JP2021127411A - 光硬化性接着剤組成物、フィルム、および光学部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性および接着性に優れる接着剤組成物の提供。
【解決手段】式(1)の構造単位と反応性基を有する構造単位を含むポリマーと、極性(メタ)アクリル化合物を含む単量体とを含み、前記ポリマーは、前記単量体に溶解している硬化性接着剤組成物:
Figure 2021127411

式(1)において、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素または炭素数1〜30の有機基であり、nは0、1または2である。
【選択図】なし

Description

本発明は、光硬化性接着剤組成物、当該光硬化性接着剤を硬化して得られるフィルム、および当該フィルムを備える光学部品に関する。
近年、軽量化、小型・高密度化の要求に伴い、従来、無機ガラスが用いられていた光学部品、液晶等表示素子部品の分野で光学透明な樹脂への代替化が進んでいる。このような光学部品の樹脂への代替にともない、光学部品を製造するために用いられる接着剤においても、透明性や接着・密着性などにおいて、さらなる改良が求められている。
たとえば、特許文献1には、オルガノシラン系化合物とシリル基含有環状オレフィン系重合体を含有する樹脂組成物が、透明材料として光学材料用の接着剤として使用できることが記載されている。
特開2002−146145
しかしながら、本発明者が検討した結果、特許文献1に記載の樹脂組成物において、透明性および接着性の点で改善の余地があることが判明した。本発明は、透明性および接着性に優れ、光学部品の製造に用いることができる、接着剤組成物を提供するものである。
本発明者は、特定の構造を有する構造単位を含むポリマーと、当該ポリマーが溶解可能な特定の単量体を用いることにより、優れた透明性および接着性を備える接着剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、
式(1)で表される第1の構造単位、および反応性基を有する第2の構造単位を含むポリマーと、
単量体と、を含み、
前記ポリマーは、前記単量体に溶解しており、
前記単量体は、極性アクリル化合物を含む、
光硬化性接着剤組成物が提供される。
Figure 2021127411
式(1)において、
、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素または炭素数1〜30の有機基であり、nは0、1または2である。
また本発明によれば、上記光硬化性接着剤組成物の硬化物からなるフィルムが提供される。
また本発明によれば、上記フィルムを接着剤層として備える光学部品が提供される。
本発明によれば、高い透明性を備えるとともに、接着性に優れ、よって光学部品の製造において接着剤として使用可能な光硬化性接着剤組成物が提供される。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本明細書中、数値範囲の説明における「a〜b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1〜5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」を意味する。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換か無置換かを記していない表記は、置換基を有しないものと置換基を有するものとの両方を包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
(光硬化性接着剤組成物)
本実施形態の光硬化性接着剤組成物(明細書中、単に、「接着剤組成物」と称する場合がある)は、式(1)で表される第1の構造単位、および反応性基を有する第2の構造単位を含むポリマー(明細書中、「ポリマーP」と称する)と、単量体と、を含む。本実施形態の接着剤組成物において、ポリマーPは、単量体中に溶解して存在する。
Figure 2021127411
式(1)において、
、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素または炭素数1〜30の有機基であり、nは0、1または2である。
本実施形態の接着剤組成物は、ポリマーPが第1の構造単位および第2の構造単位を含むことにより、高い架橋性(硬化性)を備え、よって優れた接着・密着性を有する。また、本実施形態の接着剤組成物は、ポリマーPが単量体中に溶解していることにより、その硬化物は優れた透明性を有する。結果として、本実施形態の接着剤組成物は、透明性と接着性の両立が求められる光学部品を製造するための接着剤として好適に使用することができる。
以下、本実施形態の接着剤組成物に使用される各成分について詳述する
(ポリマーP)
本実施形態の光硬化性接着剤組成物に用いられるポリマーPは、式(1)で表される第1の構造単位と、反応性基を有する第2の構造単位とを含む。式(1)で表される第1の構造単位は、化学的に堅牢である。そのため、第一の構造単位を含むポリマーPより得られる硬化膜は、成形性において優れるとともに、耐久性を備える。
Figure 2021127411
式(1)で表される第1の構造単位において、nは0、1または2であり、好ましくは、0または1であり、より好ましくは、0である。
式(1)で表される第一の構造単位において、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素または炭素数1〜30の有機基であり、好ましくはより、炭素数1〜18の有機基であり、より好ましくは、炭素数1〜10の有機基である。この有機基は、カルボキシル基、グリシジル基、オキセタニル基等の反応性の官能基を有していてもよい。また、この有機基は、O、N、S、PおよびSiから選択される1以上の原子を含んでもよい。
炭素数1〜30の有機基としては、例えば、炭素数1〜30の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基が挙げられる。
式(1)において、nは0、1または2であり、好ましくは、0または1であり、より好ましくは、0である。
アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、およびデシル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、ペンテニル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。アリール基としては、たとえばトリル基、キシリル基、フェニル基、ナフチル基、およびアントラセニル基が挙げられる。アラルキル基としては、たとえばベンジル基、およびフェネチル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。ヘテロ環基としては、たとえばエポキシ基、およびオキセタニル基が挙げられる。
得られる接着剤組成物の硬化物の光透過性を高める観点からは、R〜Rのいずれかが水素であることが好ましく、R〜Rすべてが水素であることがより好ましい。
ポリマーPを構成する第2の構造単位は、反応性の官能基、例えば、光ラジカル発生剤によりラジカル重合を開始し得るラジカル重合性の反応性基を有する。このような第2の構造単位を含むポリマーPは、架橋反応により架橋構造を形成して樹脂膜を形成する。第2の構造単位が有する反応性基としては、ビニル基、ビニリデン基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、カルボキシル基、およびヒドロキシル基が挙げられる。好ましくは、反応性基としては、炭素−炭素二重結合を含む有機基であることが好ましく、ビニル基、ビニリデン基、アクリロイル基、およびメタクリロイル基からなる群から選ばれるいずれかの基がより好ましい。
第2の構造単位としては、例えば、式(2)で表される構造単位が挙げられる。
Figure 2021127411
式(2)において、Rは、例えば、光ラジカル発生材によりラジカル重合を開始し得るラジカル重合性を備える反応性基である。このような反応性基としては、ビニル基、ビニリデン基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、カルボキシル基、およびヒドロキシル基が挙げられる。反応性基としては、炭素−炭素二重結合を含む有機基であることが好ましく、ビニル基、ビニリデン基、アクリロイル基、メタクリロイル基からなる群から選ばれるいずれかの基がより好ましい。
の好ましい例としては、式(I)および式(II)で表される有機基が挙げられる。
Figure 2021127411
式(I)において、fは1〜9の整数であり、式(II)において、eは1〜9の整数である。
第2の構造単位を有するポリマーPは、式(2)の構造単位を含む以下の式(3)または(4)で表される構造単位を含んでもよい。式(3)および式(4)において、R、RおよびRは、式(2)におけるRと同義である。ただし、ポリマーPが、式(4)の構造単位を含む場合、R、Rのいずれか一方が、上述の反応性基を有していればよく、他方は、式(1)におけるR〜Rと同義の炭素数1〜30の有機基であってもよい。またただし、ポリマーPが、式(3)、式(4)の両方の構造単位を含む場合、R〜Rの少なくとも1つが、上述の反応性基を有していればよく、残りは炭素数1〜30の有機基であってもよい。
Figure 2021127411
Figure 2021127411
ポリマーPは、式(5)、式(6)、式(7)、式(8)、式(9)、および式(10)で表される構造単位の少なくとも1つをさらに含んでもよい。
Figure 2021127411
Figure 2021127411
Figure 2021127411
Figure 2021127411
Figure 2021127411
Figure 2021127411
式(6)、式(7)、式(10)中、R11〜R14は、上記式(1)におけるR〜Rと同義の炭素数1〜30の有機基である。
本実施形態に係るポリマーPのMw(重量平均分子量)の上限値は、例えば、30000以下であって、20000以下とするのが好ましく、14000以下とするのがさらに好ましく、10000以下とするのが一層好ましい。これにより、ポリマーPの運動性が向上することで、より適切な架橋構造を作ることができる。また、ポリマーPのMwの下限値は、例えば、1000以上であって、2000以上とするのが好ましく、3000以上とするのがより好ましい。これにより、ポリマーPを含む接着剤組成物を光硬化した場合、架橋構造の形成が促進される。
ポリマーPの分散度、すなわち、Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)の上限値は、例えば、2.5以下であって、2.2以下とするのが好ましく、2.0以下とするのが更に好ましい。これにより、ポリマーPの分子量分布の幅を減らすことができ、均一な架橋構造を形成することができる。また、Mw/Mnの下限値は、例えば、1.0以上としてもよく、1.5以上とすることができる。なお、Mw/Mnは、単分散に近いほどよい。なお、Mw/Mnは、分子量分布の幅を示す分散度である。ポリマーPのMw/Mnを上記範囲とすることにより、ポリマーPを含む接着剤組成物からなる樹脂膜の形状を良好なものとすることができる。
ここで、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および分子量分布(Mw/Mn)は、例えばGPC測定により得られる標準ポリスチレン(PS)の検量線から求めたポリスチレン換算値を用いる。測定条件は、例えば以下の通りである。
東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8320GPC
カラム:東ソー社製TSK−GEL Supermultipore HZ−M
検出器:液体クロマトグラム用RI検出器
測定温度:40℃
溶媒:THF
試料濃度:2.0mg/ミリリットル
本実施形態の接着剤組成物中におけるポリマーPの配合量は、接着剤組成物全体に対して、例えば、5〜80質量%とすることができ、好ましくは、10〜70質量%であり、より好ましくは、20〜60質量%である。上記範囲の量でポリマーPを用いることにより、取り扱い性に優れ、その硬化物が高い透明性を有する接着剤組成物を得ることができる。
(ポリマーPの製造方法)
ポリマーPは、任意の方法により製造(合成)してよく、例えば、式(1)で表される構造単位と、式(7)で表される構造単位とを含む原料ポリマーを調製する工程(工程I)と、得られた原料ポリマーを、塩基性触媒の存在下、上述の反応性基を有する化合物と反応させることにより、式(1)で表される第1の構造単位と、反応性基を有する第二の構造単位とを含むポリマーPを得る工程(工程II)を含む方法により製造することができる。
以下、一例として、ポリマーPが、式(1)で表される構造単位と、式(2)で表される構造単位とを含み、式(2)中のRが、式(I)または式(II)である場合について、その製造方法を詳述する。ポリマーPの製造方法は、上記の特定の構造に限定して解釈されるべきではない。
<原料ポリマーの調製>
式(1)で表される構造単位と式(7)で表される構造単位とを含む原料ポリマーは、典型的には、式(1−m)で表されるモノマーと、無水マレイン酸とを重合(付加重合)することで得ることができる。式(1−m)のR、R、RおよびR、ならびにnの定義は、式(1)におけるものと同義である。好ましい態様についても同様である。
Figure 2021127411
Figure 2021127411
Figure 2021127411
式(1−m)で表されるモノマーとしては、例えば、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン(慣用名:2−ノルボルネン)、ノルボルナジエン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネン、5−アリル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−エチニル−2−ノルボルネン、5−ベンジル−2−ノルボルネン、5−フェネチル−2−ノルボルネン、2−アセチル−5−ノルボルネン、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物などが挙げられる。式(1−m)で表されるモノマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合の方法については限定されないが、ラジカル重合開始剤を用いたラジカル重合が好ましい。
重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物などを使用できる。
アゾ化合物として具体的には、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(ABCN)などを挙げることができる。
有機過酸化物としては、例えば、過酸化水素、ジ−tert−ブチルパーオキサイド(DTBP)、過酸化ベンゾイル(ベンゾイルパーオキサイド,BPO)および、メチルエチルケトンパーオキサイド(MEKP)などを挙げることができる。
重合開始剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤を用いることができる。重合溶媒は単独溶剤でも混合溶剤でもよい。
式(1−m)で表されるモノマー、無水マレイン酸および重合開始剤を溶媒に溶解させて反応容器に仕込み、その後、加熱することで、付加重合を進行させる。加熱温度は例えば50〜80℃であり、加熱時間は例えば5〜20時間である。
反応容器に仕込む際の、式(1−m)で表されるモノマーと、無水マレイン酸とのモル比は、0.5:1〜1:0.5であることが好ましい。分子構造制御の観点から、モル比は1:1であることが好ましい。
上記工程により、「原料ポリマー」を得ることができる。
なお、原料ポリマーは、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、周期共重合体などのいずれであってもよい。典型的にはランダム共重合体または交互共重合体である。なお、一般に、無水マレイン酸は交互共重合性が強いモノマーとして知られている。
なお、原料ポリマーの合成後に、未反応モノマー、オリゴマー、残存する重合開始剤などの低分子量成分を除去する工程を行ってもよい。
具体的には、合成された原料ポリマーと低分子量成分とが含まれた有機層を濃縮し、その後、テトラヒドロフラン(THF)などの有機溶媒と混合して溶液を得る。そして、この溶液を、メタノールなどの貧溶媒と混合し、モノマーを沈殿させる。この沈殿物を濾取して乾燥させることで、原料ポリマーの純度を上げることができる。
<ポリマーPの調製>
上記の原料ポリマーと、反応性基を有する化合物として、式(11)で表される化合物とを、塩基性触媒の存在下で反応させることで、原料ポリマー中に含まれる式(7)の構造単位の少なくとも一部が開環し、式(13)で表される構造単位および式(14)で表される構造単位が生成され、結果として、式(p−1)で表される構造を有するポリマー(p−1)が生成される。式(11)、式(13)および式(p−1)中のfは、上記式(I)におけるfと同義であり、式(p−1)中のR〜Rおよびnは、式(1)におけるものと同義である。式(p−1)中の、p、q、r、およびsは、ポリマー(p−1)中の各構造単位のモル含有率を示し、p+q+r+s=1である。
Figure 2021127411
Figure 2021127411
Figure 2021127411
Figure 2021127411
あるいは、上記の原料ポリマーと、反応性基を有する化合物として、式(12)で表される化合物とを、塩基性触媒の存在下で反応させることで、原料ポリマー中に含まれる式(7)の構造単位の少なくとも一部が開環し、式(13)で表される構造単位、式(15)で表される構造単位、および式(14)で表される構造単位が生成され、結果として、式(p−2)で表される構造を有するポリマー(p−2)が生成される。式(12)、式(13)、式(15)および式(p−1)中のfは、上記式(I)におけるfと同義であり、式(p−2)中のR〜Rおよびnは、式(1)におけるものと同義である。式(p−2)中の、a、b、c、dおよびeは、ポリマー(p−2)中の各構造単位のモル含有率を示し、a+b+c+d+e=1である。
Figure 2021127411
Figure 2021127411
Figure 2021127411
Figure 2021127411
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より具体的に説明すると、まず、原料ポリマーを適当な有機溶剤に溶解させた溶液を準備する。有機溶媒としては、メチルエチルケトン(MEK)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)などの単独溶剤または混合溶剤を用いることができるが、これらのみには限定されず、有機化合物や高分子の合成で用いられる種々の有機溶剤を用いることができる。
次に、上記の溶液に、式(11)の化合物または式(12)の化合物を加え、さらに塩基性触媒を加え、混合溶液を適切に混合して均一な溶液とする。塩基触媒としては、ピリジンや、トリエチルアミンなどのアルキルアミン、ジメチルアニリン、ウロトロピン、ジメチルアミノピリジンなどのアミン化合物、酢酸ナトリウム等の金属塩を用いることができる。
次いで、得られた混合溶液を、例えば、50〜100℃の温度で加熱することにより、反応を進行させる。これにより、目的のポリマーPを得ることができる。
(単量体)
本実施形態の光硬化性接着剤組成物に用いられる単量体は、ポリマーPが溶解し得る化合物であって、ポリマーPの架橋反応に関与し得る反応性基を有する化合物である。単量体は、光重合開始剤から発生する活性化学種の作用によりポリマーPを架橋可能(ポリマーPと化学結合可能)である。単量体はまた、ポリマーPとのみ化学結合するのではなく、単量体同士で重合反応して重合体を形成してもよい。
本実施形態の接着剤組成物は、このような単量体を含むことにより、粘度を適度に調整することが可能であり、取り扱い性に優れる。また、この単量体中にポリマーPが溶解し得るため、硬化処理により均一な樹脂膜が得られるとともに、ポリマーPの不溶分が存在しない高い透明性を有する樹脂膜が得られる。
本実施形態の接着剤組成物に用いられる単量体としては、ポリマーPが溶解し得る化合物であれば特に制限されないが、例えば、極性(メタ)アクリル化合物が挙げられる。極性アクリル化合物の具体例としては、例えば、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(2ーメチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル(メタ)アクリレート、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル(メタ)メタクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート・ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、およびペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの単量体は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の接着剤組成物は、非反応性溶剤を含まないことが好ましい。非反応性溶剤を含まないことにより、硬化処理の際に溶剤の揮発が生じないため、接着剤として好適に使用できる。ここで、非反応性溶剤とは、重合性や架橋性を有する反応基を有していない、加熱処理により揮発し得る溶剤を意味する。非反応性溶剤を含まないとは、実質的に含まないことを意味し、接着剤組成物全体に対する非反応性溶剤の含有量が0.1質量%以下である場合を指す。
本実施形態の接着剤組成物中の単量体の量は、接着剤組成物全体に対して、例えば、10〜60質量%とすることができ、好ましくは、20〜50質量%であり、より好ましくは、25〜45質量%である。また、単量体は、ポリマーPの質量に対して、例えば、10〜2000質量%、好ましくは12〜1900質量%、より好ましくは15〜1500質量%、さらにより好ましくは15〜1000質量%、なおさらにより好ましくは20〜400質量%、特に好ましくは20〜150質量%の量であることが好ましい。上記範囲内で単量体を使用することにより、塗布性に優れるとともに、硬化性に優れた接着剤組成物を得ることができる。
(光ラジカル重合開始剤)
本実施形態の接着剤組成物は、光ラジカル重合開始剤を含んでもよい。光ラジカル重合開始剤を配合することにより、本実施形態の接着剤組成物は、光照射により硬化し得る。
光ラジカル重合開始剤としては、当該分野で公知の化合物を用いることができ、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−〔(4−メチルフェニル)メチル〕−1−〔4−(4−モルホリニル)フェニル〕−1−ブタノン等のアルキルフェノン系化合物;ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテ等のベンゾイン系化合物;チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシカルボキニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル化トリアジン系化合物;2−トリクロロメチル−5−(2'−ベンゾフリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2'−ベンゾフリル)ビニル〕−1,3,4−オキサジアゾール、4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−フリル−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチル化オキサジアゾール系化合物;2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール等のビイミダゾール系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン系化合物;p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸等の安息香酸エステル系化合物;9−フェニルアクリジン等のアクリジン系化合物;等が挙げられる。光ラジカル重合開始剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
光ラジカル重合開始剤の配合量は、ポリマーP100質量部に対し、例えば1〜60質量部であり、好ましくは1〜50質量部であり、より好ましくは1〜40質量部であり、さらにより好ましくは1〜30質量部であり、なおさらにより好ましくは2〜15質量部であり、特に好ましくは、2〜8質量部である。
(その他の成分)
本実施形態の光硬化性接着剤組成物は、各種目的や要求特性に応じて、フィラー、上述のポリマー以外のバインダー樹脂、酸発生剤、耐熱向上剤、可塑剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、艶消し剤、消泡剤、レベリング剤、界面活性剤、帯電防止剤、分散剤、スリップ剤、表面改質剤、揺変化剤、揺変助剤、シランカップリング剤、多価フェノール化合物等の成分を含んでもよい。
(用途)
本実施形態の接着剤組成物は、光学部品の製造に用いることができ、光学部品用接着剤として使用できる。本実施形態の接着剤組成物は、具体的には、車載用レンズなどの光学レンズ用接着剤、光ピックアップ用接着剤、光路結合用接着剤、オプティカルボンディング用光硬化型接着剤として使用することができる。
本実施形態の接着剤組成物は、例えば、光学部品と被着体と間に配置され、光学部品および/または被着体側から光照射して硬化させることで、光学部品を被着体に接着することができる。硬化された接着剤組成物は、光学部品と被着体との間で、接着剤層として存在する。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、実施例で用いる各材料について、以下に示す方法にて準備した。
(合成例1(ポリマーAの合成))
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、無水マレイン酸(735g、7.5mol)、2−ノルボルネン(706g、7.5mol)およびジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(69g、0.3mol)を計量し、メチルエチルケトンおよびトルエンに溶解させた。この溶解液に対して、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去した後、撹拌しつつ、60℃、15時間の条件で熱処理を施した。これにより、2−ノルボルネンと無水マレイン酸の共重合体を得た。次いで、室温まで冷却した上記溶解液を大量のメタノールを用いて再沈させた後、析出物をろ取し、真空乾燥機にて乾燥させ、1100gの白色固体を得た。
このようにして得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は10,000であり、分散度(Mw/Mn)は2.1であった。
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、上述の2−ノルボルネンと、無水マレイン酸との共重合体(250g)を計量しMEK(460g)に溶解させた。さらにアクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEA、188.8g,1.626mol)、酢酸ナトリウム(25g)を添加し、70℃で6時間加熱した。反応液にギ酸を加えて酸処理した後、大量の純水に滴下しポリマーを析出させた。ろ取した固体を真空乾燥機にて40℃で16時間乾燥させ、ポリマーAを得た。収量は327.5g、Mwは10,100、Mw/Mnは2.30であった。
合成例1では、式(PA)で示される各構造単位を有するポリマーAが得られた。
Figure 2021127411
(合成例2(ポリマーBの合成))
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、無水マレイン酸(735g、7.5mol)、2−ノルボルネン(706g、7.5mol)およびジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(69g、0.3mol)を計量し、メチルエチルケトンおよびトルエンに溶解させた。この溶解液に対して、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去した後、撹拌しつつ、80℃、15時間の条件で熱処理を施した。これにより、2−ノルボルネンと無水マレイン酸の共重合体を得た。次いで、室温まで冷却した。上記溶解液を大量のメタノールを用いて再沈させた後、析出物をろ取し、真空乾燥機にて乾燥させ、1100gの白色固体を得た。
このようにして得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は7,000であり、分散度(Mw/Mn)は1.8であった。
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、上述の2−ノルボルネンと、無水マレイン酸との共重合体(150g)を計量しMEK(280g)に溶解させた。さらにアクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEA、113.3g,0.976mol)、酢酸ナトリウム(15g)を添加し、70℃で6時間加熱した。反応液にギ酸を加えて酸処理した後、大量の純水に滴下しポリマーを析出させた。ろ取した固体を真空乾燥機にて40℃で16時間乾燥させ、ポリマーBを得た。収量は193.5g、Mwは7,300、Mw/Mnは2.02であった。
合成例2では、式(PB)で示される各構造単位を有するポリマーBが得られた。
Figure 2021127411
(合成例3(ポリマーCの合成))
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、無水マレイン酸(460g、4.69mol)、2−ノルボルネン(441.6g、4.69mol)を計量し、メチルエチルケトンおよびトルエンに溶解させた。この溶解液に対して、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去した後、撹拌しつつ80℃到達後、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(43.2g、0.19mol)とn−ドデシルメルカプタン(152.1g、0.75mol)のメチルエチルケトン溶液を1時間掛けて逐次添加した後、7時間さらに熱処理を施した。これにより、2−ノルボルネンと無水マレイン酸の共重合体を得た。次いで、室温まで冷却した。上記溶解液を大量のメタノールを用いて再沈させた後、析出物をろ取し、真空乾燥機にて乾燥させ、832gの白色固体を得た。
このようにして得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は2,600であり、分散度(Mw/Mn)は1.53であった。
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、上述の2−ノルボルネンと、無水マレイン酸との共重合体(100g)を計量しMEK(190g)に溶解させた。さらにアクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEA、75.5g,0.65mol)、酢酸ナトリウム(10g)を添加し、70℃で6時間加熱した。この反応液に対して、メタクリル酸グリシジル(GMA,74g,0.52mol)を添加し、さらに70℃で6時間撹拌した。反応液にギ酸を加えて酸処理した後、大量の純水に滴下しポリマーを析出させた。ろ取した固体を真空乾燥機にて40℃で16時間乾燥させ、ポリマーCを得た。収量は207.5g、Mwは4,900、Mw/Mnは1.79であった。
合成例3では、式(PC)で示される各構造単位を有するポリマーCが得られた。
Figure 2021127411
(合成例4(ポリマーDの合成))
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、メチルエチルケトン(192g)を計量し、この溶液に対して、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去した後、撹拌しつつ80℃到達後、メタクリル酸メチル(120.2g、1.20mol)、メタクリル酸グリシジル(170.6g、1.20mol)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(3.05g、0.013mol)とn−ドデシルメルカプタン(15.1g、0.074mol)のメチルエチルケトン溶液を3時間掛けて逐次添加した後、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(0.76g、3.24mmol)のメチルエチルケトン溶液を加え、4時間さらに熱処理を施した。これにより、メタクリル酸メチルとメタクリル酸グリシジルの共重合体を得た。次いで、室温まで冷却した。上記溶解液を大量のメタノールを用いて再沈させた後、析出物をろ取し、真空乾燥にて乾燥させ、207.8gの白色固体を得た。
このようにして得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は14,300であり、分散度(Mw/Mn)は1.83であった。
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、上述のメタクリル酸メチルとメタクリル酸グリシジルとの共重合体(100g)を計量しMEK(200g)に溶解させた。さらにアクリル酸(59.5g、0.83mol)、酢酸ナトリウム(15g)を添加し、70℃で6時間加熱した。反応液を冷却した後、大量の純水に滴下しポリマーを析出させた。ろ取した固体を真空乾燥機にて40℃で16時間乾燥させ、ポリマーEを得た。収量は95.4g、Mwは9,600、Mw/Mnは1.60であった。
合成例4では、式(PD)で示される各構造単位を有するポリマーDが得られた。
Figure 2021127411
(合成例5(ポリマーEの合成))
スチレン/無水マレイン酸の共重合体SMA−1000−P(Cray Valley USA, LLC社製)を準備した。
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、上述のSMA−1000−P(157.4g)を計量し、メチルエチルケトン(270g)に溶解させた。さらにアクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEA、113.3g,0.976mol)、酢酸ナトリウム(15g)を添加し、70℃で6時間加熱した。反応液にギ酸を加えて酸処理した後、大量の純水に滴下しポリマーを析出させた。ろ取した固体を真空乾燥機にて40℃で16時間乾燥させ、ポリマーEを得た。収量は189.1g、Mwは5,400、Mw/Mnは2.21であった。
合成例5では、式(PE)で示される各構造単位を有するポリマーEが得られた。
Figure 2021127411
(光硬化性接着剤組成物の調製)
以下の表1に従って、ポリマーを単量体に溶解させて混合溶液を得た。その後、この混合溶液を、0.2μmのナイロンフィルターでろ過し、接着剤組成物を得た。
表1における各成分の詳細は以下のとおりである。
(ポリマー)
・ポリマーA:合成例1で調製したポリマーA
・ポリマーB:合成例2で調製したポリマーB
・ポリマーC:合成例3で調製したポリマーC
・ポリマーD:合成例4で調製したポリマーD
・ポリマーE:合成例5で調製したポリマーE
(単量体)
・THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート
・INAA:イソノニルアクリレート
・IBXA:イソボルニルアクリレート
・DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
・TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート
(重合開始剤)
・Irgacure184(BAFS社製、光ラジカル重合開始剤)
(光硬化性接着剤組成物の評価)
得られた接着剤組成物について、以下の項目について評価を実施した。評価結果を、表1に示す。
(溶解性)
上述の接着剤組成物の調製工程において、ポリマーを単量体に溶解させて混合溶液を得、この混合溶液を0.2μmのナイロンフィルターでろ過する際、ナイロンフィルターにポリマーが残留するかを、目視で観察した。ポリマーが残留しなかったものを「溶解」、残留したものを「不溶」として評価した。
(光硬化性接着剤組成物の硬化物の評価)
得られた接着剤組成物について、以下の条件で塗布、光硬化を行い、硬化膜を得た。得られた硬化膜について、以下の項目について評価を行った。評価結果を、表1に示す。
(光硬化―板状硬化物の作製―)
厚さ1mmのスペーサーを用いてギャップを1mmに制御した2枚のガラス板の間に硬化性樹脂組成物を流し込み、高圧水銀ランプを備えたコンベア式UV照射機(株式会社たけでん製:MDC15001Y)を用いて、照度:100mW/cm、積算光量:500mJ/cmの条件の下、コンベア搬送によりUV照射を行った。UV照射はガラス板の片面から照射した後、搬出されたサンプルを裏返して再度コンベアを通すことで、両面からUV照射を行い(積算光量:1000mJ/cm)、硬化物を得た。
(硬化物外観)
得られた厚み1mmの硬化物の板を目視により観察した。無色透明の場合を、「無色透明」、着色があり透明の場合を、「有色透明」、不透明の場合を、「不透明」として評価した。
(収縮性)
ピクノメーターを使用して、硬化前組成物の液比重を測定し、更に硬化性樹脂組成物を光照射により硬化した後、厚さ1mm板の硬化物を電子比重計(ALFA MIRAGE株式会社製:SD−200L)を使用して測定し、硬化物比重を得た。液比重及び硬化物比重の比率より硬化収縮率を算出した。硬化収縮率が小さいほど接着剤としての使用に好ましい。
硬化収縮率=((硬化物比重−液比重)/硬化物比重)×100(%)
(引張応力、引張弾性率、歪み)
厚さ1mmの硬化物シートを、JIS3号ダンベルの形状に打ち抜き、JISK6251に従って引張試験を行うことで、引張応力、引張弾性率、破断歪みを評価した。引張弾性率は試験時の最大傾きを読んだ。また、引張強度および引張弾性率の単位はMPaである。破断歪みの単位は%である。引張応力および引張弾性率の値が大きいほど、引張強度が高いことを示す。
(接着性)
被着材[25mm×80mm×厚み2mm、アクリル板(アクリサンデー株式会社製:アクリサンデー板001、透明、厚み2mm)]に、光硬化性樹脂組成物を塗布し、被着材[アクリル板]を25mm×10mmの面積で貼り合わせ、目玉クリップにより圧締した後、UV照射(照射条件:高圧水銀ランプ、照度:100mW/cm、積算光量:500mJ/cm2)を行った。コンベアにより搬出された試験片から目玉クリップを外し、先ほどとは表裏を返して再度コンベアを通すことで、裏面よりUV照射を行い(積算光量:1000mJ/cm)、接着試験用試験片を得た。
得られた接着試験用試験片を、JISK6850剛性被着体の引張りせん断接着強さ試験方法に準拠し、試験速度0.5mm/分で接着強さを測定した。せん断接着力の値が大きいほど、接着力が高いことを示す。
Figure 2021127411
実施例の接着剤組成物の硬化物は、透明であり、高い接着性を備えていた。

Claims (9)

  1. 式(1)で表される第1の構造単位、および反応性基を有する第2の構造単位を含むポリマーと、
    単量体と、を含み、
    前記ポリマーは、前記単量体に溶解しており、
    前記単量体は、極性(メタ)アクリル化合物を含む、
    光硬化性接着剤組成物:
    Figure 2021127411
    式(1)において、
    、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素または炭素数1〜30の有機基であり、nは0、1または2である。
  2. 前記ポリマーは、当該光硬化性接着剤組成物全体に対して、5質量%以上80質量%以下の量である、請求項1に記載の光硬化性接着剤組成物。
  3. 前記反応性基が、ビニル基、ビニリデン基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、カルボキシル基、およびヒドロキシル基から選択される少なくとも1つである、請求項1または2に記載の光硬化性接着剤組成物。
  4. 前記第2の構造単位が、式(2)で表される構造を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化性接着剤組成物:
    Figure 2021127411
    式(2)において、
    は、ビニル基、ビニリデン基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、カルボキシル基、およびヒドロキシル基から選択される少なくとも1つの反応性基を有する、炭素数1〜30の有機基である。
  5. 前記ポリマーの重量平均分子量が、1000以上30000以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の光硬化性接着剤組成物。
  6. 光ラジカル重合開始剤をさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載の光硬化性接着剤組成物。
  7. 非反応性溶剤を実質的に含まない、請求項1〜6のいずれかに記載の光硬化性接着剤組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の光硬化性接着剤組成物の硬化物からなるフィルム。
  9. 請求項8に記載のフィルムを接着剤層として備える、光学部品。
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