JP2002034096A - 有色炭素系振動板とその製造方法 - Google Patents

有色炭素系振動板とその製造方法

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JP2002034096A
JP2002034096A JP2000217260A JP2000217260A JP2002034096A JP 2002034096 A JP2002034096 A JP 2002034096A JP 2000217260 A JP2000217260 A JP 2000217260A JP 2000217260 A JP2000217260 A JP 2000217260A JP 2002034096 A JP2002034096 A JP 2002034096A
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diaphragm
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Yoshihisa Suda
吉久 須田
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 音響特性に優れ、かつ、任意の有色表面を有
する有色炭素系振動板とその製造方法を提供する。 【解決手段】 アモルファス炭素の出発原料と黒鉛を含
む第1の層にアモルファス炭素の出発原料と体質材を含
む第2の層を一体化してドーム形状に賦形して焼成する
ことにより、アモルファス炭素と黒鉛からなる層10と
アモルファス炭素と体質材からなる層12の2層構造の
成形体を得る(a)。層12の表面を酸化してアモルフ
ァス炭素を除去することにより多孔質の層14とし
(b)、色材で着色する(c)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有色炭素系振動板
とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スピーカー用振動板の素材としては、音
の歪みが小さく、再生帯域が広く、明瞭な音質での再生
が可能であるために、軽くて高剛性であることが要求さ
れている。
【0003】特開昭60−121895号公報や特開平
4−261299号公報に、この様な要求に答えるスピ
ーカー用の振動板の素材として炭素材料を使用すること
が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、圧電スピーカー
や、ダイナミックスピーカーでは、音の歪みが小さく、
再生帯域が広く、明瞭な音質での再生が可能であること
が必須であり、更にデザイン面での使用装置とのコーデ
ィネートの必要性から、機器本体との色の調和が重要視
されている。
【0005】この場合に、機器本体とのカラーコーディ
ネート化のために、振動板の基本特性、材質を変えずに
任意の色を賦与するためには、振動板の表層部の一層の
みに有色層を構築する必要があるが、そのときに表層部
にも十分な剛性がないと、振動板の基本特性に悪影響を
及ぼすという問題がある。なお、炭素系振動板表面に有
色樹脂層を構築した場合、基本特性を劣化させてしまう
ことや温度や湿度などの外的環境に左右されるうえ、振
動板としての使用時に樹脂層と炭素層とが剥離を起こし
やすいことなどから実用的ではない。
【0006】したがって、本発明の目的は、音の歪みが
小さく、再生帯域が広く、明瞭な音質での再生が可能で
あるなど、炭素系振動板の優れた特性を損なうことな
く、任意の有色表面を有することが可能な有色炭素系振
動板を提供し、またそれを工業的に安価に製造する方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、工業的
に容易に量産が可能であり、優れた物理特性を有す有色
炭素系振動板を得るべく鋭意研究を重ねた。その結果、
アモルファス状炭素もしくはアモルファス状炭素と黒鉛
粉末との複合材料からなる炭素系振動板の表層部に、白
色もしくは淡色の多孔質層を形成し、必要ならばさら
に、該気孔部に有色インクを含浸させることで、表面が
任意の色を有し優れた物理特性を有し、優れた量産性
の、本発明の有色炭素系振動板とその製造方法を完成す
るに至った。
【0008】すなわち本発明ではまず、非酸化性雰囲気
中での焼成によりアモルファス状炭素が得られる有機高
分子中に必要に応じて黒鉛粉を複合し得られる膜状組成
物の表層部に、高温処理後に白色もしくは淡色である多
孔質層を構築することの可能な無色あるいは白色の体質
材と結着剤としての有機高分子からなる層が構築された
シート状成形物を、予備成形加工しておく。次に各種成
形方法を用い該シート状成形物を所望の振動板形状に成
形する。
【0009】次に、得られた成形体を、常温もしくは加
温したエアーオーブン中で炭素前駆体化処理を施した
後、焼成用容器中に収納して窒素ガス又はアルゴンガス
等の不活性ガス雰囲気又は真空中で、昇温速度を制御し
つつ800℃以上に加熱して炭素化を終了させた後、表
面層のみに酸化処理を施して結合材としてのアモルファ
ス状炭素を除去することにより白色もしくは淡色の多孔
質層を構築する。
【0010】必要ならばさらに、得られた炭素系振動板
の多孔質白色表面部に、溶剤に溶解した染料や顔料溶液
を含浸させた後、溶剤を除去することにより、優れた物
理特性を有する有色炭素系振動板が得られる。
【0011】以下に、本発明を実施例により、さらに具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何
ら限定されるものではない。
【0012】
【実施例】(実施例1)有機高分子として、塩素化塩化
ビニル樹脂(日本カーバイト社製T−741)45質量
%、天然黒鉛微粉末(日本黒鉛社製 平均粒度10μ
m)55質量%から成る組成物に対し、可塑材としてジ
アリルフタレートモノマーを25質量%を添加して、ヘ
ンシェル・ミキサーを用いて分散し、ミキシング用二本
ロールを用いて十分に混練を繰り返した後製膜機により
厚み80μmのフィルムを用意した。また、窒化硼素粉
末(平均粒径7μm)40質量%、塩素化塩化ビニル樹
脂60質量%から成る組成物に対し、可塑材としてジア
リルフタレートモノマーを20質量%を添加して、ヘン
シェル・ミキサーを用いて分散し、ミキシング用二本ロ
ールを用いて十分に混練を繰り返した後製膜機により厚
み20μmのフィルムを用意した。得られた二種類のフ
ィルムを接合用ロール成形機で一体化し厚さ90μmの
予備成形シートを得た。
【0013】次に、得られたシートを真空成形機を用い
て30mmφ口径のドーム形状に成形した。
【0014】この成形体を、150℃に加熱されたエア
ー・オーブン中で10時間処理して炭素前駆体化処理を
施した。次に、これを窒素ガス中で1000℃迄を25
℃/時の昇温速度で昇温し、その後1500℃迄を10
0℃/時で昇温し、1500℃で3時間保持した後自然
冷却して炭素化を完了した(図1(a))。図1(a)
において、10はアモルファス炭素+黒鉛層を示し、1
2はアモルファス炭素+窒化硼素層を示す。
【0015】得られた炭素系振動板を治具に固定し、表
面部のみに酸化処理を施して炭素を除去することによっ
て白色表面を有する多孔質層14を構築した(図1
(b))。なお、図1には層12の全体について炭素が
除去されるかのように表わされているが、層12の表面
のみについて炭素を除去して多孔質層14を形成しても
良い。
【0016】この多孔質層に、青色染料(オリエント化
学工業社製)ヴァリファストブルー1605)15質量
%、エチルアルコール25質量%、ポリオキシエチレン
ラウリルエーテル58質量%、固着用ケトンレジン2質
量%からなる溶液を含浸処理した。含浸後、75℃で乾
燥しエチルアルコールを除去し、表層部16が青色の炭
素系振動板を得た(図1(c))。この振動板は、口径
27mmφ、厚み70μmで、密度1.80g/cm3 、弾
性率220GPa であり、音速11.0Km/秒と優れた特
性を示した。
【0017】(実施例2)有機高分子としてのフラン樹
脂(日立化成社製 VF−303)95質量%に天然黒
鉛微粉末(日本黒鉛社製 平均粒度7μm)5質量%と
硬化剤としてのp−トルエンスルホン酸を添加したもの
とフラン樹脂(日立化成社製VF−303)65質量%
にアルミナ粉末(平均粒径10μm)35質量%と硬化
剤としてのp−トルエンスルホン酸を添加したものを別
々に用意し、複層コーティング可能なコーターに投入
し、表面に10μmのアルミナ含有層が形成された厚さ
80μmの予備成形シートを得た。
【0018】次に、得られたシートを真空成形機を用い
て30mmφ口径のドーム形状に成形した。
【0019】この成形体を、180℃に加熱されたエア
ー・オーブン中で10時間処理して炭素前駆体化処理を
施した。次に、これを窒素ガス中で1000℃迄を25
℃/時の昇温速度で昇温し、その後1500℃迄を10
0℃/時で昇温し、1500℃で3時間保持した後自然
冷却して炭素化を完了した。
【0020】得られた炭素系振動板を治具に固定し、表
面部のみに酸化処理を施して炭素を除去すると共に残っ
たアルミナを微融着させて、表層部が白色の炭素系振動
板を得た。この振動板は、口径25mmφ、厚み60μm
で、密度1.55g/cm3 、弾性率140GPa であり、
音速9.5Km/秒と優れた特性を示した。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の有色炭素
系振動板は、アモルファス炭素もしくはアモルファス炭
素と黒鉛との複合体からなる振動板素材の表面部に機械
的強度の大きな焼結性多孔質体からなる有色層を構築し
ているため、軽く剛性が大きく、音の伝達速度が速く、
音の歪みが小さく、音の再生音域が広く、明瞭な音質再
生が可能であるなどスピーカー用振動板材料として有用
である。更に従来の炭素系振動板と比べ、任意に色を設
定できるために、使用装置本体とのカラーコーディネー
トが容易でありデザイン性に優れている。また効率よく
安価に製品を提供することが可能であるため、工業的価
値が非常に大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る有色炭素系振動板の製
造工程を示す工程図である。
【符号の説明】
10…アモルファス炭素+黒鉛層 12…アモルファス炭素+窒化硼素層 14…多孔質層 16…着色層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アモルファス炭素を含む第1の層と、多
    孔質の体質材をそれが表面に露出した状態で含む第2の
    層とを具備する有色炭素系振動板。
  2. 【請求項2】 前記第2の層は、色材をさらに含む請求
    項1記載の有色炭素系振動板。
  3. 【請求項3】 前記第1の層は黒鉛をさらに含む請求項
    1または2記載の有色炭素系振動板。
  4. 【請求項4】 アモルファス炭素の出発原料を含む第1
    の層にアモルファス炭素の出発原料と体質材とを含む第
    2層を一体化して2層構造のシートを形成し、 該2層構造のシートを焼成し、 焼成されたシートの第2の層の側の表面を酸化して炭素
    を除去することによって、多孔質の体質材をそれが表面
    に露出した状態で含む表面層を形成するステップを具備
    する有色炭素系振動板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記表面層を色材で着色するステップを
    さらに具備する請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の層は黒鉛をさらに含む請求項
    4または5記載の方法。
JP2000217260A 2000-07-13 2000-07-13 有色炭素系振動板とその製造方法 Withdrawn JP2002034096A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010213062A (ja) * 2009-03-11 2010-09-24 Mitsubishi Pencil Co Ltd スピーカユニット
JP2011077998A (ja) * 2009-10-01 2011-04-14 Mitsubishi Pencil Co Ltd 炭素質音響振動板
EP4132002A4 (en) * 2020-04-02 2024-01-17 Foster Electric Co Ltd VIBRATION PLATE AND METHOD FOR MANUFACTURING VIBRATION PLATE

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