JP5437028B2 - インクジェット記録用紙 - Google Patents

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Description

本発明は、ギロチンやカッターでの断裁時に粉落ちが少なく、断裁面切り口が良好であるインクジェット記録用紙に関する。
インクジェット記録方式は、種々の機構によってインクの小滴を吐出し、記録用紙上に付着させることによってドットを形成し、記録を行う方式である。ドットインパクトタイプの記録方式に比べて騒音がなく、またフルカラー化が容易である上、高速印字が可能であるなどの利点から各種プリンターに利用されている。
このようなインクジェット記録方式に用いられるインクジェット記録用紙としては、印字濃度が高く鮮明であること、インク吸収性が良く滲みがないこと、ドット再現性がよいことが一般的に求められるが、近年、プリンターの急速な普及と高速化・高精細化とが進むにつれ、インクジェット記録用紙には従来以上のインク吸収速度の向上、より高濃度、高精細な印字品質の実現が求められている。
高濃度、高精細な画像を得るためには、顔料と結着剤とから成るインク受容層中の結着剤の量をできるだけ少なくし、顔料の量をできるだけ多くする必要がある。一般的に結着剤が多すぎると印字の品質が低下し、顔料が少なすぎると、不透明度、平滑性又はインク吸収能が低下することが知られている。しかし、結着剤が少なすぎたり、顔料が多すぎたりするとインク受容層の強度が低下して、断裁時の紙粉の飛散や粉落ち、断裁面切り口のケバ立ちなどの問題が生じ易い。
従来、インク受容層中の顔料粒子径や使用顔料比率を変えたものや(例えば、特許文献1、2を参照。)、バインダーの特性を規定したものの(例えば、特許文献3を参照。)ようにインク受容層中に使用する結着剤や顔料の特性(形状等)や配合を工夫することでこの問題の改善を図ったものがある。
また、前記とは異なる手段で改善を図ろうとしたものとして、断裁時の水分を5.5%〜9%の間になるよう加湿装置等で調整する方法が提案されている(例えば、特許文献4を参照。)。
特開2004−291373号公報 特開平10−278414号公報 特開2004−114475号公報 特開2004−122437号公報
しかし、特許文献1、2又は3に記載されたインクジェット記録用紙は、特定の顔料や結着剤を含むインクジェット記録用紙についてだけの改善策が提案されたに過ぎず、多岐に亘る品質要求に応じて、様々な資材が用いられるインクジェット記録用紙について完全な解決が図られたとは考えられない。また、特許文献4に記載されたインクジェット記録用紙は、確かに、紙中水分をコントロールすることで紙の柔軟性を保ち、断裁し易くなると考えられるが、それを可能にするための具体的な方策が示されておらず、十分な改善案とはいえない。以上のように、従来のインクジェット記録用紙は、顔料・結着剤を用いてインク受理層を設けることによって発色性などの点で優れ好ましいが、ギロチン、カッターなどで断裁するときに、断裁面切り口においてざらつき・毛羽立ちが生じ易くなると共に多くの紙粉を発生しやすく、断裁加工適性が劣るという欠点があった。したがって、本発明の目的は、インクジェット記録用紙を構成する資材に関わらず、ギロチン、カッターなどで断裁するときの紙粉を低減し、かつ、断裁面切り口が良好であるインクジェット記録用紙を提供することにある。また、従来のインクジェット記録用紙の製造工程を大幅に変更することなく、断裁適性に優れるインクジェット記録用紙の製造する方法を提供することにある。
本発明に係るインクジェット記録用紙は、基紙上に顔料と結着剤とを主成分としたインク受容層を1層以上設けたインクジェット記録用紙において、該記録用紙中に高吸水性高分子を含有し、前記高吸水性高分子は、前記基紙だけに含有され、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアスパラギン酸、ポリメタクリル酸若しくはそれらの塩、γ−ポリグルタミン酸若しくはその架橋物、ヒアルロン酸、サクランから選択された1種又は2種以上であることを特徴とする。高吸水性高分子を、少なくとも基紙に含有させることで、多岐にわたる品質要求に応じて、様々な資材が用いられるインクジェット記録用紙に対応して、高吸水性高分子を含有させる層を適宜選択することが可能である。
本発明に係るインクジェット記録用紙では、前記インク受容層の最表層がキャストコート法による光沢層であることが好ましい。本発明に係るインクジェット記録用紙は、多孔性を維持していることから、キャストコート法が利用することができる。また、キャストコート法による光沢層を設けることで、より鮮明な印刷が可能となる。
本発明に係るインクジェット記録用紙では、前記高吸水性高分子の含有量が50〜15000質量ppm(0.0050〜1.5質量%)であることが好ましい。この範囲内にすることで、断裁適性及び印刷適性に優れるインクジェット記録用紙とすることができる。
本発明に係るインクジェット記録用紙の製造方法は、基紙作製工程と、表面サイズ処理工程と、インク受容層形成工程と、光沢層形成工程とを有する基紙上に顔料と結着剤とを主成分としたインク受容層を1層以上設けたインクジェット記録用紙の製造方法において、吸水性高分子を添加した表面サイズ液を用いて表面サイズ処理を行う工程を有し、前記高吸収性高分子は、前記基紙だけに含有され、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアスパラギン酸、ポリメタクリル酸若しくはそれらの塩、γ−ポリグルタミン酸若しくはその架橋物、ヒアルロン酸、サクランから選択された1種又は2種以上であることを特徴とする。
本発明に係るインクジェット記録用紙は、インクジェット記録用紙を構成する資材に関わらず、ギロチン、カッターなどでの断裁するときの紙粉を低減し、かつ、断裁面切り口を良好とする効果を奏するものである。また、本発明では、従来のインクジェット記録用紙の製造工程を大幅に変更することなく、断裁適性に優れるインクジェット記録用紙を製造する方法を提供することができる。
以下本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本実施形態に係るインクジェット記録用紙は、基紙上に顔料と結着剤とを主成分としたインク受容層を1層以上設けたインクジェット記録用紙において、該記録用紙中に高吸水性高分子を含有する。以下、高吸水性高分子、基紙、インク受容層について詳細に説明する。
(1)高吸水性高分子
高吸水性高分子は、特に高い水分保持性能を有するように設計された高分子製品であり、吸水性樹脂、高吸水性高分子、吸水性ポリマー、吸収性ポリマー、高分子吸収体、SAP(Super absorbent polymer)などの名称で呼ばれる。自重の数十倍から数百倍の水を吸収、保持できる性質をもつ。本実施形態に係るインクジェット記録用紙で用いる高吸水性高分子としては、特に限定されないが、例えば、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアスパラギン酸、ポリメタクリル酸若しくはそれらの塩、γ−ポリグルタミン酸若しくはその架橋物、ヒアルロン酸、サクランから選択された1種又は2種以上の高吸水性高分子が使用可能である。分子量は、目的に応じて適宜選択可能であり、特に限定されないが、好ましくは1000〜50万程度である。高吸水性高分子を含むインクジェット記録用紙は、それを含まない場合に比べて平衡水分が高い水準で推移するため、詳細なメカニズムは不明であるが、おそらくは紙の柔軟性が保たれるため優れた断裁適性を示す。
(2)基紙
基紙の原料としては木材パルプが最も好適に用いられるが、その他の天然パルプ、古紙パルプ又は合成パルプを必要に応じて適宜用いてもよい。天然パルプは、塩素、次亜塩素酸塩、二酸化塩素漂白の通常の漂白処理、アルカリ抽出若しくはアルカリ処理、必要に応じた過酸化水素、オゾン漂白などの酸化漂白処理又はその組み合わせ処理を施した広葉樹パルプ若しくは針葉樹パルプ若しくはそれらの混合パルプが好ましい。また、ソーダパルプ、機械パルプも用いることができる。古紙パルプは、その原料、脱墨方法、漂白方法を問わないが、基紙の強度を損なわない程度の配合量としなければならない。また、合成パルプも各種のものを使用することができる。
前記のパルプは、ディスク型、コニカル型などの各種の叩解機によって適切なフリーネスとなるように必要に応じて叩解する。フリーネスは、基紙の物理的強度を決定する重要な要因であるので叩解が進むほどに物理的強度が増すが、透気性、不透明度、嵩の低下などをもたらすため、300mlC.S.F.(カナダ標準ろ水度)以上600mlC.S.F.以下にするのが一般的であるが、本実施形態では特に限定されない。
前記基紙の紙料中には、前記のパルプ以外に、紙力剤、填料、硫酸バンド、歩留まり向上剤、サイズ剤、染料、蛍光染料などの各種抄紙用薬品を適宜用いる。紙力剤は、例えば、カチオン化澱粉、両性澱粉、ポリアクリルアマイドである。填料は、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カルシウム・マグネシウム炭酸塩、カオリン、焼成クレー、ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、タルクなどの天然珪酸塩、合成珪酸アルミニウム、合成珪酸カルシウムなどの合成珪酸塩、珪藻土、合成シリカなどの珪酸、水酸化アルミニウム、擬ベーマイトなどのアルミニウム水和物又は硫酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛である。歩留まり向上剤は、例えば、コロイダルシリカ、ポリアクリルアマイド、ポリエチレンイミンである。サイズ剤は、例えば、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水琥珀酸(ASA)、中性ロジン、強化ロジン、鹸化ロジンであり、抄紙のpHなどに応じて適宜選択される。染料、蛍光染料は、例えば、直接染料、塩基性染料、酸性染料であり、紙の色相を調整するために添加する。また、嵩高剤を含有させることも可能だが、表面強さの低下が問題とならない程度にとどめなければならない。本実施形態は、各紙料の調製方法、配合、各抄紙薬品の添加方法に制限されるものではない。また、紙料中に高吸水性高分子を含有させてもよい。なお、本実施形態は、高吸水性高分子を添加する場所、方法は問わない。
(3)インク受容層
本実施形態に係るインクジェット記録用紙では、インク受容層は、顔料と結着剤とを主成分として含有することが好ましい。インク受容層に用いる顔料としては、非晶質シリカ、非晶質アルミナ、カオリン、クレー、焼成クレー、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、珪酸リチウム、珪藻土、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、マイカ、天然ゼオライト、合成ゼオライト、擬ベーマイト、ハイドロキシアパタイトなどの無機顔料又はアクリル−メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ブタジエン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂などの単体若しくは共重合体からなる球状若しくは不定形の有機顔料が挙げられる。前記顔料の中でも、優れたインクジェット適性を得るために、合成非晶質シリカ、合成非晶質アルミナが特に好ましいが、本実施形態は顔料の種類に限定されるものではない。また、これらの顔料にカップリング剤、有機物などによる表面改質、金属イオン交換法、気相蒸着法、液相析出法による表面処理など、多元的な機能性を付与させるための表面処理を施してもよい。また、要求品質を得るために、これらの顔料を2種類以上組み合わせて使用してもよい。
前記インク受容層には、次に示す結着剤を用いることができる。結着剤は、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、でんぷん、変性でんぷん、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、アルギン酸ソーダ、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、カゼイン、ゼラチン、テルペンなどの水溶性バインダーを例示することができる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ弗化ビニリデン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリビスクロロメチルオキサシクロブタン、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルホン、ポリ−p−キシリレン、ポリイミド、ポリベンズイミダゾール、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、変性スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、メチルメタアクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル−メタアクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−アクリル共重合体などのエマルジョン型バインダーを例示することができる。これらの結着剤は、その重合度、ケン化度、Tg(ガラス転移温度)、MFT(最低造膜温度)に限定されない。また、これらの分子鎖中に架橋性の官能基を付加してもよい。インク受容層中の結着剤の含有量としては、顔料100質量部に対して1〜200質量部が好ましい。1質量部未満であると、塗工したインク受容層の表面強さ及び顔料を結着させる強度が不足し、200質量部を超えると印字の品質が低下する。好ましくは5〜150質量部、より好ましくは10〜100質量部である。
前記インク受容層は、インクジェットインクの定着性と発色性を向上させるために、カチオン性高分子を主成分とするインク定着剤を含有することが好ましい。インク定着剤の種類と添加量については、本実施形態では限定されない。
前記インク受容層には、必要に応じて分散剤、消泡剤、苛性ソーダ、炭酸ソーダなどのpH調整剤、湿潤剤、保水剤、増粘剤、架橋剤、離型剤、防腐剤、柔軟剤、ワックス、導電防止剤、帯電防止剤、サイズ剤、耐水化剤、可塑剤、蛍光増白剤、着色顔料、着色染料、還元剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、香料、脱臭剤などを適宜選定して含有させることができる。また、例えばシリカスラリーに含有させる、結着剤に含有させるなど、これらを添加する場所、方法については限定されない。また、インク受容層には、高吸水性高分子を含有させてもよい。なお、本実施形態は、高吸水性高分子を添加する場所、方法は問わない。
(4)光沢層
本実施形態に係るインクジェット記録用紙では、インク受容層の最表層がキャストコート法による光沢層であることが好ましい。本実施形態に係るインクジェット記録用紙は、多孔性を維持していることから、キャストコート法を利用することができる。また、キャストコート法による光沢層を設けることで、インクジェット記録用紙の表面が平滑になり、印字の鮮明さ、高いインク吸収性、ドット再現性などの印刷適性を向上させることができる。また、本実施形態に係るインクジェット記録用紙では、必要に応じて、表面状態をキャレンダー処理による平滑面としてもよい。この他、エンボス加工、穴あけ加工、裏面のタック加工など、各種の製品外観に応じた後処理加工がなされていてもよい。
本実施形態に係るインクジェット記録用紙では、光沢層は光沢発現能のある微粒子と結着剤とを主成分として含有することが好ましい。光沢層に用いる光沢発現能のある微粒子としては、例えば、乾式製法によるヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナなどの無機微粒子、コロイダルシリカ、ベーマイト、擬ベーマイトなどのコロイダルアルミナ、アルミナゾルに代表されるコロイド状懸濁物、ゲル化法、沈降法による非晶質シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタンなどの白色顔料、カオリン、タルク、珪藻土などの天然鉱物の粉砕物若しくは分級された微細粒子若しくはこれらの無機微粒子に表面処理を施したもの又はポリスチレン、メチルメタクリレート、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル共重合体、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂などの有機微粒子を例示することができる。また、これらを2種以上組み合わせて使用することも可能である。光沢発現能のある微粒子として、無機の光沢発現能のある微粒子を使用し、又は有機の光沢発現能のある微粒子を使用してもよい。さらに、無機の光沢発現能のある微粒子と有機の光沢発現能のある微粒子とを両方使用してもよい。
光沢層に用いる結着剤としては、例えばポリビニルアルコール若しくはその誘導体、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、グルテンなどの蛋白質、澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、燐酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体、アクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステルの重合体若しくは共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体、ウレタン樹脂、若しくはこれらの官能基変性重合体、メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化型樹脂、珪酸ナトリウム、珪酸カリウムなどの珪酸の金属塩、アルミナゾル、ポリ塩化アルミニウム、重リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛などの無機結着剤を例示することができる。光沢層中の結着剤の含有量としては、顔料100質量部に対して5〜70質量部が好ましい。5質量部未満であると塗膜強度が不足し、70質量部を超えるとインク吸収性が低下する。好ましくは6〜60質量部、より好ましくは8〜50質量部である。結着剤として、無機の結着剤を使用し、又は有機の結着剤を使用してもよい。さらに、無機の結着剤と有機の結着剤とを両方使用してもよい。
光沢層には、添加剤として、インク定着剤、離型剤、増粘剤、流動性改良剤、分散剤、消泡剤、浸透剤、耐水化剤、pH調整剤、着色染料、着色顔料、蛍光染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤などを必要に応じて含有させてもよい。また、光沢層には、高吸水性高分子を含有させてもよい。なお、本発明では、高吸水性高分子を含有する場所、方法は問わない。
本実施形態に係るインクジェット記録用紙では、高吸水性高分子は、基紙、インク受容層及び光沢層のうち少なくともいずれか1つに含有されることが好ましい。なお、本実施形態では、高吸水性高分子を用いる場所や含有量は、本発明の効果を阻害しない限りインクジェット記録用紙中のどこにどんな配分で用いてもよい。高吸水性高分子を含有させる箇所は、例えば、基紙の紙料若しくは表面サイズ液、インク受容層用の塗工液又は光沢層の塗工液若しくはゲル化液である。その中で、本実施形態に係るインクジェット記録用紙の大部分を占めるのは基紙であるため、発明の効果が得やすいと考えられる基紙に用いるのが好ましい。特に表面サイズ液に添加して用いることが好ましい。
本実施形態に係るインクジェット記録用紙では、高吸水性高分子の含有量が、50〜15000質量ppmであることが好ましい。50質量ppm未満であると、断裁適性が不十分となる傾向にあり、15000質量ppmを超えると、湿度の高い環境下では過剰な水分を吸収して「波うち」と呼ばれる凹凸が発生しやすくなる傾向にある。より好ましくは、100〜13000質量ppmで用いる。500〜12000質量ppmで用いるのが特に好ましい。
本実施形態に係るインクジェット記録用紙の製造工程は、基紙作製工程と、表面サイズ処理工程と、インク受容層形成工程と、光沢層形成工程とを有する。各工程は、従来のインクジェット記録用紙の製造工程を適用することができる。高吸水性高分子を添加する箇所は限定されないが、前述のとおり、例えば、基紙工程における紙料、表面サイズ処理工程における表面サイズ液、インク受容層形成工程におけるインク受容層用の塗工液又は光沢層形成工程における光沢層の塗工液若しくはゲル化液である。その中で、表面サイズ液、インク受容層用の塗工液又はゲル化液のうち少なくともいずれか1つに添加することが好ましい。以下、基紙作製工程、表面サイズ処理工程、インク受容層形成工程及び光沢層形成工程について詳細に説明する。
(1)基紙作製工程
本実施形態に係るインクジェット記録用紙の製造方法では、基紙は通常の抄紙法を適用できる。適当に叩解したパルプと、紙力剤、填料、硫酸バンド、歩留まり向上剤、サイズ剤、染料、蛍光染料、嵩高剤などの各種抄紙用薬品とを含有する紙料を用いて円網抄紙機、長網抄紙機、短網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、それらを組み合わせたコンビネーション抄紙機などで抄造する。なお、本実施形態は、紙料の調整方法、配合、各抄紙薬品の添加方法に制限されない。また、基紙のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでも構わない。
(2)表面サイズ処理工程
表面サイズ液は、一般的に、澱粉、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアマイドなどの水溶液である。本実施形態では、一般的な表面サイズ液に高吸水性高分子を添加したものを表面サイズ液として用いてもよい。表面サイズ処理は、耐水性、表面強度などの表面特性を向上させることを目的として行う。抄紙ワイヤー上で形成したウェブに、サイズプレス、ゲートロールなどに代表される、紙を挟む2ロール間のニップで薬品を塗布する装置によって、基紙上に表面サイズ液を塗布する。表面サイズ液を塗布する方法及び表面サイズ液の種類並びに塗布量は、本実施形態では問わない。ただし、表面サイズ液の過剰量の塗布は、紙の透気性、インク吸収性などの特性を損なうので調節が必要である。また、本工程では、表面サイズ液の他に、帯電防止剤を塗布してもよい。
(3)インク受容層形成工程
インク受容層用の塗工液は、一般に、主成分である顔料及び結着剤に、インク定着剤、各種薬品などを必要に応じて適宜添加したものを、塗工に適した固形分濃度に調製する。本実施形態では、このインク受容層用の塗工液に高吸水性高分子を添加したものをインク受容層用の塗工液としてもよい。インク受容層用の塗工液の基紙への塗工は、抄紙工程の中で連続的に行われてもよいし、一旦巻き取った基紙原反を再度コーターマシンに通して行ってもよい。塗工機は、例えばブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、ロッドコーター、リップコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、ダイコーター、チャンブレックスコーター、同時多層塗工機などの公知の塗工機を用いるが、特に制限はない。これらの塗工液と塗工機を用いて、単層又は多層で片面に塗工する。塗工量は、固形分換算で3〜20g/m、好ましくは5〜15g/m、より好ましくは6〜12g/mの範囲である。塗工量が20g/mを超えると生産性が劣り、塗工量が3g/m未満である場合には十分な光沢面が形成しづらくなる。なお、インク受容層用の塗工液を塗工した面の裏面に、表面強さ、透気性、インクジェット適性、オフセット印刷適性を損なわない程度に顔料、水溶性樹脂、疎水性樹脂、インク定着剤、滑り剤、帯電防止剤などを塗布してもよい。
塗工後の乾燥方式としては熱風乾燥、赤外乾燥、ドラム乾燥などが挙げられるが、本発明においては特に限定されない。
インクジェット記録用紙の平滑性を制御する目的で、必要に応じてキャレンダー処理を行ってもよい。キャレンダーは、スーパーキャレンダー、マシンキャレンダー、ソフトキャレンダーなどが挙げられるが、この方式は特に限定されない。また、エンボス加工、穴あけ加工、裏面のタック加工など、各種の製品外観に応じた後加工処理を行ってもよい。
(4)光沢層形成工程
本実施形態に係るインクジェット記録用紙では、基紙が多孔性を維持していることから、インク受容層の最表層に、湿潤状態の塗工層を高温のキャストドラムに貼り付けて裏面から蒸気を逃がすことで乾燥させる、いわゆるキャストコート法によって光沢層を設けることができる。キャストコート法におけるキャスト処理とは、インク受容層上に光沢層用の塗工液を塗工し、該塗工面が湿潤状態にある間に、前記塗工面を加熱した鏡面ロール(金属ドラム又はキャストともいう。)に圧着、乾燥して剥がし、塗工面の表面に鏡面ロールの表面形状を写し取り、光沢層とするもので、キャストドラムに圧着するときの塗工面の乾燥・凝固状態によって、ウェット法、ゲル化法、リウェット法に分類できる。本実施形態にはいずれのキャスト処理も適用可能だが、特に美しい光沢面を得るためには、ゲル化法を用いることが好ましい。ゲル化法は、キャストドラムに圧着する前に、塗工面をゲル化液で凝固させるキャスト処理である。ゲル化液は、例えば、硼砂水溶液などのホウ素化合物を含む水溶液である。また、ゲル化液に、高吸水性高分子を添加したものを用いてもよい。本実施形態では、高吸水性高分子を含有する場所、方法は問わない。
光沢層用の塗工液は、光沢発現能のある微粒子と結着剤とを主成分として含有し、必要に応じて各種添加剤を添加して、塗工に適した固形分濃度に調製する。光沢層用の塗工液の塗工には、例えばブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、ロッドコーター、リップコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、ダイコーター、チャンブレックスコーターの各種のコーターが使用できる。前記光沢層の塗工量は、下層であるインク受容層の構成、平滑性、基紙の吸液性、平滑性などの光沢層に影響を及ぼす因子又は要求される光沢層の品質によって異なるが、おおむね乾燥塗工量で2g/m以上であれば光沢は発現する。本発明では、光沢層の塗工量は、特に限定されないが、固形分換算で5〜25g/mとすることが好ましい。塗工量が5g/m未満では、インク吸収性が劣り、25g/m超えでは、光沢層の塗工時に結着剤マイグレーションが発生し、光沢層の表面強さが低下する恐れがあるからである。より好ましくは、6〜20g/mである。
キャスト処理後に、必要に応じてキャレンダー処理を行ってもよい。キャレンダーは、スーパーキャレンダー、マシンキャレンダー、ソフトキャレンダーなどの一般的な装置を用いることができる。また、エンボス加工、穴あけ加工、裏面のタック加工など、各種の製品外観に応じた後加工処理を施すことも可能である。
なお、本実施形態に係るインクジェット記録用紙の製造方法は、高吸水性高分子を添加する工程に制限されるものではなく、例えば、表面サイズ液だけに高吸水性高分子を添加したものを用い、インク受容層用の塗工液及びゲル化液には、高吸水性高分子を添加していない一般的なものを用いてもよいし、インク受容層用の塗工液だけに高吸水性高分子を添加したものを用い、表面サイズ液及びゲル化液には、高吸水性高分子を添加していない一般的なものを用いてもよい。また、ゲル化液だけに高吸水性高分子を添加したものを用い、表面サイズ液及びインク受容層用の塗工液には、高吸水性高分子を添加していない一般的なものを用いてもよい。更には、表面サイズ液及びインク受容層用の塗工液に高吸水性高分子を添加したものを用いて、ゲル化液には高吸水性高分子を添加してない一般的なものを用いてもよく、インク受容層用塗工液及びゲル化液に高吸水性高分子を添加したものを用いて、表面サイズ液には高吸水性高分子を添加していない一般的なものを用いてもよい。また、表面サイズ液及びゲル化液に高吸水性高分子を添加したものを用い、インク受容層塗工液には高吸水性高分子を添加していない一般的なものを用いてもよい。表面サイズ液、インク受容層用の塗工液及びゲル化液に高吸水性高分子を添加したものを用いてもよい。
次に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、「部」及び「%」は、特に明示しない限り質量部及び質量%を示す。なお、配合において示す部数は、実質成分の数量である。
(実施例1)
<基紙の作製>
広葉樹漂白クラフトパルプ(カナダ標準ろ水度580ml)100部に対してカチオン化澱粉(商品名:ネオタック40T、日本食品加工社製)を1.5部と、酸性ロジンサイズ剤0.2部と、液体硫酸バンド1部と、基紙の灰分が7%になるよう添加量を調整したタルク(商品名:タルクNTL、日本タルク社製)とを配合した紙料を長網抄紙機にて抄紙し、坪量180g/mのインクジェット記録用紙の基紙を製造した。
<サイズ液の調製、塗布及び後処理>
ポリアクリルアマイド(商品名:ST5000、星光PMC社製)と、高吸水性高分子であるポリアスパラギン酸ナトリウム(商品名:アクアデュウSPA30、味の素ヘルシーサプライ社製)とを、ポリアクリルアマイドの固形分濃度が6.00%であり、かつ、ポリアスパラギン酸ナトリウムの固形分濃度が3.00%となるように水で調製し、固形分濃度9.00%のサイズ液とした。得られたサイズ液を、基紙の両面に乾燥塗工量が片面当たり1g/mとなるように、サイズプレスで塗布し、シリンダードライヤーで乾燥した。スチールカレンダーを用いて線圧70kg/cm、25℃、2ニップ1パスの条件で表面処理を行った。
<インク受容層用塗工液の調製>
合成非晶質シリカ(商品名:ニップジェルBY400、東ソーシリカ社製)100部に、水とpH調整剤として酢酸0.5部とを添加し、カウレス分散機で固形分濃度28%の顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーにポリビニルアルコール(PVA)15部(商品名:PVA−117、クラレ社製)とポリエチレン酢酸ビニル(EVA)結着剤35部(商品名;ポリゾールAD−13−50、昭和高分子社製)とインク定着剤15部(商品名;SR1001、田岡化学社製)とを添加・攪拌し、更に水を添加し、固形分濃度が20%の塗工液を得た。
<インク受容層の形成>
得られた塗工液を印刷面に乾燥塗工量が8g/mとなるようにエアナイフコーターで塗工し、エアドライヤーで熱風乾燥した。さらに、ソフトカレンダーを用いて線圧30kg/cm、25℃、2ニップ1パスの条件で表面処理を行った。
<光沢層用塗工液の調製>
顔料として、凝集体形状をもつコロイダルシリカ(商品名:HS−M−20、1次粒子径25nm、凝集体粒子径280nm、日産化学社製)100部と、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、クラレ社製)10部と、離型剤としてステアリン酸カルシウム(商品名:ノプコートC−104HS、サンノプコ社製)1部とを用いて固形分濃度20%の塗工液を得た。
<光沢層の形成>
この塗工液をエアナイフコーターで乾燥塗工量10g/mとなるように塗工し、次いで硼砂3%水溶液(以下、ゲル化液とする。)を乾燥塗工量2g/m塗布して凝固処理を行ったのち、得られた塗工層表面が湿潤状態にあるうちに表面温度100℃のキャストドラムに圧着し、インクジェット記録用紙を作製した。
参考例2)
実施例1に記載のインク受容層用の塗工液にポリアスパラギン酸ナトリウムを15部添加し、更に水を加えて固形分濃度20.00%となるように調製した塗工液を用い、かつ、ポリアスパラギン酸ナトリウムを除いて固形分濃度6.00%としたサイズ液を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
参考例3)
実施例1に記載のゲル化液にポリアスパラギン酸ナトリウムを1.52%添加した水溶液を用い、かつ、ポリアスパラギン酸ナトリウムを除いて固形分濃度6.00%としたサイズ液を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
(実施例4)
実施例1に記載のサイズ液に含まれるポリアスパラギン酸ナトリウムを固形分濃度3.00%から0.03%にし、固形分濃度6.03%に調製したサイズ液を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
(実施例5)
実施例1に記載のサイズ液に含まれるポリアスパラギン酸ナトリウムを固形分濃度3.00%から9.00%にし、固形分濃度15.00%に調製したサイズ液を用いて、基紙の両面に乾燥塗工量が片面当たり2.5g/mとなるようにサイズプレスで塗布したこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
参考例6)
実施例1に記載のサイズ液に含まれるポリアスパラギン酸ナトリウムを固形分濃度3.00%から0.75%にし、固形分濃度6.75%に調製したサイズ液を用い、かつ、実施例1に記載のインク受容層用の塗工液にポリアスパラギン酸ナトリウムを4.75部添加し、更に水を加えて固形分濃度20.00%となるように調製した塗工液を用い、かつ、実施例1に記載のゲル化液にポリアスパラギン酸ナトリウムを0.38%添加した水溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
(実施例7)
光沢層を設けないこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
(実施例8)
サイズ液に添加する高吸水性高分子をポリアクリル酸ナトリウム(商品名:アクアリックDL−40、日本触媒社製)に置き換えたこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
(比較例1)
ポリアスパラギン酸ナトリウムを除いて固形分濃度6.00%としたサイズ液を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
(比較例2)
塗工層(インク受容層、光沢層)を設けないこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
前記の実施例及び比較例において得られたインクジェット記録用紙について、表1に評価結果を示す。
<紙の前処理及び測定環境>
JIS P 8111:1998に従い、前処理を行った後、評価は同条件下で行った。
<切り口視感評価>
テーブルギロチンカッター(製品名:電動断裁機 No.709、ライオン事務器社製)を用いて、ハガキの寸法に揃えたサンプルを光沢面が下になるように20枚重ねて断裁し、光沢面側から切り口を目視観察、評価した。裁断する方向は、抄紙方向と直交する方向とした。
<紙粉視感評価>
切り口評価と同時に、テーブルギロチンカッターによって断裁したときに飛散する紙粉量及び/又は粉落ち量を目視観察、評価した。
<インク吸収性>
セイコーエプソン社製インクジェットプリンター「PM−G820」を用い、CMYKの各インク並びにRGB(Red−Green−Blue)のベタ(100%濃度)及び文字を得られたインクジェット記録用紙に印字した。ベタ部の各色の境界及び文字の滲みの程度を目視によって評価した。
前記の各物性のうち、切り口視感評価、紙粉視感評価、インク吸収性は次に示す要領によって記述することにした。
<切り口視感評価>
◎ 塗工層に乱れがない。
○ 塗工層が一部浮いている、又は欠落している(実用レベル)。
△ 塗工層が全体的に浮いている、又は全体的に小さく塗工層の欠落が見られる(実用不適)。
× 塗工層が剥がれ落ち、基紙層が現れている(実用不適)。
<紙粉視感評価>
◎ 粉落ち及び/又は紙粉飛散がほとんどなく優れている。
○ 粉落ち及び/又は紙粉飛散が認められる(実用レベル)。
△ 粉落ち及び/又は紙粉飛散がやや多く認められる(実用不適)。
× 粉落ち及び/又は紙粉飛散が大量に認められる(実用不適)。
<インク吸収性>
◎ 境界がくっきりして滲みが全く無く、文字が鮮明である。
○ 境界の滲みが目立たず、文字が鮮明である(実用レベル)。
△ 境界の滲みが目立ち、文字が不鮮明である(実用不適)。
× 境界の滲みがひどく、文字が判別できない(実用不適)。
Figure 0005437028
本発明のインクジェット記録用紙は、ギロチン、カッターなどでの断裁時に紙粉の飛散及び/又は粉落ちが少なく、断裁面切り口が良好であるインクジェット記録用紙に適する。

Claims (4)

  1. 基紙上に顔料と結着剤とを主成分としたインク受容層を1層以上設けたインクジェット記録用紙において、該記録用紙中に高吸水性高分子を含有し、
    前記高吸水性高分子は、前記基紙だけに含有され、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアスパラギン酸、ポリメタクリル酸若しくはそれらの塩、γ−ポリグルタミン酸若しくはその架橋物、ヒアルロン酸、サクランから選択された1種又は2種以上であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 前記インク受容層の最表層がキャストコート法による光沢層であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用紙。
  3. 前記高吸水性高分子の含有量が50〜15000質量ppmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙。
  4. 基紙作製工程と、表面サイズ処理工程と、インク受容層形成工程と、光沢層形成工程とを有する基紙上に顔料と結着剤とを主成分としたインク受容層を1層以上設けたインクジェット記録用紙の製造方法において、
    吸水性高分子を添加した表面サイズ液を用いて表面サイズ処理を行う工程を有し、
    前記高吸収性高分子は、前記基紙だけに含有され、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアスパラギン酸、ポリメタクリル酸若しくはそれらの塩、γ−ポリグルタミン酸若しくはその架橋物、ヒアルロン酸、サクランから選択された1種又は2種以上であることを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。
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