JP6417932B2 - サイドエアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、乗物用シートの側方から乗物に衝撃が加わった場合に、乗物用シートに着座している乗員の側方でエアバッグ本体を展開及び膨張させて、乗員を衝撃から保護するサイドエアバッグ装置に関する。
側突等により車両に対し側方から衝撃が加わった場合に、車両用シートに着座している乗員を保護する装置として、エアバッグ及びインフレータを備えたサイドエアバッグ装置が有効である。このサイドエアバッグ装置の一形態として、エアバッグの外殻部分を構成するエアバッグ本体が、前側ほど低くなるように傾斜した区画壁により前膨張室と後膨張室とに仕切られていて、インフレータが後膨張室の下部に配置されたものが、例えば特許文献1に記載されている。区画壁には、後膨張室及び前膨張室を連通させる複数の小孔が設けられている。そして、エアバッグは、折り畳まれた状態でインフレータとともに、シートバックに収納されている。
このサイドエアバッグ装置によると、車両の側壁部、例えばサイドドア等に対し、側突等により側方から衝撃が加わると、インフレータから膨張用ガスが噴出される。この膨張用ガスは後膨張室内を上方へ流れて、同後膨張室を略上方へ向けて展開及び膨張させる。また、膨張用ガスの一部は、後膨張室内を略上方へ流れる途中で、小孔を通じて前膨張室内に流入し、その前膨張室を展開及び膨張させる。このエアバッグが、乗員と車内側へ進入してくる側壁部との間に介在して乗員の上半身を拘束するとともに、側壁部を通じて上記上半身に伝わる側方からの衝撃を緩和する。また、上記後膨張室及び前膨張室の膨張により、乗員の上腕部を上方へ傾動させる。そのため、乗員の上半身のうち肩部よりも下方の部位、例えば胸部等の側方で、エアバッグ本体を展開及び膨張させて、同部位を衝撃から保護することが可能である。
特開2000−280853号公報
ところが、上記特許文献1に記載されたサイドエアバッグ装置では、インフレータによる膨張用ガスの供給位置が、後膨張室の下端に設定されていて、上腕部から後ろ下方へ遠く離れている。そのため、上腕部の迅速な傾動には改善の余地がある。
また、上記特許文献1に記載されたサイドエアバッグ装置では、エアバッグ本体が上腕部の荷重に抗してその上腕部を傾動させようとした際に押し負けて、一部がインフレータよりも後方へ展開及び膨張するおそれがある。この場合、エアバッグ本体の一部が、本来展開及び膨張すべき領域から後側へ外れて展開及び膨張することとなり、乗員の上半身を適切に保護するうえで改善の余地がある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、上流側膨張部により乗員の上腕部を迅速かつ的確に上方へ傾動させることのできるサイドエアバッグ装置を提供することにある。
上記課題を解決するサイドエアバッグ装置は、乗物用シートの側方から加わる衝撃に応じて供給される膨張用ガスにより、前記乗物用シートに着座した乗員の上半身の側方で展開及び膨張するエアバッグ本体を備え、前記エアバッグ本体内は、ガス流れ規制部を有する区画部により、同区画部よりも後側に位置し、かつガス発生器が配置され、そのガス発生器から膨張用ガスが供給される上流側膨張部と、前記区画部よりも前側に位置し、かつ前記上流側膨張部及び前記ガス流れ規制部を経た膨張用ガスが供給される下流側膨張部とに区画され、前記エアバッグ本体及び前記区画部が折り畳まれた状態の収納用形態にされて前記ガス発生器とともに収納部に収納されたサイドエアバッグ装置であって、前記ガス発生器のガス噴出部が乗員の上腕部の後方に配置されるとともに、前記収納部内であって、前記収納用形態の前記エアバッグ本体の後側にはブラケットが設けられており、前記ブラケットは、後壁部と、同後壁部の車内側の周縁部から前方へ突出する内周壁部と、同内周壁部と対向する位置で前記後壁部の車外側の周縁部から前方へ突出する周壁部を備え、前記周壁部は、車内側に位置する部分が他の部分よりも多く前方へ突出しており、前記ブラケットの後壁部を、展開及び膨張する前記上流側膨張部を通じて膨張用ガスの圧力を受け、前方へ向かう反力を発生させる受圧部として機能させている。
また、上記課題を解決するサイドエアバッグ装置は、乗物用シートの側方から加わる衝撃に応じて供給される膨張用ガスにより、前記乗物用シートに着座した乗員の上半身の側方で展開及び膨張するエアバッグ本体を備え、前記エアバッグ本体内は、ガス流れ規制部を有する区画部により、同区画部よりも後側に位置し、かつガス発生器が配置され、そのガス発生器から膨張用ガスが供給される上流側膨張部と、前記区画部よりも前側に位置し、かつ前記上流側膨張部及び前記ガス流れ規制部を経た膨張用ガスが供給される下流側膨張部とに区画され、前記エアバッグ本体及び前記区画部が折り畳まれた状態の収納用形態にされて前記ガス発生器とともに収納部に収納されたサイドエアバッグ装置であって、前記収納部は、前記乗物用シートのシートバック内における車外側部分に配置されたサイドフレーム部の車外側に設けられ、前記ガス発生器のガス噴出部が乗員の上腕部の後方に配置されるとともに、前記収納部内であって、前記収納用形態の前記エアバッグ本体の後側にはブラケットが設けられ、前記ブラケットは、後壁部と、同後壁部の周縁部における車内側の位置から前方へ突出する内周壁部とを備え、前記ブラケットの前記内周壁部が前記サイドフレーム部に取り付けられるとともに、前記ブラケットの前記後壁部に前記ガス発生器が取り付けられ、前記ブラケットの後壁部を、展開及び膨張する前記上流側膨張部を通じて膨張用ガスの圧力を受け、前方へ向かう反力を発生させる受圧部として機能させている。
上記の構成によれば、乗物用シートの側方から衝撃が加わると、ガス発生器のガス噴出部から膨張用ガスが上流側膨張部に供給される。膨張用ガスの供給を受けた上流側膨張部は、乗物用シートに着座している乗員の上半身の側方で展開及び膨張する。この展開及び膨張の初期には、膨張用ガスの圧力が受圧部によって受け止められるとともに、前方へ向かう反力が発生される。この反力により、上流側膨張部が前方へ迅速に展開及び膨張される。
そして、上流側膨張部は、前側ほど低くなるように傾斜した乗員の上腕部を押上げながら、上腕部の肩部に対する付け根を支点として、同上腕部を上方へ傾動させようとする。そのため、乗員の上半身のうち肩部よりも下方の部位、例えば胸部等の側方で、エアバッグ本体を展開及び膨張させて、同部位を衝撃から保護することが可能である。
ここで、上記の構成では、ガス発生器のガス噴出部が上腕部の後方に位置している。ガス噴出部と、上流側膨張部の押圧力が加えられる上腕部との間隔は、同ガス噴出部が他の箇所、例えば、上腕部の後ろ下方に位置する場合よりも短い。これに伴い、ガス噴出部から噴出された膨張用ガスは、上流側膨張部のうち上腕部の押圧に関わる部位に対し、より短い時間で到達する。そのため、上流側膨張部の上記部位による上腕部に対する押圧がより早い時期に開始される。上流側膨張部による上腕部の押上げ及び傾動がより早い時期に完了する。
上流側膨張部に供給された膨張用ガスは、ガス流れ規制部を通って下流側膨張部へ流入する。膨張用ガスは、ガス流れ規制部を通過する際に流路面積を絞られ、下流側膨張部へ流入することを少なからず規制される。この膨張用ガスにより、上流側膨張部に加え下流側膨張部も展開及び膨張する。乗員は、上流側膨張部に加え下流側膨張部によっても拘束され、衝撃から保護される。
記サイドエアバッグ装置において、前記周壁部は、前記後壁部を取り囲んだ状態で同後壁部から前方へ突出していることが好ましい。
上記サイドエアバッグ装置において、前記収納用形態のエアバッグ本体は、膨張用ガスを充填させることなく平面状に展開させられた非膨張展開状態のエアバッグ本体に対し、前方から後方に向けて折り畳む第1の折りが行なわれるとともに、前記第1の折りを経た中間形態のエアバッグ本体の上部を前側下方へ折り返す第2の折りが行なわれることにより形成されており、前記収納部に収納された状態では、前記収納用形態の前記エアバッグ本体の上端部が、上下方向については前記乗員の上腕部の近傍となる箇所に位置していることが好ましい。
上記の構成によれば、前方から後方に向けて折り畳む第1の折りが行なわれることにより、エアバッグ本体は、前後方向の寸法が小さな縦長の中間形態となる。この中間形態のエアバッグ本体の上部に対し前側下方へ折り返す第2の折りが行なわれることにより、同エアバッグ本体は、前後方向の寸法に加え上下方向の寸法の小さな、コンパクトな収納用形態にされる。そのため、エアバッグ本体は狭い収納部に対しても収納に適したものとなる。
収納部に収容された収納用形態のエアバッグ本体に膨張用ガスが供給されると、第2の折り及び第1の折りの順に折りが解消される。第2の折りの解消に際しては、収納用形態のエアバッグ本体において前側下方へ折り返された部分が、エアバッグ本体の上端部の近傍部分を支点として前側上方へ回動する。このエアバッグ本体の上端部は、上下方向については乗員の上腕部の近傍となる箇所に位置している。そのため、エアバッグ本体の展開及び膨張の初期に行なわれる上記前側上方への回動により、上流側膨張部による上腕部の押上げ及び傾動が一層早い時期から行なわれる。
上記サイドエアバッグ装置によれば、上流側膨張部により乗員の上腕部を迅速かつ的確に上方へ傾動させることができる。
車両用のサイドエアバッグ装置に具体化した一実施形態を示す図であり、同装置が設けられた車両用シートを乗員とともに示す側面図。 一実施形態において、車両用シート、エアバッグ、乗員及びボディサイド部の位置関係を示す平断面図。 一実施形態において、車両用シート、エアバッグ、乗員及びボディサイド部の位置関係を示す正断面図。 (a)は、一実施形態において、エアバッグモジュールが組み込まれたシートバックの側部の内部構造を示す部分平断面図、(b)は図4(a)の一部を拡大して示す部分平断面図。 一実施形態において、エアバッグの各構成部材をそれぞれ展開させた状態で示す分解斜視図。 一実施形態におけるブラケットの斜視図。 収納用形態にされてブラケットに取付けられたエアバッグモジュールを示す部分側面図。 (a)は、一実施形態におけるエアバッグモジュールの内部構造を乗員及び車両用シートとともに示す部分側断面図、(b)は図8(a)の一部を拡大して示す部分側断面図。 一実施形態において、エアバッグ本体が非膨張展開状態にされたエアバッグモジュールを示す図であり、(a)は側面図、(b)は図9(a)の内部構造を下方から見た断面図。 (a)はエアバッグ本体がさらに折り畳まれた状態のエアバッグモジュールを示す側面図、(b)は図10(a)の内部構造を下方から見た断面図、(c)は図10(a)のエアバッグ本体がさらに折り畳まれた状態のエアバッグモジュールを示す側面図、(d)は図10(c)の内部構造を下方から見た断面図。 図4(a)のエアバッグ本体がその一部をシートバック内に残して車両用シートから飛び出して展開及び膨張した状態を示す部分平断面図。 一実施形態における区画部が緊張したときの調圧弁及びその周辺部分を下方から見た部分斜視図。 (a)〜(c)は、一実施形態における調圧弁の動作を模式的に示す側断面図。 (a),(b)は、一実施形態のサイドエアバッグ装置による乗員の拘束態様を説明する部分側面図。 変形例の受圧部が用いられたエアバッグモジュールの概略構成を示す平面図。 ガス流れ規制部の変形例として、連通部及び調圧弁に代えて開口部が設けられた区画部を示す斜視図。 区画部に、ガス流れ規制部として、孔及び蓋シートが設けられた変形例を示す図であり、(a)は区画部及び蓋シートの斜視図、(b)は図17(a)の一部を拡大して示す部分斜視図。
以下、車両用のサイドエアバッグ装置に具体化した一実施形態について、図1〜図14を参照して説明する。
なお、以下の記載においては、車両の前進方向を前方として説明し、車両の後進方向を後方として説明する。また、車両の幅方向(車幅方向)についての中央部を基準とし、その中央部に近づく側を「車内側」とし、中央部から遠ざかる側を「車外側」とするものとする。また、車両用シートには、衝突試験用のダミーと同様の体格を有する乗員が着座しているものとする。このダミーは、例えば国際統一側面衝突ダミー(WorldSID)のAM50(米国成人男性の50%をカバーするモデル)である。
図1〜図3に示すように、車両10においてボディサイド部11の車内側の近傍には、乗物用シートとして車両用シート12が配置されている。ここで、ボディサイド部11とは、車両10の側部に配置された車両構成部材を指し、主としてドア、ピラー等がこれに該当する。例えば、前席に対応するボディサイド部11は、フロントドア、センターピラー(Bピラー)等である。また、後席に対応するボディサイド部11は、サイドドア(リヤドア)の後部、Cピラー、タイヤハウスの前部、リヤクォータ等である。
車両用シート12は、シートクッション13と、そのシートクッション13の後側から起立し、かつ傾斜角度を調整可能に構成されたシートバック14とを備えている。車両用シート12は、シートバック14が前方を向く姿勢で配置されている。このように配置された車両用シート12の幅方向は、車幅方向と合致する。
次に、シートバック14における車外側の側部の内部構造について説明する。
シートバック14の内部には、その骨格をなすシートフレームが配置されている。シートフレームの一部は、図4(a),(b)に示すように、シートバック14内の車外側部分に配置されており、この部分(以下「サイドフレーム部15」という)は、金属板を曲げ加工等することによって形成されている。サイドフレーム部15は、上下方向及び前後方向に延びる平板状をなす基部15aを備えている。
図4(a),(b)及び図6に示すように、サイドフレーム部15における基部15aの車外側には、ブラケット16が配置されている。ブラケット16が配置された箇所は、後述する収納部25内であって、収納用形態のエアバッグ本体41の後側である。ブラケット16は、後壁部17及び周壁部18を備えている。後壁部17は、上記基部15aに直交又は直交に近い状態で交差している。後壁部17は、車幅方向に対するよりも上下方向に寸法の大きな縦長の板状をなしている。後壁部17の上下方向に離間した複数箇所にはボルト孔19があけられている。
周壁部18は、後壁部17を取り囲んだ状態で、その後壁部17の周縁部から前方へ突出している。周壁部18のうち、車内側に位置するものを内周壁部18aとすると、内周壁部18aは、周壁部18のほかの箇所よりも多く前方へ突出している。この内周壁部18aにおいて上下方向に離間した複数箇所には、車内側へ向けて突出するボルト21が固定されている。そして、ブラケット16は、ボルト21がサイドフレーム部15の基部15aに挿通され、その挿通状態のボルト21にナット22が締付けられている。この締付けにより、ブラケット16がサイドフレーム部15に取付けられている。
サイドフレーム部15を含むシートフレームの前側には、ウレタンフォーム等の弾性材からなるシートパッド23が配置されている。また、シートフレームの後側には、合成樹脂等によって形成された硬質のバックボード24が配置されている。なお、シートパッド23は表皮によって被覆されているが、図4(a)ではその表皮の図示が省略されている。後述する図11についても同様である。
図4(a)に示すように、シートパッド23内において、サイドフレーム部15の車外側近傍には収納部25が設けられている。この収納部25には、サイドエアバッグ装置の主要部をなすエアバッグモジュールABMが組み込まれている。
収納部25の角部からは、斜め前かつ車外側に向けてスリット26が延びている。シートパッド23の前側の角部23cとスリット26とによって挟まれた箇所(図4(a)において二点鎖線の枠で囲んだ箇所)は、後述するエアバッグ40によって破断される破断予定部27を構成している。
エアバッグモジュールABMは、ガス発生器30及びエアバッグ40を主要な構成部材として備えている。次に、これらの構成部材の各々について説明する。
<ガス発生器30>
図4(a)及び図8(a)に示すように、ガス発生器30は、インフレータ31と、そのインフレータ31を覆うリテーナ32とを備えている。ここでは、インフレータ31として、パイロタイプと呼ばれるタイプが採用されている。インフレータ31は略円柱状をなしており、その内部には、膨張用ガスを発生するガス発生剤(図示略)が収容されている。インフレータ31は、その上端部にガス噴出部31aを有している。また、インフレータ31の下端部には、同インフレータ31への作動信号の入力配線となるハーネス(図示略)が接続されている。
なお、インフレータ31としては、上記ガス発生剤を用いたパイロタイプに代えて、高圧ガスの充填された高圧ガスボンベの隔壁を火薬等によって破断して膨張用ガスを噴出させるタイプ(ハイブリッドタイプ)が用いられてもよい。
一方、リテーナ32は、膨張用ガスの噴出する方向を制御するディフューザとして機能するとともに、インフレータ31をエアバッグ40と一緒にブラケット16に締結する機能を有する部材である。リテーナ32の大部分は、金属板等の板材を曲げ加工等することによって略筒状に形成されている。
リテーナ32には、これをブラケット16に取付けるための係止部材として、複数本のボルト33が固定されている。なお、ガス発生器30は、インフレータ31とリテーナ32とが一体になったものであってもよい。
図1及び図2に示すように、エアバッグ40の外殻部分はエアバッグ本体41によって構成されている。
<エアバッグ本体41>
図9(a)は、エアバッグ本体41が膨張用ガスを充填させることなく平面状に展開させられた状態(以下「非膨張展開状態」という)のエアバッグモジュールABMを示している。また、図8(a)は、エアバッグモジュールABMの内部構造を示すべく、図9(a)のエアバッグ本体41が車幅方向の中央部分で切断されたエアバッグモジュールABMを乗員P及び車両用シート12とともに示している。図5は、エアバッグ本体41をはじめとする、エアバッグ40の各構成部材をそれぞれ展開させた状態で示している。
図5、図8(a)及び図9(a)に示すように、エアバッグ本体41は、1枚の布片(基布、パネル布等とも呼ばれる)を、その中央部分に設定した折り線42に沿って前方へ二つ折りして車幅方向に重ね合わせ、その重ね合わされた部分を結合させることにより形成されている。ここでは、エアバッグ本体41の上記の重ね合わされた2つの部分を区別するために、車内側に位置するものを本体布部43といい、車外側に位置するものを本体布部44というものとする。
なお、本実施形態では、折り線42がエアバッグ本体41の後端部に位置するように布片が二つ折りされているが、折り線42が他の端部、例えば前端部、上端部、下端部等に位置するように布片が二つ折りされてもよい。また、エアバッグ本体41は折り線42に沿って分割された2枚の布片からなるものであってもよい。さらに、エアバッグ本体41は3枚以上の布片からなるものであってもよい。
エアバッグ本体41においては、両本体布部43,44の外形形状が、折り線42を対称軸として互いに線対称の関係にある。図1及び図2に示すように、各本体布部43,44は、エアバッグ本体41が車両用シート12とボディサイド部11との間で展開及び膨張したときに、乗員Pの上半身の一部(肩部PSから胸部PTにかけての部位)に対応する領域を占有し得る形状及び大きさに形成されている。
両本体布部43,44としては、強度が高く、かつ可撓性を有していて容易に折り畳むことのできる素材、例えばポリエステル糸、ポリアミド糸等を用いて形成した織布等が適している。
両本体布部43,44の上記結合は、それらの周縁部に設けられた周縁結合部45においてなされている。本実施形態では、周縁結合部45の大部分は、両本体布部43,44の周縁部のうち、後端部(折り線42の近傍部分)を除く部分を、縫製(縫糸で縫合)することにより形成されている。この点は、後述する縦結合部53、横結合部63及び結合部86についても同様である。
上記縫製に関し、図5、図8(a)、図9(a)、図10(a),(c)、及び図12では、3つの線種によって縫製部分が表現されている。変形例の説明に用いられる図17(a),(b)についても同様である。1つ目の線種は、一定長さの太線を断続的に並べて表現した線であり、これは、縫糸を側方から見た状態を示している(図9(a)における周縁結合部45等参照)。2番目の線種は、一定長さ(一般的な破線よりも長い長さ)の細線を断続的に並べて表現した線であり、これは、例えば布片の奥に位置していて直接は見えない(隠れている)縫糸の状態を示している(図5における横結合部63等参照)。3番目の線種は、点を一定間隔おきに並べて表現した線であり、これは、縫製部分を通る断面に沿った縫糸の断面を示している(図8(a)における周縁結合部45等参照)。
なお、周縁結合部45は、上記縫糸を用いた縫合とは異なる手段、例えば接着剤を用いた接着によって形成されてもよい。この点は、後述する縦結合部53、横結合部63及び結合部86についても同様である。
図8(a)に示すように、両本体布部43,44間であって、周縁結合部45及び折り線42によって囲まれた空間は、膨張用ガスによって展開及び膨張する膨張部46となっている。
二つ折りされたエアバッグ本体41の後端下部には、折り線42に直交する方向へ延びるスリット47が形成されている(図5参照)。両本体布部43,44においてスリット47よりも下側の部分は、他の部分の内側へ折り曲げた状態で入り込ませられた内折り部48となっている。内折り部48の下端部は、周縁結合部45によって両本体布部43,44のほかの部分に対し、共縫いにより結合されている。また、内折り部48の形成に伴いスリット47が開かれて、ガス発生器30の挿入口49が形成されている。
また、図5に示すように、エアバッグ本体41においてスリット47の上方となる複数箇所(2箇所)には、ガス発生器30のボルト33を挿通させるためのボルト孔50があけられている。
膨張部46は、区画部51により2つに区画されている。区画部51は、一般的にテザーと呼ばれるものと同様の構成を有している。
<区画部51>
区画部51は、展開させられた状態では、上下方向の寸法が車幅方向の寸法よりも長くなる縦長の形状を有している。
図5及び図8(a)に示すように、区画部51は、エアバッグ本体41が非膨張展開状態にされているときには、車幅方向の中央部において上下方向に沿って直前状に延びる折り線52に沿って前方へ二つ折りされ、車幅方向に重ねられている。
二つ折りされて重ねられた状態の区画部51の上端部は、上記周縁結合部45によって両本体布部43,44の上端部に対し、共縫いにより結合されている。また、上記状態の区画部51の下端部は、周縁結合部45によって両本体布部43,44の下端部に対し、共縫いにより結合されている。
区画部51は、車幅方向における一対の側縁部に沿って延びる縦結合部53によって、対応する本体布部43,44に結合されている。区画部51は、上記結合により両本体布部43,44間であって、膨張部46の前後方向における略中央部分に架け渡されている。
区画部51と、膨張部46の区画部51よりも後側の部分とは、同膨張部46のうちガス発生器30から最初に膨張用ガスが供給される上流側膨張部54を構成している。区画部51と、膨張部46の区画部51よりも前側の部分とは、上流側膨張部54及び後述するガス流れ規制部を経た膨張用ガスが供給される下流側膨張部55を構成している。
区画部51は、上記両本体布部43,44と同様の素材からなり、かつ上下方向に並べられた2つの布片56,57によって構成されている。
図8(a),(b)及び図12に示すように、布片56の下側の端部58と、布片57の上側の端部59とは、上下方向については、乗員Pの胸部PTの側方となる箇所で重ね合わされている。
両布片56,57は、それぞれ帯状をなす一対の重ね合わせ部61と、それ以外の箇所(以下「非重ね合わせ部62」という)との境界部分において、車幅方向に沿って延びる横結合部63によって結合されている。
なお、布片56,57の少なくとも一方は、折り線52に沿って2枚に分割されたものによって構成されてもよい。
区画部51には、ガス流れ規制部として連通部64及び調圧弁65が設けられている。
<連通部64及び調圧弁65>
連通部64及び調圧弁65は、上流側膨張部54による乗員拘束に伴い外力が加わることを条件とし、その条件が満たされるまでは閉じた状態又はそれに近い状態となり、同条件が満たされることにより開くものである。連通部64及び調圧弁65は、図12に示すように、上流側膨張部54の膨張に伴い緊張させられた区画部51において、車幅方向の略中央部分に設けられている。詳しくは、区画部51における横結合部63は、車幅方向の略中央部分において結合を解除されている。このように、横結合部63による結合を解除された箇所は、車幅方向に延びて、上流側膨張部54と下流側膨張部55とを連通させるスリット状の連通部64を構成している。
図8(a),(b)及び図12に示すように、調圧弁65は、連通部64での膨張用ガスの流通を制御することで、上流側膨張部54及び下流側膨張部55の各内圧を調整する弁である。布片56の端部58のうち、車幅方向において連通部64に対応する箇所によって調圧弁65の弁体部66が構成され、布片57の端部59のうち車幅方向において連通部64に対応する箇所によって調圧弁65の弁体部67が構成されている。
両弁体部66,67が、それらの少なくとも一部、例えば先端部66t,67tにおいて互いに接触することで、両弁体部66,67間での膨張用ガスの流通が規制される(図13(a),(b)参照)。このときの調圧弁65の動作態様を「閉弁」という。また、連通部64が開かれ、かつ弁体部66の略全体が弁体部67の略全体から離間することで、両弁体部66,67間での膨張用ガスの流通が可能となる(図13(c)参照)。このときの調圧弁65の動作態様を「開弁」という。
そして、両重ね合わせ部61は非重ね合わせ部62との境界部分において、下方へ折り曲げられて、下側の非重ね合わせ部62に重ねられている。なお、上記とは逆に、両重ね合わせ部61が上方へ折り曲げられて上側の非重ね合わせ部62に重ね合わされてもよい。さらに、折り曲げられた帯状の両重ね合わせ部61は、車幅方向の両端部において、前述した両縦結合部53により、エアバッグ本体41の対応する本体布部43,44及び非重ね合わせ部62に対し、共縫いにより結合されている。
さらに、下流側膨張部55であって、調圧弁65から略前方へ遠ざかった箇所には、下流側膨張部55の内外を連通させる排気孔(ベントホールとも呼ばれる)68が設けられている。排気孔68は、周縁結合部45の一部において、両本体布部43,44の結合を解除することにより構成されている。なお、排気孔68は、下流側膨張部55に設けられた孔によって構成されてもよい。
そして、図8(a)に示すように、ガス発生器30が略上下方向へ延びる姿勢にされたうえで、同ガス発生器30の下部を除く多くの部分が、略下方から挿入口49を通じて上流側膨張部54内の後端部に挿入されている。さらに、ボルト33がエアバッグ本体41のボルト孔50(図5参照)に挿通されることにより、ガス発生器30がエアバッグ本体41に対し位置決めされた状態で係止されている。
なお、ガス発生器30の全体が上流側膨張部54内の後端部に配置され、ボルト33がエアバッグ本体41のボルト孔50に挿通されてもよい。
ところで、エアバッグモジュールABMは、非膨張展開状態のエアバッグ本体41(図9(a)参照)が折り畳まれることにより、図7に示すようにコンパクトな形態(以下「収納用形態」という)にされている。これは、エアバッグモジュールABMを、シートバック14における限られた大きさの収納部25に対し、収納に適したものとするためである。この収納用形態は、非膨張展開状態のエアバッグ本体41に対し、第1の折り及び第2の折りが順に行なわれることにより得られる。
次に、各折りについて説明するが、その説明には、折り線42,71〜73の位置、折り畳まれる部位の位置、折りの方向等の特定が必要となる。そのため、特定の際には、エアバッグ40の取付けられたシートバック14が傾けられず鉛直状態にされて、インフレータ31が鉛直方向に延びる姿勢にされているものとする。なお、図9(a),(b)及び図10(a)〜(d)では、図中の右側が「前側」を示し、左側が「後側」を示している。また、図9(a)及び図10(a),(c)では、図中の上側が「上側」を示し、下側が「下側」を示している。さらに、図9(b)及び図10(b),(d)では、図中の上側が「車外側」を示し、下側が「車内側」を示している。
<第1の折り>
第1の折りは、非膨張展開状態のエアバッグ本体41のうちガス発生器30よりも前側(図9(a),(b)の右側)の部分を前方から後方へ向けて折り畳む折り態様である。この第1の折りは、エアバッグ本体41の主として下流側膨張部55を対象として行なわれるロール折りと、主として上流側膨張部54を対象として行なわれる蛇腹折りとからなる。
ロール折りに際しては、図9(a)に示すように、主として下流側膨張部55に対し、互いに平行な状態で上下方向に延びる複数本の折り線71が設定される。図9(b)に示すように、主として下流側膨張部55がガス発生器30の前方から後方に向けて、各折り線71に沿って順に渦巻き状に折り畳まれる。表現を変えると、主として下流側膨張部55は同一方向に繰り返し折り畳まれる。
蛇腹折りに際しては、主として上流側膨張部54に対し、図9(a)及び図10(a)に示すように、互いに平行な状態で上下方向に延びる複数本の折り線72が設定される。隣り合う折り線72の間隔は、蛇腹折りにおける折り幅となる。そして、図10(a),(b)に示すように、主として上流側膨張部54が、折り線72に沿って蛇腹状に折り畳まれる。より詳しくは、主として上流側膨張部54は、前方から後方に向けて、一定幅ずつ交互に、折り返す方向を変えながら折り畳まれる。
なお、上記ロール折り及び蛇腹折りの実施順は特に限定されず、例えば、同時又は略同時に実施されてもよい。
その結果、図10(c),(d)に示すように、蛇腹折りによって折り畳まれた上流側膨張部54がガス発生器30の前方近傍に配置され、ロール折りによって折り畳まれた下流側膨張部55が、上流側膨張部54の前方に隣接した状態で配置される。エアバッグ本体41は、前後方向の寸法が小さな縦長の形態(以下「中間形態」という)になる。
<第2の折り>
第2の折りは、上記中間形態のエアバッグ本体41の上部を前側下方へ折り返す折り態様である。より詳しくは、中間形態のエアバッグ本体41のインフレータ31よりも上側のドット(・)で示す位置に、車幅方向に延びる折り線73が設定される。そして、中間形態のエアバッグ本体41の折り線73よりも上側の部分41uが、折り線73を支点として前側下方へ折り返される。この折り返しにより、上記部分41uが、エアバッグ本体41において、折り線73よりも下側の部分に重ねられて、エアバッグ本体41が、図7に示す収納用形態にされる。その後、エアバッグ本体41は、結束テープ(図示略)等の保持手段によって収納用形態に保持される。
このように、エアバッグ本体41が折り畳まれて収納用形態にされたエアバッグモジュールABMは、上下方向にも前後方向にも小さくなっており、シートバック14の狭い収納部25に対しても収納に適したものとなる。
上記エアバッグモジュールABMでは、ガス発生器30から延びてエアバッグ本体41のボルト孔50に挿通されたボルト33が、ブラケット16の後壁部17におけるボルト孔19(図6参照)に挿通されている。各ボルト孔19に挿通された状態の各ボルト33にナット34が締付けられている。この締付けにより、ガス発生器30がエアバッグ本体41と一緒にブラケット16に取付けられている。このように、ガス発生器30及びエアバッグ本体41は、ブラケット16を介してサイドフレーム部15に取付けられている。この状態のガス発生器30におけるインフレータ31のガス噴出部31aは、乗員Pの上腕部PAの後方に位置している(図8(a)参照)。
なお、ガス発生器30は、上述したボルト33及びナット34とは異なる部材によってブラケット16の後壁部17に取付けられてもよい。また、リテーナ32が用いられることなくインフレータ31が後壁部17に直接取付けられてもよい。
さらに、本実施形態では、収納部25内であって、収納用形態のエアバッグ本体41の後側に配置された上記ブラケット16の後壁部17を、展開及び膨張する上流側膨張部54を通じて膨張用ガスの圧力を受け、前方へ向かう反力を発生させる受圧部として機能させるようにしている。
また、エアバッグモジュールABMが収納部25に収納された状態では、収納用形態のエアバッグ本体41の上端部41a(図7参照)が、上下方向については乗員Pの上腕部PAの近傍となる箇所(上腕部PAの上下方向の略中央部分)に位置している(図1参照)。
サイドエアバッグ装置は、上述したエアバッグモジュールABMのほかに、図1に示す衝撃センサ81及び制御装置82を備えている。衝撃センサ81は加速度センサ等からなり、車両10のボディサイド部11に設けられており、同ボディサイド部11に側方から加えられる衝撃を検出する。制御装置82は、衝撃センサ81の検出信号に基づきインフレータ31の作動を制御する。
さらに、車室内には、車両用シート12に着座している乗員Pをその車両用シート12に拘束するためのシートベルト装置が装備されているが、図1〜図3等ではこのシートベルト装置の図示が省略されている。
上記のようにして、本実施形態のサイドエアバッグ装置が構成されている。次に、このサイドエアバッグ装置の作用として、代表的な動作の態様(モード)について説明する。
図13(a)〜(c)は、調圧弁65及び区画部51の形態が、膨張用ガスの供給開始後、時間とともに変化する様子を模式的に示したものであり、細部については省略及び簡略化されている。
このサイドエアバッグ装置では、ボディサイド部11に対し側方から衝撃が加わったことが衝撃センサ81によって検出されないときには、制御装置82からインフレータ31に対し、これを作動させるための作動信号が出力されず、膨張用ガスが噴出されない。エアバッグ本体41は、収納用形態で収納部25に収納され続ける(図4(a)参照)。
これに対し、車両10の走行中等に、側突等によりボディサイド部11に対し側方から所定値以上の衝撃が加わり、そのことが衝撃センサ81によって検出されると、その検出信号に基づき制御装置82からインフレータ31に対し、これを作動させるための作動信号が出力される。このとき、車両用シート12に着座している乗員Pの上腕部PAは、多くの場合と同様に、肩部PSの回動中心を起点として、前側ほど低くなるように傾斜しているものとする(図1参照)。
上記制御装置82から出力される作動信号に応じて、インフレータ31のガス噴出部31aから膨張用ガスが噴出される。膨張用ガスが、収納用形態のエアバッグ本体41の上流側膨張部54に供給されることで、同上流側膨張部54の内圧が上昇していき、同上流側膨張部54が展開し、曲面状に膨張しようとする。
一方、縦結合部53によりエアバッグ本体41(本体布部43,44)に結合されて二つ折りされた状態の区画部51は、上流側膨張部54が展開及び膨張する際に車幅方向の両側に引っ張られる。区画部51は、図12に示すように前方へ膨らむ曲面状になって、上流側膨張部54の前端部を構成する。
図13(a)に示すように、調圧弁65の両弁体部66,67に対しては、その重なり方向(厚み方向)から内圧PIが加わる。この内圧PIは、上流側膨張部54による乗員Pの拘束時の内圧ほど高くない。両弁体部66,67は、この内圧PIにより面全体で互いに密着し、両弁体部66,67間での膨張用ガスの流通を規制する自己シール状態となる。さらに、折り曲げられて下側の非重ね合わせ部62に重ねられた重ね合わせ部61が、内圧によりその非重ね合わせ部62に押付けられ(図12参照)、両弁体部66,67が一層閉じられやすくなる。
ここで、区画部51が、車幅方向よりも上下方向に長く形成されている(図5参照)ことから、区画部51では、車幅方向に対し、上下方向に対するよりも強いテンションがかかりやすい。連通部64は、この強いテンションのかかりやすい車幅方向に延びているため、閉じられやすい。
さらに、図12に示すように、上流側膨張部54が展開及び膨張したときには、区画部51の非重ね合わせ部62に対するだけでなく、重ね合わせ部61に対しても車幅方向に強いテンションがかかる。これは、重ね合わせ部61の車幅方向の両端部が本体布部43,44に結合されているからである。
両弁体部66,67が、それらの少なくとも一部において互いに接触すると、調圧弁65が実質的に閉弁した状態となる。上流側膨張部54内の膨張用ガスは、両弁体部66,67間及び連通部64を通って下流側膨張部55へ流出することを規制される。この規制により、上流側膨張部54に膨張用ガスが溜まり、専ら上流側膨張部54の内圧が上昇する。
本実施形態では、膨張部46が区画部51によって2つに区画されていて、その一方が上流側膨張部54とされていることから、上流側膨張部54の容積は、膨張部46が区画部51により区画されていない場合の容積よりも小さい。そのため、上流側膨張部54の内圧は、区画部51により区画されていない場合よりも早く上昇を開始し、しかも高くなる。
上記内圧の上昇により、上流側膨張部54が折り畳まれた順とは逆の順に、すなわち、第2の折り及び第1の折りの順に、折り状態を解消(展開)しながら膨張していく。これは、エアバッグ本体41において後から折り畳まれた部分が、先に折り畳まれた部分の折り状態の解消を規制するからである。シートバック14のシートパッド23が主として上流側膨張部54によって押圧され、破断予定部27(図4(a)参照)において破断される。上流側膨張部54は、一部(ブラケット16との取付け部分及びその近傍部分)を収納部25に残した状態で、下流側膨張部55を伴って、破断された箇所を通じてシートバック14から前方へ飛び出す(図11参照)。
上流側膨張部54の展開及び膨張の初期には、ブラケット16の後壁部17が受圧部として機能し、膨張用ガスの圧力が受圧部(後壁部17)によって受け止められるとともに、前方へ向かう反力が発生される。この反力により、上流側膨張部54が前方へ迅速に展開及び膨張される。
そして、上流側膨張部54は、前側ほど低くなるように傾斜した上腕部PAを押上げながら(図14(a)参照)、上腕部PAの肩部PSに対する付け根を支点として、同上腕部PAを前上方へ傾動させる(図14(b)参照)。この際、上述したように、受圧部(後壁部17)によって前方へ向かう反力が発生されていることから、上流側膨張部54が上腕部PAの荷重に抗して、その上腕部PAを上方へ傾動させようとした際に、押し負けることが起りにくい。従って、上流側膨張部54の一部が、本来展開及び膨張すべき領域から後側に外れて展開及び膨張することが起りにくい(領域内で展開及び膨張する)。
ここで、本実施形態では、ガス発生器30のガス噴出部31aが乗員Pの上腕部PAの後方に位置している(図8(a))。ガス噴出部31aと、上流側膨張部54の押圧力が加えられる上腕部PAとの間隔は、同ガス噴出部31aが他の箇所、例えば、上腕部PAの後ろ下方に位置する場合(特許文献1がこれに該当する)よりも短い。これに伴い、ガス噴出部31aから噴出された膨張用ガスは、上流側膨張部54のうち上腕部PAの押圧に関わる部位に対し、より短い時間で到達する。そのため、上流側膨張部54の上記部位による上腕部PAに対する押圧がより早い時期に開始される。上流側膨張部54による上腕部PAの押上げ及び傾動がより早い時期に完了する。
また、第2の折りの解消に際しては、図7に示すように、収納用形態のエアバッグ本体41において前側下方へ折り返された部分41uが、上端部41a近傍の折り線73を支点として前側上方へ回動する。このエアバッグ本体41の上端部41aは、上下方向については乗員Pの上腕部PAの近傍となる箇所(上腕部PAの上下方向の略中央部分)に位置している。そのため、エアバッグ本体41の展開及び膨張の初期に行なわれる上記前側上方への回動により、上流側膨張部54による上腕部PAの押圧が一層早い時期から行なわれる。
その後も膨張用ガスの供給される上流側膨張部54は、乗員Pの上半身のうち、肩部PSよりも下方の部位、例えば胸部PT等の側方で展開及び膨張する。
このときには、下流側膨張部55は未だ膨張してないか、膨張していたとしても僅かであり、その内圧は低い。ただし、下流側膨張部55が膨張することなく展開する(折りがほどける)ことは起り得る。上流側膨張部54が展開及び膨張する際の前方への動きが下流側膨張部55に伝わるからである。
また、エアバッグ本体41の上流側膨張部54は、折りが解消しやすい(展開しやすい)蛇腹折りされている。このことから、上流側膨張部54は速やかに展開及び膨張する。この上流側膨張部54によって下流側膨張部55が前方へ速やかに押し出される。
なお、図11に示すように、車幅方向の両側に引っ張られた区画部51は緊張した状態となって、上流側膨張部54の同方向の膨張厚みを規制する。
ボディサイド部11がさらに車内側へ進入することで、上流側膨張部54により、乗員Pの胸部PTの各後半部がさらに車内側へ押圧され、上半身が車内側へ移動させられて拘束され、衝撃から保護される。また、車内側への上記移動により、乗員Pの上半身とボディサイド部11との間隔が拡げられ、下流側膨張部55の展開及び膨張のための空間が確保される。
ここで、両弁体部66,67がそれらの面全体で密着した(実質的に閉じられた)状態で、上流側膨張部54内に膨張用ガスが供給され続ける一方、ボディサイド部11から外力が加わることにより、調圧弁65が開弁し始める。
すなわち、上流側膨張部54への膨張用ガスの供給期間の途中からは、乗員Pの拘束に伴う外力が加わって同上流側膨張部54が変形する。これに伴い、区画部51に対し車幅方向に強くかかっていたテンションが減少する。
また、上流側膨張部54の上記変形に伴い同上流側膨張部54の内圧PIがさらに上昇して、区画部51が下流側膨張部55側へ押圧されて(図13(b)参照)、同区画部51にかかるテンションが変化する。そして、上記テンションの変化により、車幅方向及び上下方向のテンションの差が小さくなる。区画部51における連通部64の変形が許容され、弁体部66,67の作動が許容されるようになる。
一方、重ね合わせ部61が下側の非重ね合わせ部62に重ねられ、車幅方向の両端部において、両縦結合部53によって本体布部43,44に結合されていることから、重ね合わせ部61において縦結合部53に近い部分では、重ね合わされた状態を維持しようとする力が強い。しかし、この力は、縦結合部53から遠ざかるに従い小さくなり、車幅方向の中央部分において最小となる。そのため、上下方向へ引っ張られた重ね合わせ部61は、連通部64、弁体部66,67及びそれらの近傍部分においてのみ同方向へ変形する。
連通部64が上下方向へある程度開くと、重ね合わせ部61では、図13(b)に示すように、上流側膨張部54の高い内圧PIを受けた両弁体部66,67においてのみ、連通部64を通って下流側膨張部55へ押し出される(反転される)。この連通部64の上下方向の幅Wが狭いときには、弁体部66,67の先端部66t,67t同士が接触し合い、調圧弁65が閉じ続ける。
そして、連通部64の幅Wの増大により、図13(c)に示すように、先端部66t,67tが離れ、調圧弁65が開弁した状態になると、上記流通規制が解除される。上流側膨張部54内の膨張用ガスは、連通部64と両弁体部66,67間とを順に通って下流側膨張部55へ流出することを許容される。ただし、膨張用ガスは、連通部64及び調圧弁65を通過する際に流路面積を絞られ、下流側膨張部55へ流入することを少なからず規制される。
上記膨張用ガスの流出により、上流側膨張部54の内圧が上昇から低下に転ずる。ただし、ボディサイド部11は車内側へ依然として進入し続けていて、膨張部46が上流側膨張部54において乗員Pに押付けられる。
また、膨張用ガスの流入により下流側膨張部55が膨張を開始するとともに、同下流側膨張部55の内圧が上昇し始める。下流側膨張部55が折り畳まれた順とは逆の順に折り状態を解消(展開)しようとする。このときには、下流側膨張部55は、耐衝撃性が乗員Pの上半身のうち、他の箇所よりも低い上半身の前半部の側方で、しかも、上流側膨張部54よりも低い内圧で、展開及び膨張する。この際、上述したように、ボディサイド部11と乗員Pの上半身との間隔が、上流側膨張部54によって拡げられていて、下流側膨張部55の展開及び膨張のための空間が確保されていることから、下流側膨張部55は、こうした間隔の拡大が行なわれない場合よりも、前方へ向けて展開及び膨張しやすい。
そして、下流側膨張部55の内圧の上昇開始から少し遅れて、車内側へ進入するボディサイド部11により、上流側膨張部54に加え、下流側膨張部55が乗員Pの上半身の前半部に接触し押し付けられ始める。同上半身が上流側膨張部54に加え、下流側膨張部55によって拘束され始める。
特に、エアバッグ本体41の下流側膨張部55に対し施されているロール折りには、蛇腹折りに比べると折りが解消しにくいものの、障害物に展開を阻害され難く狭い部分に入り込みやすいという特徴がある。そのため、下流側膨張部55は、乗員Pの上腕部PAに展開を阻害されにくく、その上腕部PAの下方部分に入り込みやすい。
このように、上流側膨張部54及び下流側膨張部55がそれぞれ展開及び膨張したエアバッグ本体41が、乗員Pの上半身と、車内側へ進入してくるボディサイド部11との間に介在する。このエアバッグ本体41によって上半身が車内側へ押圧されて拘束される。そして、ボディサイド部11を通じて上半身に伝わる側方からの衝撃が、エアバッグ本体41によって緩和されて、同上半身が保護される。
なお、下流側膨張部55が展開及び膨張したときには、下流側膨張部55内の余剰の膨張用ガスは、排気孔68を通じて排出される。この排出により下流側膨張部55の内圧が低下し、乗員Pの上半身の前半部が下流側膨張部55によって適切な荷重で押圧されて拘束される。
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)収納部25内であって、収納用形態のエアバッグ本体41の後側には、展開及び膨張するエアバッグ本体41を通じて膨張用ガスの圧力を受け、前方へ向かう反力を発生させる受圧部(後壁部17)を設けている(図4(a),(b))。
そのため、膨張用ガスの圧力を受圧部(後壁部17)によって受け止めるとともに、前方へ向かう反力を発生させ、上流側膨張部54を前方へ迅速に展開及び膨張させることができる。
また、インフレータ31のガス噴出部31aを乗員Pの上腕部PAの後方に配置している(図8(a))。
そのため、ガス噴出部31aからの膨張用ガスを、上流側膨張部54のうち上腕部PAの押圧に関わる部位に対し、より短い時間で到達させることができる。
その結果、上流側膨張部54により、乗員Pの上腕部PAを迅速かつ的確に押上げながら上方へ傾動させることができる。
(2)非膨張展開状態のエアバッグ本体41に対し、前方から後方に向けて折り畳む第1の折りと、第1の折りを経た中間形態のエアバッグ本体41の上部(部分41u)を前側下方へ折り返す第2の折りとを行なう(図10(a)〜(d))。
収納部25に収納された状態では、収納用形態のエアバッグ本体41の上端部41aを、上下方向については乗員Pの上腕部PAの近傍となる箇所に配置している(図1、図7)。
そのため、エアバッグ本体41を狭い収納部25に対して収納に適したものにすることができる。
また、第2の折りの解消に際し、収納用形態のエアバッグ本体41において前側下方へ折り返された部分41uを前側上方へ回動させることにより、上流側膨張部54による上腕部PAの押圧を一層早い時期から行なわせることができる。
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変形例として実施することもできる。
<ガス発生器30について>
・ガス発生器30は、ブラケット16を介さずに、サイドフレーム部15に直接取付けられてもよい。この場合、ガス発生器30は、ボルト33が後方に代えて車内側へ突出する姿勢にされる。そして、ボルト33がサイドフレーム部15の基部15aに挿通され、その挿通状態のボルト33にナット34が締付けられる。
<受圧部について>
・上記のように、ガス発生器30がサイドフレーム部15に直接取付けられる態様の場合、受圧部がリテーナ32に設けられてもよい。図15はその一例を示している。この変形例では、リテーナ32の一部がエアバッグ本体41の外部に露出させられ、その露出部分に、サイドフレーム部15(基部15a)に沿って上下方向及び前後方向に延びる側壁部32aが設けられる。また、側壁部32aの後端部には、同側壁部32aに直交又は直交に近い状態で交差する後壁部32bが設けられている。この後壁部32bを、受圧部として機能させてもよい。
<エアバッグ本体41について>
・エアバッグ本体41に対する第1の折りとして、ロール折り及び蛇腹折りの一方のみが行なわれてもよい。
・エアバッグ本体41は、その略全体が上記実施形態のように膨張部46からなるものであってもよいが、膨張用ガスが供給されず膨張することのない非膨張部を一部に有するものであってもよい。
・エアバッグ本体41は、乗員Pの上半身とボディサイド部11との間で展開及び膨張するものであることを条件に、その形状及び大きさが上記各実施形態とは異なるものに変更されてもよい。
・収納部25に収納された収納用形態のエアバッグ本体41の上端部41aは、上下方向については、乗員Pの上腕部PAの近傍であることを条件に、上記実施形態とは異なる箇所に位置させられてもよい。
<区画部51について>
・区画部51の形状は、展開させられた状態のとき、上下方向の寸法が車幅方向の寸法よりも長くなる縦長の形状であることを条件に、上記実施形態とは異なる形状に変更されてもよい。
・上記実施形態において、区画部51の車幅方向における一対の側縁部は、本体布部43,44に対し、ともに上流側膨張部54内で結合されてもよいし、下流側膨張部55内で結合されてもよい。
また、一方の側縁部が本体布部43,44に対し上流側膨張部54内で結合され、他方の側縁部が下流側膨張部55内で結合されてもよい。
・重ね合わせ部61において、両弁体部66,67として機能するのは、車幅方向について連通部64に対応する部分である。そのため、上流側膨張部54の展開及び膨張時に、両弁体部66,67の少なくとも一部(例えば、先端部66t,67t)が接触して閉じられるのであれば、重ね合わせ部61において、連通部64に対応しない部分(非近傍部分)の形態が変更されてもよい。例えば、重ね合わせ部61において連通部64に対応しない部分(非近傍部分)については、部分的又は全体的に結合されてもよい。この結合の手段としては、縫合であってもよいし、接着であってもよい。このように変更されることで、重ね合わせ部61において連通部64に対応する部分だけ両弁体部66,67として作動させ、対応しない部分が不要に動く現象、例えば、ばたつく現象を抑制することができる。そのほかにも、重ね合わせ部61において連通部64に対応しない箇所の少なくとも一部に切欠きが入れられてもよい。
・両弁体部66,67が、連通部64を有する区画部51とは異なる部材によって構成されてもよい。
・連通部64は、横結合部63において、折り線52から同折り線52に直交する方向へ外れた箇所に設けられてもよい。また、連通部64は、横結合部63の複数箇所に設けられてもよい。これらの場合にも、上記実施形態と同様に、各連通部64の周りに弁体部66,67が設けられる。
・両弁体部66,67を含む一対の重ね合わせ部61は、膨張部46が展開及び膨張する前に上流側膨張部54に代えて、下流側膨張部55に配置されてもよい。
・二つ折り状態の区画部51は、折り線52を両縦結合部53よりも下流側膨張部55側に位置させた状態で非膨張展開状態の膨張部46に配設されてもよい。この場合、両弁体部66,67を含む重ね合わせ部61は、膨張部46が展開及び膨張する前に下流側膨張部55に配置されてもよい。
<ガス流れ規制部について>
・図16に示すように、ガス流れ規制部として、上記連通部64及び調圧弁65に代えて、区画部51に開口部83が設けられてもよい。この場合、区画部51は、単一の布片によって構成されてもよいし、上記実施形態と同様に複数の布片によって構成されてもよい。開口部83は、上流側膨張部54及び下流側膨張部55を連通させる孔によって構成され、上流側膨張部54から下流側膨張部55への膨張用ガスの流通を許容するものであってもよい。この場合であっても、膨張用ガスは開口部83を通る際に抵抗を受け、下流側膨張部55へ流入することを規制される。
・連通部64及び調圧弁65として、上記実施形態で説明したものに代え、上流側膨張部54の内圧が所定値を越えることを条件とし、その条件が満たされるまでは閉じた状態又はそれに近い状態となり、同条件が満たされることにより開くものが用いられてもよい。図17(a),(b)はその一例を示している。この場合にも、上記図16の変形例と同様に、区画部51は、単一の布片によって構成されてもよいし、上記実施形態と同様に複数の布片によって構成されてもよい。
この変形例では、上記実施形態の区画部51において連通部64の設けられた箇所に、その連通部64に代えて、上流側膨張部54及び下流側膨張部55を連通させる孔84があけられ、この孔84によって連通部が構成される。
また、上流側膨張部54又は下流側膨張部55(図17(a),(b)では上流側膨張部54)であって、上記孔84を塞ぐ位置に、蓋シート85が調圧弁として配置される。蓋シート85は、孔84を取り囲むように設けられた環状の結合部86によって区画部51に結合される。結合部86は、縫糸を用いた縫合、接着剤を用いた接着等によって形成される。ただし、この結合部86としては、上流側膨張部54の内圧が所定値を越えることをもって、少なくとも一部が破断されるものが用いられる。
このようにすると、上流側膨張部54の内圧が所定値以下である場合には、その内圧が蓋シート85を通じて結合部86に加わるが、その結合部86は破断されず、蓋シート85を孔84の周りで区画部51に結合し続ける。
接着剤を孔84の周りで区画部51に対し連続して環状に塗布することによって結合部86を形成した場合には、孔84が蓋シート85によって塞がれた状態、すなわち、孔84及び蓋シート85がともに閉じられた状態になる。
これに対し、縫合によって結合部86を形成した場合には、蓋シート85が区画部51に対し縫糸によって断続的に結合されることから、縫い目からは若干の膨張用ガスが漏れ得る。そのため、孔84及び蓋シート85は、ともに実質的に閉じられた状態になる。
また、上記内圧が所定値を越えて、蓋シート85を通じて結合部86に大きな力が加わると、その結合部86の少なくとも一部が破断される。この破断により、孔84が蓋シート85によって塞がれない状態、すなわち、孔84及び蓋シート85がともに開かれた状態になる。膨張用ガスは、この破断された箇所を通じて孔84及び蓋シート85を通過することが可能となる。
<エアバッグモジュールABMの収納部25について>
・車両用シート12のシートバック14に代えてボディサイド部11に収納部25が設けられ、ここにエアバッグモジュールABMが組み込まれてもよい。
<その他>
・上記サイドエアバッグ装置は、シートバック14が車両10の前方とは異なる方向、例えば側方を向く姿勢で車両用シート12が配置された車両10において、その車両用シート12に対し側方(車両10の前後方向)から衝撃が加わった場合に、同衝撃から乗員Pを保護するタイプのサイドエアバッグ装置にも適用可能である。
・上記サイドエアバッグ装置が適用される車両10には、自家用車に限らず各種産業車両も含まれる。
・上記サイドエアバッグ装置は、車両10以外の乗物、例えば航空機、船舶等に装備されて、乗物用シートに着座している乗員Pを衝撃から保護するサイドエアバッグ装置にも適用可能である。
12…車両用シート(乗物用シート)、17…ブラケットの後壁部(受圧部)、25…収納部、30…ガス発生器、31a…ガス噴出部、32b…リテーナの後壁部(受圧部)、41…エアバッグ本体、41a…上端部、51…区画部、54…上流側膨張部、55…下流側膨張部、64…連通部(ガス流れ規制部)、65…調圧弁(ガス流れ規制部)、83…開口部(ガス流れ規制部)、84…孔(ガス流れ規制部)、85…蓋シート(ガス流れ規制部)、P…乗員、PA…上腕部。

Claims (4)

  1. 乗物用シートの側方から加わる衝撃に応じて供給される膨張用ガスにより、前記乗物用シートに着座した乗員の上半身の側方で展開及び膨張するエアバッグ本体を備え、
    前記エアバッグ本体内は、ガス流れ規制部を有する区画部により、同区画部よりも後側に位置し、かつガス発生器が配置され、そのガス発生器から膨張用ガスが供給される上流側膨張部と、前記区画部よりも前側に位置し、かつ前記上流側膨張部及び前記ガス流れ規制部を経た膨張用ガスが供給される下流側膨張部とに区画され、
    前記エアバッグ本体及び前記区画部が折り畳まれた状態の収納用形態にされて前記ガス発生器とともに収納部に収納されたサイドエアバッグ装置であって、
    前記ガス発生器のガス噴出部が乗員の上腕部の後方に配置されるとともに、前記収納部内であって、前記収納用形態の前記エアバッグ本体の後側にはブラケットが設けられており、
    前記ブラケットは、後壁部と、同後壁部の車内側の周縁部から前方へ突出する内周壁部と、同内周壁部と対向する位置で前記後壁部の車外側の周縁部から前方へ突出する周壁部を備え、
    前記周壁部は、車内側に位置する部分が他の部分よりも多く前方へ突出しており、
    前記ブラケットの後壁部を、展開及び膨張する前記上流側膨張部を通じて膨張用ガスの圧力を受け、前方へ向かう反力を発生させる受圧部として機能させているサイドエアバッグ装置。
  2. 乗物用シートの側方から加わる衝撃に応じて供給される膨張用ガスにより、前記乗物用シートに着座した乗員の上半身の側方で展開及び膨張するエアバッグ本体を備え、
    前記エアバッグ本体内は、ガス流れ規制部を有する区画部により、同区画部よりも後側に位置し、かつガス発生器が配置され、そのガス発生器から膨張用ガスが供給される上流側膨張部と、前記区画部よりも前側に位置し、かつ前記上流側膨張部及び前記ガス流れ規制部を経た膨張用ガスが供給される下流側膨張部とに区画され、
    前記エアバッグ本体及び前記区画部が折り畳まれた状態の収納用形態にされて前記ガス発生器とともに収納部に収納されたサイドエアバッグ装置であって、
    前記収納部は、前記乗物用シートのシートバック内における車外側部分に配置されたサイドフレーム部の車外側に設けられ、
    前記ガス発生器のガス噴出部が乗員の上腕部の後方に配置されるとともに、前記収納部内であって、前記収納用形態の前記エアバッグ本体の後側にはブラケットが設けられ、
    前記ブラケットは、後壁部と、同後壁部の周縁部における車内側の位置から前方へ突出する内周壁部とを備え、
    前記ブラケットの前記内周壁部が前記サイドフレーム部に取り付けられるとともに、前記ブラケットの前記後壁部に前記ガス発生器が取り付けられ、
    前記ブラケットの後壁部を、展開及び膨張する前記上流側膨張部を通じて膨張用ガスの圧力を受け、前方へ向かう反力を発生させる受圧部として機能させているサイドエアバッグ装置。
  3. 前記周壁部は、前記後壁部を取り囲んだ状態で同後壁部から前方へ突出している請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。
  4. 前記収納用形態のエアバッグ本体は、膨張用ガスを充填させることなく平面状に展開させられた非膨張展開状態のエアバッグ本体に対し、前方から後方に向けて折り畳む第1の折りが行なわれるとともに、前記第1の折りを経た中間形態のエアバッグ本体の上部を前側下方へ折り返す第2の折りが行なわれることにより形成されており、
    前記収納部に収納された状態では、前記収納用形態の前記エアバッグ本体の上端部が、上下方向については前記乗員の上腕部の近傍となる箇所に位置している請求項1〜のいずれか一項に記載のサイドエアバッグ装置。
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