JP2014502580A - シートボルスタ室 - Google Patents

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Abstract

車両搭乗者の保護のための側面衝撃システムは、シートボルスタ空洞を形成する車両用シートボルスタと膨張可能なサイドエアバッグとを備える。エアバッグは、外側室を画定する外側部を有するサイドパネルを備える。チューブパネルは、サイドパネル内に配設され、サイドパネルのシートボルスタ部に接合される。チューブパネルは、シートボルスタ室を画定し、ガスがシートボルスタ室から外側室へ流れるようにする開口を有する。チューブパネル、サイドパネルのシートボルスタ部、およびシートボルスタ室は、膨張するときにシートボルスタ空洞内に留まる。サイドパネルのシートボルスタ部は、サイドエアバッグが膨張するときにシートボルスタ空洞の内側に当接する。インフレータは、シートボルスタ室および外側室にガスを供給するように作動可能である。
【選択図】図6A

Description

本発明は、一般に車両用安全拘束システムに関し、より詳細には、車両衝突の際に搭乗者を保護できるエアバッグを利用した車両安全システムに関する。
エアバッグシステムを取り扱う多くの発明が提案されてきた。これらのシステムは、一般に火工式インフレータとエアバッグとを備える。エアバッグは、膨張に先立って、コンパクトな折り畳み状態または丸められた状態で取り付けられる。例えばサイドエアバッグシステムを有する車両での側面衝突時など、様々なセンサにより衝突の発生を感知すると、車両に取り付けられたクラッシュセンサまたは加速度計が制御信号を発生する。制御信号はインフレータを作動させ、これにより、膨張ガスが生成または放出される。膨張ガスはエアバッグを膨張させる。理想的には、側面衝突エアバッグは、搭乗者を適切に保護するために搭乗者の側面と隣接する車両側面との間に位置する。サイドエアバッグは、理想的には、衝突が生じた場合、車両のドアが搭乗者に接近するより先に所定の位置にあるように迅速に展開しなければならない。
しかしながら、車両の運転中、搭乗者は、時にはアウト・オブ・ポジション(OOP)と称される通常の着座位置から外れた位置にいる場合がある。一例として、そのようなアウト・オブ・ポジションでの着座姿勢の1つには、子供がシートの外縁部と隣接する車両側面とによって形成される隅の内側にもたれている状態が挙げられるであろう。自動車メーカーは、一般的には、搭乗者がいつアウト・オブ・ポジションとなるかを検出するために様々なタイプのセンサを使用する。そして、これらのセンサは一定の基準に基づきエアバッグを不作動にするが、これらのセンサでは、考えられる搭乗者の位置状況のすべてに対応できるわけでなく、また費用が高くなる可能性がある。
本発明は、衝突の際の車両搭乗者の保護のための新規かつ改良されたサイドエアバッグおよび側面衝撃システムを提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、アウト・オブ・ポジションの搭乗者に作用する力を最小限に抑えるようにしてエアバッグを膨張させることにより、エアバッグ膨張の際にアウト・オブ・ポジションの搭乗者を捕捉する。したがって、これらの実施形態においては、アウト・オブ・ポジションの搭乗者を検出するように設計されたセンサを不要とすることが可能であり得る。
少なくとも1つの実施形態において、本発明は、インフレータからのガスにより膨張するように適合されたエアバッグを備えるタイプの車両搭乗者の保護のための側面衝撃システムを提供する。膨張するときに、サイドエアバッグは搭乗者の側方に位置する。側面衝撃システムは、シートボルスタ空洞を形成する車両用シートボルスタと、収縮状態で格納された膨張可能なエアバッグと、インフレータとを備える。サイドエアバッグは、サイドエアバッグの外面を形成する少なくとも1つのサイドパネルを備える。サイドパネルは、外側室を画定する外側部を有する。チューブパネルは、サイドパネル内に配設され、サイドパネルのシートボルスタ部に接合される。チューブパネルは、シートボルスタ室を画定し、ガスがシートボルスタ室から外側室へ流れるようにする少なくとも1つの開口を有する。チューブパネル、サイドパネルのシートボルスタ部、およびシートボルスタ室は、膨張するときにシートボルスタ空洞内に留まる。サイドパネルのシートボルスタ部は、サイドエアバッグが膨張するときにシートボルスタ空洞の内側に当接する。インフレータは、シートボルスタ室および外側室にガスを供給するように作動可能である。
別の変形形態において、サイドエアバッグは、外郭を形成する少なくとも1つの外面パネルと、外郭内に配設された内側バッフルと、ループ織布(loop fabric)インフレータディフューザとを備える。内側バッフルは、外郭を分割してシートボルスタ室と外側室とを形成し、ガスがシートボルスタ室から外側室へ流れるようにする少なくとも1つの開口を画定する。ループ織布インフレータディフューザは、シートボルスタ室内に配設され、かつループ織布インフレータディフューザの両端に第1および第2ディフューザ孔を画定する。
更に別の形態において、サイドエアバッグは、外縁で縫合されて外側継ぎ目を有する外郭を形成する少なくとも1つのサイドパネルを備える。サイドパネルは、外側部とシートボルスタ部とを有する。チューブパネルは、外郭内に配設され、外郭を分割して外側室とシートボルスタ室とを形成する。シートボルスタ室は、サイドパネルのシートボルスタ部により取り囲まれる。チューブパネルは、サイドパネルの外側部と協働して外側室を形成する。インフレータは、シートボルスタ室と流体連通し、シートボルスタ室にガスを供給するように作動可能である。チューブパネルは、ガスがシートボルスタ室から外側室へ流れるようにする少なくとも1つの開口を画定する。サイドパネルは、サイドエアバッグの外側にガスを放出するための通気孔を画定する。通気孔はサイドパネルの外側部に画定され、かつ外側継ぎ目から間隔を置いて配置される。
本発明の追加の便益および利点は、次の説明および添付された特許請求の範囲を添付図面と併せて読むことにより、本発明が関連する当業者にとって明らかになるであろう。説明および具体例は、例示を目的とするものであり、本開示の範囲を制限することを目的としていないことが理解されるべきである。
本明細書に記載の図面は、単に例示を目的とするものであり、決して本開示の範囲を制限することを目的としていない。
車両区画内の車両搭乗者の側面図である。
本発明の一実施形態に係るサイドエアバッグとインフレータとを備える側面衝撃システムの斜視図である。
本発明の一実施形態に係る、エアバッグまたはインフレータを除いた、図2Aの側面衝撃システムの斜視図である。
本発明の一実施形態に係る、図2Aおよび図2Bの側面衝撃システムの収縮状態でのサイドエアバッグの折り畳み配置の平面図である。
本発明の一実施形態に係る、図2A〜図2Cの側面衝撃システムのサイドエアバッグシステムの側面図である。
本発明の一実施形態に係る、図2A〜図2Cおよび図3の側面衝撃システムのサイドエアバッグシステムの断面図である。
本発明の一実施形態に係る、図2A〜図2C、図3および図4の側面衝撃システムのインフレータの側面図である。
本発明の一実施形態に係る、エアバッグが収縮状態で示された、図2A〜図2Cおよび図3〜図5の側面衝撃システムの側面図である。
本発明の一実施形態に係る、エアバッグが膨張状態で示された、図2A〜図2C、図3〜図5および図6Aの側面衝撃システムの側面図である。
本発明の一実施形態に係る、エアバッグが膨張状態で示された、図2A〜図2C、図3〜図5および図6Aの側面衝撃システムの別の実施形態の側面図である。
本発明の更なる目的、特徴および利点は、以下の説明および添付された特許請求の範囲を添付図面と関連させて考慮することにより、明らかになるであろう。
本発明の詳細な実施形態が本明細書において開示される。しかしながら、開示する実施形態は、本発明の単なる代表例であり、様々な代替形態で具現化されてもよいことが理解される。図面は必ずしも原寸に比例したものではなく、一部の図面は、特定の構成要素の詳細を示すために誇張または最小化されている可能性がある。したがって、本明細書に開示される特定の構造的および機能的な詳細は、限定するものとして解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の代表的な根拠および本発明を実施するために当業者に教示するためである。
本発明は、搭乗者がアウト・オブ・ポジション(OOP)である可能性を考慮しつつ、エアバッグによる車両搭乗者の保護に関連するいくつかの懸念事項を克服することを目的としている。例えば、いくつかの形態において、本発明は、搭乗者がアウト・オブ・ポジションであっても、アウト・オブ・ポジションの搭乗者に危害を及ぼすことなく迅速に展開する。
いくつかの実施形態において、エアバッグは、車両内のシートボルスタの大きさに適合する寸法とされた高圧室を備える。高圧室は、エアバッグの速度と力が展開時にシートボルスタ内に収容されるようにシートボルスタ内に収容される。エアバッグはまた、外側クッション室を有し、この外側クッション室は、シートボルスタの外側の搭乗者と相互作用する低圧室である。言い換えれば、外側クッション室は、高圧室よりも圧力が低い。両室は、例えばこれらの室の一方または両方に一定数の通気孔を形成することにより、アウト・オブ・ポジション搭乗者の要求に適合するように調整される。外側室は、膨張の際に高圧室より圧力が大きくてもよい。本発明は、側面衝突の際に過剰な力の発生が少なく、現在のエアバッグシステムよりも早期にかつ緩やかな相互作用を可能にする。
ここで、図面を参照すると、図1は、搭乗者14がシート16に着座している前部搭乗者区画12を有する自動車10を図示している。柔軟性の高い素材のエアバッグ(図示せず)が例えばシート16に取り付けられてもよく、このエアバッグはインフレータ(図1には図示せず)から膨張ガスを受け入れる。搭乗者区画12は、一般に、車両10の前部に向かって位置する前方領域11と、車両10の後部に向かって位置する後方領域13と、車両の上部に向かって位置する上方領域15と、車両の底部に向かって位置する下方領域17とを有する。
図2Aおよび図2Bを参照すると、図1の車両用シート16には本発明の原理を用いた側面衝撃システム20が図示されている。側面衝撃システム20はシートボルスタ22を備え、このシートボルスタ22は車両用シート16の一部である。シートボルスタ22は、例として、シートバック26の側部24とシート底部30の側部28とを備える。シートボルスタ22の他の変形形態では、例として、シートバック26の側部24とシート底部30の側部28のうちの一方のみを備えることができる。シートボルスタ22の更に他の変形形態を、本発明の精神または範囲から外れることなく、使用することができる。例えば、シートボルスタ22は、本発明の精神および範囲から外れることなく、図2Aおよび図2Bの実施形態とは異なる輪郭形状および大きさを有することができる。
車両用シートボルスタ22にはシートボルスタ空洞32が形成される。図2Aにおいて、サイドエアバッグ34およびインフレータ36は、シートボルスタ空洞32内に仮想線で示されており、このシートボルスタ空洞32は、側面衝撃システム20が展開される前に、エアバッグ34全体とインフレータ36が存在する場所である。シートボルスタ22のカバーは、シートボルスタ空洞32内にサイドエアバッグ34およびインフレータ36を密封し、側面衝撃システム20が展開されていないときに、サイドエアバッグ34およびインフレータ36を見えない場所に隠す。それゆえ、側面衝撃システム20は、シートボルスタ22を除き、非展開時には搭乗者には見えず、単にシート16の一部のように見える。図2Bでは、空洞32の内容物は示さずに、空洞32を備えたシートボルスタ22を有するシート16を示している。
図2Cを参照すると、搭乗者区画12内の前後方向が軸線Xで示されており、また、車内側方向および車外側方向が軸線Yにより示されている。エアバッグ34は膨張可能なサイドエアバッグであり、このエアバッグ34はシートボルスタ空洞32内に収縮状態で格納される。図2Cに示すように、エアバッグ34は、エアバッグ34の前方縁部35から例えばインフレータ36に近接する後方縁部37に巻回される車外側巻回折り畳みによるなどして、インフレータ36の隣に巻回され、シートボルスタ空洞32内に格納されてもよい。サイドエアバッグ34は、任意の好適な形態で格納されるかまたは折り畳まれてもよく、図2Cに示す形態に限定されないことが理解されるべきである。例えば、エアバッグ34では、その前方縁部と後方縁部の両方がインフレータ36に向けて巻回される二重巻回折り畳みを使用でき、これにより、前方巻回部がOOP搭乗者により遮られる場合には、エアバッグ34が更に後方に展開するとともに、通気システムを開放したままにすることができる。別の変形形態においては、Zパターン折り畳み配置を使用してもよく、このZパターン折り畳み配置は、二重巻回折り畳み配置に類似しているが、OOPに対して更に後方に展開されることが好ましい。
図3を参照すると、サイドエアバッグ34が更に詳細に図示されている。サイドエアバッグ34は、サイドエアバッグ34の外面を形成する少なくとも1つの外面パネル38を有する。サイドパネル38は、1つまたは複数の外側継ぎ目39により外縁で縫合されて外郭を形成する。サイドパネル38は、単一の織物タイプのパネル、または、例えば1つまたは複数の縫い目により、互いに接合された複数のパネルであってもよい。エアバッグ34は、搭乗者の胸部領域および/または頭部領域および/または骨盤領域を保護するためのものであってもよく、したがって、これらの領域に特有の衝撃エネルギーを吸収するように機能する対応する室を有していてもよい。
サイドパネル38は、外側室42を画定する外側部40を有する。より詳細には、この実施形態において、外側部40は、内側バッフルまたはチューブパネル44と協働して外側室42を形成する。ガスが外側室42内に流入すると、外側室42が膨張するようになるが、このことを以下に更に詳細に説明する。外側室42は、エアバッグ34の前部室、クッションまたはクッション部と呼ばれることもある。本発明のいくつかの形態において、外側室42は、膨張時にはシートボルスタ空洞32の外側に全体が配置され、これにより、外側室42が搭乗者14に当接してもよい。それゆえ、エアバッグ34が膨張するときに、サイドパネル38の外側部40がシートボルスタ空洞32の外側に配置されてもよい。
図3および図4を参照すると、内側バッフルまたはチューブパネル44は、サイドパネル38により形成された外郭内に配設され、サイドパネル38のシートボルスタ部46に接合されている。チューブパネル44は、シートボルスタ室48、およびシートボルスタ室48から外側室42へガスが流れるようにする1つまたは複数の開口50を画定する。言い換えれば、内側バッフルまたはチューブパネル44は、外郭を分割してシートボルスタ室48と外側室42とを形成し、シートボルスタ室48から外側室42へガスが流れるようにする少なくとも1つの開口50を画定する。サイドパネル38のシートボルスタ部46は、サイドパネルのシートボルスタ室48を取り囲む。この実施例において、シートボルスタ室48は、実質的にエアバッグの34の上部49から底部51へと全体的に延びる後部室である。開口50は大きさが異なってもよく、エアバッグ34の上部49に隣接しておよび/またはエアバッグ34の底部51に隣接して配置されてもよい。
サイドパネル38は、サイドエアバッグ34の外側にガスを放出するための1つまたは複数の通気孔52,54を画定する。いくつかの実施形態においては、エアバッグ34が膨張しているときに通気孔52,54が搭乗者14から離れる方向にガスを放出するように、通気孔52,54をエアバッグ34の外周に沿って位置付けることが好ましいかもしれない。
通気孔52はサイドパネル38の外側部40に形成されてもよく、通気孔54もサイドパネル38のシートボルスタ部46に形成されるか、または通気孔54が代替的にシートボルスタ部46に形成されてもよい。通気孔52,54は、シートボルスタ室48と外側室42からガスが漏出するようにするために設けられ、これにより、搭乗者14へのサイドエアバッグ34の衝撃の速度と力を緩和してもよい。複数の通気孔52,54は、サイドエアバッグ34が膨張するときに外側室42内の圧力がシートボルスタ室48内の圧力よりも低くなるような寸法とされてもよい。
本発明のいくつかの形態において、外側部40の通気孔52は、外側継ぎ目39から間隔を置いた位置にサイドパネル38の外側部40を貫通して形成される。この実施形態において、サイドパネル38は、縁部56で折り重ねられるとともに、外縁に沿って縫い付けられて外側継ぎ目39を形成し、通気孔52は、外側継ぎ目39から間隔を置いた位置で縁部56に形成される。通気孔のかがり縫い目58を通気孔52,54の周囲に付けてもよい。外側パネル40の通気孔52が外側継ぎ目39から間隔を置いて配置されるので、通気孔52が外側継ぎ目39に直接隣接して形成され、これにより、膨張ガスが、通気孔52を通って流れると同時に外側継ぎ目39に接触する場合に比べて、外側継ぎ目39に生じる損耗がより少なくなる。それゆえ、本発明のいくつかの形態においては、膨張ガスが、通気孔52を通って流れる際に外側継ぎ目39に接触することなく、外側部40の通気孔52を通って流れるようにするために、通気孔52を外側継ぎ目39から離れた場所に、または外側継ぎ目39から間隔を置いて配置することが好ましいかもしれない。
この実施形態において、側面衝撃システム20はまた、シートボルスタ室48内に配設されたディフューザ60を備える。ディフューザ60は、インフレータ36を取り囲むループ織布インフレータディフューザである。ディフューザ60は、例として、ディフューザ60の上側64に配置される第1ディフューザ孔62およびディフューザ60の下側68に配置される第2ディフューザ孔66を画定する。第1および第2ディフューザ孔62,66は、インフレータ36の作動時に、ガスがディフューザ60から上下方向に流れるようにディフューザ60の両端に配置されてもよい。
図5を参照すると、好適なインフレータ36が図示されている。インフレータ36は、サイドエアバッグ34を膨張させるために、シートボルスタ室48および外側室42にガスを供給するように作動可能である。インフレータ36はディフューザ60内に配置され、このディフューザ60は、サイドエアバッグ34のシートボルスタ室42内に配置される。それゆえ、ディフューザ60はインフレータ36を取り囲む;ディフューザ60およびインフレータ36は、更にチューブパネル44により取り囲まれ、ディフューザ60、インフレータ36、およびチューブパネル44は、更にサイドパネル38のシートボルスタ部46により取り囲まれる。代替案においては、インフレータが少なくともシートボルスタ室48と流体連通するのであれば、インフレータ36は、ディフューザ60とシートボルスタ室48の外側に位置してもよく、あるいは、部分的にこれらの外側に位置してもよい。いくつかの実施形態では、ディフューザ60を省略することができる。
インフレータ36の作動時に、ガスはインフレータ36からディフューザ60の第1および第2ディフューザ孔62,66を通ってシートボルスタ室42内に流入し、次に内側バッフルまたはチューブパネル44の開口50を通って外側室42内に流入する。それゆえ、インフレータ36は、シートボルスタ室48と流体連通し、シートボルスタ室48にガスを供給するように作動可能である。シートボルスタ室48は、外側室42と流体連通する。
インフレータ36は、例えば後部中央部のようなチューブパネル44の部分内に位置してもよく、インフレータ36のスタッド70は、後部中央部内への受入口が閉鎖されるようにエアバッグ34に画定された対応する孔に挿通されてもよい。
インフレータ36の取付スタッド70は、留め具72によりシート16のフレームに固定されてもよい。インフレータ36の作動前には、エアバッグ34は、シートボルスタ空洞32内のインフレータ36の周辺にコンパクトな形態に折り畳まれるかまたは丸められており、一般的には発泡体とシートボルスタ22のトリム材を覆う外装とにより覆われている。インフレータ36は、例として、車両用シート16の取付フレームに直接固定されてもよく、あるいは、ハウジング内に設置されてもよい。一形態において、エアバッグ34は、エアバッグ34の膨張時に膨張するエアバッグ34が継ぎ目を突き破るようにシートボルスタ22の車外側継ぎ目の後側に位置してもよい。サイドエアバッグ34が膨張し続けると、エアバッグ34の外側部40は、搭乗者14の側面と直に隣接する車両10の側面との間に位置付けられる。
図2A、図2B、図6A、および図6Cを参照すると、チューブパネル44、サイドパネル38のシートボルスタ部46、およびシートボルスタ室48は、サイドエアバッグ34が膨張するときにシートボルスタ空洞32内に留まっている。図6Aにおいて、チューブパネル44の縁部74は、シートボルスタ空洞32の空洞縁部33を越えて延びるように示されているが、この例示では、エアバッグ34が平坦状または収縮した状態でかつ巻回されていないときの縁部74,33間の関係を示している。エアバッグ34が膨張するときに、チューブパネル44、シートボルスタ部46、およびシートボルスタ空洞32は、いくつかの実施形態においては、チューブパネル44の三次元形状のためにシートボルスタ空洞32内に留まる(図6Cを参照)。代替案において、エアバッグ34、チューブパネル44、シートボルスタ部46、およびシートボルスタ空洞32は、膨張状態では、図6Bに示すように、ごく僅かな部分のみがシートボルスタ空洞縁部33より外側に延びた状態で、シートボルスタ空洞32内に実質的に留まる。図6A〜図6Cはシートボルスタ24とエアバッグ34との関係の単なる例であり、シートボルスタ24が図示されていない他の輪郭を有し得ることを理解するべきである。
チューブパネル44の縁部74は、シートボルスタ空洞32の縁部33に実質的に隣接している。いくつかの実施形態において、図Aの収縮状態の実施形態と組み合わせた図6Cの膨張状態の実施形態のように、エアバッグ34の初期展開時には、チューブパネル44の縁部74がシートボルスタ空洞縁部33を越えて延びるかもしれないが、膨張するときには、縁部74がシートボルスタ空洞32内に引き戻される。縁部74はチューブパネル44の幅を画定する。それゆえ、収縮状態では、チューブパネル44は、シートボルスタ空洞32の幅よりも広い幅にまで延びてもよい。しかしながら、インフレータ36からのガスによりシートボルスタ室48が膨張するときに、シートボルスタ室48はシートボルスタ空洞32の大きさにまで縮小し、これにより、チューブパネル44がシートボルスタ空洞32内に留まる。つまり、図6Bに関して、チューブパネル44は、シートボルスタ空洞32より外側に僅かに延びるかもしれないが、シートボルスタ空洞32内に実質的に留まる。
これにより、インフレータ36の速度と力がシートボルスタ22のシートボルスタ空洞32に収容されるようにして、OOP搭乗者が怪我しないようにする。言い換えれば、シートボルスタ室48、サイドパネル38のシートボルスタ部46、およびチューブパネル44は、エアバッグ34が膨張するときに空洞縁部33の後側のシートボルスタ空洞32内に留まる。いくつかの実施形態において、シートボルスタ室48は、シートボルスタ空洞32内で膨張するときにシートボルスタ空洞32と実質的に同じ大きさになる。
サイドパネル38のシートボルスタ部46は、サイドエアバッグ34が膨張するときにシートボルスタ空洞32の内側に当接する。本発明のいくつかの形態において、外側室42を形成する外側部40が搭乗者の側方のシートボルスタ空洞32の外側に配置される一方で、チューブパネル44およびサイドパネルの38のシートボルスタ部46は、サイドエアバッグ34が膨張するときにシートボルスタ空洞32内に留まる。
したがって、インフレータ36からのより高い圧力が、外側室42内よりもシートボルスタ空洞32およびシートボルスタ室48内に収容される。外側室42は、シートボルスタ室48よりも圧力が低く、これに対応して、外側部40には、シートボルスタ部46、チューブパネル44、およびシートボルスタ空洞32内よりも低い圧力が収容される。したがって、シートボルスタ室48内のより高い圧力が展開の初期段階での適切な位置決めおよび抜け出しを促進する一方で、外側パネル40のより低い圧力の外側室42だけがOOP搭乗者に実質的に当接し、エアバッグの展開に起因するOOP搭乗者の怪我の可能性を低減する。
その上、より高い圧力がシートボルスタ室48内およびシートボルスタ22のシートボルスタ空洞32内に収容されるため、衝突が生じた場合に搭乗者14の骨盤領域がより良好に保護される。シートボルスタ室48および外側室42各々の圧力は、サイドパネル38の外側部40とシートボルスタ部46の通気孔52,54の大きさおよび数を変えることにより、様々な所望の圧力を達成するように調整されてもよい。
いくつかの実施形態において、チューブパネル44は、所定量のガスをインフレータ36からシートボルスタ室32の下側後方部へ付勢するために、シートボルスタ室32が上部よりも底部において広くなるように斜めに位置してもよい。
いくつかの実施形態において、サイドパネル38の外側部40は、外側部40により形成される外側室42およびクッションがシートボルスタ空洞32の内側にシートボルスタ部46とチューブパネル44により形成されるシートボルスタ室48およびクッションよりも大きくなるように、シートボルスタ部46より広くてもよく、これにより、衝突の際に搭乗者14とのより早期にかつ緩やかな相互作用を可能にする。
当業者であれば容易に分かるように、上記の説明は、本発明の原理を実現する例示として意図されている。この説明は、以下の特許請求の範囲に規定される本発明の精神から逸脱することなく、本発明を改良、変形、および変更することができるという点で、本発明の範囲または用途を制限することを目的としていない。

Claims (20)

  1. インフレータからのガスにより膨張するように適合されたサイドエアバッグを備えるタイプの車両搭乗者の保護のための側面衝撃システムであって、膨張するときに、前記サイドエアバッグが前記搭乗者の側方に位置し、前記側面衝撃システムが
    シートボルスタ空洞を形成する車両用シートボルスタと、
    収縮状態で格納された膨張可能なサイドエアバッグであって、
    前記サイドエアバッグの外面を形成し、かつ外側室を画定する外側部を有する少なくとも1つのサイドパネルと、
    前記サイドパネル内に配設され、前記サイドパネルのシートボルスタ部に接合されるとともに、シートボルスタ室を画定し、ガスが前記シートボルスタ室から前記外側室に流れるようにする少なくとも1つの開口を有するチューブパネルとを備え、前記チューブパネル、前記サイドパネルの前記シートボルスタ部、および前記シートボルスタ室が、膨張するときに前記シートボルスタ空洞内に実質的に留まり、前記サイドパネルの前記シートボルスタ部が、前記サイドエアバッグが膨張するときに前記シートボルスタ空洞の内側に当接する、前記サイドエアバッグと、
    前記シートボルスタ室および前記外側室にガスを供給するために作動可能なインフレータとを備える、側面衝突システム。
  2. 前記インフレータが、前記サイドエアバッグの前記シートボルスタ室内に配置される、請求項1に記載の側面衝撃システム。
  3. 前記シートボルスタ室は、前記サイドエアバッグが膨張するときに前記シートボルスタ空洞と実質的に同じ大きさになる、請求項1に記載の側面衝撃システム。
  4. 前記サイドパネルが、前記サイドエアバッグの外側にガスを放出するための少なくとも1つの通気孔を画定する、請求項1に記載の側面衝撃システム。
  5. 前記少なくとも1つの通気孔が複数の通気孔であり、前記サイドパネルの前記外側部が前記複数の通気孔を画定する、請求項4に記載の側面衝撃システム。
  6. 前記複数の通気孔は、前記サイドエアバッグが膨張するときに前記外側室内の圧力が前記シートボルスタ室内の圧力よりも低くなるような寸法とされる、請求項5に記載の側面衝撃システム。
  7. 前記サイドパネルが、外縁で縫合されて少なくとも1つの外側継ぎ目を形成する、請求項4に記載の側面衝撃システム。
  8. 前記通気孔が、前記外側継ぎ目から間隔を置いて配置される、請求項7に記載の側面衝撃システム。
  9. 前記通気孔が、前記サイドパネルの前記外側部に形成される、請求項8に記載の側面衝撃システム。
  10. 前記インフレータを取り囲むディフューザを更に備え、前記ディフューザが少なくとも1つのディフューザ孔を画定する、請求項2に記載の側面衝撃システム。
  11. 前記ディフューザがループ織布インフレータディフューザであるとともに、前記少なくとも1つのディフューザ孔が複数のディフューザ孔であり、前記複数のディフューザ孔の第1および第2ディフューザ孔は、前記インフレータの作動時に、ガスがディフューザから上下方向に流れるように前記ディフューザの両端に配置される、請求項10に記載の側面衝撃システム。
  12. 前記インフレータの作動時に、ガスが前記インフレータから前記第1および第2ディフューザ孔を通って前記シートボルスタ室内に移動し、次に前記チューブパネルの前記開口を通って前記外側室内に移動する、請求項11に記載の側面衝撃システム。
  13. インフレータからのガスにより膨張するように適合されたタイプの車両搭乗者の保護のためのサイドエアバッグであって、膨張するときに、前記サイドエアバッグが前記搭乗者の側方に位置し、前記サイドエアバッグが:
    外郭を形成する少なくとも1つの外面パネルと;
    前記外郭内に配設され、前記外郭を分割してシートボルスタ室と外側室とを形成し、かつガスが前記シートボルスタ室から前記外側室へ流れるようにする少なくとも1つの開口を画定する内側バッフルと;
    前記シートボルスタ室内に配設され、かつループ織布インフレータディフューザの両端に第1および第2ディフューザ孔を画定する前記ループ織布インフレータディフューザとを備える、サイドエアバッグ。
  14. 前記シートボルスタ室および前記外側室にガスを供給するように作動可能なインフレータを更に備え、前記インフレータが前記ループ織布インフレータディフューザ内に配置される、請求項13に記載のサイドエアバッグ。
  15. 前記インフレータの作動時に、ガスが前記インフレータから前記第1および第2ディフューザ孔を通って前記シートボルスタ室内に移動し、次に前記内側バッフルの開口を通って前記外側室内に移動する、請求項14に記載のサイドエアバッグ。
  16. 前記外面パネルが、前記内側バッフルと協働して前記外側室を形成する外側部と、前記シートボルスタ室を取り囲むシートボルスタ部とを備え、前記外側部が、前記サイドエアバッグの外側にガスを放出するための通気孔を画定する、請求項13に記載のサイドエアバッグ。
  17. 前記外面パネルが外縁で縫合されて外側継ぎ目を形成し、前記通気孔が前記外側継ぎ目から間隔を置いて配置される、請求項16に記載のサイドエアバッグ。
  18. インフレータからのガスにより膨張するように適合されたタイプの車両搭乗者の保護のためのサイドエアバッグであって、膨張するときに、前記サイドエアバッグが、前記搭乗者の側方に位置し、前記サイドエアバッグが:
    外縁で縫合されて外側継ぎ目を有する外郭を形成し、かつ外側部とシートボルスタ部とを有する少なくとも1つのサイドパネルと;
    前記外郭内に配設され、前記外郭を分割して外側室とシートボルスタ室とを形成するチューブパネルであって、前記シートボルスタ室が前記サイドパネルの前記シートボルスタ部により取り囲まれ、前記チューブパネルが前記サイドパネルの前記外側部と協働して前記外側室を形成する前記チューブパネルと;
    前記シートボルスタ室と流体連通し、前記シートボルスタ室にガスを供給するように作動可能なインフレータとを備え、前記チューブパネルは、ガスが前記シートボルスタ室から前記外側室へ流れるようにする少なくとも1つの開口を画定し、
    前記サイドパネルが前記サイドエアバッグの外側にガスを放出するための通気孔を画定し、前記通気孔が前記サイドパネルの前記外側部に画定され、かつ前記通気孔が前記外側継ぎ目から間隔を置いて配置される、サイドエアバッグ。
  19. 前記インフレータが、前記シートボルスタ室内に配置される、請求項18に記載のサイドエアバッグ。
  20. 前記インフレータを取り囲むディフューザを更に備え、前記ディフューザが、ディフューザの両端に第1および第2ディフューザ孔を画定し、かつ前記シートボルスタ室内に配置される、請求項19に記載のサイドエアバッグ。
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