JP2023009610A - ポリマー、硬化性樹脂組成物、およびその用途 - Google Patents

ポリマー、硬化性樹脂組成物、およびその用途 Download PDF

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Kenichiro Nakajima
陽雄 池田
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Abstract

【課題】高い透明性を有するとともに、基材に対する密着性に優れ、よって光学部品の製造において接着剤として好適に使用できる硬化性樹脂組成物を提供する。【解決手段】ノルボルネンなどに由来する有橋脂環式構造単位と、式(1)で表される構造単位とを含むポリマーであって、TIFF2023009610000045.tif39153式(1)中、R11は、ウレタン結合と末端反応性不飽和二重結合とを含む基である、ポリマー。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリマー、当該ポリマーを含む硬化性樹脂組成物、当該硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化体、および当該硬化体を接着層として備える光学部品に関する。
近年、軽量化、小型・高密度化の要求に伴い、従来、無機ガラスが用いられていた光学部品、液晶等表示素子部品の分野で光学透明な樹脂への代替化が進んでいる。このような光学部品の樹脂への代替にともない、光学部品を製造するために用いられる接着剤においても、透明性や接着・密着性などにおいて、さらなる改良が求められている。
たとえば、特許文献1には、オルガノシラン系化合物とシリル基含有環状オレフィン系重合体を含有する樹脂組成物が、透明材料として光学材料用の接着剤として使用できることが記載されている。
特開2002-146145
しかしながら、本発明者が検討した結果、特許文献1に記載の樹脂組成物において、透明性および接着性の点で改善の余地があることが判明した。本発明は、透明性および接着性に優れ、光学部品の製造に用いることができる、接着剤組成物を提供するものである。
本発明によれば、
式(A)で表される構造単位と、
式(1)で表される構造単位と、を含む、ポリマーであって、
Figure 2023009610000001
式(A)中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~30の有機基であり、aは0、1または2であり、
Figure 2023009610000002
式(1)中、R11は、ウレタン結合と末端反応性不飽和二重結合とを含む基である、ポリマーが提供される
また本発明によれば、上記ポリマーと、ラジカル重合性モノマーと、を含む、硬化性樹脂組成物が提供される。
また本発明によれば、上記硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化体が提供される。
さらにまた本発明によれば、上記硬化体を備える物品が提供される。
本発明によれば、高い透明性を有するとともに、基材に対する密着性に優れ、よって光学部品の製造において接着剤として好適に使用できる硬化性樹脂組成物が提供される。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本明細書中、数値範囲の説明における「a~b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1~5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」を意味する。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換か無置換かを記していない表記は、置換基を有しないものと置換基を有するものとの両方を包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
特に、本明細書における「(メタ)アクリロイル基」とは、-C(=O)-CH=CHで表されるアクリロイル基と、-C(=O)-C(CH)=CHで表されるメタクリロイル基とを包含する概念を表す。
[ポリマーP]
本実施形態のポリマー(以下、「ポリマーP」と称する)は、式(A)で表される構造単位と、式(1)で表される構造単位と、を含む。
Figure 2023009610000003
式(A)中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~30の有機基であり、aは0、1または2である。
Figure 2023009610000004
式(1)中、R11は、ウレタン結合と末端反応性不飽和二重結合とを含む基である。
本実施形態のポリマーPは、式(A)で表される構造単位を有する。式(A)で表される構造単位は、化学的に堅牢であるため、これを含むポリマーPは、加熱処理に供された際に重量減少が小さく安定であり、成形性に優れるとともに、耐久性において優れる。また本実施形態のポリマーPは、式(1)で表される構造単位を有し、この式(1)で表される構造単位は、ウレタン結合と末端反応性不飽和二重結合とを含む基を有する。ポリマーPは、ウレタン結合に起因して、基材に対する優れた密着性・接着性を有し、末端反応性不飽和二重結合に起因して、高い架橋性(硬化性)を有する。また本実施形態のポリマーPは、後述の製造方法にて詳細に説明するとおり、第3級アミン等に代表される塩基性触媒を使用せずに製造される。そのため、ポリマーPは、残存する塩基性触媒に起因する着色がなく、よって、高い透明性を有する。結果として、本実施形態のポリマーPは、基材に対する優れた密着性・接着性を有するとともに、高い透明性を有し、光学部品製造用の接着剤として好適に使用することができる。
式(A)で表される構造単位において、R~Rを構成し得る炭素数1~30の有機基としては、置換または無置換の、直鎖または分岐鎖の炭素数1~30のアルキルが挙げられ、より具体的には、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ヘテロ環基、カルボキシル基などが挙げられる。
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
アルケニル基としては、例えばアリル基、ペンテニル基、ビニル基などが挙げられる。
アルキニル基としては、例えばエチニル基などが挙げられる。
アルキリデン基としては、例えばメチリデン基、エチリデン基などが挙げられる。
アリール基としては、例えばトリル基、キシリル基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基が挙げられる。
アラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。
アルカリル基としては、例えばトリル基、キシリル基などが挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基などが挙げられる。
ヘテロ環基としては、例えばエポキシ基、オキセタニル基などが挙げられる。
式(A)における、R、R、RおよびRとしては水素またはアルキル基が好ましく、水素がより好ましい。
なお、R、R、RおよびRの炭素数1~30の有機基中の水素原子は、任意の原子団により置換されていてもよい。例えば、フッ素原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基などで置換されていてもよい。より具体的には、R、R、RおよびRの炭素数1~30の有機基として、フッ化アルキル基などを選択してもよい。
式(A)において、aは好ましくは0または1、より好ましくは0である。
ポリマーPの全構造単位中の、式(A)で表される構造単位の割合は、例えば、5~50モル%であり、好ましくは、10~50モル%であり、より好ましくは、35~50モル%である。
上記式(1)で表される構造単位は、好ましくは、式(1-1)で表されるような、ウレタン結合(-OC(=O)NH-)および末端反応性不飽和二重結合(Zにおける(メタアクリロイル基)を含む構造を有する。
Figure 2023009610000005
式(1-1)において、Qは、2価の有機基であり、Qの総炭素数は、好ましくは1~30、より好ましくは1~20である、さらに好ましくは1~10である。Qとしては、例えば、アルキレン、またはオキシアルキレンであり、アルキレン基は、直鎖状でも分枝状でもよいが、直鎖状であることが好ましい。Qの2価の有機基(例えばアルキレン基)は、任意の置換基で置換されていてもよい。置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基などを挙げることができる。
また、Qの2価の有機基は、アルキレン基以外の任意の基であってよい。例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、エーテル基、カルボニル基、カルボキシ基等から選ばれる1種又は2種以上の基を連結して構成される2価の基であってもよい。
式(1-1)において、Zは、式(2a)で表される、(メタ)アクリロイル基を有する基である。
Figure 2023009610000006
式(2a)において、X10は2価の有機基であり、Rは水素原子またはメチル基である。X10の総炭素数は、好ましくは1~30、より好ましくは1~20である、さらに好ましくは1~10である。
式(2a)において、X10は2価の有機基であり、Rは水素原子またはメチル基である。
10の総炭素数は、好ましくは1~30、より好ましくは1~20である、さらに好ましくは1~10である。
10の2価の有機基としては、例えばアルキレン基が好ましい。このアルキレン基中の一部の-CH-はエーテル基(-O-)となっていてもよい。アルキレン基は、直鎖状でも分枝状でもよいが、直鎖状であることがより好ましい。
10の2価の有機基(例えばアルキレン基)は、任意の置換基で置換されていてもよい。置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基などを挙げることができる。
また、X10の2価の有機基は、アルキレン基以外の任意の基であってよい。例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、エーテル基、カルボニル基、カルボキシ基等から選ばれる1種又は2種以上の基を連結して構成される2価の基であってもよい。
ポリマーPの全構造単位中の、式(1)で表される構造単位の割合は、例えば、5~50モル%であり、好ましくは、10~40モル%であり、より好ましくは、15~30モル%である。
一実施形態において、ポリマーPは、式(2)で表される構造単位を含んでもよい。
Figure 2023009610000007
式(2)中、R21は、ヒドロキシ基を有する有機基である。
一実施形態において、式(2)で表される構造単位は、式(2-1)で表される構造を有する。
Figure 2023009610000008
式(2-1)におけるQは、式(1-1)におけるQと同義である。
ポリマーPが、式(2)で表される構造単位を含む場合、その割合は、ポリマーPの全構造単位に対して、例えば、1~20モル%であり、より好ましくは、1~10モル%である。
一実施形態において、ポリマーPは、上記構造単位に加え、式(MA)で表される構造単位および/または式(3)で表される構造単位をさらに含んでもよい。
Figure 2023009610000009
Figure 2023009610000010
式(3)中、R31は、水素原子または炭素数1~30の有機基であり、炭素数1~30の有機基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ヘテロ環基、カルボキシル基などが挙げられる。
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
アルケニル基としては、例えばアリル基、ペンテニル基、ビニル基などが挙げられる。
アルキニル基としては、例えばエチニル基などが挙げられる。
アルキリデン基としては、例えばメチリデン基、エチリデン基などが挙げられる。
アリール基としては、例えばトリル基、キシリル基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基が挙げられる。
アラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。
アルカリル基としては、例えばトリル基、キシリル基などが挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基などが挙げられる。
ヘテロ環基としては、例えばエポキシ基、オキセタニル基などが挙げられる。
式(3)における、R31はとしては、アルキル基またはシクロアルキル基が好ましい。
ポリマーが、式(MA)で表される構造単位を含む場合、その割合は、ポリマーPの全構造単位に対して、例えば、1~10モル%であり、より好ましくは、2~7モル%である。
ポリマーが、式(3)で表される構造単位を含む場合、その割合は、ポリマーPの全構造単位に対して、例えば、10~50モル%であり、より好ましくは、25~50モル%である。
本実施形態のポリマーPのMw(重量平均分子量)の上限値は、例えば、30000以下であって、20000以下とするのが好ましく、14000以下とするのがさらに好ましい。これにより、ポリマーPの運動性が向上し、より適切な架橋構造を作ることができる。また、ポリマーPのMwの下限値は、例えば、1000以上であって、2000以上とするのが好ましく、3000以上とするのがより好ましい。これにより、ポリマーPを含む接着剤組成物を硬化した場合、架橋構造の形成が促進される。
ポリマーPの分散度、すなわち、Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)の上限値は、例えば、5.0以下であって、4.0以下とするのが好ましく、3.0以下とするのが更に好ましい。これにより、ポリマーPの分子量分布の幅を減らすことができ、均一な架橋構造を形成することができる。また、Mw/Mnの下限値は、例えば、1.0以上としてもよく、1.5以上とすることができる。なお、Mw/Mnは、単分散に近いほどよい。なお、Mw/Mnは、分子量分布の幅を示す分散度である。ポリマーPのMw/Mnを上記範囲とすることにより、ポリマーPを含む接着剤組成物からなる樹脂膜の形状を良好なものとすることができる。
ここで、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および分子量分布(Mw/Mn)は、例えばGPC測定により得られる標準ポリスチレン(PS)の検量線から求めたポリスチレン換算値を用いる。測定条件は、例えば以下の通りである。
東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC-8320GPC
カラム:東ソー社製TSK-GEL Supermultipore HZ-M
検出器:液体クロマトグラム用RI検出器
測定温度:40℃
溶媒:THF
試料濃度:2.0mg/ミリリットル
[ポリマーPの製造方法]
第一の実施形態において、ポリマーPは、以下の工程a1~a3を含む方法により製造することができる。
(工程a1)共重合性の原料モノマーの重合反応により、式(A)で表される構造単位と、式(MA)で表される構造単位とを含む原料ポリマーp1を調製する工程;
(工程a2)工程a1で得られた原料ポリマーp1を、2つのヒドロキシ基を有する化合物と反応させることにより、式(A)で表される構造単位、式(2)で表される構造単位、場合により式(MA)で表される構造単位を含むポリマー前駆体p2を得る工程;
(工程a3)工程a2で得られたポリマー前駆体p2をイソシアネート化合物で処理して、式(2)の構造単位の一部を式(1)で表される構造単位に変換することにより、式(A)の構造単位、式(1)の構造単位、式(2)の構造単位、および場合により式(MA)の構造単位を含む、目的のポリマーPを得る工程。
ここでポリマーPを製造する各工程a1~a3において、塩基性触媒も酸性触媒も使用しない。これにより、得られるポリマーPには、塩基性触媒または酸性触媒が残存することなく、これらの触媒に起因した着色が生じない。
あるいは、第二の実施形態において、ポリマーPは、以下の工程b1~a2を含む方法により製造することができる。
(工程b1)共重合性の原料モノマーの共重合反応により、式(A)で表される構造単位と、式(2)で表される構造単位と、式(3)で表される構造単位とを含むポリマー前駆体p3を調製する工程。
(工程b2)工程b1で得られたポリマー前駆体p3を、イソシアネート化合物で処理して、式(2)の構造単位の一部を式(1)で表される構造単位に変換することにより、式(A)の構造単位、式(1)の構造単位、式(2)の構造単位、式(3)の構造単位、および場合により式(MA)の構造単位を含む、目的のポリマーPを得る工程。
ポリマーPを製造する各工程b1~b2において、塩基性触媒も酸性触媒も使用しない。これにより、得られるポリマーPには、塩基性触媒または酸性触媒が残存することなく、これらの触媒に起因した着色が生じない。
(第一の実施形態におけるポリマーPの製造方法)
第一の実施形態におけるポリマーPの製造方法における各工程a1~a3を詳述する。
(工程a1)
工程a1は、共重合性の原料モノマーの重合反応により、式(A)で表される構造単位と、式(MA)で表される構造単位とを含む原料ポリマーp1を調製する工程である。
Figure 2023009610000011
Figure 2023009610000012
工程a1では、式(Am)で表されるモノマーと、無水マレイン酸とを重合(付加重合することにより、式(A)の構造単位と、式(MA)の構造単位を含む原料ポリマーp1を調製する。なお、一般式(Am)のR、R、RおよびRならびにaの定義は、式(A)のものと同様である。好ましい態様についても同様である。
Figure 2023009610000013
一般式(Am)で表されるモノマーとしては、例えば、ビシクロ[2.2.1]-ヘプト-2-エン(慣用名:2-ノルボルネン)、5-メチル-2-ノルボルネン、5-エチル-2-ノルボルネン、5-ブチル-2-ノルボルネン、5-ヘキシル-2-ノルボルネン、5-デシル-2-ノルボルネン、5-アリル-2-ノルボルネン、5-(2-プロペニル)-2-ノルボルネン、5-(1-メチル-4-ペンテニル)-2-ノルボルネン、5-エチニル-2-ノルボルネン、5-ベンジル-2-ノルボルネン、5-フェネチル-2-ノルボルネン、2-アセチル-5-ノルボルネン、5-ノルボルネン-2-カルボン酸メチル、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物などが挙げられる。重合の際、一般式(Am)で表されるモノマーは、1種のみ用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合の方法については限定されないが、ラジカル重合開始剤を用いたラジカル重合が好ましい。重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物などを使用できる。
アゾ化合物として具体的には、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ジメチル2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、1,1'-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(ABCN)などを挙げることができる。
有機過酸化物としては、例えば、過酸化水素、ジ-tert-ブチルパーオキサイド(DTBP)、過酸化ベンゾイル(ベンゾイルパーオキサイド,BPO)および、メチルエチルケトンパーオキサイド(MEKP)などを挙げることができる。
重合開始剤については、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また重合反応には、必要に応じて連鎖移動剤(分子量調整剤)を使用してもよい。連鎖移動剤としては、β-メルカプトプロピオン酸、2-エチルヘキシル-3-メルカプトプロピオネート、メトキシブチル-3-メルカプトプロピオネート、ステアリル-3-メルカプトプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリス-[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)等のチオール基含有化合物を使用することができる。
重合溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤を用いることができる。重合溶媒は単独溶剤でも混合溶剤でもよい。
原料ポリマーp1の合成は、式(Am)で表されるモノマー、無水マレイン酸および重合開始剤を溶媒に溶解させて反応容器に仕込み、その後、加熱して、付加重合を進行させることにより実施される。加熱温度は例えば50~80℃であり、加熱時間は例えば5~20時間である。
反応容器に仕込む際の、一般式(Am)で表されるモノマーと、無水マレイン酸とのモル比は、0.5:1~1:0.5であることが好ましい。分子構造制御の観点から、モル比は1:1であることが好ましい。
なお、原料ポリマーp1は、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、周期共重合体などのいずれであってもよい。典型的にはランダム共重合体または交互共重合体である。なお、一般に、無水マレイン酸は交互共重合性が強いモノマーとして知られている。
なお、原料ポリマーp1の合成後に、未反応モノマー、オリゴマー、残存する重合開始剤などの低分子量成分を除去する工程を行ってもよい。
具体的には、合成された原料ポリマーと低分子量成分とが含まれた有機相を濃縮し、その後、テトラヒドロフラン(THF)などの有機溶媒と混合して溶液を得る。そして、この溶液を、メタノールなどの貧溶媒と混合し、モノマーを沈殿させる。この沈殿物を濾取して乾燥させることで、原料ポリマーの純度を上げることができる。
(工程a2)
工程a2は、工程a1で得られた原料ポリマーp1を、2つのヒドロキシ基を有する化合物(本明細書中、「ヒドロキシ基含有化合物」と称する)と反応させて、式(A)で表される構造単位、式(2)で表される構造単位、および式(MA)で表される構造単位を含むポリマー前駆体p2を得る。工程a2では、原料ポリマーp1における式(MA)の構造単位の一部に、ヒドロキシ基含有化合物が作用して、式(2-2)で表される構造単位が生成する。そのため、式(2)で表される構造単位は、式(2-2)で表される構造単位として存在する。なお、式(2-2)におけるQは、上記式(2-1)におけるQと同義である。
Figure 2023009610000014
Figure 2023009610000015
Figure 2023009610000016
工程a2で用いられるヒドロキシ基含有化合物としては、式(4)で表される化合物が挙げられる。
HO-Q-OH (4)
式(4)におけるQは、式(2-1)におけるQと同義である。
工程a2において、上記式(4)で表される化合物に加え、1つのヒドロキシ基を有する式(6)で表される化合物を、工程a1で得られた原料ポリマーp1に作用させてもよい。
HO-Q' (6)
ここで、式(6)中のQ'は、例えば、炭素数1~30のアルキル基またはアリール基である。
式(6)で表される化合物を使用する場合、原料ポリマーp1における式(MA)の構造単位の一部に、式(6)の化合物が作用して、式(2-4)で表される構造単位が生成する。式(2-4)におけるQ'は、式(6)におけるQ'と同義である。
Figure 2023009610000017
工程a2におけるポリマー前駆体p2の合成は、原料ポリマーp1およびヒドロキシ含有化合物を反応容器に仕込み、その後加熱して、ヒドロキシ含有化合物による構造単位(MA)の開環反応を進行させることにより実施される。この反応は、触媒を使用することなく進行する。加熱温度は、例えば、80~150℃であり、加熱時間は、例えば、5~20時間である。
(工程a3)
工程a3では、工程a2で得られたポリマー前駆体p2をイソシアネート化合物で処理することにより、ポリマー前駆体p2における式(2-2)の構造単位の-Q-OHに、イソシアネート化合物の-N=C=O基を作用させて、式(1)で表される構造単位に変換する。これにより、式(A)の構造単位、式(1)の構造単位、式(2-2)の構造単位、および式(MA)の構造単位を含む、目的のポリマーPが生成する。工程a3において、式(1)の構造単位は、式(1-2)で表される構造単位として存在する。なお、式(1-2)におけるQおよびZは、上記式(1-1)におけるQおよびZと同義である。またポリマーPは、未反応の式(2-2)の構造単位、および未反応の式(MA)の構造単位を含み得る。
Figure 2023009610000018
Figure 2023009610000019
Figure 2023009610000020
Figure 2023009610000021
工程a3で用いられるイソシアネート化合物としては、式(5)で表される化合物が挙げられる。
Z-N=C=O (5)
式(5)におけるZは、上記式(1-1)におけるZと同義であり、すなわち、式(2a)で表される、(メタ)アクリロイル基を有する基である。
Figure 2023009610000022
工程a3で用いられるイソシアネート化合物の具体例としては、例えば、2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、1,1-(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、2.(2-メタクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート、アリルイソシアネート、イソシアン酸4-マレイミドフェニル等が挙げられるが、これらに限定されない。イソシアネート化合物は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
工程a3におけるポリマーPの調製は、ポリマー前駆体p2とイソシアネート化合物を反応容器に仕込み、その後加熱して、イソシアネート化合物と構造単位(2-2)のとの反応を進行させることにより実施される。この反応は、触媒を使用することなく進行する。加熱温度は、例えば、50~80℃であり、加熱時間は、例えば、2~10時間である。
上記の第一の実施形態の方法を使用して得られたポリマーPは、塩基性触媒も酸性触媒も含まず、よってこのようなポリマーPの硬化物は、高い透明性を有する。
(第二の実施形態におけるポリマーPの製造方法)
第二の実施形態におけるポリマーPの製造方法における各工程b1~b2を詳述する。
(工程b1)
工程b1は、共重合性の原料モノマーの重合反応により、式(A)で表される構造単位と、式(2)で表される構造単位、および式(3)で表される構造単位とを含むポリマー前駆体p3を調製する工程である。本実施形態では、式(2)で表される構造単位が、式(2-3)で表される構造を有する態様を記載する。なお、式(2-3)中のQは、式(2-1)中のQと同義であり、Rは、水素原子またはメチル基である。
Figure 2023009610000023
Figure 2023009610000024
Figure 2023009610000025
工程a1では、式(Am)で表されるモノマーと、式(3m)で表されるモノマーと、式(2a-m)で表される化合物とを、ラジカル重合することにより、ポリマー前駆体p3を調製する。
Figure 2023009610000026
Figure 2023009610000027
Figure 2023009610000028
式(Am)で表されるモノマーは、第一の実施形態におけるポリマーPの製造方法における工程a1で記載したものと同様である。
式(3m)中のR31は、式(3)中のR31と同義である。
式(2a-m)中のQは、式(2-1)におけるQと同義であり、式(2a-m)中のRは、式(2a)中のRと同義である。
重合の方法については限定されないが、ラジカル重合開始剤を用いたラジカル重合が好ましい。重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物などを使用できる。
アゾ化合物として具体的には、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ジメチル2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、1,1'-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(ABCN)などを挙げることができる。
有機過酸化物としては、例えば、過酸化水素、ジ-tert-ブチルパーオキサイド(DTBP)、過酸化ベンゾイル(ベンゾイルパーオキサイド,BPO)および、メチルエチルケトンパーオキサイド(MEKP)などを挙げることができる。
重合開始剤については、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また重合反応には、必要に応じて連鎖移動剤(分子量調整剤)を使用してもよい。連鎖移動剤としては、β-メルカプトプロピオン酸、2-エチルヘキシル-3-メルカプトプロピオネート、メトキシブチル-3-メルカプトプロピオネート、ステアリル-3-メルカプトプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリス-[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)等のチオール基含有化合物を使用することができる。
重合溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤を用いることができる。重合溶媒は単独溶剤でも混合溶剤でもよい。
ポリマー前駆体p3の合成は、式(Am)で表されるモノマー、式(3m)で表されるモノマー、および式(2a-m)で表される(メタ)アクリレート化合物、ならびに重合開始剤を溶媒に溶解させて反応容器に仕込み、その後、加熱して、ラジカル重合反応を進行させることにより実施される。加熱温度は例えば50~80℃であり、加熱時間は例えば5~20時間である。このラジカル重合反応は、触媒の非存在下で進行し得る。
(工程b2)
工程b3では、工程b1で得られたポリマー前駆体p3をイソシアネート化合物で処理することにより、ポリマー前駆体p3における式(2-3)の構造単位の-Q-OHに、イソシアネート化合物の-N=C=O基を作用させて、式(1)で表される構造単位に変換する。これにより、式(A)の構造単位、式(1)の構造単位、式(3)の構造単位、を含む、目的のポリマーPが生成する。工程b2において、式(1)の構造単位は、式(1-3)で表される構造単位として存在する。なお、式(1-3)におけるQおよびZは、上記式(1-1)におけるQおよびZと同義である。
Figure 2023009610000029
Figure 2023009610000030
Figure 2023009610000031
Figure 2023009610000032
工程b2で用いられるイソシアネート化合物としては、上述と同様の式(5)で表される化合物が挙げられる。
Z-N=C=O (5)
式(5)におけるZは、上記式(1-1)におけるZと同義であり、すなわち、式(2a)で表される、(メタ)アクリロイル基を有する基である。
Figure 2023009610000033
工程b2におけるポリマーPの調製は、ポリマー前駆体p3とイソシアネート化合物を反応容器に仕込み、その後加熱して、イソシアネート化合物と構造単位(2-3)のとの反応を進行させることにより実施される。この反応は、触媒を使用することなく進行する。加熱温度は、例えば、50~80℃であり、加熱時間は、例えば、2~10時間である。
上記の第二の実施形態の方法を使用して得られたポリマーPは、塩基性触媒も酸性触媒も含まず、よってこのようなポリマーPの硬化物は、高い透明性を有する。
[硬化性樹脂組成物]
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、上述のポリマーPと、ポリマーPとラジカル重合し得るラジカル重合性モノマーとを含む。ラジカル重合性モノマーは、光重合開始剤から発生する活性化学種の作用によりポリマーPと架橋可能(ポリマーPと化学結合可能)である。ラジカル重合性モノマーはまた、ポリマーPとのみ化学結合するのではなく、ラジカル重合性モノマー同士で重合反応して重合体を形成してもよい。
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、このようなラジカル重合性モノマーを含むことにより、粘度を適度に調整することが可能であり、取り扱い性に優れる。また、このラジカル重合性モノマー中にポリマーPが溶解し得るため、硬化処理により均一な樹脂膜が得られるとともに、ポリマーPの不溶分が存在しない高い透明性を有する樹脂膜が得られる。
本実施形態の硬化性樹脂組成物に用いられるラジカル重合性モノマーとしては、1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物が好ましく用いられる。このような(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、例えば、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(2ーメチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレート、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル(メタ)アクリレート、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル(メタ)メタクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、N-ビニルピロリドン、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート・ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、およびペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの(メタ)アクリレート化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、非反応性溶剤を含まないことが好ましい。非反応性溶剤を含まないことにより、硬化処理の際に溶剤の揮発が生じないため、接着剤として好適に使用できる。ここで、非反応性溶剤とは、重合性や架橋性を有する反応基を有していない、加熱処理により揮発し得る溶剤を意味する。非反応性溶剤を含まないとは、実質的に含まないことを意味し、硬化性樹脂組成物全体に対する非反応性溶剤の含有量が0.1質量%以下である場合を指す。
本実施形態の硬化性樹脂組成物中のラジカル重合性モノマーの量は、硬化性樹脂組成物全体に対して、例えば、10~90質量%とすることができ、好ましくは、30~90質量%であり、より好ましくは、45~90質量%である。また、ラジカル重合性モノマーは、ポリマーPの質量に対して、例えば、10~2000質量%、好ましくは12~1900質量%、より好ましくは15~1500質量%、さらにより好ましくは15~1000質量%、なおさらにより好ましくは20~400質量%、特に好ましくは20~150質量%の量であることが好ましい。上記範囲内でラジカル重合性モノマーを使用することにより、塗布性に優れるとともに、硬化性に優れた硬化性樹脂組成物を得ることができる。
(光ラジカル重合開始剤)
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、光ラジカル重合開始剤を含んでもよい。光ラジカル重合開始剤を配合することにより、本実施形態の硬化性樹脂組成物は、光照射により硬化し得る。
光ラジカル重合開始剤としては、当該分野で公知の化合物を用いることができ、例えば、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシー2-フェニルアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル〕-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-〔4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-〔(4-メチルフェニル)メチル〕-1-〔4-(4-モルホリニル)フェニル〕-1-ブタノン等のアルキルフェノン系化合物;ベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2-カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテ等のベンゾイン系化合物;チオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-エトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-エトキシカルボキニルナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン等のハロメチル化トリアジン系化合物;2-トリクロロメチル-5-(2'-ベンゾフリル)-1,3,4-オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5-〔β-(2'-ベンゾフリル)ビニル〕-1,3,4-オキサジアゾール、4-オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5-フリル-1,3,4-オキサジアゾール等のハロメチル化オキサジアゾール系化合物;2,2'-ビス(2-クロロフェニル)-4,4',5,5'-テトラフェニル-1,2'-ビイミダゾール、2,2'-ビス(2,4-ジクロロフェニル)-4,4',5,5'-テトラフェニル-1,2'-ビイミダゾール、2,2'-ビス(2,4,6-トリクロロフェニル)-4,4',5,5'-テトラフェニル-1,2'-ビイミダゾール等のビイミダゾール系化合物;1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)-2-(O-ベンゾイルオキシム)〕、エタノン,1-〔9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル〕-,1-(O-アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタニウム等のチタノセン系化合物;p-ジメチルアミノ安息香酸、p-ジエチルアミノ安息香酸等の安息香酸エステル系化合物;9-フェニルアクリジン等のアクリジン系化合物;等が挙げられる。光ラジカル重合開始剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
光ラジカル重合開始剤の配合量は、ポリマーP100質量部に対し、例えば1~60質量部であり、好ましくは1~50質量部であり、より好ましくは1~40質量部であり、さらにより好ましくは1~30質量部であり、なおさらにより好ましくは2~15質量部であり、特に好ましくは、2~8質量部である。
(その他の成分)
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、各種目的や要求特性に応じて、フィラー、上述のポリマー以外のバインダー樹脂、酸発生剤、耐熱向上剤、可塑剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、艶消し剤、消泡剤、レベリング剤、界面活性剤、帯電防止剤、分散剤、スリップ剤、表面改質剤、揺変化剤、揺変助剤、シランカップリング剤、多価フェノール化合物等の成分を含んでもよい。
[用途]
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、光学部品の製造に用いることができ、光学部品用接着剤として使用できる。本実施形態の硬化性樹脂組成物は、具体的には、車載用レンズなどの光学レンズ用接着剤、光ピックアップ用接着剤、光路結合用接着剤、オプティカルボンディング用光硬化型接着剤として使用することができる。
本実施形態の接着剤組成物は、例えば、光学部品と被着体と間に配置され、光学部品および/または被着体側から光照射して硬化させることで、光学部品を被着体に接着することができる。硬化された接着剤組成物は、光学部品と被着体との間で、接着剤層として存在する。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
以下の方法により、式(PA)で表される構造を有するポリマーAを合成した。
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、無水マレイン酸(460g、4.69mol)、2-ノルボルネン(441.6g、4.69mol)を計量し、メチルエチルケトンおよびトルエンに溶解させた。この溶解液に対して、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去した後、撹拌しつつ80℃到達後、ジメチル2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(43.2g、0.19mol)とn-ドデシルメルカプタン(47.5g、0.23mol)のメチルエチルケトン溶液を1時間掛けて逐次添加した後、7時間さらに熱処理を施した。これにより、2-ノルボルネンと無水マレイン酸の共重合体を得た。次いで、室温まで冷却した。上記溶解液を大量のメタノールを用いて再沈させた後、析出物を濾取し、真空乾燥機にて乾燥させ、758gの白色固体を得た。
このようにして得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は3,600であり、分散度(Mw/Mn)は1.58であった。
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、上述の2-ノルボルネンと、無水マレイン酸との共重合体(100g)と、1,6-ヘキサンジオール(200g,1.69mol)を計量したのち、120℃で16時間加熱した。この反応液を大量の純粋に滴下しポリマーを析出させた。濾取した固体を真空乾燥機にて40℃で16時間乾燥させた後、濃度20%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)へ溶解した。
このPGMEA溶液100gに対して、2-イソシアナトエチルアクリラート(カレンズAOI,3.3g,0.023mol)を添加し、60℃で5時間加熱した後、大量の純粋に滴下することで析出させ、濾取した固体を真空乾燥器にて40℃16時間乾燥させてポリマーAを得た。収量は17.5g、Mwは9,800g/mol、Mw/Mnは2.24、二重結合当量は1,650g/eq.であった。
Figure 2023009610000034
(実施例2)
以下の方法により、式(PB)で表される構造を有するポリマーBを合成した。
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、無水マレイン酸(460g、4.69mol)、2-ノルボルネン(441.6g、4.69mol)を計量し、メチルエチルケトンおよびトルエンに溶解させた。この溶解液に対して、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去した後、撹拌しつつ80℃到達後、ジメチル2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(43.2g、0.19mol)とn-ドデシルメルカプタン(47.5g、0.23mol)のメチルエチルケトン溶液を1時間掛けて逐次添加した後、7時間さらに熱処理を施した。これにより、2-ノルボルネンと無水マレイン酸の共重合体を得た。次いで、室温まで冷却した。上記溶解液を大量のメタノールを用いて再沈させた後、析出物を濾取し、真空乾燥機にて乾燥させ、758gの白色固体を得た。
このようにして得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は3,600であり、分散度(Mw/Mn)は1.58であった。
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、上述の2-ノルボルネンと、無水マレイン酸との共重合体(100g)と、トリエチレングリコール(200g,1.33mol)を計量したのち、120℃で16時間加熱した。この反応液を大量の純粋に滴下しポリマーを析出させた。濾取した固体を真空乾燥機にて40℃で16時間乾燥させた後、濃度20%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)へ溶解した。
このPGMEA溶液100gに対して、2-イソシアナトエチルアクリラート(カレンズAOI,3.3g,0.023mol)を添加し、60℃で5時間加熱した後、大量の純粋に滴下することで析出させ、濾取した固体を真空乾燥器にて40℃16時間乾燥させてポリマーBを得た。収量は17.0g、Mwは10,900g/mol、Mw/Mnは2.55、二重結合当量は1,710g/eq.であった。
Figure 2023009610000035
(実施例3)
以下の方法により、式(PC)で表される構造を有するポリマーCを合成した。
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、無水マレイン酸(460g、4.69mol)、2-ノルボルネン(441.6g、4.69mol)を計量し、メチルエチルケトンおよびトルエンに溶解させた。この溶解液に対して、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去した後、撹拌しつつ80℃到達後、ジメチル2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(43.2g、0.19mol)とn-ドデシルメルカプタン(47.5g、0.23mol)のメチルエチルケトン溶液を1時間掛けて逐次添加した後、7時間さらに熱処理を施した。これにより、2-ノルボルネンと無水マレイン酸の共重合体を得た。次いで、室温まで冷却した。上記溶解液を大量のメタノールを用いて再沈させた後、析出物を濾取し、真空乾燥機にて乾燥させ、758gの白色固体を得た。
このようにして得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は3,600であり、分散度(Mw/Mn)は1.58であった。
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、上述の2-ノルボルネンと、無水マレイン酸との共重合体(100g)と、テトラエチレングリコール(200g,1.03mol)を計量したのち、120℃で16時間加熱した。この反応液を大量の純粋に滴下しポリマーを析出させた。濾取した固体を真空乾燥機にて40℃で16時間乾燥させた後、濃度20%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)へ溶解した。
このPGMEA溶液100gに対して、2-イソシアナトエチルアクリラート(カレンズAOI,3.3g,0.023mol)を添加し、60℃で5時間加熱した後、大量の純粋に滴下することで析出させ、濾取した固体を真空乾燥器にて40℃16時間乾燥させて、ポリマーCを得た。収量は16.8g、Mwは12,600g/mol、Mw/Mnは2.93、二重結合当量は3,290g/eq.であった。
Figure 2023009610000036
(実施例4)
以下の方法により、式(PD)で表される構造を有するポリマーDを合成した。
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、シクロヘキシルマレイミド(840g、4.69mol)、2-ノルボルネン(441.6g、4.69mol)を計量し、メチルエチルケトンおよびトルエンに溶解させた。この溶解液に対して、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去した後、撹拌しつつ80℃到達後、ジメチル2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(43.2g、0.19mol)とn-ドデシルメルカプタン(47.5g、0.23mol)と4-ヒドロキシブチルアクリレート(270.5g、1.88mol)のメチルエチルケトン溶液を1時間掛けて逐次添加した後、7時間さらに熱処理を施した。これにより、2-ノルボルネンとシクロヘキシルマレイミドと4-ヒドロキシブチルアクリレートの共重合体を得た。次いで、室温まで冷却した。上記溶解液を大量のメタノールを用いて再沈させた後、析出物を濾取し、真空乾燥機にて乾燥させ、1545gの白色固体を得た。
このようにして得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は4,600であり、分散度(Mw/Mn)は1.74であった。
このポリマーを濃度50%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)へ溶解した。このポリマー溶液100gに対して、2-イソシアナトエチルアクリラート(カレンズAOI,5.2g,0.037mol)を添加し、60℃で5時間加熱した後、大量の純粋に滴下することで析出させ、濾取した固体を真空乾燥器にて40℃16時間乾燥させてポリマーDを得た。収量は40.8g、Mwは5,000g/mol、Mw/Mnは1.72、二重結合当量は1,720g/eq.であった。
Figure 2023009610000037
(比較例1)
以下の方法により、式(PE)で表される構造を有するポリマーEを合成した。
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、無水マレイン酸(735g、7.5mol)、2-ノルボルネン(706g、7.5mol)およびジメチル2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(69g、0.3mol)とn-ドデシルメルカプタン(76g、0.38mol)を計量し、メチルエチルケトンおよびトルエンに溶解させた。この溶解液に対して、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去した後、撹拌しつつ、80℃、15時間の条件で熱処理を施した。これにより、2-ノルボルネンと無水マレイン酸の共重合体を得た。次いで、室温まで冷却した。上記溶解液を大量のメタノールを用いて再沈させた後、析出物をろ取し、真空乾燥機にて乾燥させ、1230gの白色固体を得た。
このようにして得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は3,800であり、分散度(Mw/Mn)は1.44であった。
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、上述の2-ノルボルネンと、無水マレイン酸との共重合体(150g)を計量しMEK(280g)に溶解させた。さらにアクリル酸-2-ヒドロキシエチル(HEA、113.3g,0.976mol)、トリエチルアミン(15g)を添加し、70℃で6時間加熱した。反応液にギ酸を加えて酸処理した後、大量の純水に滴下しポリマーを析出させた。ろ取した固体を真空乾燥機にて40℃で16時間乾燥させて、ポリマーEを得た。収量は182.3g、Mwは4,000、Mw/Mnは1.75、二重結合当量は1,460であった。
Figure 2023009610000038
(硬化性樹脂組成物の調製)
実施例1~4、および比較例1において、以下の表1に従って、各ポリマーをラジカル重合性モノマーに溶解させて混合溶液を得た。その後、この混合溶液を、0.2μmのナイロンフィルターでろ過し、硬化性樹脂組成物を得た。
表1における各成分の詳細は以下のとおりである。
(ポリマー)
・ポリマーA:実施例1で調製したポリマーA
・ポリマーB:実施例2で調製したポリマーB
・ポリマーC:実施例3で調製したポリマーC
・ポリマーD:実施例4で調製したポリマーD
・ポリマーE:比較例1で調製したポリマーE
(ラジカル重合性モノマー)
・THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート
参考例1~5では、上記実施例および比較例の配合に、トリエチルアミンを加えて、参照用の硬化性樹脂組成物を作製した。
(光硬化性樹脂組成物の硬化物の評価)
得られた硬化性樹脂組成物について、以下の条件で塗布、光硬化を行い、硬化膜を得た。得られた硬化膜について、以下の項目について評価を行った。評価結果を、表1に示す。
(透明性)
硬化性樹脂組成物の硬化物の透明性を、光線透過率を指標として評価した。
まず、上記の硬化性樹脂組成物を、80μmのギャップを有する2枚のガラス基板の間に充填した後、高圧水銀ランプを備えたコンベア式UV照射機(アイグラフィックス社製アイグランデージECS-4011GX/N)で、照度760mW/cm、積算光量820mJ/cmの条件にて、ガラス基板の表面・裏面に対して各コンベア1パス通すことで硬化させた。
ガラス基板は縦50mm、横50mmサイズのコーニング社製1737ガラス基板を用いた。
ギャップは、テープ厚さ80μmのフッ素樹脂テープ「ニトフロン」をスペーサーとして用いることで調整した。
得られた硬化樹脂膜の、波長400nmの光線に対する光線透過率TA(%)を測定した。光線透過率TAは、紫外可視分光光度計を用いて測定した。結果を表1に示す。光線透過率の値が大きいほど、硬化樹脂膜の透明性が高いことを示す。
(接着性)
実施例1~4および比較例1の硬化性樹脂組成物の接着性を、引張りせん断接着強さ試験におけるせん断接着力を指標として評価した。
まず、被着材[25mm×80mm×厚み2mm、アクリル板(アクリサンデー株式会社製:アクリサンデー板001、透明、厚み2mm)]に、上記硬化性樹脂組成物を塗布し、被着材[アクリル板]を25mm×10mmの面積で貼り合わせ、目玉クリップにより圧締した後、UV照射(照射条件:高圧水銀ランプ、照度:100mW/cm、積算光量:500mJ/cm)を行った。コンベアにより搬出された試験片から目玉クリップを外し、先ほどとは表裏を返して再度コンベアを通すことで、裏面よりUV照射を行い(積算光量:1000mJ/cm)、接着試験用試験片を得た。
得られた接着試験用試験片を、JISK6850剛性被着体の引張りせん断接着強さ試験方法に準拠し、試験速度0.5mm/分で接着強さを測定した。せん断接着力の値が大きいほど、接着力が高いことを示す。
Figure 2023009610000039
触媒としてトリエチルアミンを使用して合成したポリマーEを含む比較例1と、ポリマーEにトリエチルアミンをさらに加えた参考例5とを比較すると、光線透過率の変化は見られなかった。これは、比較例1のポリマーEは残存トリエチルアミンにより着色しているため、追加でトリエチルアミンを配合しても呈色性が小さいためと考えられる。
ポリマーA~Dを使用した実施例1~4の樹脂組成物は、比較例1に比べ、光線透過率が高く、透明性に優れていた。また、実施例1~4の樹脂組成物は、比較例1に比べ、接着性が優れていた。
ポリマーDを配合した実施例4と参考例4とを比較すると、参考例4ではポリマーDの有するマレイミド構造とトリエチルアミンとの呈色反応による着色が生じ、光線透過率の減少が観察された。この結果より、ポリマーDを、アミン触媒を使用する従来法に合成した場合、透明性に劣る接着剤組成物が得られることが予測される。
それぞれポリマーA~Cを使用した実施例1~3と、ポリマーA~Cにトリエチルアミンを加えた参考例1~3とを比較すると、光線透過率の変化はほとんどなかった。これは、ポリマーA~C中の無水マレイン酸由来構造の大部分がヒドロキシ基含有化合物と反応し、未反応の無水環が少ないためと考えられる。
ポリマーBおよびCを含む実施例2および3の樹脂組成物の接着性は、特に優れていた。これは、ポリマーBおよびCが有するポロイオキシアルキレン鎖の高極性と柔軟性が寄与していると考えられる。

Claims (13)

  1. 式(A)で表される構造単位と、
    式(1)で表される構造単位と、を含む、ポリマーであって、
    Figure 2023009610000040
    式(A)中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~30の有機基であり、aは0、1または2であり、
    Figure 2023009610000041
    式(1)中、R11は、ウレタン結合と末端反応性不飽和二重結合とを含む基である、ポリマー。
  2. 請求項1に記載のポリマーであって、
    式(2)で表される構造単位をさらに含み、
    Figure 2023009610000042
    式(2)中、R21は、ヒドロキシ基を有する有機基である、ポリマー。
  3. 請求項1または2に記載のポリマーであって、
    式(MA)で表される構造単位および式(3)で表される構造単位から選択される少なくとも1つをさらに含み、
    Figure 2023009610000043
    Figure 2023009610000044
    式(3)中、R31は、水素原子または炭素数1~30の有機基である、ポリマー。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のポリマーであって、
    前記式(1)中のR11が、オキシアルキレン基をさらに含む、ポリマー。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のポリマーであって、
    前記ウレタン結合と末端反応性不飽和二重結合とを含む基が、ウレタン結合と(メタ)アクリロイル基とを含む基である、ポリマー。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のポリマーと、
    ラジカル重合性モノマーと、を含む、硬化性樹脂組成物。
  7. 前記ラジカル重合性モノマーが、1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物を含む、請求項6に記載の硬化性樹脂組成物。
  8. 光ラジカル重合開始剤をさらに含む、請求項6または7に記載の硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項6乃至8のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物からなる接着剤組成物。
  10. 請求項6乃至8のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物の硬化体。
  11. フィルムの形態である、請求項10に記載の硬化体。
  12. 請求項10に記載の硬化体を含む物品。
  13. 光学部品である、請求項12に記載の物品。
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