JP5472295B2 - 車両用サイドエアバッグ装置 - Google Patents

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本発明は、車両用サイドエアバッグ装置に関する。
エアバッグが隔壁によって上側に位置する第1エアバッグ部と、下側に位置する第2エアバッグ部とに区画され、該隔壁が第2エアバッグ部のカバーの一部により構成され、エアバッグの後方部位に、第1エアバッグ部及び第2エアバッグ部に跨る、ガス発生装置収納用の布製のホルダ(ディフューザ)を備えた2室型のサイドエアバッグが開示されている(特許文献1参照)。
また、側突用エアバッグの内部がシームによって上室と下室とに区画され、該シームとエアバッグの後縁との間に上室と下室とを連通する連通部が形成され、該連通部に筒状の逆止弁が設けられ、該逆止弁内にガス発生器が配置され、逆止弁により下室から上室へのガス流出を阻止することで、下室に乗員の身体が当たっても、下室内のガス圧が高いまま保持されるようにした構造が開示されている(特許文献2参照)。
特表2005−531451号公報 特開2004−256017号公報
しかしながら、上記した特許文献1に記載の従来例では、ガス発生装置を収納するために、エアバッグの基布と別布のホルダが必要であり、かつエアバッグの膨張展開時に、第2エアバッグ部から第1エアバッグ部へのガスの流れを規制することができず、該第2エアバッグ部の内圧を高圧状態に維持することが難しい。
上記した特許文献2に記載の従来例でも、逆止弁を設けるためにエアバッグの基布と別布のシートが必要であり、コスト低減面で改善の余地があると考えられる。
本発明は、上記事実を考慮して、縫製部により区画された高圧室及び低圧室を有し、高圧室及び低圧室に膨張用のガスを分配するディフューザと、高圧室側から低圧室側へのガスの流れを規制する逆止弁とを有するサイドエアバッグについて、コストを低減すると共に、生産性を向上させることを目的とする。
本発明の第1の態様は、膨張展開時に高圧側となる高圧室と該高圧室より低圧となる低圧室とを有し、側面衝突時に前記高圧室及び前記低圧室が夫々膨張展開するサイドエアバッグと、前記高圧室を構成する高圧室用基布の一部又は前記低圧室を構成する低圧室用基布の一部により構成され、前記高圧室と前記低圧室とを区画する隔壁と、側面衝突時にガス噴出部から膨張用のガスを噴出して前記サイドエアバッグ内に供給するインフレータと、前記隔壁に一体的に設けられ、前記インフレータの前記ガス噴出部から噴出したガスが前記低圧室から前記高圧室へ流れることを許容し、その逆方向へガスが流れることを規制する逆止弁と、を有する車両用サイドエアバッグ装置。
第1の態様に係る車両用サイドエアバッグ装置では、サイドエアバッグが、膨張展開時に高圧側となる高圧室と該高圧室より低圧となる低圧室を有しており、高圧室と低圧室とは隔壁により区画されている。
また高圧室の内圧は、隔壁に一体的に設けられた逆止弁によって保持されるが、該隔壁及び逆止弁は、高圧室用基布の一部又は低圧室用基布の一部により構成されているので、該隔壁及び逆止弁を別途設ける構造と比較して、サイドエアバッグの縫製に要するコストを低減すると共に、生産性を向上させることができる。
側面衝突時には、インフレータが作動し、該インフレータのガス噴出部から噴出する膨張用のガスが、高圧室及び低圧室に供給される。この際、逆止弁により、低圧室側から高圧室側へのガスの流入が許容され、高圧室側から低圧室側へのガスの流出が規制される。従って、インフレータからのガスの噴出が終了した際に、高圧室の内圧をより長い時間に渡って高圧状態に保持することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様に係る車両用サイドエアバッグ装置において、前記隔壁は、前記高圧室用基布又は前記低圧室用基布のうち車両用シートのシート幅方向外側に位置する外側基布の端部とシート幅方向内側に位置する内側基布の端部とを縫製することで形成され、前記逆止弁は、前記サイドエアバッグ内のシート後方側において、前記外側基布及び前記内側基布の少なくとも一方を前記高圧室側に延長することで形成されている。
第2の態様に係る車両用サイドエアバッグ装置では、隔壁が、高圧室用基布又は低圧室用基布の外側基布の端部と内側基布の端部とを縫製することで形成されると共に、逆止弁が、外側基布及び内側基布の少なくとも一方を高圧室側に延長することで形成されているので、サイドエアバッグを構成する基布とは別個に、隔壁や逆止弁を追加する必要がない。このため、気密性を高めるための縫製が省略でき、サイドエアバッグの製造も容易となり、大幅なコスト低減を図ることができる。
本発明の第3の態様は、第1の態様に係る車両用サイドエアバッグ装置において、前記隔壁は、前記高圧室用基布のうち車両用シートのシート幅方向外側に位置する高圧室用外側基布の前記低圧室側の端部を、該高圧室用基布のうちシート幅方向内側に位置する高圧室用内側基布に縫製することで形成され、前記逆止弁は、前記サイドエアバッグ内のシート後方側において、前記高圧室用外側基布の前記低圧室側の前記端部に該低圧室側への延長部を設けておき、該延長部を前記高圧室側に折り返し、該延長部におけるシート前方側の端縁とシート後方側の端縁とを、前記高圧室用基布のうちシート幅方向内側に位置する高圧室用内側基布に対して夫々縫製することで形成されている。
第3の態様に係る車両用サイドエアバッグ装置では、隔壁が、高圧室用外側基布の低圧室側の端部を高圧室用内側基布に縫製することで形成されると共に、逆止弁が、高圧室用外側基布の低圧室側の端部に設けた延長部を高圧室側に折り返し、該延長部におけるシート前方側の端縁とシート後方側の端縁とを、低圧室用内側基布に対して夫々縫製することで形成されているので、サイドエアバッグを構成する基布とは別個に、隔壁や逆止弁を追加する必要がない。このため、気密性を高めるための縫製が省略でき、サイドエアバッグの製造も容易となり、大幅なコスト低減を図ることができる。
本発明の第4の態様は、第1の態様に係る車両用サイドエアバッグ装置において、前記隔壁は、前記低圧室用基布のうち車両用シートのシート幅方向外側に位置する低圧室用外側基布の前記高圧室側の端部を、該低圧室用基布のうちシート幅方向内側に位置する低圧室用内側基布に縫製することで形成され、前記逆止弁は、前記サイドエアバッグ内のシート後方側において、前記低圧室用外側基布の前記高圧室側の前記端部に該高圧室側への延長部を設けておき、該延長部におけるシート前方側の端縁とシート後方側の端縁とを、前記高圧室用基布のうちシート幅方向内側に位置する高圧室用内側基布に対して夫々縫製することで形成されている。
第4の態様に係る車両用サイドエアバッグ装置では、隔壁が、低圧室用外側基布の高圧室側の端部を低圧室用内側基布に縫製することで形成され、逆止弁が、低圧室用外側基布の高圧室側の端部に該高圧室側への延長部を設けておき、該延長部におけるシート前方側の端縁とシート後方側の端縁とを、高圧室用内側基布に対して夫々縫製することで形成されているので、サイドエアバッグを構成する基布とは別個に、隔壁や逆止弁を追加する必要がない。このため、気密性を高めるための縫製が省略でき、サイドエアバッグの製造も容易となり、大幅なコスト低減を図ることができる。
本発明の第5の態様は、第1の態様から第4の態様の何れか1態様に係る車両用サイドエアバッグ装置において、前記隔壁に、前記インフレータの前記ガス噴出部から噴出したガスを主に前記高圧室側に分配すると共に前記低圧室側にも分配するディフューザが一体的に設けられている。
第5の態様に係る車両用サイドエアバッグ装置では、ディフューザにより、インフレータのガス噴出部から噴出したガスを、主に高圧室側へ流すと共に、低圧室にも分配するように該ガスの流れを規制することができる。このようなディフューザを隔壁に一体的に設けることにより、低コスト化を図りつつ、高圧室及び低圧室を夫々安定して膨張展開させることができる。
本発明の第6の態様は、第1の態様から第5の態様の何れか1態様に係る車両用サイドエアバッグ装置において、前記高圧室用基布の内面に、気密性を高めるためのコーティングが施されている。
第6の態様に係る車両用サイドエアバッグ装置では、高圧室用基布の内面に、気密性を高めるためのコーティングが施されているので、サイドエアバッグの膨張展開時に、高圧室の内圧をより安定的に保持することができる。
以上説明したように、本発明の第1の態様に係る車両用サイドエアバッグ装置によれば、縫製部により区画された高圧室及び低圧室を有し、高圧室及び低圧室に膨張用のガスを分配するディフューザと、高圧室側から低圧室側へのガスの流れを規制する逆止弁とを有するサイドエアバッグについて、コストを低減すると共に、生産性を向上させることができる、という優れた効果が得られる。
第2〜第4の態様に係る車両用サイドエアバッグ装置によれば、気密性を高めるための縫製が省略でき、サイドエアバッグの製造も容易となり、大幅なコスト低減を図ることができる、という優れた効果が得られる。
第5の態様に係る車両用サイドエアバッグ装置によれば、低コスト化を図りつつ、高圧室及び低圧室を夫々安定して膨張展開させることができる、という優れた効果が得られる。
第6の態様に係る車両用サイドエアバッグ装置によれば、サイドエアバッグの膨張展開時に、高圧室の内圧をより安定的に保持することができる、という優れた効果が得られる。
図1から図7は、第1実施形態に係り、図1は、車両用シートに着座した乗員の側方にサイドエアバッグが膨張展開した状態を示す側面図である。 車両用サイドエアバッグ装置を示す側面図である。 インフレータの作動時、ディフューザの第1開口部から下部室に向けて噴出するガスの圧力により逆止弁が開き、該下部室に該ガスが供給されると共に、第2開口部から噴出するガスが上部室に供給されている状態を示す、図2における3−3矢視拡大断面図である。 インフレータからのガスの噴出が終了し、逆止弁が閉じた状態を示す、図2における4−4矢視拡大断面図である。 サイドエアバッグ内が、隔壁により、上部室と下部室とに区画されている構造を示す、図2における5−5矢視拡大断面図である。 インフレータ、ディフューザ及び隔壁の図示を省略した状態において、逆止弁が閉じる原理を示す、図2における6−6矢視拡大断面図である。 インフレータ、ディフューザ及び隔壁の図示を省略した状態において、逆止弁に補強布が重ねて縫製されている例を示す、図2における7−7矢視拡大断面図である。 図8から図23は、第2実施形態に係り、図8は、車両用シートに着座した乗員の側方にサイドエアバッグが膨張展開した状態を示す側面図である。 サイドエアバッグを示す側面図である。 サイドエアバッグ内が、隔壁により、上部室と下部室とに区画されている構造を示す、図9におけるF10−F10矢視拡大断面図である。 インフレータの作動時、ディフューザの第1開口部から下部室に向けて噴出するガスの圧力により逆止弁が開き、該下部室に該ガスが供給されると共に、第2開口部から噴出するガスが上部室に供給されている状態を示す、図9におけるF11−F11矢視拡大断面図である。 インフレータからのガスの噴出が終了し、逆止弁が閉じた状態を示す、図9におけるF12−F12矢視拡大断面図である。 車両用サイドエアバッグ装置を示す分解斜視図である。 下方基布の上端部を上方基布の外側基布及び内側基布と夫々縫製した状態を示す拡大断面図である。 下方基布を上方に捲り上げて、上方基布の下端を縫製した状態を示す拡大断面図である。 図16から図18は、変形例1に係り、図16は、車両用サイドエアバッグ装置の分解斜視図である。 上方基布の展開状態を示す斜視図である。 上方基布において、外側基布及び内側基布と、ディフューザとなる領域とを折った状態を示す斜視図である。 図19及び図20は、変形例2に係り、図19は、車両用サイドエアバッグ装置の分解斜視図である。 下方基布において、外側基布及び内側基布を折った状態を示す斜視図である。 図21及び図22は、変形例3に係り、図21は、サイドエアバッグの分解斜視図である。 下方基布の展開図である。 変形例4に係るサイドエアバッグの分解斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
[第1実施形態]
図1から図3において、本実施の形態に係る車両用サイドエアバッグ装置10は、例えば車両用シート12におけるシートバック14の側部に搭載されるサイドエアバッグ装置に係り、サイドエアバッグ16と、隔壁18と、インフレータ22と、逆止弁24とを有している。
サイドエアバッグ16は、側面衝突時にインフレータ22からのガスの供給を受けて、車両用シート12に着座した乗員26の側方に膨張展開するように構成され、該膨張展開時に高圧側となる高圧室の一例たる下部室28と、該高圧室より低圧となる低圧室の一例たる上部室30とを有している。側面衝突時には、該下部室28及び上部室30が夫々膨張展開するように構成されている。
下部室28は、高圧室用基布の一例たる下方基布32により形成され、膨張展開状態のサイドエアバッグ16において、シート下方側に位置する膨張部であり、車両用シート12に着座した乗員26の腰部26Wに対応している。この下部室28は、下方基布32において、車両用シート12のシート幅方向外側に位置する外側基布32Aと、シート幅方向内側に位置する内側基布32Bとを、シート後方端部32Rを中心としてシート前方側に2つ折りにし、周縁部32Cにおいて縫製することで形成されている(縫製部S1)。なお、高圧室としての下部室28の気密性を高めるため、下方基布32の内面にコーティングを施してもよい。
下方基布32の上端部32Uは、上部室30を構成する低圧室用基布の一例たる上方基布34のうち、隔壁18として用いる下部領域の上端におけるバッグ外面側に縫製されている(縫製部S2)。ここで、図3から図5に示されるように、下方基布32の上端部32Uは、折り返されて厚みが増した状態で上方基布34に縫製されている。縫製部S2を補強するためである。なお、補強手段は、上端部32Uの折返しに限られず、例えば別途補強用の部材を重ねて縫製するようにしてもよい。
図1において、上部室30は、上方基布34により構成され、膨張展開状態のサイドエアバッグ16において、シート上方側に位置する膨張部であり、車両用シート12に着座した乗員26の胸部26C及び肩部26Sの少なくとも一方に対応している。本実施形態では、上部室30は、乗員26の胸部26C及び肩部26Sの双方に対応すると共に、上腕部26U及び腹部26Aにも対応している。図1から図3に示されるように、この上部室30は、上方基布34において、車両用シート12のシート幅方向外側に位置する外側基布34Aと、シート幅方向内側に位置する内側基布34Bとを、シート後方端部34Rを中心としてシート前方側に2つ折りにし、周縁部34Cにおいて縫製することで形成されている(縫製部S3)。
図5において、隔壁18は、下方基布32の一部又は上方基布34の一部により構成され、高圧室である下部室28と、低圧室である上部室30とを区画する部位であり、例えば上方基布34のうち、車両用シート12のシート幅方向外側に位置する外側基布34Aの下端34D(端部)と、シート幅方向内側に位置する内側基布34Bの下端34E(端部)とを縫製することで形成されている(縫製部S4)。図1に示されるように、この隔壁18は、膨張展開状態のサイドエアバッグ16において、車両用シート12に着座した乗員26の腹部26Aに対応する位置に設けられている。
図2,図3において、インフレータ22は、側面衝突時にガス噴出部22Aから膨張用のガスを噴出してサイドエアバッグ16内に供給するガス発生源である。このインフレータ22は、膨張展開状態のサイドエアバッグ16内における、車両用シート12のシート後方側、具体的にはシート後方端部付近に位置しており、ガス噴出部22Aを高圧室である下部室28側に向けた状態で、低圧室である上部室30内に配設されている。
図示は省略するが、インフレータ22は、ワイヤーハーネスを介してエアバッグECUに接続されており、該エアバッグECUからの作動電流により作動して、サイドエアバッグ16に対して膨張用のガスを供給するように構成されている。エアバッグECUは、衝突センサ(図示せず)からの信号により側面衝突を判定した際に、インフレータ22に対して作動電流を流すように構成されている。
インフレータ22のガス噴出部22Aには、ディフューザ36が配設されている。このディフューザ36は、例えば筒状に形成され、下部室28に向けて開口した第1開口部36Aと、上部室30に向けて例えばシート前方側に開口した第2開口部36Bとが設けられて、インフレータ22のガス噴出部22Aから噴出したガスの流れを規制するように構成されている。具体的には、該ガスを、第1開口部36Aを通じて主に下部室28へ流すと共に、第2開口部36Bを通じて上部室30にも分配するように構成されている。ガスを主に下部室28へ流しつつ、上部室30にも分配するために、ディフューザ36における第1開口部36Aの開口面積は、第2開口部36Bの開口面積よりも大きく設定されている。
図1,図2において、サイドエアバッグ16の上部室30には、ディフューザ36側からシート前方かつ斜め上方に、例えば直線状に延びる第1バッグ厚規制部の一例たる第1シーム41が設けられている。この第1シーム41は、上部室30を構成する上方基布34における外側基布34Aとシート幅方向内側に位置する内側基布34Bとを縫製して、該上部室30をシート下方側の中間室38とシート上方側の最上部室40とに区画している。上方基布34のうち中間室38を構成する部位には、ベントホール44が形成されている。サイドエアバッグ16の膨張展開時における中間室38の内圧は、最上部室40よりも低圧に設定されている。
第1シーム41のシート前方側先端部41Aと、上部室30における上方基布34のシート前方側周縁部34Fとの間には、所定の絞り隙間46が設けられている。これにより、図2に示されるように、インフレータ22が作動した際に、ディフューザ36の第2開口部36Bから噴出したガスは、最上部室40に矢印B方向及び矢印C方向に供給されると共に、絞り隙間46を通じて、中間室38に矢印D方向に供給されるように設定されている。
第1シーム41のシート後方側先端部41Bは、例えば隔壁18に近接する位置に設定されている。サイドエアバッグ16の膨張展開時に、ディフューザ36の第2開口部36Bから噴出したガスが、第1シーム41のシート後方側先端部41Bと隔壁18との隙間から中間室38に流入して、該中間室38の内圧が必要以上に高まることを抑制するためである。
また、図1,図2において、上部室30における第1シーム41のシート上方には、該第1シーム41と所定の間隔を開けて、ディフューザ36側からシート前方かつ斜め上方に、例えば直線状に延び、外側基布34Aと内側基布34Bとを縫製する第2バッグ厚規制部の一例たる第2シーム42が設けられている。この第2シーム42は、上部室30における最上部室40に設けられており、第1シーム41と同様に、外側基布34Aと内側基布34Bとを縫製している。
図1に示されるように、第2シーム42のシート前方側先端部42Aは、例えば乗員26の上腕部26Uや肩部26Sに対応する位置に設定され、上方基布34のシート前方側周縁部34Fとの間の隙間48は、第1シーム41のシート前方側先端部41Aとシート前方側周縁部34Fとの間の所定の絞り隙間46よりも大きく設定されている。また第2シーム42のシート後方側先端部42Bと、インフレータ22との間の隙間50も、所定の絞り隙間46よりも大きく設定されている。これは、サイドエアバッグ16の膨張展開時に、最上部室40における第2シーム42の上側と下側とで内圧差が生じないようにするためである。逆に、最上部室40における第2シーム42の上側と下側との間に内圧差を設けたり、最上部室40内におけるガスの流れを規制したりする場合には、シート前方側先端部42Aやシート後方側先端部42Bの位置を適宜変更して、隙間48,50を調整すればよい。
なお、図1,図2においては、第1シーム41のシート前方側先端部41A、及び第2シーム42のシート前方側先端部42Aが、何れも円形となっているが、各先端部の形状はこれに限られるものではない。また、第1シーム41及び第2シーム42の形状は、直線状には限られず、湾曲形状や屈曲形状等であってもよい。更に、第1バッグ厚規制部として、縫製部である第1シーム41を挙げ、第2バッグ厚規制部として、同様に縫製部である第2シーム42を挙げたが、第1バッグ厚規制部及び第2バッグ厚規制部は、縫製部には限られない。例えば上方基布34における外側基布34Aと内側基布34Bとを、例えば接着や溶着により接合した部位であってもよい。
図1から図4において、逆止弁24は、隔壁18に設けられ、インフレータ22のガス噴出部22Aから噴出したガスが低圧室である上部室30から高圧室である下部室28へ流れることを許容し、その逆方向へガスが流れることを規制する(図4)部位である。この逆止弁24は、サイドエアバッグ16内におけるシート後方側、具体的には隔壁18のシート後方端部に位置し、上方基布34をシート下方へ延長することで筒状に形成されている。図2に示されるように、外側基布34A及び内側基布34Bの下端34D,34Eは、逆止弁24の前縁24Aに連なっている。図6に示されるように、この前縁24Aは、外側基布34A及び内側基布34Bを重ねて折り返すことで、4層の状態で縫製されている。これにより、逆止弁24が筒状に形成されている。
図3に示されるように、逆止弁24は、隔壁18に一体的に設けられ、インフレータ22のガス噴出部22Aから噴出したガスが上部室30から下部室28へ流れることを許容し、その逆方向へガスが流れることを規制する部位である。この逆止弁24は、サイドエアバッグ16内のシート後方側において、外側基布34A及び内側基布34Bの双方を、下部室28側に延長することで形成されている。そして逆止弁24は、インフレータ22の作動時に、該インフレータ22のガス噴出部22Aから噴出したガスが、ディフューザ36の第1開口部36Aから下部室28に向けて噴出した際に、その圧力によって開くようになっている。具体的には、逆止弁24を構成する上方基布34の外側基布34Aと内側基布34Bとが、筒状に開くようになっている。
また図4に示されるように、インフレータ22からのガスの噴出が終わり、高圧室である下部室28から、低圧室である上部室30にガスが逆流しようとすると、逆止弁24を構成する上方基布34の外側基布34Aと内側基布34Bとが密着することで、閉じるように構成されている。
図2に示されるように、逆止弁24の下端部24Dは、下部室28を構成する下方基布に、少なくとも部分的に縫製されている(縫製部S5)。縫製部S5においては、逆止弁24の下端部24Dの例えば後端角部が、下方基布32のシート後方端部32Rに縫製されている。
なお、図7に示されるように、逆止弁24には、補強布52を重ねて縫製してもよい。インフレータ22のガス噴出部22Aから噴出する高温・高圧のガスに対する逆止弁24の強度を、より高めることができるからである。この例では、補強布52は、逆止弁24の内周側に重ねて縫製されており、逆止弁24の前縁24Aは、外側基布34A、内側基布34B及び補強布52を重ねて折り返すことで、6層の状態で縫製されている。この補強布52は、逆止弁24の外周に重ねられていてもよい。
また上記構成においては、サイドエアバッグ16における下部室28が、下方基布32の周縁部32Cを縫製することで形成され、上部室30が、上方基布34の周縁部34Cを縫製することで形成されるものとしたが、これに限られず、例えば、夫々袋織りにより形成されるものであってもよい。
図6は、図2における6−6矢視拡大断面図であり、逆止弁24の部分は本来断面とはならないが、層の重なりを明確に示すために、ハッチングを施してある。図7における逆止弁24及び補強布52についても同様である。
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図1において、車両用シート12には、一般に、シートバック14の傾斜角度を調整するためのリクライニング機構(図示せず)が設けられており、シートバック14の側部の下部にエアバッグモジュールの搭載スペースを確保することが難しいが、本実施形態では、インフレータ22が、サイドエアバッグ16内におけるシート後方側に位置し、低圧室である上部室30内に配設され、サイドエアバッグ16の折畳み寸法(パッケージ寸法)を小さくできるので、シートバック14の側部へのエアバッグモジュール(図示せず)の搭載性が良好である。
また図5に示されるように、サイドエアバッグ16において、高圧室である下部室28と、低圧室である下部室28とは、隔壁18により区画されている。この隔壁18は、上部室30を構成する上方基布34のうち、車両用シート12のシート幅方向外側に位置する外側基布34Aの下端34Dと、シート幅方向内側に位置する内側基布34Bの下端34Eとを縫製することで形成されている。また図2に示されるように、隔壁18には逆止弁24が設けられている。この逆止弁24は、サイドエアバッグ16内におけるシート後方側に位置し、上方基布34の外側基布34A及び内側基布34Bを夫々シート下方へ延長することで形成されている。従って、サイドエアバッグ16を構成する基布とは別個に、隔壁18や逆止弁24を追加する必要がない。このため、気密性を高めるための縫製が省略でき、サイドエアバッグ16の製造も容易となり、大幅なコスト低減を図ることができる。
次に、側面衝突時における車両用サイドエアバッグ装置10の作用について説明する。図1,図2において、本実施形態に係る車両用サイドエアバッグ装置10では、図示しない衝突センサからの信号に基づいてエアバッグECUが該側面衝突の発生を判定すると、該エアバッグECUからインフレータ22に作動電流が流される。インフレータ22は、該作動電流を受けて作動して、ガス噴出部22Aから多量のガスを噴出させる。このガスが、サイドエアバッグ16内へと供給されることで、該サイドエアバッグ16がシートバック14から膨出し、車両側部(図示せず)と乗員26との間へ膨張展開する。
ここで、図2に示されるように、本実施形態では、インフレータ22が、ガス噴出部22Aを高圧室である下部室28に向けた状態で、低圧室である上部室30内に配設されている。またインフレータ22のガス噴出部22Aにはディフューザ36が配設されており、該ディフューザ36には、下部室28に向けて開口した第1開口部36Aと、上部室30に向けて開口した第2開口部36Bとが設けられている。このディフューザ36により、ガス噴出部22Aから噴出したガスを、第1開口部36Aを通じて主に下部室28側へ流すと共に、第2開口部36Bを通じて上部室30にも分配するように、該ガスの流れを規制することができる。
図3に示されるように、逆止弁24は、ディフューザ36の第1開口部36Aを通じて、上部室30内のインフレータ22から下部室28に向けて供給されるガスの圧力により筒状に開き、該上部室30から下部室28への矢印A方向のガスの流れを許容する。一方上部室30にも、ディフューザ36の第2開口部36Bを通じて、ガスが矢印B方向に供給される。ディフューザ36における第1開口部36Aの開口面積は、第2開口部36Bの開口面積よりも大きく設定されているので、膨張用のガスは、上部室30よりも下部室28に対して重点的に供給される。従って、下部室28が上部室30よりも早期に膨張展開すると共に、該上部室30よりも高圧の状態となる。またディフューザ36を追加するという簡単な構成により、下部室28及び上部室30を夫々安定して膨張展開させることができる。
インフレータ22からのガスの噴出が終わると、高圧室である下部室28から低圧室である上部室30にガスが逆流しようとするが、図4に示されるように、逆止弁24が閉じることでこのガスの流れを規制するので、下部室28の内圧をより長い時間に渡って保持することができる。特に本実施形態では、逆止弁24の下端部24Dが、下部室28を構成する下方基布32に、少なくとも部分的に縫製されている(縫製部S5)ので、インフレータ22からのガスの噴出が終わり、高圧室である下部室28から低圧室である上部室30にガスが逆流しようとして逆止弁24が閉じる際に、該逆止弁24が上部室30側へ反転することを抑制することができる。このため、高圧室である下部室28の内圧をより安定的に保持することができる。
逆止弁24が閉じる際の作用について補足すると、図6に示されるように、インフレータ22からガスの噴出初期には、逆止弁24内の圧力が非常に高くなるため、該逆止弁24は円筒形に開こうとする。しかしながら、逆止弁24の下端部24Dは、下方基布32のシート後方端部32Rに縫製されているので、下部室28の内圧が高まって、該下部室28がシート前方に膨張展開するに従い、逆止弁24には矢印a方向の荷重が作用すると共に、矢印b方向の荷重が作用する。更に、インフレータ22からのガスの噴出が終わると、逆止弁24内の圧力が下部室28の内圧よりも低くなるので、該逆止弁24に対して矢印c方向の分布荷重が作用する。これらの荷重の相乗作用により、逆止弁24が閉じ易くなっている。
次に、上部室30の膨張展開について説明する。図2に示されるように、上部室30は、第1シーム41により、シート下方側の中間室38とシート上方側の最上部室40とに区画されており、ディフューザ36の第2開口部36Bから供給された膨張用のガスは、まず最上部室40内に矢印B方向に供給され、更に矢印C方向に流れて行く。これにより、最上部室40が膨張展開して行く。上部室30のバッグ厚は、第1シーム41によって規制される。また上部室30における最上部室40には、第2シーム42が設けられており、該第2シーム42によって該最上部室40のバッグ厚が規制される。従って、乗員26の上半身、特にシート外側に最も張り出している肩部26Sや上腕部26Uと、車両側部との間の限られたスペースに、最上部室40を早期かつ円滑に膨張展開させることができる。また最上部室40に対応する部位である肩部26S、胸部26C及び上腕部26Uに対する拘束力を適正化することができる。
最上部室40内に供給されたガスは、第1シーム41のシート前方側先端部41Aと上方基布34のシート前方側周縁部34Fとの間の絞り隙間46を通じて、中間室38内に矢印D方向に供給される。これにより、中間室38の膨張展開タイミングが最上部室40よりも遅くなる。また上方基布34のうち中間室38を構成する部位には、ベントホール44が形成されており、中間室38の膨張展開時に加えて、乗員26の上半身の一部、例えば腹部26Aが中間室38により拘束される際に、該ベントホール44からガスが排出される。これにより、最上部室40よりも低圧に設定されている該中間室38の内圧が更に低下する。
図1において、本実施形態では、サイドエアバッグ16の膨張展開時に、高圧室である下部室28が、乗員26の腰部26Wに対応し、低圧室である上部室30が、乗員26の胸部26C、肩部26S、上腕部26U及び腹部26Aに対応する。また上記したように、下部室28は、上部室30に先行して膨張展開し、かつ下部室28が上部室30よりも高圧となる。従って、下部室28により、車両用シート12に着座した乗員26の腰部26Wを、早期かつ高圧の状態で拘束することができる。しかも、逆止弁24によって下部室28の内圧をより長い時間保持することができるので、側面衝突時における乗員拘束性能をより向上させることができる。
またサイドエアバッグ16の上部室30により、乗員26の胸部26C、肩部26S、上腕部26U及び腹部26Aを拘束することができる。具体的には、上部室30における最上部室40により乗員26の主に胸部26C及び肩部26Sを拘束し、中間室38により、主に腹部26Aを拘束することができる。そして中間室38を最上部室40よりも低圧とすることで、中間室38による腹部26Aに対する拘束力を、最上部室40による肩部26Sや胸部26Cに対する拘束力よりも弱めることができる。
このように、本実施形態に係る車両用サイドエアバッグ装置10では、サイドエアバッグ16の上部室30により、乗員26の上半身の各部を夫々適切な拘束力で拘束することができる。
[第2実施形態]
図8において、本実施の形態に係る車両用サイドエアバッグ装置20は、例えば車両用シート12におけるシートバック14の側部に搭載されるサイドエアバッグ装置に係り、サイドエアバッグ16と、隔壁18と、インフレータ22と、逆止弁24と、ディフューザ62と、を有している。
図8から図10において、サイドエアバッグ16は、下部室28(高圧室)と、該下部室28より低圧となる上部室30(低圧室)とを有している。図13に示されるように、サイドエアバッグ16は、下方基布32及び上方基布34を、その前縁部32G,34Gを中心として夫々車両後方に二つ折りしてから、図14に示されるように、下方基布32の上端部32Uを上方基布34の外側基布34A及び内側基布34Bと夫々縫製し(縫製部S11)、次に図15に示されるように、下方基布32の外側基布32A及び内側基布32Bを夫々上方に捲り上げて、上方基布34の下端34D,34Eを縫製すると共に、図13に示されるように、ディフューザ62のシート前方側の端縁62Fを縫製した後(縫製部S12)、図15に示されるように、捲り上げていた下方基布32の外側基布32A及び内側基布32Bを矢印E方向に戻して、下方基布32の周縁部32C及び上方基布34の周縁部34C(図9,図13)を縫合することで形成されている(縫製部S13)。図10に示されるように、上方基布34のうち、バッグ厚さ方向における両側の縫製部S11で区画された領域が、隔壁18となっている。
なお、縫製部S13における縫製は、周縁部32C,34Cを連続的に縫合することで一度に行うことができるが、これに限られず、別々に行うようにしてもよい。また下部室28は、下方基布32の周縁部32Cを縫製することで形成されるものに限られず、例えば、袋織りにより形成されるものであってもよい。下方基布32は、ディフューザ62が一体的に形成される上方基布34よりも、形状が単純だからである。
図9に示されるように、縫製部S11は、例えば車両前後方向に直線状に設けられており、膨張展開状態のサイドエアバッグ16を側面視したときに、該縫製部S11が延びる方向が、上部室30と下部室28との境界部58となっている。なお、図9,図11に示されるように、サイドエアバッグ16内へのインフレータ22の挿入口56を設けるために、内側基布32B,34Bの縫製部S11のうち、該挿入口56となる範囲について、縫製S11を部分的に省略してもよい。
図11,図13に示されるように、インフレータ22には、シート幅方向内側に延びる例えば2本のスタッドボルト60が立設されている。図13に示されるように、上方基布34には、インフレータ22のスタッドボルト60を通すための貫通孔34Hが形成されている。スタッドボルト60を該貫通孔34Hに通すと共に、図11に示されるように、シートバック14内のシートバックフレーム64に通し、該スタッドボルト60にナット(図示せず)を締結することで、インフレータ22がサイドエアバッグ16と共にシートバックフレーム64に固定されている。
図9において、サイドエアバッグ16内へのインフレータ22の挿入口56を設けても、該挿入口56は、インフレータ22とシートバックフレーム64との間に挟まれるので、該挿入口56からのガスの流出は抑制される。
図8,図9,図11に示されるように、インフレータ22のガス噴出部22Aは、上部室30と下部室28との境界部58より該下部室28側におけるディフューザ62内に位置している。これは、ガス噴出部22Aからインフレータ22の径方向外側に噴出するガスを、ディフューザ62の内壁で受けて、高圧室である下部室28側へ優先的に導くと共に、低圧室である上部室30側へも導くためである。
図9において、内側基布32B,34Bの縫製部S11における縫製を一部省略することで、サイドエアバッグ16にインフレータ22用の挿入口56が設けられていても、図11,図12に示されるように、該挿入口56は、内側基布32B,34Bの重なり領域が、インフレータ22とシートバックフレーム64との間に挟まれることで塞がれるようになっている。
図8,図9,図11から図13において、ディフューザ62は、隔壁18に設けられ、インフレータ22のガス噴出部22Aから噴出したガスを主に高圧室である下部室28側に分配すると共に、低圧室である上部室30側にも分配する部位である。このディフューザ62は、隔壁18のシート後方端部を、下端34D,34Eの位置よりもシート下方側(下部室28側)に延長して、縫製部S12においてシート前方側の端縁62Fを縫製すると共に、縫製部S13において上方基布34の周縁部34Cを縫製することで、下部室28側に向けて凸の筒状に構成されている。ディフューザ62が隔壁18のシート後方端部に設けられているのは、該ディフューザ62内に配置されるインフレータ22が、膨張展開時のサイドエアバッグ16のシート後方端部に位置するシートバックフレーム64に固定されることに対応するものである。図9,図11に示されるように、ディフューザ62には、下部室28に開口した下側開口部62Lと、上部室30に開口した上側開口部62Uとが設けられている。
図8,図9,図10,図11において、逆止弁24は、隔壁18及びディフューザ62に一体的に設けられ、上部室30側から下部室28側へガスが流れることを許容し、該下部室28側から上部室30側へガスが流れることを規制する部位である。具体的には、ディフューザ62の下側開口部62Lが開閉することで、逆止弁24として機能するようになっている。
図11に示されるように、逆止弁24は、インフレータ22の作動時に、該インフレータ22のガス噴出部22Aからディフューザ62内に噴出したガスの圧力によって開くようになっている。一方、図12に示されるように、インフレータ22からのガスの噴出が終わり、高圧室である下部室28から、低圧室である上部室30にガスが逆流しようとすると、逆止弁24は、その圧力によって閉じるようになっている。
ディフューザ62のシート後方側の端縁は、上方基布34の周縁部34Cであり、縫製部S13において下方基布32の周縁部32Cと共縫いされている。これにより、下部室28から上部室30にガスが逆流しようとした際に、逆止弁24(ディフューザ62の下側開口部62L)が上部室30側に反転することを抑制できるようになっている。
図11,図12に示されるように、ディフューザ62を構成する基布のうち上方基布34の内側基布34Bは、該インフレータ22と下方基布32の内側基布32Bとの間に挟まれているため、逆止弁24が閉じる際には、外側基布34Aがより多く変形して内側基布34Bに密着することとなる。従って、逆止弁24が閉じた際に、ディフューザ62を構成する基布の下端同士が同等の高さ位置で密着するように、該ディフューザ62の位置での外側基布34Aの長さは、内側基布34Bよりもシート下方に長く設定されている。
なお、ディフューザ62を構成する基布の長さの設定は、これに限られるものではなく、内側基布34Bの長さをより長くして、外側基布34Aと同等の長さとしてもよい。逆に内側基布34Bの長さを短くし、例えば該内側基布34Bの下端の位置を、下端34E(図13)の位置に留めておき、上方基布34の外側基布34Aと、下方基布32の内側基布32Bとでディフューザ62及び逆止弁24を構成するようにしてもよい。この場合、上方基布34の外側基布34Aが下方基布32の内側基布32Bに密着することで、逆止弁24の機能が発揮される。
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図8から図10において、本実施形態に係る車両用サイドエアバッグ装置20では、上方基布34の一部に隔壁18が一体的に設けられると共に、該隔壁18にディフューザ62及び逆止弁24が一体的に設けられているので、隔壁18、ディフューザ62及び逆止弁24を別途設ける構造と比較して、サイドエアバッグ16の縫製に要するコストを低減すると共に、生産性を向上させることができる。またディフューザ62は、隔壁18のシート後方端部を、下端34D,34Eの位置よりもシート下方側(下部室28側)に延長して構成されているので、構成が簡易である。このため、サイドエアバッグ16を折り畳んでなるパッケージの小型化及び軽量化を図ることができる。
次に、側面衝突時の車両用サイドエアバッグ装置20の作用について説明する。側面衝突時には、第1実施形態と同様に、インフレータ22のガス噴出部22Aから多量のガスが噴出する。本実施形態では、該ガス噴出部22Aがディフューザ62内に配置されていることから、該ガス噴出部22Aから噴出したガスは、該ディフューザ62により分配されて下部室28及び上部室30に供給される。これにより、図8に示されるように、サイドエアバッグ16がシートバック14の側部から膨出し、車両側部(図示せず)と乗員26との間へ膨張展開する。この際、ディフューザ62の逆止弁24により、上部室30側から下部室28側へのガスの流入は許容され、下部室28側から上部室30側へのガスの流出は規制される。
具体的には、図11に示されるように、インフレータ22のガス噴出部22Aからディフューザ62内に噴出したガスの圧力によって、逆止弁24を構成する該ディフューザ62の下側開口部62Lが開く。これにより、ディフューザ62内から下部室28内へ、下側開口部62Lを通じて矢印A方向にガスが供給されて、該下部室28が膨張展開すると共に、ディフューザ62内から上部室30内へ、上側開口部62Uを通じて矢印B方向にガスが供給されて、該上部室30が膨張展開する。
ここで、ディフューザ62は、上部室30と下部室28との境界部58から該下部室28側に向けて凸の筒状に構成され、インフレータ22のガス噴出部22Aは、該ディフューザ62内に配置されているので、ガス噴出部22Aから噴出したガスは、上部室30よりも下部室28に対して優先的に供給される。従って、下部室28の内圧は、上部室30の内圧よりも高圧となる。
次に、図12に示されるように、インフレータ22からのガスの噴出が終わり、高圧室である下部室28から、低圧室である上部室30にガスが逆流しようとすると、逆止弁24(下側開口部62L)が該ガスの圧力によって閉じた状態となる。従って、インフレータ22からのガスの噴出が終了した際に、下部室28の内圧をより長い時間に渡って高圧状態に保持することができる。
逆止弁24を有するディフューザ62のシート後方側の端縁は、上方基布34の周縁部34Cであり、該周縁部34Cは下方基布32の周縁部32Cと縫製されているので、下部室28から上部室30にガスが逆流しようとした際に、逆止弁24(ディフューザ62の下側開口部62L)が上部室30側に反転することは抑制される。このため、下部室28の内圧をより安定的に高圧状態に保持することができる。
上記のようにして膨張展開したサイドエアバッグ16により、乗員26の上半身の各部を適切に拘束することができる。具体的には、図1に示されるように、比較的高圧の下部室28により、車両用シート12に着座した乗員26の腰部26Wを拘束することができ、また比較的低圧の上部室30により、乗員26の胸部26C及び肩部26Sの双方を拘束することができる。しかも、逆止弁24によって下部室28の内圧をより長い時間保持することができるので、側面衝突時における乗員拘束性能をより向上させることができる。
(変形例1)
図16から図18において、変形例1に係るサイドエアバッグ16では、隔壁18及びディフューザ72が、1枚の上方基布34を折ることで形成されている。図17は、上方基布34の展開状態を示す斜視図である。この上方基布34では、外側基布34Aとなる領域と内側基布34Bとなる領域との間に、隔壁18となる領域が設けられ、該隔壁18となる領域のシート後方に、ディフューザ72となる領域が設けられている。図16に示されるように、ディフューザ72となる領域は、図17に示されるように、隔壁18となる領域のシート後方に突出形成されている。なお、隔壁18となる領域の一部もディフューザ72を構成する。
この上方基布34について、外側基布34Aとなる領域及び内側基布34Bとなる領域を、折れ線66,68を中心として夫々矢印U方向に折り、ディフューザ72となる領域を、折れ線70を中心として矢印L方向に折ると、図18に示される状態となる。この状態から、隔壁18となる領域を、折れ線74を中心としてシート上方側(上部室30側)に凸に折ると共に、ディフューザ72となる領域を、折れ線74に連なる折れ線76を中心としてシート前方側に凸に折ると、図16に示される状態となる。
このとき、折れ線70が消失し、隔壁18となる領域の一部が、折れ線78を中心として折れることで、ディフューザ72が形成される。ディフューザ72のシート後方側の端縁77は、下方基布32の周縁部32Cに挟み込まれて、縫製部S13において共縫いされる。これにより、ディフューザ72が筒状となる。なお、折れ線70は、ディフューザ72を形成する過程で消失するので、図17において、ディフューザ72となる領域を、折れ線70を中心として矢印L方向に折る工程を省略してもよい。
図16において、下方基布32は、例えば外側基布32Aと内側基布32Bとに夫々独立しており、外側基布32Aの上端部32Uは、上方基布34における外側基布34Aの下端34Dに、縫製部S11において縫製される。また内側基布32Bの上端部32Uは、上方基布34における内側基布34Bの下端34Eに、縫製部S11において縫製される。
(変形例2)
図19,図20において、変形例2に係るサイドエアバッグ16では、隔壁18及びディフューザ72が、1枚の下方基布32を折ることで形成されている。この下方基布32では、外側基布32Aとなる領域と内側基布32Bとなる領域との間に、隔壁18となる領域が設けられ、該隔壁18となる領域のシート後方に、ディフューザ72となる領域が設けられている。図20に示されるように、このディフューザ72となる領域は、隔壁18となる領域のシート後方に突出形成されている。なお、隔壁18となる領域の一部もディフューザ72を構成する。
図20に示されるように、下方基布32について、外側基布32Aとなる領域及び内側基布32Bとなる領域を、折れ線86,88を中心として夫々矢印L方向に折り、隔壁18となる領域を、折れ線94を中心としてシート上方側(上部室30側)に凸に折ると共に、ディフューザ72となる領域を、折れ線90,92を中心として矢印L方向かつシート前方側に凸に折ると、図19に示される状態となる。ディフューザ72のシート後方側の端縁97は、下方基布32の周縁部32Cに挟み込まれて、縫製部S13において共縫いされる。これにより、ディフューザ72が筒状となる。
図19において、上方基布34は、外側基布34Aと内側基布34Bとが夫々別体となっており、外側基布34Aの下端34Dは、下方基布32における外側基布32Aの折れ線86付近に位置する上端部32Uに、縫製部S11において縫製される。また内側基布34Bの下端34Eは、下方基布32における内側基布32Bの折れ線88付近に位置する上端部32Uに、縫製部S11において縫製される。
(変形例3)
図21,図22において、変形例3に係るサイドエアバッグ16では、隔壁18が、下方基布32(高圧室用基布)のうち、車両用シート12(図8参照)のシート幅方向外側に位置する外側基布32A(高圧室用外側基布)の上部室30側の端部98を、下方基布32のうちシート幅方向内側に位置する内側基布32B(高圧室用内側基布)に縫製することで形成されている。
具体的には、下方基布32は、外側基布32Aと内側基布32Bとが夫々別体となっており、該外側基布32Aのうち隔壁18となる領域を、折れ線100,102,104を中心として、上部室30側に凸となるように折り、縫製部S11において端部98を内側基布32Bの内面に縫製することで、隔壁18が形成されている。
また逆止弁24及びディフューザ96は、サイドエアバッグ16内のシート後方側において、外側基布32Aの上部室30側の端部98に該上部室30側への延長部106を設けておき、該延長部106を下部室28側に折り返し、該延長部106のシート前方側の端縁108を、下方基布32(高圧室用基布)のうちシート幅方向内側に位置する内側基布32B(高圧室用内側基布)に対して、縫製部S14において縫製し、延長部106のシート後方側の端縁110を、内側基布32Bに対して、縫製部S13において縫製することで形成される。
即ち、逆止弁24及びディフューザ96は、外側基布32Aの延長部106と内側基布32Bとにより構成され、該ディフューザ96内にインフレータ22のガス噴出部22Aが配置される。なお、外側基布32Aにおける延長部106の折返しは、隔壁18となる領域を折れ線100,102,104で折り返すことに伴い完了する。
図21において、上方基布34は、外側基布34Aと内側基布34Bとが夫々別体となっており、外側基布34Aの下端34Dは、下方基布32における外側基布32Aの折れ線100付近に位置する上端部32Uに、縫製部S11において縫製される。同様に、内側基布34Bの下端34Eは、下方基布32における内側基布32Bの上端部32Uに、縫製部S11において縫製される。従って、内側基布32Bの上端部32Uに対する、外側基布32Aの端部98及び上方基布34の下端34Eの縫製は、縫製部S11において一度に行われる。
なお、ディフューザ96は、下部室28及び上部室30に連通する必要があるため、内側基布32Bに対する外側基布32Aの端部98の縫製の際には、縫製部S11によりディフューザ96が塞がれないようにする必要がある。その一方で、下方基布32の内側基布32Bと上方基布34の内側基布34Bとの縫製部S11からのガス漏れは、抑制されるべきである。従って、各部を縫製部S11において一度に縫製することが難しい場合には、下方基布32の内側基布32Bに対する上方基布34の内側基布34Bの縫製を、該内側基布32Bに対する外側基布32Aの端部98の縫製と別に行ってもよい。
(変形例4)
図23において、変形例4に係るサイドエアバッグ16では、隔壁18が、上方基布34(低圧室用基布)のうち車両用シート12(図8)のシート幅方向外側に位置する外側基布34A(低圧室用外側基布)の下部室28側の端部112を、該上方基布34のうちシート幅方向内側に位置する内側基布34B(低圧室用内側基布)に縫製することで形成されている。
上方基布34は、外側基布34Aと内側基布34Bとが夫々別体となっており、下方基布32も、外側基布32Aと内側基布32Bとが夫々別体となっている。上方基布34は、外側基布34Aのうち隔壁18となる領域を、折れ線114,116の位置において、下部室28側に凸となるように折り、縫製部S11において該端部112を内側基布34Bの下端34Eに縫製することで、隔壁18が形成されている。
また逆止弁24及びディフューザ126は、サイドエアバッグ16内のシート後方側において、外側基布34Aの下部室28側の端部112に該下部室28側への延長部118を設けておき、該延長部118のシート前方側の端縁122を、下方基布32(高圧室用基布)のうちシート幅方向内側に位置する内側基布32B(高圧室用内側基布)に対して、縫製部S14において縫製し、延長部118におけるシート後方側の端縁124を、該内側基布32Bに対して、縫製部S13において縫製することで形成される。即ち、逆止弁24及びディフューザ126は、外側基布32Aの延長部118と内側基布32Bとにより構成されている。
なお、隔壁18が下部室28側に凸となるように折られていることから、延長部118が設けられる端部112は上部室30側に向いている。従って、延長部118は、隔壁18に対して、端部112に連なる折れ線120を中心として下部室28側に折られている。
外側基布34Aの下端34Dは、下方基布32における外側基布32Aの上端部32Uに、縫製部S11において縫製される。同様に、内側基布34Bの下端34Eは、下方基布32における内側基布32Bの上端部32Uに、縫製部S11において縫製される。従って、内側基布32Bの上端部32Uに対する、外側基布32Aの端部112及び上方基布34の下端34Eの縫製は、縫製部S11において一度に行われる。
なお、ディフューザ126は、下部室28及び上部室30に連通する必要があるため、内側基布34Bに対する外側基布34Aの端部112の縫製の際には、縫製部S11によりディフューザ126が塞がれないようにする必要がある。その一方で、下方基布32の内側基布32Bと上方基布34の内側基布34Bとの縫製部S11からのガス漏れは、抑制されるべきである。従って、各部を縫製部S11において一度に縫製することが難しい場合には、下方基布32の内側基布32Bに対する上方基布34の内側基布34Bの縫製を、該内側基布32Bに対する外側基布34Aの端部112の縫製と別に行ってもよい。
上記した変形例3及び変形例4によれば、ディフューザ96,126を形成するために必要な基布の使用量を少なくすることができるので、更にコストを低減でき、またサイドエアバッグ16の折畳み寸法(パッケージ寸法)をより小さく、軽量にすることができる。
(他の実施形態)
各実施形態においてサイドエアバッグ16が、高圧室としての下部室28と、低圧室としての上部室30を有する2室構造であるものとしたが、高圧室及び低圧室の配置はこれに限られるものではない。例えば、低圧室としての上部室30の車両上側に、高圧室として乗員26の肩部26Sに対応する最上部室(図示せず)を更に設けることで、サイドエアバッグ16を3室構造としてもよい。この場合、最上部室側にも、ディフューザ及び逆止弁が設けられる(図示せず)。このディフューザは、上記実施形態におけるディフューザ36,62,72,96を、上下反転させて配置することで、容易に設けることができる。
また図1,図8において、車両用サイドエアバッグ装置10,20は、車両用シート12に搭載されるものに限られず、例えば車両側部のトリム内に搭載されるものであってもよい。
(符号の説明)
10 車両用サイドエアバッグ装置
12 車両用シート
16 サイドエアバッグ
18 隔壁
20 車両用サイドエアバッグ装置
22 インフレータ
22A ガス噴出部
24 逆止弁
28 下部室(高圧室)
30 上部室(低圧室)
32 下方基布(高圧室用基布)
32A 外側基布(高圧室用外側基布)
32B 内側基布(高圧室用内側基布)
34 上方基布(低圧室用基布)
34A 外側基布(低圧室用外側基布)
34B 内側基布(低圧室用内側基布)
36 ディフューザ
62 ディフューザ
72 ディフューザ
96 ディフューザ
98 高圧室用外側基布の低圧室側の端部
106 延長部
108 シート前方側の端縁
110 シート後方側の端縁
112 低圧室用外側基布の高圧室側の端部
118 延長部
122 シート前方側の端縁
124 シート後方側の端縁
126 ディフューザ

Claims (5)

  1. 膨張展開時に高圧側となる高圧室と該高圧室より低圧となる低圧室とを有し、側面衝突時に前記高圧室及び前記低圧室が夫々膨張展開するサイドエアバッグと、
    前記高圧室を構成する高圧室用基布又は前記低圧室を構成する低圧室用基布のうち車両用シートのシート幅方向外側に位置する外側基布の端部とシート幅方向内側に位置する内側基布の端部とを縫製することで形成され、前記高圧室と前記低圧室とを区画する隔壁と、
    側面衝突時にガス噴出部から膨張用のガスを噴出して前記サイドエアバッグ内に供給するインフレータと、
    前記隔壁に一体的に設けられ、前記サイドエアバッグ内のシート後方側において、前記外側基布及び前記内側基布の少なくとも一方を前記高圧室側に延長することで形成され、前記インフレータの前記ガス噴出部から噴出したガスが前記低圧室から前記高圧室へ流れることを許容し、その逆方向へガスが流れることを規制する逆止弁と、
    を有する車両用サイドエアバッグ装置。
  2. 膨張展開時に高圧側となる高圧室と該高圧室より低圧となる低圧室とを有し、側面衝突時に前記高圧室及び前記低圧室が夫々膨張展開するサイドエアバッグと、
    前記高圧室を構成する高圧室用基布のうち車両用シートのシート幅方向外側に位置する高圧室用外側基布の前記低圧室側の端部を、該高圧室用基布のうちシート幅方向内側に位置する高圧室用内側基布に縫製することで形成され、前記高圧室と前記低圧室とを区画する隔壁と、
    側面衝突時にガス噴出部から膨張用のガスを噴出して前記サイドエアバッグ内に供給するインフレータと、
    前記隔壁に一体的に設けられ、前記サイドエアバッグ内のシート後方側において、前記高圧室用外側基布の前記低圧室側の前記端部に該低圧室側への延長部を設けておき、該延長部を前記高圧室側に折り返し、該延長部におけるシート前方側の端縁とシート後方側の端縁とを、前記高圧室用基布のうちシート幅方向内側に位置する高圧室用内側基布に対して夫々縫製することで形成され、前記インフレータの前記ガス噴出部から噴出したガスが前記低圧室から前記高圧室へ流れることを許容し、その逆方向へガスが流れることを規制する逆止弁と、
    を有する車両用サイドエアバッグ装置。
  3. 膨張展開時に高圧側となる高圧室と該高圧室より低圧となる低圧室とを有し、側面衝突時に前記高圧室及び前記低圧室が夫々膨張展開するサイドエアバッグと、
    前記低圧室を構成する低圧室用基布のうち車両用シートのシート幅方向外側に位置する低圧室用外側基布の前記高圧室側の端部を、該低圧室用基布のうちシート幅方向内側に位置する低圧室用内側基布に縫製することで形成され、前記高圧室と前記低圧室とを区画する隔壁と、
    側面衝突時にガス噴出部から膨張用のガスを噴出して前記サイドエアバッグ内に供給するインフレータと、
    前記隔壁に一体的に設けられ、前記サイドエアバッグ内のシート後方側において、前記低圧室用外側基布の前記高圧室側の前記端部に該高圧室側への延長部を設けておき、該延長部におけるシート前方側の端縁とシート後方側の端縁とを、前記高圧室用基布のうちシート幅方向内側に位置する高圧室用内側基布に対して夫々縫製することで形成され、前記インフレータの前記ガス噴出部から噴出したガスが前記低圧室から前記高圧室へ流れることを許容し、その逆方向へガスが流れることを規制する逆止弁と、
    を有する車両用サイドエアバッグ装置。
  4. 前記隔壁に、前記インフレータの前記ガス噴出部から噴出したガスを主に前記高圧室側に分配すると共に前記低圧室側にも分配するディフューザが一体的に設けられている請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両用サイドエアバッグ装置。
  5. 前記高圧室用基布の内面に、気密性を高めるためのコーティングが施されている請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車両用サイドエアバッグ装置。
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