JP2023521590A - フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板、これを利用したフレキシブルディスプレイ装置の製造方法、およびフレキシブルディスプレイ装置用積層体 - Google Patents

フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板、これを利用したフレキシブルディスプレイ装置の製造方法、およびフレキシブルディスプレイ装置用積層体 Download PDF

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Abstract

本発明は、ポリシロキサンとポリイミドを含み、1%以下のヘイズを有する高分子樹脂層;およびガラス基板;を含む、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板、これを利用したフレキシブルディスプレイ装置の製造方法、およびフレキシブルディスプレイ装置用積層体に関する。

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年9月21日付の韓国特許出願第10-2020-0121717号および2021年8月31日付の韓国特許出願第10-2021-0115642号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
本発明は、より簡単な工程で損傷なくフレキシブルディスプレイ装置を製造できるフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板、これを利用したフレキシブルディスプレイ装置の製造方法、およびフレキシブルディスプレイ装置用積層体に関する。
表示装置市場は、大面積が容易であり、薄型および軽量化が可能な平板ディスプレイ(Flat Panel Display;FPD)中心に急速に変化している。このような平板ディスプレイには、液晶表示装置(Liquid Crystal Display;LCD)、有機発光表示装置(Organic Light Emitting Display;OLED)または電気泳動表示装置(electrophoretic display;EPD)などがある。
特に、最近、このような平板ディスプレイの応用と用途とをさらに拡張するために、前記平板ディスプレイに可撓性基板を適用した、いわゆるフレキシブルディスプレイ素子などに関する関心が集中している。このようなフレキシブルディスプレイ素子は、主にスマートフォンなどモバイル機器を中心に適用が検討されており、次第にその応用分野が拡大している。
ところで、プラスチック基板上に薄膜トランジスタ(TFTs on Plastic:TOP)などのディスプレイ素子構造を形成およびハンドリングする工程は、フレキシブルディスプレイ素子の製造において核心工程である。しかし、既存のガラス基板用素子の製造工程に直接可撓性プラスチック基板を代替適用して素子構造を形成するに当たっては、まだ多くの工程上の問題がある。
特に、可撓性基板内に含まれる薄膜ガラスの場合、衝撃によって容易に割れるので、支持ガラス(carrier glass)上に薄膜ガラスが載せられた状態でディスプレイ用基板の製造工程が実施される。
従来の技術によれば、ガラス基板などのキャリア基板上にa-シリコンなどからなる犠牲層を形成した後、その上に可撓性基板を形成する。その後、キャリア基板によって支持される可撓性基板上に既存のガラス基板用素子の製造工程により薄膜トランジスタなどの素子構造を形成した。そして、キャリア基板などをレーザまたは光を照射することによって前記犠牲層を破壊し、前記素子構造が形成された可撓性基板を分離して、最終的にフレキシブルディスプレイ素子などの可撓性基板を有する素子を製造した。
しかし、このような従来の技術による製造方法においては、前記レーザまたは光を照射する過程で素子構造が影響を受けて不良などが発生する恐れがあるだけでなく、前記レーザまたは光照射のための装置および別途の工程進行が必要であり、全体的な素子の製造工程が複雑になり、製造単価もまた非常に高くなる短所がある。
しかも、a-Siなどからなる犠牲層と可撓性基板との間の接着力が十分でなく、前記犠牲層と可撓性基板との間に別途の接着層などの形成が必要な場合が多く、これは、全体工程をさらに複雑にするだけでなく、さらに苛酷な条件下にレーザまたは光照射が必要になり、素子の信頼性に悪影響を及ぼす恐れがさらに増加した。
本発明は、簡単な工程で損傷なく、フレキシブルディスプレイ装置を製造できるフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板を提供する。
また、本発明は、前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上に形成されたポリイミド樹脂層およびフレキシブルディスプレイ素子を含むフレキシブルディスプレイ装置を剥離する段階を含む、フレキシブルディスプレイ装置の製造方法を提供する。
また、本発明は、前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板、前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上に形成されたポリイミド樹脂層、および前記ポリイミド樹脂層上に形成されたフレキシブルディスプレイ素子を含む、フレキシブルディスプレイ装置用積層体を提供する。
前記課題を解決するために、本発明は、ポリシロキサンとポリイミドを含み、1%以下のヘイズを有する高分子樹脂層;およびガラス基板;を含む、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板が提供される。
さらに、本発明は、前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上に形成されたポリイミド樹脂層およびフレキシブルディスプレイ素子を含むフレキシブルディスプレイ装置を剥離する段階を含む、フレキシブルディスプレイ装置の製造方法が提供される。
さらに、本発明は、前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板;前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上に形成されたポリイミド樹脂層;および前記ポリイミド樹脂層上に形成されたフレキシブルディスプレイ素子;を含む、フレキシブルディスプレイ装置用積層体が提供される。
以下、発明の具体的な実施形態によるフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板、これを利用したフレキシブルディスプレイ装置の製造方法、およびフレキシブルディスプレイ装置用積層体についてより詳しく説明する。
本明細書で明示的な言及がない限り、専門用語は、単に特定の実施例を言及するためのものであり、本発明を限定することを意図しない。
本明細書で使用される単数形態は、文章がこれと明確に反対の意味を示さない限り、複数形態も含む。
本明細書において、「フレキシブル(flexible)」とは、直径が3mmの円筒形マンドレル(mandrel)に巻いた時に長さ3mm以上のクラック(crack)が発生しない程度の柔軟性を有する状態を意味し、したがって、本発明のフレキシブルディスプレイ装置は、ベンダブル(bendable)、フレキシブル(flexible)、ローラブル(rollable)、またはフォルダブル(foldable)ディスプレイ装置を意味する。
ただし、これは発明の一例として提示したものであり、これによって発明の権利範囲が限定されるものではなく、発明の権利範囲内で実施形態に対する多様な変形が可能であることは当業者に自明である。
本明細書で使用される「含む」の意味は、特定の特性、領域、整数、段階、動作、要素および/または成分を具体化し、他の特定の特性、領域、整数、段階、動作、要素、成分および/または群の存在や付加を除外させるわけではない。
そして、本明細書において「第1」および「第2」のように序数を含む用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的として用いられ、前記用語によって限定されない。例えば、本発明の権利範囲内で第1構成要素は第2構成要素と命名されることがあり、同様に、第2構成要素は第1構成要素と命名されることもある。
本明細書において、(共)重合体は、重合体または共重合体を全て含む意味であり、前記重合体は、単一の繰り返し単位からなる単独重合体を意味し、共重合体は、2種以上の繰り返し単位を含む複合重合体を意味する。
本明細書において置換基の例示は以下で説明するが、これらに限定されるものではない。
本明細書において、「置換」という用語は、化合物中の水素原子の代わりに他の官能基が結合することを意味し、置換される位置は水素原子が置換される位置、すなわち、置換基が置換可能な位置であれば限定されず、2以上置換される場合、2以上の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
本明細書において、「置換または非置換の」という用語は、重水素;ハロゲン基;シアノ基;ニトロ基;ヒドロキシ基;カルボニル基;エステル基;イミド基;アミノ基;第一級アミノ基;カルボキシ基;スルホン酸基;スルホンアミド基;ホスフィンオキシド基;アルコキシ基;アリールオキシ基;アルキルチオキシ基;アリールチオキシ基;アルキルスルホキシ基;アリールスルホキシ基;シリル基;ホウ素基;アルキル基;シクロアルキル基;アルケニル基;アリール基;アラルキル基;アラルケニル基;アルキルアリール基;アルコキシシリルアルキル基;アリールホスフィン基;またはN、OおよびS原子のうちの1個以上を含むヘテロ環基からなる群より選択される1個以上の置換基で置換または非置換されるか、または前記例示した置換基のうちの2以上の置換基が連結された置換または非置換されることを意味する。例えば、「2以上の置換基が連結された置換基」は、ビフェニル基であってもよい。すなわち、ビフェニル基は、アリール基であってもよく、2個のフェニル基が連結された置換基と解釈されてもよい。
本明細書において、
Figure 2023521590000001
または
Figure 2023521590000002
は、他の置換基に連結される結合を意味し、直接結合はLで表される部分に別途の原子が存在しない場合を意味する。
本明細書において、芳香族(aromatic)は、ヒュッケル則(Huckels Rule)を満たす特性であって、前記ヒュッケル則により次の3つの条件を全て満たす場合を芳香族と定義される。
1)空のp-オービタル、不飽和結合、電子対などによって完全にコンジュゲーションをなしている4n+2個の電子が存在しなければならない。
2)4n+2個の電子は平面状異性体を構成しなければならないし、環構造をなさなければならない。
3)環のすべての原子がコンジュゲーションに参加しなければならない。
本明細書において、アルキル基はアルカン(alkane)に由来する1価の官能基であって、直鎖または分枝鎖であり得、前記直鎖アルキル基の炭素数は特に限定されないが、1~20であることが好ましい。また、前記分枝鎖アルキル基の炭素数は3~20である。アルキル基の具体的な例としては、メチル、エチル、プロピル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、1-メチル-ブチル、1-エチル-ブチル、ペンチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、ヘキシル、n-ヘキシル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、4-メチル-2-ペンチル、3,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、ヘプチル、n-ヘプチル、1-メチルヘキシル、オクチル、n-オクチル、tert-オクチル、1-メチルヘプチル、2-エチルヘキシル、2-プロピルペンチル、n-ノニル、2,2-ジメチルヘプチル、1-エチル-プロピル、1,1-ジメチル-プロピル、イソヘキシル、2-メチルペンチル、4-メチルヘキシル、5-メチルヘキシル、2,6-ジメチルヘプタン-4-イルなどがあるが、これらに限定されない。前記アルキル基は置換または非置換され、置換される場合、置換基の例示は上述した通りである。
本明細書において、ハロアルキル基は、上述したアルキル基にハロゲン基が置換された官能基を意味し、ハロゲン基の例としてはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素がある。前記ハロアルキル基は置換または非置換され、置換される場合、置換基の例示は上述した通りである。
本明細書において、多価官能基(multivalent functional group)は、任意の化合物に結合した複数の水素原子が除去された形態の残基であって、例えば、2価官能基、3価官能基、4価官能基が挙げられる。一例として、シクロブタンに由来する4価の官能基は、シクロブタンに結合した任意の水素原子4個が除去された形態の残基を意味する。
本明細書において、電子求引性基(Electro-withdrawing group)は、ハロアルキル基、ハロゲン基、シアノ基、ニトロ基、スルホン酸基、カルボニル基およびスルホニル基からなる群より選択される1種以上を含むことができ、好ましくは、トリフルオロメチル基(-CF)などのハロアルキル基であり得る。
本明細書において、直接結合または単結合は、当該位置にいかなる原子または原子団も存在せず、結合線で連結されることを意味する。具体的には、化学式中のL、Lで表される部分に別途の原子が存在しない場合を意味する。
本明細書において、重量平均分子量は、GPC法により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。前記GPC法により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量を測定する過程では、通常知られた分析装置と示差屈折率検出器(Refractive Index Detector)などの検出器および分析用カラムを用いることができ、通常適用される温度条件、溶媒、flow rateを適用することができる。前記測定条件の具体的な例として、Polymer Laboratories PLgel MIX-B300mm長さのカラムを用いてWaters PL-GPC220装置を用いて、評価温度は160℃であり、1,2,4-トリクロロベンゼンを溶媒として使用し、流速は1mL/minの速度で、サンプルは10mg/10mLの濃度で調製した後、200μLの量で供給し、ポリスチレン標準を用いて形成された検定曲線を用いてMwの値を求めることができる。ポリスチレン標準品の分子量は、2,000/10,000/30,000/70,000/200,000/700,000/2,000,000/4,000,000/10,000,000の9種を使用した。
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明の一実施形態によれば、ポリシロキサンとポリイミドを含み、1%以下のヘイズを有する高分子樹脂層、およびガラス基板を含む、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板が提供される。
本発明者らは、前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板のようにポリシロキサンとポリイミドを含み、1%以下のヘイズを有する高分子樹脂層を含むことによってフレキシブルディスプレイ装置の製造時、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上に積層されるポリイミド層との剥離強度が低いので剥離が容易であり、剥離工程に追加的な費用が発生しないだけでなく、剥離後にポリイミド樹脂層に転写およびカーリングが発生しないので、フレキシブルディスプレイ装置の製造が容易であることを実験により確認して発明を完成した。
具体的には、本発明によるフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板は、剥離助力層として機能する高分子樹脂層を含み、フレキシブルディスプレイ素子との剥離強度が低いため、フレキシブルディスプレイ装置の製造時、積層されたフレキシブルディスプレイ装置の破壊が発生せず、高性能レーザーを用いた剥離工程は必要としないため、費用を節減することができ、レーザーによるポリイミド層の変性が誘発されない。
前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の高分子樹脂層は1%以下、または0.001%以上1%以下、0.1%以上1%以下、0.1%以上0.6%以下、または0.2%以上0.6%のヘイズを有し得る。
前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の高分子樹脂層が1%以下の低いヘイズを有することによって、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の光学的特性に優れ、フレキシブルディスプレイ装置の製造時、ポリイミド樹脂層への転写が殆ど起こらない。
前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の高分子樹脂層が1%超のヘイズを有する場合、フレキシブルディスプレイ装置の製造時、ポリイミド樹脂層に転写が発生するので、フレキシブルディスプレイ装置の製造用途として使用するのに不適合である。
前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の高分子樹脂層のヘイズの測定方法および装置の例は具体的に限定されず、従来のヘイズの測定に使用された多様な方法を制限なく適用することができる。一例を挙げると、高分子樹脂層に対してHAZE METER(モデル名:NDH7000、Nippon denshoku社製)を用いて、ASTM D1003の測定法によりヘイズを測定することができる。
前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の高分子樹脂層のヘイズは、高分子樹脂層がポリシロキサンとポリイミドを含むことによって具現される。具体的には、前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の高分子樹脂層のヘイズは、高分子樹脂層が、後述するポリシロキサンとポリイミドを特定の含有量比で使用することによって具現される。
前記ヘイズの測定対象である高分子樹脂層の厚さは特に限定されるものではないが、例えば、0.01μm以上1μm以下の範囲内で自由に調節可能である。前記高分子樹脂層の厚さが特定の数値だけ増加または減少する場合、高分子樹脂層から測定される物性が一定の数値だけ変化することもできる。
一方、前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の高分子樹脂層は、ポリイミド樹脂層に対して90度剥離時、剥離強度が1g/cm以上30g/cm以下、2g/cm以上30g/cm以下、3g/cm以上30g/cm以下または3.5g/cm以上30g/cm以下であり得る。このように、前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板は、1g/cm以上30g/cm以下の小さい剥離強度を有することによって、フレキシブルディスプレイ装置の製造時、積層されるポリイミド樹脂層との優れた剥離力を実現することができる。
前記高分子樹脂層とポリイミド樹脂層はそれぞれ異なる樹脂層を意味し、具体的には、前記高分子樹脂層は、前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板に含まれる樹脂層を意味し、前記ポリイミド樹脂層は、フレキシブルディスプレイ装置に含まれる樹脂層を意味する。
より具体的には、前記フレキシブルディスプレイ装置は、素子保護層、透明電極層、シリコン酸化物層、ポリイミド樹脂層、シリコン酸化物層およびハードコーティング層が順次積層された構造を備える。
前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の高分子樹脂層をポリイミド樹脂層に対して90度剥離時、測定される剥離強度が1g/cm未満の場合、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上にポリイミド樹脂層が形成されないので、前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の高分子樹脂層が剥離助力層として機能できず、フレキシブルディスプレイ装置の製造用途として使用するのに不適合である。
前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の高分子樹脂層をポリイミド樹脂層に対して90度剥離時、測定される剥離強度が30g/cm超の場合、フレキシブルディスプレイ装置の製造時、ポリイミド樹脂層との接着力が強すぎて剥離されたポリイミド樹脂層に破れおよびカーリングが発生してフレキシブルディスプレイ素子およびポリイミド樹脂層の破壊が起こるか、これを剥離するためのレーザなどの別途の剥離工程に伴う工程費用が発生することがある。
前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の高分子樹脂層およびポリイミド樹脂層の剥離強度の測定方法および装置の例は具体的に限定されず、従来の剥離強度の測定に使用された多様な方法を制限なく適用することができる。一例を挙げると、高分子樹脂層に対してポリイミド樹脂層の形成のためにポリイミド前駆体組成物をコーティングし、硬化工程を行った後、ポリイミドフィルムを90度剥離して測定装置:Texture Analyzer(モデル名:TA.XT plus100、Stable micro systems社製)を用いて、ASTM D6862の測定法により剥離強度値を測定することができる。
前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の高分子樹脂層およびポリイミド樹脂層の剥離強度は、前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板が前記高分子樹脂層を含むことによって具現される。具体的には、前記高分子樹脂層が、後述するポリシロキサンとポリイミドを特定の含有量比で使用することによって具現される。
また、前記剥離強度の測定対象である高分子樹脂層の厚さは特に限定されるものではないが、例えば、0.01μm以上1μm以下の範囲内で自由に調節可能である。前記高分子樹脂層の厚さが特定の数値だけ増加または減少する場合、高分子樹脂層から測定される物性が一定の数値だけ変化することもできる。
一方、前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の高分子樹脂層は、ポリイミド樹脂層に対して剥離時、ポリイミド樹脂層に対する転写度が50%以下、0%以上50%以下、または0%であり得る。
前記転写度とは、フレキシブルディスプレイ装置の製造時、ポリイミド樹脂層がフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板から剥離された後、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板が剥離したポリイミド樹脂層に転写される程度を意味し、以下の基準によって評価することができる。
100%:ポリイミドフィルムに同様に転写
50%:ポリイミドフィルムの一部に転写
0%:転写の発生なし
前記高分子樹脂層とポリイミド樹脂層はそれぞれ異なる樹脂層を意味し、具体的には、前記高分子樹脂層は、前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板に含まれる樹脂層を意味し、前記ポリイミド樹脂層は、フレキシブルディスプレイ装置に含まれる樹脂層を意味する。
より具体的には、前記フレキシブルディスプレイ装置は、素子保護層、透明電極層、シリコン酸化物層、ポリイミド樹脂層、シリコン酸化物層およびハードコーティング層が順次積層された構造を備える。
前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板は、前記高分子樹脂層を含むことで、フレキシブルディスプレイ装置の製造工程でフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板から剥離されたポリイミド樹脂層に転写が部分的に起こるか、好ましくは全く発生しないので、フレキシブルディスプレイ装置の製造用途として使用するのに好適である。
前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の転写度は、上述のように、1%以下のヘイズを有する光学的特性に優れた高分子樹脂層を含むことによって具現される。
前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の転写度の測定方法の例は具体的に限定されず、例えば、高分子樹脂層に対してポリイミド樹脂層の形成のためにポリイミド前駆体組成物をコーティングし、硬化工程を行った後、ポリイミドフィルムを2.5cm×5cmの領域に対して剥離して、肉眼で転写される程度を測定することができる。
前記転写度の測定対象であるポリイミド樹脂層の厚さは10μmであり得る。前記ポリイミド樹脂層の厚さが特定の数値だけ増加または減少する場合、ポリイミド樹脂層から測定される物性が一定の数値だけ変化することもできる。
また、前記転写度の測定対象である高分子樹脂層の厚さは特に限定されるものではないが、例えば、0.001μm以上1μm以下の範囲内で自由に調節可能である。前記高分子樹脂層の厚さが特定の数値だけ増加または減少する場合、高分子樹脂層から測定される物性が一定の数値だけ変化することもできる。
一方、前記ポリシロキサンの種類は特に限定されるものではないが、例えば、ポリエーテルジメチルポリシロキサン系ポリシロキサン、ポリエーテルヒドロキシポリジメチルシロキサン系ポリシロキサン、ポリメチルアルキルシロキサン系ポリシロキサン、ポリエーテルポリメチルアルキルシロキサン系ポリシロキサン、ポリエステルポリメチルアルキルシロキサン系ポリシロキサン、アラルキルポリメチルアルキルシロキサン系ポリシロキサン、ポリエステルヒドロキシポリジメチルシロキサン系ポリシロキサン、ポリエステルアクリルポリジメチルシロキサン系ポリシロキサン、ポリエーテル-ポリエステルヒドロキシポリジメチルシロキサン系ポリシロキサン、ポリエーテルポリジメチルシロキサン系非イオンポリアクリール系ポリシロキサン、イオン性ポリアクリール系ポリシロキサン、ポリアクリレート系ポリシロキサン、ポリメタクリレート系ポリシロキサン、ポリエーテルアクリルポリジメチルシロキサン系ポリシロキサン、ポリエーテルシロキサン系ポリシロキサン、アルコールアルコキシレート系ポリシロキサン、アクリレート系ポリシロキサン、ヒドロキシシリコーンポリアクリレート系ポリシロキサンのうちのいずれか一つ以上を含み得る。
具体的には、前記ポリエーテルジメチルポリシロキサン系ポリシロキサンは、BYK社製のBYK-300、BYK-301、BYK-302、BYK-331、BYK-335、BYK-306、BYK-330、BYK-341、BYK-344、BYK-307、BYK-333、BYK-310などを使用することができ、前記ポリエーテルヒドロキシポリジメチルシロキサン系ポリシロキサンは、BYK社製のBYK-308、BYK-373などを使用することができ、前記ポリメチルアルキルシロキサン系ポリシロキサンは、BYK社製のBYK-077、BYK-085などを使用することができ、前記ポリエーテルポリメチルアルキルシロキサン系ポリシロキサンは、BYK社製のBYK-320、BYK-325などを使用することができ、前記ポリエステルポリメチルアルキルシロキサン系ポリシロキサンは、BYK社製のBYK-315などを使用することができ、前記アラルキルポリメチルアルキルシロキサン系ポリシロキサンは、BYK社製のBYK-322、BYK-323などを使用することができ、前記ポリエステルヒドロキシポリジメチルシロキサン系ポリシロキサンは、BYK社製のBYK-370などを使用することができ、前記ポリエステルアクリルポリジメチルシロキサン系ポリシロキサンは、BYK社製のBYK-371、BYK-UV3579などを使用することができ、前記ポリエーテル-ポリエステルヒドロキシポリジメチルシロキサン系ポリシロキサンは、BYK社製のBYK-375などを使用することができ、前記ポリエーテルポリジメチルシロキサン系ポリシロキサンは、BYK社製のBYK-345、BYK-348、BYK-346、BYK-UV3510、BYK-332、BYK-337などを使用することができ、前記非イオンポリアクリール系ポリシロキサンは、BYK社製のBYK-380などを使用することができ、前記イオン性ポリアクリール系ポリシロキサンは、BYK社製のBYK-381などを使用することができ、前記ポリアクリレート系ポリシロキサンは、BYK社製のBYK-353、BYK-356、BYK-354、BYK-355、BYK-359、BYK-361 N、BYK-357、BYK-358 N、BYK-352などを使用することができ、前記ポリメタクリレート系ポリシロキサンは、BYK社製のBYK-390などを使用することができ、前記ポリエーテルアクリルポリジメチルシロキサン系ポリシロキサンは、BYK社製のBYK-UV3500、BYK-UV3530などを使用することができ、前記ポリエーテルシロキサン系ポリシロキサンは、BYK社製のBYK-347などを使用することができ、前記アルコールアルコキシレート系ポリシロキサンは、BYK社製のBYK-DYNWET800などを使用することができ、前記アクリレート系ポリシロキサンは、BYK社製のBYK-392などを使用することができ、前記ヒドロキシシリコーンポリアクリレート系ポリシロキサンは、BYK社製のBYK-Silclean 3700などを使用することができる。
具体的には、前記ポリシロキサンは、反応性官能基が結合したポリシロキサンを含み得る。前記反応性官能基は、具体的には、OH基、NH基または二重結合であり得る。より具体的には、前記反応性官能基は、OH基であり得る。
前記反応性官能基が結合したポリシロキサンは、具体的には、ポリエーテルヒドロキシポリジメチルシロキサン系ポリシロキサン、ポリエステルヒドロキシポリジメチルシロキサン系ポリシロキサン、ポリエーテル-ポリエステルヒドロキシポリジメチルシロキサン系ポリシロキサン、ヒドロキシシリコーンポリアクリレート系ポリシロキサンのうちのいずれか一つ以上を含み得る。具体的な例として、BYK社製のBYK-308、BYK-373、BYK-370、BYK-375、BYK-Silclean 3700などを使用することができる。
一方、前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の高分子樹脂層は、高分子樹脂層の全体重量に対して前記ポリシロキサン固形分を20重量%以上45重量%以下、または20重量%以上40重量%以下含み得る。
前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の高分子樹脂層は、高分子樹脂層の全体重量に対して前記ポリシロキサン固形分を20重量%以上45重量%以下で含むことによって、疎水性基置換で物理化学的な原因によって、フレキシブルディスプレイ装置の製造時、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上に積層されるポリイミド層との剥離強度が低いので剥離が容易であり、剥離工程に追加的な費用が発生しないだけでなく、剥離後にポリイミド樹脂層に転写およびカーリングが発生しないので、フレキシブルディスプレイ装置の製造が容易である。
前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の高分子樹脂層は、高分子樹脂層の全体重量に対して前記ポリシロキサン固形分を20重量%未満で含む場合、基板表面が十分に疎水性に置換されないので、ポリイミド樹脂層との剥離力が減少しない技術的な問題が発生することがある。
前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の高分子樹脂層は、高分子樹脂層の全体重量に対して前記ポリシロキサン固形分を45重量%超で含む場合、親水性ポリイミドと疎水性添加剤の相分離が起こり、フレキシブルディスプレイ装置の製造時、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板のポリイミド樹脂層に対する接着力が高すぎるので、剥離されたポリイミド樹脂層にカーリングまたは転写が発生してフレキシブルディスプレイ素子などが破壊するだけでなく、剥離工程に追加的な費用が発生することがある。
一方、前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の高分子樹脂層は、高分子樹脂層の全体重量に対して前記ポリイミド固形分を0.1重量%以上2.5重量%以下、0.5重量%以上2.5重量%以下、1重量%以上2.5重量%以下、または1重量%以上2重量%以下で含み得る。
前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の高分子樹脂層は、高分子樹脂層の全体重量に対して前記ポリイミド固形分を0.1重量%以上2.5重量%以下で含むことによって、フレキシブルディスプレイ装置の製造時、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上に積層されるポリイミド層との剥離強度が低いので剥離が容易であり、剥離工程に追加的な費用が発生しないだけでなく、剥離後にポリイミド樹脂層に転写およびカーリングが発生しないので、フレキシブルディスプレイ装置の製造が容易である。
前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の高分子樹脂層は、高分子樹脂層の全体重量に対して前記ポリイミド固形分を0.1重量%未満で含む場合、支持層が形成されないので上部基板用高分子ポリイミド樹脂層との結合力が低下し、フレキシブルディスプレイ装置の製造時、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板のポリイミド樹脂層に対する接着力が低すぎて、高分子樹脂層が剥離助力層として機能できず、フレキシブルディスプレイ装置の製造用途として使用するのに不適合である。
前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の高分子樹脂層は、高分子樹脂層の全体重量に対して前記ポリイミド固形分を2.5重量%超で含む場合、相互不溶性であるポリシロキサン中に過剰に存在し、沈殿したポリイミドによって高分子樹脂層のヘイズが1%超で光学的特性が不良であり、フレキシブルディスプレイ装置の製造時、剥離されたポリイミド樹脂層に転写が発生し、したがって、フレキシブルディスプレイ装置の製造時、積層型無機素子の破壊およびフィルムが破れるだけでなく、剥離工程に追加的な費用が発生することがある。
一方、前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の高分子樹脂層は、前記ポリシロキサン固形分100重量部に対して前記ポリイミド固形分を2重量部以上20重量部以下、2重量部以上15重量部以下、2.5重量部以上15重量部以下、2.5重量部以上10重量部以下で含み得る。
前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の高分子樹脂層は、前記ポリシロキサン固形分100重量部に対して前記ポリイミド固形分を2重量部以上20重量部以下で含むことによって、フレキシブルディスプレイ装置の製造時、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上に積層されるポリイミド層との剥離強度が低いので剥離が容易であり、剥離工程に追加的な費用が発生しないだけでなく、剥離後にポリイミド樹脂層に転写およびカーリングが発生しないので、フレキシブルディスプレイ装置の製造が容易である。
前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の高分子樹脂層は、前記ポリシロキサン固形分100重量部に対して前記ポリイミド固形分を2重量部未満で含む場合、フレキシブルディスプレイ装置の製造時、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板のポリイミド樹脂層に対する接着力が低すぎて、高分子樹脂層が剥離助力層として機能できず、フレキシブルディスプレイ装置の製造用途として使用するのに不適合である。
前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の高分子樹脂層は、前記ポリシロキサン固形分100重量部に対して前記ポリイミド固形分を20重量部超で含む場合、高分子樹脂層のヘイズが1%超で光学的特性が不良であり、フレキシブルディスプレイ装置の製造時、剥離されたポリイミド樹脂層に転写が発生し、したがって、フレキシブルディスプレイ装置の製造時、積層型無機素子の破壊およびフィルムが破れるだけでなく、剥離工程に追加的な費用が発生することがある。
一方、前記高分子樹脂層はポリイミドを含み得る。前記高分子樹脂層はポリイミド、およびその前駆体重合体であるポリアミック酸、ポリアミック酸エステルを全て含み得る。
すなわち、前記高分子樹脂層はポリアミック酸繰り返し単位、ポリアミック酸エステル繰り返し単位、およびポリイミド繰り返し単位からなる群より選択される1種以上を含み得る。すなわち、前記高分子樹脂層は、ポリアミック酸繰り返し単位1種、ポリアミック酸エステル繰り返し単位1種、ポリイミド繰り返し単位1種、またはこれらの2種以上の繰り返し単位が混合された共重合体を含み得る。
前記ポリアミック酸繰り返し単位、ポリアミック酸エステル繰り返し単位、およびポリイミド繰り返し単位からなる群より選択される1種以上の繰り返し単位は、前記ポリイミド系高分子の主鎖を形成することができる。
前記高分子樹脂層は、ポリイミド系樹脂の硬化物を含み得る。前記ポリイミド系樹脂の硬化物は、前記ポリイミド系樹脂の硬化工程を経て得られる生成物を意味する。
具体的には、前記ポリイミドは、芳香族テトラカルボン酸またはその無水物と芳香族ジアミンとの反応物またはこれに由来する繰り返し単位を含み得る。
前記芳香族テトラカルボン酸またはその無水物と芳香族ジアミンの種類は特に限定されない。
特に、前記ポリイミドは、下記化学式1で表される繰り返し単位を含み得る。
[化学式1]
Figure 2023521590000003
前記化学式1中、Xは多重環を含む芳香族4価官能基であり、Yは炭素数10以下の芳香族2価官能基である。
前記化学式1中、Xは多重環を含む芳香族4価官能基であり、前記Xはポリイミド系樹脂合成に使用されるテトラカルボン酸二無水物化合物から誘導された官能基である。
前記多重環を含む芳香族4価官能基を前記Xに含むことになると、多重環によって立体障害が増加した非対称性の構造がポリイミド鎖構造に導入されることによって、熱による変形を緩和して耐熱性を向上させることができる。
より具体的には、前記Xは、下記化学式2で表される4価の官能基を含み得る。
[化学式2]
Figure 2023521590000004
前記化学式2中、Arは多重環芳香族2価官能基である。前記多重環芳香族2価官能基は、多環芳香族炭化水素(polycyclic aromatic hydrocarbon)化合物またはその誘導体化合物に由来する2価の官能基であって、フルオレニレン基を含み得る。前記誘導体化合物は1以上の置換基が導入されるか、または炭素原子がヘテロ原子で置換された化合物を全て含む。
より具体的には、前記化学式2中のArで、多重環芳香族2価官能基は、少なくとも2以上の芳香族環化合物が含まれている縮合環状2価官能基を含み得る。すなわち、前記多重環芳香族2価官能基は、官能基構造内に少なくとも2以上の芳香族環化合物が含まれ、しかも、官能基が縮合環(fused ring)構造を有する。
前記芳香族環化合物は、1以上のベンゼン環を含むアレーン化合物、または前記アレーン化合物内炭素原子がヘテロ原子で置換されたヘテロアレーン化合物を含み得る。
前記芳香族環化合物は、多重環芳香族2価官能基内に少なくとも2以上含まれ、前記2以上の芳香族環化合物それぞれは直接縮合環を形成するか、あるいは他の環構造を介して縮合環を形成することができる。一例として、2個のベンゼン環がシクロアルキル環構造にそれぞれ縮合される場合、シクロアルキル環を介して2個のベンゼン環が縮合環を形成したと定義することができる。
前記少なくとも2以上の芳香族環化合物が含まれている縮合環状2価官能基は、少なくとも2以上の芳香族環化合物が含まれている縮合環化合物またはその誘導体化合物に由来する2価の官能基であって、前記誘導体化合物は1以上の置換基が導入されるか、または炭素原子がヘテロ原子で置換された化合物を全て含む。
一例として、前記化学式2で表される4価の官能基は、下記化学式2-1で表される官能基が挙げられる。
[化学式2-1]
Figure 2023521590000005
一方、前記化学式1中、Yは炭素数10以下の芳香族2価官能基であり、前記Yはポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、またはポリイミドの合成時に使用されるジアミン化合物に由来する官能基であり得る。
前記炭素数10以下の芳香族2価官能基は、フッ素系官能基が少なくとも1以上置換された炭素数10以下の芳香族2価官能基を含み得る。より具体的には、前記Yの炭素数10以下の芳香族2価官能基は、下記化学式3で表される官能基を含み得る。
[化学式3]
Figure 2023521590000006
前記ポリイミド系樹脂は、下記化学式2-2で表されるテトラカルボン酸二無水物および炭素数10以下の芳香族ジアミンの結合物を含み得る。
[化学式2-2]
Figure 2023521590000007
前記化学式2-2中、Ar'は多重環芳香族2価官能基である。前記多重環芳香族2価官能基は、多環芳香族炭化水素(polycyclic aromatic hydrocarbon)化合物に由来する2価の官能基であって、フルオレニレン基またはその誘導体化合物に由来する2価の官能基であって、フルオレニレン基を含み得る。前記誘導体化合物は1以上の置換基が導入されるか、または炭素原子がヘテロ原子で置換された化合物を全て含む。
前記化学式2-2で表されるテトラカルボン酸二無水物の具体的な例としては、9,9-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物(9,9-Bis(3,4-dicarboxyphenyl)fluorene Dianhydride、BPAF)が挙げられる。
前記炭素数10以下の芳香族ジアミンは、上述した炭素数10以下の芳香族2価官能基の両末端にアミノ基(-NH)が結合した化合物であって、炭素数10以下の芳香族2価官能基に対する説明は上述した通りである。
前記炭素数10以下の芳香族ジアミンの具体的な例としては、下記化学式aで表されるジアミンが挙げられる。
[化学式a]
Figure 2023521590000008
より具体的には、前記ポリイミド系樹脂は、前記化学式2-2で表されるテトラカルボン酸二無水物の末端無水物基(-OC-O-CO-)と、炭素数10以下の芳香族ジアミンの末端アミノ基(-NH)の反応でアミノ基の窒素原子と無水物基の炭素原子間の結合が形成される。
また、前記ポリイミドは、前記化学式1で表されるポリイミド繰り返し単位以外に、下記化学式4で表されるポリイミド繰り返し単位をさらに含み得る。
[化学式4]
Figure 2023521590000009
前記化学式4中、Xは前記Xと異なる4価の官能基であり、Yは炭素数10以下の芳香族2価官能基である。
前記Xは、下記化学式5で表される4価の官能基のうちの一つであり得る。
[化学式5]
Figure 2023521590000010
前記化学式5中、R~Rはそれぞれ独立して、水素または炭素数1~6のアルキル基であり、Lは単結合、-O-、-CO-、-COO-、-S-、-SO-、-SO-、-CR-、-(CH-、-O(CHO-、-COO(CHOCO-、-CONH-、フェニレン、またはこれらの組み合わせからなる群より選択されるいずれか一つであり、前記RおよびRはそれぞれ独立して、水素、炭素数1~10のアルキル基、または炭素数1~10のハロアルキル基のうちの一つであり、tは1~10の整数である。
前記化学式5で表される官能基の具体的な例としては、下記化学式5-1で表される官能基が挙げられる。
[化学式5-1]
Figure 2023521590000011
すなわち、前記ポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物由来の繰り返し単位が前記化学式2で表される官能基である化学式1で表される繰り返し単位を含む第1繰り返し単位と、テトラカルボン酸二無水物由来の繰り返し単位が前記化学式5で表される官能基である化学式4で表される繰り返し単位を含む第2繰り返し単位とを含み得る。前記第1繰り返し単位および第2繰り返し単位は前記ポリイミド系高分子内でランダムに配列してランダム共重合体をなすか、または第1繰り返し単位間のブロック、第2繰り返し単位間のブロックを形成してブロック共重合体をなすことができる。
前記化学式1で表される繰り返し単位および前記化学式4で表される繰り返し単位を含むポリイミド系高分子は、ジアミン化合物と共に互いに異なる2種以上のテトラカルボン酸二無水物化合物を反応させて製造することができ、前記2種のテトラカルボン酸二無水物を同時に添加してランダム共重合体を合成するか、または順次添加してブロック共重合体を合成することができる。
前記ポリイミドは、化学式1で表されるポリイミド繰り返し単位を50モル%未満、1モル%以上49モル%以下、10モル%以上49モル%以下、15モル%以上40モル%以下、または20モル%以上30モル%以下で含み得る。また、前記ポリイミド系樹脂は、前記化学式4で表されるポリイミド繰り返し単位を50モル%超、51モル%以上99モル%以下、51モル%以上90モル%以下、60モル%以上85モル%以下、または70モル%以上80モル%以下で含み得る。
前記ポリイミドの重量平均分子量(GPC測定)は特に限定されるものではないが、例えば、1000g/mol以上200000g/mol以下、または10000g/mol以上200000g/mol以下であり得る。
本発明によるポリイミドは剛直な構造による耐熱性、機械的強度などの特性をそのまま維持しながら、優れた無色透明な特性を示すことができ、素子用基板、ディスプレイ用カバー基板、光学フィルム(optical film)、IC(integrated circuit)パッケージ、粘着フィルム(adhesive film)、多層FRC(flexible printed circuit)、テープ、タッチパネル、光ディスク用保護フィルムなどの多様な分野で用いられ、特にフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板に好適である。
より具体的には、前記高分子樹脂層を形成する方法の例は特に限定されず、例えば、前記ポリイミドを含む樹脂組成物を基板に塗布して塗膜を形成する段階(段階1)と、前記塗膜を乾燥する段階(段階2)と、前記乾燥された塗膜を熱処理して硬化する段階(段階3)とを含む、製造方法を使用することができる。
前記段階1は、上述したポリイミドを含む樹脂組成物を基板に塗布して塗膜を形成する段階である。前記ポリイミドを含む樹脂組成物を基板に塗布する方法は特に限定されず、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェットなどの方法が用いられる。
そして、前記ポリイミドを含む樹脂組成物は、有機溶媒に溶解または分散させたものであり得る。このような形態を有する場合、例えば、ポリイミドを有機溶媒中で合成した場合には、溶液は得られる反応溶液そのものでも構わないし、また、該反応溶液を他の溶媒に希釈したものでも構わない。また、ポリイミドを粉末として得た場合には、これを有機溶媒に溶解させて溶液にしたものでも構わない。
前記有機溶媒の具体的な例としては、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N-メチルカプロラクタム、2-ピロリドン、N-エチルピロリドン、N-ビニルピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトン、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、3-エトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、1,3-ジメチル-イミダゾリジノン、エチルアミルケトン、メチルノニルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジグリム、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどが挙げられる。これらは単独で使用されてもよく、混合して使用されてもよい。
前記段階2は、前記ポリイミド系樹脂を含む樹脂組成物を基板に塗布して形成された塗膜を乾燥する段階である。
前記塗膜の乾燥段階は、ホットプレート、熱風循環炉、赤外線炉などの加熱手段によって行うことができ、50℃以上150℃以下、または50℃以上100℃以下の温度で行うことができる。
前記段階3は、前記乾燥された塗膜を熱処理して硬化する段階である。この時、前記熱処理はホットプレート、熱風循環炉、赤外線炉などの加熱手段によって行うことができ、200℃以上、または200℃以上300℃以下の温度で行うことができる。
前記ポリイミド系樹脂フィルムの厚さは特に限定されるものではないが、例えば、0.01μm以上1000μm以下の範囲内で自由に調節可能である。前記ポリイミド系樹脂フィルムの厚さが特定の数値だけ増加または減少する場合、ポリイミド系樹脂フィルムから測定される物性が一定の数値だけ変化することもできる。
一方、前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板から製造されるディスプレイ装置は、適用分野および具体的な形態などによって多様な構造を有し得、例えば、カバープラスチックウィンドウ、タッチパネル、偏光板、バリアフィルム、発光素子(OLED素子など)、透明基板などを含む構造であり得る。
さらに、発明の他の実施形態によれば、前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上に形成されたポリイミド樹脂層およびフレキシブルディスプレイ素子を含むフレキシブルディスプレイ装置を剥離する段階を含む、フレキシブルディスプレイ装置の製造方法が提供される。
前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上に形成されたポリイミド樹脂層およびフレキシブルディスプレイ素子を含むフレキシブルディスプレイ装置を剥離する段階において、剥離は25℃、1.0mm/s、0.0001kgなどの条件で、装置Texture Analyzer(モデル名:TA.XT plus100、Stable micro systems社製)を用いて行われる。
また、前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法は、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上にポリイミド樹脂層を積層する段階と、フレキシブルディスプレイ素子を積層する段階とをさらに含み得る。
すなわち、前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法は、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上にポリイミド樹脂層を積層する段階およびフレキシブルディスプレイ素子を積層する段階;およびフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上に形成されたポリイミド樹脂層およびフレキシブルディスプレイ素子を含むフレキシブルディスプレイ装置を剥離する段階を含み得る。
前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法において、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上にポリイミド樹脂層およびフレキシブルディスプレイ素子を順次積層する段階が行われた後、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上に形成されたポリイミド樹脂層およびフレキシブルディスプレイ素子を含むフレキシブルディスプレイ装置を剥離する段階を行うことによって、ポリイミド樹脂層を基材とし、ポリイミド樹脂層上にフレキシブルディスプレイ素子が積層されたフレキシブルディスプレイ素子積層体が形成される。
より具体的には、前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上にポリイミド樹脂層を積層する方法の例は特に限定されず、例えば、前記ポリイミドを含む樹脂組成物をフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板に塗布して塗膜を形成する段階(段階1)と、前記塗膜を乾燥する段階(段階2)と、前記乾燥された塗膜を熱処理して硬化する段階(段階3)とを含む、製造方法を使用することができる。
前記段階1は、ポリイミドを含む樹脂組成物をフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板に塗布して塗膜を形成する段階である。ポリイミドを含む樹脂組成物を基板に塗布する方法は特に限定されず、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェットなどの方法が用いられる。
そして、ポリイミドを含む樹脂組成物は、有機溶媒に溶解または分散させたものであり得る。このような形態を有する場合、例えば、ポリイミドを有機溶媒中で合成した場合には、溶液は得られる反応溶液そのものでも構わないし、また、該反応溶液を他の溶媒に希釈したものでも構わない。また、ポリイミドを粉末として得た場合には、これを有機溶媒に溶解させて溶液にしたものでも構わない。
前記有機溶媒の具体的な例としては、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N-メチルカプロラクタム、2-ピロリドン、N-エチルピロリドン、N-ビニルピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトン、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、3-エトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、1,3-ジメチル-イミダゾリジノン、エチルアミルケトン、メチルノニルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジグリム、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどが挙げられる。これらは単独で使用されてもよく、混合して使用されてもよい。
前記段階2は、ポリイミドを含む樹脂組成物を基板に塗布して形成された塗膜を乾燥する段階である。
前記塗膜の乾燥段階は、ホットプレート、熱風循環炉、赤外線炉などの加熱手段によって行うことができ、50℃以上150℃以下、または50℃以上100℃以下の温度で行うことができる。
前記段階3は、前記乾燥された塗膜を熱処理して硬化する段階である。この時、前記熱処理はホットプレート、熱風循環炉、赤外線炉などの加熱手段によって行うことができ、200℃以上、または200℃以上300℃以下の温度で行うことができる。
前記ポリイミド樹脂層の厚さは特に限定されるものではないが、例えば、0.01μm以上1000μm以下の範囲内で自由に調節可能である。前記ポリイミド樹脂層の厚さが特定の数値ほど増加または減少する場合、ポリイミド樹脂層から測定される物性が一定の数値ほど変化することもできる。
より具体的には、前記ポリイミド樹脂層を積層する段階後にフレキシブルディスプレイ素子を積層する段階において、フレキシブルディスプレイ素子を積層する方法の例は特に限定されず、当該技術分野において知られている技術が用いられる。
前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法は、LTPS(low temperature polysilicon)薄膜製造工程、ITO薄膜製造工程またはOxide薄膜製造工程を含み得る。
例えば、ポリイミド樹脂層を積層する段階後、ポリイミド樹脂層上にSiOを含む遮断層を形成する段階と、
前記遮断層上にa-Si(Amorphous silicon)薄膜を蒸着する段階と、
前記蒸着されたa-Si薄膜を450±50℃の温度で熱処理する脱水素アニーリング段階と、
前記a-Si薄膜をエキシマレーザなどで結晶化させる段階とを含む、LTPS薄膜製造工程を含み得る。
一方、前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板から製造されるディスプレイ装置は、適用分野および具体的な形態などによって多様な構造を有し得、例えば、カバープラスチックウィンドウ、タッチパネル、偏光板、バリアフィルム、発光素子(OLED素子など)、透明基板などを含む構造であり得る。
前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板に対する内容は、上述した前記一実施形態の全ての内容を含む。
フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上に形成されたポリイミド樹脂層およびフレキシブルディスプレイ素子を含むフレキシブルディスプレイ装置を剥離する段階において、前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板が前記高分子樹脂層を含むことによって、剥離強度が低くて剥離が容易であり、剥離工程に追加的な費用が発生しないだけでなく、剥離後にポリイミド樹脂層に転写およびカーリングが発生しないことがある。
本発明の他の一実施形態によれば、前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板と、前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上に形成されたポリイミド樹脂層と、前記ポリイミド樹脂層上に形成されたフレキシブルディスプレイ素子とを含む、フレキシブルディスプレイ装置用積層体が提供される。
前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板、前記ポリイミド樹脂層、および前記フレキシブルディスプレイ素子に対する内容は、上述した前記一実施形態の全ての内容を含む。
従来は、ガラス基板上にポリイミド樹脂層を積層して基板とポリイミド樹脂層との間の剥離強度が大きくて剥離が容易ではなく、剥離工程に追加的な費用が発生するだけでなく、剥離後にポリイミド樹脂層に転写およびカーリングが発生する問題があった。
前記一実施形態のように、前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板と、前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上に形成されたポリイミド樹脂層と、前記ポリイミド樹脂層上に形成されたフレキシブルディスプレイ素子とを含む、フレキシブルディスプレイ装置用積層体の場合、ポリイミド樹脂層との剥離強度が低いフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板を含むことによって、剥離工程に追加的な費用が発生しないだけでなく、剥離後にポリイミド樹脂層に転写およびカーリングが発生しないので、フレキシブルディスプレイ装置の製造が容易である。
前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上に前記ポリイミド樹脂層を積層させる方法は、上述した方法を全て含む。
また、前記ポリイミド樹脂層上に前記フレキシブルディスプレイ素子を積層させる方法は、上述した方法を全て含む。
前記フレキシブルディスプレイ素子が積層されたフレキシブルディスプレイ装置用積層体において、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板を前記ポリイミド樹脂層から剥離して、フレキシブルディスプレイ装置を製造することができる。
具体的には、前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置用積層体において、前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板は、前記ポリイミド樹脂層に対して90度剥離時の剥離強度が1g/cm以上30g/cm以下、2g/cm以上30g/cm以下、3g/cm以上30g/cm以下、または3.5g/cm以上30g/cm以下であり得る。このように、前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置用積層体は、ポリイミド樹脂層に対して1g/cm以上30g/cm以下の小さい剥離強度を有するフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板を含むことによって、フレキシブルディスプレイ装置の製造時に優れた剥離力を実現することができる。
前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板をポリイミド樹脂層に対して90度剥離時、測定される剥離強度が1g/cm未満の場合、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上にポリイミド樹脂層が形成されないので、前記フレキシブルディスプレイ装置用積層体をフレキシブルディスプレイ装置の製造用途として使用するのに不適合である。
前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板をポリイミド樹脂層に対して90度剥離時、測定される剥離強度が30g/cm超の場合、フレキシブルディスプレイ装置の製造時、ポリイミド樹脂層との接着力が強すぎて剥離されたポリイミド樹脂層に破れおよびカーリングが発生してフレキシブルディスプレイ素子およびポリイミド樹脂層の破壊が起こるか、これを剥離するためのレーザなどの別途の剥離工程に伴う工程費用が発生することがある。
前記一実施形態のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板およびポリイミド樹脂層の剥離強度の測定方法および装置の例は具体的に限定されず、従来の剥離強度の測定に使用された多様な方法を制限なく適用することができる。
一例を挙げると、フレキシブルディスプレイ装置用積層体に含まれる前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板に対してポリイミド樹脂層の形成のためにポリイミド前駆体組成物をコーティングし、硬化工程を行った後、ポリイミドフィルムを90度剥離して測定装置:Texture Analyzer(モデル名:TA.XT plus100、Stable micro systems社製)を用いて、ASTM D6862の測定法により剥離強度値を測定することができる。
前記剥離強度の測定対象であるポリイミド樹脂層の厚さは10μmであり得る。前記ポリイミド樹脂層の厚さが特定の数値ほど増加または減少する場合、ポリイミド樹脂層から測定される物性が一定の数値ほど変化することができる。
前記フレキシブルディスプレイ装置の構成および製造方法は、前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板が上述した用途として使用することを除いては、当該技術分野において知られている技術が用いられる。
前記フレキシブルディスプレイ装置は、カーブド(curved)、ベンダブル(bendable)、フレキシブル(flexible)、ローラブル(rollable)、またはフォルダブル(foldable)形態の移動通信端末、スマートフォンまたはタブレットPCのタッチパネル、および各種ディスプレイを全て含む。
前記フレキシブルディスプレイ装置の一例として、フレキシブル発光素子ディスプレイ装置が挙げられる。
例えば、前記有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイは、前記フレキシブルディスプレイ装置のカバーウィンドウが光や画面の出る方向の外角部に位置することができ、電子を提供する負極(cathode)、電子輸送層(Eletron Transport Layer)、発光層(Emission Layer)、正孔輸送層(Hole Transport Layer)、正孔を提供する正極(anode)が順次形成されていてもよい。
また、前記有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイは、正孔注入層(HIL、Hole Injection Layer)と電子注入層(EIL、Electron Injection Layer)をさらに含んでもよい。
前記有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイがフレキシブルディスプレイの役割および作動をするためには、負極および正極の電極と、各構成成分を所定の弾性を有する材料で使用することができる。
前記フレキシブルディスプレイ装置の他の例として、巻取可能ディスプレイ装置(rollable display or foldable display)が挙げられる。
前記巻取可能ディスプレイ装置は、適用分野および具体的な形態などに応じて多様な構造を有することができ、例えば、カバープラスチックウィンドウ、タッチパネル、偏光板、バリアフィルム、発光素子(OLED素子など)、透明基板などを含む構造であってもよい。
本発明によれば、より簡単な工程で損傷なしにフレキシブルディスプレイ装置を製造することができるフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板、これを用いたフレキシブルディスプレイ装置の製造方法、およびフレキシブルディスプレイ装置用積層体が提供される。
本発明を下記の実施例でより詳しく説明する。ただし、下記の実施例は例示に過ぎず、本発明の内容が下記の実施例によって限定されるものではない。
<実施例および比較例:ポリイミド前駆体組成物およびフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の製造>
実施例1-10
(1)ポリイミド前駆体組成物の製造
窒素気流が流れる撹拌機内に有機溶媒N-メチル-2-ピロリドン(NMP)を満たした後、反応器の温度を25℃に維持した状態でp-フェニレンジアミン(p-phenylenediamine、p-PDA)0.0940モルを同じ温度で添加して溶解させた。前記p-フェニレンジアミン(pphenylenediamine、p-PDA)が添加された溶液に酸二無水物として、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(3,3',4,4'-Biphenyltetracarboxylic dianhydride、BPDA)0.0952モルを同じ温度で添加して24時間攪拌してポリイミド前駆体を重合した。前記ポリイミド前駆体固形分およびポリシロキサン(BYK-373)固形分を下記表1に示す重量で有機溶媒メチルピロリドン(NMP)10%比率で溶解してポリイミド前駆体組成物を得た。
(2)フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の製造
前記ポリイミド前駆体組成物をガラス基板上に1μm以下の厚さにスピンコーティングした。ポリイミド前駆体組成物が塗布されたガラス基板をオーブンに入れて260℃で30分間乾燥して、厚さが0.01μm以下であるフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板を製造した。
(3)フレキシブルディスプレイ装置の製造
窒素気流が流れる撹拌機内に有機溶媒N-メチル-2-ピロリドン(NMP)を満たした後、反応器の温度を25℃に維持した状態でp-フェニレンジアミン(p-phenylenediamine、p-PDA)0.0940モルを同じ温度で添加して溶解させた。前記p-フェニレンジアミン(pphenylenediamine、p-PDA)が添加された溶液に酸二無水物として、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(3,3',4,4'-Biphenyltetracarboxylic dianhydride、BPDA)0.0952モルを同じ温度で添加して24時間攪拌してポリイミド前駆体を重合した。前記ポリイミド前駆体固形分を有機溶媒メチルピロリドン(NMP)10%比率で溶解してポリイミド前駆体組成物を得た。
前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上に製造されたポリイミド前駆体組成物を1μm以下の厚さにスピンコーティングした。ポリイミド前駆体組成物が塗布されたフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板をオーブンに入れて5℃/minの速度で加熱し、80℃で30分、260℃で60分を維持して硬化工程を行ってフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上にポリイミド樹脂層を積層した。
フレキシブルディスプレイ素子を積層し、前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板からポリイミド樹脂層およびフレキシブルディスプレイ素子が積層されたフレキシブルディスプレイ装置が自然剥離し、これによってフレキシブルディスプレイ装置を製造した。
実施例11~20
(1)ポリイミド前駆体組成物の製造
窒素気流が流れる撹拌機内に有機溶媒N-メチル-2-ピロリドン(NMP)を満たした後、反応器の温度を25℃に維持した状態で2,2'-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(2,2'-Bis(trifluoromethyl)benzidine、TFMB)0.09055モルを同じ温度で添加して溶解させた。前記2,2'-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(2,2'-Bis(trifluoromethyl)benzidine、TFMB)が添加された溶液に酸二無水物として、下記化学式aで表される9,9-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物(9,9-Bis(3,4-dicarboxyphenyl)fluorene Dianhydride、BPAF)0.0230モルをおよびピロメリット酸無水物(Pyromellitic Dianhydride、PMDA)0.0688モルを同じ温度で添加して24時間攪拌してポリイミド前駆体を重合した。前記ポリイミド前駆体固形分およびポリシロキサン(BYK-373)固形分を下記表1に示す重量で有機溶媒メチルピロリドン(NMP)10wt%で溶解してポリイミド前駆体組成物を得た。
[化学式a]
Figure 2023521590000012
(2)フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板の製造
前記ポリイミド前駆体組成物をガラス基板上に1μm以下の厚さにスピンコーティングした。ポリイミド前駆体組成物が塗布されたガラス基板をオーブンに入れて260℃で30分間乾燥して、厚さが0.01μm以下であるフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板を製造した。
(3)フレキシブルディスプレイ装置の製造
窒素気流が流れる撹拌機内に有機溶媒N-メチル-2-ピロリドン(NMP)を満たした後、反応器の温度を25℃に維持した状態でp-フェニレンジアミン(p-phenylenediamine、p-PDA)0.0940モルを同じ温度で添加して溶解させた。前記p-フェニレンジアミン(pphenylenediamine、p-PDA)が添加された溶液に酸二無水物として、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(3,3',4,4'-Biphenyltetracarboxylic dianhydride、BPDA)0.0952モルを同じ温度で添加して24時間攪拌してポリイミド前駆体を重合した。前記ポリイミド前駆体固形分を有機溶媒メチルピロリドン(NMP)10%比率で溶解してポリイミド前駆体組成物を得た。
前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上に製造されたポリイミド前駆体組成物を1μm以下の厚さにスピンコーティングした。ポリイミド前駆体組成物が塗布されたフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板をオーブンに入れて260℃で30分間乾燥して、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上にポリイミド樹脂層を積層した。
フレキシブルディスプレイ素子を積層し、前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板からポリイミド樹脂層およびフレキシブルディスプレイ素子が積層されたフレキシブルディスプレイ装置が自然剥離し、これによってフレキシブルディスプレイ装置を製造した。
比較例1
ガラス基板をフレキシブルディスプレイ装置製造用基板として使用したことを除いて、実施例1と同様の方法でフレキシブルディスプレイ装置を製造した。
比較例2
ソーダライム基板をフレキシブルディスプレイ装置製造用基板として使用したことを除いて、実施例1と同様の方法でフレキシブルディスプレイ装置を製造した。
比較例3
ポリシロキサン(BYK-373)を添加しないことを除いて、前記実施例1と同様の方法でポリイミド前駆体組成物、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板、およびフレキシブルディスプレイ装置を製造した。
比較例4
ポリシロキサン(BYK-373)を添加しないことを除いて、前記実施例11と同様の方法でポリイミド前駆体組成物、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板、およびフレキシブルディスプレイ装置を製造した。
比較例5
ポリイミド前駆体を添加しないことを除いて、前記実施例1と同様の方法でフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板およびフレキシブルディスプレイ装置を製造した。
比較例6~15
前記ポリイミド前駆体固形分およびポリシロキサン(BYK-373)固形分を下記表1に示す重量で有機溶媒メチルピロリドン(NMP)に溶解してポリイミド前駆体組成物を製造したことを除いて、前記実施例1と同様の方法でフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板およびフレキシブルディスプレイ装置を製造した。
<実験例>
前記実施例および比較例で得られたポリイミド前駆体組成物およびフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板から物性を下記方法で測定し、その結果を表1に示す。
1.ヘイズ
フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板においてガラス基板上に積層されたポリイミドフィルムを分離して、HAZE METER(モデル名:NDH7000、Nippon denshoku社製)を用いて、ASTM D1003の測定法によりヘイズ値を測定した。
2.剥離強度
前記フレキシブルディスプレイ装置の製造工程において、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上にポリイミド樹脂層を積層した後、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板からフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上に形成されたポリイミド樹脂層を90度剥離して、測定装置:Texture Analyzer(モデル名:TA.XT plus100、Stable micro systems社製)を用いて、ASTM D6862測定法により剥離強度値を測定した。
3.転写度
前記フレキシブルディスプレイ装置の製造工程において、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上にポリイミド樹脂層を積層した後、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板からフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上に形成されたポリイミドフィルムを2.5cm×5cmの領域に対して剥離して、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板がポリイミドフィルムに転写される程度を測定し、下記基準によってその結果を評価した。
100%:ポリイミドフィルムに同様に転写
50%:ポリイミドフィルムの一部に転写
0%:転写の発生なし
4.カーリング
前記フレキシブルディスプレイ装置の製造工程において、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上にポリイミド樹脂層を積層した後、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板からフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上に形成されたポリイミドフィルムを2.5cm×5cmの領域に対して剥離し、剥離されたポリイミドフィルムのカーリングの発生程度を測定し、下記基準によってその結果を評価した。
0:ポリイミドフィルムに発生したカーリングが360度未満
∞:ポリイミドフィルムに発生したカーリングが360度以上で1回以上回転
[表1]実施例および比較例における実験例の測定結果
Figure 2023521590000013
上記表1に示すように、実施例で得られたフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板は、ガラス基板およびガラス基板上に積層されたポリシロキサンとポリイミドを含み、1%以下のヘイズを有する高分子樹脂層を含むことによって、ポリイミド樹脂層に対して90度剥離時、剥離強度が1g/cm以上30g/cm以下を満たし、剥離後にポリイミド樹脂層に転写が発生しない同時に、剥離後ポリイミド樹脂層にカーリングが発生しないので、フレキシブルディスプレイ装置の製造が容易であることを確認した。
これに対して、比較例1および比較例2の場合、高分子樹脂層を含まないことで、ポリイミド樹脂層に対する接着力が高すぎるため、ポリイミド樹脂層に転写およびカーリングが発生してフレキシブルディスプレイ装置の製造時、積層型無機素子の破壊およびフィルムが破れるだけでなく、剥離工程に追加的な費用が発生することがある。
また、比較例3および比較例4の場合、高分子樹脂層がポリシロキサンを含まないことで、ポリイミド樹脂層に対する接着力が高すぎるため、ポリイミド樹脂層にカーリングが発生してフレキシブルディスプレイ装置の製造時、積層型無機素子の破壊およびフィルムが破れるだけでなく、剥離工程に追加的な費用が発生することがある。
また、比較例5の場合、高分子樹脂層がポリイミドを含まないことで、ポリイミド樹脂層に対する接着力が低すぎるため、フレキシブルディスプレイ装置の製造が不可能であることを確認することができた。
比較例6~比較例9の場合、高分子樹脂層がポリシロキサンを少量含むことで、ポリイミド樹脂層に対する接着力が高すぎるため、ポリイミド樹脂層にカーリングまたは転写が発生してフレキシブルディスプレイ装置の製造時、積層型無機素子の破壊およびフィルムが破れるだけでなく、剥離工程に追加的な費用が発生することがある。
また、比較例10~比較例13の場合、高分子樹脂層がポリシロキサンを過剰に含むことで、ポリイミド樹脂層に対する接着力が高すぎるため、ポリイミド樹脂層にカーリングまたは転写が発生してフレキシブルディスプレイ装置の製造時、積層型無機素子の破壊およびフィルムが破れるだけでなく、剥離工程に追加的な費用が発生することがある。
また、比較例14および比較例15の場合、高分子樹脂層がポリイミドを過剰に含むことで、高分子樹脂層のヘイズが不良でポリイミド樹脂層に転写が発生し、これによってフレキシブルディスプレイ装置の製造時、積層型無機素子の破壊およびフィルムが破れるだけでなく、剥離工程に追加的な費用が発生することがある。

Claims (20)

  1. ポリシロキサンとポリイミドを含み、1%以下のヘイズを有する高分子樹脂層、および
    ガラス基板を含む、フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板。
  2. 前記高分子樹脂層は、ポリイミド樹脂層に対して90度剥離時、剥離強度が1g/cm以上30g/cm以下である、請求項1に記載のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板。
  3. 前記高分子樹脂層は、ポリイミド樹脂層に対して剥離時、ポリイミド樹脂層に対する転写度が50%以下である、請求項1または2に記載のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板。
  4. 前記高分子樹脂層は、高分子樹脂層の全体重量に対して前記ポリシロキサン固形分を20重量%以上45重量%以下で含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板。
  5. 前記高分子樹脂層は、高分子樹脂層の全体重量に対して前記ポリイミド固形分を0.1重量%以上2.5重量%以下で含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板。
  6. 前記高分子樹脂層は、前記ポリシロキサン固形分100重量部に対して前記ポリイミド固形分を2重量部以上20重量部以下で含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板。
  7. 前記ポリイミドは、芳香族テトラカルボン酸またはその無水物と芳香族ジアミンとの反応物またはこれに由来する繰り返し単位を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板。
  8. 前記ポリイミドは、下記化学式1で表される繰り返し単位を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板:
    [化学式1]
    Figure 2023521590000014
    前記化学式1中、
    は多重環を含む芳香族4価官能基であり、
    は炭素数10以下の芳香族2価官能基である。
  9. 前記Xの4価の官能基は、下記化学式2で表される4価の官能基を含む、請求項8に記載のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板:
    [化学式2]
    Figure 2023521590000015
    前記化学式2中、Arは多重環芳香族2価官能基である。
  10. 前記化学式2中のArで、多重環芳香族2価官能基は、
    少なくとも2以上の芳香族環化合物が含まれている縮合環状2価官能基を含む、請求項9に記載のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板。
  11. 前記化学式2中のArで、多重環芳香族2価官能基はフルオレニレン基を含む、請求項9に記載のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板。
  12. 前記化学式2で表される4価の官能基は、下記化学式2-1で表される官能基を含む、請求項9に記載のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板:
    [化学式2-1]
    Figure 2023521590000016
  13. 前記Yの炭素数10以下の芳香族2価官能基は、
    フッ素系官能基が少なくとも1以上置換された炭素数10以下の芳香族2価官能基を含む、請求項8に記載のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板。
  14. 前記Yの炭素数10以下の芳香族2価官能基は、
    下記化学式3で表される官能基を含む、請求項8に記載のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板:
    [化学式3]
    Figure 2023521590000017
  15. 前記ポリイミドは、下記化学式4で表されるポリイミド繰り返し単位をさらに含む、請求項8に記載のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板:
    [化学式4]
    Figure 2023521590000018
    前記化学式4中、
    は前記Xと異なる4価の官能基であり、
    は炭素数10以下の芳香族2価官能基である。
  16. 前記Xは、下記化学式5で表される4価の官能基のうちの一つである、請求項15に記載のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板:
    [化学式5]
    Figure 2023521590000019
    前記化学式5中、R~Rはそれぞれ独立して、水素または炭素数1~6のアルキル基であり、Lは単結合、-O-、-CO-、-COO-、-S-、-SO-、-SO-、-CR-、-(CH-、-O(CHO-、-COO(CHOCO-、-CONH-、フェニレン、またはこれらの組み合わせからなる群より選択されるいずれか一つであり、前記RおよびRはそれぞれ独立して、水素、炭素数1~10のアルキル基、または炭素数1~10のハロアルキル基のうちの一つであり、tは1~10の整数である。
  17. 請求項1から16のいずれか一項に記載のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上に形成されたポリイミド樹脂層およびフレキシブルディスプレイ素子を含むフレキシブルディスプレイ装置を剥離する段階を含む、フレキシブルディスプレイ装置の製造方法。
  18. フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上にポリイミド樹脂層およびフレキシブルディスプレイ素子を順次積層する段階をさらに含む、請求項17に記載のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法。
  19. 請求項1から16のいずれか一項に記載のフレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板;
    前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板上に形成されたポリイミド樹脂層;および
    前記ポリイミド樹脂層上に形成されたフレキシブルディスプレイ素子;を含む、フレキシブルディスプレイ装置用積層体。
  20. 前記フレキシブルディスプレイ装置製造用複合基板は、前記ポリイミド樹脂層に対して90度剥離時、剥離強度が1g/cm以上30g/cm以下である、請求項19に記載のフレキシブルディスプレイ装置用積層体。
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