JP4313641B2 - サイドエアバッグ装置 - Google Patents
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そして、サイドエアバッグが膨張展開して乗員に接するとき、あるいは当たるときの衝撃はできる限り小さく、かつ効果的に乗員を保護する必要がある。
なお、車両の「前」は車両の進行方向側、「後」は車両の後退方向側、「上」は鉛直方向上側、「下」は鉛直方向下側、「左右」は車幅方向側とする。
例えば、図5に示すように、サイドエアバッグ装置100はサイドエアバッグ101とサイドエアバッグユニット104とで構成されており、サイドエアバッグ101は頭部保護部分102と胴部保護部分103とで構成されている。頭部保護部分102には、サイドエアバッグ101の基材に対して弛んだ状態で外部補強布が取り付けられている。一度衝突すると、サイドエアバッグ101は乗員とサイドドアとの間の、乗員の頭部位置まで展開する。衝突時にはウインドウ部が破損してしまい、たとえサイドエアバッグ101が破損したウインドウ部に当たったとしても、外部補強布により基材に破損したウインドウ部が直接当たることを防止できるようになっている。外部補強布が基材に対して弛んだ状態で取り付けられているため、外部補強布が破れにくく、基材に\対する保護の確実化がはかられる。サイドエアバッグ101の基材と外部補強布との間に形成される空間により、サイドエアバッグ101に加えられる衝撃を緩和されてサイドエアバッグ101が破れないようになっている(例えば、特許文献1参照)。
また、サイドエアバッグは、非膨張部に沿ってその周囲にガスが多く供給されて、太くて厚く展開することにより、非膨張部の外側全周に渡って適度な強度と弾性が備わるため、側面衝突時に乗員が車両の中央部側に移動するように支えて、乗員をより適切に保護することができる。
さらに、請求項1に記載の発明によれば、シートに座る乗員の車体側面に最も突出する部位である腕部に該非膨張部が対応しているので、非膨張部の外周部が対応する腰部、肩部等とサイドバッグとが、良好にフィットされることになり、乗員をより適切に保護することができる。
また、シートに座る乗員の車体側面に最も突出する部位である腕部に該非膨張部が対応するようにした場合は、その腕部の内側に位置する胸部及び腹部がサイドエアバッグによって保護され、かつ、乗員の各部とサイドエアバッグとがさらに良好にフィットされるようになるので、より安定的な状態で乗員をより適切に保護することができる。
また、サイドエアバッグがシートバッグの側面と車体の側面との間を通って膨張展開してゆく場合に、サイドエアバッグの側面抵抗が小さくなるので、サイドエアバッグをスムースに展開させることができる。
図1は、本発明に係る実施の形態を示す、サイドエアバッグ装置をシートバッグに配置した状態、及びサイドエアバッグが展開した状態を示す斜視図である。
図2に示すように、展開したサイドエアバッグ2の中央部には非膨張部3が形成されている。この非膨張部3は、その周囲を縫製することにより形成するが、強力な軟質接着剤等を用いてもよく、これらの複数の方法を併用することにより形成してもよい。また、必要に応じて非膨張部3に薄い膨張部が形成されるように素材を加工することでも構わない。サイドエアバッグの後方側には、サイドエアバッグユニット4は設けられており、サイドエアバッグ2はそのサイドエアバッグユニット4から上下及び前方方向へ膨らんで略車輪形状となって展開するように形成されている。
図3に示すように、サイドエアバッグ2が展開したとき、この非膨張部3が、乗員の最も幅の広い箇所である腕部に当接する位置になるように形成されている。その腕部の内側には、乗員の胸部及び腹部が位置している。すなわち、非膨張部3がシートに座る乗員の車体側面に最も突出する部位である腕部に対応することにより、この非膨張部3の周囲の膨張部5が乗員の各部とより良好にフィットされるように形成されている。
サイドエアバッグ2が展開したとき、膨張部5の上部膨張部5aが乗員の比較的しっかりした骨格からなる肩部を支えるように形成されている。また、膨張部5の下部膨張部5bは、乗員の比較的しっかりした骨格からなる腰部を支えるように形成されている。このように、サイドエアバッグ2は、展開したとき、上部膨張部5aが乗員の肩部を支え、下部膨張部5bが乗員の腰部を支えて、中央の非膨張部3が乗員の腕部や胸部を強く支えないように形成されている。
非膨張部3は、乗員を適切に保護すべき領域や、サイドエアバッグ2の膨張部の膨張展開時の厚み等を勘案の上、図4(a)に示すように、サイドエアバッグ2の素材が密着するように形成されても構わないし、図4(b)に示すように、薄く膨張するように形成されても構わない。なお、本明細書では、このように薄く膨張するように形成された場合(周囲よりも膨張の程度が低くなるように形成された低膨張部とされた場合)も含めて、非膨張部3と称することにする。
車両が側面衝突すると、車両に取り付けられた衝突検知センサ(図示せず)からの出力に基づいて、車体の内側側面に対向するようにシートバッグ10の側面に取り付けられたサイドエアバッグ装置1のイグナイタ4aが作動し、インフレータ4bから発生するガスの圧力によりサイドエアバッグ2が車体の前方に向け、車体と乗員の間に膨張展開する。
乗員は、肩部及び腰部が比較的強い骨格をしており、その肩部及び腰部に当接して支える上部膨張部5a及び下部膨張部5bが太く適度な弾性と強度を備えた状態で膨らんでいるため、乗員を車体の中央部側に移動させるように支えることができる。
これにより、乗員は、衝突時にサイドエアバッグ2によって窓ガラスから遠避けられて車体の中央部側に移動させられるため、車外側に移動することが防止される。
例えば、サイドエアバッグ2の展開時の形状や厚み、保護される乗員の部位の範囲等も限定されることはなく、サイドエアバッグユニット4が取り付けられるシートバッグ10と、サイドエアバッグユニット4に対面する車体側面との間隔や高さ関係等を勘案のうえ、設定することができる。
2 サイドエアバッグ
3 非膨張部
4 サイドエアバッグユニット
Claims (2)
- 車体側面に対向するようにシートバッグの側面に取り付けられ、車両の衝突時に、衝突検知センサからの信号により車体の前方に向けて、車体と乗員の間にサイドエアバッグを展開するサイドエアバッグ装置において、
前記サイドエアバッグは、このサイドエアバッグの後方側に設けられたサイドエアバッグユニットから上下及び前方方向へ展開すると、当該サイドエアバッグの中央部が凹んだ状態になる非膨張部と、この非膨張部の周囲にあって前記非膨張部より厚く略車輪形状に膨らむ膨張部と、が形成され、
前記膨張部は、上部膨張部と下部膨張部とを備え、かつ、展開時に、前記上部膨張部が前記乗員の肩部に当接し、前記下部膨張部が前記乗員の腰部に当接するように形成され、
前記サイドエアバッグの展開時の前記非膨張部は、前記上部膨張部と前記下部膨張部との間にあって、前記乗員の腕部に当接して変形してフィットするように前記乗員の肘の位置に対応して車両前後方向に長く伸ばして凹んでいる略楕円形状であることを特徴とするサイドエアバッグ装置。 - 前記非膨張部は、周囲よりも膨張の程度が低く薄く膨張する低膨張部からなることを特徴とする請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。
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