~0.9mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.3mm~0.8mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.4mm~0.7mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.5mm~0.6mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.1mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.2mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.3mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.4mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.5mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.6mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.7mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.8mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.9mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、1mmである。
図14に示すように、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の間の距離は、dに表示される。いくつかの実施形態において、中心の間の距離は、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネル1250の幾何学的な中心点の間の距離である。いくつかの実施形態において、フローチャネルの形状が円形である場合、フローチャネル1250の幾何学的な中心点は、フローチャネルの円心を指す。いくつかの実施形態において、同じフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の間の間隔は、等しくても等しくなくてもよい。
いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の間の距離dは、3r<d<10rに表示される。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の間の距離dは、4r<d<9rに表示される。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の間の距離dは、5r<d<8rに表示される。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の間の距離dは、6r<d<7rに表示される。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の間の距離dは、6.4r<d<6.6rに表示される。
結晶成長効率を確保するように、加熱ユニットの上表面に適量の原料を配置するために、いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1.5mm~2.5mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1.6mm~2.4mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1.7mm~2.3mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1.8mm~2.2mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1.9mm~2.1mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1.95mm~2.05mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1.5mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1.6mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1.7mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1.8mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1.9mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、2mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、2.1mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、2.2mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、2.3mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、2.4mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、2.5mmである。
いくつかの実施形態において、一つの加熱ユニットのフローチャネル円周の数量は、nに表示される。ここで、nは2以上の整数である。いくつかの実施形態において、nは、2、3、4、5などであってもよい。図14に示すように、n番目のフローチャネルの円周の半径は、Rnに表示される。同様に、(n-1)番目のフローフローチャネルの円周の半径は、Rn-1に表示される。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットのサイズ、及び少なくとも一つのフローチャネルの半径などによって、n番目のフローチャネルの円周の半径Rnを決定することができる。いくつかの実施形態において、Rnは、少なくとも一つの加熱ユニットの半径より小さく、且つ少なくとも一つのフローチャネルの半径より大きくてもよい。
いくつかの実施形態において、R
1は7mm~14mmにある。いくつかの実施形態において、R
1は8mm~13mmにある。いくつかの実施形態において、R
1は9mm~12mmにある。いくつかの実施形態において、R
1は10mm~11mmにある。いくつかの実施形態において、R
1は10mmである。いくつかの実施形態において、第二フローチャネル円周1252の半径R
2は、2mm~30mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は3mm~29mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は4mm~28mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は5mm~27mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は6mm~26mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は7mm~25mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は8mm~24mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は9mm~23mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は10mm~22mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は11mm~21mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は12mm~20mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は13mm~19mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は14mm~18mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は15mm~17mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は16mmである。
図15は、さらなる実施形態に示される例示的な結晶の製造装置の概略図である。
図15に示すように、結晶の製造装置100は、成長チャンバ110及び加熱アセンブリ120を含む。成長チャンバ110の説明については、図1及び本明細書の関連説明を参照して、ここでは繰り返さない。
いくつかの実施形態において、加熱アセンブリ120は、少なくとも二つの加熱ユニットを含む。少なくとも二つの加熱ユニットは、成長チャンバ110を加熱し、結晶成長に必要な温度場を提供して、結晶を製造し、結晶成長中の半径方向温度差がプリセット温度差閾値を超えないようになる。いくつかの実施形態において、少なくとも二つの加熱ユニットのうちの少なくとも一つの加熱ユニットは、成長チャンバ110の外側に配置される。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の外側に位置する少なくとも一つの加熱ユニットは、第一加熱アセンブリ1220と呼ばれる。いくつかの実施形態において、第一加熱アセンブリ1220は、成長チャンバ110の周囲に部分的に囲んで配置される。成長チャンバ110の外周に囲んで配置された第一加熱アセンブリ1220の関連説明については、図3及び本明細書の関連説明を参照して、詳細はここでは繰り返さない。いくつかの実施形態において、第一加熱アセンブリ1220は、少なくとも三つの第一加熱ユニットを含む。少なくとも三つの第一加熱ユニットは、成長チャンバ110の結晶化領域、成長チャンバ110の原料領域、及び結晶化領域と原料領域との間の気相輸送領域の位置にそれぞれ対応する。成長チャンバ110の外周に囲んで配置された少なくとも三つの第一加熱ユニットの関連説明については、図8、図9及び本明細書の関連説明を参照して、詳細はここでは繰り返さない。いくつかの実施形態において、第一加熱アセンブリ1220は、成長チャンバ110の外側の上表面及び/又は下表面に配置される。成長チャンバ110の外側の上表面及び/又は下表面に位置する第一加熱アセンブリ1220の関連する説明については、図3から図7及び本明細書の関連する説明を参照して、詳細はここでは繰り返さない。
いくつかの実施形態において、少なくとも二つの加熱ユニットのうちの少なくとも一つの加熱ユニットは、成長チャンバ110の内部に配置される。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の内部に配置された少なくとも一つの加熱ユニットは、第二加熱アセンブリ1240と呼ばれる。第二加熱アセンブリ1240は、少なくとも一つの第二加熱ユニットを含む。成長チャンバ110の内部に位置する第二加熱アセンブリ1240の関連する説明については、図13及び本明細書の関連する説明を参照して、詳細はここでは繰り返さない。
いくつかの実施形態において、第二加熱アセンブリ1240の少なくとも一つの加熱ユニットは、少なくとも一つのフローチャネル1250を含む。少なくとも一つのフローチャネル1250の関連する説明については、図14及び本明細書の関連する説明を参照して、詳細はここでは繰り返さない。
いくつかの実施形態において、第一加熱アセンブリ1220のみで成長チャンバ110を加熱する場合には、同じ水平面で、熱は、成長チャンバ110の外周から成長チャンバ110の中心軸に向かう方向に伝導する過程で徐々減少する。成長チャンバ110の外周の温度は、成長チャンバ110の内部の温度より高くてもよく、このとき、成長チャンバ110の内部に半径方向温度差又は半径方向温度勾配が形成される。
半径方向温度差及び/又は半径方向温度勾配を低減又は削除するために、いくつかの実施形態において、第二加熱アセンブリ1240は、少なくとも二つ以上のフローチャネルを含む。成長チャンバ110の内部に位置する少なくとも一つの加熱ユニットの上表面の中央領域における少なくとも一つのフローチャネル1250の開口の密度は、成長チャンバ110の内部に位置する少なくとも一つの加熱ユニットのエッジ領域の少なくとも一つのフローチャネル1250の開口の密度より大きくてもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットの中央領域から少なくとも一つの加熱ユニットのエッジ領域まで、少なくとも一つのフローチャネル1250の密度は、徐々に減少する。いくつかの実施形態において、第一フローチャネル円周1251の少なくとも一つのフローチャネルの開口密度は、第二フローチャネル円周1252の少なくとも一つのフローチャネルの開口密度より大きくてもよい。第二フローチャネル円周1252の少なくとも一つのフローチャネルの開口密度は、第三フローチャネル円周1253の少なくとも一つのフローチャネルの開口密度より大きくてもよい。第三フローチャネル円周1253の少なくとも一つのフローチャネルの開口密度は、第四フローチャネル円周1254の少なくとも一つのフローチャネルの開口密度より大きくてもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の密度は、少なくとも一つの加熱ユニットの中央領域から少なくとも一つの加熱ユニットの周辺領域まで段階的に減少する。いくつかの実施形態において、第一フローチャネル円周1251及び第二フローチャネル円周1252の少なくとも一つのフローチャネルの開口密度は、等しくてもよい。第三フローチャネル円周1253と第四フローチャネル円周1254の少なくとも一つのフローチャネルの開口密度は、等しくてもよい。第二フローチャネル円周1252の少なくとも一つのフローチャネルの開口密度は、第三フローチャネル円周1253の少なくとも一つのフローチャネルの開口密度より大きくてもよい。
原料160が気化して得られる気相成分がフローチャネルを通って種結晶150に到達して結晶を成長させ、結晶成長効率を確保するために、いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.05mm~0.95mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.1mm~0.9mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.2mm~0.8mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.3mm~0.7mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.4mm~0.6mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.45~0.55mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.05mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.1mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.2mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.3mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.4mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.5mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.6mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.7mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.8mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.9mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径rは、0.95mmである。
いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の間の距離dは、4r<d<10rに表示される。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の間の距離dは、 5r<d<9rに表示される。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の間の距離dは、6r<d<8rに表示される。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の間の距離dは、6.5r<d<7.5rに表示される。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の間の距離dは、6.8r<d<7rに表示される。
結晶成長効率を確保するように、加熱ユニットの上表面に適量の原料を配置するために、いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1mm~2mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1.1mm~1.9mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1.2mm~1.8mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1.3mm~1.7mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1.4mm~1.6mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1.45mm~1.55mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1.1mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1.2mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1.3mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1.4mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1.5mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1.6mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1.7mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1.8mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、1.9mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、2mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、2.1mmである。いくつかの実施形態において、一つのフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心の距離は、2.2mmである。
円周1251の半径R
1は、1mm~20mmにある。いくつかの実施形態において、R
1は2mm~19mmにある。いくつかの実施形態において、R
1は3mm~18mmにある。いくつかの実施形態において、R
1は4mm~17mmにある。いくつかの実施形態において、R
1は5mm~16mmにある。いくつかの実施形態において、R
1は6mm~15mmにある。いくつかの実施形態において、R
1は7mm~14mmにある。いくつかの実施形態において、R
1は8mm~13mmにある。いくつかの実施形態において、R
1は9mm~12mmにある。いくつかの実施形態において、R
1は10mm~11mmにある。いくつかの実施形態において、R
1は10mmである。いくつかの実施形態において、第二フローチャネル円周1252の半径R
2は、2mm~25mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は3mm~24mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は4mm~23mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は5mm~22mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は6mm~21mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は7mm~20mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は10mm~17mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は11mm~16mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は12mm~15mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は13mm~14mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は10.5mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は11mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は11.5mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は12mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は12.4mmである。いくつかの実施形態において、R
2は12.5mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は13mmである。いくつかの実施形態において、R
2は13.5mmにある。いくつかの実施形態において、R
2は14mmである。
いくつかの実施形態において、加熱アセンブリ120は、少なくとも一つの導電性電極をさらに含む。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの導電性電極は、低抵抗グラファイト電極であってもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの導電性電極は、円筒形であってもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの導電性電極の断面形状は、円形、三角形、四角形、五角形、又は六角形などの規則的な形状又は不規則な形状であってもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの導電性電極の断面形状は、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの導電性電極の数量は、二つ、三つ、四つ、五つなどであってもよい。
いくつかの実施形態において、加熱アセンブリ120は、少なくとも二つの導電性電極を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも二つの導電性電極は、少なくとも一つの加熱ユニットの縁部領域に円周方向に沿って配置される。いくつかの実施形態において、少なくとも二つの導電性電極のうちの一つの導電性電極は、少なくとも一つの加熱ユニットの中心に固定されてもよく、少なくとも二つの導電性電極の残りの導電性電極は、少なくとも一つの加熱ユニットの中心に位置する導電性電極を中心として、円周方向に沿って配置されてもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも二つの導電性電極は、4つである。4つの導電性電極は、それぞれ、第一導電性電極1242、第二導電性電極1243、第三導電性電極(図示せず)、及び第四導電性電極(図示せず)である。いくつかの実施形態において、第一導電性電極1242は、少なくとも一つの加熱ユニットの中心に位置して、第二導電性電極1243、第三導電性電極及び第四導電性電極は、第一導電性電極を中心として、円周方向に沿って均一に配置される。
いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットの中心に配置された導電性電極(例えば、第一導電性電極1242)の直径は、少なくとも一つの加熱ユニットの縁部領域に円周方向に沿って配置された導電性電極の直径より大きい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットの中心に位置する導電性電極の直径は、13mm~20mmにあってもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットの中心に位置する導電性電極の直径は、14mm~19mmにあってもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットの中心に位置する導電性電極の直径は、15mm~18mmにあってもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットの中心に位置する導電性電極の直径は、16mm~17mmにあってもよい。
いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットの縁部領域に円周方向に沿って配置された導電性電極(例えば、第二導電性電極1243、第三導電性電極及び第四導電性電極)の直径は、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットの縁部領域に円周方向に沿って配置された導電性電極の直径は、5mm~13mmにあってもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットの縁部領域に円周方向に沿って配置された導電性電極の直径は、6mm~12mmにあってもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットの縁部領域に円周方向に沿って配置された導電性電極の直径は、7mm~11mmにあってもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットの縁部領域に円周方向に沿って配置された導電性電極の直径は、8mm~10mmにあってもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットの縁部領域に円周方向に沿って配置された導電性電極の直径は、8.5mm~9.5mmにあってもよい。
成長チャンバ110は、少なくとも二つの電極ポストが配置される。いくつかの実施形態において、少なくとも二つの電極ポストが成長チャンバ110の底部に配置される。いくつかの実施形態において、少なくとも二つの電極ポストは、中空ポストであり、少なくとも二つの導電性電極を取り付けることに用いられる。いくつかの実施形態において、少なくとも二つの電極ポストの材料は、短絡を防止するために、少なくとも二つの導電性電極を分離することに用いられる絶縁材料である。いくつかの実施形態において、少なくとも二つの電極ポストの材料はジルコニアである。いくつかの実施形態において、少なくとも二つの電極ポストの形状、サイズ及び/又は数量は、少なくとも二つの導電性電極の断面形状、断面サイズ及び/又は数量と同じである。いくつかの実施形態において、少なくとも二つの電極ポストは、4つである。4つの電極ポストは、それぞれ、第一電極ポスト1244、第二電極ポスト1245、第三電極ポスト(図示せず)及び第四電極ポスト(図示せず)である。
いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニットは、少なくとも二つの第一電極穴が設置される。いくつかの実施形態において、少なくとも二つの第一電極穴の形状は、円形、三角形、四角形、五角形又は六角形などの規則的な形状又は不規則な形状である。いくつかの実施形態において、少なくとも二つの第一電極穴の数量は、一つ、二つ、三つ、四つ、五つなどである。いくつかの実施形態において、少なくとも二つの第一電極穴の形状、サイズ及び/又は数量は、少なくとも二つの導電性電極の断面形状、断面サイズ及び/又は数量と同じである。
図16Aは、いくつかの実施形態に示される例示的な少なくとも一つの加熱ユニットの上表面図である。図16Bは、他の実施形態に示される例示的な少なくとも一つの加熱ユニットの側面図である。
図16A及び図16Bに示すように、少なくとも二つの第一電極穴の数量は、4つであり、4つの第一電極穴は、それぞれ、少なくとも一つの加熱ユニットの中心に位置する一つの第一電極穴A1246、及び少なくとも一つの加熱ユニットの縁部領域に円周方向に沿って配置される三つの第一電極穴B1247である。
いくつかの実施形態において、加熱アセンブリ120は、銅線(図示せず)及び電源(図示せず)を含む。少なくとも二つの導電性電極は、銅線を介して電源にそれぞれ接続される。従って、少なくとも二つの導電性電極、少なくとも一つの加熱ユニット及び電源は、少なくとも一つの加熱ユニットを加熱するための電流経路を形成することができる。
いくつかの実施形態において、加熱アセンブリ120は、少なくとも一つの導電リング1241を含む。少なくとも一つの加熱ユニットは、少なくとも一つの導電性電極を介して少なくとも一つの導電性リング1241に接続される。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの導電性リング1241は、成長チャンバ110の内部の少なくとも一つの加熱ユニットの上表面又は/及び下表面に配置される。少なくとも一つの導電リング1241の数量と少なくとも一つの加熱ユニットの数量は、等しくても等しくなくてもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの導電リング1241の数量は、少なくとも一つの加熱ユニットの数量の2倍である。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの導電リング1241の材料は、グラファイト、タングステン、モリブデン、タンタル、又はイリジウムのうちの少なくとも一つである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの導電リング1241の少なくとも一つの加熱ユニットと接触する表面を除いて、他の表面は、高温に強い炭化物コーティングでコーティングされる。いくつかの実施形態において、炭化物コーティングは、炭化タンタル、炭化タングステン、炭化ニオブ、炭化チタンなどを含むことができるが、これらに限定されない。同様に、少なくとも一つの加熱ユニットの少なくとも一つの導電リング1241と接触する表面(例えば、縁部部分)を除いて、他の部分も高温に強いコーティングでコーティングしてもよい。
いくつかの実施形態において、少なくとも一つの導電リング1241は、成長チャンバ110に取り外し可能に接続される。少なくとも一つの導電性リング1241と成長チャンバ110との取り外し可能な接続方式は、少なくとも一つの加熱ユニットと成長チャンバ110との取り外し可能な接続方式と同じであり、詳細はここでは繰り返さない。
少なくとも一つの導電性リング1241に少なくとも一つの第二電極穴1248が設置される。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの第二電極穴の形状及びサイズは、少なくとも一つの導電性電極の断面形状及び断面サイズと同じである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの第二電極穴の数量及び/又は配置は、少なくとも一つの導電性電極の数量及び/又は配置と同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの第二電極穴の数量は、少なくとも一つの導電性電極の数量と同じである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの第二電極穴の数量は、少なくとも一つの導電性電極の数量より一つ少ない。
図17は、いくつかの実施形態に示される例示的な少なくとも一つの導電リングの概略図である。
図17に示すように、少なくとも一つの第二電極穴1248の数量は、三つである。三つの第二電極穴1248は、少なくとも一つの導電リング1241の縁部領域に円周方向に沿って配置される。
いくつかの実施形態において、少なくとも二つの導電性電極の少なくとも一部は、少なくとも二つの第二電極穴を通過し、少なくとも一つの導電性リングに接続される。少なくとも二つの導電性電極は、それぞれ銅線を介して電源に接続される。従って、少なくとも二つの導電性電極、少なくとも一つの導電性リング1241、少なくとも一つの加熱ユニット及び電源は、電流経路を形成する。電流経路は、少なくとも一つの加熱ユニット及び少なくとも一つの導電リング1241を加熱する。その中で、少なくとも一つの導電リング1241は、熱を均一に分配し、成長チャンバ110の内部の半径方向温度差及び/又は半径方向温度勾配を減少させることができる。
図18は、いくつかの実施形態に示される例示的な結晶成長方法の流れ図である。
ステップ1810では、種結晶と原料を成長チャンバに置き、結晶を成長させる。
種結晶は、成長される結晶と同じ結晶方向を有する小さな結晶であり、結晶を成長させるための種とすることができる。いくつかの実施形態において、種結晶は、物理的な気相輸送(Physical Vapor Transport、PVT)、化学蒸着(Chemical Vapor Deposition、CVD)、又は引き上げ法などに基づいて製造される。いくつかの実施形態において、種結晶は、少なくともスプライシングプロセス及び隙間成長によって生成される。種結晶の製造方法の関連説明については、図22、図23及び本明細書の関連説明を参照して、ここでは繰り返さない。いくつかの実施形態において、図1に示すように、種結晶を成長チャンバカバー111の内側面に固定する。
原料は、種結晶を結晶に成長させるための材料を含む。いくつかの実施形態において、炭化ケイ素結晶の原料の組成は、SiCを含んでもよい。いくつかの実施形態において、窒化アルミニウム結晶の原料の組成は、AlNを含んでもよい。いくつかの実施形態において、原料は、粉末状、顆粒状、及び/又はバルク状の材料であってもよい。いくつかの実施形態において、バルク状の材料の形状は、立方体、直方体又は不規則なブロックなどであってもよい。いくつかの実施形態において、原料を成長チャンバ本体112に置く。図1又は図3又は図8に示すように、原料を成長チャンバ本体112の下部に置く。図13又は図15に示すように、原料は、成長チャンバ110の内部の少なくとも一つの加熱ユニットの上表面に置く。
成長チャンバの関連する説明については、本明細書の他の部分(例えば、図1及び図3)の説明を参照して、ここでは繰り返さない。
種結晶及び原料を成長チャンバに置くことの関連する説明については、本明細書の他の部分の説明(例えば、図13、図15、及び図19)を参照して、ここでは繰り返さない。
加熱アセンブリ及び温度検出アセンブリの関連する説明については、本明細書の他の部分(例えば、図1から16)の説明を参照して、ここでは繰り返さない。
いくつかの実施形態において、温度感知アセンブリの取り付け位置は、測定される成長チャンバ110の温度分布の位置によって決定される。いくつかの実施形態において、種結晶の下表面又は結晶成長面の温度分布を測定するために、温度感知アセンブリは、成長チャンバ110の上表面に配置される。いくつかの実施形態において、原料の上表面の温度分布を測定するために、温度感知アセンブリは、成長チャンバ110の下表面に配置される。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の内周領域及び外周領域の温度分布を測定するために、温度感知アセンブリは、成長チャンバ110の外壁に配置される。
ステップ1820では、結晶成長中に、温度感知アセンブリの情報に基づいて加熱アセンブリを制御して、結晶が成長する時の成長チャンバの内部の半径方向温度差が成長チャンバの内部の平均温度の第一プリセット範囲を超えないようにする。
制御アセンブリ、温度感知アセンブリ、温度感知アセンブリの情報、半径方向温度差、及びプリセット半径方向温度差の閾値に関する説明については、この明細書の他の部分の説明(例えば、図1、図2))を参照して、ここでは繰り返さない。
いくつかの実施形態において、成長チャンバの内部の平均温度は、成長チャンバの内部の種結晶又は成長している結晶の下表面の平均温度、成長チャンバの内部の原料の上表面の平均温度を含む。いくつかの実施形態において、成長チャンバの内部の平均温度は、結晶成長温度をさらに含む。いくつかの実施形態において、制御アセンブリは、結晶成長中の成長チャンバの内部の温度分布に基づいて、加熱アセンブリの少なくとも一つの加熱ユニットの少なくとも一つのパラメータを制御する。結晶成長中に成長チャンバの内部の半径方向温度差が成長チャンバの内部の平均温度の第一プリセット範囲又はプリセット半径方向温度差の閾値を超えないようになる。いくつかの実施形態において、温度感知アセンブリ210は、成長チャンバの内部の温度情報を測定し、測定される情報を制御アセンブリ230に送信する。制御アセンブリ230は、温度感知アセンブリ210によって測定された温度情報に基づいて、半径方向温度差分布及び/又は半径方向温度勾配分布を生成することができる。制御アセンブリ230は、さらに成長チャンバ110のサイズ、形状、材料、種結晶のサイズ、ならびに成長される結晶の種類とサイズによって、第一プリセット範囲、プリセット半径方向温度差閾値及び/又はプリセット半径方向温度勾配閾値を確定することに用いられる。制御アセンブリ230は、さらに半径方向温度差分布における半径方向温度差をプリセット半径方向温度差閾値と比較するか、又は半径方向温度勾配分布における半径方向温度勾配をプリセット半径方向温度勾配と比較することができる。半径方向温度差がプリセット半径方向温度差閾値よりも大きいか、又は半径方向温度勾配がプリセット半径方向温度勾配閾値より大きい場合、いくつかの実施形態において、図3又は図8に示すように、制御アセンブリ230は、成長チャンバ110の中心領域に配置される少なくとも一つの加熱ユニットの加熱電力を高めることができる。いくつかの実施形態において、成長チャンバの中心領域の温度が成長チャンバの外周領域の温度より高い場合、図13に示すように、制御アセンブリ230は、加熱ユニットの中心領域を通過する少なくとも一つの導電性電極が流れる電流を低減するか、又は加熱ユニットの縁部領域を通過する少なくとも一つの導電性電極が流れる電流を増加するすることができる。いくつかの実施形態において、成長チャンバの中心領域の温度が成長チャンバの外周領域の温度より低い場合、図15に示すように、半径方向温度差及び/又は半径方向温度勾配を減少させるために、制御アセンブリ230は、加熱ユニットの中心領域を通過する少なくとも一つの導電性電極を流れる電流を増加するか、又は加熱ユニットの縁部領域を通過する少なくとも一つの導電性電極を流れる電流を低減し、半径方向温度差が成長チャンバの平均温度の第一プリセット範囲又はプリセット半径方向温度差閾値を超えないこと、半径方向温度勾配がプリセット半径方向温度勾配閾値を超えないことに至る。温度制御システムの制御プロセスについては、図2及びその関連説明を参照して、ここでは繰り返さない。
結晶成長中に、温度感知アセンブリの情報に基づいて加熱アセンブリを制御して、結晶が成長する時の成長チャンバの内部の軸方向温度勾配を安定させる。
制御アセンブリ及び軸方向温度勾配の関連する説明については、本明細書の他の部分(例えば、図1及び図2)の説明を参照して、ここでは繰り返さない。
いくつかの実施形態において、制御アセンブリ230は、結晶成長中の成長チャンバの温度分布に基づいて、加熱アセンブリ220の少なくとも一つの加熱ユニットの少なくとも一つのパラメータをさらに制御して、結晶が成長する時、成長チャンバの軸方向温度勾配を安定に維持するようになる。いくつかの実施形態において、制御アセンブリ230は、結晶成長中の成長チャンバの温度分布に基づいて、加熱アセンブリ220の少なくとも一つの加熱ユニットの少なくとも一つのパラメータをさらに制御して、結晶が成長する時、成長チャンバの軸方向温度勾配をプリセット軸方向温度勾配の範囲に維持するようになる。いくつかの実施形態において、温度感知アセンブリ210は、成長チャンバの軸方向温度を測定し、測定された軸方向温度を制御アセンブリ230に送ることができる。制御アセンブリ230は、温度感知アセンブリ210によって測定された軸方向温度に基づいて、軸方向温度勾配分布を生成することができる。制御アセンブリ230は、成長チャンバ110のサイズ、形状、材料、種結晶のサイズ、ならびに成長される結晶の種類及びサイズによって、プリセット軸方向温度勾配範囲を決定することもできる。制御アセンブリ230は、さらに、軸方向温度勾配分布における軸方向温度勾配をプリセット軸方向温度勾配範囲と比較することができる。軸方向温度勾配がプリセット軸方向温度勾配範囲より小さい場合、軸方向温度勾配を高めるために、制御アセンブリ230は、成長チャンバカバーに近い成長チャンバの周囲に配置された少なくとも一つの加熱ユニットの加熱電力を減少させ、軸方向温度勾配がプリセット軸方向温度勾配の範囲に到達することに至る。軸方向温度勾配がプリセット軸方向温度勾配の範囲より大きい場合、軸方向温度勾配を低減するために、制御アセンブリ230は、成長チャンバカバーに近い成長チャンバの周囲に配置された少なくとも一つの加熱ユニットの加熱電力を増加させ、軸方向温度勾配がプリセット軸方向温度勾配の範囲に達することに至る。温度制御システムの軸方向温度勾配に対する制御プロセスについては、図2及びその関連説明を参照して、ここでは繰り返さない。
プロセス1800に関する上記の説明は、例示及び例示にすぎず、本願の適用範囲を限定するものではないことに留意されたい。当業者にとって、本願のガイダンスの下で、プロセス1800に対する様々な修正及び変更を行うことができる。ただし、そのような修正及び変更は、依然として本願の範囲である。例えば、ステップ1820及び1830は、同時に実行されてもよい。
いくつかの実施形態は、結晶の製造装置100によって半導体結晶を製造する結晶成長方法を開示する。以下には、炭化ケイ素単結晶の製造を例に挙げて説明する。この方法は、以下のステップを含む。
ステップ1:種結晶を成長チャンバカバー111の内側面に接着し、原料を成長チャンバ本体112に入れ、種結晶が接着された成長チャンバカバー111を成長チャンバ本体112の頂部を覆う。
まず、成長チャンバカバー111の内側面に接着剤を均一に塗布した後、接着剤で覆われた成長チャンバカバー111を加熱炉に入れ、150~180℃の温度に5時間保持し、200℃まで昇温して7~10時間保持し、室温まで冷却した後、取り出す。次に、種結晶を成長チャンバカバー111の内側面の真ん中に置き、炭化珪素単結晶を種結晶に置き、ステンレス鋼のブロックを炭化珪素単結晶に置く。その後、それを加熱炉に入れ、380~430℃で5時間保持し、室温まで冷却した後、取り出す。
接着剤は、エポキシ接着剤、AB接着剤、フェノール樹脂接着剤、砂糖接着剤などを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、接着剤は、純度が99.9%であるスクロースである。ステンレス鋼のブロックは、炭化珪素単結晶、種結晶及び成長チャンバカバー111に所定の圧力を加え、成長チャンバカバー111の内側面への種結晶の付着を促進するために使用される。種結晶の接着・固定工程において、接着剤の塗布ムラや成長チャンバカバーの内側面の加工精度の悪さにより、種結晶の裏面と成長チャンバカバー111の内側面との間に気泡や隙間が発生する場合があるので、成長された結晶が欠陥を含む。従って、種結晶を成長チャンバカバー111の内側面の真ん中に配置する場合、気泡や隙間の発生を避ける必要がある。いくつかの実施形態において、種結晶を成長チャンバカバーの内側面に接着する前に、種結晶を洗浄して、種結晶の表面の汚染物質を除去する。いくつかの実施形態において、脱イオン水、有機溶媒などで種結晶を洗浄する。
次に、原料(例えば、炭化ケイ素粉末)を成長チャンバ本体112に配置する。原料の上表面と結晶成長面との間の距離が30~50mmである。いくつかの実施形態において、原料は粉末形態である。原料の粒径は、30~50μmである。成長チャンバ本体112に配置される原料の表面は、平坦なままである必要がある。
原料を成長チャンバ本体112に配置した後、種結晶が接着された成長チャンバカバー111を成長チャンバ本体112の頂部に取り付けて、結晶成長のための密閉空間を形成する。
ステップ2:成長チャンバ110の外側に第一加熱アセンブリ1220を配置する。
図3に示すように、加熱アセンブリは、第一加熱アセンブリ1220及び温度補償アセンブリ1210を含む。第一加熱アセンブリ1220は、結晶成長に必要な熱の少なくとも一部を提供するために、成長チャンバ110の外周に配置された誘導コイルである。誘導コイルに電流が供給されると、成長チャンバ110が加熱され、原料(例えば、炭化ケイ素粉末)が高温下で熱分解され、気相成分(例えば、Si2C、SiC2、Si)に昇華される。軸方向温度勾配によって駆動されて、気相成分は、温度が低い種結晶の表面に輸送され、結晶化して結晶(例えば、炭化ケイ素結晶)を形成する。いくつかの実施形態において、軸方向の異なる位置で誘導コイルの加熱電力を制御することによって、軸方向温度勾配を制御することができる。
成長チャンバ110の外周に配置された誘導コイルのみで成長チャンバ110を加熱すると、成長チャンバ110の内壁に近い領域が高温領域となり、原料の中心に近い領域が低温領域であり、このとき、原料の被覆領域の半径方向温度勾配が大きいので、原料の昇華と結晶の安定成長を助長しない。いくつかの実施形態において、原料によって覆われた領域の半径方向温度勾配が大きいので、成長チャンバ110の内壁に近い高温領域では、原料が昇華によって生成された気相成分におけるSi/Cモル比は、大きいが、原料の中心に近い低温領域では、昇華によって生成された気相成分におけるSi/Cモル比が小さい。従って、気相成分におけるSi/Cモル比の半径方向分布が不均一になり、結晶の安定成長を助長しない。また、成長チャンバカバー111にとって、成長チャンバカバー111の外周付近が高温領域であり、成長チャンバカバー111の中心付近が低温領域であり、成長チャンバカバー111が大きな半径方向温度勾配を有するので、結晶成長面に大きな熱応力をもたらし、結晶成長面が原料に向かって大きく突出し、種結晶の固定面に欠陥が形成される。従って、成長チャンバ110の上表面及び/又は下表面に温度補償装置を配置することによって、成長チャンバカバー111の半径方向温度勾配及び原料に被覆された領域の半径方向温度勾配を減少させることができる。半径方向温度勾配の関連する説明については、本明細書の他の部分の説明(例えば、図1及びそれに関連する説明)を参照して、ここでは繰り返さない。
ステップ3:温度補償アセンブリ1210を成長チャンバ110の上表面及び/又は下表面に取り付ける。
いくつかの実施形態において、少なくとも一つの固定ユニットを含む固定フレーム1216を成長チャンバ110の上表面又は下表面に固定して、温度補償アセンブリ1210の少なくとも一つの加熱ユニット1212を少なくとも一つの固定ユニットに充填して固定する。次に、電極固定プレート1215を取り付け、少なくとも一つの第一電極1213を電極固定プレート1215の少なくとも一つの第一穴1215-1に通過させ、それを少なくとも一つの加熱ユニット1212に固定すると同時に、少なくとも一つの第二電極1211を電極固定プレート1215の少なくとも一つの第二穴1215-2に通過させ、それを成長チャンバ110の上表面又は下表面に固定する。さらに、少なくとも一つの第一電極1213及び少なくとも一つの第二電極1211の上端を、それぞれ銅線1214に接続して、銅線1214を電源に接続する。
いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の上表面又は下表面のサイズ、成長される結晶の種類、種結晶のサイズ又は形状、成長チャンバ110の温度(軸方向温度勾配及び/又は半径方向温度勾配)分布などによって、少なくとも一つの加熱ユニット1212の数量、サイズ、形状、配置などを決定する。いくつかの実施形態において、4~10インチの炭化ケイ素結晶を成長させる場合、成長チャンバカバーの上表面に10~20個の加熱ユニット1212を配置する。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニット1212の厚さは、5mm~10mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニット1212の厚さは、6mm~9mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニット1212の厚さは、7mm~8mmである。少なくとも一つの加熱ユニット1212の形状が六角形であることを例として、少なくとも一つの加熱ユニット1212の辺長は、10~30mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニット1212の辺長は、12~28mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニット1212の辺長は、14~26mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニット1212の辺長は、16~24mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニット1212の辺長は、18~22mmである。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの加熱ユニット1212の辺長は、20~21mmである。
ステップ4:少なくとも二つの温度測定穴1215-3を介して、少なくとも一つの温度感知ユニットを加熱ユニット132及び成長チャンバ110の上表面又は下表面の外周に接続する。少なくとも二つの温度測定穴1215-3は、半径方向に隣接する第一穴1215-1の間、又は少なくとも一つの第二穴136-3の設定範囲に位置する。
いくつかの実施形態において、少なくとも一つの温度感知ユニットは、電極固定プレート1215の少なくとも二つの温度測定穴1215-3を通過して、少なくとも一つの加熱ユニット1212の第一温度及び成長チャンバ110の上表面又は下表面の外周の第二温度を測定する。それによって、成長チャンバ110の上表面又は下表面の温度分布を取得する。
ステップ5:不活性ガス(例えば、アルゴンガス)を成長チャンバ110に注入し、圧力を5~30Torrに制御し、成長チャンバ110を第一加熱アセンブリ1220及び温度補償アセンブリ1210によって加熱する。
ステップ6:少なくとも一つの温度感知ユニットで、少なくとも一つの加熱ユニット1212の第一温度、及び成長チャンバ110の上表面又は下表面の外周の第二温度とを測定し、少なくとも第一温度及び第二温度に基づいて、少なくとも一つの加熱ユニット1212のパラメータ(例えば、少なくとも一つの加熱ユニット1212の数量、形状、サイズ、配置、電流、加熱電力)を調整することによって、成長チャンバ110の上表面又は下表面の半径方向温度勾配をプリセット閾値より小さくならせ、結晶の均一な成長を促進する。第一温度及び第二温度に基づいて、少なくとも一つの加熱ユニット1212のパラメータを調整することについてのさらなる説明は、本明細書の他の説明を参照する(例えば、図6、7及びそれらの説明)。
いくつかの実施形態において、結晶成長中に、原料が昇華される時、成長チャンバ110の温度が2200~2400℃の範囲に維持され、原料が昇華される持続時間が40~60時間である。いくつかの実施形態において、結晶成長中に、成長チャンバカバー111の温度が2100℃~2350℃の範囲に維持され、成長チャンバ110の上表面に位置する少なくとも一つの加熱ユニット1212の第一温度は、成長チャンバカバー111の外周の第二温度より小さく、温度差は10K以内に保たれる。
上記の製造方法は一例に過ぎず、関連するプロセスパラメータは、異なる実施形態で異なってもよい。上記のステップの順序は固有のものではなく、異なる実施形態では、ステップの順序も調整してもよく、さらに一つ又は複数のステップを省略してもよい。上記の例は、本願の保護範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
図19は、さらなる実施形態に示される例示的な結晶成長方法の流れ図である。
いくつかの実施形態は、結晶の製造装置100によって半導体結晶を製造する結晶成長方法を開示する。以下の説明では、炭化ケイ素単結晶の製造を例に挙げて説明する。この方法は、以下のステップを含む。
ステップ1910:種結晶を成長チャンバの頂部に置き、原料を成長チャンバの底部に置く。
種結晶を成長チャンバカバー111の内側面に接着し、原料を成長チャンバ本体112に入れ、種結晶が接着された成長チャンバカバー111を成長チャンバ本体112の頂部に取り付ける。
まず、成長チャンバカバー111の内側面に接着剤を均一に塗布した後、接着剤で覆われた成長チャンバカバー111を加熱炉に入れ、150~180℃の温度に5時間保持し、200℃まで昇温して7~10時間保持し、室温まで冷却した後、取り出す。次に、種結晶を成長チャンバカバー111の内側面の真ん中に置き、炭化珪素単結晶を種結晶に置き、ステンレス鋼のブロックを炭化珪素単結晶に置く。その後、それを加熱炉に入れ、380~430℃で5時間保持し、室温まで冷却した後、取り出す。
ル樹脂接着剤、砂糖接着剤などを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、接着剤は、純度が99.9%であるスクロースである。ステンレス鋼のブロックは、炭化珪素単結晶、種結晶及び成長チャンバカバー111に所定の圧力を加え、成長チャンバカバー111の内側面への種結晶の付着を促進するために使用される。種結晶の接着・固定工程において、接着剤の塗布ムラや成長チャンバカバーの内側面の加工精度の悪さにより、種結晶の裏面と成長チャンバカバー111の内側面との間に気泡や隙間が発生する場合があるので、成長された結晶が欠陥を含む。従って、種結晶を成長チャンバカバー111の内側面の真ん中に配置する場合、気泡や隙間の発生を避ける必要がある。いくつかの実施形態において、種結晶を成長チャンバカバーの内側面に接着する前に、種結晶を洗浄して、種結晶の表面の汚染物質を除去する。いくつかの実施形態において、脱イオン水、有機溶媒などで種結晶を洗浄する。
次に、原料(例えば、炭化ケイ素粉末)を成長チャンバ本体112に配置する。原料の上表面と結晶成長面との間の距離が30~100mmである。原料の粒径は、30~50μmである。成長チャンバ本体112に配置される原料の表面は、平坦なままである必要がある。
原料を成長チャンバ本体112に配置した後、種結晶が接着された成長チャンバカバー111を成長チャンバ本体112の頂部に取り付けて、結晶成長のための密閉空間を形成して、結晶成長を助長する。
ステップ1920:温度補償アセンブリ1210を成長チャンバ110の上表面及び/又は下表面に取り付ける。いくつかの実施形態において、第一温度補償アセンブリ1210-1及び第二温度補償アセンブリ1210-2を、成長チャンバ110の上表面及び下表面にそれぞれ取り付ける。
まず、第一温度補償アセンブリ1210-1を成長チャンバ110の上表面に固定して、第一温度補償アセンブリ1210-1の下表面の外周領域を、成長チャンバ110の上表面の外周領域と接触させる。これにより、成長チャンバ110の上表面の外周領域における熱は、成長チャンバ110の上表面の中央領域に伝導される。次に、第二温度補償アセンブリ1210-2を成長チャンバ110の下表面に固定して、第二温度補償アセンブリ1210-2の上表面の外周領域を、成長チャンバ110の下表面の外周領域と接触させる。これにより、成長チャンバ110の下表面の外周領域における熱が、成長チャンバ110の下表面の中央領域に伝導される。第一温度補償アセンブリ1210-1又は第二温度補償アセンブリ1210-2は、高熱伝導率のグラファイト体である。第一温度補償アセンブリ1210-1又は第二温度補償アセンブリ1210-2は、ディスク形状である。
ステップ1930:加熱アセンブリを成長チャンバ110の外部に配置する。
まず、成長チャンバ110の外部に抵抗発熱体を配置し、成長チャンバ110を抵抗発熱体の中心に位置させる。抵抗発熱体は、少なくとも第一加熱モジュール1230-1、第二加熱モジュール1230-2、及び第三加熱モジュール1230-3を含む。第一加熱モジュール1230-1は、成長チャンバの結晶化領域を加熱するために使用される。第二加熱モジュール1230-2は、成長チャンバ110の結晶化領域と原料領域との間の気相輸送領域を加熱するために使用される。第三加熱モジュール1230-3は、成長チャンバ110の原料領域を加熱するために使用される。各加熱モジュールの加熱電力を個別に制御できる。抵抗発熱体は、円環状の高抵抗グラファイトの発熱体である。
次に、抵抗発熱体の外側に電極固定プレート1215を配置し、少なくとも一つの第一電極1213を、電極固定プレート1215の少なくとも二つの穴のうちの一つを通過して、抵抗発熱体の外側に固定させる。同時に、少なくとも一つの第二電極1211を、電極固定プレート1215の少なくとも二つの穴のうちの別の穴を通過して、抵抗発熱体の外側に固定させる。その後、少なくとも一つの第一電極1213及び少なくとも一つの第二電極1211の上端をそれぞれ水冷銅線に接続し、水冷銅線を電源に接続する。第一電極1213及び第二電極1211は、低抵抗グラファイトの電極であってもよい。電極固定プレート1215は、ジルコニアセラミックプレートであってもよい。
いくつかの実施形態において、結晶成長方法は、断熱層を加熱アセンブリの外側に囲んで配置することをさらに含む。
断熱層を加熱アセンブリの外側に囲んで配置することは、成長チャンバ110及び/又は加熱アセンブリを断熱することに用いられる。絶縁層は、グラファイトフェルト又はジルコニアセラミックを含んでもよい。成長チャンバのサイズ、成長される結晶の種類、抵抗発熱体の加熱電力、結晶成長中の成長チャンバ110に関する温度情報などに応じて、断熱層の厚さ、及び断熱層と加熱アセンブリとの間の間隔を調整する。
ステップ1940:加熱アセンブリ及び温度補償アセンブリによって、成長チャンバを加熱する。成長チャンバ110に不活性ガスを導入して、圧力を5~30Torrに制御して、成長チャンバ110を加熱アセンブリ及び温度補償アセンブリ1210によって加熱する。
成長チャンバ110を加熱する前に、不活性ガス(例えば、アルゴンガス)を成長チャンバ110に導入して、成長チャンバ110の内部の空気を排除することができる。次に、加熱アセンブリ及び温度補償アセンブリによって、成長チャンバ110を加熱する。
ステップ1950:結晶成長中、少なくとも一つの結晶成長パラメータ(例えば、原料の量、結晶成長サイズ、結晶成長界面と原料物質との間の高さの差)に基づいて、制御アセンブリを介して、加熱アセンブリ及び/又は温度補償アセンブリ1210の加熱電力を調整して、結晶成長界面と原料160との間の温度場を基本的に安定に保持させる。
いくつかの実施形態において、結晶成長中に、第一温度補償アセンブリ1210-1の加熱電力(例えば、平均加熱電力)を、第一加熱モジュール1230-1の加熱電力(例えば、平均加熱電力)より小さくなることを制御して、第一加熱モジュール1230-1の加熱電力(例えば、平均加熱電力)を第二加熱モジュール1230-2の加熱電力(例えば、平均加熱電力)より小さくなることを制御して、第二加熱モジュール1230-2の第二加熱電力(例えば、平均加熱電力)を第三加熱モジュール1230-3の加熱電力(例えば、平均加熱電力)より小さくなることを制御して、第三加熱モジュール1230-3の加熱電力(例えば、平均加熱電力)を第二温度補償アセンブリ1210-2の加熱電力(例えば、平均加熱電力)に等しいことを制御する。結晶が成長するにつれて、原料160が継続的に消費され、結晶成長界面と原料160との間の温度場は、下方に移動する。結晶成長界面と原料160との間の温度場を基本的に安定に保つために、第一加熱モジュール1230-1の加熱電力、第二加熱モジュール1230-2の加熱電力、及び第三加熱モジュール1230-3の加熱電力を調整する必要がある。温度場の下方への移動速度が結晶成長速度(例えば、0.8~2mm/h)と接近することを維持するようになる。また、結晶が成長するにつれて、温度勾配の安定性を維持するために、第一温度補償アセンブリ1210-1の加熱電力を減少させる必要がある。いくつかの実施形態において、減少した加熱電力は0.1%~0.5%である。結晶成長中に制御アセンブリを介して加熱アセンブリ及び/又は温度補償アセンブリ1210の加熱電力を調整することについてのさらなる説明は、本明細書の他の部分(例えば、図9及びその説明)を参照する。
いくつかの実施形態において、原料が昇華される時、成長チャンバ110の温度を2200~2400℃の範囲に維持して、原料の昇華プロセスの持続時間を40~60時間に維持する。いくつかの実施形態において、結晶成長中に、成長チャンバ110の内部の圧力を5~30Torrに制御する。
プロセス1900に関する上記の説明は、例示及び説明のみを目的としており、本願の適用範囲を限定するものではないことに留意されたい。当業者にとって、本願のガイダンスの下で、プロセス1900に対する様々な修正及び変更を行うことができる。ただし、そのような修正及び変更は、依然として本願の範囲である。上記の製造プロセスは一例に過ぎず、関連するプロセスパラメータは、異なる実施形態で異なってもよい。上記のステップの順序は固有のものではなく、異なる実施形態では、ステップの順序も調整してもよく、さらに一つ又は複数のステップを省略してもよい。上記の例は、本願の保護範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
図20は、さらなる実施形態に示される例示的な結晶成長方法の流れ図である。
また、本実施形態は、結晶の製造装置100で半導体結晶を製造する結晶成長方法を開示する。以下の説明では、炭化ケイ素単結晶の製造を例に挙げて説明する。図20に示すように、結晶成長方法は、以下のステップを含む。
ステップ2010:加熱アセンブリを製造する。
いくつかの実施形態において、図13に示すように、加熱アセンブリは、成長チャンバ110に位置する第二加熱アセンブリ1240である。いくつかの実施形態において、図15に示すように、加熱アセンブリは、成長チャンバ110の外部に位置する第一加熱アセンブリ1220、及び成長チャンバ110の内部に位置する第二加熱アセンブリ1240とを含む。加熱アセンブリの関連する説明については、本明細書の図13~16Bの関連する説明を参照して、詳細はここでは繰り返さない。
いくつかの実施形態において、加熱アセンブリを製造することは、第二加熱アセンブリ1240の加熱ユニットに少なくとも一つのフローチャネル1250を設置することを含む。いくつかの実施形態において、成長される結晶の種類、結晶のサイズ、成長チャンバ110のサイズなどによって、少なくとも一つのフローチャネル1250に関連する情報を決定する。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのフローチャネル1250に関連する情報は、少なくとも一つのフローチャネル1250の開口の密度、少なくとも一つのフローチャネル1250の半径、少なくとも一つのフローチャネル1250の形状、フローチャネル円周の数量、フローチャネル円周の半径、異なるフローチャネルの円周の二つの隣接するフローチャネルの中心間隔などを含むことができるが、これらに限定されない。少なくとも一つのフローチャネル1250の関連する説明については、図13~図15及び関連する説明を参照して、ここでは繰り返さない。
ステップ2020:加熱アセンブリを取り付け、種結晶と原料を成長チャンバに置く。
いくつかの実施形態において、種結晶は、直径が70mm~150mmである4H-SiC又は6H-SiCである。いくつかの実施形態において、種結晶の直径は、80mm~140mmである。いくつかの実施形態において、種結晶の直径は、90mm~130mmである。いくつかの実施形態において、種結晶の直径は、100mm~120mmである。いくつかの実施形態において、種結晶の直径は、105mm~115mmである。いくつかの実施形態において、種結晶の直径は、70mm~150mmである。いくつかの実施形態において、種結晶成長面の方向は、<0001>に4°~8°偏向して、[1120]方向を指す。
いくつかの実施形態において、原料の純度は、99.99%以上であってもよい。いくつかの実施形態において、原料の純度は、99.999%以上であってもよい。いくつかの実施形態において、原料が粉末形態である場合、原料の粒径は、0.1mm~0.5mmである。いくつかの実施形態において、原料の粒径は、0.15mm~0.45mmである。いくつかの実施形態において、原料の粒径は、0.2mm~0.4mmである。いくつかの実施形態において、原料の粒径は、0.25mm~0.35mmである。
種結晶、原料及び成長チャンバのさらなる説明は、本明細書の他の部分(例えば、図19)の説明を参照する。
加熱アセンブリにおける第二加熱アセンブリ1240を取り付けるとき、少なくとも二つの導電性電極を、それぞれ成長チャンバ110の底部に位置する少なくとも二つの電極ポストにそれぞれ通して固定する。いくつかの実施形態において、少なくとも二つの電極ポストに雌ねじが設けられ、少なくとも二つの導電性電極の外側に雄ねじが設けられ、少なくとも二つの電極ポストは、ねじを介して、少なくとも二つの導電性電極を固定する。次に、原料の一部を成長チャンバ110の底部に配置する。第二加熱アセンブリ1240における一つの加熱ユニットの少なくとも二つの第一電極穴を、少なくとも二つの導電性電極に通過させ、且つ加熱ユニットを、加熱ユニットの第二接続部品及び成長チャンバ110の内部の第一接続部品を介して、成長チャンバ110の内部に固定する。その後、原料の一部を加熱ユニットの上表面に置く。それに応じて、第二加熱アセンブリ1240における他の加熱ユニットをそれぞれ取り付け、残りの原料を置く。次に、種結晶が接着された成長チャンバカバー111を成長チャンバ本体112の頂部にかぶせる。次いで、少なくとも二つの導電性電極を銅線に接続し、銅線を電源に接続して、第二加熱アセンブリ1240の取り付け、ならびに原料及び種結晶の配置を完成する。種結晶を成長チャンバカバー111に接着する具体的な内容については、本明細書の他の部分(例えば、図19)の関連する説明を参照して、ここでは繰り返さない。
いくつかの実施形態において、第二加熱アセンブリ1240の少なくとも一つの加熱ユニットの上表面及び/又は下表面に少なくとも一つの導電リング1241をさらに取り付ける。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの導電性リング1241の少なくとも二つの第二電極穴を、少なくとも二つの導電性電極に通過させ、且つ少なくとも一つの導電性リング1241を、導電性リングの第三接続部品及び成長チャンバ110の内部の第四接続部品を介して、成長チャンバ110の内部に固定する。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの導電リング1241を取り付けるとき、第二加熱アセンブリ1240の少なくとも一つの加熱ユニットは、成長チャンバ110と固定的に接続されなくてもよい。第二加熱アセンブリ1240の少なくとも一つの加熱ユニットは、少なくとも一つの導電リング1241に配置されてもよい。
いくつかの実施形態において、少なくとも一つの導電性リング1241と接触していない少なくとも一つの加熱ユニットの上表面及び下表面の部分に、高温に強いカーバイドコーティングを塗布する。従って、結晶成長中に、少なくとも一つの加熱ユニットは、原料の気相成分を汚染するので、成長された結晶の純度が高くなくなり、品質に影響をもたらすことを防止することができる。
いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の底部に位置する原料の充填高さは、成長チャンバ110の底部に敷かれた原料の高さを指す。いくつかの実施形態において、加熱ユニットに位置する原料の充填高さは、加熱ユニットに敷かれた原料の高さを指す。いくつかの実施形態において、原料の総充填高さは、成長チャンバ110の底部に敷かれた原料の高さと、第二加熱アセンブリの加熱ユニットに敷かれた原料の高さの合計を指す。
いくつかの実施形態において、第一加熱アセンブリ1220(例えば、誘導コイル)を、成長チャンバ110の外部に取り付ける(例えば、囲んで配置する)。
成長チャンバの底部に位置する原料の充填高さは、成長チャンバの底蓋の上表面と成長チャンバの底蓋に置かれた原料の上表面との間の距離を指す。成長チャンバの底部に位置する原料の充填高さが高すぎると、原料が十分に加熱されず、且つ原料の昇華によって生成された気相成分が成長チャンバの加熱ユニットのフローチャネルを効果的に通過できなくなるので、原料の利用率が低くなる。成長チャンバの底部に位置する原料の充填高さが低すぎると、原料の充填量が少なくなるので、結晶成長のサイズに影響を与える。従って、成長チャンバの底部に位置する原料の充填高さを、プリセット高さの範囲に制御する必要がある。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の底部に位置する原料の充填高さは、原料の総充填高さの0.1~0.3であってもよい。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の底部に位置する原料の充填高さは、原料の総充填高さの0.12~0.28であってもよい。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の底部に位置する原料の充填高さは、原料の総充填高さの0.14~0.26であってもよい。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の底部に位置する原料の充填高さは、原料の総充填高さの0.16~0.24であってもよい。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の底部に位置する原料の充填高さは、原料の総充填高さの0.18~0.22であってもよい。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の底部に位置する原料の充填高さは、原料の総充填高さの0.19~0.21であってもよい。いくつかの実施形態において、成長チャンバ110の底部に位置する原料の充填高さは、原料の総充填高さの0.2であってもよい。
加熱ユニットの上表面に位置する原料の充填高さは、加熱ユニットの上表面と加熱ユニットの上表面に配置された原料の上表面との間の距離を指す。加熱ユニットの上表面に位置する原料の充填高さが高すぎると、加熱ユニットの上表面に位置する原料の加熱が不均一になり、且つ原料の加熱によって生成される気相成分が、成長チャンバの加熱ユニットのフローチャネルを効果的に通過できなくなるので、原料の利用率が低くなる。加熱ユニットの上表面に位置する原料の充填高さが低すぎると、原料の充填量が少なくなるので、結晶成長のサイズに影響を与える。従って、加熱ユニットの上表面に位置する原料の充填高さを、プリセット高さの範囲に制御する必要がある。いくつかの実施形態において、加熱ユニットに位置する原料の充填高さは、原料の総充填高さの0.2~0.4であってもよい。いくつかの実施形態において、加熱ユニットに位置する原料の充填高さは、原料の総充填高さの0.22~0.38であってもよい。いくつかの実施形態において、加熱ユニットに位置する原料の充填高さは、原料の総充填高さの0.24~0.36であってもよい。いくつかの実施形態において、加熱ユニットに位置する原料の充填高さは、原料の総充填高さの0.26~0.34であってもよい。いくつかの実施形態において、加熱ユニットに位置する原料の充填高さは、原料の総充填高さの0.28~0.32であってもよい。いくつかの実施形態において、加熱ユニットに位置する原料の充填高さは、原料の総充填高さの0.29~0.31であってもよい。いくつかの実施形態において、加熱ユニットに位置する原料の充填高さは、原料の総充填高さの0.3であってもよい。
いくつかの実施形態において、第二加熱アセンブリ1240の最上部の加熱ユニット(成長チャンバカバー111に最も近い加熱ユニット)に原料物質を配置しなくてもよい。いくつかの実施形態において、第二加熱アセンブリ1240の最上部の加熱ユニットに原料を配置してもよい。最上部の加熱ユニットに位置する原料の上表面と種結晶の成長面との距離が近すぎると、原料の一部が種結晶の成長面に分散するので、結晶欠陥が発生する。最上部の加熱ユニットに位置する原料の上表面と種結晶の成長面との距離が遠すぎると、原料の昇華によって生成された気相成分の輸送距離が遠すぎるので、結晶の成長速度に影響を与える。従って、最上部の加熱ユニットの原料の上表面と種結晶成長面との距離をプリセット距離の範囲に制御する必要がある。いくつかの実施形態において、最上部の加熱ユニットに位置する原料の上表面と種結晶成長面との間の距離は、30mm~50mmであってもよい。いくつかの実施形態において、最上部の加熱ユニットに位置する原材料の上表面と種結晶成長面との間の距離は、32mm~48mmであってもよい。いくつかの実施形態において、最上部の加熱ユニットに位置する原料の上表面と種結晶成長面との間の距離は、34mm~46mmであってもよい。いくつかの実施形態において、最上部の加熱ユニットに位置する原料の上表面と種結晶成長面との間の距離は、36mm~44mmであってもよい。いくつかの実施形態において、最上部の加熱ユニットに位置する原材料の上表面と種結晶成長面との間の距離は、38mm~42mmであってもよい。いくつかの実施形態において、最上部の加熱ユニットに位置する原料の上表面と種結晶成長面との間の距離は、39mm~41mmであってもよい。いくつかの実施形態において、最上部の加熱ユニットに位置する原料の上表面と種結晶成長面との間の距離は、40mmであってもよい。
ステップ2030:結晶の製造装置を起動して、結晶を成長させる。
いくつかの実施形態において、結晶の製造装置を起動することは、成長チャンバに対して真空処理を実行すること、加熱アセンブリ(例えば、第二加熱アセンブリ1240、第一加熱アセンブリ1220、及び第二加熱アセンブリ1240)を作動させ、加熱処理を行うこと、圧力を維持するために、成長チャンバに不活性ガスを導入すること、を含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、加熱アセンブリが第二加熱アセンブリ1240(図13に示される結晶の製造装置)である場合、ステップ2030は、以下の操作を含む。成長チャンバ110に対して、真空処理を実行して、成長チャンバ110の内部の圧力を1×10-5Pa~1×10-3Paまで低下させる。次に、少なくとも二つの導電性電極に通電し、第二加熱アセンブリ1240を作動させて加熱を行い、成長チャンバカバー111で検出される温度が900℃~1200℃の範囲になるようになる。成長チャンバ110を真空にし続け、一定の電力で20分~120分間実行する。次いで、成長チャンバ110に不活性ガス(例えば、アルゴン)を大気圧まで導入する。第二加熱アセンブリ1240の加熱電力を、成長チャンバカバー111で検出される温度が1900℃~2100℃の範囲になるまで、さらに増やし、一定の電力で20分間~80分間作動する。再びに、成長チャンバ110を真空にし続け、成長チャンバ110の圧力が5Torr~30Torrの範囲になるまで、2L/min~5L/minの速度で成長チャンバ110に不活性ガス(例えばアルゴン)を導入する。
いくつかの実施形態において、加熱アセンブリが第一加熱アセンブリ1220及び第二加熱アセンブリ1240(図15に示される結晶の製造装置など)である場合、ステップ2030は、以下の操作を含む。成長チャンバ110に対して、真空処理を実行して、成長チャンバ110の内部の圧力を1×10-5Pa~1×10-3Paまで低下させる。次に、第一加熱アセンブリ1220を起動して加熱処理を実行し、成長チャンバカバー111で検出される温度が900℃~1200℃の範囲になるようになる。次に、成長チャンバを真空にし続け、一定の電力で20分~120分間実行する。次いで、成長チャンバ110に不活性ガス(例えば、アルゴン)を大気圧まで導入する。第一加熱アセンブリ1220を採用し続いて加熱処理を実行し、成長チャンバカバー111で検出される温度が1900℃~2100℃の範囲になるようになり、一定の電力で20分~80分間実行する。第一加熱アセンブリ1220を一定の電力で運転し続け、第二加熱アセンブリ1240を起動して加熱処理を実行して、成長チャンバカバー111で検出される温度が2200℃~2400℃の範囲になるようになる。再びに、成長チャンバ110を真空にし続け、成長チャンバ110の圧力が5Torr~30Torrの範囲になるまで、2L/min~5L/minの速度で成長チャンバ110に不活性ガス(例えばアルゴン)を導入する。
ステップ2040:結晶成長中に、温度検知アセンブリによって得られた、結晶が成長する時の成長チャンバの内部の温度に基づいて、加熱アセンブリを制御して、結晶成長する時の成長チャンバの内部の半径方向温度差が、成長チャンバの内部の平均温度の第一プリセット範囲を超えないようになる。
温度感知アセンブリ、制御アセンブリ、温度分布、半径方向温度差、第一プリセット範囲、プリセット半径方向温度差閾値、及びステップ2040の制御プロセスの関連説明については、本明細書の他の部分(例えば、図1、図2、図18)を参照して、ここでは繰り返さない。
ステップ2050:結晶成長中に、温度検知アセンブリによって得られた、結晶が成長する時の成長チャンバの内部の温度に基づいて、加熱アセンブリを制御する。結晶が成長する時の成長チャンバの内部の軸方向温度勾配を安定に維持させるようになる。
温度感知アセンブリ、制御アセンブリ、温度分布、軸方向温度差、及びステップ2050の制御プロセスの関連説明については、本明細書の他の部分(例えば、図1、図2、図18)を参照して、ここでは繰り返さない。
プロセス2000に関する上記の説明は、例示及び説明にすぎず、本願の適用範囲を限定するものではないことに留意されたい。当業者にとって、本願のガイダンスの下で、プロセス2000に対して様々な修正及び変更を行うことができる。ただし、そのような修正及び変更は、依然として本願の範囲である。例えば、ステップ2040及び2050は同時に実行されてもよい。上記の製造プロセスは一例に過ぎず、関連するプロセスパラメータは、異なる実施形態で異なってもよい、上記のステップの順序は固有のものではなく、異なる実施形態では、ステップの順序も調整してもよく、さらに一つ又は複数のステップを省略してもよい。上記の例は、本願の保護範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
本実施形態では、図13に示される結晶の製造装置を用い、純度が99.999%以上である炭化ケイ素粉末を原料として炭化ケイ素結晶を作製する。加熱アセンブリは、少なくとも一つの加熱ユニットを含む第二加熱アセンブリ1240である。本実施形態では、加熱ユニットは、加熱ディスクと呼ばれる。作製プロセスは、以下のステップを含む。S1、内径が100mm~300mmであり、高さと内径との差が80mm未満であり、及び底部の厚さが40~100mmであるグラファイトるつぼを、成長チャンバ110とする。
厚さが5mm~10mmであり、直径が50mm~300mmである加熱ディスクを選択する。各加熱ディスクに複数のフローチャネルが開けられ、フローチャネルの半径が0.2mm~1mmである。複数のフローチャネルは、加熱ディスクの中心を円心として、10~30個のフローチャネルの円周に配置される。同じフローチャネルの円周の隣接するフローチャネルの中心の間の間隔は、1mm~5mmである。隣接する二つのフローチャネルの円周の半径をそれぞれRn、Rn-1とすると、Rn-Rn-1=(R2-R1)exp(-(n-1)×0.015)である。ここで、nは、 2以上の整数であり、R1は、1mm~20mmであり、R2-R1=1mm~10mmである。n番目のフローチャネルの円周と(n-1)番目のフローチャネルの円周との半径差は、Rn-Rn-1=1mm~5mmとして表示される。
各加熱ディスクには、それぞれ一つの第一電極穴Aと少なくとも二つの第一電極穴B(例えば、三つの第一電極穴B)が穿孔される。第一電極穴Aは、加熱ディスクの中心に位置し、少なくとも二つの第一電極穴Bは、第一電極穴Aを円心として加熱ディスクの縁部領域に円周に沿って配置される。製造された加熱ディスクが図16A に示される。第一電極穴Aの直径は10mm~20mmであり、第一電極穴Bの直径は2mm~10mmである。
厚さが5mm~15mmであり、外径が100mm~300mmであり、内径が110mm~280mmである導電リングを選択する。図17に示すように、導電リングに第二電極穴を開ける。導電リングの第二電極穴の直径は、加熱ディスクの第一電極穴Bの直径に適合される。
S2、第一導電性電極1242をるつぼの底部の第一電極ポスト1244に通して固定し、第二導電性電極1243をるつぼの底部の第二電極ポスト1245に通して固定する。同様に、第三導電電極と第四導電電極(図示せず)を、るつぼの底部の第三電極ポストと第四電極ポスト(図示せず)にそれぞれ通して固定する。
黒鉛のるつぼの底部に第一層原料を敷設して、第一層原料の充填高さは2mm~10mmである。
S3、導電リングを第二導電性電極、第三導電性電極、及び第四導電性電極にスリーブし、導電性リングを炭化ケイ素粉末の上方に固定する。加熱ディスクを、第一導電性電極1242、第二導電性電極1243、第三導電性電極及び第四導電性電極を通過し、導電リングに配置する。もう一つの導電リングを加熱ディスクの上方に固定して、加熱ディスクが固定され、第一導電電極1242、第二導電電極1243、第三導電電極、及び第四導電電極と良好に接触する。加熱ディスクの上表面に第二層原料を敷設して、第二層原料の充填高さは5mm~20mmである。
S4、ステップS3を繰り返す。第三層原料、第四層原料、第五層原料の充填高さは、それぞれ10mm~30mm、10mm~30mm、3mm~25mmであり、第五層原料の上表面と種結晶成長面との距離は、20mm~40mmである。
S5、直径が100mm~200mmであり、厚さが0.4mm~2mmである6H-SiCの種結晶をルツボカバーに接着して固定する。種結晶成長面の方向は[0001]に1°~10°偏向し、[11-20]方向を指す。種結晶が接着されたルツボカバーをるつぼ本体に密閉して取り付け、るつぼを温度場に置く。
S6、各導電性電極の水冷銅線を接続すると同時に、銅線を温度場の外部に引き出し、DC電源に接続する。第一導電性電極1242を、銅線を介して電源の正電極に接続し、第二導電性電極1243、第三導電性電極及び第四導電性電極を、銅線を介して電源の負電極に接続する。
S7、成長チャンバ110を密閉し、成長チャンバ110を真空処理して成長チャンバ110の内部の圧力を1×10-5Pa~1×10-3Paまで減圧する。次に、加熱ディスクの電源を起動し、温度感知アセンブリによって測定されるルツボカバーの温度が900℃~1400℃に達するまで、加熱ディスクに昇温させる。成長チャンバ110を真空処理し続け、一定の電力で20分~200分間運転する。次に、成長チャンバ110にアルゴンを大気圧に達するまで供給する。
S8、温度感知アセンブリによって測定されるルツボカバーの温度が2000℃~2300℃に達するまで加熱し続ける。制御アセンブリは、加熱ディスクの加熱電力を調整し、温度感知アセンブリによって測定されるルツボカバーの温度が2000℃~2300℃に維持し、安定して作動させる。再び成長チャンバ110を真空処理して、2L/min~5L/minの速度で成長チャンバ110にアルゴンガスを導入し、成長チャンバ110の圧力を5Torr~30Torrに維持させる。
S9、結晶が成長し始め、成長時間は40時間~60時間である。成長チャンバ110を30~60時間徐冷した後、炭化珪素結晶と坩堝を取り出す。
得られた炭化珪素結晶は、成長面の直径が154mmであり、成長面の突起の高さが7.1mmである。得られた炭化珪素結晶を切断し、種結晶面から成長方向に沿って3mmのウェーハを取る。ウェーハを研削、研磨し、光学顕微鏡で観察したところ、炭素含有粒子の密度は4.9個/cm2である。
図21は、いくつかの実施形態に示される例示的な成長-された結晶の概略図である。図21に示すように、結晶成長面をc面、基板面をd面に表示される。成長面の突起の高さは、成長面の最高点と基板表面との間の距離Hを表す。
本実施形態では、図15に示す結晶の製造装置を使用して、純度が99.999%を超える炭化ケイ素粉末を原料として、炭化ケイ素結晶を製造する。加熱アセンブリは、第一加熱アセンブリ1220及び第二加熱アセンブリ1240を含む。第一加熱アセンブリ1220は、誘導コイルを採用し、成長チャンバ110の外周に囲んで配置される。第二加熱アセンブリ1240は、成長チャンバ110の内部に配置され、少なくとも一つの加熱ユニットを含む。本実施形態では、加熱ユニットは、加熱ディスクと呼ばれる。製造プロセスは、以下のステップを含む。S1、内径が100~300mmであり、高さと内径との差が内径の50%を超えず、底部の厚さが内径の40%を超えないグラファイトのるつぼを選択する。
厚さが4mm~12mmであり、直径が50mm~300mmである加熱ディスクを選択する。各加熱ディスクに複数のフローチャネルが開けられ、フローチャネルの半径が0.2mm~1mmである。複数のフローチャネルは、加熱ディスクの中心を円心として、18~30個のフローチャネルの円周に配置される。同じフローチャネルの円周の隣接するフローチャネルの中心の間の間隔は、1mm~2mmである。隣接する二つのフローチャネルの円周の半径をそれぞれRn、Rn-1とすると、Rn-Rn-1=(R2-R1)exp((n-1)×0.02+0.009)である。ここで、nは、2以上の整数であり、R1は、5mm~20mmであり、R2-R1=1mm~4mmである。n番目のフローチャネルの円周と(n-1)番目のフローチャネルの円周との半径差は、R25-R24=2mm~6mmとして表示される。
各加熱ディスクには、それぞれ一つの第一電極穴Aと少なくとも二つの第一電極穴B(例えば、三つの第一電極穴B)が穿孔される。第一電極穴Aは、加熱ディスクの中心に位置し、三つの第一電極穴Bは、第一電極穴Aを円心として加熱ディスクの縁部領域に円周に沿って配置される。製造された加熱ディスクが図16Aに示される。第一電極穴Aの直径は10mm~20mmであり、第一電極穴Bの直径は4mm~15mmである。
厚さが2mm~20mmであり、外径が100mm~300mmであり、内径が120mm~280mmである導電リングを選択する。図17に示すように、導電リングに第二電極穴を開ける。導電リングの第二電極穴の直径は、加熱ディスクの第一電極穴Bの直径に適合される。
S2、第一導電性電極1242をるつぼの底部の第一電極ポスト1244に通して固定し、第二導電性電極1243をるつぼの底部の第二電極ポスト1245に通して固定する。同様に、第三導電電極と第四導電電極(図示せず)を、るつぼの底部の第三電極ポストと第四電極ポスト(図示せず)にそれぞれ通して固定する。
黒鉛のるつぼの底部に第一層原料を敷設して、第一層原料の充填高さは10mm~20mmである。
S3、導電リングを第二導電性電極、第三導電性電極、及び第四導電性電極にスリーブし、導電性リングを炭化ケイ素粉末の上方に固定する。加熱ディスクを、第一導電性電極1242、第二導電性電極1243、第三導電性電極及び第四導電性電極を通過し、導電リングに配置する。もう一つの導電リングを加熱ディスクの上方に固定して、加熱ディスクが固定され、第一導電電極1242、第二導電電極1243、第三導電電極、及び第四導電電極と良好に接触する。加熱ディスクの上表面に第二層原料を敷設して、第二層原料の充填高さは20mm~30mmである。
S4、ステップS3を繰り返す。第三層原料、第四層原料の充填高さは、それぞれ20mm~30mm、10mm~20mmであり、第四層原料の上表面と種結晶成長面との距離は、30mm~60mmである。
S5、直径が100mm~200mmであり、厚さが0.5mm~2mmである4H-SiCの種結晶をルツボカバーに接着して固定する。種結晶成長面の方向は[000-1]に2°~8°偏向し、[11-20]方向を指す。種結晶が接着されたルツボカバーをるつぼ本体に密閉して取り付け、るつぼを温度場に置く。
S6、各導電性電極の水冷銅線を接続すると同時に、銅線を温度場の外部に引き出し、DC電源に接続する。第一導電性電極1242を、銅線を介して電源の正電極に接続し、第二導電性電極1243、第三導電性電極及び第四導電性電極を、銅線を介して電源の負電極に接続する。
S7、成長チャンバ110を密閉し、成長チャンバ110を真空処理して成長チャンバ110の内部の圧力を1×10-5Pa~1×10-3Paまで減圧する。次に、誘導コイルの電源を起動し、温度感知アセンブリによって測定されるルツボカバーの温度が1000℃~1500℃に達するまで、誘導コイルに加熱させる。成長チャンバ110を真空処理し続け、一定の電力で20分~120分間運転する。次に、成長チャンバ110にアルゴンを大気圧に達するまで供給する。
S8、誘導コイルを採用して、温度感知アセンブリによって測定されるルツボカバーの温度が1800℃~2000℃に達するまで加熱し続ける。制御アセンブリは、誘導コイルを制御して、一定の電力で20分~80分間動作し続ける。
同時に、制御アセンブリは、第二加熱アセンブリ1240を制御して、温度感知アセンブリによって測定されるルツボカバーの温度が2200℃~2300℃に達するまで加熱する。再びに成長チャンバ110を真空処理して、2L/min~5L/minの速度で成長チャンバ110にアルゴンガスを導入し、成長チャンバ110の圧力を5Torr~30Torrに維持させる。
S9、結晶が成長し始め、成長時間は40時間~60時間である。成長チャンバ110を40~60時間徐冷した後、炭化珪素結晶と坩堝を取り出す。
得られた炭化珪素結晶は、成長面の直径が154mmであり、成長面の突起の高さが7.5mmである。得られた炭化珪素結晶を切断し、種結晶面から成長方向に沿って3mmのウェーハを取る。ウェーハを研削、研磨し、光学顕微鏡で観察したところ、炭素含有粒子の密度は4.1個/cm2である。
上記実施形態1~3は、第二加熱アセンブリで単独で加熱し、及び第一加熱アセンブリと第二加熱アセンブリを合わせて加熱する場合、半径方向温度を補償することができる。いくつかの実施形態において、半径方向温度差及び/又は半径方向温度勾配を低減することができる。第二加熱アセンブリにおける加熱ユニットのフローチャネルは、原料の黒鉛化炭素粒子の上向きの移動を防止することができるので、結晶の炭素カプセル化マイクロパイプなどの欠陥を低減し、結晶品質を高める。同時に、第二加熱アセンブリで加熱する場合、原料を第二加熱アセンブリの異なる高さの加熱ユニットに置き、原料をそれぞれ加熱して、原料がより均一で十分に加熱されるので、原料の利用率を高めるだけでなく、原料の炭化を減らし、結晶の品質をさらに高める。いくつかの実施形態において、得られた結晶成長表面は、平らであり、突起の程度が低い(例えば、成長表面の直径が100mm~200mmである結晶の場合、成長表面の突起の高さが5mm~7.5mmである)。結晶の炭素含有粒子の密度が低い(例えば、炭素含有粒子の密度は3個/cm2~5個/cm2である)。
図22は、いくつかの実施形態に示される例示的な種結晶の製造方法の流れ図である。
図23は、いくつかの実施形態に示される例示的な種結晶の製造プロセスの概略図である。
ステップ2210では、拡径しようとする複数の六方晶種結晶のそれぞれに対して第一切断を行い、切断面が同じ結晶面族である複数の正六角形の六方晶種結晶を得る。
六方晶種結晶は、高次軸を有する主軸方向に6回軸又は6回反軸の特性対称要素を有する種結晶を指す。いくつかの実施形態において、拡径しようとする六方晶種結晶は、拡径処理を計画的に行う六方晶種結晶を指す。図23に示すように、拡径しようとする六方晶種結晶は、2310に表示される。いくつかの実施形態において、拡径しようとする六方晶種結晶の直径は、8インチ未満である。いくつかの実施形態において、拡径しようとする六方晶種結晶の厚さは、100μm~500μmである。いくつかの実施形態において、拡径しようとする六方晶種結晶は、物理気相輸送(Physical Vapor Transport,PVT)、化学気相堆積(Chemical Vapor Deposition、CVD)、又は引き上げ法に基づいて製造される。いくつかの実施形態において、六方晶種結晶は、4H-SiC又は6H-SiCであってもよい。
いくつかの実施形態において、第一切断は、設定された切断方向に沿って、拡径しようとする六方晶種結晶を、所定の第一サイズ(例えば、4インチ又は6インチ)及び所定の第一形状(例えば、正六角形)を有する種結晶に切断することを指す。いくつかの実施形態において、設定された切断方向は、種結晶の(0001)面に垂直な方向であってもよい。いくつかの実施形態において、切断面は、種結晶が第一切断された後、形成される新しい表面を指す。いくつかの実施形態において、結晶面族は、結晶の原子、イオン又は分子の配置が同じであるすべての結晶面を指す。いくつかの実施形態において、拡径しようとする六方晶種結晶を、(0001)面に垂直してそれぞれ切断して、切断面が同じ結晶面族である複数の正六角形の六方晶種結晶を得る。いくつかの実施形態において、結晶面族は、{1120}又は{1100}である。図23に示すように、第一切断した後、結晶面族が{1100}である正六角形の六方晶種結晶2321及び/又は結晶面族が{11-20}である正六角形の六方晶種結晶2322を得る。
いくつかの実施形態において、拡径しようとする複数の六方晶種結晶のそれぞれに対して第一切断を行う前に、拡径しようとする複数の六方晶種結晶のそれぞれに対して研磨処理(例えば、両面研磨)を行ってもよい。研磨処理によって、拡径しようとする複数の六方晶種結晶の表面の傷を除去し、表面を平坦にならせるので、その後の加工を助長する。いくつかの実施形態において、拡径しようとする六方晶種結晶の(0001)面を研磨した後、(0001)面を研磨する。いくつかの実施形態において、研磨された拡径しようとする六方晶種結晶の厚さは、100μm~500μmである。いくつかの実施形態において、研磨された拡径しようとする六方晶種結晶の厚さは、150μm~450μmである。いくつかの実施形態において、研磨された拡径しようとする六方晶種結晶の厚さは、200μm~400μmである。いくつかの実施形態において、研磨された拡径しようとする六方晶種結晶の厚さは、250μm~350μmの範囲である。いくつかの実施形態において、研磨された拡径しようとする六方晶種結晶の厚さは、280μm~320μmである。
ステップ2220では、複数の正六角形の六方晶種結晶を接合する。
密着接合とは、複数の正六角形の六方晶種結晶の切断面を接合し、各切断面を最大限に接合させて、接合された複数の正六角形の六方晶種結晶の接合隙間をできるだけ小さくならせることを指す。いくつかの実施形態において、複数の正六角形の六方晶種結晶を接合することは、一つの正六角形の六方晶種結晶を中心として、中心とする正六角形の六方晶種結晶の六つの辺が六つの異なる正六角形の六方晶種結晶の一つの辺と緊密にそれぞれ接合することを含む。いくつかの実施形態において、七つの正六角形の六方晶種結晶を緊密に接合することは、一つの正六角形の六方晶種結晶を中心として、中心とする正六角形の六方晶種結晶の外周に、六つの正六角形の六方晶種結晶を緊密に接合することを含む。いくつかの実施形態において、緊密に接合する複数の正六角形の六方晶種結晶は、すべて(0001)面又は(0001)面が上向きであってもよい。図23に示すように、緊密に接合された複数の正六角形の六方晶種結晶は、2330に表示される。
ステップ2230では、接合された複数の正六角形の六方晶種結晶に対して第二切断を行って、成長される六方晶種結晶を得る。
いくつかの実施形態において、第二切断は、緊密に接合された複数の正六角形の六方晶種結晶を研削処理して、研削処理された緊密に接合された複数の正六角形の六方晶種結晶を、設定された第二サイズ(例えば、8インチ又は10インチ)及び設定された第二形状(例えば、円形)を有させることを含む。いくつかの実施形態において、密接に接合された複数の正六角形の六方晶種結晶を、8インチ以上の接合円形の種結晶に切断する。いくつかの実施形態において、設定された第二サイズが設定された第一サイズより大きい。いくつかの実施形態において、研削処理は、軸外研削処理を含んでもよい。いくつかの実施形態において、結晶成長中にステップフロー成長が実行されるように、結晶品質をさらに向上させるために、軸外研削の方向は、[0001]に3°~6°偏向し、[1120]方向を指す。
いくつかの実施形態において、密接に接合された複数の正六角形の六方晶種結晶に対して行う第二切断は、中心の正六角形の六方晶種結晶の中心点を円心とし、プリセット半径を半径として、円形の切断を行うことを含む。いくつかの実施形態において、設定された半径は、目標六方晶種結晶の半径によって決定する。いくつかの実施形態において、100mm~130mmを半径として、緊密に接合された複数の正六角形の六方晶種結晶の表面に円形のトラックを描き、その後、円形のトラックで研削を行って、成長される六方晶種結晶を得る。図23に示すように、第二切断を行った後、得られた成長される六方晶種結晶は、2340に表示される。
結晶成長中に、半径方向温度勾配が存在するので、種結晶の成長面に大きな熱応力が発生し、種結晶の成長面が原料の方向に大きく膨らみ、且つマイクロパイプや介在物などの欠陥が発生する。半径方向温度勾配により、接合隙間が成長中により多くの欠陥を生成するのを防ぐために、中心とする正六角形の六方晶種結晶の表面積は、他の位置に位置する正六角形の六方晶種結晶の表面積より大きくする。いくつかの実施形態において、中心とする正六角形の六方晶種結晶の表面積の割合が大きいほど、接合隙間の欠陥が少なくなる。いくつかの実施形態において、中心とする正六角形の六方晶種結晶の表面積は、目標六方晶種結晶の表面積又は成長される六方晶種結晶の表面積の25%~55%である。いくつかの実施形態において、中心とする正六角形の六方晶種結晶の表面積は、目標六方晶種結晶の表面積又は成長される六方晶種結晶の表面積の28%~52%である。いくつかの実施形態において、中心とする正六角形の六方晶種結晶の表面積は、目標六方晶種結晶の表面積又は成長される六方晶種結晶の表面積の30%~50%である。いくつかの実施形態において、中心とする正六角形の六方晶種結晶の表面積は、目標六方晶種結晶の表面積又は成長される六方晶種結晶の表面積の32%~48%である。いくつかの実施形態において、中心とする正六角形の六方晶種結晶の表面積は、目標六方晶種結晶の表面積又は成長される六方晶種結晶の表面積の35%~45%である。いくつかの実施形態において、中心とする正六角形の六方晶種結晶の表面積は、目標六方晶種結晶の表面積又は成長される六方晶種結晶の表面積の38%~42%である。いくつかの実施形態において、中心とする正六角形の六方晶種結晶の表面積は、目標六方晶種結晶の表面積又は成長される六方晶種結晶の表面積の40%である。
いくつかの実施形態において、成長される六方晶種結晶は、複数の正六角形の六方晶種結晶から緊密に接合され、目標六方晶種結晶の形状及び直径と等しく、又は約等しい接合種結晶を指す。いくつかの実施形態において、目標六方晶種結晶は、形状が円形であり、直径が8インチである。成長される六方晶種結晶は、七つの正六角形の六方晶種結晶から緊密に接合される8インチの接合円形種結晶である。
ステップ2240では、第一設定条件の下で、成長される六方晶種結晶に対して隙間成長を行って、六方晶種結晶の中間体を得る。
いくつかの実施形態において、隙間成長は、成長される六方晶種結晶の接合隙間2341を成長させ、それにより、緊密に接合された成長される六方晶種結晶に、隙間がない又は隙間が埋められる全体に成長させることを指す。いくつかの実施形態において、{1120}又は{1100}結晶面族の成長を促進し、(0001)又は(000 1)結晶面の成長を抑制するために、隙間成長を第一設定条件の下で行う必要がある。成長される六方晶種結晶の接合隙間の成長を実現することができる。いくつかの実施形態において、第一設定条件は、成長する六方晶種結晶が隙間成長を行う条件を指す。いくつかの実施形態において、第一設定条件は、第一設定温度、第一設定圧力、第一設定の炭素とシリコンの比例、設定隙間成長時間などを含むことができるが、これらに限定されない。
第一設定条件における各成長条件は、相互に限定的であり、成長条件の一つ又はいくつかによって、他の成長条件を制御することができる。いくつかの実施形態において、異なる第一設定温度及び第一設定の炭素とシリコンとの比例の下で、{1120}又は{1100}結晶面族の成長速度は、異なる。いくつかの実施形態において、第一設定温度が1600℃~1700℃の範囲にある場合、第一設定の炭素とシリコンとの比例を1.1~1.6の範囲を制御すると、{1120}又は{1100}結晶面族の成長速度が速くなり、隙間の成長を助長する。
隙間成長温度が高すぎると、隙間成長速度が遅くなると同時に、成長される六方晶種結晶がエピタキシャル成長して薄膜の一部を形成するので、六方晶種結晶の中間体及び目標六方晶種結晶の内部欠陥が増える。従って、成長された結晶は、品質がよくない。隙間成長温度が低すぎると、隙間成長に必要なソースガスが十分に反応できず、隙間成長速度が遅くなり、隙間が埋められないので、六方晶種結晶の中間体の品質が低下する。従って、第一設定温度を設定温度範囲に制御する必要がある。いくつかの実施形態において、第一設定温度は、1000℃~2000℃であってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定温度は、1050℃~1950℃であってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定温度は、1100℃~1900℃であってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定温度は、1150℃~1850℃であってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定温度は、1200℃~1800℃であってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定温度は、1300℃~1750℃であってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定温度は、1400℃~1700℃であってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定温度は、1420℃~1680℃であってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定温度は、1440℃~1660℃であってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定温度は、1460℃~1640℃であってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定温度は、1480℃~1620℃であってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定温度は、1500℃~1600℃であってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定温度は、1520℃~1580℃であってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定温度は、1540℃~1560℃であってもよい。
第一設定圧力が大きすぎると、隙間成長に必要なソースガスの平均自由行程が減少し、接合隙間が埋められることができず、いくつかの隙間さえも残り、結果として六方晶種結晶の中間体の品質が低下する。第一設定圧力が小さすぎると、隙間成長速度が遅くなり、成長される六方晶種結晶の表面が部分的にエッチングされるので、さらに六方晶種結晶の中間体の欠陥を増やし--、六方晶種結晶の中間体の品質を減らす。従って、第一設定圧力を設定圧力範囲に制御する必要がある。いくつかの実施形態において、第一設定圧力は、10Pa~1000Paであってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定圧力は、15Pa~800Paであってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定圧力は、20Pa~600Paであってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定圧力は、25Pa~400Paであってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定圧力は、30Pa~200Paであってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定圧力は、40Pa~170Paであってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定圧力は、50Pa~150Paであってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定圧力は、60Pa~120Paであってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定圧力は、70Pa~100Paであってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定圧力は、80Pa~90Paであってもよい。
いくつかの実施形態において、第一設定の炭素とシリコンとの比例は、流量が設定される第一設定ソースガスによって決定する。いくつかの実施形態において、第一設定ソースガスは、隙間成長に必要な成分を含む。いくつかの実施形態において、第一設定ソースガスは、シラン及び炭素源(例えば、アルカン)を含むことができるが、これらに限定されない。
第一設定の炭素とシリコンとの比例が高すぎるか低すぎると、ソースガスが十分に反応することができない。従って、第一設定の炭素とシリコンとの比例をプリセット範囲に制御する必要がある。いくつかの実施形態において、第一設定の炭素とシリコンとの比例は、1.0~10.0であってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定の炭素とシリコンとの比例は、1.0~9.0であってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定の炭素とシリコンとの比例は、1.0~8.0であってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定の炭素とシリコンとの比例は、1.0~7.0であってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定の炭素とシリコンとの比例は、1.0~6.0であってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定の炭素とシリコンとの比例は、1.0~5.0であってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定の炭素とシリコンとの比例は、1.0~4.0のであってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定の炭素とシリコンとの比例は、1.0~3.0であってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定の炭素とシリコンとの比例は、1.2~2.8であってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定の炭素とシリコンとの比例は、1.4~2.6であってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定の炭素とシリコンとの比例は、1.6~2.4であってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定の炭素とシリコンとの比例は、1.8~2.2であってもよい。いくつかの実施形態において、第一設定の炭素とシリコンとの比例は、1.9~2.0であってもよい。
いくつかの実施形態において、第一設定ソースガスは、SiH4、C3H8、又はH2などを含むことができるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、SiH4の設定流量は、50~300mL/minであってもよい。いくつかの実施形態において、SiH4の設定流量は、60~280mL/minであってもよい。いくつかの実施形態において、SiH4の設定流量は、70~260mL/minであってもよい。いくつかの実施形態において、SiH4の設定流量は、80~240mL/minであってもよい。いくつかの実施形態において、SiH4の設定流量は、90~220mL/minであってもよい。いくつかの実施形態において、SiH4の設定流量は、100~200mL/minであってもよい。いくつかの実施形態において、SiH4の設定流量は、110~190mL/minであってもよい。いくつかの実施形態において、SiH4の設定流量は、120~180mL/minであってもよい。いくつかの実施形態において、SiH4の設定流量は、130~170mL/minであってもよい。いくつかの実施形態において、SiH4の設定流量は、140~160mL/minであってもよい。いくつかの実施形態において、SiH4の設定流量は、150mL/minであってもよい。
いくつかの実施形態において、C3H8の設定流量は、10~200mL/minであってもよい。いくつかの実施形態において、C3H8の設定流量は、20~180mL/minであってもよい。いくつかの実施形態において、C3H8の設定流量は、30~160mL/minであってもよい。いくつかの実施形態において、C3H8の設定流量は、40~140mL/minであってもよい。いくつかの実施形態において、C3H8の設定流量は、50~120mL/minであってもよい。いくつかの実施形態において、C3H8の設定流量は、60~100mL/minであってもよい。いくつかの実施形態において、C3H8の設定流量は、70~90mL/minであってもよい。いくつかの実施形態において、C3H8の設定流量は、75~85mL/minであってもよい。
いくつかの実施形態において、H2の設定流量は、10~200mL/minであってもよい。いくつかの実施形態において、H2の設定流量は、20~180mL/minであってもよい。いくつかの実施形態において、H2の設定流量は、30~160mL/minであってもよい。いくつかの実施形態において、H2の設定流量は、40~140mL/minであってもよい。いくつかの実施形態において、H2の設定流量は、50~120mL/minであってもよい。いくつかの実施形態において、H2の設定流量は、60~100mL/minであってもよい。いくつかの実施形態において、H2の設定流量は、70~90mL/minであってもよい。いくつかの実施形態において、H2の設定流量は、75~85mL/minであってもよい。
いくつかの実施形態において、成長される六方晶種結晶の隙間サイズ(例えば、隙間の深さ)及び隙間成長速度によって、隙間成長時間を決定する。隙間成長時間が長すぎると、成長される六方晶種結晶がエピタキシャル成長して、薄膜の一部を形成するので、六方晶種結晶の中間体及び目標六方晶種結晶の内部欠陥が増える。従って、成長された結晶は、品質がよくない。隙間成長時間が短すぎると、接合隙間が埋められることができず、ひいてはいくつかの隙間が残るので、六方晶種結晶の中間体の品質がさらに低下する。従って、隙間成長時間を、プリセット時間範囲に制御する必要がある。いくつかの実施形態において、設定された隙間成長時間は、3時間~7時間であってもよい。いくつかの実施形態において、設定された隙間成長時間は、3.5時間~6.5時間であってもよい。いくつかの実施形態において、設定された隙間成長時間は、4時間~6時間であってもよい。いくつかの実施形態において、設定された隙間成長時間は、4.5h~5.5hであってもよい。いくつかの実施形態において、設定された隙間成長時間は、5時間であってもよい。
いくつかの実施形態において、化学気相堆積法(Chemical Vapor Deposition、CVD)を利用して、隙間成長を行う。それに応じて、隙間成長は、化学気相堆積(Chemical Vapor Deposition、CVD)装置で行う。
六方晶種結晶の中間体は、成長される六方晶種結晶の接合隙間が成長された後の種結晶を指す。
ステップ2250では、第二設定条件の下で、六方晶種結晶の中間体をエピタキシャル成長させて、目標六方晶種結晶を得る。
いくつかの実施形態において、エピタキシャル成長は、六方晶種の中間体を(0001)又は(000-1)結晶面に垂直な方向に成長させ、六方晶種の中間体に設定された厚さを有する目標六方晶種結晶に成長させることを指す。いくつかの実施形態において、設定された厚さは、400μm~700μmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、設定された厚さは、450μm~650μmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、設定された厚さは、500μm~600μmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、設定された厚さは、540μm~560μmの範囲にあってもよい。
いくつかの実施形態において、エピタキシャル成長は、(0001)又は(0001)結晶面の成長を促進し、{1120}又は{1100}結晶面を抑制するために、第二設定条件の下で実行する必要がある。いくつかの実施形態において、第二設定条件は、六方晶種結晶の中間体がエピタキシャル成長する条件を指す。いくつかの実施形態において、第二設定条件は、第二設定温度、第二設定圧力、第二設定の炭素とシリコンとの比例、設定されたエピタキシャル成長の時間などを含むことができるが、これらに限定されない。
エピタキシャル成長温度が高すぎると、エピタキシャル成長速度が遅くなると同時に、六方晶種結晶の中間体の外表面が部分的にエッチングされ、目標六方晶種結晶は欠陥が多くなり、成長された結晶の品質がよくない。エピタキシャル成長温度が低すぎると、エピタキシャル成長に必要なソースガスが十分に反応できず、エピタキシャル成長速度が遅くなり、目標六方晶種結晶の品質が低下する。従って、第二設定温度を、設定温度範囲に制御する必要がある。いくつかの実施形態において、第二設定温度は、1100℃~2000℃であってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定温度は、1200℃~1900℃であってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定温度は、1300℃~1800℃であってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定温度は、1400℃~1700℃であってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定温度は、1420℃~1680℃であってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定温度は、1440℃~1660℃であってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定温度は、1460℃~1640℃であってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定温度は、1480℃~1620℃であってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定温度は、1500℃~1600℃であってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定温度は、1520℃~1580℃であってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定温度は、1540℃~1560℃であってもよい。
第二設定圧力が大きすぎると、エピタキシャル成長に必要なソースガスの平均自由行程が減少し、エピタキシャル成長速度が遅くなる。第二設定圧力が小さすぎると、六方晶種結晶の中間体の外表面が部分的にエッチングされるので、目標六方晶種結晶の欠陥が多くなる。従って、第二設定圧力を設定圧力範囲に制御する必要がある。いくつかの実施形態において、第二設定圧力は、10Pa~1000Paであってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定圧力は、15Pa~800Paであってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定圧力は、20Pa~600Paであってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定圧力は、25Pa~400Paであってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定圧力は、30Pa~200Paであってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定圧力は、40Pa~170Paであってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定圧力は、50Pa~150Paであってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定圧力は、60Pa~120Paであってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定圧力は、70Pa~100Paであってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定圧力は、80Pa~90Paであってもよい。
いくつかの実施形態において、第二設定の炭素とシリコンとの比例は、流量が設定される第二設定のソースガスによって決定する。いくつかの実施形態において、第二設定ソースガスは、エピタキシャル成長に必要な成分を含む。いくつかの実施形態において、第二設定ソースガスは、シラン及び炭素源(例えば、アルカン)を含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、第二設定ソースガスと第一設定ソースガスの組成は、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、第一設定ソースガスは、SiH4、C3H8、又はH2などを含むことができるが、これらに限定されない。
第二設定の炭素とシリコンとの比例が高すぎるか低すぎると、ソースガスが十分に反応して、エピタキシャル成長を行うことができない。従って、第二設定の炭素とシリコンとの比例をプリセット範囲に制御する必要がある。
いくつかの実施形態において、第二設定の炭素とシリコンとの比例は、0.1~2であってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定の炭素とシリコンとの比例は、0.3~1.7であってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定の炭素とシリコンとの比例は、0.5~1.5であってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定の炭素とシリコンとの比例は、0.8~1.2であってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定の炭素とシリコンとの比例は、0.9~1.1であってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定の炭素とシリコンとの比例は、0.92~1.08であってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定の炭素とシリコンとの比例は、0.95~1.05であってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定の炭素とシリコンとの比例は、0.96~1.04であってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定の炭素とシリコンとの比例は、0.97~1.03であってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定の炭素とシリコンとの比例は、0.98~1.02であってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定の炭素とシリコンとの比例は、0.99~1.01であってもよい。いくつかの実施形態において、第二設定の炭素とシリコンとの比例は、1であってもよい。
設定されるエピタキシャル成長時間は、目標六方晶種結晶の設置される厚さにによって決定する。いくつかの実施形態において、エピタキシャル成長は、化学気相堆積(Chemical Vapor Deposition、CVD)装置で行う。
いくつかの実施形態において、目標六方晶種結晶は、拡径しようとする六方晶種結晶に対して、拡径処理が実行された後の種結晶を指す。いくつかの実施形態において、目標六方晶種結晶の直径は、拡径しようとする六方晶種結晶の直径の2倍以上である。いくつかの実施形態において、目標六方晶種結晶の直径は、拡径しようとする六方晶種結晶の直径の2.5倍以上である。いくつかの実施形態において、目標六方晶種結晶の直径は、拡径しようとする六方晶種結晶の直径の3倍以上である。いくつかの実施形態において、目標六方晶種結晶の直径は、8インチ以上である。いくつかの実施形態において、目標六方晶種結晶の直径は、8インチ、9インチ、10インチなどである。いくつかの実施形態において、目標六方晶種結晶を拡径しようとする六方晶種結晶として、プロセス2200の操作を繰り返して、より大きな直径を有する六方晶種結晶を成長させる。
いくつかの実施形態において、エピタキシャル成長は、種結晶に設定されたサイズ及び種結晶と同じ結晶方位を有する結晶層を成長させることを含む。種結晶にはさまざまな欠陥を有し、これらの欠陥が通常エピタキシャル成長中に継承されるので、これらの欠陥を除去するために、種結晶をインサイチュエッチングする必要がある。いくつかの実施形態において、隙間成長が行われる前に、成長される六方晶種結晶の表面の平坦性を改善するために、第三設定条件の下で、成長される六方晶種結晶をインサイチュエッチングしてもよい。いくつかの実施形態において、インサイチュエッチングは、化学気相堆積(Chemical Vapor Deposition、CVD)装置で行う。
いくつかの実施形態において、インサイチュエッチングを行う前に、CVD装置の前処理を行うする必要がある。前処理は、真空処理及び熱処理を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、真空処理は、CVD装置の内部の空気の大部分を除去するために、CVD装置の圧力を10-5Paまで下げることを指す。いくつかの実施形態において、熱処理は、CVD装置を400℃~800℃に加熱することを含む。いくつかの実施形態において、熱処理は、CVD装置を400℃~800℃の範囲で約1時間保温することをさらに含む。
いくつかの実施形態において、第三設定条件は、流量が設定された設定ガスを導入すること、第三設定温度、第三設定圧力、及び設定エッチング時間を含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、設定ガスは、炭素と反応することができるガスを指す。いくつかの実施形態において、設定ガスは、水素ガスである。水素ガスと成長される六方晶炭化ケイ素種結晶のうちの炭素とが反応して、インサイチュエッチングエッチングを行う炭化水素ガスを生成する。
流量を高く設定しすぎると、導入された設定ガス(例えば、水素ガス)が過剰し、設定ガスが無駄になる。また、流量を高く設定しすぎると、温度場が不安定になり、成長される六方晶炭化ケイ素種結晶のエッチングの均一性に影響を与える。流量を低く設定しすぎると、エッチング効率が低下する。従って、設定流量を設定流量範囲で制御する必要がある。いくつかの実施形態において、設定流量は、5L/min~200L/minであってもよい。いくつかの実施形態において、設定流量は、10L/min~150L/minであってもよい。いくつかの実施形態において、設定流量は、15L/min~100L/minであってもよい。いくつかの実施形態において、設定流量は、20L/min~80L/minであってもよい。いくつかの実施形態において、設定流量は、25L/min~75L/minであってもよい。いくつかの実施形態において、設定流量は、30L/min~70L/minであってもよい。いくつかの実施形態において、設定流量は、35L/min~65L/minであってもよい。いくつかの実施形態において、設定流量は、40L/min~60L/minであってもよい。いくつかの実施形態において、設定流量は、44L/min~46L/minであってもよい。
第三設定温度が高すぎると、エッチング効率が速すぎたり制御不能になったりするので、成長される六方晶種結晶の品質に影響を与える。第三設定温度が低すぎると、設定ガスと第三設定温度が高すぎて反応できないので、エッチングできない。従って、第三設定温度を設定温度範囲に制御する必要がある。いくつかの実施形態において、第三設定温度は、1200℃~1500℃であってもよい。いくつかの実施形態において、第設定温度は、1250℃~1450℃であってもよい。いくつかの実施形態において、第三設定温度は、1300℃~1400℃であってもよい。いくつかの実施形態において、第三設定温度は、1340℃~1360℃であってもよい。
第三設定圧力が高すぎると、設定ガスと成長される六方晶種結晶との反応によって生成される気相物質を、直ちに効果的に除去することができないので、エッチングされた生長される六方晶種結晶の品質が低下する。第三設定圧力が低すぎると、エッチング効率が速すぎたり制御不能になったりするので、成長される六方晶種結晶の品質に影響を与える。従って、第三設定圧力を設定圧力範囲に制御する必要がある。いくつかの実施形態において、第三設定圧力は、1kPa~12kPaであってもよい。いくつかの実施形態において、第三設定圧力は、2kPa~11kPaであってもよい。いくつかの実施形態において、第三設定圧力は、3kPa~10kPaであってもよい。いくつかの実施形態において、第三設定圧力は、4kPa~9kPaであってもよい。いくつかの実施形態において、第三設定圧力は、5kPa~8kPaであってもよい。いくつかの実施形態において、第三設定圧力は、6kPa~7kPaであってもよい。
設定エッチング時間は、成長される六方晶種結晶の表面の平坦性及び表面形態などによって、決定する。設定エッチング時間が長すぎると、エッチングされた成長される六方晶種結晶の均一性が保証されない。設定エッチング時間が短すぎると、成長される六方晶種結晶の表面に欠陥が多くなり、品質に影響を与える。従って、設定エッチング時間を設定時間範囲に制御する必要がある。いくつかの実施形態において、設定エッチング時間は、10min~30minであってもよい。いくつかの実施形態において、設定エッチング時間は、12min~28minであってもよい。いくつかの実施形態において、設定エッチング時間は、15min~25minであってもよい。いくつかの実施形態において、設定エッチング時間は、18min~22minの範囲であってもよい。いくつかの実施形態において、設定エッチング時間は、19min~20minであってもよい。
いくつかの実施形態において、六方晶種結晶の固有の特性によって、それを六つの側面がすべて{1120}又は{1100}結晶面族である正六角形の六方晶種結晶に切断される。結晶学的には、結晶面族が{1120}又は{1100}である六つの側面の物理化学的性質は同じであるので、同じ結晶面族の間の隙間成長の品質がより高く、又は転位がより少ない。従って、得られた目標六方晶種結晶は、品質がより優れる。
プロセス2200に関する上記の説明は、例示及び説明にすぎず、本願の適用範囲を限定するものではないことに留意されたい。当業者にとって、本願のガイダンスの下で、プロセス2200に対して様々な修正及び変更を行うことができる。ただし、そのような修正及び変更は、依然として本願の範囲である。上記の製造プロセスは、一例に過ぎず、関連するプロセスパラメータは、異なる実施形態で異なってもよく、上記のステップの順序は、固有のものではなく、異なる実施形態では、ステップの順序も調整してもよく、ひいては一つ以上のステップを省略してもよい。上記の例は、本願の保護範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
本実施形態は、種結晶の製造方法を提供する。ステップは次のとおりである。S1、直径が110mm~160mmである七つの6H-SiCを製造し、6H-SiCの表面を平らにならせるために、七つの6H-SiCをそれぞれ研磨する。たとえば、まず6H-SiCの(0001)面を研磨し、次に(0001)面を研磨する。研磨された6H-SiCの厚さは、約100μm~150μmである。
S2、研磨された6H-SiCに対して、(0001)面に垂直な第一切断を行い、切断面が{1100}結晶面族である正六角形の6H-SiCを得、図23に示すように、結晶面族が{1100}である正六角形の六方晶種結晶2321である。
S3、七つの正六角形の6H-SiCを緊密に接合する。一つの正六角形の6H-SiCを中心として、六つの正六角形のの6H-SiCを中心に位置する正六角形のの6H-SiCの外周に緊密に接合して、図23に示されるように、緊密に接合された後の複数の正六角形の六方晶種結晶2330に並べられる。七つの正六角形の6H-SiCの(0001)面ををすべて上向きにして、接合面がぴったりと貼合するために、緊密に接合された七つの正六角形の6H-SiCを接着剤(例えば、パラフィン)で、表面が水平であるプラットフォーム(ステンレスディスクなど)にしっかりと接着する。
S4、緊密に接合されて、プラットフォームに接着された七つの正六角形の6H-SiCに対して、第二切断を行う。中心に配置された正六角形の6H-SiCの中心点を円心として、100mm~120mmを半径として、緊密に接合されてプラットフォームに接着された七つの正六角形の6H-SiCの表面に円形のトラックを描く。円形のトラックで軸外研削を行って、軸外研削の方向は、[0001]に3.8°偏向し、[1120]方向を指し、円形の6H-SiCを得る。図23に示すように、第二切断を行った後、得られた成長される六方晶種結晶2340である。
S5、プラットフォームに接着された円形の6H-SiCを取り外す。円形の6H-SiCをアセトン溶液に入れ、超音波洗浄を行った後、脱イオン水で洗浄して、円形の6H-SiCに位置するパラフィンと粒子状物質を除去するようになる。次に、円形の6H-SiCの外周を研削し、細かく研磨して、円形の6H-SiCの表面の傷を除去するようになる。
研削処理及び精研磨処理を行った後の円形6H-SiCをイソプロパノール溶液に入れ、30℃~100℃で10分~100分間超音波洗浄する。次に、脱イオン水を使用して5分~30分間の超音波洗浄を行って、円形の6H-SiCの表面の不純物や有機物をさらに除去して、きれいな円形の6H-SiCを得るようになる。プラットフォームに接着された円形の6H-SiCの接着剤(例えば、パラフィン)が洗い流されるので、きれいな円形の6H-SiCは、本質的に、図23に示される、成長される六角形の種結晶2340における円形の七つの小さな種結晶である。
S6、S4の研削順序によって、きれいな円形の6H-SiCを並べて、且つ接着剤(スクロースなど)を使用して表面が水平であるグラファイトトレイに接着する。円形の6H-SiCが接着されたトレーをCVD装置に入れ、まずCVD装置を1×10-5Pa~1×10-3Paまで真空引きた後、1℃/min~20℃/minの加熱速度で600℃~1000℃までゆっくりと加熱し、0.5時間~2時間保温して、CVD装置の内部の空気を除去するようになる。次に、CVD装置を1200℃~1600℃まで加熱し、水素ガスを20L/min~80L/minの速度で導入し、CVD装置の内部の圧力を2000Pa~10000Paに維持し、10min~30min保温し、円形の6H-SiCにインサイチュエッチングを行って、円形の6H-SiCの表面の傷を除去し、円形の6H-SiCの表面の平坦性と表面形貌を改善するようになる。
S7、円形の6H-SiCに{1 100}結晶面族の隙間成長を行う。CVD装置の圧力が大気圧になるまで水素ガスをCVD装置に導入し、CVD装置を1500℃~2000℃まで加熱する。CVD装置に100~200mL/minのSiH4、40~100mL/minのC3H8、40~100L/minのH2を導入し、CVD装置の内部の炭素とシリコンとの比例を1.0~5.0に維持するようになる。その後、CVD装置の内部の圧力を30Pa~200Paまで減圧し、{1100}結晶面族の隙間成長を行う。隙間成長時間は、2時間~5時間である。
S8、S7における円形の6H-SiCをエピタキシャル成長させる。CVD装置の温度を1500℃~1700℃に調整し、CVD装置に100~300mL/minのSiH4、40~100mL/minのC3H8、40~100L/minのH2を導入し、炭素とシリコンとの比例を0.5~1.5に制御して、(0001)面のエピタキシャル成長を行うようになる。エピタキシャル成長が500μm~900μmの設定厚さに達したら、CVD装置の内部の圧力が大気圧に達するまでヘリウムガスをCVD装置内に導入し、エピタキシャル成長を停止する。次いで、60時間~120時間を経って室温まで徐冷した後、取り出して、直径が250mmを超える6H-SiCの種結晶を得る。
本実施形態は、種結晶のもう一つの製造方法を提供する。この方法は、次のステップを含む。S1、直径が110mm~160mmである七つの6H-SiCを製造し、6H-SiCの表面を平らにならせるために、七つの6H-SiCをそれぞれ研磨する。たとえば、まず6H-SiCの(0001)面を研磨し、次に(0001)面を研磨する。研磨された6H-SiCの厚さは、約100μm~150μmである。
S2、研磨された6H-SiCに対して、(0001)面に垂直な第一切断を行い、切断面が{1120}結晶面族である正六角形の6H-SiCを得、図23に示すように、結晶面族が{1120}である正六角形の六方晶種結晶2322である。
S3、七つの正六角形の6H-SiCを緊密に接合する。一つの正六角形の6H-SiCを中心として、六つの正六角形のの6H-SiCを中心に位置する正六角形のの6H-SiCの外周に緊密に接合して、図23に示されるように、緊密に接合された後の複数の正六角形の六方晶種結晶2330に並べられる。七つの正六角形の6H-SiCの(0001)面ををすべて上向きにして、接合面がぴったりと貼合するために、緊密に接合された七つの正六角形の6H-SiCを接着剤(例えば、パラフィン)で、表面が水平であるプラットフォーム(ステンレスディスクなど)に接着する。
S4、緊密に接合されて、プラットフォームに接着された七つの正六角形の6H-SiCに対して、第二切断を行う。中心に配置された正六角形の6H-SiCの中心点を円心として、100mm~130mmを半径として、緊密に接合されてプラットフォームに接着された七つの正六角形の6H-SiCの表面に円形のトラックを描く。円形のトラックで軸外研削を行って、軸外研削の方向は、[0001]に2°~8°偏向し、[1120]方向を指し、円形の6H-SiCを得る。図23に示すように、第二切断を行った後、得られた成長される六方晶種結晶2340である。
S5、プラットフォームに接着された円形の6H-SiCを取り外す。円形の6H-SiCをアセトン溶液に入れ、超音波洗浄を行った後、脱イオン水で洗浄して、円形の6H-SiCに位置するパラフィンと粒子状物質を除去するようになる。次に、円形の6H-SiCの外周を研削し、細かく研磨して、円形の6H-SiCの表面の傷を除去するようになる。
研削処理及び精研磨処理を行った後の円形6H-SiCをイソプロパノール溶液に入れ、30℃~100℃で10分~70分間超音波洗浄する。次に、脱イオン水を使用して5分~20分間の超音波洗浄を行って、円形の6H-SiCの表面の不純物や有機物をさらに除去して、きれいな円形の6H-SiCを得るようになる。プラットフォームに接着された円形の6H-SiCの接着剤(例えば、パラフィン)が洗い流されるので、きれいな円形の6H-SiCは、本質的に、図23に示される、成長される六角形の種結晶2340における円形の七つの小さな種結晶である。
S6、S4の研削順序によって、きれいな円形の6H-SiCを並べて、且つ接着剤(スクロースなど)を使用して表面が水平であるグラファイトトレイに接着する。円形の6H-SiCが接着されたトレーをCVD装置に入れ、まずCVD装置を1×10-5Pa~1×10-3Paまで真空引きた後、1℃/min~20℃/minの加熱速度で600℃~1000℃までゆっくりと加熱し、0.5時間~3時間保温して、CVD装置の内部の空気を除去するようになる。次に、CVD装置を1300℃~1600℃まで加熱し、水素ガスを10L/min~100L/minの速度で導入し、CVD装置の内部の圧力を2000Pa~10000Paに維持し、10min~60min保温し、円形の6H-SiCにインサイチュエッチングを行って、円形の6H-SiCの表面の傷を除去し、円形の6H-SiCの表面の平坦性と表面形貌を改善するようになる。
S7、円形の6H-SiCに{1120}結晶面族の隙間成長を行う。CVD装置の圧力が大気圧になるまで水素ガスをCVD装置に導入し、CVD装置を1500℃~1800℃まで加熱する。CVD装置に50~200mL/minのSiH4、20~150mL/minのC3H8、20~100L/minのH2を導入し、CVD装置の内部の炭素とシリコンとの比例を1~4に維持するようになる。その後、CVD装置の内部の圧力を100Pa~400Paまで減圧し、{1120}結晶面族の隙間成長を行う。隙間成長時間は、2時間~5時間である。
S8、S7における円形の6H-SiCをエピタキシャル成長させる。CVD装置の温度を1500℃~1700℃に調整し、CVD装置に50~200mL/minのSiH4、20~150mL/minのC3H8、20~100L/minのH2を導入し、炭素とシリコンとの比例を0.5~2に制御して、(0001)面のエピタキシャル成長を行うようになる。エピタキシャル成長が500μm~800μmの設定厚さに達したら、CVD装置の内部の圧力が大気圧に達するまでヘリウムガスをCVD装置内に導入し、エピタキシャル成長を停止する。次いで、50時間~120時間を経って室温まで徐冷した後、取り出して、直径が200mmを超える6H-SiCの種結晶を得る。
上記の二つの実施形態は、それぞれ{1100}結晶面族と{1120}結晶面族の隙間成長を行う。結晶面族の物理化学的性質は同じであるので、二つの実施形態は、いずれも単一結晶面族の隙間成長であり、隙間成長の品質を向上させることができる。同時に、{1100}及び{1120}結晶面族は、該表面に堆積した原子の移動を助長して、エピタキシャル成長が均一になり、欠陥が形成されにくくなる。
接合隙間が成長中に半径方向温度勾配に起因するより多くの欠陥を生成するのを防ぐために、いくつかの実施形態において、緊密に接合する時、第二切断によって得られた成長される六方晶種結晶の中心位置に接合隙間はないために、一つの完全な正六角形の六方晶種結晶を中心位置に配置する。それによって、隙間成長に安定した基板を提供して、目目標六方晶種結晶の欠陥を大幅に減少させ、その品質を向上させることができる。
いくつかの実施形態の有益な効果には、以下が含まれるが、これらに限定されない。(1)結晶成長中に、温度感知アセンブリによって測定された、結晶成長する時の成長チャンバの温度に基づいて、加熱アセンブリを制御して、結晶成長する時の成長チャンバの内部の半径方向温度差に、成長チャンバの内部の平均温度の第一プリセット範囲又はプリセット半径方向温度差閾値を超えさせず、結晶成長する時の成長チャンバの内部の軸方向温度勾配に安定に保たせる。それによって、結晶が安定して成長して、大型で高品質の結晶を製造することができる。(2)少なくとも一つの加熱アセンブリを使用して、成長チャンバを加熱して、半径方向温度勾配を補償できる。例えば、半径方向温度差及び/又は半径方向温度勾配を減らす。(3)第二加熱アセンブリにおける加熱ユニットのフローチャネルは、原料の黒鉛化炭素粒子の上方への移動を防止できるので、結晶の炭素カプセル化マイクロパイプなどの欠陥を低減し、結晶品質を高める。(4)原料を異なる高さの加熱ユニットに置き、原料を多層に加熱して、原料がより均一で十分に加熱されるので、原料の利用率を高めるだけでなく、原料の炭化を減らし、結晶の品質をさらに高める。(5)得られる結晶は、成長面が平坦で凸部が少なく、結晶の炭素含有粒子の密度が低く、結晶品質が高い。(6)六方晶種結晶の固有の特性によって、単一の結晶面族の隙間成長を行うことは、隙間成長の品質を改善することができる。(7)接合隙間が成長する過程において、半径方向温度勾配に起因するより多くの欠陥を生成するのを防ぐために、一つの完全な正六角形の六方晶種結晶を中心位置に配置し、及び/又は中心に配置される正六角形の六方晶種結晶の表面積を他の位置に配置される正六角形の六方晶種結晶の表面積より大きくする。それによって、隙間成長に安定した基板を提供して、目標六方晶種結晶の欠陥を大幅に減少させ、その品質を向上させることができる。異なる実施形態は、異なる有益な効果を有することができ、異なる実施形態では、可能な有益な効果は、上記の任意の1つ又はいずれかの組み合わせであってもよく、他の任意の可能な有益な効果であってもよいことに留意されたい。
以上、基本的な概念を説明したが、当業者にとって、上記の詳細な開示は一例にすぎず、本願を限定するものではないことは明らかである。本明細書には明示的に記載されていないが、当業者は、本願に対する様々な修正及び改良を行うことができる。このような修正及び改良は、本願で提案されているので、そのような修正及び改善は、依然として、本願の例示的な実施形態の精神及び範囲に属する。
一方、本願は、本願の実施形態を説明するために特定の用語を使用する。「一つの実施形態」、「一実施形態」、及び/又は「いくつかの実施形態」などは、本願の少なくとも一つの実施形態に関連する特定の特徴、構造、又は特徴を意味する。従って、本明細書のさまざまな場所で、二度以上の言及された「一実施形態」又は「一つの実施形態」又は「一つの代替実施形態」は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らないことを強調し、留意すべきである。さらに、本願の一つ又は複数の実施形態において、ある特徴、構造又は特性は、必要に応じて組み合わせることができる。
さらに、当業者は、本願の態様がいくつかの特許可能なカテゴリ又は状況で説明及び述べることができ、任意の新規かつ有用なプロセス、機械、製品、又は物質の組み合わせを含むことを、理解できる。それに応じて、本願の様々な態様は、完全にハードウェアによって、完全にソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)によって、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって、実行することができる。上記のハードウェア又はソフトウェアは、「データブロック」、「モジュール」、「エンジン」、「ユニット」、「アセンブリ」、又は「システム」と呼ばれる。さらに、本願の態様は、一つ又は複数のコンピュータ可読媒体に位置するコンピュータ製品に具現化される。コンピュータ製品は、コンピュータ可読プログラムコードを含む。
さらに、特許請求の範囲に明示的に記載されていない限り、本願に記載されている処理要素及びシーケンスの順序、数字及び文字の使用、又は他の名前の使用は、本発明のプロセス及び方法の順序を限定することを意図していない。上記の開示は、現在有用であると考えられる本発明のいくつかの実施形態を様々な例によって論じているが、そのような詳細は、説明のみを目的としており、添付の特許請求の範囲は、開示された実施形態に限定されず、逆に本願の実施形態の精神及び範囲に属するすべての変更及び同等の組み合わせをカバーすることを意図することを、理解されたい。例えば、上述のシステムアセンブリは、ハードウェアデバイスによって実施されてもよいが、ソフトウェアの解決方案のみによって実施されてもよい。例えば、既存の処理デバイス又はモバイルデバイスに説明されるシステムを取り付ける。
同様に、本願で開示される表現を単純化し、それにより本発明の一つ又は複数の実施形態の理解を助けるために、上記の本願の実施形態に対する説明において、様々な特徴を一つの実施形態、図面又はその説明に組み合わされることがあることに留意されたい。ただし、この開示方法は、本願の主題が請求項に記載される特徴よりも多くの特徴を必要とすることを意味するものではない。実際、実施形態の特徴は、上記で開示された単一の実施形態のすべての特徴よりも少なくする。
いくつかの実施形態で、数字を使用して成分及び属性の量を説明しているが、実施形態を説明するために使用されているそのような数字は、ある示例において、「約」、「およそ」又は「実質的に」という修飾語を使用することを理解するべきである。別段の記載がない限り、「約」、「およそ」又は「実質的に」は、記載された数値に対して±20%の変動が許容されることを意味する。従って、いくつかの実施形態において、明細書及び特許請求の範囲に記載の数値パラメータは、近似値である。近似値は、各々の実施形態の所望の特性に応じて変化することができる。いくつかの実施形態において、数値パラメータは、指定された有効数字を考慮し、一般的な数字予約方法を使用する必要がある。それらの範囲の幅を確認するために、本願のいくつかの実施形態で使用される数値フィールド及びパラメータは概算であるにもかかわらず、具体的な実施形態では、そのような数値は実行可能な限り、できるだけ正確に設定する。
本願で引用される各特許、特許出願、特許出願公開、及び例えば、記事、本、明細書、公開、文書などの他の資料は、その全体を本明細書に組み込み、参考とする。本願の内容と一致しない、又は矛盾する出願履歴文書は除外され、本願のクレームの最も広い範囲を制限する文書(現在又は今後本願に追加される)も除外される。本願の添付資料で使用される説明、定義及び/又は用語と本願の内容とが一致しない、又は矛盾がある場合、本願で使用される説明、定義及び/又は用語に従う。
最後に、本願に記載された実施形態は、本願の実施形態を説明するのみために使用されることを理解されたい。他の変形も本願の範囲に属する可能がある。従って、限定ではなく例として、本願の実施形態の代替構成は、本願の教示と一致するとみなすことができる。従って、本願の実施形態は、本願で明示的に紹介及び説明された実施形態に限定されない。