JP5141674B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

エアバッグ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5141674B2
JP5141674B2 JP2009279479A JP2009279479A JP5141674B2 JP 5141674 B2 JP5141674 B2 JP 5141674B2 JP 2009279479 A JP2009279479 A JP 2009279479A JP 2009279479 A JP2009279479 A JP 2009279479A JP 5141674 B2 JP5141674 B2 JP 5141674B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
portions
airbag
coupling
inflating
peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009279479A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011121431A (ja
Inventor
喜明 後藤
祐司 佐藤
健作 本田
幸史 柴山
大輔 山村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Gosei Co Ltd filed Critical Toyoda Gosei Co Ltd
Priority to JP2009279479A priority Critical patent/JP5141674B2/ja
Publication of JP2011121431A publication Critical patent/JP2011121431A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5141674B2 publication Critical patent/JP5141674B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Air Bags (AREA)

Description

本発明は、エアバッグをガスによって膨張させて、乗員、歩行者等を衝撃から保護するエアバッグ装置に関するものである。
衝突等により車両に衝撃が加わった場合に乗員をその衝撃から保護する装置としてエアバッグ装置が有効である。このエアバッグ装置は、布により袋状に形成されたエアバッグと、そのエアバッグ内にガスを供給するインフレータとを備えている。
また、こうしたエアバッグ装置のうち、例えば、側突等による衝撃から乗員を保護する、いわゆるサイドエアバッグ装置としては、上記エアバッグがインフレータとともに車両用シートのシートバック(背もたれ)に組み込まれたものがよく知られている。このサイドエアバッグ装置では、車両のボディサイド部に側方から衝撃が加わると、インフレータからガスがエアバッグ内に供給される。このガスによりエアバッグが膨張展開し、一部をシートバック内に残した状態で車両用シートから飛び出す。このエアバッグは、飛び出した後も、車両用シートに着座した乗員とボディサイド部との間の狭い空間において、前方へ向けて膨張展開する。膨張展開したエアバッグが、乗員と車内側へ進入してくるボディサイド部との間に介在して、衝撃のエネルギーを吸収し、乗員を保護する。
ここで、一般に、人体側部の耐衝撃性については、腰部の方が胸部よりも勝っていることが知られている。このため、胸部から腰部にわたる部位について乗員を保護するサイドエアバッグ装置の場合、エアバッグの膨張展開によって乗員に作用する衝撃は、胸部において腰部よりも小さいことが望ましい。
そこで、サイドエアバッグ装置の一態様として、エアバッグ内を区画部により、胸部保護膨張部及び腰部保護膨張部に区画し、インフレータからのガスを、腰部保護膨張部に対し胸部保護膨張部よりも多く供給して、高い内圧で膨張展開させるようにしたものが開発されている。例えば、特許文献1では、織布等の帯状の布からなり、かつエアバッグの車内側布部と車外側布部との間に架け渡されたテザーが区画部として用いられている。この架け渡しに際しては、テザーを構成する帯状の布の車内側縁部が、エアバッグの車内側布部に縫合され、車外側縁部が同エアバッグの車外側布部に縫合される。
このサイドエアバッグ装置によれば、乗員の側部において耐衝撃性の高い腰部の車外側近傍では、腰部保護膨張部が高い内圧で膨張展開し、耐衝撃性の低い胸部の車外側近傍では、胸部保護膨張部が腰部保護膨張部よりも低い内圧で膨張展開する。このようにして、乗員側部の耐衝撃性に即した圧力分布でエアバッグが膨張展開し、乗員の各部(腰部及び胸部)が側突による衝撃から効果的に保護される。
さらに、上記特許文献1では、両保護膨張部間に逆止弁が設けられている。この逆止弁は、一旦高くなった腰部保護膨張部の内圧が、ガスの胸部保護膨張部への流入(逆流)によって低くなって、両膨張部間の内圧差が小さくなるのを抑制するためのものである。特許文献1では、逆止弁は、テザーを構成する帯状の布の一部を腰部保護膨張部側へ略直角に折り曲げることによって筒状に形成されている。この筒状の逆止弁が、腰部保護膨張部内のガスの圧力を受けて偏平な状態となって閉弁する。この閉弁により、腰部保護膨張部内のガスが逆止弁を通って胸部保護膨張部側へ逆流することが規制される。
独国特許出願公開第102009005834号明細書
ところが、特許文献1に記載された逆止弁は、上述したように、エアバッグの膨張度合とは関係なく、専ら腰部保護膨張部内のガスの圧力に応じて作動する。このため、例えば、腰部保護膨張部の膨張途中に、エアバッグによる乗員の拘束が始まって、想定するよりも早い段階で腰部保護膨張部の内圧が高くなった場合等には、腰部保護膨張部が充分膨張していないのに逆止弁が閉じてしまう。その結果、腰部保護膨張部は、所望の大きさ(幅)に膨張することができず、乗員拘束力を充分発揮できないおそれがある。
こうした問題は、サイドエアバッグ装置に拘らず、複数の膨張部を有し、隣合う膨張部間に上記の構成を有する逆止弁を設けたエアバッグ装置に共通する。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、膨張部の膨張途中で逆止弁が閉弁するのを抑制し、エアバッグに乗員拘束力を充分に発揮させることのできるエアバッグ装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、一対の布部の周縁部を周縁結合部により結合してなるエアバッグ内の少なくとも一部が、一対の構成布部を有するテザーにより、連通路を介して相互に連通させられた状態で2つの膨張部に区画され、前記両膨張部の一方が、インフレータからガスが供給される第1膨張部をなし、他方が、前記連通路を通じて前記ガスが供給される第2膨張部をなし、さらに、前記連通路には、前記第2膨張部から前記第1膨張部への前記ガスの流入を弁部にて規制する逆止弁が設けられたエアバッグ装置であって、前記両構成布部は、各外側縁部に沿って設けられた外結合部により対応する前記布部に結合され、かつ前記周縁結合部により前記両布部に結合され、さらに、前記両外結合部よりも前記第2膨張部側で各内側縁部に沿って設けられた内結合部により相互に結合され、前記内結合部の前記周縁結合部側の端部が同周縁結合部から離間されるとともに、前記両外結合部が前記周縁結合部と交差させられ、前記両構成布部の各々は、前記内結合部の前記周縁結合部側の前記端部のうち前記両外結合部及び前記周縁結合部の交点に最も接近した最接近点と、前記周縁結合部との間であって、かつ、前記エアバッグの膨張に伴い互いに緊張した状態で線接触する箇所を前記弁部として有することを要旨とする。
上記の構成によれば、インフレータからのガスは、まずエアバッグ内の第1膨張部に供給され、その一部が第1膨張部の膨張に供される。また、上記インフレータからのガスの一部は、エアバッグ内の連通路に設けられた逆止弁を通じて第2膨張部に供給され、同第2膨張部の膨張に供される。このガスの供給により、各膨張部は曲率の大きな曲面状に膨張しようとする。この膨張に伴い、エアバッグを構成する一対の布部の間隔が拡がる。
一方、テザーを構成する一対の構成布部は、ともに周縁結合部によってエアバッグの両布部に結合され、各構成布部の外側縁部は外結合部によって対応する布部に結合されている。これに対し、両構成布部の内側縁部は内結合部によって相互に結合されているにすぎない。従って、上記のようにエアバッグの膨張に伴い両布部の間隔が拡がると、両構成布部では、周縁結合部による両布部との結合部分の近傍でも、外結合部による布部との結合部分の近傍でも変形が規制される。各構成布部は、専ら上記の結合部分とは異なる箇所において変形する。そして、この変形に伴い、各構成布部において、外結合部よりも第2膨張部側に位置する内結合部の最接近点が、両外結合部と周縁結合部との交点に近づこうとする。しかし、最接近点の周縁結合部との間隔と、内結合部及び各外結合部間の間隔との関係から、上記最接近点が第2膨張部側へ引っ張られ、交点に合致することがない。最接近点は交点に近づこうとするが、あるところまでしか接近できず、両者の間にギャップが生ずる。
そのため、テザーでは、内結合部の最接近点と周縁結合部との間の構成布部毎の弁部がテンションのかかった状態で互いに線接触する。この線接触により、両弁部が閉塞状態となって、第2膨張部内のガスが両構成布部間を通って第1膨張部側へ流れる現象が規制される。このようにして、逆止弁の弁部が、各膨張部の内圧によらず、同膨張部の膨張により自立的に閉塞する。
なお、両弁部は、インフレータからのガスの勢いが充分強いガス供給期間の初期〜半ばにかけては、充分な抗力を有さないため、各膨張部が膨張してテザーの両構成布部が緊張しても、ガスの供給自体を完全に抑止することはない。
逆止弁の弁部は、インフレータからのガスの供給が終わりかけてエアバッグ40が膨張状態(展開完了状態)となった際に閉塞状態となる。従って、その後に、第2膨張部の内圧が高まれば、上述した自立的な閉塞に加えて、一般的な構造の逆止弁と同様に、両弁部が潰れて互いに密着することで逆止弁としての機能が維持される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記弁部の前記周縁結合部側の端部は、前記内結合部の前記最接近点と前記交点とを結ぶ線分の垂直二等分線が同周縁結合部と交わる箇所であり、前記周縁結合部による前記両構成布部の前記第2膨張部側の結合端が、前記弁部の前記周縁結合部側の前記端部よりも前記第2膨張部側に位置することを要旨とする。
上記の構成によれば、エアバッグの各膨張部が膨張すると、両布部の間隔が拡がって、テザーの両構成布部が変形する。この変形に伴い、各構成布部において、外結合部よりも第2膨張部側に位置する内結合部の最接近点が、弁部の周縁結合部側の端部を中心とし、かつ最接近点を通る円弧に沿って移動して、両外結合部と周縁結合部との交点に近づこうとする。
しかし、周縁結合部による両構成布部の第2膨張部側の結合端は、弁部の周縁結合部側の端部よりも第2膨張部側に位置する。最接近点は、上記結合端を中心とし、かつ最接近点を通る円弧に沿って移動して交点に近づこうとする。後者の円弧の中心(結合端)が、前者の円弧の中心(弁部の周縁結合部側の端部)よりも第2膨張部側へずれていることから、最接近点は第2膨張部側へ引っ張られ、交点に合致することがない。最接近点は交点に近づこうとするが、あるところまでしか接近できず、両者の間にギャップが生ずる。このギャップにより、テザーでは、内結合部の最接近点と周縁結合部との間の構成布部毎の弁部がテンションのかかった状態で互いに線接触して閉塞状態となる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記最接近点と前記周縁結合部との間隔が、前記内結合部と前記各外結合部との間隔以下であるときには、前記両構成布部は、前記内側縁部よりも前記第1膨張部側の部分のみにより構成されることを要旨とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記最接近点と前記周縁結合部との間隔が、前記内結合部と前記各外結合部との間隔よりも大きいときには、前記両構成布部は、前記内側縁部よりも前記第1膨張部側の部分に加え、同内側縁部よりも前記第2膨張部側へ延出する延出部を備えることを要旨とする。
ここで、最接近点と周縁結合部との間隔が、内結合部と各外結合部との間隔以下であるときには、弁部の周縁結合部側の端部(垂直二等分線が周縁結合部と交わる箇所)は、最接近点よりも第1膨張部側に位置する。従って、請求項3に記載の発明によるように、両構成布部は、構成布部の内側縁部よりも第1膨張部側の部分のみによって構成されても、弁部が構成布部に存在し、両構成布部が弁部において相互に線接触して閉塞し、請求項2に記載の発明の効果が得られる。この場合には、弁部を構成布部に存在させるために、同構成布部が不要に大きくなることがない。
これに対し、最接近点と周縁結合部との間隔が、内結合部と各外結合部との間隔よりも大きいときには、弁部の周縁結合部側の端部(垂直二等分線が周縁結合部と交わる箇所)は、最接近点よりも第2膨張部側に位置する。従って、請求項4に記載の発明によるように、両構成布部として、構成布部の内側縁部よりも第1膨張部側の部分に加え、同内側縁部よりも第2膨張部側へ延出する延出部を備えるものを用いれば、弁部を構成布部に存在させ、両構成布部を弁部において相互に線接触させて閉塞させることが可能となり、請求項2に記載の発明の効果が得られる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の発明において、前記テザーの前記両構成布部は、可撓性を有する一対の布片により構成されており、前記各外結合部は、前記各構成布部の前記外側縁部を前記布部に縫合する糸により構成され、前記内結合部は、前記両構成布部の前記内側縁部同士を縫合する糸により構成されていることを要旨とする。
上記の構成によれば、可撓性を有する一対の構成布部の外側縁部をエアバッグの対応する布部に縫合するとともに、内側縁部同士を互いに縫合するといった簡単な構成で、両布部間にテザーを架け渡しつつ、弁部を有する逆止弁を形成することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1つに記載の発明において、前記第1膨張部は、車両用シートに着座した乗員の胸部の車外側近傍で膨張し、前記第2膨張部は、前記乗員の腰部の車外側近傍で、前記第1膨張部よりも高い内圧で膨張するものであることを要旨とする。
上記の構成によれば、第2膨張部が高い内圧で膨張し、乗員の側部のうち耐衝撃性の比較的高い部位である腰部に接触する。また、第1膨張部が第2膨張部よりも低い内圧で膨張し、乗員の側部のうち耐衝撃性の比較的低い部位である胸部に接触する。このように、各膨張部が乗員側部に対し、耐衝撃性に即した圧力分布で膨張して接触することにより、腰部及び胸部が衝撃から効果的に保護される。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1つに記載の発明において、前記第1膨張部は、車両用シートに着座した乗員の胸部の車外側近傍で膨張し、前記第2膨張部は、前記乗員の肩部の車外側近傍で、前記第1膨張部よりも高い内圧で膨張するものであることを要旨とする。
上記の構成によれば、第2膨張部が高い内圧で膨張し、乗員の側部のうち耐衝撃性の比較的高い部位である肩部に接触する。また、第1膨張部が第2膨張部よりも低い内圧で膨張し、乗員の側部のうち耐衝撃性の比較的低い部位である胸部に接触する。このように、各膨張部が乗員側部に対し、耐衝撃性に即した圧力分布で膨張して接触することにより、肩部及び胸部が衝撃から効果的に保護される。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1つに記載の発明において、前記第1膨張部は、車両用シートに着座した乗員の胸部の車外側近傍で膨張し、前記第2膨張部は、前記乗員の腰部の車外側近傍と、同乗員の肩部の車外側近傍とで、前記第1膨張部よりも高い内圧でそれぞれ膨張するものであることを要旨とする。
上記の構成によれば、各第2膨張部が高い内圧で膨張し、乗員の側部のうち耐衝撃性の比較的高い部位である腰部及び肩部にそれぞれ接触する。また、第1膨張部が両第2膨張部よりも低い内圧で膨張し、乗員の側部のうち耐衝撃性の比較的低い部位である胸部に接触する。このように、各膨張部が乗員側部に対し、耐衝撃性に即した圧力分布で膨張して接触することにより、腰部、肩部及び胸部が衝撃から効果的に保護される。
本発明のエアバッグ装置によれば、膨張部の膨張途中で逆止弁が閉弁するのを抑制し、同膨張部を充分に膨張させて、エアバッグに乗員拘束力を充分に発揮させることができる。
本発明をサイドエアバッグ装置に具体化した一実施形態を示す図であり、サイドエアバッグ装置が設けられた車両用シートを乗員とともに示す側面図。 車両用シート及びボディサイド部の位置関係を、乗員及びエアバッグとともに示す正断面図。 同じく、車両用シート及びボディサイド部の位置関係を、乗員及びエアバッグとともに示す平断面図。 エアバッグが非膨張展開状態にされたエアバッグモジュールを、車両用シート及び乗員とともに示す側面図。 エアバッグが非膨張展開状態にされたエアバッグモジュールの内部構造を、車両用シート及び乗員とともに示す側断面図。 図5中の逆止弁について、各部の寸法関係を説明する部分側断面図。 図6の逆止弁について、各点A〜Eの位置関係を説明する部分側断面図。 図4中の逆止弁を斜め前方から見た状態を示す部分斜視図。 図8の逆止弁を車幅方向中央部で分離した状態で示す部分斜視図。 シートバックの収納部に組み込まれたエアバッグモジュールを、ボディサイド部とともに示す部分平断面図。 図10の状態から、エアバッグが一部を収納部に残してシートバックから飛び出して膨張展開した状態を示す部分平断面図。 (A)は図8のQ−Q線に沿ったエアバッグ及びテザーの断面構造を示す部分断面図、(B)は、(A)のエアバッグが膨張する過程で、テザーが緊張する状態を示す部分断面図。 (A)は図8のR−R線に沿ったエアバッグ及び逆止弁の断面構造を示す部分断面図、(B)は、(A)のエアバッグが膨張する過程で、逆止弁の弁部が開いた状態を示す部分断面図。 両弁部が閉塞したときの逆止弁を、車幅方向中央部で分離した状態で示す部分斜視図。 逆止弁の別例を示す図であり、図6に対応して各部の寸法関係を説明する部分側断面図。 図15の逆止弁について、各点A〜Eの位置関係を説明する部分側断面図。 逆止弁の別例を示す図であり、図6に対応して各部の寸法関係を説明する部分側断面図。 図17の逆止弁について、各点A〜Eの位置関係を説明する部分側断面図。 サイドエアバッグ装置の別例を示す図であり、図4に対応して、エアバッグが非膨張展開状態にされたエアバッグモジュールを乗員とともに示す側面図。 同じく、サイドエアバッグ装置の別例を示す図であり、図4に対応して、エアバッグが非膨張展開状態にされたエアバッグモジュールを乗員とともに示す側面図。
以下、本発明のエアバッグ装置を、車両に搭載されたサイドエアバッグ装置に具体化した一実施形態について、図1〜図14を参照して説明する。
なお、以下の記載において、車両の前進方向を前方(車両前方)として説明し、車両の後進方向を後方(車両後方)として説明する。また、以下の記載における上下方向は車両の上下方向を意味し、左右方向は車両の車幅方向であって車両前進時の左右方向と一致するものとする。
図1〜図3の少なくとも1つに示すように、車両10においてボディサイド部11の車内側(図2の右側、図3の上側)の近傍には車両用シート12が配置されている。ここで、ボディサイド部11とは、車両10の側部に配置された部材を指し、主としてドア、ピラー等がこれに該当する。例えば、前席に対応するボディサイド部11は、フロントドア、センターピラー(Bピラー)等である。また、後席に対応するボディサイド部11は、サイドドア(リヤドア)の後部、Cピラー、タイヤハウスの前部、リヤクォータ等である。
車両用シート12は、シートクッション(座部)13と、そのシートクッション13の後側から起立し、かつ傾き調整機構(図示略)により傾斜角度が調整されるシートバック(背もたれ部)14とを備えている。
次に、シートバック14における車外側の側部の内部構造について説明する。
シートバック14内には、その骨格をなすシートフレームが配置されている。シートフレームの一部は、図10に示すように、シートバック14内の車外側(図10の下側)部分に配置されており、この部分(以下「サイドフレーム部15」という)は、金属板を曲げ加工することによって形成されている。サイドフレーム部15を含むシートフレームの前側には、ウレタンフォーム等の弾性材からなるシートパッド16が配置されている。また、シートフレームの後側には、合成樹脂等によって形成された硬質のバックボード17が配置されている。なお、シートパッド16は表皮によって被覆されているが、図10ではその表皮の図示が省略されている。後述する図11についても同様である。
シートパッド16内において、サイドフレーム部15の車外側近傍には収納部18が設けられている。収納部18の位置は、車両用シート12に着座した乗員Pの斜め後方近傍となる(図3参照)。この収納部18には、サイドエアバッグ装置の主要部をなすエアバッグモジュールAMが組み込まれている。
収納部18の車外側かつ前側の角部からは、斜め前車外側に向けてスリット19が延びている。シートパッド16の前側の角部16Cとスリット19とによって挟まれた箇所(図10において二点鎖線で囲んだ箇所)は、エアバッグ40によって破断される破断予定部21を構成している。
上記シートバック14に組み込まれるエアバッグモジュールAMは、図4、図5及び図10の少なくとも1つに示すように、インフレータアセンブリ30、エアバッグ40、テザー50及び逆止弁60を主要な構成部材として備えている。なお、図4は、エアバッグ40がガスGを充填させることなく展開させられた状態のエアバッグモジュールAMを示している。エアバッグモジュールAMのこの状態を「非膨張展開状態」というものとする。図5は、非膨張展開状態のエアバッグモジュールAMの内部構造を示している。
次に、これらの構成部材の各々について説明する。ここで、本実施形態では、エアバッグモジュールAM及びその構成部材について「上下方向」、「前後方向」というときは、車両用シート12のシートバック14を基準としている。シートバック14の起立する方向を「上下方向」とし、この方向に対し車両10の略前後方向に直交する方向を「前後方向」としている。通常、シートバック14は傾斜した状態で使用されることから、「上下方向」は厳密には鉛直方向ではなく、多少傾斜している。同様に、「前後方向」は厳密には水平方向ではなく、多少傾斜している。
<インフレータアセンブリ30>
インフレータアセンブリ30は、ガス発生器としてのインフレータ31と、そのインフレータ31を外側から覆うリテーナ32とを備えている。本実施形態では、インフレータ31として、パイロタイプと呼ばれるタイプが採用されている。インフレータ31は略円柱状をなしており、その内部には、ガスを発生するガス発生剤(図示略)が収容されている。インフレータ31の長さ方向についての一方の端部(本実施形態では下端部)には、ガス発生剤によって発生されたガスGを噴出するガス噴出部(図示略)が設けられ、他方の端部には、同インフレータ31への指令信号の印加配線となるハーネス(図示略)が接続されている。
なお、インフレータ31としては、上記ガス発生剤を用いたパイロタイプに代えて、高圧ガスの充填された高圧ガスボンベの隔壁を火薬等によって破断してガスを噴出させるタイプ(ハイブリッドタイプ)が用いられてもよい。
一方、リテーナ32は、ディフューザとして機能するとともに、上記インフレータ31をエアバッグ40と一緒にサイドフレーム部15(図10参照)に締結する機能を有する部材である。リテーナ32の大部分は、金属板等の板材を曲げ加工等することによって略筒状に形成されている。リテーナ32は、例えばこれが縮径するようにかしめられることにより、インフレータ31に係止されている。リテーナ32において、ガス噴出部に対応する箇所には窓部(図示略)が設けられており、同ガス噴出部から噴出されたガスGの多くが、この窓部を通じてリテーナ32の外部へ噴き出される。
リテーナ32には、これを上記サイドフレーム部15に取付けるための係止部材として、複数本のボルト33が固定されている。表現を変えると、複数本のボルト33が、リテーナ32を介してインフレータ31に間接的に固定されている。
なお、インフレータアセンブリ30は、インフレータ31とリテーナ32とが一体になったものであってもよい。
<エアバッグ40>
図1〜図3の少なくとも1つに示すように、エアバッグ40は、車両10の走行中等に側突等により衝撃が同車両10の外側方からボディサイド部11に加わったときに、インフレータ31からガスGの供給を受ける。このガスGにより、エアバッグ40は、自身の一部(後部)を収納部18内に残した状態で同収納部18から略前方へ向けて飛び出す(図3参照)。そして、エアバッグ40は、車両用シート12及びボディサイド部11間の隙間G1で膨張展開することにより乗員Pを拘束して上記衝撃から保護する。
エアバッグ40は、互いに同一形状をなす一対の布部を車幅方向に重ね合わせ、両布部を袋状となるように結合させることにより形成されている。ここでは、両布部を区別するために、車内側に位置するものを車内側布部41といい、車外側に位置するものを車外側布部42というものとする。
上記布部41,42としては、強度が高く、かつ可撓性を有していて容易に折り畳むことのできる素材、例えばポリエステル糸やポリアミド糸等を用いて形成した織布等が適している。両布部41,42は、エアバッグ40が車両用シート12及びボディサイド部11間で膨張展開したときに、車両用シート12に着座している乗員Pの車外側近傍で、腰部PPから胸部PTを保護し得る形状・大きさを有している。
両布部41,42の上記結合は、それらの周縁部に沿って設けられた周縁結合部43においてなされている。この周縁結合部43の前側部分及び後側部分を、互いに区別する、又はそれ以外の部分と区別する必要があるときには、前側部分を「前周縁結合部43F」といい、後ろ側部分を「後周縁結合部43R」というものとする。後周縁結合部43Rは、両布部41,42の後縁部に沿って略上下方向へ直線状に延びている。
本実施形態では、周縁結合部43は、両布部41,42の周縁部を、縫製(糸で縫合)することにより形成されている。この糸による周縁結合部43は、太い破線によって表現されることで、通常の破線(隠れ線)と区別されている(図4参照)。また、糸による周縁結合部43の断面を示す場合、すなわち、両布部41,42の内部構造を示すために、両布部41,42間で周縁結合部43を通る面を断面とする場合には、同周縁結合部43での糸を、点を一定間隔おきに並べてなる線種(破線の一種)によって表現している(図5参照)。これらの表現態様は、後述するテザー50の外結合部53,54及び内結合部55についても同様である。
なお、サイドエアバッグ装置は、単一の布帛を、その中央部分で二つ折りして車幅方向に重ね合わせ、その重ね合わされた部分を袋状となるように結合させることにより形成されたものであってもよい。
また、周縁結合部43は、上記糸を用いた縫合とは異なる手段、例えば接着剤を用いた接着によって形成されてもよい。後述するテザー50の外結合部53,54及び内結合部55についても同様である。
<テザー50>
テザー50は、図5、図8及び図9の少なくとも1つに示すように、車内側及び車外側の一対の構成布部51,52を備えている。両構成布部51,52は、互いに同一形状をなす一対の布片からなる。各構成布部51,52は、可撓性を有し、かつ前後方向に細長い形状に形成されている。両構成布部51,52は、非膨張展開状態のエアバッグ40において、インフレータアセンブリ30の下側近傍に配置されている(図5参照)。両構成布部51,52の前端部は、エアバッグ40の前端部に位置し、上述した前周縁結合部43Fにより車内側布部41及び車外側布部42に結合されている。前周縁結合部43Fが糸によって形成されている本実施形態では、両構成布部51,52の前端部は、前周縁結合部43Fによって両布部41,42の前端部に共縫いされている。また、両構成布部51,52の後端部はエアバッグ40の後端部に位置し、上記後周縁結合部43Rにより両布部41,42に結合されている。後周縁結合部43Rが糸によって形成されている本実施形態では、両構成布部51,52の後端部は、後周縁結合部43Rによって両布部41,42の後端部に共縫いされている。
車内側の構成布部51は、その外側縁部(図9等の上縁部)に沿って前後方向へ延びるように設けられた車内側の外結合部53によって車内側布部41に結合されている。また、車外側の構成布部52は、その外側縁部(図9等の上縁部)に沿って前後方向へ延びるように設けられた車外側の外結合部54によって車外側布部42に結合されている(図12(A)参照)。両外結合部53,54は、いずれもインフレータアセンブリ30よりも下側に位置している。各外結合部53,54の前端部は前周縁結合部43Fと交差している(図5参照)。また、両外結合部53,54の後端部は、後周縁結合部43Rと交差している。後者の交差部分を交点Bというものとする。各外結合部53,54は、糸を用いた縫合によって形成されている。
さらに、両構成布部51,52は、それらの内側縁部51I,52I(図9等の下縁部)に沿って前後方向に延びるように設けられた内結合部55によって相互に結合されている(図12(A)参照)。内結合部55の前端部は前周縁結合部43Fと交差している(図5参照)。内結合部55の後端部は、後周縁結合部43Rから前方へ所定距離離れた箇所に位置している。内結合部55は、糸を用いた縫合によって形成されている。両構成布部51,52は、内結合部55の後端部と後周縁結合部43Rとの間では相互に結合されていない。両構成布部51,52において、内結合部55の後端部と後周縁結合部43Rとの間の非結合部分は、エアバッグ40のテザー50よりも上側の空間と下側の空間とを連通させる連通路56を構成している。
内結合部55の後端部のうち前記交点Bに最も接近した点を最接近点Aとする。内結合部55の後端部を含む全体が前後方向へ真っ直ぐ延びる本実施形態では、内結合部55の後端が最接近点Aとなる。ここで、図6及び図12(A)の少なくとも一方に示すように、内結合部55と各外結合部53,54との間隔を「d1」とし、最接近点A及び後周縁結合部43Rの間隔を「d2」とすると、本実施形態では、間隔d2が間隔d1よりも大きく、かつ間隔d1を2倍したもの以下となっている(2d1≧d2>d1)。
図5に示すように、上記テザー50は、エアバッグ40を、そのテザー50よりも上側の第1膨張部57と、同テザー50よりも下側の第2膨張部58とに区画している。ただし、第1膨張部57と第2膨張部58とは、上記連通路56を介して相互に連通されている。
第1膨張部57は、インフレータ31からのガスGの供給を直接受けて、乗員Pの胸部PTの車外側近傍で膨張して、その胸部PTを衝撃から保護する。第2膨張部58は、連通路56を通じてガスGの供給を受けて、乗員Pの腰部PPの車外側近傍で膨張して、その腰部PPを衝撃から保護する。
このようにして、両構成布部51,52を有するテザー50は、車内側布部41と車外側布部42との間に架け渡されている(図12(A),(B)参照)。両構成布部51,52は、第1膨張部57及び第2膨張部58の非膨張時には互いに重なり合った状態となる(図12(A)参照)。この状態では、内結合部55は、両外結合部53,54よりも第2膨張部58側に位置する。また、両構成布部51,52の多くは、第1膨張部57及び第2膨張部58が膨張したとき、車幅方向に緊張させられた状態となり(図12(B)参照)、両膨張部57,58の車幅方向の厚みを規制する。この緊張状態では、内結合部55は、両外結合部53,54の側方であって、膨張した第1膨張部57及び第2膨張部58の車幅方向中央部分に位置する。
<逆止弁60>
逆止弁60は、第1膨張部57内のガスGが連通路56を通って第2膨張部58に流入するのは許容するが、その逆の流入、すなわち、第2膨張部58内のガスGが連通路56を通って第1膨張部57へ流入(逆流)するのを弁部61によって規制するためのものである。この逆止弁60は、両構成布部51,52の一部によって構成されている。
図7及び図9の少なくとも一方に示すように、両構成布部51,52の各々は、上記最接近点Aと後周縁結合部43Rとの間であって、かつ、エアバッグ40の膨張に伴い互いに接近して線接触する箇所を弁部61として有している。この弁部61の前端は最接近点Aに位置し、後端は構成布部51,52における後周縁結合部43R上の点Cに位置している。点Cは、理論上は、内結合部55の最接近点Aと、上記交点Bとを結ぶ線分L1の垂直二等分線L2が後周縁結合部43Rと交わる箇所である。この点Cと最接近点Aとを結ぶ箇所が理論上の弁部61となる。
ここで、仮に、両弁部61の後端(点C)が構成布部51,52の第2膨張部58側(下側)の縁部に設けられていても、理論上は、構成布部51,52毎の弁部61を互いに線接触させて閉塞させることは可能である。しかし、構成布部51,52の寸法のばらつき、後周縁結合部43Rの製作誤差等があると、両弁部61の実際の後端は、後周縁結合部43R上において、上記理論上の後端(点C)からずれることとなる。この両弁部61の実際の後端と最接近点Aとを結ぶ箇所が実際の弁部となる。
両弁部の実際の後端が理論上の点Cと一致している場合に、両構成布部51,52を弁部において相互に線接触させて閉塞させるうえでは、両弁部を構成布部51,52に確実に存在させることが重要である。また、両弁部の実際の後端が、理論上の点Cから第1膨張部57側へずれている場合や、その逆に第2膨張部58側へずれている場合に、両構成布部51,52を実際の弁部において相互に線接触させて閉塞させるうえでは、両弁部を構成布部51,52に確実に存在させることが重要である。
ここで、構成布部51,52の寸法のばらつき、後周縁結合部43Rの製作誤差等を考慮して、後周縁結合部43Rにおいて両弁部61の実際の後端が採り得る点のうち、最も第2膨張部58側へ大きく遠ざかった点を、「事実上の点C′」といい、この事実上の点C′と最接近点Aとを結ぶ箇所を、「事実上の弁部61′」というものとする。事実上の弁部61′は、理論上の弁部61よりも第2膨張部58側に位置する。
間隔d1,d2の間に、上述したように、2d1≧d2>d1の関係がある本実施形態では、理論上の点Cは最接近点Aよりも第2膨張部58側に位置する。最接近点Aを通り、かつ後周縁結合部43Rに直交する線を線分L3とし、この線分L3と後周縁結合部43Rとが交差する箇所を点Eとすると、理論上の点Cは点Eよりも第2膨張部58側に位置する。事実上の点C′は、理論上の点Cよりもさらに第2膨張部58側に位置する。点Cと最接近点Aとを結ぶ理論上の弁部61についても、点C′と最接近点Aとを結ぶ事実上の弁部61′についても、両構成布部51,52に含ませるために、両構成布部51,52には、内側縁部51I,52Iよりも第2膨張部58側へ延出する延出部62がそれぞれ設けられている。両延出部62は、前述した後周縁結合部43Rの一部によって両布部41,42に結合されている。
後周縁結合部43Rによる両構成布部51,52(延出部62)の第2膨張部58側の結合端(延出部62の下方側の端部)を点Dとすると、この点Dは上記点Cよりも第2膨張部58側に位置している。この構成により、両構成布部51,52は、それぞれ上記理論上の弁部61を有する。本実施形態では、点Dは、さらに上記事実上の点C′よりも第2膨張部58側に位置していて、両構成布部51,52がそれぞれ上記事実上の弁部61′も有している。従って、上記寸法のばらつき、製作誤差等があっても、弁部61,61′は必ず両構成布部51,52に存在することとなる。
図4及び図5の少なくとも一方に示すように、上記インフレータアセンブリ30は、略上下方向へ延びる姿勢で第1膨張部57内の後部に配置されている。そして、リテーナ32の複数本のボルト33が車内側布部41に挿通されている(図10参照)。こうした挿通により、インフレータアセンブリ30がエアバッグ40に対し位置決めされた状態で係止されている。
ところで、図10に示すように、エアバッグ40及びインフレータアセンブリ30を主要な構成部材として有する上記エアバッグモジュールAMは、非膨張展開状態のエアバッグ40(図4参照)が折り畳まれることにより、コンパクトな収納用形態にされている(図1及び図10参照)。これは、シートバック14における限られた大きさの収納部18にエアバッグモジュールAMを収納しやすくするためである。
上記収納用形態にされたエアバッグモジュールAMは、インフレータアセンブリ30を後側に位置させ、かつエアバッグ40の多くを前側に位置させた状態で、シートバック14の収納部18に配設されている。そして、上述したように、リテーナ32から延びてエアバッグ40に挿通されたボルト33がサイドフレーム部15に挿通され、ナット34によって締付けられている。この締付けにより、インフレータアセンブリ30がエアバッグ40と一緒にサイドフレーム部15に固定されている。
なお、インフレータアセンブリ30は、上述したボルト33及びナット34とは異なる部材によって車両10(サイドフレーム部15)に固定されてもよい。
さらに、本実施形態のサイドエアバッグ装置では、インフレータアセンブリ30の各部、例えば、インフレータ31におけるガス噴出部の位置・大きさや、リテーナ32における窓部の位置・大きさ等について、インフレータ31からのガスGが、第1膨張部57よりも第2膨張部58に対して多く供給されるような設定がなされている。
図1に示すように、サイドエアバッグ装置は、上述したエアバッグモジュールAMのほかに衝撃センサ71及び制御装置72を備えている。衝撃センサ71は加速度センサ等からなり、車両10のボディサイド部11(図2及び図3参照)等に設けられており、同ボディサイド部11に側方から加えられる衝撃を検出する。制御装置72は、衝撃センサ71からの検出信号に基づきインフレータ31の作動を制御する。
上記のようにして、本実施形態のサイドエアバッグ装置が構成されている。このサイドエアバッグ装置では、車両10のボディサイド部11に対し、側突により所定値以上の衝撃が加わり、そのことが衝撃センサ71によって検出されると、その検出信号に基づき制御装置72からインフレータ31に対し、これを作動させるための指令信号が出力される。この指令信号に応じて、インフレータ31では、ガス発生剤が高温高圧のガスを発生し、これをエアバッグ40の第1膨張部57に供給する。
また、上記インフレータ31からのガスGの一部は、第1膨張部57及び連通路56を通って第2膨張部58に供給される。このように供給されたガスGの圧力が、折り畳まれて収納用形態にされているエアバッグ40の各部(第1膨張部57及び第2膨張部58)に作用し、同エアバッグ40がシートバック14内で膨張を開始して、折り状態を解消しようとする。
エアバッグ40が、折り状態を解消(展開)しながら膨張していくと、シートバック14のシートパッド16がエアバッグ40によって押圧され、破断予定部21(図10参照)において破断される。エアバッグ40は、図11に示すように、一部(インフレータアセンブリ30の近傍部分)をシートバック14内に残した状態で、破断された箇所を通じて同シートバック14から飛び出す。
その後、エアバッグ40は、乗員P(図11では図示略)と、車内側に進入してくるボディサイド部11との間で車両10の前方に向けて膨張を伴いながら展開する。この際、図2に示すように、ボディサイド部11と乗員Pの腰部PPとの間では第2膨張部58が、ボディサイド部11と胸部PTとの間では第1膨張部57が、それぞれ膨張を伴いながら展開する。これらの膨張部57,58により、ボディサイド部11を通じて乗員Pの腰部PP、胸部PT等にそれぞれ伝わる側突による衝撃が緩和される。
また、インフレータ31からのガスGは、第1膨張部57よりも第2膨張部58に対して多く供給される。この際、第1膨張部57へは第2膨張部58よりも少ない量のガスGが供給されることから、第1膨張部57は第2膨張部58よりも低い内圧で膨張展開する。従って、一般に、人体側部の耐衝撃性においては、腰部PPが胸部PTよりも勝っているところ、エアバッグ40の膨張展開によって乗員Pに作用する衝撃が、胸部PTにおいて腰部PPよりも小さくなる。
ところで、上記のようにガスGが供給されると、各膨張部57,58は、それぞれ曲率の大きな曲面状に膨張しようとする(図12(B)、図13(B)及び図14参照)。この膨張に伴い、エアバッグ40を構成する一対の布部41,42の間隔が拡がる。
一方、テザー50を構成する一対の構成布部51,52はともに、後周縁結合部43Rによって、エアバッグ40の両布部41,42に結合され、各構成布部51,52の外側縁部は外結合部53,54によって対応する布部41,42に結合されている(図8及び図9参照)。これに対し、両構成布部51,52の内側縁部51I,52Iは、内結合部55によって相互に結合されているが、布部41,42には結合されていない。
従って、上記のようにエアバッグ40の膨張に伴い両布部41,42の間隔が拡がると、両構成布部51,52では、後周縁結合部43Rによる両布部41,42との結合部分の近傍でも、外結合部53,54による布部41,42との結合部分の近傍でも変形が規制される。各構成布部51,52は、専ら上記の結合部分とは異なる箇所において変形する。そして、この変形に伴い、各構成布部51,52において、外結合部53,54よりも第2膨張部58側に位置する内結合部55の最接近点Aが、両外結合部53,54と後周縁結合部43Rとの交点Bに近づこうとする。
すなわち、上記変形に伴い、図7に示すように各構成布部51,52において、外結合部53,54よりも第2膨張部58側に位置する内結合部55の最接近点Aが、弁部61の後周縁結合部43R上の端部(点C)を中心とし、かつ最接近点A及び交点Bを通る円弧X1に沿って移動して交点Bに近づこうとする。
しかし、最接近点Aの後周縁結合部43Rとの間隔d2と、内結合部55及び各外結合部53,54間の間隔d1との関係(図6参照)から、上記最接近点Aが第2膨張部58側へ引っ張られ、交点Bとの合致が妨げられる。より詳しくは、弁部61の後周縁結合部43R上の端部(点C)よりも第2膨張部58側にも各構成布部51,52が存在する。最接近点Aは、後周縁結合部43Rによる両構成布部51,52の第2膨張部58側の結合端(点D)を中心とし、かつ最接近点Aを通る(交点Bは通らない)円弧X2に沿って移動して交点Bに近づこうとする。後者の円弧X2の中心(点D)が、前者の円弧X1の中心(点C)よりも第2膨張部58側へずれていることから、最接近点Aは第2膨張部58側へ引っ張られ、交点Bに合致することが妨げられる。最接近点Aは交点Bに近づこうとするが、あるところまでしか接近できず、両点A,Bの間にギャップが生ずる。
そのため、テザー50では、内結合部55の最接近点Aと後周縁結合部43Rとの間の構成布部51,52毎の弁部61がテンションのかかった状態で互いに線接触する。この線接触により、両弁部61が閉塞状態となって、第2膨張部58内のガスGが両構成布部51,52間の連通路56を通って第1膨張部57側へ流れる現象(逆流)が規制される。このようにして、逆止弁60の両弁部61が、各膨張部57,58の内圧によらず、同膨張部57,58の膨張により自立的に閉塞する。
ところで、最接近点Aと後周縁結合部43Rとの間隔d2が、内結合部55と各外結合部53,54との間隔d1よりも大きいときには、弁部61の後周縁結合部43R上の端部(垂直二等分線L2が後周縁結合部43Rと交わる箇所:点C)は、最接近点A(後周縁結合部43R上では点E)よりも第2膨張部58側に位置する。
この点、本実施形態では、両構成布部51,52として、同内側縁部51I,52Iよりも第1膨張部57側の部分に加え、同内側縁部51I,52Iよりも第2膨張部58側へ延出する延出部62を備えるものが用いられている。しかも、後周縁結合部43Rによる両構成布部51,52の第2膨張部58側の結合端(点D)が、理論上の弁部61の後周縁結合部43R上の端部(理論上の点C)よりも第2膨張部58側に位置している。そのため、理論上の弁部61が構成布部51,52に存在し、両構成布部51,52が弁部61において相互に確実に線接触して閉塞する。これに加え、本実施形態では、上記結合端(点D)が、事実上の弁部61′の後周縁結合部43R上の端部(事実上の点C′)よりも第2膨張部58側に位置している。そのため、事実上の弁部61′が構成布部51,52に存在することとなり、構成布部51,52の寸法のばらつき、後周縁結合部43Rの製作誤差等があったとしても、その大きさに拘わらず、両構成布部51,52が必ず事実上の弁部61′において相互に確実に線接触して閉塞する。
なお、各構成布部51,52は、インフレータ31からのガスGの勢いが充分強いガス供給期間の初期〜半ばにかけては、充分な抗力を有さないため、両膨張部57,58が膨張してテザー50が緊張しても、ガスGの供給自体を完全に抑止することはない。
逆止弁60は、インフレータ31からのガスGの供給が終わりかけてエアバッグ40が膨張状態(展開完了状態)となった際に閉塞状態となる。従って、その後に、第2膨張部58の内圧が高まれば、上述した自立的な閉塞に加えて、前述した特許文献1等、一般的な構造の逆止弁と同様に、延出部62が潰れて密着することで逆止弁60としての機能が維持される。
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)テザー50の構成布部51,52として、各々が、内結合部55の最接近点Aと後周縁結合部43Rとの間であって、かつ、エアバッグ40の膨張に伴い互いに緊張した状態で線接触する箇所を弁部61として有するものを採用している(図9)。そのため、両弁部61を、各膨張部57,58の内圧によらず、膨張により自立的に閉塞させることができる。その結果、膨張部57,58の膨張途中で逆止弁60が閉弁するのを抑制することができ、膨張部57,58を充分膨張させて、エアバッグ40に乗員拘束力を充分に発揮させることができる。
(2)内結合部55の最接近点Aと交点Bとを結ぶ線分L1の垂直二等分線L2が後周縁結合部43Rと交わる箇所(点C)を、弁部61の後周縁結合部43R側の端部としている(図7)。そして、後周縁結合部43Rによる両構成布部51,52の第2膨張部58側の結合端(点D)を、弁部61の後周縁結合部43R側の端部(点C)よりも第2膨張部58側に位置させている。そのため、テザー50において、内結合部55の最接近点Aと後周縁結合部43Rとの間の構成布部51,52毎の弁部61をテンションのかかった状態で互いに線接触させて閉塞させることができる。
(3)上記(2)に関連するが、後周縁結合部43Rにおいて両弁部61の実際の後端が採り得る点のうち、最も第2膨張部58側へ大きく遠ざかった点を事実上の点C′とし、両構成布部51,52の結合端(点D)を事実上の点C′よりも第2膨張部58側に位置させている。そのため、構成布部51,52の寸法のばらつき、後周縁結合部43Rの製作誤差等があっても、事実上の弁部61′をテンションのかかった状態で互いに線接触させて閉塞させることができる。
(4)間隔d2が間隔d1よりも大きい本実施形態にあって、両構成布部51,52として、内側縁部51I,52Iよりも第1膨張部57側の部分に加え、同内側縁部51I,52Iよりも第2膨張部58側へ延出する延出部62を備えるものを用いている(図6及び図7)。そのため、弁部61,61′を確実に構成布部51,52に存在させ、両構成布部51,52を弁部61,61′において確実に相互に線接触させて閉塞させることができる。
(5)テザー50の両構成布部51,52を、可撓性を有する一対の布片により構成している。そして、各構成布部51,52の外側縁部を対応する布部41,42に縫合する糸によって、各外結合部53,54を構成し、両構成布部51,52の内側縁部51I,52I同士を縫合する糸によって、内結合部55を構成している(図8及び図9)。そのため、可撓性を有する一対の構成布部51,52の外側縁部をエアバッグ40の対応する布部41,42に縫合するとともに、内側縁部51I,52I同士を互いに縫合するといった簡単な構成で、両布部41,42間にテザー50を架け渡しつつ、逆止弁60を形成することができる。
(6)第1膨張部57を、車両用シート12に着座した乗員Pの胸部PTの車外側近傍で膨張させ、第2膨張部58を、乗員Pの腰部PPの車外側近傍で、第1膨張部57よりも高い内圧で膨張させるようにしている(図4及び図5)。そのため、乗員Pの耐衝撃性が比較的高い部位である腰部PPに対し、第2膨張部58を高い内圧で接触させることができる。また、乗員Pの耐衝撃性が比較的低い部位である胸部PTに対し、第1膨張部57を第2膨張部58よりも低い内圧で接触させることができる。このように、各膨張部58,57を、乗員Pの側部に対し、その耐衝撃性に即した圧力分布で膨張させて接触させることができ、腰部PP及び胸部PTを衝撃から効果的に保護することができる。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
<逆止弁60について>
・図15に示すように、内結合部55の最接近点Aと後周縁結合部43Rとの間隔d2が、内結合部55と各外結合部53,54との間隔d1以下であるときには、図16に示すように、理論上の点C及び事実上の点C′はいずれも、後周縁結合部43Rに沿う方向について最接近点Aと同じ、又はそれよりも第1膨張部57側に位置する。すなわち、両点C,C′は、最接近点Aを通り、かつ後周縁結合部43Rに直交する線分L3と後周縁結合部43Rとが交差する点E上、又はそれよりも第1膨張部57側に位置する。
そのため、この場合には、同図15及び図16に示すように、両構成布部51,52を、内側縁部51I,52Iよりも第1膨張部57側の部分のみによって構成してもよい。このようにしても、理論上の弁部61も事実上の弁部61′も構成布部51,52に存在し、両構成布部51,52が弁部61,61′において互いに線接触して閉塞することとなり、間隔d2が間隔d1よりも大きい上記実施形態と同様の効果が得られる。この場合には、弁部61,61′を構成布部51,52に存在させるために、同構成布部51,52が不要に大きくなることがない。
・図17及び図18に示すように、内結合部55の後周縁結合部43R側の端部(後端部55R)の強度を高めるために、同後端部55Rを、第2膨張部58側へ湾曲させてもよい。この場合には、前記実施形態と若干異なる箇所が、内結合部55の交点Bとの最接近点Aとなる。この場合であっても、内結合部55の最接近点Aと交点Bとを結ぶ線分L1の垂直二等分線L2が後周縁結合部43Rと交わる箇所(点C)を、弁部61の後周縁結合部43R側の端部とする。後周縁結合部43R上において、点Cよりも第2膨張部58側の箇所を、事実上の点C′とする。後周縁結合部43Rによる両構成布部51,52の第2膨張部58側の結合端(点D)を、上記点C及び事実上の点C′よりも第2膨張部58側に位置させる。このようにすることで、理論上の弁部61についても事実上の弁部61′についても、テンションのかかった状態で互いに線接触させて閉塞させることができる。
<膨張部について>
・一般に、人体側部の耐衝撃性においては、肩部PSが胸部PTよりも勝っていることが知られている。このため、エアバッグ40の膨張展開によって乗員Pに作用する衝撃は、胸部PTにおいて肩部PSよりも小さいことが望ましい。
そこで、図19に示すように、エアバッグ40の内部を、上記テザー50(図4参照)に代わるテザー80により、乗員Pの胸部PTの車外側近傍で膨張する第1膨張部57と、第1膨張部57の上側に位置し、かつ肩部PSの車外側近傍で、第1膨張部57よりも高い内圧で膨張する第2膨張部81とに区画する。
そして、テザー80には、両膨張部57,81間を連通させるとともに、第2膨張部81から第1膨張部57へのガスGの流入(逆流)を規制する逆止弁82を設ける。なお、テザー80及び逆止弁82の各部(外結合部、内結合部、延出部等)については、上記実施形態と同じ符号を用いることとする。
この場合には、第1膨張部57が第2膨張部81の下側に位置する。そのため、テザー80及び逆止弁82を、各部(外結合部53,54、内結合部55、延出部62等)が上記実施形態とは上下逆の関係となるように配置する。
このように変更すれば、上記実施形態の上記(1)〜(6)に準じた効果が得られる。特に、上記(6)に準ずる効果として、第2膨張部81を高い内圧で膨張させて、乗員Pの耐衝撃性が比較的高い部位である肩部PSに接触させ、第1膨張部57を第2膨張部58よりも低い内圧で膨張させて、乗員Pの耐衝撃性が比較的低い部位である胸部PTに接触させることができる。各膨張部81,57を、乗員Pの側部に対し、その耐衝撃性に即した圧力分布で膨張させて接触させることができ、肩部PS及び胸部PTを衝撃から効果的に保護することができる。
・上記変更に関連して、図20に示すように、エアバッグ40の内部を2つのテザー80,50により、上下方向に3つの膨張部に区画する。
これらの膨張部の1つは、乗員Pの胸部PTの車外側近傍で膨張する第1膨張部57である。膨張部の他の1つは、第1膨張部57の下側に位置し、かつ乗員Pの腰部PPの車外側近傍で、第1膨張部57よりも高い内圧で膨張する第2膨張部58である。膨張部の他の1つは、第1膨張部57の上側に位置し、かつ乗員Pの肩部PSの車外側近傍で、第1膨張部57よりも高い内圧で膨張する第2膨張部81である。
テザー50には、第1膨張部57と第2膨張部58との間を連通させるとともに、第2膨張部58から第1膨張部57へのガスGの流入(逆流)を規制する逆止弁60を設ける。この逆止弁60は、上記実施形態で説明したものと同じ構成を有する。
テザー80には、第1膨張部57と第2膨張部81との間を連通させるとともに、第2膨張部81から第1膨張部57へのガスGの流入(逆流)を規制する逆止弁82を設ける。この逆止弁82は、上記変更例(図19)で説明したものと同じ構成を有する。
このように変更すれば、上記実施形態の上記(1)〜(6)に準じた効果が得られる。特に、上記(6)に準ずる効果として、第2膨張部58,81を高い内圧で膨張させて、乗員Pの耐衝撃性が比較的高い部位である腰部PP及び肩部PSに接触させる。また、第1膨張部57を第2膨張部58,81よりも低い内圧で膨張させて、乗員Pの耐衝撃性が比較的低い部位である胸部PTに接触させることができる。各膨張部57,58,81を、乗員Pの側部に対し、その耐衝撃性に即した圧力分布で膨張させて接触させることができ、胸部PT、腰部PP及び肩部PSを衝撃から効果的に保護することができる。
なお、単一のインフレータ31からガスGを、各連通路を通じて各第2膨張部58,81に供給する場合には、軸方向について異なる2箇所に、単位時間当たりのガス噴出量の異なる2つのガス噴出部を有するものを用いてもよい。このように、ガス噴出部間でガス噴出量を異ならせる構成としては、例えば、インフレータ31内に設けた2つの収容室に、(i)同一種類のガス発生剤を収容するものと、(ii)単位時間当たりのガス発生量の異なる2種類のガス発生剤を収容するものとがある。前者(i)の場合、ガス発生剤の収容量を収容室間で異ならせる。
<インフレータアセンブリ30について>
・インフレータアセンブリ30は、リテーナ32を用いず、インフレータ31にボルト33を直接固定したものであってもよい。
・インフレータアセンブリ30をエアバッグ40の外部に設けてもよい。この場合には、インフレータ31とエアバッグ40とを管によって繋ぎ、この管を介してインフレータ31からのガスGをエアバッグ40に供給するようにしてもよい。
<エアバッグモジュールAMの収納部18について>
・エアバッグモジュールAMの収納部18を、車両用シート12のシートバック14に代えてボディサイド部11に設けてもよい。
<その他>
・本発明のエアバッグ装置は、複数の膨張部を有し、かつ膨張部間に内圧差を設定するものであれば、広く適用可能である。適用の対象となり得るエアバッグ装置は、サイドエアバッグ装置のほかにも、ニーエアバッグ装置、カーテンシールドエアバッグ装置、歩行者保護用エアバッグ装置、後突用エアバッグ装置等が挙げられる。
10…車両、11…ボディサイド部、12…車両用シート、31…インフレータ、40…エアバッグ、41…車内側布部、42…車外側布部、43…周縁結合部、43F…前周縁結合部、43R…後周縁結合部、50,80…テザー、51,52…構成布部、51I,52I…内側縁部、53,54…外結合部、55…内結合部、56…連通路、57…第1膨張部、58,81…第2膨張部、60,82…逆止弁、61…弁部、62…延出部、A…最接近点、B…交点、D…点(結合端)、d1,2…間隔、G…ガス、L1…線分、L2…垂直二等分線、P…乗員、PP…腰部、PS…肩部、PT…胸部。

Claims (8)

  1. 一対の布部の周縁部を周縁結合部により結合してなるエアバッグ内の少なくとも一部が、一対の構成布部を有するテザーにより、連通路を介して相互に連通させられた状態で2つの膨張部に区画され、前記両膨張部の一方が、インフレータからガスが供給される第1膨張部をなし、他方が、前記連通路を通じて前記ガスが供給される第2膨張部をなし、さらに、前記連通路には、前記第2膨張部から前記第1膨張部への前記ガスの流入を弁部にて規制する逆止弁が設けられたエアバッグ装置であって、
    前記両構成布部は、各外側縁部に沿って設けられた外結合部により対応する前記布部に結合され、かつ前記周縁結合部により前記両布部に結合され、さらに、前記両外結合部よりも前記第2膨張部側で各内側縁部に沿って設けられた内結合部により相互に結合され、
    前記内結合部の前記周縁結合部側の端部が同周縁結合部から離間されるとともに、前記両外結合部が前記周縁結合部と交差させられ、
    前記両構成布部の各々は、前記内結合部の前記周縁結合部側の前記端部のうち前記両外結合部及び前記周縁結合部の交点に最も接近した最接近点と、前記周縁結合部との間であって、かつ、前記エアバッグの膨張に伴い互いに緊張した状態で線接触する箇所を前記弁部として有することを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 前記弁部の前記周縁結合部側の端部は、前記内結合部の前記最接近点と前記交点とを結ぶ線分の垂直二等分線が同周縁結合部と交わる箇所であり、前記周縁結合部による前記両構成布部の前記第2膨張部側の結合端が、前記弁部の前記周縁結合部側の前記端部よりも前記第2膨張部側に位置する請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 前記最接近点と前記周縁結合部との間隔が、前記内結合部と前記各外結合部との間隔以下であるときには、前記両構成布部は、前記内側縁部よりも前記第1膨張部側の部分のみにより構成される請求項2に記載のエアバッグ装置。
  4. 前記最接近点と前記周縁結合部との間隔が、前記内結合部と前記各外結合部との間隔よりも大きいときには、前記両構成布部は、前記内側縁部よりも前記第1膨張部側の部分に加え、同内側縁部よりも前記第2膨張部側へ延出する延出部を備える請求項2に記載のエアバッグ装置。
  5. 前記テザーの前記両構成布部は、可撓性を有する一対の布片により構成されており、
    前記各外結合部は、前記各構成布部の前記外側縁部を前記布部に縫合する糸により構成され、
    前記内結合部は、前記両構成布部の前記内側縁部同士を縫合する糸により構成されている請求項1〜4のいずれか1つに記載のエアバッグ装置。
  6. 前記第1膨張部は、車両用シートに着座した乗員の胸部の車外側近傍で膨張し、前記第2膨張部は、前記乗員の腰部の車外側近傍で、前記第1膨張部よりも高い内圧で膨張するものである請求項1〜5のいずれか1つに記載のエアバッグ装置。
  7. 前記第1膨張部は、車両用シートに着座した乗員の胸部の車外側近傍で膨張し、前記第2膨張部は、前記乗員の肩部の車外側近傍で、前記第1膨張部よりも高い内圧で膨張するものである請求項1〜5のいずれか1つに記載のエアバッグ装置。
  8. 前記第1膨張部は、車両用シートに着座した乗員の胸部の車外側近傍で膨張し、前記第2膨張部は、前記乗員の腰部の車外側近傍と、同乗員の肩部の車外側近傍とで、前記第1膨張部よりも高い内圧でそれぞれ膨張するものである請求項1〜5のいずれか1つに記載のエアバッグ装置。
JP2009279479A 2009-12-09 2009-12-09 エアバッグ装置 Active JP5141674B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009279479A JP5141674B2 (ja) 2009-12-09 2009-12-09 エアバッグ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009279479A JP5141674B2 (ja) 2009-12-09 2009-12-09 エアバッグ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011121431A JP2011121431A (ja) 2011-06-23
JP5141674B2 true JP5141674B2 (ja) 2013-02-13

Family

ID=44285784

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009279479A Active JP5141674B2 (ja) 2009-12-09 2009-12-09 エアバッグ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5141674B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9566934B2 (en) 2014-10-09 2017-02-14 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle side airbag device and manufacturing method of a side airbag

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6001863B2 (ja) * 2011-12-20 2016-10-05 オートリブ ディベロップメント エービー サイドエアバッグ付きシート
JP5655799B2 (ja) * 2012-02-08 2015-01-21 豊田合成株式会社 サイドエアバッグ装置
JP6070217B2 (ja) * 2013-01-25 2017-02-01 豊田合成株式会社 サイドエアバッグ装置
EP2955066B1 (en) * 2013-02-07 2018-06-13 Autoliv Development AB Vehicular side airbag device
JP6236286B2 (ja) * 2013-10-30 2017-11-22 マツダ株式会社 サイドエアバッグ装置
JP6111996B2 (ja) * 2013-11-29 2017-04-12 豊田合成株式会社 サイドエアバッグ装置
JP6634036B2 (ja) * 2017-01-11 2020-01-22 オートリブ ディベロップメント エービー サイドエアバッグ装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10100827A (ja) * 1996-09-26 1998-04-21 Mitsubishi Motors Corp エアバッグ装置
JP2007314076A (ja) * 2006-05-26 2007-12-06 Toyoda Gosei Co Ltd サイドエアバッグ装置
JP2009255827A (ja) * 2008-04-18 2009-11-05 Toyoda Gosei Co Ltd サイドエアバッグ装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9566934B2 (en) 2014-10-09 2017-02-14 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle side airbag device and manufacturing method of a side airbag

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011121431A (ja) 2011-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5083024B2 (ja) エアバッグ装置
JP5655799B2 (ja) サイドエアバッグ装置
JP6032148B2 (ja) サイドエアバッグ装置
JP5724909B2 (ja) サイドエアバッグ装置
JP6070217B2 (ja) サイドエアバッグ装置
JP5003631B2 (ja) 側突用エアバッグ装置
JP5141674B2 (ja) エアバッグ装置
JP5327158B2 (ja) エアバッグ装置
JP5195684B2 (ja) エアバッグ装置
JP2019137307A (ja) ファーサイドエアバッグ装置
JP2013159304A (ja) サイドエアバッグ装置
JP5962563B2 (ja) エアバッグの製造方法
JP6098409B2 (ja) サイドエアバッグ装置
JP6115506B2 (ja) サイドエアバッグ装置
JP5163476B2 (ja) サイドエアバッグ装置
JP6039931B2 (ja) エアバッグ装置
JP5831270B2 (ja) エアバッグ装置
JP6544263B2 (ja) サイドエアバッグ装置
JP2018161925A (ja) サイドエアバッグ装置
JP5983192B2 (ja) サイドエアバッグ装置
JP5556735B2 (ja) サイドエアバッグ装置
JP5505279B2 (ja) エアバッグ装置
JP2016047667A (ja) エアバッグ装置
JP2018016252A (ja) ファーサイドエアバッグ装置
JP5724908B2 (ja) サイドエアバッグ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121019

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121023

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121105

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151130

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5141674

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150