JP6993373B2 - 水彩画用紙及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明に係る水彩画用紙は、基紙の少なくとも一方の面に絵具受理層を設ける。絵具受理層を設けることで、絵具の適切な吸収性と、保持性等を備えた水彩画用紙とすることができる。絵具受理層には、少なくともゼラチンと中性サイズ剤とを含有させる。ここでゼラチンはバインダーとして配合するものであり、絵具受理層用の塗料中に3~10質量%を含有させることが好ましい。ゼラチンの基紙への塗布量としては、基紙の片面あたり固形分換算で、0.045~0.8g/m2塗布されることが好ましい。絵具受理層用の塗料中にゼラチンを含有させることで水彩絵具が適度な速さで絵具受理層に吸収され、綺麗なグラデーションができやすくなる。絵具受理層用の塗料中のゼラチンの含有割合が3質量%未満であると、水彩絵具の保持性が劣り、水彩絵具で重ね塗りを行ったときに先に塗布した水彩絵具が脱落してグラデーションができなくなるか、絵具受理層表面に十分なゼラチン膜が形成されずに湿潤表面強度が不足するおそれがある。一方、絵具受理層用の塗料中のゼラチンの含有割合が10質量%を超えると絵具受理層用塗料の粘度が高くなり、ポンプアップ不良、サイズプレスでの液ハネ、エアーナイフ方式でナイフが切れないなどの問題が生じ、安定して塗料を基紙の表面に塗布することが困難となるおそれがある。また、塗料の塗布工程や、塗布後の乾燥工程、配管などの汚れも生じやすくなるおそれがある。
実施例1において、コットンパルプ40部(650mlC.S.F)、化学パルプ(NBSP)60部(650mlC.S.F)に変更し、絵具受理層用塗料の塗布量を基紙の片面当たり乾燥固形分1.4g/m2に変更し密度を0.63g/cm3に調整した以外は実施例1と同様にして水彩画用紙を得た。
実施例1において、絵具受理層用塗料の塗布量を基紙の片面当たり乾燥固形分2.9g/m2に変更し密度を0.40g/cm3に調整した以外は実施例1と同様にして水彩画用紙を得た。
実施例1において、表層及び裏層に添加するサイズ剤としてアルキルケテンダイマー(商品名:SE2360、星光PMC社製)を0.05質量%に変更し、絵具受理層用塗料の塗布量を基紙の片面当たり乾燥固形分1.1g/m2に変更し密度を0.50g/cm3に調整した以外は実施例1と同様にして水彩画用紙を得た。
実施例1において、中層に添加する中性サイズ剤を添加せず、絵具受理層用塗料の塗布量を基紙の片面当たり乾燥固形分10g/m2に変更し密度を0.50g/cm3に調整した以外は実施例1と同様にして水彩画用紙を得た。
実施例1において、中層に添加するアルキルケテンダイマーを0.50質量%に変更し、絵具受理層用塗料の塗布量を基紙の片面当たり乾燥固形分1.1g/m2に変更し密度を0.48g/cm3に調整した以外は実施例1と同様にして水彩画用紙を得た。
実施例及び比較例で得られた水彩画用紙に幅5.5cm×長さ10cmの枠線を引き、更に長さ3cmごとにガイド線を引いた試験用紙を作成する。プラスチックカップの中に水彩絵具(商品名:コバルトブルーヒュー、ホルベイン画材社製)を蒸留水と重量比で1:9に希釈した溶液を作成し、シリンジ(商品名:テルモシリンジ ツベルクリン用SS-01T、テルモ社製)で作成した溶液を約0.1ml取り、筆先につける。水彩絵具の塗布は3回に分けて行い、1回目は幅5.5cm×長さ3cmの枠内に水彩絵具を塗布する。その後、蒸留水を入れたプラスチックカップで筆を洗い、プラスチックカップの淵で筆を1回こすり、筆についた過剰な水を落とす。2回目は色の混ざり具合を確認するために1回目に塗布した水彩絵具の下端から重ね塗りし、長さ6cmの枠内に水彩絵具を塗布する。再び蒸留水を入れたプラスチックカップで筆を洗い、プラスチックカップの淵で筆を1回こすり、筆についた過剰な水を落とす。3回目は色の混ざり具合を確認するために2回目に塗布した水彩絵具の下端から重ね塗りし、長さ10cmの枠内に絵具を塗布する。画像が乾燥した後に色の混ざり具合を目視で観察した。評価は4段階で行い、○以上を実用上問題なしとした。
◎:乾燥後の画像は色が混ざり綺麗なグラデーションができる。
○:乾燥後の画像はほとんど色が混ざりグラデーションができる。
△:乾燥後の画像は色が混ざりやすいがグラデーション内に色ムラができる
(実用上問題あり)。
×:乾燥後の画像は色が混ざらずグラデーションができない(実用上問題あり)。
実施例及び比較例で得られた水彩画用紙に3cm角の正方形を書いた試験用紙を作成する。プラスチックカップの中に水彩絵具(商品名:コバルトブルーヒュー、ホルベイン画材社製)を蒸留水と重量比で1:9に希釈した溶液を作成し、シリンジ(商品名:テルモシリンジ ツベルクリン用SS-01T、テルモ社製)で作成した溶液を約2ml取り、注射針(商品名:テルモ注射針NN-2138、テルモ社製)を装着してから注射針内の空気抜きを行う。その後蒸留水が入ったプラスチックカップにナイロン筆を浸し、プラスチックカップの淵でナイロン筆を1回こすり、5~7秒間で3cm角の正方形に蒸留水を均一に塗布する。水彩紙表面の凹凸が見え始めた状態(ウェット~半乾きの状態)で水彩絵具を1滴落とす。画像が乾燥した後に正方形内に落とした水彩絵具の広がり具合を目視で観察した。評価は4段階で行い、○以上を実用上問題なしとした。
◎:乾燥後の画像は水彩絵具の広がりが特に良好。
○:乾燥後の画像は水彩絵具の広がりが良好。
△:乾燥後の画像は水彩絵具がやや広がるが、中央に水彩絵具が留まりやすい
(実用上問題あり)。
×:乾燥後の画像は中央に水彩絵具が留まり色水だけが広がる(実用上問題あり)。
Claims (5)
- 表層と、裏層と、表層と裏層との間にあって1層以上の層からなる中層とを有する3層以上の基紙と、前記基紙の少なくとも一方の面に設けられた絵具受理層とを有する水彩画用紙であって、
前記基紙がパルプを主成分とし、
前記パルプの60質量%以上がコットンパルプ及び/又はマーセル化したコットンパルプであり、
前記絵具受理層がゼラチン及び中性サイズ剤を含有し、
前記表層及び前記裏層はサイズ剤を含有せず、前記中層のうち前記表層及び/又は前記裏層と接する層には層全量に対して0.05~0.31質量%のサイズ剤を含有しており、
密度が0.45~0.60g/cm3であることを特徴とする水彩画用紙。 - 前記絵具受理層には、硫酸カリウムアルミニウム水和物が含有されないことを特徴とする請求項1に記載の水彩画用紙。
- 前記中層に含有されるサイズ剤は、アルキルケテンダイマーサイズ剤及び/又は中性ロジンサイズ剤であることを特徴とする請求項1に記載の水彩画用紙。
- 前記絵具受理層の塗布量は、基紙の片面あたり固形分換算で1.5~8.0g/m3であることを特徴とする請求項1に記載の水彩画用紙。
- 表層と、裏層と、表層と裏層との間にあって1層以上の層からなる中層とを有する3層以上の基紙を抄紙する抄紙工程と、
前記基紙の少なくとも一方の面に、ゼラチン及び中性サイズ剤を含有する絵具受理層用塗料を塗布する塗布工程とを有し、
前記基紙に含まれるパルプの60質量%以上をコットンパルプ及び/又はマーセル化したコットンパルプとし、
前記表層及び前記裏層にはサイズ剤を含有させず、前記中層のうち前記表層及び/又は前記裏層と接する層には層全量に対しての含有量が0.05~0.31質量%となるようにサイズ剤を含有させ、
密度を0.45~0.60g/cm3とすることを特徴とする水彩画用紙の製造方法。
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