JP2010213062A - スピーカユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炭素質音響振動板25を備えたスピーカ本体14と、デジタル音源10から供給される多値ビットのデジタル音声信号を所要ビットのデジタル信号に変換するデルタシグマ変調器11及び温度計コード変換部12と、デジタル信号のビット数に対応して複数設けられ前記炭素質音響振動板25をそれぞれ振動させる複数のボイスコイル24と、デジタル信号に基づいて各ボイスコイル24を個別に駆動するドライバ回路13とを具備したデジタルスピーカユニットである。
【選択図】図1
Description
本発明の一実施の形態は、スピーカ本体の振動板として炭素質音響振動板を備え、デジタル音源から供給されるデジタル信号でボイスコイルを直接駆動して炭素質音響振動板を振動させるデジタルスピーカユニットである。
図1においてデジタル音源10は、CDプレーや、DVDプレーヤ、その他のデジタル形式の音声再生デバイスで構成することができ、デジタルスピーカユニットに対してデジタル音声信号を出力する。
スピーカ本体14は、中心部に板状をなすセンターポール21を備える有底筒状のヨーク22と、センターポール21の基端部に配されたマグネット23とを備える。このマグネット23とヨーク22とセンターポール21とによって磁気回路を構成している。また、スピーカ本体14は、磁気回路内に、このセンターポール21の外周に隙間を有して取り囲む不図示のコイルボビンを介して複数のボイスコイル24と、このボイスコイル24の先端部に取り付けられた炭素質音響振動板25とを備える。炭素質音響振動板25の外周縁部はエッジ26を介してフレーム27に振動可能に支持されている。複数のボイスコイル24のコイル数Nは温度計コード変換部12の出力ビット数Nに対応させている。
本発明のデジタルスピーカユニットでは、アモルファス炭素と該アモルファス炭素中に均一に分散した炭素粉末とを含み、気孔率40%以上の多孔体を有する振動板を炭素質音響振動板25として用いることができる。この炭素質音響振動板25は、前記多孔体の板を低密度層として具備し、アモルファス炭素を含み、前記低密度層よりも厚みが薄く、前記低密度層よりも密度が高い高密度層をさらに具備することが好適である。
高密度層は総厚の1〜30%程度で効果を発現し、ヤング率100GPa程度の剛性で高音域再生の役割を担う。
アモルファス炭素源としての塩化ビニル樹脂35質量%と平均粒径0.1μmで長さ5μmのカーボンナノ繊維1.4質量%、気孔形成のための穴開け材としてのPMMAを複合した組成物に対して可塑剤としてジアリルフタレートモノマーを添加して、ヘンシェルミキサーを用いて分散させた後、加圧ニーダーを用いて十分に混練を繰り返して組成物を得、ペレタイザーによってペレット化し成形用組成物を得た。この成型用組成物のペレットを押出成形で厚さ400μmのシート状の成型物とし、さらに両面にフラン樹脂をコーティングして硬化させ、多層シートとした。この多層シートを200℃のエアオーブン中で5時間処理しプリカーサー(炭素前駆体)とした。その後、窒素ガス中で20℃/hの昇温速度で昇温し、1000℃で3時間保持した。自然冷却したのちに、真空中1400℃で3時間保持した後、自然冷却して焼成を完了した。これにより、図7に概念的に示すように、アモルファス炭素110中にカーボンナノ繊維の粉末112が均一に分散し、PMMAの粒子が消失した後に残った球状の気孔114を有する多孔体の低密度層116とその両面を覆うアモルファス炭素からなる高密度層118とを有する音響振動板が得られた。
アモルファス炭素源としての、塩化ビニル樹脂35質量%と平均粒径0.1μmで長さ5μmのカーボンナノ繊維1.4質量%、気孔形成のための穴開け材としてPMMAを複合した組成物に対して可塑剤としてジアリルフタレートモノマーを添加して、ヘンシェルミキサーを用いて分散させた後、加圧ニーダーを用いて十分に混練を繰り返して組成物を得、ペレタイザーによってペレット化し成形用組成物を得た。この成型用組成物のペレットを押出成形で厚さ400μmのシート状の成型物とし、さらにフラン樹脂に平均粒径4μm程度の黒鉛(日本黒鉛製SP270)5質量%を分散させ、硬化剤を入れた液を両面にコーティングして硬化させ、多層シートとした。この多層シートを200℃のエアオーブン中で5時間処理しプリカーサー(炭素前駆体)とした。その後、窒素ガス中で20℃/hの昇温速度で昇温し、1000℃で3時間保持した。自然冷却したのちに、真空中で1500℃で3時間保持した後、自然冷却して焼成を完了し、複合炭素振動板を得た。
気孔率50%単層成形体アモルファス炭素源としての、塩化ビニル樹脂54質量%と平均粒径0.1μmで長さ5μmのカーボンナノ繊維1.4質量%、気孔形成のための穴開け材としてPMMAを複合した組成物に対して可塑剤としてジアリルフタレートモノマーを添加して、ヘンシェルミキサーを用いて分散させた後、加圧ニーダーを用いて十分に混練を繰り返して組成物を得、ペレタイザーによってペレット化し成形用組成物を得た。このペレットを用いて厚み400μmのフィルム状の押し出し成形を行った。このフィルムを200℃に過熱したエアオーブン中で5時間処理しプリカーサー(炭素前駆体)とした。その後、窒素ガス中で20℃/時以下の昇温速度で昇温し、1000℃で3時間保持した。自然冷却したのちに、真空雰囲気中で1500℃にて3時間保持した後、自然冷却して焼成を完了し、複合炭素振動板を得た。
11 デルタシグマ変調器
12 温度計コード変換部
13 ドライバ回路
14 スピーカ本体
21 センターピース
22 ヨーク
23 マグネット
24 ボイスコイル
25 炭素質音響振動板
26 エッジ
27 フレーム
Claims (7)
- 炭素質音響振動板を備えたスピーカ本体と、デジタル音源から供給される多値ビットのデジタル音声信号を所要ビットのデジタル信号に変換する変換回路と、前記変換回路から出力されるデジタル信号のビット数に対応して複数設けられ前記炭素質音響振動板をそれぞれ振動させる複数のボイスコイルと、前記変換回路から出力されるデジタル信号に基づいて前記各ボイスコイルを個別に駆動する駆動回路と、を具備したことを特徴とするデジタルスピーカユニット。
- 前記変換回路は、前記デジタル音源から供給される多値ビットのデジタル音声信号をデルタシグマ変調するデルタシグマ変調器を備えることを特徴とする請求項1記載のデジタルスピーカユニット。
- 前記変換回路は、前記デルタシグマ変調器の出力する所定ビットのデジタル信号を、前記ボイスコイルの個数に対応したビット数の温度計コードに変換する温度計コード変換部を備えることを特徴とする請求項2記載のデジタルスピーカユニット。
- 前記炭素質音響振動板は、アモルファス炭素と該アモルファス炭素中に均一に分散した炭素粉末とを含み、気孔率40%以上の多孔体であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のデジタルスピーカユニット。
- 前記炭素質音響振動板は、アモルファス炭素と該アモルファス炭素中に均一に分散した炭素粉末とを含み、気孔率40%以上の多孔体からなる低密度層と、アモルファス炭素を含み、前記低密度層よりも厚みが薄く、前記低密度層よりも密度が高い高密度層とを具備することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のデジタルスピーカユニット。
- 前記スピーカ本体は、前記炭素質音響振動板に対して前記ボイスコイルを接触させて振動させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のデジタルスピーカユニット。
- 前記スピーカ本体は、前記炭素質音響振動板を可撓性のフィルム体で保持し、該フィルム体に対して前記ボイスコイルを接触させて振動させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のデジタルスピーカユニット。
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