JP2006192735A - 顔料インク用インクジェット記録用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】高白紙光沢で、顔料インクでの印字部耐擦性、印字部光沢および印字濃度に優れ、印字ムラのない顔料インク用インクジェット記録用紙を提供すること。
【解決手段】支持体と、その支持体上に形成されたインク受容層と、そのインク受容層上に形成された光沢層とを備えている。光沢層はその構成成分として、平均一次粒子径が60〜90nmであるアニオン性のコロイダルシリカと平均一次粒子径が150〜400nmであるアルミナを有し、該アルミナのBET比表面積は90〜200m2/gであり、アニオン性のコロイダルシリカのアルミナに対する重量配合比Rは、1/9≦R≦5/5である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高白紙光沢で、顔料インクでの印字部耐擦性、印字部光沢および印字濃度に優れ、印字ムラのない顔料インク用インクジェット記録用紙に関する。
インクジェット記録方式は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙等の記録シートに付着させ、画像・文字等の記録を行うものであるが、高速、低騒音で、多色化が容易であり、記録パターンの融通性が大きくて、現像および定着が不要であるなどの特徴があり、各種図形およびカラー画像等の記録装置として種々の用途において急速に普及している。
インクジェット方式で画像を形成して記録を行うための記録媒体としては、普通紙の他、支持体上にインク受容層を設けた記録媒体、さらに、表面に光沢層を設けた記録媒体などが用いられている。特に、近年、より高解像度で鮮明なカラー画像が得られること、および得られた画像が長期間鮮明であることが望まれているため、光沢層を有する記録媒体が、特に写真などの画像記録用に広く用いられている。
このインクジェット方式用のインクとしては、染料インクと顔料インクがある。染料インクは、発色性の点では優れているものの、経時により紫外線やオゾン等により酸化され、画像が褪色して見栄えが悪くなるという問題がある。一方、顔料インクは画像の保存安定性の点で優れているが、染料インクと比較すると、発色濃度および彩度の画像品質面において、やや劣るという欠点がある。そこで、顔料インクを使用した場合において画像品質の低下を回避することができる顔料インク用インクジェット記録媒体として、以下の特許文献1〜3に開示されたものが知られている。
特許文献1には、支持体上に、気相法アルミナと親水性樹脂を主成分とするインク受理層を1層以上有し、前記インク受理層上にカチオン性樹脂を主成分とするオーバー層を有する顔料インク用インクジェット記録媒体が開示されている。
また、特許文献2には、インク受容層が、顔料インク内の溶媒を吸収することのできる溶媒吸収層の上に、顔料を担持することのできる顔料定着層を有する顔料インク用インクジェット記録媒体が開示されている。
さらに、特許文献3には、基材と、該基材上に形成されたインク受理層と、該インク受理層上に形成された光沢層とを備え、色材として顔料を用いたインクにより、インクジェット方式で所望の記録を行う際に用いられる顔料インク用記録媒体において、前記光沢層は、その構成成分としてアルミナ又はシリカを含有してなり、前記アルミナ又は前記シリカは、その平均粒径が、8〜100nmである顔料インク用記録媒体が開示されている。
特開2004−216614号公報 特開2000−127613号公報 特開2002−211113号公報
しかし、顔料インクは染料インクに比べて分子量が非常に大きく、そのため、にじみの制御等の定着機構も低分子レベルの染料の反応とは大きく異なっており、顔料インクを使用して画質の向上を図るには、そのような点にも留意する必要がある。特許文献1ないし3に開示されたインクジェット記録媒体によれば、従来のものより画像の質は向上する。しかし、現在では、より高度な画像の質が求められており、しかも、光沢調の記録紙は表面が平滑であることから、顔料インクのインク粒子が表面に定着し難いので、耐擦性に劣り、印字ムラが発生しやすいという問題がある。この点で、特許文献1ないし3に開示されたものは、現在要求されているレベルの高い光沢感を伴った写真調の画像が得られる記録媒体ではないというのが実情である。
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、高白紙光沢で、顔料インクでの印字部耐擦性、印字部光沢および印字濃度に優れ、印字ムラのない顔料インク用インクジェット記録用紙を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の顔料インク用インクジェット記録用紙は、支持体と、その支持体上に形成された少なくとも1層のインク受容層と、そのインク受容層上に形成された光沢層とを備え、顔料インクによりインクジェット方式で記録を行う顔料インク用インクジェット記録用紙において、光沢層はその構成成分として、平均一次粒子径が60〜90nmであるアニオン性のコロイダルシリカと平均一次粒子径が150〜400nmであるアルミナを有し、該アルミナのBET比表面積は90〜200m2/gであり、アニオン性のコロイダルシリカのアルミナに対する重量配合比Rは、1/9≦R≦5/5であることを特徴としている。
一般に、光沢感を付与するためには、粒子径の小さな顔料であるシリカなどのコロイド粒子とバインダーを用いる手法が多く行われているが、球状のコロイド粒子を用いると、造膜後の空隙が小さくなるのでインク吸収速度が小さくなり、ブリード(滲み)が発生しやすいという欠点がある。
一方、アルミナ水和物は正電荷を有しているため、インク材料の定着がよいので、発色性が高く、しかも、高光沢性の画像が得やすいという利点がある。しかしながら、アルミナ水和物をインク受容層の構成材料として使用した記録媒体では、高精細のカラー画像を短時間で記録するための印字では、時間当たりに記録媒体に供給されるインク量は多くなるので、アルミナの粒径によっては、印字したインクがアルミナ水和物で吸収しきれずにインク受容層表面に溢れ出して、印字品位が悪くなってしまうという欠点がある。
そこで、本発明に従って、特定の平均一次粒子径のアニオン性のコロイダルシリカと特定の平均一次粒子径のアルミナを併用して両者を特定の比率で配合することにより、アニオン性のコロイダルシリカとカチオン性のアルミナとの間のイオン吸引力により両者が引き合うので、コロイダルシリカとアルミナの良好な分散状態が形成され、両者の長所を活かして、高光沢で印字部耐擦性に優れ、印字ムラがなく、印字濃度が高い顔料インク用インクジェット記録用紙を提供することができる。
本発明によれば、高白紙光沢で、顔料インクでの印字部耐擦性、印字部光沢および印字濃度に優れ、印字ムラのない顔料インク用インクジェット記録用紙を提供することができる。
本発明の顔料インク用インクジェット記録用紙は、支持体と、その支持体上に形成された少なくとも1層のインク受容層と、そのインク受容層上に形成された光沢層とを備えており、具体的な実施形態について以下に説明する。
本発明の顔料インク用インクジェット記録用紙の支持体の原料としては、例えば、広葉樹クラフトパルプ、天然パルプ、合成パルプ等が挙げられる。天然パルプとしては、通常に製紙用に用いられるパルプであれば、いずれも使用可能である。すなわち、広葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等が挙げられる。また、木材繊維を含む主原料として、化学的に処理されたパルプ、木材以外の繊維原料であるケナフ、麻、葦等非木材繊維を主原料として化学的に処理されたパルプやチップを機械的にパルプ化したグランドパルプ、木材またはチップに化学薬品を添加しながら機械的にパルプ化したケミグランドパルプ、及びチップを軟らかくなるまで蒸解した後、レファイナー等でパルプ化したセミケミカルパルプ等のバージンパルプ等が挙げられる。また、必要に応じて、合成パルプ、合成繊維、無機繊維等の各種繊維状物質を原料として用いることができる。また、新聞古紙、雑誌古紙、段ボール古紙等を原料として製造された古紙パルプを配合することもできる。
本発明の顔料インク用インクジェット記録用紙の支持体は、上記原料を用いて抄紙して製造することができる。抄紙は、例えば、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、オントップ抄紙機、ハイブリッド抄紙機または丸網抄紙機等の抄紙機を用いて抄紙することができる。抄紙する際には、パルプに、インクジェット記録用紙を製造する際に通常に用いられる添加剤を添加することができる。このような添加剤としては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール系高分子化合物、尿素樹脂、メラミン樹脂、澱粉等の紙力増強剤:硫酸バンド等の薬品定着剤:ポリアクリルアミド、アクリルアミド−アミノメチルアクリルアミドの共重合体の塩、カチオン化澱粉、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、アクリルアミド−アクリル酸ナトリウムの共重合物等の濾水性あるいは歩留まり向上剤:ロジンサイズ、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水コハク酸(ASA)等のサイズ剤:ポリアミド、ポリアミン、エピクロルヒドリン等の耐水化剤:消泡剤、タルク等の填料:染料:色顔料:抗菌剤:紫外線吸収剤:pH調整剤等を挙げることができる。
本発明の顔料インク用インクジェット記録用紙のインク受容層は、インクを吸収して乾燥するための層であり、顔料を含んでいる。その顔料としては、非晶質シリカ、アルミナ、クレー、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、炭酸マグネシウム、過硫酸バリウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、コロイダルシリカ、アルミナとシリカの複合体、ゼオライト、珪藻土、水酸化マグネシウム、ハイドロキシアパタイト、マイカ、二酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸鉛等を挙げることができる。中でも、インク吸収性を向上させる観点から、非晶質シリカを主成分とするものが好ましい。顔料は、その平均粒径が0.01〜9.0μmのものが好ましく、0.01〜8.0μmのものがさらに好ましい。また、そのBET比表面積は100〜400m2/g であることが好ましく、100〜300m2/g であることがさらに好ましい。上記顔料は、単独で用いてもよく、または2種以上を混合して用いてもよい。
光沢層に用いられる顔料としては、平均一次粒子径が60〜90nmのコロイダルシリカと平均一次粒子径が150〜400nmのアルミナが好ましく用いられる。コロイダルシリカの平均一次粒子径が60nmより小さいか又はアルミナの平均一次粒子径が150nmより小さくなると、顔料インク吸収性が劣る。また、コロイダルシリカの平均一次粒子径が90nmより大きいか又はアルミナの平均一次粒子径が400nmより大きくなると、光沢度が低下するという不都合な点がある。なお、平均一次粒子径とは、水中にコロイダルシリカまたはアルミナを10%の濃度で分散させた状態での体積平均粒子径をいう。
平均一次粒子径が60〜90nmであるコロイダルシリカ(A)の平均一次粒子径が150〜400nmであるアルミナ(B)に対する重量配合比R(=A/B)は、1/9≦R≦5/5であることが好ましい。コロイダルシリカの比率が上記範囲より多いと(アルミナの比率が上記範囲より少ないと)、顔料インク吸収性が低下し、コロイダルシリカの比率が上記範囲より少ないと(アルミナの比率が上記範囲より多いと)、インク吸収性は向上するものの、白紙光沢度が低下し、記録画像の印字濃度も低下しやすくなる。本発明において、上記平均一次粒子径のコロイダルシリカ(A)のアルミナ(B)に対するさらに好ましい重量配合比R(=A/B)は、15/85≦R≦30/30である。
このように、本発明は光沢層の構成成分として、コロイダルシリカとアルミナを有することを特徴としており、本発明の効果を発揮する上で特に好ましいコロイダルシリカとアルミナの特性および粒径について詳細に説明する。
コロイダルシリカとは、一般的に無水珪酸(シリカ)の超微粒子を安定に水に分散させたアニオン性のコロイド状分散液であり、代表的なコロイダルシリカは、7〜50nmの球状シリカ微粒子が水中に安定なコロイド状態で分散したものである。コロイダルシリカの代表的な製造方法として最も一般的なのは、イオン交換樹脂を用いる方法で、例えば、米国特許第2577484号明細書に開示された方法によれば、ケイ酸ソーダの希釈水溶液をカチオン交換樹脂で処理して酸性の活性ケイ酸水溶液を調製し、この活性ケイ酸水溶液の一部に対しアルカリを添加して安定化させて重合することにより、シード粒子と呼ぶシリカ微粒子が分散した液(シード液)を作り、系をアルカリに保ちながら活性ケイ酸水溶液の残部(フィード液)をこれに徐々に添加してケイ酸を重合させ、シード粒子を成長させてコロイダルシリカが得られる。
コロイダルシリカは、通常はシリカの各微粒子に、それらが互いに反発し合うのに充分な負電荷(アニオン性)を有している。一方、アルミナ水和物は正電荷(カチオン性)を有している。そこで、本発明の適正粒径のコロイダルシリカと適正粒径のアルミナ水和物を本発明の範囲内で配合することにより、アニオン性のコロイダルシリカとカチオン性のアルミナとの間のイオン吸引力により両者が引き合うので、比較的小径のコロイダルシリカの群の中に比較的大径のアルミナが適正に分散した状態が形成される。そこで、上記したようなコロイダルシリカの長所とアルミナの長所が活かされて、高光沢で印字部耐擦性に優れ、印字ムラがなく、印字濃度が高い顔料インク用インクジェット記録用紙を提供することができるのである。
ところで、コロイダルシリカに対して無機カチオン処理または有機カチオン処理をすることも知られている。無機カチオン処理されたコロイダルシリカとは、一般的にシリカにアルミニウムイオン等の多価金属イオンの化合物を反応させて得ることができるもので、少なくともシリカ粒子表面がカチオン性に荷電している。また、有機チオン処理されたコロイダルシリカとは、一般的にシリカに第1〜3級アミン基、3級アンモニウム塩基等の有機カチオン性基を有する有機カチオン性化合物を反応させて得ることができるもので、少なくともシリカ粒子表面がカチオン性に荷電している。
しかし、カチオン性のコロイダルシリカとカチオン性のアルミナとの間では、互いに反発し合うような力が働くので、本発明の適正粒径のコロイダルシリカと適正粒径のアルミナを本発明の範囲内で配合したとしても、カチオン性のコロイダルシリカの群の中にカチオン性のアルミナが適正に分散することは困難で、アルミナが偏在した状態が形成されやすくなる。
そこで、本発明の効果を発揮するためには、コロイダルシリカはアニオン性であることが好ましい。
また、コロイダルシリカは、その殆どが真球状粒子であり、各一次粒子が凝集することなく単分散しているため、塗工層乾燥状態では粒子が密に充填され、粒子間の空隙が非常に少ない構造をとる。この点でコロイダルシリカの粒径が小さいほど、乾燥した場合に非常に透明で高光沢の塗膜を得やすいという利点はあるが、一方、粒子間の空隙が少ないことで、インク吸収速度が遅くなり、インクあふれや、濃度ムラの原因となりやすい。従って、コロイダルシリカの粒径が小さすぎるのは避けるべきで、特に、60nm以下の微小粒径(平均一次粒子径)のコロイダルシリカを用いるのは好ましくない。一方、高光沢の塗膜を得るためには、90nm以上の粒径(平均一次粒子径)のコロイダルシリカを用いるのは好ましくない。
アニオン性のコロイダルシリカとカチオン性のアルミナとの良好な分散状態を達成するためには、相対的に小粒径のコロイダルシリカと相対的に大粒径のアルミナとを配合するのが好ましい。というのは、アニオン性のコロイダルシリカとカチオン性のアルミナの粒径が近似していると、両者が互いに引き合う吸引力によりコロイダルシリカとアルミナの凝集物が形成されやすくなるからである。一方、アルミナの粒径が大きくなりすぎると、高光沢が得られなくなる。そこで、アルミナの平均一次粒子径は、150〜400nm程度が好ましい。
また、アルミナのBET比表面積は、90〜200m2/gであることが好ましい。アルミナの比表面積が上記範囲下限より小さい場合には、一次粒子が大きくなるため、光散乱が強くなり、乾燥塗膜の透明性が低下し、印字濃度が低下する恐れがある。一方、アルミナの比表面積が上記範囲上限より大きい場合には、バインダーと混合して乾燥塗膜を作製する場合に、ひび割れが起こり易くなり、良好な塗膜が得られないことがある。この点で、アルミナのBET比表面積は、100〜170m2/gであることが、さらに好ましい。
なお、本発明の効果を損なわない範囲で、光沢層の顔料として、コロイダルシリカとアルミナ以外の物質を混合することも可能である。具体的な例としては、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン、クレー、酸化亜鉛等を挙げることができる。
インク受容層および光沢層にはバインダーが含有されていることが好ましく、このようなバインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリビニルアセタール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリエチレンイミド系樹脂、ポリビニルヒドリン系樹脂、ポリアクリル酸またはその共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アルキド樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテックス類、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス類の樹脂類等を挙げることができる。上記バインダーは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の顔料インク用インクジェット記録用紙の最表層は、光沢層である。光沢層を形成する方法としては、インク受容層上に塗工した塗工層を加熱された金属ロールに圧着して乾燥することにより、強光沢を付与することができる。具体的な光沢形成手段としては、その塗工層が湿潤状態にある間に加熱された金属ロールに圧着して乾燥することにより仕上げる方法(ウエットキャスト方式)、またはその塗工層を一旦乾燥させた後、再湿潤し、加熱された金属ロールに圧着して乾燥することにより仕上げる方法(リウエットキャスト方式)、または、加熱された金属ロールに光沢層形成用塗工液を直接塗工して、その塗工層がある程度湿潤状態にある間にインク受容層に圧着して乾燥することにより仕上げる方法(プレキャスト方式)を採用することもできる。
光沢層の表面の白紙光沢度は、JIS Z8741で規定される60度鏡面光沢度が45(%)以上であることが好ましい。形成された画像に光沢を持たせることができ、画像品質を高めることができるからである。
インク受容層および光沢層を形成するために用いられる塗工液は、上記顔料およびバインダーを含有している。顔料100重量部に対するバインダーの割合は、10〜30重量部であることが好ましい。バインダーが10重量部未満であると、塗工層の強度が不足する場合がある。一方、バインダーが30重量部を超えると、インク吸収性が損なわれる場合がある。
上記塗工液には、必要に応じて種々の助剤を添加することができる。助剤としては、例えば、分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、染料、耐水化剤、蛍光染料、保存剤、紫外線吸収剤、離型剤、潤滑剤、架橋剤および有機カチオン剤等を挙げることができる。
塗工液の塗布方法としては、例えば、エアーナイフ、ロールコーター、バーコーター、コンマコーター、ブレードコーター等の公知の塗工機を用いて塗工することができる。塗工液の塗布量は、固形分換算で、好ましくは5〜40g/m2 であり、さらに好ましくは 10〜30g/m2 である。塗工液の塗布量が5g/m2 未満であると、高光沢を得られ ない場合があり、一方、40g/m2 を超えると、塗工層強度が不足したり、キャスト方 式で光沢処理する際、金属ロール上での乾燥性が悪化し、最表層にピンホールが発生することがある。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものでなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において適宜変更と修正が可能である。
1.支持体の製造
広葉樹晒クラフトパルプ100重量部に対して、硫酸バンド30重量部、サイズ剤10重量部およびタルク10重量部を配合し、長網抄紙機にて抄造し、サイズプレスにて紙面に澱粉を塗布し、米坪160g/m2 の支持体を得た。
2.インク受容層形成用塗工液の調製
(1)成分の配合(重量部:固形分換算)
シリカ((株)トクヤマ製の商品名シリカファインシールX45、平均粒径4.3μm、BET比表面積300m2/g) 100部
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製の商品名PVA117、重合度1700)
30部
カチオン化樹脂(住友化学(株)製の商品名SR1001) 10部 (2)塗工液の調製
上記シリカをホモジナイザーにて固形分が18重量%となるように分散後、残りの薬剤を順次混合し、混合液全体の濃度が17重量%となるように蒸留水で希釈し、インク受容層形成用塗工液を調製した。
3.光沢層形成用塗工液の調製
(1)成分の配合(重量部:固形分換算)
コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製の商品名スノーテックスXL、アニオン性、平均一次粒子径=50〜100nm) 5〜55部 アルミナ(サソール社製の商品名ディスペラルHP、平均一次粒子径=130〜430nm、BET比表面積85〜220m2/g) 45〜95部 ポリエチレングリコール(東邦化学工業(株)製の商品名PEG200、分子量=200) 10部
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製の商品名PVA117、重合度1700)
5部
(2)塗工液の調製
後記する表1に示すように、各実施例および各比較例の重量配合比率において、それぞれラボスターラーにて上記薬剤を混合し、混合液全体の濃度が22重量%となるように蒸留水で希釈し、光沢層形成用塗工液を調製した。
4.顔料インク用インクジェット記録用紙サンプルの製造
上記インク受容層形成用塗工液を、ワイヤーバーを用いて上記のようにして得られた支持体上に絶乾塗工量10g/m2 で塗工し、スキャッフドライヤーにて乾燥し、インク受 容層を得た。次ぎに、上記光沢層形成用塗工液を、ワイヤーバーを用いてインク受容層上に絶乾塗工量10g/m2 で塗工し、スキャッフドライヤーにて乾燥し、次いで、その乾 燥面を水で再湿潤し、湿潤状態にある間に、クロムメッキを施した100℃に加熱したキャストドラムに圧着して乾燥させて高光沢の鏡面仕上げを行い、実施例1〜10および比較例1〜8のインクジェット記録用紙サンプルを得た。
5.特性の評価
上記のようにして得たインクジェット記録用紙サンプルの「白紙光沢度」と「印字部光沢度」と 「印字部耐擦性」と「印字濃度」と 「印字ムラ」に関する評価を下記の表1に示す。その評価は、下記方法により行った。
評価に用いたプリンターはセイコーエプソン社製の顔料インクプリンターPX−7000、顔料インクはPX−7000純正インク、評価時の温度は23℃、湿度は50%である。
《白紙光沢度》 JIS Z8741で規定されている60度鏡面光沢度測定方法により測定した。実用上、白紙光沢度は45%以上であることが好ましい。
《印字部光沢度》 ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色を各インクジェット記録用紙サンプルにベタ印字し(大きさ3.0cm×3.0cm)、印字30分経過後に、各色の光沢度を白紙光沢度と同様に、JIS Z8741で規定されている60度鏡面光沢度測定方法により測定し、その平均値をもって印字部光沢度とした。実用上、印字部光沢度は75%以上であるのが好ましい。
《印字部耐擦性》 JIS P8136で規定されている板紙の耐摩耗強さ試験方法に従って、摩擦部Aの円弧部に2.5cm×9.0cmの大きさのマゼンタ色をベタ印字したインクジェット記録用紙サンプルを取り付け、摺動台Bに厚さ179μm、表面最大粗さ4.355μmのラシャ紙を取り付け、摩擦部Aを摺動台B上に載せ、摩擦部Aが摺動台Bに当接する試験面に500gの荷重を負荷し、摺動台Bを1分間往復摺動させて、ラシャ紙の表面状況を観察し、以下の基準にて評価した。
◎=ラシャ紙にインクが全く付着しなかった。
○=ラシャ紙に若干インクが付着したが、サンプルの画像に変化は見られなかった。実用上、問題のないレベルである。
△=ラシャ紙にインクが付着し、サンプルの画像に擦れが見られた。実用上、問題である。
×=サンプルの画像が見えなくなるまで、サンプルのインクが剥がれた。
《印字濃度》 ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色を各インクジェット記録用紙サンプルにベタ印字し(大きさ3.0cm×3.0cm)、印字30分経過後に、マクベス反射濃度計により各色の濃度を測定し、その平均値をもって印字濃度とした。実用上、印字濃度は1.0以上であるのが好ましい。
《印字ムラ》 ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色を上記のようにしてベタ印字したインクジェット記録用紙サンプルについて、印字30分経過後の印字部を目視にて観察し、以下の基準にて評価した。
◎=印字部にムラは全く見られなかった。
○=印字部にムラは僅かにあったが、気にならない程度であった。実用上、問題のないレベルである。
△=印字部にムラが少しあった。実用上、問題である。
×=印字部にムラが多かった。
Figure 2006192735
表1に明らかなように、本発明の実施例1〜10に係るものは、白紙光沢度、印字部光沢度および印字濃度が良好で、印字部耐擦性と印字ムラに関する問題もない。
しかし、比較例1〜8は、コロイダルシリカもしくはアルミナの粒径、その配合量またはアルミナのBET比表面積が本発明の適正な範囲を外れているので、白紙光沢度、印字部光沢度、印字部耐擦性、印字濃度および印字ムラの中の少なくとも1つ以上の特性において、本発明より劣っている。
特に、比較例1は、コロイダルシリカの平均一次粒子径が小さすぎるので、白紙および印字部光沢度、印字部耐擦性、印字濃度ならびに印字ムラのすべてが劣っている。
特に、比較例2は、コロイダルシリカの平均一次粒子径が大きすぎるので、白紙および印字部光沢度、印字濃度ならびに印字ムラが劣っている。
特に、比較例3は、コロイダルシリカの配合量が少なすぎるので(アルミナの配合量が多すぎるので)、白紙および印字部光沢度、印字部耐擦性ならびに印字濃度が劣っている。
特に、比較例4は、コロイダルシリカの配合量が多すぎるので(アルミナの配合量が少なすぎるので)、白紙および印字部光沢度ならびに印字ムラが劣っている。
特に、比較例5は、アルミナの平均一次粒子径が小さすぎるので、印字部光沢度、印字部耐擦性、印字濃度および印字ムラが劣っている。
特に、比較例6は、アルミナの平均一次粒子径が大きすぎるので、白紙および印字部光沢度ならびに印字部耐擦性が劣っている。
特に、比較例7は、アルミナのBET比表面積が小さすぎるので、白紙および印字部光沢度、印字濃度ならびに印字ムラが劣っている。
特に、比較例8は、アルミナのBET比表面積が大きすぎるので、白紙および印字部光沢度、印字部耐擦性ならびに印字濃度が劣っている。

Claims (1)

  1. 支持体と、その支持体上に形成された少なくとも1層のインク受容層と、そのインク受容層上に形成された光沢層とを備え、顔料インクによりインクジェット方式で記録を行う顔料インク用インクジェット記録用紙において、光沢層はその構成成分として、平均一次粒子径が60〜90nmであるアニオン性のコロイダルシリカと平均一次粒子径が150〜400nmであるアルミナを有し、該アルミナのBET比表面積は90〜200m2/gであり、アニオン性のコロイダルシリカのアルミナに対する重量配合比Rは、1/9≦R≦5/5であることを特徴とする顔料インク用インクジェット記録用紙。
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