JP2021062770A - 空調用吹出口装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】確実に操作することのできる空調用吹出口装置を提供すること。【解決手段】空調用吹出口装置(10)は、吹出口(21)を兼ねるハウジング(20)と、ハウジング(20)に支持されたスイング可能なフィン(32)と、フィン(32)と共にスイング可能に設けられたピニオンギヤ部(40)と、ピニオンギヤ部(40)に噛み合っているラックギヤ部(70)と、操作者が操作可能な操作部(60)と、を有している。フィン(32)がスイング可能な最大角までスイングしている状態において、ラックギヤ部(70)のピニオンギヤ部(40)に噛み合っているラック歯部は、隣接するラック歯部(41)よりも大きく形成されているラック大歯部(41A)である。【選択図】図4

Description

本発明は、スイング可能なフィンによって風向きを変更することのできる空調用吹出口装置に関する。
例えば、乗用車両の乗員の前方には、乗員に向かって送風可能な空調用吹出口装置が設けられている。空調用吹出口装置として、スイング可能に設けられ風向きを調節するフィンを有するものが知られている。乗員は、フィンの向きを調節することにより、任意の方向に風を送ることができる。このような空調用吹出口装置に関する従来技術として特許文献1に開示される技術がある。
特許文献1に示されるような、空調用吹出口装置は、吹出口を兼ねるハウジングと、吹出口を閉じることが可能なフィンと、フィンと共にスイング可能に設けられたピニオンギヤ部と、ピニオンギヤ部に噛み合っているラックギヤ部と、操作者が操作可能な操作部と、を有している。
操作者が操作部を左右にスライドさせることにより、ラックギヤ部も左右にスライドする。ラックギヤ部に噛み合っているピニオンギヤ部は、ラックギヤ部がスライドすることにより、左右方向にスイングする。フィンは、ピニオンギヤと共に左右にスイングする。
実用新案登録第3149585号公報
本発明者らが空調用吹出口装置について研究を行ったところ、操作部を勢いよくスライドさせた際に、ラックギヤ部の端部がピニオンギヤ部から外れることがあることが分かった。ラックギヤ部がピニオンギヤ部から外れると、その位置から操作部を変位させることが不能となる。
本発明は、確実に操作することのできる空調用吹出口装置の提供を課題とする。
本発明によれば、室内に臨み風の吹出口を兼ねるハウジングと、
このハウジングにスイング可能に支持され、風の吹き出す方向を調節可能なフィンと、
このフィンと共にスイング可能に設けられた略円弧状のギヤであるピニオンギヤ部と、
このピニオンギヤ部に噛み合っている直線状に形成されたギヤであるラックギヤ部と、
このラックギヤ部と共に直線的に移動可能であり操作者が操作可能な操作部と、を有し、
前記フィンがスイング可能な最大角までスイングしている状態において、
前記ラックギヤ部の前記ピニオンギヤ部に噛み合っている歯部は、隣接する歯部よりも大きく形成されているラック大歯部であり、
又は、前記ピニオンギヤ部の前記ラックギヤ部に噛み合っている歯部は、隣接する歯部よりも大きく形成されているピニオン大歯部であることを特徴とする空調用吹出口装置が提供される。
本発明では、フィンがスイング可能な最大角までスイングしている状態において、ピニオンギヤ部に噛み合っているラック歯部はラック大歯部であり、又は、ラックギヤ部に噛み合っているピニオン歯部はピニオン大歯部である。ラック大歯部及びピニオン大歯部は、共に隣り合う歯部よりも大きい。ラック大歯部及びピニオン大歯部は、他の歯部に比べて乗り越えるのに大きな力が必要である。このため、操作部を勢いよく変位させ、フィンの最大角まで移動させた場合に、最大角を超えて回転させることが困難である。これにより、ラックギヤ部がピニオンギヤ部から外れることを抑制することができる。確実に操作することのできる空調用吹出口装置を提供することができる。
本発明の実施例による空調用吹出口装置の斜視図である。 図1に示された空調用吹出口装置の分解斜視図である。 図2の3−3線断面図である。 図4Aは、フィンがスイング可能な最大角までスイングしている状態の空調用吹出口装置の断面図、図4Bは、図4Aの4B部拡大図である。 図5Aは、変更実施例による空調用吹出口装置の断面図、図5Bは、図5Aに示したフィンがスイング可能な最大角までスイングしている状態の空調用吹出口装置の断面図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、説明中、左右とは車両の乗員を基準として左右、前後とは車両の進行方向を基準として前後を指す。また、図中Upは上、Dnは下を示している。添付図に示した形態は本発明の一例であり、本発明は当該形態に限定されない。
<実施例>
図1を参照する。空調用吹出口装置10は、例えば、乗用車両において乗員の前方に配置されたダッシュボードに固定されている。乗員は、操作部60を左右上下に変位させることにより、風の吹き出し方向を左右方向や上下方向に調節することができる。又は、乗員は、操作部60を操作することにより、車室Vi内(室内)への送風を遮断することができる。
図2を参照する。空調用吹出口装置10は、枠状に形成され吹出口21を兼ねるハウジング20と、このハウジング20に支持され上下に延びる縦フィンユニット30と、ハウジング20に支持され左右に延びる横フィンユニット50と、この横フィンユニット50に支持されこれらの縦フィンユニット30及び横フィンユニット50を操作するための操作部60と、を有する。
ハウジング20は、略矩形筒状の樹脂製の部材であり、後端が車室Vi(図1参照)に臨む。ハウジング20の後端は、車室Viに風を送るための吹出口21を兼ねている。ハウジング20は、縦フィンユニット30を支持するために上下に形成されている縦フィン支持部22と、横フィンユニット50を支持するために左右に形成されている横フィン支持部23と、を有している。
縦フィンユニット30は、縦フィン支持部22にそれぞれ支持され左右方向にスイング可能な4つの縦フィン32(フィン32)と、1つの縦フィン32(図の右から2つめの縦フィン32)に一体的に形成され操作部60を左右方向に移動させることにより回転するピニオンギヤ部40と、4つの縦フィン32を連結し4つの縦フィン32を同時に左右方向にスイングさせる縦フィンリンク34と、を有している。
横フィンユニット50は、左右の横フィン支持部23にそれぞれ固定されている左右のフィン支持部材51、51と、これらのフィン支持部材51、51に両端が支持され上下にスイング可能な5つの横フィン52と、これらの5つの横フィン52を連結し5つの横フィン52を同時に上下方向にスイングさせる横フィンリンク54と、を有している。
図3を併せて参照する。操作部60は、横フィン52(図の上から3つめの横フィン52)に溝状に形成されたフィン溝部52aを挟み込むようにして、左右方向にスライド可能に設けられている。操作部60は、横フィン52の上面に沿って設けられている上部ノブ61と、この上部ノブ61と共に横フィン52を挟み込み横フィン52の下面に沿って設けられている下部ノブ62と、これらの上部ノブ61及び下部ノブ62によって挟み込まれている板ばね63と、横フィン52に保持され下部ノブ62に当接しているキャップ64と、上部ノブ61に一体的に形成されピニオンギヤ部40に噛み合っているラックギヤ部70と、を有する。
図3及び図4Aを参照する。操作部60を左右にスライドさせることにより、ラックギヤ部70に噛み合っているピニオンギヤ部40は、回転する。ピニオンギヤ部40が回転することにより、縦フィン32も左右方向にスイングする。4つの縦フィン32は、縦フィンリンク34(図2参照)を介して連結されているため、ピニオンギヤ部40の形成されている縦フィン32がスイングすることにより、同時にスイングする。
図3に示される状態において風は後方に向かって送風される。図4Aに示される状態において吹出口21は、閉じられている。このため、車室Vi(図1参照)内に送風は行なわれない。縦フィン32は、図4Aに示される位置までスイング可能である。この状態を、縦フィン32がスイング可能な最大角までスイングしている状態、という。
なお、縦フィン32がスイング可能な最大角までスイングしている状態は、吹出口21の開閉によって決められるものではなく、縦フィン32のスイングが止められる位置によって定められる。ただし、縦フィン32がスイング可能な最大角は、縦フィン32が吹出口21を閉じている状態に設定されていることが好ましい。仮に、ピニオンギヤ部40とラックギヤ部70との噛み合いが外れると、縦フィン32を動かすことができなくなってしまう。このとき、縦フィン32が閉じた状態にあると、車室内に送風を行うことができない。一方、縦フィン32が開いた状態から操作を行えなくなった場合には、そもそも送風を止めればよい。このため、縦フィン32がスイング可能な最大角は、縦フィン32が吹出口21を閉じている状態に設定されていることが好ましい。
図1を参照する。操作部60を上下にスイングさせると、操作部60を支持している横フィン52が上下にスイングする。5つの横フィン52は、横フィンリンク54(図2参照)を介して連結されているため、操作部60を支持している横フィン52がスイングすることにより、同時にスイングする。
図4Aを参照する。ピニオンギヤ部40が形成されている縦フィン32に隣接する縦フィン32(図の左から2つ目の縦フィン32)には、最大角までスイングした状態のピニオンギヤ部40の一部が収納される収納部32aが形成されている。収納部32aは、ピニオンギヤ部40から逃げるように凹状に形成されている。
図4Bを参照する。ピニオンギヤ部40は、ピニオンギヤの歯である複数のピニオン歯部41が同じピッチで形成されている。ピニオン歯部41とピニオン歯部41との間は、ピニオン底部42とされている。ピニオン底部42のうち、最大角までスイングした状態においてラックギヤ部70が噛み合っているピニオン底部42Aは、隣接するピニオン底部42よりも深く形成されたピニオン大底部42Aである。
ラックギヤ部70は、ラックギヤの歯である複数のラック歯部71が同じピッチで形成されている。ラック歯部71とラック歯部71との間は、ラック底部72とされている。ラック歯部71のうち、最大角までスイングした状態においてピニオン大底部42Aに対向しているラック歯部71Aは、隣接するラック歯部71よりも高く形成されたラック大歯部71Aである。
ピニオン大底部42Aの形状は、ラック大歯部71Aの先端の形状に沿っている。
図5A及び図5Bを参照する。なお、最大角までスイングした状態において、ラックギヤ部70Aに噛み合っているピニオン歯部41Aを大きく形成してもよい。このとき、ピニオンギヤ部40Aのラックギヤ部70Aに噛み合っている歯部41Aは、隣接する歯部41よりも大きく形成されているピニオン大歯部41Aである、ということができる。
また、このとき、ラックギヤ部70Aは、ピニオン大歯部41Aに対向し、隣接するラック底部72よりも深く形成されたラック大底部72Aを有していてもよい。さらに、ラック大底部72Aは、ピニオン大歯部41Aの先端の形状に沿った形状であってもよい。
以上に説明した空調用吹出口装置10の効果を説明する。
図4Bを参照する。縦フィン32がスイング可能な最大角までスイングしている状態において、ピニオンギヤ部40に噛み合っているラック歯部はラック大歯部71Aである。ラック大歯部71Aは、隣り合うラック歯部71よりも大きい。ラック大歯部71Aは、他のラック歯部71に比べて乗り越えるのに大きな力が必要である。このため、操作部60を勢いよく変位させ、縦フィン32の最大角まで移動させた場合に、最大角を超えて回転させることが困難である。これにより、ラックギヤ部70がピニオンギヤ部40から外れることを抑制することができる。確実に操作することのできる空調用吹出口装置10を提供することができる。なお、ピニオンギヤ部40がピニオン大歯部41A(図5A参照)を有する場合も同様の効果を奏する。
加えて、ピニオンギヤ部40は、ラック大歯部71Aの先端に対向し、隣接するピニオン底部42よりも深く形成されたピニオン大底部42Aを有している。ラック大歯部71Aの先端がピニオンギヤ部40に接触することを抑制し、ピニオンギヤ部40とラックギヤ部70とが互いに離間する方向に力が加わることを抑制する。これにより、さらにラックギヤ部70がピニオンギヤ部40から外れることを抑制することができる。なお、ラックギヤ部70Aが、ラック大谷部72Aを有している場合も同様である。
さらに、ピニオン大底部42Aは、ラック大歯部71Aに沿った形状を呈している。このため、ラック大歯部71Aが回転した場合であっても確実にラック大歯部71Aの先端に接触することを防止することができる。なお、ラック大谷部72Aがピニオン大歯部41Aに沿った形状を呈している場合も同様である。
また、縦フィンユニット30の組付け時において、ピニオン大底部42Aとラック大歯部71Aを合わせて組付けのガイド(目印)として活用できる為、組付け性向上も図ることができる。
尚、本発明による空調用吹出口装置は、ダッシュボードに設けられたものを例に説明したが、車両の天井部やピラーに設けられた形式のものであっても適用可能である。さらには、車両以外の乗り物や建機等にも適用可能であり、これらの形式のものに限られるものではない。
加えて、本発明による空調用吹出口装置は、縦フィンと横フィンとを有しているものを例に説明をしたが、一種類のフィンのみからなる空調用吹出口装置にも適用可能である。さらには、本発明を横フィンに適用することも可能である。
また、隣接する歯部よりも大きな大歯部は、ピニオンギヤ部やラックギヤ部の両端に形成することもできる。このとき、一方の大歯部をピニオンギヤ部に形成し、他方の大歯部をラックギヤ部に形成することもできる。ただし、大歯部を一端に形成する場合には、フィンが吹出口を閉じている状態に設定されていることが好ましい。
本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
本発明の空調用吹出口装置は、車両用エアコン装置に好適である。
10…空調用吹出口装置
20…ハウジング
21…吹出口
32…縦フィン(フィン)
40…ピニオンギヤ部
41…ピニオン歯部
41A…ピニオン大歯部
42…ピニオン底部
42A…ピニオン大底部
60…操作部
70…ラックギヤ部
71…ラック歯部
71A…ラック大歯部
72A…ラック大谷部

Claims (3)

  1. 室内に臨み風の吹出口を兼ねるハウジングと、
    このハウジングにスイング可能に支持され、風の吹き出す方向を調節可能なフィンと、
    このフィンと共にスイング可能に設けられた略円弧状のギヤであるピニオンギヤ部と、
    このピニオンギヤ部に噛み合っている直線状に形成されたギヤであるラックギヤ部と、
    このラックギヤ部と共に直線的に移動可能であり操作者が操作可能な操作部と、を有し、
    前記フィンがスイング可能な最大角までスイングしている状態において、
    前記ラックギヤ部の前記ピニオンギヤ部に噛み合っているラック歯部は、隣接するラック歯部よりも大きく形成されているラック大歯部であり、
    又は、前記ピニオンギヤ部の前記ラックギヤ部に噛み合っているピニオン歯部は、隣接するピニオン歯部よりも大きく形成されているピニオン大歯部であることを特徴とする空調用吹出口装置。
  2. 請求項1記載の空調用吹出口装置であって、
    前記ピニオンギヤ部は、前記ラック大歯部の先端に対向し、隣接するピニオン底部よりも深く形成されたピニオン大底部を有し、
    又は、前記ラックギヤ部は、前記ピニオン大歯部に対向し、隣接するラック谷部よりも深く形成されたラック大谷部を有している。
  3. 請求項2記載の空調用吹出口装置であって、
    前記ピニオン大底部は、前記ラック大歯部に沿った形状を呈し、
    又は、前記ラック大谷部は、前記ピニオン大歯部に沿った形状を呈している。
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