JP2021164106A - 振動板及び振動板の製造方法 - Google Patents

振動板及び振動板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐候性を向上させた電気音響変換器用の振動板を提供すること。【解決手段】セルロース繊維20を主成分とする抄紙基材10により構成される電気音響変換器用の振動板1において、抄紙基材10の第1面から所定の厚みの領域である第1面側領域12に含まれる着色用粒子21の質量の合計が、抄紙基材10の第1面の反対の面である第2面から所定の厚みの領域である第2面側領域14に含まれる着色用粒子21の質量の合計よりも大きい。【選択図】図3

Description

この開示は、スピーカやマイクロホン等に用いられる電気音響変換器用の振動板及び振動板の製造方法に関する。
電気音響変換器用の振動板では、一般的に低密度、高ヤング率、適度な内部損失等を有することが求められ、スピーカやマイクロホンの用途に応じ最適な物性を有する材料が適宜選択される。特にセルロース繊維は、安価かつ軽量であり、適度な内部損失を有するため、振動板としての優れた性能を発揮することから、広く採用されている。
また、振動板はスピーカの外観に表れるため、美観の点から着色されて用いられる場合がある。振動板の材料であるセルロース繊維の着色には、特許文献1で示すように直接染料を用いることが知られている。直接染料による着色は、振動板が容易に染まり、発色良好であり、振動板を軽量に維持しつつ、コストが安いというメリットがある。
特開昭60−148295号公報
しかし直接染料により着色された振動板は、例えば直射日光に曝されると退色しやすいという耐候性の問題がある。その対策として耐候性の高い染料として硫化染料を用いることが考えられるが、硫化染料はセルロース繊維を脆化させるおそれがある。
そこで、直接染料に替えて顔料による着色を行う技術が知られている。しかし、顔料はセルロース繊維に着色した際に発色の面で直接染料に劣る傾向にあり、そのため直接染料と同質量の顔料で着色した場合、直接染料と同等の発色をすることが難しい。その対策として顔料の質量を増やすことが考えられるが、振動板全体の質量の増加や振動板の物性の変化により、電気音響変換の特性を低下させるおそれがある。
この開示は、このような問題の少なくとも一部を解決するためになされたもので、その目的とするところは、耐候性を向上させた電気音響変換器用の振動板を提供することにある。
上記目的を達成するために本開示に係る振動板は、セルロース繊維を主成分とする抄紙基材により構成される電気音響変換器用の振動板において、前記抄紙基材の第1面から所定の厚みの領域である第1面側領域に含まれる着色用粒子の質量の合計が、前記第1面の反対の面である第2面から所定の厚みの領域である第2面側領域に含まれる着色用粒子の質量の合計よりも大きい。
また、前記着色用粒子は平均粒径が700nm以下でもよい。
また、前記着色用粒子は平均粒径が400nm以下でもよい。
また、前記抄紙基材は、直接染料により染色されていてもよい。
また、前記着色用粒子はカーボンブラックでもよい。
また、前記第1面側領域は、前記抄紙基材の厚みの少なくとも1/10の厚みを有する領域でもよい。
また、前記第1面側領域に含まれる着色用粒子の質量の合計が、前記第2面側領域に含まれる着色用粒子の質量の合計よりも2倍以上大きくてもよい。
また、前記抄紙基材は略コーン形状であり、前記略コーン形状の裏面が前記抄紙基材の前記第2面となってもよい。
また振動板は、車載用スピーカに用いられてもよい。
また、上記目的を達成するために振動板の製造方法は、抄紙基材により構成される電気音響変換器用の振動板の製造方法において、セルロース繊維を主成分とする抄紙基材に着色用粒子を溶媒に分散させた着色塗料を含浸させる含浸ステップと、前記着色塗料を含浸させた抄紙基材を乾燥させる乾燥ステップと、を備え、前記乾燥ステップにおいて、前記抄紙基材の第1面に接する空間における溶媒の蒸気圧よりも前記抄紙基材の前記第1面の反対の面である第2面に接する空間における溶媒の蒸気圧が大きくなるように乾燥させることで、前記抄紙基材の第1面から所定の厚みの領域である第1面側領域に含まれる着色用粒子の質量の合計を、前記第2面から所定の厚みの領域である第2面側領域に含まれる着色用粒子の質量の合計よりも大きくする。
以上のように本開示によれば、耐候性を向上させた電気音響変換器用の振動板を提供することができる。
本開示の実施例に係る電気音響変換器用の振動板の斜視図である。 本開示の実施例に係る電気音響変換器用の振動板の断面図である。 本開示の実施例に係る電気音響変換器用の振動板の断面の模式図である。 本開示の実施例に係る電気音響変換器用の振動板の断面の光学顕微鏡写真である。 乾燥条件の違いによる電気音響変換器用の振動板のL値を示すグラフである。
以下、本開示の実施例に係る電気音響変換器用の振動板について説明する。
図1は、本開示の実施例に係る電気音響変換器用の振動板の斜視図であり、図2はその断面図である。図3は、本開示の実施例に係る電気音響変換器用の振動板の断面の模式図であり、図4はその光学顕微鏡写真である。
図1、図2に示す振動板1は、スピーカ(電気音響変換器)用の振動板であり円錐台状(略コーン形状)をなしている。当該振動板1は径の小さい開口側が図示しないボイスコイル等のスピーカの振動源に取り付けられる。ボイスコイルに通電することにより振動板1が振動し、振動した振動板1が空気を振動させることで、音を放射することができる。すなわち電気音響変換を行うことができる。この振動板1の円錐部分の内面が音の放射面となり、外部から視認可能な表面(第1面11)となる。一方、振動板1の円錐部分の外面すなわち裏面(第2面13)側には図示しないスピーカの各種装置が配置される。
振動板1は、セルロース繊維20を主とした繊維材料で構成された抄紙基材10により形成される。
詳しくは、抄紙基材10は叩解度10°SR以上50°SR以下で叩解したセルロース繊維20(繊維材料)を調液し、振動板形状に抄紙したものである。本実施例のセルロース繊維20は、主に針葉樹を原料としたパルプである。この他にも、セルロース繊維20として、木材パルプ又はケナフなどの非木材パルプを用いることができ、その他の木材パルプと非木材パルプとの混合したもの、木材パルプ単体や非木材パルプ単体を用いてもよい。また、セルロース繊維20の平均繊維径(最大幅)は5μm以上90μm以下が好ましい。なお、セルロース繊維20の繊維長は特に限定されるものではなく、一般的な抄紙に用いられる繊維長のものを適宜選択できる。
図2から図4において、抄紙基材10は、厚み方向に第1面側領域12、中間領域15、第2面側領域14の領域があるものとして説明する。抄紙基材10は、黒色の直接染料(例えばDirect Black 19)で抄紙基材10の全体のセルロース繊維20が染色されている。図3の模式図で示すように抄紙基材10には、セルロース繊維20の表面やセルロース繊維20の繊維間に着色用粒子21である顔料が含まれる。顔料は、例えばカーボンブラックである。着色用粒子21は、発色の観点から平均粒径が700nm以下であることが望ましい。着色用粒子21の粒径が大きくなると発色性が低下するためである。また、粒径が小さいことにより後述する乾燥ステップで、着色用粒子21がセルロース繊維20の間を移動しやすいためである。そのため、より好ましくは着色用粒子21の平均粒径が400nm以下であることが望ましい。なお図3は、セルロース繊維20、着色用粒子21の関係をわかりやすく説明するために、各要素を実際の寸法よりも誇張して示している。
図3で示すように、第1面11から厚みtの領域である第1面側領域12に含まれる着色用粒子21の量は、第2面13から同じ厚みtの領域である第2面側領域14に含まれる着色用粒子21の量よりも多い。すなわち個々の着色用粒子21の質量を同じとした場合に、第1面11から厚みtの領域である第1面側領域12に含まれる着色用粒子21の質量の合計は、第2面13から厚みtの領域である第2面側領域14に含まれる着色用粒子21の質量の合計よりも多い。また、第1面側領域12と第2面側領域14の間の中間領域15においても、同じ厚みtの領域で区切った場合、すなわち第1面側領域12と第2面側領域14と中間領域15とをすべて同じ厚みの領域で区画した場合、第1面側領域12に含まれる着色用粒子21の量は、中間領域15に含まれる着色用粒子21の量よりも多い。すなわち、第1面側領域12に含まれる着色用粒子21の質量の合計は、中間領域15のうち厚みtの領域に含まれる着色用粒子21の質量の合計よりも多い。
図4は、振動板1の抄紙基材10の断面の光学顕微鏡写真である。図4は、着色用粒子21による着色状態をわかりやすくするため、抄紙基材10を直接染料で着色せず、カーボンブラック(着色用粒子21)のみで着色したものである。図4で示すように、抄紙基材10の総厚は約0.22mmである。抄紙基材10において、第1面11の表面から0.04mmの厚みの領域である第1面側領域12は黒く着色され、着色用粒子21により濃く着色されていることがわかる。そして第1面側領域12は、抄紙基材10の厚み0.22mmに対して少なくとも1/10の厚み以上の領域である。抄紙基材10の第2面側領域14は、第1面側領域12に比較して黒の色が薄い。また、中間領域15も第1面側領域12に比較して黒の色が薄い。これは上述したように第1面側領域12に含まれる着色用粒子21の量が、第2面側領域14に含まれる着色用粒子21の量よりも多いことを示している。すなわち、第1面側領域12に含まれる着色用粒子21の質量の合計は、第2面側領域14に含まれる着色用粒子21の質量の合計よりも大きい。そして、その差は少なくとも2倍以上である。なお、抄紙基材10内の各領域に含まれる着色用粒子21の質量は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)等の画像から、所定の領域において観察される着色用粒子21の量や密度を用いて算出しても良い。
以上のように、本開示の振動板1において、抄紙基材10の着色用粒子21の配置を第1面側領域12に局在化することにより、抄紙基材10に対する着色用粒子21の使用量を低減しつつ、抄紙基材10の表面の着色用粒子21の量が多くなることにより振動板1の表面ムラを抑制し、かつ黒さを向上することができる。
着色用粒子21のカーボンブラックは、Direct Black 19等の直接染料に比較して光照射、特に紫外線照射による変化が生じにくく、退色が抑制される。そのため、第1面11側から振動板1を見たときに、退色による色の変化が生じにくく、耐候性(耐光性)の高い振動板を提供することができる。
また、カーボンブラックの使用量を低減することにより、振動板の質量の増加を抑制し、振動板1の物性の変化による電気音響変換の特性の低下、すなわち、音質の低下を防ぐことができる。さらに、カーボンブラックの使用量を低減することにより、コストダウンを図ることができる。また、抄紙基材10の表面の着色用粒子21の量が多くなることにより振動板1の光に対する耐候性が向上するため、耐環境性が要求される車載用スピーカに好適に用いることができる。
また、本開示の振動板1の抄紙基材10は、直接染料で染色されているため、カーボンブラックのみで着色した場合に比較して、より黒色の発色を実現し、よりムラを抑制することができる。そして、第1面側領域12に局在化するカーボンブラックが紫外線等を吸収や反射することにより、紫外線等が抄紙基材10の内部への侵入することを防ぎ、直接染料の退色を抑制することができる。
(製造方法)
次に本開示の実施例に係る電気音響変換器用の振動板の製造工程について説明する。以下の説明では、直接染料としてDirect Black 19、着色用粒子としてカーボンブラックを用いて説明する。
まず、直接染料を添加し着色したセルロース繊維20(繊維材料)を調液し、振動板形状に抄紙し、乾燥させることで抄紙基材10を成形する。
次に、着色用粒子であるカーボンブラックを有機溶媒である酢酸エチルに分散させた分散体を着色塗料として、抄紙基材10の全体に5〜10秒程度含浸させる(含浸ステップ)。本実施例における着色塗料は、カーボンブラックが1〜5質量%含まれるように調整された酢酸エチル溶液である。そして、着色塗料が含浸した抄紙基材10を乾燥させ、酢酸エチルを揮発乾燥させることにより、抄紙基材10を着色する(乾燥ステップ)。
乾燥ステップにおいて、抄紙基材10の第1面11に接触する空間における酢酸エチルの蒸気圧よりも抄紙基材10の第2面13に接触する空間における酢酸エチルの蒸気圧が大きくなるように乾燥させる。具体的には、第1面11に接触する空間と、第2面13に接触する空間とを治具等により物理的に区画し、第1面11に接触する空間を開放空間(又は略開放空間)とし、第2面13に接触する空間を密閉空間(又は略密閉空間)とする。また、第2面13に接触する空間を第1面11に接触する空間よりも小さくする。このような状態で抄紙基材10を乾燥することで、第2面13に接触する空間における酢酸エチルの蒸気圧は、早期に飽和蒸気圧に到達するが、第1面11に接触する空間における酢酸エチルの蒸気圧は相対的に低く保たれる。そのため、抄紙基材10の全体に含浸した着色塗料の溶媒である酢酸エチルは、第1面11側から積極的に揮発する。それに伴い、抄紙基材10の中で酢酸エチルは第2面13側から第1面11側へと移動する。酢酸エチルの移動に伴い、カーボンブラックも第2面13側から第1面11側へと移動する。そのため、酢酸エチルの揮発乾燥後、抄紙基材10の第1面側領域12は、第2面側領域14に比較してカーボンブラックの量が多くなる。
ここで第1面11に接する空間と第2面13に接する空間を物理的に区画せず、両面から揮発乾燥を行った抄紙基材10を比較例として説明する。比較例では、酢酸エチルは第1面11及び第2面13の両面から揮発するため、カーボンブラックも第1面側領域12と、第2面側領域14の双方に移動する。
図5は、本開示の実施例の揮発乾燥方法(片面乾燥)と比較例の揮発乾燥方法(両面乾燥)により作成した振動板の、それぞれの第1面(表面)のL値と第2面(裏面)のL値を示すグラフである。L値とは、物質が有する色の明度(lightness)を規定する値をいい、0〜100の間の数値で表される指標である。L値が100である場合は白色を示し、L値が小さくなるに従い色が濃くなり、L値が0である場合は黒色を示す。なお、図5のL値を測定した抄紙基材10は、乾燥方法の違いによるL値の差異をわかりやすくするため、抄紙基材10を直接染料で着色せず、着色用粒子のカーボンブラックのみで着色したものである。
比較例である両面乾燥を行った抄紙基材10の表面のL値は約33、裏面は約32である。これに対して本開示の実施例の片面乾燥を行った抄紙基材10の表面のL値は約30、裏面は約48である。比較例では、表面と裏面でL値にほぼ差がなかった。一方で、実施例では、表面のL値が裏面よりも小さくなり、表面側の方が黒色が濃く、カーボンブラックの量が多いことがわかる。
以上説明したように、本開示の実施例に係る振動板の製造方法によれば、第1面側領域12に含まれる着色用粒子21の量は、第2面側領域14に含まれる着色用粒子21の量より多く、すなわち、第1面側領域12に含まれる着色用粒子21の質量の合計を、第2面側領域14に含まれる着色用粒子21の質量の合計よりも大きくすることができる。なお、含浸ステップにおける抄紙基材10への着色塗料の含浸方法は、着色塗料をスプレーにより抄紙基材10の表面に塗布することにより含浸しても良いし、着色塗料を抄紙基材10の表面又は裏面に滴下して塗り広げ含浸させても良いし、筆等で直接に着色塗料を抄紙基材10の表面に塗り広げて含浸させても良く、着色塗料の塗布及び含浸の手段は限定されない。乾燥ステップにおいて、抄紙基材10の第1面11及び第2面13に接する空間における溶媒の蒸気圧をコントロールすることにより、容易に振動板1の表面(第1面11)全体に均一に着色用粒子21を配置できる。第1面側領域12に含まれる着色用粒子21の量が多くなり、一定の密度以上になると、第1面11の見かけ上の黒さは飽和して変化しなくなる。片面乾燥により、その片面(表面)に着色用粒子21を集めることができるので、表面全体の着色用粒子の密度を一定の密度以上にでき、ムラを生じにくい。また、着色塗料の溶媒に有機溶媒を用いることで揮発乾燥時の速乾性を確保し、工程作業時間の短縮を図ることができる。
なお、以上の実施例において溶媒として酢酸エチルを用いて説明したが、他の溶媒を用いても構わない。また、例えばカーボンブラック等の着色用粒子の表面に水酸基等の親水基を設け、水を溶媒として分散体を調整し、着色塗料としても構わない。
このように、本開示におけるセルロース繊維20を主成分とする抄紙基材10により構成される電気音響変換器用の振動板1は、抄紙基材10の第1面11から所定の厚みの領域である第1面側領域12に含まれる着色用粒子21の質量の合計が、抄紙基材10の第1面11の反対の面である第2面13から所定の厚みの領域である第2面側領域14に含まれる着色用粒子21の質量の合計よりも大きい。
着色用粒子21である顔料は、直接染料に比較して、光照射、特に紫外線照射による変化が生じにくく、退色が抑制される。そのため、振動板1を第1面11側から見たときに、退色による色の変化が生じにくく、耐候性を向上させた振動板1を提供することができる。
以上の実施例の説明において、着色用粒子として黒色顔料であるカーボンブラックを例として説明してきたが、着色用粒子はこれに限られるものではない。例えば、亜鉛華、鉛白、二酸化チタン、沈降性硫酸バリウム等の白色顔料や、鉛丹、酸化鉄赤、ブリリアントカーミン、キナクリドンレッド等の赤色顔料、黄鉛、亜鉛黄、ジスアゾイエロー等の黄色顔料、ウルトラマリン青、フェロシアン化鉄カリ、フタロシアニンブルー等の青色顔料等の無機顔料や有機顔料からなるカラー顔料を用いても構わないし、これ以外の顔料を用いても構わない。また、それらの顔料の色調に合わせて、抄紙基材10を染色する直接染料の色を選択しても構わない。
また、抄紙基材10の直接染料による染色は必ずしも必要ではなく、振動板1に用いるスピーカの要求仕様に合わせて適宜選択できるものである。
なお、着色用粒子21とニトロセルロースと溶剤をそれぞれ混ぜて調整した分散体を着色塗料として使用しても構わない。それにより、溶剤を揮発乾燥した後に、抄紙基材10の第1面11にニトロセルロースの膜(塗膜)が形成される。そのため、着色用粒子21の抄紙基材10への定着性を高めることができる。さらに振動板1の第1面11に光沢を持たせることができる。また、ニトロセルロースに替えて、乾性油や、天然樹脂、合成樹脂、セルロース誘導体などの高分子物質を用いても構わない。
以上で本開示の実施例の説明を終えるが、本開示の態様はこの実施例に限定されるものではない。
上記実施例では、振動板1の円錐部分の内面を第1面11として、振動板1の円錐部分の外面を第2面として説明したが、円錐部分の外面を第1面11とし、円錐部分の外面側に第1面側領域12に着色用粒子21を多く存在させてもよい。また上記実施例では、振動板1の形状を略コーン形状としていたが、振動板の形状はその他の形状のものであってもよい。
1 振動板
10 抄紙基材
11 第1面
12 第1面側領域
13 第2面
14 第2面側領域
15 中間領域
20 セルロース繊維(繊維材料)
21 着色用粒子

Claims (10)

  1. セルロース繊維を主成分とする抄紙基材により構成される電気音響変換器用の振動板において、
    前記抄紙基材の第1面から所定の厚みの領域である第1面側領域に含まれる着色用粒子の質量の合計が、前記第1面の反対の面である第2面から所定の厚みの領域である第2面側領域に含まれる着色用粒子の質量の合計よりも大きい振動板。
  2. 前記着色用粒子は平均粒径が700nm以下である請求項1に記載の振動板。
  3. 前記着色用粒子は平均粒径が400nm以下である請求項1に記載の振動板。
  4. 前記抄紙基材は、直接染料により染色されている請求項1から3のいずれか一項に記載の振動板。
  5. 前記着色用粒子はカーボンブラックである請求項1から4のいずれか一項に記載の振動板。
  6. 前記第1面側領域は、前記抄紙基材の厚みの少なくとも1/10の厚みを有する領域である請求項1から5のいずれか一項に記載の振動板。
  7. 前記第1面側領域に含まれる着色用粒子の質量の合計が、前記第2面側領域に含まれる着色用粒子の質量の合計よりも2倍以上大きい請求項1から6のいずれか一項に記載の振動板。
  8. 前記抄紙基材は略コーン形状であり、前記略コーン形状の裏面が前記抄紙基材の前記第2面となる請求項1から7のいずれか一項に記載の振動板。
  9. 振動板は、車載用スピーカに用いられる請求項1から8のいずれか一項に記載の振動板。
  10. 抄紙基材により構成される電気音響変換器用の振動板の製造方法において、
    セルロース繊維を主成分とする抄紙基材に着色用粒子を溶媒に分散させた着色塗料を含浸させる含浸ステップと、
    前記着色塗料を含浸させた抄紙基材を乾燥させる乾燥ステップと、
    を備え、
    前記乾燥ステップにおいて、前記抄紙基材の第1面に接する空間における溶媒の蒸気圧よりも前記抄紙基材の前記第1面の反対の面である第2面に接する空間における溶媒の蒸気圧が大きくなるように乾燥させることで、前記抄紙基材の第1面から所定の厚みの領域である第1面側領域に含まれる着色用粒子の質量の合計を、前記第2面から所定の厚みの領域である第2面側領域に含まれる着色用粒子の質量の合計よりも大きくする振動板の製造方法。

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