JP2021101423A - 改良された微多孔質膜、セパレータ、リチウム電池、および関連する方法 - Google Patents

改良された微多孔質膜、セパレータ、リチウム電池、および関連する方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】二次または充電式のリチウム電池用イオン化放射処理微多孔質ポリオレフィン、ポリエチレン、コポリマー、および/またはポリマーブレンド電池セパレータおよび/またはイオン化放射処理微多孔質電池セパレータの製造方法を開示する。【効果】イオン化放射処理は、サーマルシャットダウンの低開始温度、拡大されたサーマルシャットダウン・ウインドウ、高温で維持された物理的、寸法的、および/または機械的完全性、充電式のリチウム電池における電池安全性能、ポリプロピレン膜またはセパレータ膜またはポリプロピレンベースの三層製品の高温性能を持つ処理されたポリエチレンセパレータ膜、熱安定性および高温物理的完全をもたらし、電池系の陰極および陽極の分離を維持し、充電式のまたは二次リチウム電池、および/またはそれらの組合せにおける熱暴走現象を避ける、減少された熱収縮率を有する微多孔質膜または電池セパレータを提供し得る。【選択図】図1

Description

関連する出願の相互参照
本出願は、2015年4月10日出願日の共係属中の米国仮特許出願シリアルナンバー62/145,549号の優先権と権益を請求し、その全体を参照によって本願明細書に組み入れる。
少なくとも選択された実施態様によれば、本出願または発明は、新規または改良されたセパレータ膜、セパレータ、かかるセパレータを包含する電池、かかる膜および/またはセパレータの製造方法、および/またはかかる膜および/またはセパレータの使用方法を対象にする。少なくともある実施態様によれば、本発明は、イオン化放射処理した微多孔質ポリオレフィン、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、コポリマーおよび/またはポリマーブレンド(例えば、PEおよびポリプロピレン(PP)などの他のポリマーを含むコポリマーまたはブレンド)膜、微多孔質膜、セパレータ膜、電池セパレータ、および/または二次電池または充電式リチウム電池用の微多孔質電池セパレータ、および/またはイオン化放射処理膜、微多孔質膜、セパレータ膜、電池セパレータ、および/または微孔質電池セパレータを製造および/または使用する方法を対象にする。
本発明の微孔質膜または電池セパレータは、サーマルシャットダウン(または熱遮断、以下同じ)のより低い開始温度を提供することができ、物理的、寸法的および機械的完全性が高温で維持される、拡大されたサーマルシャットダウン・ウインドウ(またはサーマルシャットダウン・ウインドウ、以下同じ)を有することができ、より良好な耐酸化性を有することができ、充電式リチウム電池の電池安全性能を改良でき、処理されたポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリオレフィンセパレータ膜を提供することができ、湿式プロセス製品に近いかまたはそれを上回る性能を有する処理された乾式プロセス製品を提供することができ、高温性能を有する処理されたポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリオレフィンセパレータ膜を提供することができ、ポリプロピレンベースの製品の高温性能を有する処理されたポリエチレンセパレータ膜を提供することができ、ポリプロピレンベースの多層または三層製品(単なる例示により、2つのポリプロピレン層とその間にポリプロピレンまたはポリエチレン層から作られた三層膜、または2つのポリエチレン層とその間にポリプロピレン層またはポリエチレン層から作られた三層膜)の高温性能を有する処理されたポリエチレンセパレータ膜を提供することができ、熱収縮率が減少して熱安定性および高温物理的完全性の両方をもたらし、それが電池システムにおける陰極と陽極の分離を維持し、高温、高エネルギー、高充電率、および/または高電圧機能を改善し、安全性を改善し、および/または充電式または二次リチウム電池、および/またはそれらの組み合わせ中の短絡または熱暴走事象を回避するために重要となり得る。
イオン化放射は、高速、高エネルギー、亜原子粒子、イオンまたは小原子などを包含し得る。理論に拘束されることを望まないが、イオン化放射は、物質が材料を通過するかまたは材料と衝突するときに、原子または分子から電子を除去し得る。イオン化された原子または分子は、放射線分解を受け、フリーラジカルを形成し、さらなる化学反応を誘発し得る。イオン化放射の1つの形態は、電子ビームまたはe−ビーム放射である。e−ビーム放射は、エネルギーレベルが高(5〜10MeV)、中程度(500keV〜5MeV)または低(80〜500keV)であり得る。
様々なポリマー材料の特性を改変し、ポリマーの機械的、熱的、および/または化学的特性を改善し、ポリマーの適用範囲を広げることは望ましい場合がある。さらに、e−ビ
ーム線量のレベルは、リチウム金属および/またはリチウムイオン電池などの様々なリチウム電池などの充電式電池用の微多孔質ポリオレフィン電池セパレータ膜に一般に使用されるポリオレフィンなどのポリマーの機械的、熱的および/または化学的性能特性の改変および改良において重要であり得る。
ポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)などのポリオレフィンは、充電式リチウム電池の電池セパレータとして使用するための微多孔質セパレータ膜の製造に一般的に使用される半結晶性ポリマー材料である。理論に縛られることなく、ポリオレフィン材料のe−ビーム放射は、C−C(4.25eV)およびC−H(3.60eV)結合を破壊し得、鎖切断対架橋の競合プロセスを誘発し得るフリーラジカルを形成する。鎖切断対架橋の優位性は、ポリマーの分子量、立体規則性および結晶化度、ならびに圧力、温度、不活性雰囲気および電子線量などの電子ビーム処理条件によって決定される。
図1は、非晶性領域と結晶性領域とからなる半結晶性ポリマーを示しており、非晶性領域のポリマー鎖は、ポリマーの結晶性領域のラメラの積み重ねを一緒に結ぶゆるやかにらせん状に巻かれた鎖として現れる。フリーラジカルの移動性の欠如のために結晶性領域において鎖切断が優勢であるが、ポリマー鎖の絡み合いのために非晶性領域において架橋が支配的である。架橋ポリマー鎖は、図1および図2の両方に示されている。分子量の増加と架橋によって作られる3Dネットワークのために、架橋ポリマー材料は、高温において高粘度と高機械的強度を有する傾向にある。
ポリマー材料は微多孔質電池セパレータ膜に使用され得る。電池セパレータは、陰極と陽極間の物理的接触を防止し、一方で、電池の充電および放電サイクル中の電界イオン流を可能にするために、電池システムにおける陰極、陽極間に配置された微多孔質膜を包含する。高エネルギー密度の二次リチウム電池(例えば、場合によっては、リチウムイオン電池)には、需要が高まっている。
スマートフォンやラップトップコンピュータなどの民生用電子機器適用向け、電動工具向け、電気/ハイブリッド電気自動車応用の高エネルギーリチウム電池の需要が高まっている。かかる充電式、または二次的なリチウム電池には、リチウムイオン電池が包含される。リチウムイオン電池は、高性能微多孔質セパレータ膜を包含し得る。
少なくとも選択された実施態様によれば、本出願または発明は、上のニーズまたは需要に対処することができ、および/または新規または改良された膜、セパレータ膜、セパレータ、かかるセパレータを包含する電池、かかる膜および/またはセパレータの製造方法、および/またはかかる膜および/またはセパレータの使用方法を対象にする。少なくともある実施態様によれば、本発明は、二次電池または充電式リチウム電池用のイオン化放射処理されたポリオレフィン、ポリエチレン(PE)、コポリマーおよび/またはポリマーブレンド(例えば、PE、およびポリプロピレン(PP)などの他のポリマーを含むコポリマーまたはブレンド)二次または充電式リチウム電池用の電池セパレータ、および/またはイオン化放射処理された微多孔質膜電池セパレータの製造方法を対象にする。
少なくとも選択された実施態様、側面または目的によれば、本願または発明は、新規または改良されたセパレータ膜、セパレータ、かかるセパレータを包含する電池、かかる膜および/またはセパレータの製造方法、および/またはかかる膜および/またはセパレータの使用方法を提供し得るか、対象にする。少なくとも1つのある実施態様によれば、本発明は、イオン化放射処理された微多孔質ポリオレフィン、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、コポリマーおよび/またはポリマーブレンド(例えば、PEおよびポリプロピレン(PP)などの他のポリマーを含むコポリマーまたはブレンド )膜、微
多孔質膜、セパレータ膜、電池セパレータ、および/または二次電池または充電式リチウム電池用の微多孔質電池セパレータ、および/またはイオン化放射処理膜、微多孔質膜、
セパレータ膜、電池セパレータ、および/または微多孔質電池セパレータの製造および/または使用方法を対象にする。
本発明の微多孔質膜または電池セパレータは、サーマルシャットダウンのより低い開始温度を提供することができ、物理的、寸法的および機械的完全性が高温で維持される拡大されたサーマルシャットダウン・ウインドウを有することができ、より良好な耐酸化性を有することができ、充電式リチウム電池の電池安全性能を改善することができ、処理されたポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリオレフィンセパレータ膜を提供することができ、湿式プロセス製品に近いか、そのものまたはそれを上回る性能を有する処理された乾式プロセス製品を提供することができ、より高い温度性能を持つ処理されたポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリオレフィンセパレータ膜を提供することができ、ポリプロピレンベースの製品の高温性能を持つ処理されたポリエチレンセパレータ膜を提供することができ、ポリプロピレンベースの多層または三層製品の高温性能を持つ処理されたポリエチレンセパレータ膜を提供することができ(例として、間にポリエチレンまたはポリプロピレン層を持つ2つのポリプロピレン層からなる三層膜、または間にポリプロピレンまたはポリエチレン層を持つ2つのポリエチレン層で作られている三層膜)、低減された熱収縮率を有することができ、電池システムにおける陰極と陽極の分離を維持し、高温、高エネルギー、高充電速度、および/または高電圧機能を改善し、安全性を改善し、および/または短絡、または充電式または二次リチウム電池、またはその組合せの熱暴走事象を回避するために重要な、熱的安定性と高温物理的完全性の両方をもたらす。
発明に係る微多孔質膜、または電池セパレータは、好ましくはサーマルシャットダウンの低開始温度を提供でき、高温で物理的、寸法的、および機械的完全性を維持する拡大されたサーマルシャットダウン・ウインドウを有することができ、充電式のリチウム電池における電池安全性能を改善することができ、ポリプロピレンベースの三層製品の高温性能を持つ処理されたポリエチレンセパレータ膜を提供することができ(例としてのみ、間にポリエチレンを持つ2つのポリプロピレン層で作られた三層膜)、低減された熱収縮率を有することができ、改善された熱安定性および高温物理的完全性の両方をもたらし、それは、電池システムの陰極と陽極の分離を維持し、充電式または二次リチウム電池、および/またはその組合せにおける熱暴走の事象を回避するために重要である。
微多孔質ポリエチレン電池セパレータのイオン化放射処理は、サーマルシャットダウンの開始温度を低下させる発明に係る方法を提供する。さらに、イオン化放射で処理された微多孔質ポリエチレン電池セパレータ膜は、微多孔質セパレータ膜の物理的、寸法的および機械的完全性がより高い温度で維持される、拡大されたサーマルシャットダウン・ウインドウを有する。発明に係るイオン化放射処理されたセパレータ膜の拡大された高温寸法の完全性は、充電式リチウムイオン電池の電池安全性能を向上させる。加えて、発明に係るイオン化放射処理されたセパレータ膜の拡大された高温寸法の完全性は、ポリプロピレンベースの三層製品の高温性能に近づく(例としてのみ、間にポリエチレン層を有する2つのポリプロピレン層からなる三層膜)。加えて、本発明の電池セパレータ膜は、熱収縮率を低減し、電池システムにおける陰極および陽極の分離を維持し、充電式または二次リチウム電池の熱暴走事象を回避するために重要であり得る改良された熱安定性および高温物理的完全性の両方をもたらす。
好ましいサーマルシャットダウンの特徴は、低開始温度、早いシャットダウン速度、および持続的サーマルシャットダウン・ウインドウである。サーマルシャットダウンの特徴を有することができる様々なセパレータは、単層ポリエチレン膜、またはポリプロピレンとポリエチレンからなる三層を包含し得るが、これに限定されるものではない。シャット
ダウンはその130〜140℃の低融点のために、ポリエチレンによって提供され得る。本願明細書に開示するように、電子ビーム放射は、経済的で、容認でき、清潔で早い方法を使用して微多孔質電池セパレータ膜の熱的、機械的および/または化学的特性を改善し、特注に従って変更する手段を提供し得る。
スマートフォンやラップトップコンピュータ、電動工具などの民生用応用向け、電気/ハイブリッド電気自動車向けの高エネルギーまたは高電圧リチウム電池の需要が高まっている。いくつかのかかる充電式二次リチウム電池は、リチウムイオン電池を包含する。リチウムイオン電池には、高性能の微多孔質セパレータ膜を包含する。本願明細書に記載されるとおり、電子ビーム放射は、経済的で、電子ビーム促進の方向において優れた指向性を有し、ならびに高処理速度で実行し得るプロセスを使用して、微多孔質電池セパレータ膜の機械的、熱的および化学的特性を改善し、特注に従って変更するための手段を提供し得る。
電子ビーム(e−ビーム)放射線を使用したイオン化放射処理は、充電式、または二次リチウム電池(例としてのみ、リチウム金属電池、リチウムイオン電池など)などの様々な電池の安全性および/または性能を最適化するために、微多孔質電池セパレータ膜の機械的、熱的および/または化学的特性の改変を制御し、および特注に従って変更する方法である。微多孔質セパレータ膜の熱収縮率の減少は、リチウム電池における高温での寸法安定性のレベルの向上および安全性能の改善をもたらす。セパレータ膜の熱収縮率が非常に低いかまたは零であると、陰極と陽極との間の物理的接触が防止され、電池の電子的短絡の可能性が低減される。
繰り返しの充電と放電のサイクルは、電池内の一部の内部部品の寸法が変化し得る。電池アセンブリプロセスは、層の陰極/セパレータ/陽極の積み重ねを包含し得るか、ロールケーキタイプの構成で巻かれた積み重ね陰極/セパレータ/陽極の全長を包含し得る。陰極と陽極の間の物理的および電気的絶縁は、セパレータによって提供される。機械方向または横方向のセパレータの収縮率は、場合によっては、陰極と陽極間の接触を導き、短絡または熱暴走事象に対するポテンシャルを生じる。
ポリエチレン(PE)微多孔質電池セパレータ膜の電子ビーム処理は、膜の熱寸法収縮率の低減を達成し得る。湿式法または乾式法を用いて製造されたPE微多孔質電池セパレータ膜に対して電子ビーム処理を行い得る。湿式プロセスは、熱誘導相分離プロセス(またはTIPSプロセス)を包含し、それは典型的にはポリマーおよび加工助剤(および可能であれば他の成分)を溶融および混合して非多孔質押出物前駆体膜を形成し、続いて任意の順序で、または複数のステップの組み合わせで1以上の抽出ステップが続くか、または先行し得る、一軸方向および二軸方向の1以上の伸張ステップを包含する。電子ビーム処理は、延伸前または延伸後、抽出前または押出後に、任意の順序で、最終的に完成した良品およびこれらのステップの任意の組み合わせで、非多孔質押出物前駆体膜上で行うことができる。
電池の安全性を向上させるために、リチウム電池製造業者は、セパレータの孔が閉じてシャットダウン温度での電極間のイオンの流れを阻止するサーマルシャットダウン機能を持つ微多孔質電池セパレータを使用し得る。イオンの流れがなければ、電池は機能しなくなる。シャットダウンされた微多孔質電池セパレータ膜の電子ビーム放射処理は、サーマルシャットダウンの開始温度を調整する手段を提供し得る。シャットダウンが可能な微多孔質電池セパレータ膜の電子線照射処理は、サーマルシャットダウンの開始温度を微調整し、開始温度をより低い温度に調整する手段を提供し得る。より低いサーマルシャットダウン温度を持つ微多孔質電池セパレータ膜は、低温でイオン流の妨害状態を提供する。
サーマルシャットダウンは、セパレータ膜の電気抵抗を温度の関数として測定する電気抵抗テストを使用して測定することができる。電気抵抗(ER)は、電解質で満たされたセパレータのオーム・cmでの抵抗値で定義される。電池セパレータ膜でサーマルシャットダウンが発生すると、ERは約1,000〜10,000オーム・cmオーダーの高レベルの抵抗値に達する。セパレータ膜が180℃以上の高温でこのレベルの電気抵抗を維持する場合、これは持続された高温サーマルシャットダウンと呼ばれる。サーマルシャットダウン温度の低下とシャットダウン温度持続の延長は、サーマルシャットダウンの持続された‘窓’を広げる。広いサーマルシャットダウン・ウインドウは、熱暴走事象のポテンシャル、および火災または爆発の可能性を低減することによって電池の安全性を改良し得る。
サーマルシャットダウンはポリマーの融点またはその近傍で起こる。ポリエチレン微多孔質電池セパレータ膜のサーマルシャットダウンは、PEの分子量に依存し、130℃〜145℃の範囲のPEの融点で起こる。電池の温度が150℃に上昇すると、特定のPEセパレータ膜の融点の完全性の損失のために、サーマルシャットダウンは失われ得る。ポリエチレン微多孔質電池セパレータのサーマルシャットダウン・ウインドウは、場合によっては、5−15℃で、それは狭いウインドウと見なされ得る。ポリプロピレン(PP)とポリエチレン(PE)を含有する三層の微多孔質電池セパレータ膜において、ポリプロピレン部分は約165℃で溶融し得る。
ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン(PP/PE/PP)三層電池セパレータ膜のサーマルシャットダウンは、場合によっては、PE層のために135〜145℃のサーマルシャットダウン開始温度を有する可能性があるが、PP層のために165℃まで十分に溶融しない。持続的なサーマルシャットダウン・ウインドウは、場合によっては135〜145℃から165℃まで発生し得、PP層の完全性が失われるまで続く。したがって、場合によっては、PP/PE/PP三層電池セパレータ膜のサーマルシャットダウン・ウインドウは、例えば単層ポリエチレンセパレータのサーマルシャットダウン・ウインドウよりも広く、したがって、リチウム充電式電池の良好な熱性能などのいくつかの所望の特徴を有し得る。
熱的性能に関しては、様々なPE微多孔質電池セパレータのためのサーマルシャットダウン・ウインドウを広げることが望ましい場合がある。PE微多孔質電池セパレータ膜の電子ビーム処理は、より低いシャットダウン開始温度およびより高い溶融完全性のPE層を達成し、所望の広げられたサーマルシャットダウン・ウインドウを生成する。
電子ビーム処理は、微多孔質電池セパレータ膜の電解質湿潤を改善する追加の利益を有し得る。PE微多孔質電池レータ膜の低e−ビーム放射は、セパレータ膜表面上と微多孔質セパレータ膜の内部多孔質構造内の両方の電解質液の接触角を減少させることによって、リチウム電池の電解質湿潤を変化させ得る。より低い接触角は、リチウム電池の容量を改良するように導き得る高い電解質吸収を示す。
図1は、電子ビーム処理前後の半結晶性ポリマーが結晶性および非晶性領域を示す模式図を含む。 図2は、電子ビーム放射処理前後の架橋ポリマー鎖の模式図を含む。 図3は、9μmの微多孔質ポリエチレンパレータ膜の電子ビーム処理線量の関数としてのサーマルシャットダウン・カーブを含む。 図4は、微多孔質セパレータ膜の電子ビーム処理線量の関数としてのサーマルシャットダウン・カーブを含む。 図5は、12μmの微多孔質ポリエチレンパレータ膜の電子ビーム処理線量の関数としての105℃、1時間後のMD熱収縮率%を含む。 図6は、12μmの微多孔質ポリエチレンパレータ膜の電子ビーム処理線量の関数としての120℃、1時間後のMD熱収縮率%を含む。 図7は、12μmの微多孔質ポリエチレンパレータ膜の電子ビーム処理線量の関数としての105℃、1時間後のTD熱収縮率%を含む。
図8は、12μmの微多孔質ポリエチレンパレータ膜の電子ビーム処理線量の関数としての120℃、1時間後のTD熱収縮率%を含む。 図9は、12μmの微多孔質ポリエチレンパレータ膜の電子ビーム処理線量の関数としてのサーマルシャットダウン・カーブを含む。 図10は、未処理、およびE−ビーム処理微多孔質セパレータ膜に対するサーマルシャットダウン・カーブを含む。 図11は、未処理、およびE−ビーム処理した12μmの微多孔質ポリエチレンパレータ膜のTMAを含む。 図12は、比較例1と比較した例3の電子ビーム処理の穴径分布を含む。 図13は、比較例2と比較した例7の電子ビーム処理の穴径分布を含む。 図14は、電子ビーム処理前の比較例2表面のSEM顕微鏡写真を含む。
図15は、電子ビーム処理後の例7表面のSEM顕微鏡写真を含む。 図16は、非放射線処理比較例1に対する過充電試験プロットを含む。 図17は、電子ビーム処理例3に対する過充電試験プロットを含む。 図18は、セパレータが陰極から剥がした後も損なわれていなかったことを示す、ホットボックス試験電池の剖検後の発明に係るセパレータ膜実施例3の写真を含む。 図19は、セパレータが陰極に溶融し、陰極から剥がすことができなかったことを示す、ホットボックス試験電池の剖検後の比較例1の写真を含む。 図20は、比較例1でボールクラッシュ試験された結果を含む。 図21は、実施例3でボールクラッシュ試験された結果を含む。 図22は、9μmのポリエチレン微多孔質セパレータ膜に対するサイクル性能試験結果を含む。
少なくとも選択された実施態様によれば、本願または本発明は、新規または改善されたセパレータ膜、セパレータ、かかるセパレータを包含する電池、かかる膜および/またはセパレータの製造方法、および/またはかかる膜および/またはセパレータの使用方法を対象にする。少なくとも1つの特定の実施態様によれば、本発明は、イオン化放射で処理された微孔性ポリオレフィン、ポリエチレン(PE)、コポリマーおよび/またはポリマーブレンド(例えば、PEとポリプロピレン(PP)などの他のポリマーを含むコポリマーまたはブレンド)二次または充電式リチウム電池用電池セパレータ、および/またはイオン化放射処理された微多孔質電池セパレータの製造方法を対象にする。PEを含むブレンドまたはコポリマーが使用される様々な実施態様において、かかるブレンドまたはコポリマーは、例えば、約90%以上のPE、または約95%以上のPEなどを包含し得る。
本発明に係る微多孔質膜または電池セパレータは、好ましくは、サーマルシャットダウンのより低い開始温度を提供し、物理的、寸法的、および機械的完全性が高温で維持される、拡大されたサーマルシャットダウン・ウインドウを有することができ、充電式リチウム電池において、電池安全性能を改善することができ、ポリプロピレンベースの三層製品の高温性能を持つ処理されたポリエチレンセパレータ膜を提供することができ、(一例としてのみ、ポリエチレン層を間に有する2つのポリプロピレン層からなる三層膜)、熱収縮率を低減して、電池システムにおいて陰極と陽極の分離を維持し、充電式、または二次
リチウム電池、および/またはそれらの組み合わせにおける熱暴走事象を回避するために重要である、熱安定性と高温物理的完全性の両方をもたらし得る。
微多孔質ポリエチレン電池セパレータのイオン化放射処理は、サーマルシャットダウンの開始温度を低下させる方法を提供する。さらに、イオン化放射で処理された微多孔質ポリエチレン電池セパレータ膜は、微多孔質セパレータ膜の物理的、寸法的および機械的完全性がより高い温度で維持される、拡大されたサーマルシャットダウン・ウインドウを有する。本発明に係るイオン化放射処理されたセパレータ膜の拡大された高温寸法の完全性は、充電式リチウムイオン電池の電池安全性能を向上させる。さらに、本発明のイオン化放射処理されたセパレータ膜の拡大された高温寸法の完全性は、ポリプロピレンベースの三層製品の高温性能に近づく(一例としてのみ、間にポリエチレン層を有する2つのポリプロピレン層から作られた三層膜)。加えて、本発明に係る電池セパレータ膜は、熱収縮率を低減し、電池システムにおける陰極と陽極の分離を維持し、充電式または二次リチウム電池の熱暴走事象を回避するために重要である熱安定性および高温物理的完全性の両方をもたらし得る。
電子線放射の形態のイオン化放射処理は、微多孔質電池セパレータ膜の熱的、機械的および/または化学的特性または側面を制御および改変し、様々な二次または充電式リチウム電池におけるその安全性および/または性能を最適化する方法または手段を提供し得る。本明細書に記載の様々な実施態様において、e−ビーム放射は、セパレータ膜上で単独で実施されてもよく、または熱処理、IR処理、他の化学的架橋処理などの他の処理の前、後、または同時に行い得る。
充電式リチウム電池製造業者は、厚さ6〜20μm(場合により薄いものさえ)、より好ましくは厚さ8〜16μmの範囲、最も好ましくは厚さ8〜14μmの範囲の薄い微多孔質セパレータ膜をしばしば要求する。リチウム電池製造業者は、リチウム電池の安全性能に非常に重点を置いており、電池セパレータ膜がエネルギー密度、サイクル寿命および電池の安全性において重要な役割を果たすと考えている。
薄いセパレータは、高いエネルギー密度のリチウム電池、例えば重量の軽いリチウムイオン電池を製造しようと努める電池製造業者に好まれる。セパレータ膜が薄ければそれだけ、より多くの電極/セパレータのサンドイッチが電池セルに詰め込まれ、高エネルギー密度をもたらす。しかし乍ら、14μm未満の厚さを持つ薄い電池セパレータは、高温で機械方向(MD)と横方向(TD)の両方で寸法的に安定であるべきであり、また電池の充電および放電サイクル最中に電池の陽極と陰極間の物理的分離を維持するために、低い熱MDおよびTD収縮率を有するべきである。
充電および放電サイクルを繰り返すと、電池寿命を通じて電池セパレータ膜の寸法において変化を引き起こす。電池アセンブリ工程は、陰極/セパレータ/陽極の積み重ね、またはロールケーキタイプの構成において巻かれた積み重ね陰極/セパレータ/陽極サンドイッチ状の構造の全長を含む。セパレータは、陰極、陽極間の物理的、電気的絶縁を提供する。セパレータの機械方向または横方向の収縮率は、陰極と陽極間の接触を導き、短絡または熱暴走事象のポテンシャル、および電池火災や爆発のポテンシャルを生じる。
単層および多層ポリエチレン微多孔質セパレータ膜は、リチウム電池における安全性能を改善するために、電子ビーム放射でそれらの熱機械的性能特性を変更するように処理することができる(一例として、単層および多層膜、コポリマー膜、ポリマーブレンド 膜
、および/またはそれらの組合せを包含する)。電子ビーム照射の線量の範囲は、ポリマーの分子量、ポリマーの結晶化度/非晶質含有量、装置のプロセス条件、処理前および処理中のガス雰囲気曝露の化学的性質、 処理される膜の厚さ、ならびに目標とするセパレータ膜の化学的、機械的および熱的性能特性などいくつかの要因に依存する。本明細書に記載される様々な実施態様において、使用されるポリマーは、約800,000未満の分子量を有するポリエチレンであり得る。 いくつかの実施態様において、ポリエチレンは高密度ポリエチレンである。
半結晶性ポリマーは、非晶性領域と、非晶性領域内のポリマー鎖がポリマーの結晶領域のラメラスタックと結び付ける結晶領域とからなる。結晶性領域の量は、結晶化度または結晶化度パーセントによって示される。ポリオレフィンの結晶化度は、電子ビームが鎖切断によって化学結合を破壊し、より短いポリマー鎖を生成し得るため、電子ビーム放射への曝露によって影響され得る。電子ビーム処理はまた、図2に示すように、ポリマー鎖間の架橋反応を生じさせることができるフリーラジカル化学種を生成することができ、より長いポリマー鎖を作るか、または化学結合したポリマー鎖のネットワークを作り出す。
連鎖切断対架橋活性の優位性は、ポリマーのタイプ、その分子量および分布、結晶化度、アモルファス含有量、および立体規則性などのパラメータを選択することによって、および圧力、温度、選択された気体雰囲気中の酸素の存在および電子ビーム線量などの電子ビーム処理条件を選択することによってバランスされる。多くのポリマーは架橋および切断の両方を受け、これらのプロセスのうちの優位性は、ポリマーの化学構造および形態、ならびに選択された電子ビーム処理条件に依存する。
電池メーカーは、リチウムイオン電池などの高エネルギー電池の高まる需要から、セパレータ膜が薄ければ薄いほど、より多くの電極材料を電池セルに設計することができるので、厚さ8〜20μm、より好ましくは厚さ8〜16μm、最も好ましくは厚さが8〜14μmの範囲にある非常に薄い微多孔質セパレータ膜を使用している。より薄いセパレータ膜は、単位体積当たりのポリマーがより少なく、したがって、場合によっては、より厚いセパレータよりも機械方向および横方向の二次元X−Y方向の機械的強度が弱いことがある。より薄いセパレータ膜は単位体積当たりのポリマーが少ないため、場合によっては、より厚いセパレータよりも穿刺強度によって測定される“Z”方向でより弱くなり得る。E−ビーム処理は、ポリマー鎖の長さ、鎖間のポリマー間結合の量、およびポリマー鎖の絡まりを化学的および永久的に改変することによって、X、YおよびZ方向のセパレータ膜の高温機械的強度を改良するために使用し得る。
ポリマー材料の電子ビーム放射は、フリーラジカルの生成に導き得る。フリーラジカルは、ポリマー材料において分解および/または架橋現象に導き得る。連鎖劣化に伴うフリーラジカル生成の優位性対e−ビーム処理の結果としての連鎖延長につながる架橋の発生は、ポリマー中の結晶性および非晶性領域の量によって影響を受ける。e−ビーム処理は、架橋として知られているポリマー間結合の形成によって、ポリマーの非晶性領域に影響を及ぼす。図1は、ポリマー上のe−ビーム放射の結果を示す。e−ビーム処理は、ポリマー鎖のより利用可能な部分、例えば、折り畳まれたラメラ結晶領域のポリマー鎖の1つ以上の外側の曲げ部上にフリーラジカルを生成する鎖の切断によって、ポリマーの結晶領域に影響を及ぼし得る。
ポリエチレンセパレータ膜のe−ビーム(またはeビーム)処理は、電子ビーム線量の選択に応じて機械的強度特性のいくつかに影響を及ぼし得る。本発明のセパレータ膜のMDおよびTD引張強さ、引張歪みおよびヤング率のような機械的特性は、多くの実験的努力で決定されたプロセス条件のために、9μmおよび12μmの微多孔質セパレータ膜のe−ビーム処理によって悪影響を受けない。さらに、e−ビーム処理されたPE微多孔質セパレータ膜の絶縁破壊、微小押し込みおよび混合浸透は、悪影響を受けない。熱機械分析(TMA)は、試験サンプルが一定の張力下に保持され、温度が室温から上昇した温度に上昇するテンションモードで実施すると、熱破断温度がより高い温度にシフトする(図
11参照)。
熱破裂温度は、温度が上昇するにつれて膜が加えられた張力下で壊れる温度である。微多孔質PEセパレータ膜のe−ビーム処理の結果としての架橋の効果は、破裂温度のこの上方シフトを引き起こし、e−ビーム処理膜がより高温での張力下で容易に破損しないことを実証する。100kGyの電子ビーム線量後の寸法変化率は急激ではない。e−ビーム処理は、PE微多孔質セパレータ膜の熱破裂温度を、リチウムイオン電池などの電池の所望の熱的性能に応じて高くまたは低く移動させることによって微調整する方法を提供する。
サーマルシャットダウンは、微多孔質セパレータ膜の孔が閉じ、セパレータ膜がもはやイオンを伝導することができない温度で起こる。ポリエチレン微多孔質電池セパレータ膜のサーマルシャットダウンは、PEの分子量、密度、立体規則性および結晶化度に依存し、典型的には130〜145℃の範囲内にあるポリマーの融点またはその付近で生じる。電池セパレータ膜でサーマルシャットダウンが発生すると、電気抵抗(ER)は約1,000〜10,000オーム・cm程度の高レベルの抵抗に達し、電池は“シャットダウン”状態にあると言われる。セパレータ膜が≧180℃の温度でこのレベルの電気抵抗を維持する場合、これは持続的な高温サーマルシャットダウンと呼ばれる。
ポリエチレン微多孔質セパレータ膜の場合、電池温度が130〜145℃に達し、サーマルシャットダウンが発生した後も、電池の温度は上昇し続ける可能性がある。150℃の温度では、場合によっては、ポリエチレンセパレータ膜の‘溶融完全性’の損失のためにサーマルシャットダウンが失われ得る。溶融完全性は、膜が軟化しているがその形状を保持している寸法によって定義される膜の物理的構造をいう。溶融完全性の損失は、膜がもはやその形状を保持せず、流体であることを意味する。電池の安全性の観点からは、微多孔質セパレータ膜が高温で物理的形状を維持し、高温溶融完全性(HTMI)を有することが望ましい。
図3の実施例3の電子ビーム処理されたポリエチレン微多孔質セパレータ膜は、約137.5℃で熱シャットダウンが開始されてから180℃まで延長されたサーマルシャットダウン・ウインドウを有する。サーマルシャットダウンの開始に伴い、電気抵抗(ER)が10オーム・cmから10,000オーム・cm以上に急激に上昇し、セパレータ膜の孔がポリマーの溶融により閉じられ、電池の中のイオンの流れが遮断されることが示される。膜の物理的完全性が維持され、ERが高いままであると、電池セパレータは、陽極を陰極から分離する物理的障壁をもたらし、熱暴走事象が起こる機会を妨げている。
約25μm以下の厚さを有する典型的なポリエチレン微多孔質電池セパレータのサーマルシャットダウン・ウインドウは、5〜15℃程度、時にはさらに低い(例えば、3℃の約144〜147℃の全シャットダウン・ウインドウ)。これは狭いサーマルシャットダウン・ウインドウであると考えられる。サーマルシャットダウン・ウインドウを増加させる1つの可能な手段は、より高い溶融温度のポリマーをPEに組み入れることである。多孔質セパレータ膜のサーマルシャットダウン・ウインドウを延長する別の方法は、ポリプロピレン多孔質膜層などの1つ以上のより高い溶融温度の多孔質層で該PEを層状にすることである。サーマルシャットダウン・ウインドウは、例えば、‘ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン’三層分離膜構成においてポリプロピレン(PP)を使用することによって調整することもでき、この場合、内側のポリエチレン層は130〜145℃の早期サーマルシャットダウンに寄与し、ポリプロピレン外層は165℃付近でより高いサーマルシャットダウンに寄与する。
ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン(PP/PE/PP)の三層電池セパ
レータ膜のサーマルシャットダウンは、130℃程度の低い開始温度を有し得る。と言うのは、PE内部層は、 いくつかの湿式プロセスPE膜またはフィルムを製造するために
使用されるPEよりも低い分子量のPEを使用し得る、乾式プロセスを用いて製造し得るからである。図4の比較例4は、130.5℃のシャットダウン開始温度および約180℃に延長する持続的なサーマルシャットダウン・ウインドウを持つPP/PE/PP膜である。ポリプロピレン含有三層電池セパレータ膜のサーマルシャットダウン・ウインドウは、非放射PEセパレータ膜のサーマルシャットダウン・ウインドウよりも広く、高温でリチウムイオン充電式電池に良好な熱安全性能を付与する。
本発明に係る方法は、低エネルギー電子ビーム放射を用いてPE微多孔質電池セパレータ膜を改変し、高温性能に関して、三層PP/PE/PP微孔質電池セパレータ膜と競合することができる熱安定性PE微孔質電池セパレータ膜を製造する。低エネルギーe−ビーム放射で処理されたPE微孔質電池セパレータ膜は、より低い開始シャットダウン温度およびより高溶融完全性を達成することができ、PP含有膜と同様の所望の拡大されたサーマルシャットダウン・ウインドウを生じる。本明細書に記載される様々な実施態様において、シャットダウン・ウインドウは、ある狭い範囲(例えば、約3から約15℃の合計ウインドウ)から約30℃を超えるウインドウまで増加させることができる(例えば、シャットダウンの開始温度は約138℃未満、例えば137℃に広げられ、そこにおいては、シャットダウンが170℃超までに持続される)。PE微多孔質セパレータ膜の電子ビーム処理は、リチウムイオン電池用電池セパレータ膜のPEとPPとの間の高温性能における隙間を閉じ、PPを含む膜と同様に実行する。
単層ポリエチレン微多孔質セパレータ膜を電子ビーム放射で処理し、熱的および機械的性能特性を改変し、リチウムイオン電池の安全性能を改善した。電子ビーム放射を用いたイオン化放射処理は、リチウムイオン電池の安全性能を最適化するために、微多孔質電池セパレータ膜の機械的、熱的および化学的特性の制御可能な特性改変への有望な革新的アプローチである。厚さが14μm未満の非常に薄い微多孔質セパレータ膜の電子ビーム放射は、高温での熱収縮率が低減され、寸法安定性の高いレベルのセパレータ膜を製造し、リチウムイオン電池の安全性能の向上をもたらした。
セパレータ膜の熱収縮率が非常に低いかまたはゼロであると、陽極と陰極との間の物理的接触が防止され、電池の電気的短絡の機会が低減される。場合によっては、繰り返しの充放電サイクルは、セパレータ膜を包含する電池のいくつかの内部部品の寸法に僅かな変化を引き起こし得る。電池組立プロセスは、陰極/セパレータ/陽極層の積み重ね、またはロールケーキ型構成で巻かれた積層された陰極/セパレータ/陽極の全長を包含する。陰極と陽極との間の物理的および電気的絶縁は、セパレータによって提供される。セパレータの機械方向または横方向の収縮率は、陰極電極と陽極電極との間の接触を導き、短絡または熱暴走のポテンシャルを生じさせ、バッテリの火災または爆発のポテンシャルを低減する。
以下の表1および表2は、約9μmおよび12μmの範囲の厚さを有する様々なセパレータ膜の性能データを列挙しており、そのいくつかは、電子ビーム処理された微多孔質セパレータ膜である。電子ビームの線量は、加速電圧180kVで70〜120kGyの範囲であった。ライン速度は50フィート/分であり、フィルムは酸素レベルが10ppm未満に維持された窒素雰囲気中で処理された。
表1において、特許例実施例1、2および3は、本発明の9μm(約9μm)の湿式プロセス微多孔質単層ポリエチレン電池セパレータ膜の例であり、gそれは、それぞれ70、80および90kGyの電子線量で処理された。比較例1および比較例5は、電子ビーム処理されていない9μm(約9μm)の湿式プロセス微多孔質単層ポリエチレン電池セパレータ膜である。比較例4は、e−ビーム処理されていない8.7μmの乾式プロセスのポリプロピレン含有PP/PE/PP三層微多孔質電池セパレータ膜である。
表2において、特許例実施例4、5、6、7および8は、本発明の12μmの湿式プロセス微多孔質単層ポリエチレン電池セパレータ膜の例であり、それは、それぞれ70、80、90、100および120kGyの電子線量で処理された。比較例2および比較例6は、それぞれ電子ビーム処理されていない、12μmおよび13.5μmの湿式プロセス微多孔質単層ポリエチレン電池セパレータ膜である。 比較例3は、電子ビーム処理されていない14μmの乾式プロセスのポリプロピレン含有PP/PE/PP三層微多孔質電池セパレータ膜である。
PE微多孔質膜の熱的性能を改変するために電子ビーム放射を使用する本発明の方法は、機械方向(MD)および横方向(TD)収縮率の減少を達成した。図5は、電子ビーム処理線量の関数としての12μmの微多孔質ポリエチレンセパレータ膜の1時間、105℃での%MD熱収縮率を示す。電子ビームの線量レベルは、70〜120kGyの範囲である。120kGy電子ビーム線量で処理した微多孔質ポリエチレンセパレータ膜の%MD熱収縮率のレベルは、4%から2%に減少した。図6は、電子ビーム処理線量の関数としての、12μmの微孔性ポリエチレンセパレータ膜の1時間、120℃での%MD熱収縮率を示す。120kGyの電子ビーム線量で処理された微多孔質ポリエチレンセパレータ膜の%MD熱収縮率レベルは、8%から4.5%に減少した。
図7および図8は、70kGy〜120kGyの範囲の電子ビーム線量での電子ビーム処理PEセパレータ膜の横方向(TD)熱収縮試験の結果を示す。%TDの熱収縮率は、120℃でほぼ0に減少した。
Figure 2021101423
Figure 2021101423
熱収縮率の減少に加えて、e−ビーム放射はサーマルシャットダウンの開始温度に影響を及ぼす。図3は、電子ビーム線量の関数としての9μm微多孔質PEセパレータ膜のサーマルシャットダウン曲線を示す。サーマルシャットダウンの開始温度は、約143℃から139℃へ減少するのが観察される。
電子ビームは、加速された電子がポリマー中の化学結合を破壊するのに十分なエネルギーを有するイオン化放射線の一種である。 電子ビーム放射によって生成される2つの一般的なタイプの化学プロセスは、鎖切断および架橋である。これらのプロセスは、ポリマーが低エネルギー電子ビームを用いて照射されるときに同時に起こり得る。連鎖切断は、電子ビームが化学結合を破壊し、短縮されたポリマー鎖またはフラグメントにつながり得る1つ以上のフリーラジカルを生成する場合に起こる。同時に、低エネルギーの電子ビームは、ポリマー鎖に沿ってまたは架橋反応のための部位を生成するポリマー鎖の末端にフリーラジカルを生成することができる。図2は、1以上のポリマー鎖を化学的に一緒に結合させるために電子ビーム放射を用いて架橋された種々のポリマー鎖の模式図を示す。
本発明のe−ビーム処理されたPE微多孔質セパレータ膜は、未処理のPEセパレータ膜よりもサーマルシャットダウンの開始が低い。セパレータ内のサーマルシャットダウンのより低い開始温度は、より高いサーマルシャットダウン温度を持つセパレータと比較して改善されたレベルの安全性を有する。サーマルシャットダウンの温度が低いことは、圧倒的に鎖切断に起因し得るが、その一方で、拡大され、広げられたサーマルシャットダウン・ウインドウは主に架橋によるものであり得る。ポリマーの種類、その分子量および分布、結晶化度、アモルファス含有量、および立体規則性などのパラメータを選択することによって、およびe−ビーム処理条件、例えば圧力、温度、気体雰囲気中の酸素の存在およびe−ビームの線量を選択することによって、連鎖切断対架橋活性の優位性をバランスさせることができる。電子ビームの線量は、加速電圧180kVで70〜120kGyの範囲であった。ライン速度は50フィート/分であり、フィルムは酸素レベルが10ppm未満に維持された窒素雰囲気中で処理された。多くのポリマーは、架橋および切断の両方を受け、優勢なプロセスは、ポリマーの化学構造および形態、ならびに選択されたe−ビーム処理条件に依存する。
ポリエチレン微多孔質電池セパレータ膜のサーマルシャットダウンは、PEの分子量および結晶化度に依存し得、ポリマーの融点またはその付近で起こり、それは典型的には130〜145℃の範囲である。電池セパレータ膜においてサーマルシャットダウンが起こると、電気抵抗(ER)は約1,000〜10,000オーム・cmオーダーの高いイオン抵抗レベルに達し、セパレータ膜は‘シャットダウン’すると言われる。セパレータ膜が180℃以上の温度で電気抵抗1000〜10,000オーム・cmを超える高レベルを維持する場合、これは‘持続的高温サーマルシャットダウン’と呼ばれる。
ポリエチレン微多孔質電池セパレータ膜の場合、電池温度が150℃に上昇すると、ポリエチレンセパレータ膜の溶融完全性が失われるために、場合によっては、サーマルシャットダウンが失われる可能性がある。ポリエチレン微多孔質電池セパレータのサーマルシャットダウン・ウインドウは、5−15℃のオーダーであり、狭いサーマルシャットダウン・ウインドウとみなされる。サ−マルシャットダウン・ウインドウは、PEとPPとをブレンドすることにより、ポリプロピレンなどのより高い溶融温度のポリマーとポリエチレンとを組み合わせることによって調整することができる。しかし、PPはPEとの相溶性が低く、PPとPEの2つのポリマーは混ざり合い難い傾向にある。PPとPEをセパレータに組み込む別の方法は、PPの1つ以上の層をPEの1つ以上の層と積層して、積み重ねられた積層構造の膜を作ることによる。
積層PPおよびPEを含有するセパレータの好ましい構成は、‘ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン’三層セパレータ膜構成であり、内側ポリエチレン層が約130〜135℃の早期サーマルシャットダウンに寄与し、ポリプロピレン外側層が 約165℃でのより高いサーマルシャットダウンに寄与する。ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン(PP/PE/PP)三層電池セパレータ膜のサーマルシャットダウンは、例えば、乾式プロセスの内側PE層のために、場合によっては130℃の開始サーマルシャットダウンを有することがあるが、PP層のために165℃まで完全には溶融しないことがある。
図4は、PP含有膜比較例4、PP/PE/PPセパレータ膜のサーマルシャットダウン曲線を包含する。比較例4の持続的なサーマルシャットダウン・ウインドウは130.5℃から起こり、180℃以上のPP層の完全性の喪失まで続く。PP/PE/PP三層電池セパレータ膜のサーマルシャットダウン・ウインドウは、放射処理されていないPEセパレータ膜比較例1よりも広い。PP含有比較例4三層電池セパレータ膜は、リチウムイオン充電式電池において良好な熱的性能を有する。
PE微多孔質電池セパレータ膜が熱的性能の点で三層のPP/PE/PP微多孔質電池セパレータ膜と競合するためには、PEサーマルシャットダウン・ウインドウを広げる必要がある。PE微多孔質電池セパレータ膜の電子ビーム処理は、低いシャットダウンの開始温度を達成し、PP含有膜に類似した所望の広がったサーマルシャットダウン・ウインドウを有するより高い溶融完全性PE層を生成する。電子処理されたPE微多孔質電池セパレータ膜は、広いサーマルシャットダウン・ウインドウを有し、充電式リチウムイオン電池におけるPP含有電池セパレータ膜と同様に180℃以上の温度まで高温溶融完全性を維持する。
図3は、70〜90kGyの範囲の電子線放射で処理された9μmセパレータ膜のサーマルシャットダウン曲線を示す。実施例1、実施例2および実施例3は、それぞれ70、80および90kGyのe−ビーム線量で処理された。サーマルシャットダウンの開始温度は、e−ビーム線量が増加するにつれて約142℃から137.5℃に減少した。 e
−ビーム線量が増加するにつれて、熱的遮断ウインドウが広げられる。図4は、実施例3のサーマルシャットダウン・ウインドウが、PP含有三層のPP/PE/PPセパレータ膜比較例4のものに類似する約180℃に及ぶことを示す。図9は、e−ビーム線量は70〜120kGyの範囲にある、種々の12μm厚のPE微多孔質セパレータ膜についてのサーマルシャットダウン曲線を示している。e−ビーム線量が増加するにつれて、12μmのセパレータ膜のサーマルシャットダウン・ウインドウが高温で拡大される。
実施例8は120kGyのe−ビーム線量で処理され、180℃以上に及ぶ広いサーマルシャットダウン・ウインドウを有する。図10は、実施例8および比較例2のサーマルシャットダウン曲線を示し、後者は電子ビーム処理されなかったPEセパレータ膜である。e−ビーム処理の有益な効果は、実施例8および比較例2を比較して示され、ここで、比較例2は約5℃の非常に狭いサーマルウインドウしか有さないが、一方で、実施例8は、比較例3のPP/PE/PP三層積層セパレータ膜のものと同様の拡大されたサーマルシャットダウン・ウインドウを有し、電子ビーム処理が1つ以上のPP層を含有する膜と同様のサーマルシャットダウン・ウインドウを有するPE膜を生成したことを示す。
PE微多孔質セパレータ膜のための本発明のe−ビーム処理は、サーマルシャットダウンの開始温度を下げ、サーマルシャットダウン・ウインドウを180℃以上に広げることの重要性を証明する。微多孔質セパレータ膜のe−ビーム処理は、充電式リチウムイオン電池における改善されたレベルの安全性能を持つより高い溶融完全性のセパレータ膜を生成する。
セパレータ膜の機械的強度に及ぼす低エネルギー電子ビーム処理の効果を、温度の関数として膜の機械的強度を測定する熱機械分析(TMA)を用いて検討した。TMAが‘引っ張り’モードで行われる場合、試験サンプルは一定の張力下に保持され、一方、温度は室温から高温に上昇させられる。e−ビーム処理PE微多孔膜のTMA試験は、熱破裂温度のより高い温度へのシフトを示した(図11参照)。未処理比較例2は141℃付近で急激に溶融し、物理的寸法の急激な変化を経る。
e−ビーム処理された試料の実施例6および実施例7は、90および100kGyでそれぞれ処理され、異なる方法で適用された応力に応答した。実施例6および実施例7は、温度が上昇するにつれてより緩やかな寸法変化率を示し、e−ビーム処理による膜の寸法変化に対する耐性が高いことを示している。強度の増加は、PEポリマー膜における架橋の発生によるものであり得、破裂温度の上方シフトは、膜がその溶融温度付近でより強いことを示し得ると考えられる。
e−ビーム処理は、所望の熱的性能に応じてPE微多孔質セパレータ膜をより高くまたはより低く移動させることによって、PE微多孔質膜の熱破裂温度を微調整する方法を提供する。増加した高温溶融強度は、熱暴走事象の場合に陰極と陽極の分離を維持するのに役立つことがある。
微多孔質PEセパレータ膜の細孔径分布に対する電子ビーム放射の影響を図12および図13に示す。9μmおよび12μmのPE微孔質セパレータ膜の両方に対するe−ビーム処理に起因する細孔径分布に統計的差はない。表3は、多孔度データのパーセントを示し、e−ビーム放射が微多孔質セパレータ膜の多孔度に影響しないことを示す。
Figure 2021101423
e−ビーム処理されたPE微多孔質セパレータ膜の表面形態は、図15に表わした走査型電子顕微鏡写真に示されている。低エネルギーe−ビーム処理は、膜の表面または細孔を損傷しなかった(未処理の膜を表わした図14も参照)。e−ビーム処理は、低いe−ビーム線量レベルで行われ、PE微多孔質セパレータ膜の表面または内部細孔構造には劣化は観察されなかった。
電子ビーム処理は、微多孔質電池セパレータ膜の電解質濡れを改善する追加の利点を有する。PE微多孔質電池セパレータ膜の低e−ビーム放射は、セパレータ膜の表面および微多孔質セパレータ膜の内部細孔構造全体の両方の上における電解液の接触角を減少させることによって、リチウムイオン電池における電解質濡れを変化させ得る。より低い接触角は、より高い電解質吸収を示し、リチウムイオン電池の容量を改善することを導き得る。表4は、9μmのPE微多孔質セパレータ膜の接触角測定結果を列挙する。実施例3の表面上の電解質プロピレンカーボネートを用いた接触角を90kGyの線量でe−ビーム放射に曝露した場合、接触角が75.8°から60.2°に減少し、それは、20%減少である。
Figure 2021101423
過充電、サイクリング、ホットボックスおよびボールクラッシュ安全性試験を、本発明のe−ビーム処理されたPE微多孔質膜を含有する電池セルで行実施例った。e−ビーム放射膜で行った過充電試験の間、完全に充電されたセルは5Vで3Cの充電速度に付される。過充電試験に合格するための要件は、爆発しないか、または電池に火災が発生しないことである。比較例1と実施例3の過充電試験結果がそれぞれ図16および図17に示されており、実施例3に対するシャットダウン後の過充電時の残留電流が、非電子ビーム放射膜比較例1と比較してより低いことを示しており、これは過充電性能の改善である。
実施例3は150℃で1時間ホットボックス試験を行った。ホットボックス試験後のe−ビーム処理された膜の外観を観察するために、電池セルを冷却して開いた。図18は、プリズム状の電池から除去した後の実施例3の写真である。電子ビーム処理した実施例3は無傷の片で陰極から剥ぎ取られ、これは溶融完全性を失っておらず、その物理的寸法を維持していたことを示している。対照的に、図19は、未処理PE膜比較例1が陰極に完全に付着したことを示している。比較例1は陰極から分離または剥離することができず、ホットボックス試験中に高温を経た結果、未処理のPE膜が陰極に対して溶けていることが示している。
ボールクラッシュ試験の結果は、温度と電圧が測定される間に、時間の関数としてプロットされ、図20と21に示される。ボールクラッシュ試験は、内部短絡試験の一種で、球形のプローブが電池セルの外面に押し付けられ、増加する負荷が加えられる。両方のサンプルがボールクラッシュ試験に合格し、e−ビーム処理が、リチウムイオン電池のPE微多孔質セパレータ膜の安全性能に悪影響を及ぼさなかったことが示された。
電池サイクル試験の結果は図22に示され、実施例3は比較例1よりも容量が高く、これはe−ビーム処理の結果として電解質吸収が増加したことに起因するものであり得る。
e−ビーム処理の間、ポリエチレンは酸化を含む一連の化学反応を受け、1720cm−1でFTIR分析によって検出可能なカルボニル基を生成し得る。カルボニル基は、ポリエチレンをより親水性にすることができ、それは、PE膜がより多くの電解質を吸収し、より高い容量をもたらすことを導き得る。実施例3は約200サイクル繰り返され、一貫した非放射処理の比較例1よりも高い容量を示している。
試験方法
厚さ
厚さは、試験方法ASTM D374によって、Emveco Microgage 210-A精密マイクロメータ厚みテスターを使用して測定される。厚さ値は、ミクロン、μmの単位で報告される。
穿刺強度
試験サンプルは、最初に、最低20分間73.4℃および50%の相対湿度に予備調整される。インストロンモデル4442が、ASTM D3763に基づいて試験サンプルの穿刺強度を測定するために使用される。11/4”×40”連続試料の斜め方向に30回
測定し平均した。針は半径0.5mmである。下降速度は25mm/分である。フィルムは、Oリングを利用して試験サンプルを定位置にしっかりと保持する締付け器具でしっかりと保持される。この固定された領域の直径は25mmである。ニードルによって穿孔されたフィルムの変位(mm)は、試験されたフィルムによって生じる抵抗力(グラム力)に対して記録される。最大抵抗力は、グラム力(gf)単位の穿刺強度である。この試験方法によって荷重−変位プロットが作られる。
細孔径分布
Porous Materials, Inc. (PMI)社を通じて入手可能なアクアポア ポロシメータ(Aquapore Porosimeter)を使用して測定される。細孔径は、μm単位で表示される。
多孔度
微多孔質フィルム試料の多孔度は、ASTM法D−2873を使用して測定され、微多孔質膜のボイドスペース・パーセントとして定義される。
TDおよびMD引張強度
引張強度が、機械方向(MD)と横方向(TD)に沿って、ASTM D−882法によってInstron Model 4201を使用して測定される。
電気抵抗(ER)(イオン抵抗、IRとしても知られる)
電気抵抗は、電解質を充填したセパレータのオーム・cmの抵抗値で定義される。電気抵抗の単位はオーム・cmである。セパレータ抵抗は、完成した材料からセパレータの小片を切断し、次にそれらを2つの遮断電極の間に配置することによって特徴付けられる。セパレータは、容積比3:7のEC/EMC溶媒中の1.0MのLiPF塩を持つ電池電解質で飽和される。セパレータのオーム(Ω)での抵抗(R)は、4プローブACインピーダンス技術によって測定される。電極/セパレータ界面の測定誤差を低減するために、より多くの層を追加することによって多数の測定が必要となる。多数の層の測定値に基づいて、電解質で飽和されたセパレータの電気(イオン)抵抗R(Ω)は、式R=pl/Aによって計算され、pはセパレータのΩ-cmのイオン抵抗率で、Aはc
単位の電極面積であり、lはcm単位のセパレータの厚さである。比p/Aは、多数層(Δδ)のセパレータ抵抗(ΔR)の変化、それはΔR/Δδで表わされ、に対して計算された勾配である。
熱収縮率
収縮率試験は、10cm×10cmの膜サンプルをマニラフォルダに置き、次にこれをクリップを使用してオーブン中に吊るすことによって測定する。収縮率は、試験サンプルを105℃のオーブンに1時間入れた前後のMDおよびTD方向の収縮率をキャリパーを使用して測定した。収縮率はまた、第2の試験サンプルを120℃のオーブンに1時間入れた前後のMD方向およびTD方向の収縮率をキャリパーを用いて測定した。収縮率は、改変したASTM 2732−96を使用して、%MD収縮率および%TD収縮率として表される。
誘電破壊(DB)
誘電破壊(DB)は、セパレータの電気絶縁性の測定値である。試料の誘電破壊が観察されるまで、電圧をセパレータ膜に6,000V/秒のランプ速度で印加する。高いDBは、セパレータが良好な巻線収率および低いHiPot故障率を有するであろうことを示す。
ホット電気抵抗(ER)
ホット電気抵抗は、温度が60℃/分の速度で直線的に増加する間の50ポンドの圧力下でのセパレータフィルムの抵抗の尺度である。セパレータの直径3/8”の一片は、電解液で飽和され、AlまたはCuから作られた2つの電極ディスクの間に挟まれる。インピーダンスとして測定された抵抗の上昇は、セパレータ膜の溶融または“シャットダウン”による細孔構造の崩壊に相当する。セパレータ膜が高温で高レベルの電気抵抗を持続する場合、これはセパレータ膜がバッテリの電極の短絡を防止し得ることを示している。
ガーレー(Gurley)
ガーレー(Gurley)は、日本工業規格(JIS Gurley)JIS P8117として定義されており、OHKEN透過性試験機を使用して測定された透過性試験である。JIS Gurleyは、100ccの空気が4.8インチの一定水圧で1平方インチのフィルムを通過するのに必要な時間(秒)である。
混合侵入
混合侵入とは、陰極と陽極の材料の間に配置されたときにセパレータを通って短絡するのに必要な力である。この試験は、電池組立中にセパレータが短絡する傾向を示すために使用される。この方法の詳細は、US2010/209758に記載されている。
マイクロ押し込み
マイクロ押し込み(マイクロ侵入としても知られている)は、微細なミクロンの円錐形の圧子先端が非導電性フィルムサンプルを貫通し、電気抵抗の突然の低下によって定義されるように試験台上の導電性基板と接触する最大の力である。試験方法は、米国特許出願第2014/0090480号に記載されている。それはmNfの単位で表される。
接触角測定
接触角は、Kruss Drop Shape Analyzerを使用して測定した。接触角試験に用いた電解
質は、無水プロピレンカーボネート(PC)であった。PCの3μLの液滴を、慎重かつ穏やかにセパレータ試験サンプルの表面上に分注した。接触角は、PCの液滴の塗布の3秒以内に測定した。接触角は、度の単位で報告される。
少なくとも選択された実施態様、側面または目的によれば、本出願または本発明は、新規または改善されたセパレータ膜、セパレータ、かかるセパレータを包含する電池、かかる膜および/またはセパレータの製造方法、および/またはかかる膜および/またはセパレータの使用方法を対象にする。少なくとも1つの特定の実施態様によれば、本発明は、イオン化放射で処理された微多孔質ポリオレフィン、ポリエチレン(PE)、コポリマー
および/またはポリマーブレンド(例えば、PEとポリプロピレン(PP)などの別のポリマーを含むコポリマーまたはブレンド)二次または充電式リチウム電池用の電池セパレータおよび/またはイオン化放射処理された微多孔質電池セパレータを製造する方法を対象にする。
本発明の微多孔質膜または電池セパレータは、サーマルシャットダウンのより低い開始温度を提供することができ、高温で物理的、寸法的および機械的完全性が維持される拡大されたサーマルシャットダウン・ウインドウを有することができ、充電式リチウム電池の電池安全性能を改善することができ、ポリプロピレンベースの三層製品の高温性能を有する処理されたポリエチレンセパレータ膜(一例として、ポリエチレン層を間に有する2つのポリプロピレン層からなる三層膜)を提供し得、熱収縮率を低減して、熱安定性と高温物理的完全性の両方をもたらし、それは、電池システムの陰極および陽極間の分離を維持し、充電式または二次リチウム電池、および/またはそれらの組み合わせにおける熱暴走事象を回避し得るのに重要であり得る。
微多孔質ポリエチレン電池セパレータのイオン化放射処理は、サーマルシャットダウンの開始温度を低下させる方法を提供する。さらに、イオン化放射で処理された微孔性ポリエチレン電池セパレータ膜は、微多孔質セパレータ膜の物理的、寸法的および機械的完全性がより高い温度で維持される拡大されたサーマルシャットダウン・ウインドウを有する。本発明のイオン化放射処理されたセパレータ膜の拡大された高温寸法の完全性は、充電式リチウムイオン電池の電池安全性能を改善する。
加えて、本発明のイオン化放射処理されたセパレータ膜の拡大された高温寸法の完全性は、ポリプロピレンベースの三層製品(一例として、間にポリエチレン層を有する2つのポリプロピレン層からなる三層膜)の高温性能に近づく。加えて、本発明の電池セパレータ膜は、熱収縮率を低減し、熱安定性および高温物理的完全性の両方をもたらし、それは、電池システムにおける陰極および陽極の分離を維持し、充電式または二次リチウム電池の熱暴走事象を回避するために重要であり得る。
少なくとも選択された実施態様、側面、または目的に応じて、本出願または本発明は、新規なまたは改良されたまたは改変されたセパレータ膜、セパレータ、かかるセパレータを包含する電池、かかる膜および/またはセパレータの製造方法、および/またはかかる膜および/またはセパレータを使用する方法を提供し得るか、対象にする。少なくとも1つの特定の実施態様によれば、本発明は、ポリオレフィン、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、コポリマーおよび/またはポリマーブレンド(例えば、PEおよび例えば、ポリプロピレン(PP)などの別のポリマーを含むコポリマーまたはブレンド)膜、微多孔質膜、セパレータ膜、電池セパレータ、および/または二次電池または充電式リチウム電池用の微多孔質電池セパレータ、および/またはイオン化放射処理膜、微多孔質膜、セパレータ膜、バッテリセパレータ、および/または微多孔質電池セパレータを製造しおよび/または使用する方法を対象にする。
本発明の微多孔質膜または電池セパレータは、サーマルシャットダウンのより低い開始温度を提供することができ、物理的、寸法的および機械的完全性が高温で維持される、拡大されたサーマルシャットダウン・ウインドウを有し得、より良好な耐酸化性を有し得、充電式リチウム電池の電池安全性を改善し得、処理されたポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリオレフィンセパレータ膜を提供することができ、湿式プロセス製品に近いかまたはそれと同じ、またはそれを上回る性能を有する処理された乾式プロセス製品を提供することができ、より高温性能を持つ処理されたポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリオレフィンセパレータ膜を提供することができ、ポリプロピレンベースの製品の高温性能を持つ処理されたポリエチレンセパレータ膜を提供することができ、ポリプロピレンベースの多層または三層製品の高温性能を有する処理されたポリエチレンセパレータ膜を提供することができ(一例としてのみ、その間にポリエチレンまたはポリプロピレン層を有する2つのポリプロピレン層からなる三層膜、またはその間にポリプロピレンまたはポリエチレン層を有する2つのポリエチレン層からなる三層膜)、熱収縮率を低減し得、改善された熱安定性および高温物理的完全性の両方をもたらし、それは、電池システムにおける陰極および陽極の分離を維持するため、高温、高エネルギー、高充電率、および/または高電圧機能を改善し、安全性を改善し、および/または充電式または二次リチウム電池および/またはそれらの組み合わせの短絡または熱暴走事象を回避するために重要であり得る。
本発明は、その趣旨および本質的な特性から逸脱することなく他の態様で実施することができ、例えば、架橋はe−ビーム、熱、光、添加剤、薬剤などを介して達成され、 し
たがって、本発明の範囲を示すものとして、前述の明細書というよりは添付の特許請求の範囲を参照すべきである。さらに、本明細書に開示された発明は、本明細書に具体的に開示されていない、任意の要素が存在しない場合にも、適切に実施することができる。

Claims (15)

  1. 微多孔質電池セパレータ膜であって、
    厚さが14μm未満を有する微多孔質ポリオレフィンセパレータ膜を含み、
    前記微多孔質セパレータ膜が、138℃以下の温度でサーマルシャットダウンが開始され、
    前記微多孔質セパレータ膜が、120℃、1時間において7.5%以下の機械方向の熱収縮率を有し、
    前記微多孔質セパレータ膜が、120℃、1時間において、1%以下の横方向の熱収縮率を有し、および/または
    前記微多孔質セパレータ膜が、イオン化放射エネルギーを使用して改良または改変された、微多孔質ポリオレフィン電池セパレータ膜。
  2. 前記微多孔質セパレータ膜が、低エネルギー電子ビーム放射を用いて改良され、改変された、請求項1に記載するセパレータ膜。
  3. 前記低エネルギー電子ビーム放射が、50kGy以上、150kGy以下の線量である、請求項2に記載するセパレータ膜。
  4. 前記低エネルギー電子ビーム放射が、単一の線量適用ステップを用いて照射される、請求項2に記載するセパレータ膜。
  5. 前記微多孔質セパレータ膜が、単層膜、多層膜、1枚重ね構造、または多重構造である、請求項2に記載するセパレータ膜。
  6. 前記微多孔質セパレータ膜がポリエチレンを含む、請求項2に記載するセパレータ膜。
  7. 前記ポリオレフィンが半結晶性ポリマーである、請求項1に記載するセパレータ膜。
  8. 前記ポリオレフィンがポリエチレンまたはポリプロピレンである、請求項1に記載するセパレータ膜。
  9. 前記ポリオレフィンがポリエチレンで、前記ポリエチレンの分子量が800,000未満である、請求項8に記載するセパレータ膜。
  10. 前記ポリオレフィンがポリエチレンで、ポリエチレン微多孔質セパレータ膜が湿式法を用いて製造される、請求項8に記載するセパレータ膜。
  11. 前記セパレータ膜が、電気抵抗が1000オーム・cm以上、サーマルシャットダウン・ウインドウが138℃以下から155℃以上へ拡大するか、138℃以下から160℃以上へ拡大するか、138℃以下から170℃以上へ拡大する、請求項1に記載するセパレータ膜。
  12. 請求項1に記載する微多孔質ポリオレフィン電池セパレータ膜を含む、充電式のリチウムイオン電池。
  13. ポリエチレン電池セパレータを提供し、前記セパレータを低エネルギー電子ビーム放射で処理することを含む、より湿式のポリエチレン電池セパレータを製造する方法。
  14. 前記低エネルギー電子ビーム放射処理が、50〜150kGyの範囲の線量を包含する
    、請求項13に記載する方法。
  15. 微多孔質電池セパレータ膜であって、
    厚さが14μm未満を有する微多孔質ポリオレフィンセパレータ膜を含み、
    前記微多孔質セパレータ膜が、
    138℃以下の温度で起こるサーマルシャットダウンの開始、
    120℃、1時間において、7.5%以下の機械方向の熱収縮率、
    120℃、1時間において、1%以下の横方向の熱収縮率
    の少なくともいずれか1つを有し、
    前記微多孔質セパレータ膜は、架橋によって改良および/または改変された微多孔質ポリオレフィン電池セパレータ膜。
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