JP2021079909A - サイドエアバッグ及びサイドエアバッグ装置 - Google Patents

Abstract

【課題】乗員の肩部を拘束する第１チャンバを上部に有したサイドエアバッグであって、乗員の上腕部に与えるエアバッグによる入力荷重を抑制するサイドエアバッグ及びエアバッグ装置を提供する。【解決手段】車両が側面衝突を受けた場合、インフレータ２からのガスによりインフレータ設置チャンバ５、上部チャンバ３及び下部チャンバ４が膨張展開し、さらに中間チャンバ６が膨張展開する。中間チャンバ６の前部かつ上部に、厚み規制パネル６１，６２によって厚みの小さい領域６Ｃ，６Ｄが形成される。【選択図】図１

Description

本発明は車両乗員の側方に膨張展開するサイドエアバッグ及びサイドエアバッグ装置に関する。

自動車等の車両の側面衝突時等に乗員の側方に膨張展開するサイドエアバッグとして、特許文献１には、乗員の肩部から腰部にかけて膨張展開するサイドエアバッグ装置が記載されている。特許文献１のサイドエアバッグの内部は、仕切部によって複数のチャンバに区画されている。このサイドエアバッグの上部のチャンバは、乗員の肩部を拘束し、下部のチャンバが乗員の腰部を拘束する。また、上下方向中間部の前側のチャンバが胸部及び腹部を拘束する。

特許文献２には、乗員の肘と対応する部位の厚みを規制する（小さくする）よう構成したサイドエアバッグが記載されている。

特開２０１４−１４１１５９号公報 特開２００５−５３４６５号公報

本発明は、乗員の肩部を拘束する第１チャンバを上部に有したサイドエアバッグであって、乗員の上腕部に与えるエアバッグによる入力荷重を抑制するサイドエアバッグと、このサイドエアバッグを有するサイドエアバッグ装置を提供することを目的とする。

本発明のサイドエアバッグは、乗員の側方に膨張展開するサイドエアバッグであって、上部に位置し、乗員の肩部側方に膨張する第１チャンバと、該第１チャンバの下側の第２チャンバとを有するサイドエアバッグにおいて、該第２チャンバの前部の上部に、膨張厚みを小さくするための厚み規制部材が設けられている。

本発明の一態様では、前記厚み規制部材は、前方ほど下位となるように延在する厚み規制パネルにて構成されている。

本発明の一態様では、複数の厚み規制パネルが略平行に設けられている。

本発明の一態様では、後側の厚み規制パネルは、その前側の厚み規制パネルよりも長手方向の長さが大きい。

本発明の一態様では、後側の厚み規制パネルは、その前側の厚み規制パネルよりもサイドエアバッグ厚み方向の幅が大きい。

本発明の一態様では、前記厚み規制パネルの前縁は、前記サイドエアバッグの膨張完了状態において、該サイドエアバッグの前縁から離隔している。

本発明の一態様では、前記第２チャンバの前部にベントホールが設けられており、少なくとも１つの厚み規制パネルの前端が該ベントホールの近傍に位置する。

本発明の一態様では、前記サイドエアバッグは、上部に設けられた前記第１チャンバとしての上部チャンバと、下部に設けられた下部チャンバと、該上部チャンバと下部チャンバとの間の中間チャンバと、該中間チャンバ内の後側に位置し、該上部チャンバ及び下部チャンバにそれぞれ連通するインフレータ設置チャンバとを有する。

本発明の一態様では、前記サイドエアバッグは、上部チャンバと中間チャンバとを区画する第１仕切りパネルと、下部チャンバと中間チャンバとを区画する第２仕切りパネルと、該第１仕切りパネルに設けられた、上部チャンバと中間チャンバとを連通する第１開口と、該第２仕切りパネルに設けられた、下部チャンバと中間チャンバとを連通する第２開口と、を有する。

本発明の一態様では、前記サイドエアバッグは、さらに、前記中間チャンバとインフレータ設置チャンバとを区画する第３仕切りパネルを有し、該第１仕切りパネルが第３仕切りパネルに結合され、該第２仕切りパネルが第３仕切りパネルに結合されている。

本発明の一態様では、前記第１仕切りパネルは、前記サイドエアバッグの前縁から後縁まで延在しており、該第１仕切りパネルの後部は、前記第３仕切りパネルの上縁に縫合されており、前記第２仕切りパネルは、前記サイドエアバッグの前縁から後縁まで延在しており、該第２仕切りパネルの後部は、前記第３仕切りパネルの下縁に縫合されている。

本発明のサイドエアバッグ装置は、本発明のサイドエアバッグと、該サイドエアバッグを膨張させるインフレータとを有する。

本発明のサイドエアバッグが膨張すると、第１チャンバが乗員の肩部を拘束する。第１チャンバの下側の第２チャンバの前部の上部は、厚み規制部材によって厚みが小さくなっているので、乗員の上腕部に与えられるエアバッグによる入力荷重を抑制する。

実施の形態に係るサイドエアバッグの乗員側からの側面図である。 図１のII−II線断面図である。 図１のIII−III線に沿う概略断面図である。 図１のIV−IV線に沿う概略断面図である。 図１のＶ−Ｖ線に沿う概略断面図である。 図１のVI−VI線に沿う概略断面図である。 図１及び図１４のVII−VII線断面図である。 サイドエアバッグのパネル構成図である。 サイドエアバッグの縫製途中の一部を示す斜視図である。 図９のＸ−Ｘ線断面図である。 サイドエアバッグの縫製途中の一部を示す斜視図である。 図１１のXII−XII線断面図である。 縫製されたサイドエアバッグの乗員側からの側面図である。 膨張したサイドエアバッグの、図１３におけるXIV−XIV線断面斜視図である。 図１４のXV−XV線断面図である。 膨張したサイドエアバッグの、図１３におけるXVI−XVI線断面図である。 図１５のXVII−XVII線断面斜視図である。

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態において、前後・上下・左右の方向は、特に断らない限り、車両の前後・上下・左右の方向と一致するものである。図中のＦＲ、ＵＰ及びＣＥＮＴＥＲは、それぞれ、車両の前方向、上方向、車幅方向の中央側を示す。

図１〜７は、本発明の実施形態に係るサイドエアバッグ１の膨張状態を概略的に示すものであり、図８〜１７はサイドエアバッグの製作方法の説明図である。

本実施形態に係るサイドエアバッグ装置は、車両用シートのドア等の車体側面部材側に搭載される。本実施形態では、シートは自動車の右側シートであり、エアバッグ装置はシートの右側部に搭載されている。

シートは、シートクッション、シートバック及びヘッドレストを備えている。シートバックは、その骨格となるシートバックフレームを有する。

本実施形態では、シートバックフレームにエアバッグ装置が取り付けられる。

エアバッグ装置は、シートバック内に折り畳まれて収納されるサイドエアバッグ１と、サイドエアバッグ１に膨張用ガスを供給するインフレータ２とを備えている。

サイドエアバッグ１内は、仕切りパネル７，８，９によって上部チャンバ３と、下部チャンバ４と、両者の間の中間チャンバ６とに区分されている。中間チャンバ６内の後部にインフレータ設置チャンバ５が設置されている。

この実施の形態では、上部チャンバ３が第１チャンバであり、中間チャンバ６が第２チャンバである。

上部チャンバ３は乗員の肩部側方に膨張展開し、下部チャンバ４は乗員の腰部側方に膨張展開する。

中間チャンバ６は乗員の胸部及び腹部の側方に膨張展開する。

上部チャンバ３と中間チャンバ６とは第１仕切りパネル８によって隔てられている。第１仕切りパネル８には、上部チャンバ３と中間チャンバ６とを連通する開口８ａが設けられている。

下部チャンバ４と中間チャンバ６とは第２仕切りパネル９によって隔てられている。第２仕切りパネル９には、下部チャンバ４と中間チャンバ６とを連通する開口９ａが設けられている。

中間チャンバ６の前部かつ上部に厚み規制部材としての厚み規制パネル６１，６２が設けられており、これにより厚みの小さい領域６Ｃ，６Ｄが形成されている。

厚み規制パネル６１，６２は、前方側ほど下位となるように延在している。厚み規制パネル６２は、厚み規制パネル６１よりも前側かつ上側に位置している。

後側の厚み規制パネル６１は、前側の厚み規制パネル６２よりも長手方向の長さが大きい。

後側の厚み規制パネル６１は、前側の厚み規制パネル６２よりもサイドエアバッグ厚み方向の幅が大きい。

厚み規制パネル６１は、右厚み規制パネル６１Ａと、左厚み規制パネル６１Ｂとを縫合糸６７で縫合したものである。厚み規制パネル６２は、右厚み規制パネル６２Ａと、左厚み規制パネル６２Ｂとを縫合糸６８で縫合したものである。

厚み規制パネル６１，６２は、互いに略平行に延在しており、厚み規制パネル６１，６２の上端（後端）は、第１仕切りパネル８に当接するか又は近接している。厚み規制パネル６１，６２の下端（前端）は、サイドエアバッグ１の前縁から所定距離離隔している。

厚み規制パネル６１の上端は、開口８ａ付近に位置しており、上部チャンバ３から開口８ａを通過したガスが、厚み規制パネル６１の前側及び後側の双方に流入可能となっている。ただし、開口８ａは、図示の位置よりも後方に設けられてもよい。

インフレータ設置チャンバ５は、第３仕切りパネル７によって囲まれている。仕切りパネル７は、上下方向に延在する筒状のガス分配ディフューザであり、上端部が上部チャンバ３に向って開放し、下端部が下部チャンバ４に向って開放している。第３仕切りパネル７の前部には開口７ａが設けられている。開口７ａによってインフレータ設置チャンバ５と中間チャンバ６とが連通している。

インフレータ設置チャンバ７内にインフレータ２が設置されている。この実施の形態では、インフレータ２はシリンダ形であり、長手方向を上下方向にして設置されている。

サイドエアバッグ１の前部には、中間チャンバ６からガスを流出させるベントホール１０が設けられている。この実施の形態では、２個のベントホールが上下に間隔をあけて配置されている。厚み規制パネル６１の前端は、上側のベントホール１０に近接している。

サイドエアバッグ１を構成するパネルの構成について図８〜１７を参照して説明する。

サイドエアバッグ１の外面はメインパネル１１にて構成されている。図８の通り、メインパネル１１は、サイドエアバッグ１の右側の外面を構成する右メインパネル１１Ａと左側の外面を構成する左メインパネル１１Ｂとを有する。右メインパネル１１Ａと左メインパネル１１Ｂとは、一連一体であり、メインパネル１１は中心線Ｃを挟んで対称な形状を有する。左メインパネル１１Ｂの該中心線Ｃの近傍にはベントホール１０が設けられている。

右メインパネル１１Ａ及び左メインパネル１１Ｂの右縁及び左縁（サイドエアバッグ１の後縁）の上下方向の中間には、サイドエアバッグ１の後方へ突出する突出部１１ｒ，１１ｓが設けられている。

左メインパネル１１Ｂの左縁には４個のボルト挿通用の小孔１２〜１５が設けられている。右メインパネル１１Ａの右縁には、２個のボルト挿通用の小孔１６，１７が設けられている。小孔１６，１７は、中心線Ｃを挟んで小孔１３，１５と対称な位置に配置されている。

右厚み規制パネル６１Ａ，６２Ａは、それらの下縁が縫合糸６３，６５によって右メインパネル１１Ａに縫合されている。左厚み規制パネル６１Ｂ，６２Ｂは、それらの下縁が縫合糸６４，６６によって左メインパネル１１Ｂに縫合されている。

右厚み規制パネル６１Ａ，６２Ａと、左厚み規制パネル６１Ｂ，６２Ｂとは、下端側ほど中心線Ｃに近づくように配置されている。右厚み規制パネル６１Ａ，６２Ａと、左厚み規制パネル６１Ｂ，６２Ｂとは、中心線Ｃを挟んで左右対称に配置されている。

第１，第２仕切りパネル８，９は、それぞれ右仕切りパネル８Ａ，９Ａと左仕切りパネル８Ｂ，９Ｂとを有する。右第１仕切りパネル８Ａと左第１仕切りパネル８Ｂとは一連一体であり、それらの前部で連なる。右仕切りパネル８Ａ及び左仕切りパネル８Ｂは、それぞれ、前部から後部に向って徐々に幅が小さくなっている。右第２仕切りパネル９Ａと左第２仕切りパネル９Ｂとは一連一体であり、それらの前部で連なる。

第３仕切りパネル７は、右第３仕切りパネル７Ａと左第３仕切りパネル７Ｂとを縫合することにより構成される。

サイドエアバッグ１を縫製するに際して、右、左の厚み規制パネル６１Ａ，６１Ｂ，６２Ａ，６２Ｂが縫合糸６３〜６６によってメインパネル１１に縫合される。仕切りパネル８，９は、図８，９の通りメインパネル１１の左端から右端まで延在するように、メインパネル１１に重なるように配置される。なお、図９，１１では、メインパネル１１及び仕切りパネル８，９は中心線Ｃに沿って直角に折り曲げられた状態にて示されている。

図９，１０の通り、仕切りパネル８は、下縁が縫合糸２１によってメインパネル１１に縫合され、仕切りパネル９は上縁が縫合糸２２によってメインパネル１１に縫合される。

厚み規制パネル６１Ａ，６１Ｂ，６２Ａ，６２Ｂ及び仕切りパネル８，９をメインパネル１１に縫合した後、図１１，１２の通り、仕切りパネル７Ａ，７Ｂを配置し、縫合糸２３〜２６によって仕切りパネル７Ａ，７Ｂを仕切りパネル８，９に縫合する。仕切りパネル７Ａは、仕切りパネル８Ａの上縁から仕切りパネル９Ａの下縁まで、メインパネル１１Ａの右縁に沿って延在する。仕切りパネル７Ｂは、仕切りパネル８Ｂの上縁から仕切りパネル９Ｂの下縁まで、メインパネル１１Ｂの左縁に沿って延在する。

仕切りパネル７Ａ，７Ｂの上縁が仕切りパネル８Ａ，８Ｂの上縁に対し縫合糸２３，２５によって縫合される。仕切りパネル７Ａ，７Ｂの下縁は、仕切りパネル９Ａ，９Ｂの下縁に対し縫合糸２４，２６によって縫合される。図１２の通り、縫合糸２３〜２６は、仕切りパネル７Ａ，７Ｂと仕切りパネル８，９のみを縫合する。縫合糸２３〜２６は、仕切りパネル７Ａ，７Ｂ，８，９をメインパネル１１に対して縫合しない。

このように仕切りパネル７Ａ，７Ｂを仕切りパネル８，９に縫合した後、図１１の矢印Ｓ_１，Ｓ_２のように右、左の厚み規制パネル６２Ａ，６２Ｂの上縁同士及び厚み規制パネル６１Ａ，６１Ｂの上縁同士を縫合糸６７，６８によって縫合する。次いで、図１１の矢印Ｙの通りメインパネル１１を中心線Ｃに沿って折る。これにより、図１３の通り、右、左の仕切りパネル８Ａ，８Ｂ同士が重なり、仕切りパネル９Ａ，９Ｂ同士が重なり、仕切りパネル７Ａ，７Ｂ同士が重なる。

この状態で仕切りパネル８Ａ，８Ｂの上縁のうち仕切りパネル７Ａ，７Ｂよりも前方側同士を縫合糸３１（図１４）で縫合する。また、仕切りパネル９Ａ，９Ｂの下縁のうち仕切りパネル７Ａ，７Ｂよりも前方側同士を縫合糸４１（図１６）で縫合する。縫合糸３１，４１は、各々の後端が縫合糸２３，２５、縫合糸２４，２６の前端にほぼ重なる位置まで延在するように設けられる。

また、仕切りパネル７Ａ，７Ｂの前縁７ｅ，７ｆ（図１１）同士を縫合糸３０（図１４〜１７）で縫合する。

その後、図１３の通り、メインパネル１１Ａ，１１Ｂの外周縁のうち、折り返し辺以外及び突出部１１ｒ，１１ｓ以外を縫合糸５１，５２で縫合する。縫合糸５１はメインパネル１１Ａ，１１Ｂの上部外周縁を縫合し、縫合糸５２はメインパネル１１Ａ，１１Ｂの下部外周縁を縫合する。なお、縫合糸５１，５２は、メインパネル１１Ａ，１１Ｂの後縁の突出部１１ｒ，１１ｓ同士は縫合しない。これにより、突出部１１ｒ，１１ｓ間にインフレータ２の出し入れ口３３（図１３）が形成される。

縫合糸５１，５２によって右、左のメインパネル１１Ａ，１１Ｂの外周縁同士を縫合した後、出し入れ口３３を通してインフレータ２をサイドエアバッグ１内の仕切りパネル７Ａ，７Ｂ間に差し込む。インフレータ２には２本のスタッドボルト２ａ，２ｂが設けられている。インフレータ２を仕切りパネル７Ａ，７Ｂ間に挿入し、スタッドボルト２ａを小孔１２に通し、スタッドボルト２ｂを小孔１４に通した後、サイドエアバッグ１を折り返し線Ｌに沿って１８０゜折り返し、スタッドボルト２ａを小孔１３，１６に通し、スタッドボルト２ｂを小孔１５，１７に通す。折り返し線Ｌは小孔１２，１３間及び小孔１４，１５間の中間を上下方向に延在する。このように折り返し線Ｌによってサイドエアバッグ１の突出部１１ｒ，１１ｓ近傍を折り返すことにより、インフレータ出し入れ口３３は気密に閉鎖される。

サイドエアバッグ１から各小孔１２〜１７を通って突出したスタッドボルト２ａ，２ｂによってサイドエアバッグ１がシートバックフレームに固定される。

このように構成されたサイドエアバッグ１を有するエアバッグ装置を備えた車両が右側から側面衝突された場合、インフレータ２がガス発生作動する。このガスは、インフレータを膨張させると共に、インフレータ設置チャンバ５から上下に流れて上部チャンバ３及び下部チャンバ４を膨張させる。その後、上部チャンバ３及び下部チャンバ４から開口８ａ，９ａを通ってガスが中間チャンバ６に流入し、中間チャンバ６を膨張させる。なお、インフレータ設置チャンバ５内のガスの一部は、開口７ａを通って中間チャンバ６に流入する。

このサイドエアバッグ１では、上部チャンバ３及び下部チャンバ４が早期に高内圧にて膨張展開し、乗員の肩部及び腰部を早期に拘束する。中間チャンバ６は上部チャンバ３及び下部チャンバ４よりも遅れて膨張展開し、また膨張完了状態において中間チャンバ６の内圧は上部チャンバ３及び下部チャンバ４よりも低い。

また、厚み規制パネル６１，６２によって、中間チャンバ６の前部の上部の厚みが規制されている。即ち、厚み規制パネル６１，６２間の領域６Ｃの膨張厚み（最も厚みが大きい箇所における厚み。以下、同様）及び厚み規制パネル６２よりも前側の領域６Ｄの膨張厚みは、厚み規制パネル６２の後側及び下側に比べて小さい。このため、これらの領域６Ｃ，６Ｄによって、乗員の上腕部に与えられるエアバッグによる入力荷重を抑制する。なお、領域６Ｄの膨張厚みは領域６Ｃの膨張厚みよりも小さい。

サイドエアバッグ１の膨張完了状態において、厚み規制パネル６１は小柄乗員の上腕部に沿うことが好ましく、厚み規制パネル６２は大柄乗員の上腕部に沿うことが好ましい。

このサイドエアバッグ１では、図１４の通り、仕切りパネル７の上縁部の全周が仕切りパネル８（右仕切りパネル８Ａ及び左仕切りパネル８Ｂ）に対し縫合糸２３，２５によって縫合され、また縫合糸３１は仕切りパネル７にまで到達している。また、図１６の通り、仕切りパネル７の下縁部の全周が仕切りパネル９（右仕切りパネル９Ａ及び左仕切りパネル９Ｂ）に対し縫合糸２４，２６によって縫合され、縫合糸４１は仕切りパネル７にまで到達している。そして、インフレータ設置チャンバ５と中間チャンバ６との間にはチャンバは存在しない。そのため、インフレータ設置チャンバ５から上部チャンバ、下部チャンバ３，４に流入したガスは開口８ａ，９ａのみを介して中間チャンバ６に流入する。この結果、上部チャンバ３及び下部チャンバ４が迅速に膨張展開する。

この実施の形態では、仕切りパネル８は前方側ほど上位となるように斜めに延在し、仕切りパネル９は前方側ほど下位となるように斜めに延在し、仕切りパネル８，９間の距離がサイドエアバッグ１の前方側ほど大きくなっている。これにより、上部チャンバ３は後端側から前方に向って斜め上方に膨張展開し、下部チャンバ４は後端側から前方に向って斜め下方に膨張展開する。これにより、各チャンバ３，４の膨張展開が早くなる。

この実施の形態では、右及び左仕切りパネル８Ａ，８Ｂの幅は後部側ほど小さくなっているので、仕切りパネル８の幅も後部側ほど小さくなっている。このため、仕切りパネル８に沿う領域にあっては、サイドエアバッグ１の膨張完了状態において、後部側ほどサイドエアバッグ１の膨張厚みが小さい。

上記実施の形態では、２枚の厚み規制パネル６１，６２が設けられているが、厚み規制パネルは１枚又は３枚以上設けられてもよい。

上記実施の形態は、本発明の一形態を示すものであり、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本発明では、下部仕切りパネル９は省略されてもよい。

１ サイドエアバッグ
２ インフレータ
３ 上部チャンバ
４ 下部チャンバ
５ インフレータ設置チャンバ
６ 中間チャンバ
６Ｃ，６Ｄ 膨張厚みの小さい領域
７，８，９ 仕切りパネル
７ａ，８ａ，９ａ 開口
１０ ベントホール
１１ メインパネル
２１〜２６，３０，３１，４１，５１，５２，６３〜６８ 縫合糸
６１，６２ 厚み規制パネル

Claims (12)

1. 乗員の側方に膨張展開するサイドエアバッグであって、
   上部に位置し、乗員の肩部側方に膨張する第１チャンバと、
   該第１チャンバの下側の第２チャンバとを有するサイドエアバッグにおいて、
   該第２チャンバの前部の上部に、膨張厚みを小さくするための厚み規制部材が設けられていることを特徴とするサイドエアバッグ。
2. 前記厚み規制部材は、前方ほど下位となるように延在する厚み規制パネルにて構成されている請求項１のサイドエアバッグ。
3. 複数の厚み規制パネルが略平行に設けられている請求項２のサイドエアバッグ。
4. 後側の厚み規制パネルは、その前側の厚み規制パネルよりも長手方向の長さが大きい請求項３のサイドエアバッグ。
5. 後側の厚み規制パネルは、その前側の厚み規制パネルよりもサイドエアバッグ厚み方向の幅が大きい請求項３又は４のサイドエアバッグ。
6. 前記厚み規制パネルの前縁は、前記サイドエアバッグの膨張完了状態において、該サイドエアバッグの前縁から離隔している請求項２〜５のいずれかのサイドエアバッグ。
7. 前記第２チャンバの前部にベントホールが設けられており、
   少なくとも１つの厚み規制パネルの前端が該ベントホールの近傍に位置する請求項６のサイドエアバッグ。
8. 前記サイドエアバッグは、上部に設けられた前記第１チャンバとしての上部チャンバと、
   下部に設けられた下部チャンバと、
   該上部チャンバと下部チャンバとの間の中間チャンバと、
   前記中間チャンバ内の後側に位置し、該上部チャンバ及び下部チャンバにそれぞれ連通するインフレータ設置チャンバと、
   を有する１〜７のいずれかのサイドエアバッグ。
9. 前記サイドエアバッグは、上部チャンバと中間チャンバとを区画する第１仕切りパネルと、
   下部チャンバと中間チャンバとを区画する第２仕切りパネルと、
   該第１仕切りパネルに設けられた、上部チャンバと中間チャンバとを連通する第１開口と、
   該第２仕切りパネルに設けられた、下部チャンバと中間チャンバとを連通する第２開口と、
   を有する請求項８のサイドエアバッグ。
10. 前記サイドエアバッグは、さらに、前記中間チャンバとインフレータ設置チャンバとを区画する第３仕切りパネルを有し、
    該第１仕切りパネルが第３仕切りパネルに結合され、
    該第２仕切りパネルが第３仕切りパネルに結合されている請求項９のサイドエアバッグ。
11. 前記第１仕切りパネルは、前記サイドエアバッグの前縁から後縁まで延在しており、
    該第１仕切りパネルの後部は、前記第３仕切りパネルの上縁に縫合されており、
    前記第２仕切りパネルは、前記サイドエアバッグの前縁から後縁まで延在しており、
    該第２仕切りパネルの後部は、前記第３仕切りパネルの下縁に縫合されている請求項１０のサイドエアバッグ。
12. 請求項１〜１１のいずれかのサイドエアバッグと、該サイドエアバッグを膨張させるインフレータとを有するサイドエアバッグ装置。
    

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