JP6623773B2 - スピーカー振動板 - Google Patents

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本発明はスピーカー振動板に関する。
一般に、スピーカー振動板に要求される特性としては、ヤング率(弾性率、剛性)が高いこと、および、内部損失(tanδ)が大きいことが挙げられる。このような要求に応えるべく、スピーカー振動板の材料および構造が継続的に検討されている。
例えば、ヤング率および内部損失を向上させるべく、抄紙したコーン紙にフェノール樹脂を含浸および焼成して炭化させ、さらにゼラチン水溶液を含浸したスピーカー振動板が提案されている(特許文献1)。しかし、このようなスピーカー振動板は、未処理のコーン紙のみからなるスピーカー振動板よりも格段に硬く、音波の伝搬速度が遅くなり、結果として、スピーカーユニットの音圧が低下するという問題がある。
特開2008−278457号公報
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ヤング率および内部損失(tanδ)の両方に優れ、かつ、音波の伝搬特性に優れたスピーカー振動板を提供することにある。
本発明のスピーカー振動板は、セルロース系材料を主成分として抄紙された基材層と、該基材層の音波放射面側に設けられた表面層と、を有し、該表面層がカーボン粒子およびゼラチンを含む。
1つの実施形態においては、上記表面層における上記カーボン粒子と上記ゼラチンとの含有比は、重量比で10/90〜60/40である。1つの実施形態においては、上記含有比は、重量比で15/85〜30/70である。
1つの実施形態においては、上記カーボン粒子の平均粒子径は250nm以下である。
1つの実施形態においては、上記ゼラチンは粒子状であり、その平均粒子径は100nm以下である。
1つの実施形態においては、上記基材層は木材パルプを含む。1つの実施形態においては、上記基材層はセルロースナノファイバーをさらに含む。
本発明によれば、音波放射側にカーボン粒子およびゼラチンを含む表面層を形成することにより、ヤング率および内部損失(tanδ)の両方に優れ、かつ、音波の伝搬特性に優れたスピーカー振動板を提供することができる。
本発明の実施形態によるスピーカー振動板は、基材層と該基材層の音波放射面側に設けられた表面層とを有する。基材層は、セルロース系材料を主成分として抄紙されて形成されている。本発明においては、表面層はカーボン粒子およびゼラチンを含む。本発明の実施形態によれば、基材層と表面層の2層構造を採用し、かつ、表面層にカーボン粒子およびゼラチンを導入することにより、優れたヤング率と優れた内部損失(tanδ)とを両立させることができるのみならず、優れた音波伝搬特性を実現することができる。表面層は基材層の音波放射面側にのみ設けられることが好ましい。
基材層の主成分となるセルロース系材料は特に限定されず、スピーカー振動板に通常用いられるセルロース系材料が採用され得る。セルロース系材料の代表例としては、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)等の広葉樹クラフトパルプ(LKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)等の木材由来のクラフトパルプ(単に木材パルプとも称する);サルファイトパルプ、脱墨パルプ(DIP)などの古紙パルプ;グランドパルプ(GP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、リファイナー砕木パルプ(RMP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミメカニカルパルプ(CMP)、ケミグランドパルプ(CGP)等の機械パルプ等が挙げられる。
基材層は、必要に応じて、主成分の木材パルプ等と他の繊維とが混抄されて形成されてもよい。他の繊維は、目的に応じて適切に選択され得る。例えば機械的強度の向上を目的とする場合には、高強度繊維が混合され得る。さらに、目的に応じた繊維(例えば、消臭繊維、マイナスイオン放出繊維)が混合され得る。基材層が混抄により形成される場合、セルロース系材料の含有量は、基材層の総重量に対して好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。他の繊維は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
基材層は、必要に応じて、セルロースナノファイバーをさらに含んでいてもよい。すなわち、上記の混抄される他の繊維がセルロースナノファイバーであってもよく、セルロースナノファイバーを含んでいてもよい。基材層にセルロースナノファイバーを用いることにより、内部損失(tanδ)が顕著に向上し得る。基材層にセルロースナノファイバーを用いる場合、その含有量は、基材層の総重量に対して好ましくは0.1重量%〜15重量%であり、より好ましくは1重量%〜10重量%である。
セルロースナノファイバーとは、繊維径がナノサイズのセルロース繊維をいう。セルロースナノファイバーの繊維径(数平均径)は、例えば3nm〜100nmである。セルロースナノファイバーの長さ(数平均長)は、例えば0.1μm〜100μmである。セルロースナノファイバーのアスペクト比(長さ/径)は、例えば50〜1000である。
セルロースナノファイバーの製造方法としては、例えば、パルプを水中に分散させた懸濁液同志を衝突させて解繊・微細化する水中対向衝突法(ACC法)、セルロース原料を機械的処理により解繊する方法が挙げられる。該機械的処理としては、例えば、低圧ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、グラインダー、カッターミル、ジェットミル、短軸押出機、2軸押出機、超音波攪拌機等を用いて、セルロース原料を微細化する処理が挙げられる。また、上記セルロースナノファイバーは、セルロース原料を酸素処理、酸処理等の化学的処理により解繊して、製造してもよい。
セルロース原料としては、基材層の主成分であるセルロース系材料に関して上記で説明したパルプが挙げられる。また、これらのパルプを、粉砕して得られた粉末状セルロース、パルプを酸加水分解などの化学処理によって精製して得られた微結晶セルロースを用いてもよい。さらに、ケナフ、麻、イネ、バガス、葦、竹、綿等に由来する非木材パルプを使用してもよい。1つの実施形態においては、針葉樹由来のセルロースが、セルロースナノファイバーの原料として用いられる。針葉樹由来のセルロースを用いれば、よりヤング率の高いスピーカー振動板を得ることができる。
基材層の形成方法(抄紙方法および成形方法)は業界で周知であるので、詳細な説明は省略する。
表面層は、上記のとおり、カーボン粒子およびゼラチンを含む。1つの実施形態においては、表面層は、カーボン粒子およびゼラチンからなる。この場合、ゼラチンがバインダーとしても機能し得る。別の実施形態においては、表面層は、カーボン粒子およびゼラチンに加えて、バインダーをさらに含んでいてもよい。
表面層におけるカーボン粒子とゼラチンとの含有比(配合比)は、重量比で、好ましくは10/90〜60/40であり、より好ましくは15/85〜30/70であり、さらに好ましくは15/85〜20/80である。このような含有比であれば、バインダーとしてのゼラチンにカーボン粒子が良好に分散した構造が実現され得る。その結果、ヤング率および内部損失(tanδ)の両方に優れ、かつ、音波伝搬特性に優れたスピーカー振動板を実現することができる。
カーボン粒子の平均粒子径は、好ましくは250nm以下であり、より好ましくは20nm〜100nmであり、さらに好ましくは30nm〜80nmであり、特に好ましくは30nm〜50nmである。このような範囲であれば、カーボン粒子がゼラチンとともに基材層内部にまで十分に侵入することができる。その結果、スピーカー振動板の密度を大きくすることができ、優れた音波伝搬特性を実現することができる。
ゼラチンは、非粒子の状態で膜(表面層)のバインダーとして機能してもよく、粒子状で膜(表面層)のバインダーとして機能してもよい。表面層がゼラチンを含むことにより、表面層としてゼラチン被膜を形成することができる。その結果、スピーカー振動板の機械的強度を向上させ、空気漏れを防止し、かつ、内部損失(tanδ)を向上させることができる。これは、以下が理由の1つであると推定される:ゼラチンの原料となるコラーゲン(例えば、コラーゲンI型)は、アミノ酸残基数1000のポリペプチド鎖が3本で三重らせん構造を形成しているので、強度に優れるにもかかわらず分子鎖はフレキシブルである。一方、例えばデンプンを表面層に用いたとしても、デンプンはD−グルコースの重合体であり、分子鎖構造が異なるので、ゼラチンによる上記のような効果は得られない。
ゼラチンが粒子状である場合、その平均粒子径は、好ましくは100nm以下であり、より好ましくは20nm〜80nmであり、さらに好ましくは30nm〜70nmであり、特に好ましくは40nm〜60nmである。このような範囲であれば、ゼラチンがカーボン粒子と基材層とのバインダーとしてより良好に機能し得る。なお、本明細書における「ゼラチン粒子の平均粒子径」とは、実質的には、表面層形成用分散液(後述)における分散ゼラチン粒子の平均粒子径である。
バインダーとしては、任意の適切な塗膜形成材料が用いられ得る。バインダーの代表例としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線(例えば、紫外線、可視光線、電子線)硬化型樹脂が挙げられる。具体例としては、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、アセテート系樹脂が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。組み合わせの形態としては、ブレンド、共重合、変性が挙げられる。例えば、アクリル変性エチレン−酢酸ビニル共重合体が用いられ得る。バインダーをさらに用いる場合、表面層におけるバインダーの含有量は、表面層の総重量に対して例えば0.5重量%〜10重量%である。
表面層の厚みは、好ましくは0.001mm〜0.070mmであり、より好ましくは0.001mm〜0.050mmである。表面層の厚みがこのような範囲であれば、ヤング率と内部損失(tanδ)の両方を良好に向上させることができる。
表面層は、任意の適切な添加材をさらに含んでいてもよい。添加剤の具体例としては、着色剤(顔料、染料)、難燃剤、老化防止剤、帯電防止剤、抗菌剤、酸化防止剤、充填剤(無機充填剤、有機充填剤)、離型剤、光安定剤、が挙げられる。添加剤の数、種類、量および組み合わせは、目的に応じて適切に選択され得る。
本発明のスピーカー振動板は、任意の適切な製造方法により製造され得る。代表的な製造方法は、セルロース系材料を主成分とし必要に応じて他の繊維を含む組成物を抄紙または混抄して基材層を形成すること;当該基材層に、カーボン粒子とゼラチンと必要に応じてバインダーとを含む分散液(塗布液)を塗布し、塗布膜を乾燥させて表面層を形成すること;および、基材層/表面層の積層体を所定の形状に成形すること;を含む。所定の形状に成形した基材層に分散液(塗布液)を塗布および乾燥して表面層を形成してもよい。成形方法としては、任意の適切な方法が挙げられる。具体例としては、熱プレス形成が挙げられる。
分散液(塗布液)は、好ましくは加熱されている。分散液(塗布液)の温度は、好ましくは50℃〜70℃である。分散液の加熱方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。好ましい加熱方法は、急激な温度変化がないように温度管理可能な加熱器具の上で湯煎する方法である。ゼラチンの原料である膠は常温では固体であってバインダーとして機能しないので加熱が必要である一方で、高温(例えば、80℃以上)では結合が切れて接着力が不十分となる場合があるからである。分散液(塗布液)を加熱することにより、カーボン粒子およびゼラチンの非常に均一な分散状態が実現され得る。その結果、ヤング率、内部損失(tanδ)および音波伝搬特性の向上効果が顕著なものとなる。
本発明のスピーカー振動板は、目的に応じて任意の適切な形状を有し得る。例えば、本発明のスピーカー振動板は、コーン形状であってもよく、ドーム形状であってもよく、その他の形状であってもよい。
本発明のスピーカー振動板は、あらゆる用途のスピーカーに適用され得る。例えば、本発明の振動板を用いるスピーカーは、車載用であってもよく、携帯電子機器用(例えば、携帯電話、携帯音楽プレーヤー)であってもよく、据置型であってもよい。また例えば、本発明の振動板を用いるスピーカーは、大口径であってもよく、中口径であってもよく、小口径であってもよい。また例えば、本発明の振動板を用いるスピーカーは、ウーハーであってもよく、ツイーターであってもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。実施例における評価方法は以下のとおりである。なお、特に示さない限り、実施例中の部およびパーセントは重量基準である。
<評価>
1.ヤング率および内部損失(tanδ)の測定
振動リード法(片持梁、共振法)により、得られたスピーカー振動板のヤング率および内部損失(tanδ)を測定した。具体的には、実施例および比較例で得られた積層体から、それぞれ、40mm×15mmサイズのテストピースを5片切り出し、各テストピースについて、23℃におけるヤング率および内部損失(tanδ)を測定した。表中には、5片のテストピースの平均値を示す。
2.音波伝搬特性(音速)
上記1.で求めたヤング率と得られたスピーカー振動板の密度から、下記の式により音波伝搬特性(音速)(m/sec)を求めた。
√{ヤング率(N/m)/ 密度(kg/m)}
3.厚み測定
実施例および比較例で得られたスピーカー振動板と同条件で作製した平板から、それぞれ、40mm×15mmサイズのテストピースを5片切り出した。ダイアルシックネスゲージを用い、各片につき4点(すなわち、4点×5片の計20点)の厚みを測定し、その平均値を求めた。
<参考例1>
水300重量部に、葦由来のパルプ(フリーネス:220cc)100重量部と、サイズ剤とを添加して、パルプ組成物を調製した。パルプ組成物を抄紙して、平板状のスピーカー振動板(厚み:0.35mm)を得た。
<実施例1>
参考例1で得られたスピーカー振動板を基材層として用いた。一方、ゼラチン(新田ゼラチン社製、製品名「AGP−28」)6部と水94部との混合液を調製した。さらに、カーボンブラック粒子の分散液として墨液(古梅園社製、商品名「瑞雲」)を用いた。上記混合液と上記墨液とをカーボンブラック粒子とゼラチンとの含有比が15/85(重量比)となるように混合した後、湯煎して60℃〜70℃の間の温度となるように加熱して、表面層形成用塗布液を得た。この塗布液においては、カーボンブラック粒子の平均粒子径は40nmであり、また、ゼラチンも粒子状であり、その平均粒子径は50nmであった。この塗布液を基材層に塗布および乾燥させて表面層を形成し、基材層/表面層の構成を有するスピーカー振動板(厚み:0.37mm)を得た。表面層の厚み(基材層と基材層/表面層の積層体の厚みの差)は0.020mmであった。得られたスピーカー振動板について、ヤング率、内部損失(tanδ)および音速を測定した。さらに、スピーカー振動板を定法で秤量し、密度を測定した。結果を表1に示す。
<実施例2>
ゼラチン/水の混合液と墨液との混合割合を変更してカーボンブラック粒子とゼラチンとの含有比が30/70(重量比)である表面層形成用塗布液を用いたこと以外は実施例1と同様にしてスピーカー振動板(厚み:0.36mm)を得た。なお、塗布液におけるカーボンブラック粒子の平均粒子径およびゼラチン粒子の平均粒子径はともに実施例1と同様であった。また、表面層の厚みは0.010mmであった。得られたスピーカー振動板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例3>
ゼラチン/水の混合液と墨液との混合割合を変更してカーボンブラック粒子とゼラチンとの含有比が45/55(重量比)である表面層形成用塗布液を用いたこと以外は実施例1と同様にしてスピーカー振動板(厚み:0.36mm)を得た。なお、塗布液におけるカーボンブラック粒子の平均粒子径およびゼラチン粒子の平均粒子径はともに実施例1と同様であった。また、表面層の厚みは0.010mmであった。得られたスピーカー振動板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例4>
ゼラチン/水の混合液と墨液との混合割合を変更してカーボンブラック粒子とゼラチンとの含有比が60/40(重量比)である表面層形成用塗布液を用いたこと以外は実施例1と同様にしてスピーカー振動板(厚み:0.38mm)を得た。なお、塗布液におけるカーボンブラック粒子の平均粒子径およびゼラチン粒子の平均粒子径はともに実施例1と同様であった。また、表面層の厚みは0.030mmであった。得られたスピーカー振動板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例5>
湯煎(加熱)しなかったこと以外は実施例4と同様にして表面層形成用塗布液を調製した。この表面層形成用塗布液を用いたこと以外は実施例4と同様にしてスピーカー振動板(厚み:0.40mm)を得た。表面層の厚みは0.050mmであった。得られたスピーカー振動板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<比較例1>
ゼラチンを表面層形成用塗布液とし、カーボンブラック粒子を含まない表面層を形成したこと以外は実施例1と同様にしてスピーカー振動板(厚み:0.36mm)を得た。表面層の厚みは0.010mmであった。得られたスピーカー振動板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例5の表面層形成用塗布液と同様の分散液を基材層に含浸させたこと以外は実施例5と同様にしてスピーカー振動板(厚み:0.40mm)を得た。得られたスピーカー振動板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<比較例3>
表面層形成用塗布液を基材層の両面に塗布したこと以外は実施例4と同様にしてスピーカー振動板(厚み:0.39mm)を得た。得られたスピーカー振動板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<比較例4>
ゼラチン/水の混合液と墨液との混合割合を変更してカーボンブラック粒子とゼラチンとデンプンとの含有比が45/30/25(重量比)である表面層形成用塗布液を用いたこと以外は実施例1と同様にしてスピーカー振動板(厚み:0.44mm)を得た。得られたスピーカー振動板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例6>
墨液の種類を変更してカーボンブラック粒子の平均粒子径を250nmとしたこと以外は実施例1と同様にしてスピーカー振動板を得た。得られたスピーカー振動板を実施例1と同様の評価に供したところ、参考例1に比べて改善は認められたが、実施例1〜5に比べると各特性の改善度合いは小さかった。
Figure 0006623773
表1から明らかなように、実施例1〜4のスピーカー振動板は、参考例1に比べて、ヤング率、内部損失(tanδ)および音速(音波伝搬特性)のすべてが顕著にかつバランスよく改善されている。実施例5のスピーカー振動板は、内部損失が格段に改善されている(ヤング率および音速はほぼ同等に維持されている)。実施例1〜4と実施例5とを比較すると明らかなように、表面層形成用塗布液を加熱することにより、ヤング率、内部損失および音速のすべてがバランスよく改善されている。比較例1のスピーカー振動板は、実施例に比べて改善効果が小さい。比較例2および3のスピーカー振動板は内部損失のみが改善されており、比較例2はヤング率が悪化し、比較例3はヤング率および音速のいずれもが悪化している。さらに、実施例と比較例4とを比較すると明らかなように、表面層のバインダーとしてはゼラチンがデンプンよりも優れていることがわかる。
本発明のスピーカー振動板は、あらゆる用途のスピーカーに好適に用いられ得る。

Claims (7)

  1. セルロース系材料を主成分として抄紙された基材層と、該基材層の音波放射面側に設けられた表面層と、を有し、
    該表面層がカーボン粒子およびゼラチンを含む、
    スピーカー振動板。
  2. 前記表面層における前記カーボン粒子と前記ゼラチンとの含有比が、重量比で10/90〜60/40である、請求項1に記載のスピーカー振動板。
  3. 前記表面層における前記カーボン粒子と前記ゼラチンとの含有比が、重量比で15/85〜30/70である、請求項2に記載のスピーカー振動板。
  4. 前記カーボン粒子の平均粒子径が250nm以下である、請求項1から3のいずれかに記載のスピーカー振動板。
  5. 前記ゼラチンが粒子状であり、その平均粒子径が100nm以下である、請求項1から4のいずれかに記載のスピーカー振動板。
  6. 前記基材層が木材パルプを含む、請求項1から5のいずれかに記載のスピーカー振動板。
  7. 前記基材層がセルロースナノファイバーをさらに含む、請求項6に記載のスピーカー振動板。
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