JP2007314076A - サイドエアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エアバッグの内部が複数の区画室に区画されたエアバッグ装置にあって、エアバッグが膨張展開する際に、各区画室間に所望の内圧差を生じさせることが可能なサイドエアバッグ装置を提供する。
【解決手段】サイドエアバッグ装置23は、車両のボディサイド部とフロントシートに着座した搭乗者との間で膨張展開するエアバッグ27を備える。エアバッグ27はその内部が下部区画室29及び上部区画室30に区画され、搭乗者の腰部と対応する下部区画室29内にはインナーバッグ31が収容される。インナーバッグ31には、インフレータ26のガス噴射口26aが内部に配置されるとともに、該インナーバッグ31内と下部区画室29内とを連通する第1開口部33及び該第1開口部33よりも小さな開口面積でもってインナーバッグ31内と上部区画室30内とを連通する第2開口部35がそれぞれ形成される。
【選択図】図2

Description

この発明は、車両が衝撃を受けた際にエアバッグが搭乗者の側方で膨張展開するサイドエアバッグ装置に関する。
一般に、サイドエアバッグ装置は、車両の側方からの衝突(側突)により車両のボディサイド部に所定値以上の衝撃が加わったとき、エアバッグを搭乗者の側方で膨張展開させ、搭乗者に加わる衝撃を緩和することにより、搭乗者の胸部あるいは腰部等を保護するものである。このようなサイドエアバッグ装置として、従来から、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この特許文献1のサイドエアバッグ装置では、エアバッグ(ガスバッグ)が分割シームにより上部区画室(第1チャンバ)及び下部区画室(第2チャンバ)の2室に区画されており、上部区画室がシートに着座した搭乗者の胸部を主に保護する部分となっているとともに下部区画室がシートに着座した搭乗者の腰部を主に保護する部分となっている。
そして、こうしたサイドエアバッグ装置にあっては、一般に、膨張展開したエアバッグによって搭乗者の腰部が確実に受け止められるようにする一方、搭乗者の胸部にエアバッグから大きな衝撃力が作用しないように、その膨張展開態様が設定されることが多い。このため、特許文献1のサイドエアバッグ装置では、エアバッグの膨張展開時に、上部区画室の内圧よりも下部区画室の内圧の方が高くなるようにガス発生源(ガス発生器)からエアバッグ内にガスが供給されるようになっている。
特開2000−177527号公報
しかしながら、特許文献1に記載のサイドエアバッグ装置では、エアバッグの構造上、分割シームの後端とガス発生源のハウジングとの間に僅かな隙間が形成されるため、エアバッグの膨張展開時に、この隙間を通じて内圧の高い下部区画室から内圧の低い上部区画室へガスが流入してしまう。このため、エアバッグの所望の内圧差が得られ難くなることがあった。
本発明は、このような観点に着目してなされたものである。その目的とするところは、エアバッグの内部が複数の区画室に区画されたエアバッグ装置にあって、エアバッグが膨張展開する際に、各区画室間に所望の内圧差を生じさせることが可能なサイドエアバッグ装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ガス発生源のガス噴射口から噴射されるガスの圧力により、車両のボディサイド部と車室内のシートに着座した搭乗者との間で膨張展開するエアバッグを備え、該エアバッグ内が複数の区画室に区画されたサイドエアバッグ装置において、前記エアバッグ内には、前記ガス噴射口を内部に配置したインナーバッグが収容されるとともに、前記インナーバッグには、該インナーバッグ内と前記各区画室内とをそれぞれ連通する開口部が個別に形成されており、前記各開口部のうち少なくとも1つは、他の開口部と開口面積が異なることを要旨とする。
上記構成によれば、インナーバッグに形成された各開口部のうち少なくとも1つが他の開口部と開口面積が異なるため、エアバッグが膨張展開する際に、各開口部から各区画室にそれぞれ供給されるガス量に差が生じるようになる。この場合、各区画室同士は、互いにインナーバッグを介して連通しているため、該インナーバッグにより各区画室間でのガスの授受が抑制される。したがって、内部が複数の区画室に区画されたエアバッグが膨張展開する際に、各区画室間に所望の内圧差を生じさせることが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記エアバッグは、該エアバッグ内が第1区画室及び第2区画室に区画され、前記両区画室のうち第1区画室内には、前記インナーバッグが収容されるとともに、前記インナーバッグには、該インナーバッグ内と前記第1区画室内とを連通する第1開口部及び該第1開口部よりも小さな開口面積でもって前記インナーバッグ内と前記第2区画室内とを連通する第2開口部がそれぞれ形成されていることを要旨とする。
上記構成によれば、エアバッグが膨張展開する際、インナーバッグを介して第1区画室に供給されるガス量は第2区画室に供給されるガス量よりも多くなるため、第1区画室の内圧は第2区画室の内圧よりも高くなる。この場合、第1区画室及び第2区画室は、インナーバッグを介して連通しているため、該インナーバッグにより第1区画室及び第2区画室間でのガスの授受が抑制される。すなわち、内圧の高い第1区画室から内圧の低い第2区画室へガスが流入し難くなる。したがって、内部が第1区画室及び第2区画室という2室に区画されたエアバッグが膨張展開する際に、第1区画室及び第2区画室間に所望の内圧差を生じさせることが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記エアバッグは、前記搭乗者の胸部から腰部にかけての部位と対応するように膨張展開され、前記第1区画室は前記搭乗者の腰部と対応する位置で膨張展開するように構成されていることを要旨とする。
上記構成によれば、エアバッグは、第2区画室よりも内圧の高い第1区画室が搭乗者の腰部と対応するように膨張展開されるため、搭乗者の腰部を高圧で保護することが可能となる。すなわち、エアバッグの膨張展開の際に、搭乗者における胸部よりも耐衝撃性の高い腰部を強く拘束することで、搭乗者を効果的に保護することが可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の発明において、前記エアバッグは、該エアバッグ内を略等分する位置で前記第1区画室及び第2区画室を区画するように所定方向へ延びる区画部を有しており、前記ガス発生源は、前記区画部に沿う延長線を跨ぐように配置されていることを要旨とする。
上記構成によれば、通常、エアバッグはガス発生源とともにシートに固定されるため、ガス発生源を区画部に沿う延長線を跨ぐように配置することで、内部が第1区画室及び第2区画室に略等分に区画されたエアバッグをバランスよくシートに固定することが可能となる。したがって、エアバッグの膨張展開時の安定性を向上することが可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記インナーバッグは、その一部が前記区画部として機能するように前記エアバッグに一体形成されていることを要旨とする。
上記構成によれば、部品点数を増やすことなく、エアバッグ内を第1区画室及び第2区画室に区画することが可能となる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明において、前記ガス発生源は、その全体が前記インナーバッグ内に配置されていることを要旨とする。
上記構成によれば、インナーバッグに形成された各開口部の開口面積を設定するだけで、エアバッグ内の各区画室に供給されるガス量を調整する、すなわちエアバッグ内の各区画室の内圧を調整することが可能となる。
本発明によれば、エアバッグの内部が複数の区画室に区画されたエアバッグ装置にあって、エアバッグが膨張展開する際に、各区画室間に所望の内圧差を生じさせることが可能なサイドエアバッグ装置を提供することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において、「前後方向」をいう場合は、車両の進行方向(前進方向)を前方(車両前方)として説明する。また、「上下方向」及び「左右方向」をいう場合は、特に説明がない限り、車両の進行方向を前方とした場合の上下方向及び左右方向をいうものとする。
図1には、車室内に配置されたシートとしての左側のフロントシート21(運転席)が示されている。フロントシート21は、車室内の床面F上に設けられた前後方向に延びるレール22上に配設されるとともに、該レール22上を前後方向にスライド移動可能になっている。フロントシート21は腰掛け部21aと背もたれ部21bとを備えるとともに、背もたれ部21bの左側には車両のボディサイド部の一部を構成する図示しないドアと対応するようにサイドエアバッグ装置23がケース24内に収容された状態で埋設されている。なお、図面においては、左側のフロントシート21のみが示されているが、右側のフロントシート(助手席)の右側にも同様のサイドエアバッグ装置23が内装されている。
サイドエアバッグ装置23は、筒状のリテーナ25と、このリテーナ25内にかしめられたガス発生源としての円柱状をなすインフレータ26と、これらリテーナ25及びインフレータ26を被覆する袋状のエアバッグ27とを備えている。エアバッグ27は、該エアバッグ27の後端部がリテーナ25とケース24との間に挟み込まれた状態でインフレータ26とともにケース24に図示しないボルトにより固定されている。インフレータ26の内部には、エアバッグ27を膨張展開させるための図示しないガス発生剤が収容されている。インフレータ26の下端部には、前記ガス発生剤から発生するガスを噴射するためのガス噴射口26aが形成されている。インフレータ26には、車両のボディサイド部に対する衝撃を検出するための図示しないセンサが電気的に接続されている。
図1〜図4に示すように、エアバッグ27は、織布からなる表裏一対の基布27a,27bを重ね合わせ、それらの周縁部同士を縫着することにより、全体として袋状をなすように形成されている。このエアバッグ27は、通常、折り畳み状態でケース24内に収容される。エアバッグ27内の上下方向における中央部には、両基布27a,27b間を橋架するように、区画部としての前後方向(所定方向)に延びる帯状のテザー28が縫着されている。その結果、エアバッグ27内は、このテザー28により、第1区画室としての下部区画室29及び第2区画室としての上部区画室30の上下2室に略等分するように区画されている。
図3に示すように、テザー28は、表裏一対の帯状片28a,28bにおける一方(図3では下方)の長辺に沿う周縁部同士が縫着されるとともに、他方(図3では上方)の長辺に沿う各周縁部が各々対応するエアバッグ27の内面部位に対して縫着されている。そして、このテザー28の後端から後方側に向けて延びる延長線を跨ぐようにして、前述したリテーナ25及びインフレータ26は、エアバッグ27内の後端部に配置されている。なお、エアバッグ27は、フロントシート21に着座した搭乗者Pと車両のボディサイド部の一部を構成する図示しないドアとの間で、搭乗者Pの胸部から腰部にかけての部位と対応するように膨張展開されるようになっている。そして、この場合、下部区画室29が搭乗者Pの腰部と対応する位置で膨張展開するとともに、上部区画室30が搭乗者Pの胸部と対応する位置で膨張展開するようになっている。
エアバッグ27の下部区画室29内には、中途から前端側が側面視長四角形状をなすとともに中途から後端側が側面視略半楕円形状をなすインナーバッグ31がエアバッグ27に一体形成された状態で収容されている。インナーバッグ31は、前述した帯状片28a,28bからなるテザー28と前述したインナーバッグ31の側面視形状と対応した所定形状の織布からなる表裏一対の基布31a,31bとの各々対応する周縁部同士を縫着することにより、全体として袋状に形成されている。
すなわち、インナーバッグ31は、各基布31a,31bにおける中途から後端側に円弧状縁のある一方(図3では下方)の周縁部同士が縫着される一方、他方(図3では上方)の直線状をなす各周縁部が前述したテザー28における各帯状片28a,28bの他方の各周縁部と一緒にエアバッグ27の内面部位に対して縫着されている。つまり、インナーバッグ31は、テザー28を構成する各帯状片28a,28b及び所定形状をなす各基布31a,31bがエアバッグ27の内面側に縫着されることで袋状をなすように構成されている。したがって、この点で、テザー28は、インナーバッグ31の一部を構成しているといえる。なお、図4に示すように、インナーバッグ31における側面視長四角形状をなす中途から前端側の部分は、テザー28を、該テザー28に沿って左右両側から覆った状態で該テザー28とともにエアバッグ27に縫着されることで、テザー28を補強している。
また、図2に示すように、インナーバッグ31は、各基布31a,31bにおける一方(図3では下方)の周縁部のうち中途から後端側で円弧状をなすように下部区画室29内へ張り出した周縁部(以下、「下部区画室側周縁部」という。)での縫着状態が他の周縁部における縫着状態とは異なっている。すなわち、この下部区画室側周縁部においては、その縫目の密度が他の周縁部での縫目の密度よりも粗くされ、その下部区画室側周縁部には、該周縁部に沿って所定間隔毎に両基布31a,31bを縫着してなる閉じ部32が複数(本実施形態では6つ)設けられている。そして、各閉じ部32間は、それぞれインナーバッグ31内と下部区画室29内とを連通する第1開口部33とされている。
さらに、図2に示すように、エアバッグ27には、前述したテザー28の後端から後方側に向けて延びる延長線を跨ぐ位置でリテーナ25の前側近傍となる位置には、両基布27a,27bを隙間なく縫着した楕円形のシーム34が形成されている。このシーム34とリテーナ25との間には隙間が形成されるとともに、該隙間内に位置するインナーバッグ31の周縁部には該インナーバッグ31内と上部区画室30内とを連通する第2開口部35が形成されている。そして、この第2開口部35の開口面積は、前述した下部区画室側周縁部に形成された各第1開口部33の合計開口面積よりも小さくなるように設定されている。
次に、前記サイドエアバッグ装置23の動作を図1〜図3に基づいて説明する。
ここで、一般に、人体側部の耐衝撃性においては、腰部の方が胸部よりも勝っていることが知られている。このため、搭乗者の胸部から腰部にかけての保護を行うエアバッグの場合、その膨張展開によって搭乗者に作用する衝撃は、腰部よりも胸部の方が小さいことが望ましい。
さて、車両のボディサイド部に対する他の車両による衝突により、該ボディサイド部に所定値以上の衝撃が加わると、前記センサからの検出信号に基づいて図示しない制御回路を介してインフレータ26に対して駆動電流が出力される。そして、この駆動電流に基づく加熱により、インフレータ26内のガス発生剤からガスが発生し、このガスがインフレータ26のガス噴射口26aからインナーバッグ31内に噴射される。すると、このガスの噴射圧によりインナーバッグ31が膨張されるとともに、このインナーバッグ31の膨張に伴い下部区画室29が膨張不十分ながらも展開される。続いて、インナーバッグ31内に噴射されたガスは、各第1開口部33を押し広げながら該各第1開口部33を通じて展開された下部区画室29内に流れ込むとともに、第2開口部35を通じて上部区画室30内に流れ込み、両区画室29,30を各々膨張させる。
そして、この場合、第2開口部35の開口面積は、各第1開口部33の合計開口面積よりも小さいため、インナーバッグ31内から下部区画室29内に流れ込むガス量は、インナーバッグ31内から上部区画室30内に流れ込むガス量よりも多くなる。このため、下部区画室29の内圧は、上部区画室30の内圧よりも高くなり、下部区画室29と上部区画室30との間に所望の内圧差が生じる。なお、インナーバッグ31内に噴射されたガスのうち一部のガスは微量ながらもインナーバッグ31内からインフレータ26とリテーナ25との隙間から上部区画室30内に流れ込む。しかし、そのガス量は微量であるため、下部区画室29と上部区画室30との間に生じる内圧差に影響を及ぼすことはほとんどない。
そして、下部区画室29内が充分にガスで満たされた後、インフレータ26からのガスの供給が衰えたり、下部区画室29による搭乗者Pの拘束が開始されたりすると、下部区画室29内の圧力がインナーバッグ31内の圧力よりも大きくなる。このため、下部区画室29内のガスは、各第1開口部33を通じてインナーバッグ31内へ流れ込むことが可能となり、その後、第2開口部35を通じて上部区画室30側に流入する。このため、上部区画室30の内圧が早い段階で必要以上に上昇することが抑制される。したがって、エアバッグ27の膨張展開時において、下部区画室29の内圧は上部区画室30の内圧よりも高く維持され、この結果、エアバッグ27により、フロントシート21に着座している搭乗者Pの腰部が下部区画室29の高い内圧によって強く拘束されるとともに、該搭乗者Pの胸部が上部区画室30の低い内圧によってソフトに拘束される。
また、図5(a)及び図5(b)は、エアバッグの膨張展開時において、インナーバッグを持たず単に内部を上部区画室及び下部区画室の2室に区画した従来のエアバッグと、本実施形態のエアバッグ27との上部区画室及び下部区画室における内圧と時間との関係をそれぞれ示したグラフである。両グラフ中、一点鎖線で示した曲線が従来のエアバッグの内圧を示し、実線で示した曲線が本実施形態のエアバッグ27の内圧を示している。両グラフより、上部区画室の内圧は、本実施形態のエアバッグ27の方が従来のエアバッグに比べて低く抑えられていることが分かる。一方、下部区画室の内圧は、本実施形態のエアバッグ27の方が従来のエアバッグに比べて内圧の低下速度が遅い、すなわち内圧保持性能が高いことが分かる。
以上詳述した実施形態によれば次のような効果が発揮される。
(1)第2開口部35の開口面積は、各第1開口部33の合計開口面積よりも小さいため、インナーバッグ31内から下部区画室29内に流れ込むガス量を、インナーバッグ31内から上部区画室30内に流れ込むガス量よりも多くすることができる。このため、下部区画室29の内圧を、上部区画室30の内圧よりも高くすることができる。そして、下部区画室29と上部区画室30とは、インナーバッグ31を介して連通しているため、該インナーバッグ31が障害となって、相対的に内圧の高い下部区画室29から相対的に内圧の低い上部区画室30にガスが流入することを抑制することができる。したがって、エアバッグ27が膨張展開する際に、下部区画室29と上部区画室30間に所望の内圧差を生じさせることができる。
(2)エアバッグ27は、その膨張展開時において、フロントシート21に着座している搭乗者Pの腰部と対応する下部区画室29の内圧が、該搭乗者Pの胸部と対応する上部区画室30の内圧に比べて高くなっている。このため、エアバッグ27により搭乗者Pにおける胸部よりも耐衝撃性の高い腰部を強く拘束することができるとともに、搭乗者Pの胸部をソフトに拘束することができる。この結果、搭乗者Pを効果的に保護することができる。
(3)リテーナ25及びインフレータ26は、テザー28の後方側における該テザー28の延長線を跨ぐように、すなわち両区画室29,30を跨ぐように配置され、かつエアバッグ27は、その後端部がリテーナ25とケース24との間に挟み込まれた状態でインフレータ26とともにケース24に図示しないボルトにより固定されている。このため、エアバッグ27の膨張展開時において、両区画室29,30がバランスよくケース24に固定されるので、該エアバッグ27の膨張展開時の安定性を向上することができる。
(4)インナーバッグ31は、その一部が両区画室29,30を区画するテザー28になっているため、部品点数を増やすことなく、エアバッグ27内を両区画室29,30に区画することができる。
(5)インナーバッグ31の周縁部に沿って所定間隔毎に両基布31a,31bを縫着してなる各閉じ部32間が、それぞれインナーバッグ31内と下部区画室29内とを連通する第1開口部33とされている。このため、エアバッグ27の膨張展開初期におけるインナーバッグ31の内圧が高い状態にあるときには、該内圧により第1開口部33が押し広げられて、該第1開口部33を通じてインナーバッグ31内から下部区画室29内にガスが円滑に流れるようにすることができる。一方、エアバッグ27の膨張展開後期におけるインナーバッグ31の内圧が低い状態にあるときには、該内圧の低下にともなって第1開口部33が閉じられるため、下部区画室29内のガスが第1開口部33を通じてインナーバッグ31内へ逆流することを抑制することができる。すなわち、エアバッグ27の膨張展開後期において、下部区画室29内のガスがインナーバッグ31内を介して上部区画室30内に流入することを抑制することができる。
(6)エアバッグ27の膨張展開初期においては、インナーバッグ31にガスが溜まって該インナーバッグ31が膨張されるとともに下部区画室29がガスによって膨張不十分ながらも展開(折り畳み状態が解除)された後、この膨張不十分で展開された状態にある下部区画室29内にインナーバッグ31内に溜まったガスが第1開口部33を通じて供給される。このため、エアバッグ27の膨張展開初期からいきなりエアバッグ27の下部区画室29が大きく膨張することが抑制される結果、膨張展開初期にエアバッグ27が車室内の突起物等と干渉することを抑制することができる。
(変更例)
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・図6に示すように、区画部としてのテザー28を省略し、インナーバッグ31を構成する基布31a,31bの上端縁同士を前後方向に沿って縫着、接着あるいは溶着することで、区画部を形成するようにしてもよい。
・インフレータ26全体がインナーバッグ31内に配置されるようにしてもよい。このようにすれば、インナーバッグ31に形成された両開口部33,35の開口面積をそれぞれ設定するだけで、エアバッグ27内の両区画室29,30に供給されるガス量を調整することができる、すなわちエアバッグ27内の両区画室29,30の内圧を調整することができる。
・エアバッグ27の内部を、3つ以上の区画室に区画するようにしてもよい。この場合、インナーバッグ31の配置及び該インナーバッグ31内と各区画室内とをそれぞれ連通する開口部の開口面積をエアバッグ27の使用態様に応じて適宜設定するとともに、各開口部のうち少なくとも1つを他の開口部と開口面積が異なるようにする必要がある。このようにすれば、エアバッグ27が膨張展開する際に、各区画室間に所望の内圧差を生じさせることができる。
・エアバッグ27の使用態様によっては、インナーバッグ31を上部区画室30内に設けるようにしてもよい。
・インナーバッグ31と、テザー28とは別体構成としてもよい。
・インナーバッグ31における側面視長四角形状をなす中途から前端側の部分は、テザー28とエアバッグ27との間のみに介在させて、これらテザー28とエアバッグ27との縫着部のみを補強するようにしてもよい。すなわち、必ずしもテザー28全体を補強する必要はない。
・インナーバッグ31における側面視長四角形状をなす中途から前端側の部分は、テザー28の強度が十分に確保されていれば、省略してもよい。
・インナーバッグ31における側面視長四角形状をなす中途から前端側の部分は、インナーバッグ31と別体(別部材)となるように構成してもよい。
・区画部として、テザー28の代わりにエアバッグ27の両基布27a,27b間を隙間なく縫着したシームとしてもよい。
・閉じ部32は、両基布31a,31bを接着または溶着することによって形成してもよい。
・サイドエアバッグ装置23は、フロントシート21だけでなく、リアシートに搭載するようにしてもよい。
実施形態における車室内の側面図。 実施形態におけるエアバッグの断面図。 図1における3−3線端面図。 図1における4−4線断面図。 (a)は、エアバッグの膨張展開時において、従来のエアバッグと本実施形態のエアバッグとの上部区画室における内圧と時間との関係を示したグラフ、(b)は、エアバッグの膨張展開時において、従来のエアバッグと本実施形態のエアバッグとの下部区画室における内圧と時間との関係を示したグラフ。 変更例におけるエアバッグの端面図。
符号の説明
21…シートとしてのフロントシート、23…サイドエアバッグ装置、26…ガス発生源としてのインフレータ、26a…ガス噴射口、27…エアバッグ、28…区画部としてのテザー、29…第1区画室としての下部区画室、30…第2区画室としての上部区画室、31…インナーバッグ、33…第1開口部、35…第2開口部、P…搭乗者。

Claims (6)

  1. ガス発生源のガス噴射口から噴射されるガスの圧力により、車両のボディサイド部と車室内のシートに着座した搭乗者との間で膨張展開するエアバッグを備え、該エアバッグ内が複数の区画室に区画されたサイドエアバッグ装置において、
    前記エアバッグ内には、前記ガス噴射口を内部に配置したインナーバッグが収容されるとともに、前記インナーバッグには、該インナーバッグ内と前記各区画室内とをそれぞれ連通する開口部が個別に形成されており、
    前記各開口部のうち少なくとも1つは、他の開口部と開口面積が異なることを特徴とするサイドエアバッグ装置。
  2. 前記エアバッグは、該エアバッグ内が第1区画室及び第2区画室に区画され、
    前記両区画室のうち第1区画室内には、前記インナーバッグが収容されるとともに、前記インナーバッグには、該インナーバッグ内と前記第1区画室内とを連通する第1開口部及び該第1開口部よりも小さな開口面積でもって前記インナーバッグ内と前記第2区画室内とを連通する第2開口部がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。
  3. 前記エアバッグは、前記搭乗者の胸部から腰部にかけての部位と対応するように膨張展開され、前記第1区画室は前記搭乗者の腰部と対応する位置で膨張展開するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のサイドエアバッグ装置。
  4. 前記エアバッグは、該エアバッグ内を略等分する位置で前記第1区画室及び第2区画室を区画するように所定方向へ延びる区画部を有しており、前記ガス発生源は、前記区画部に沿う延長線を跨ぐように配置されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のサイドエアバッグ装置。
  5. 前記インナーバッグは、その一部が前記区画部として機能するように前記エアバッグに一体形成されていることを特徴とする請求項4に記載のサイドエアバッグ装置。
  6. 前記ガス発生源は、その全体が前記インナーバッグ内に配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のサイドエアバッグ装置。
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