JP2001233176A - ウエビング巻取装置 - Google Patents

ウエビング巻取装置

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JP2001233176A
JP2001233176A JP2000043416A JP2000043416A JP2001233176A JP 2001233176 A JP2001233176 A JP 2001233176A JP 2000043416 A JP2000043416 A JP 2000043416A JP 2000043416 A JP2000043416 A JP 2000043416A JP 2001233176 A JP2001233176 A JP 2001233176A
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teeth
rack
piston
cylinder
webbing
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Tomonori Nagata
智紀 永田
Seiji Hori
誠司 堀
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Tokai Rika Co Ltd
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Tokai Rika Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリテンショナを小さくでき、且つ、作動初
期の荷重にプリテンショナの構造部品が十分に耐えうる
ウエビング巻取装置を得る。 【解決手段】 プリテンショナ40の作動時において、
ピニオン68の外歯70のうち、ラック62のラック歯
66へ噛み合う部分を他の小歯70Bよりも大きな大歯
70Aとし、大歯70Aと噛み合うラック歯66を他の
小歯66Bよりも大きな大歯66Aとする。大歯66
A、70Aは小歯66B、70Bよりも大きいため機械
的強度が高く、これにより、作動開始時の衝撃にラック
歯66及び外歯70は耐えることができる。また、その
後に衝撃は漸次小さくなるため小歯66B、70Bでも
耐えられる。さらに、小歯66B、70Bとすること
で、ピッチを小さくでき、ピニオン68及びラック62
を小さくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウエビングベルト
によって車両の乗員を拘束するシートベルト装置におけ
るウエビング巻取装置に係り、特に、急制動状態におい
て強制的にウエビングベルトを所定量巻き取る所謂プリ
テンショナを備えたウエビング巻取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の乗員を長尺帯状のウエビングベル
トによって拘束する所謂シートベルト装置の主要部を構
成するウエビング巻取装置には、車両が急減速状態にな
った場合に、ウエビングベルトを巻き取る方向へ巻取軸
を強制的に所定量回転させ、ウエビングベルトを所定量
強制的に巻き取ることで一時的にウエビングベルトによ
る拘束力を増加させて乗員の車両前方側への移動を制限
する所謂プリテンショナを備えたタイプがある。
【0003】この種のプリテンショナは、着火されるこ
とにより急速にガスを発生するガス発生剤やこのガス発
生剤を着火するための着火剤等の薬剤を収容したシリン
ダを備えており、更にこのシリンダの内部にはピストン
が収容されている。このピストンの一端にはラックの一
端が固着され、更に、ラックの側方には巻取軸の一端に
同軸的に形成されたピニオンが設けられている。ラック
は通常ピニオンから離間しており、ピストンがシリンダ
から押し出されることでラックがピニオンへ接近する方
向へ移動してピニオンへ噛み合う。
【0004】車両の急減速状態を加速度センサ等の検知
手段が検知して、着火剤がガス発生剤を着火すると、急
速にガスが発生し、このガスによってピストンがシリン
ダの内部を摺動する。ピストンが摺動することでラック
が一体的に移動してピニオンに噛み合いピニオンを回転
させる。このピニオンの回転により巻取軸が回転してこ
の回転量に応じた長さ分だけウエビングベルトが巻き取
られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したガ
ス圧によりシリンダ内をピストンが摺動してラックがピ
ニオンに噛み合った際に、ラックのラック歯がピニオン
の外歯に与える衝撃、並びに、この衝撃に応じてラック
歯が受ける抗力は、プリテンショナ作動開始直後におい
て最も大きく、その後は漸次減少していく。
【0006】ラック歯やピニオンの外歯はこの作動開始
直後の衝撃に耐えるだけの強度を有している必要がある
が、強度を向上させるために外歯やラック歯の外形を全
体的に大きくすると、ピニオンのピッチ円径が大きくな
り、ピニオン全体が大きくなる。しかも、ラックのラッ
ク歯もまたピニオンに合わせて大きくしなければ噛み合
わせることができない。このため、ラックも大型化して
しまい、結果的にプリテンショナ全体が大型化してしま
う。
【0007】本発明は、上記事実を考慮して、プリテン
ショナを小さくでき、且つ、作動初期の荷重にプリテン
ショナの構造部品が十分に耐えうるウエビング巻取装置
を得る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、乗員の身体を拘束する長尺帯状のウエビングベルト
の基端部が前記ウエビングベルトを巻き取る巻取方向へ
付勢された巻取軸に係止され、前記付勢力による前記巻
取軸の回転で前記ウエビングベルトを前記巻取軸に巻き
取らせるウエビング巻取装置であって、所定の条件下で
短時間の間に内部で所定量のガスが発生するシリンダ
と、前記シリンダの内部に前記シリンダの軸線に沿って
スライド自在に収容され、前記シリンダの内部で発生し
たガスの圧力によって前記シリンダから押し出されるピ
ストンと、前記巻取軸へ機械的に連結され、自らの所定
方向への変位により前記巻取方向への回転力を前記巻取
軸に付与すると共に、前記ピストンが係合した状態では
前記シリンダから押し出される方向への前記ピストンの
スライドに連動して所定方向へ変位する回転力付与部材
と、により構成されるプリテンショナを備えると共に、
前記ピストン及び前記回転力付与部材の何れか一方に対
する何れか他方の係合部のうち、前記シリンダから前記
ピストンが押し出された際に最初に係合する初期係合部
の外形状を、前記係合部の他の部分の外形状よりも大と
した、ことを特徴としている。
【0009】上記構成のウエビング巻取装置によれば、
ウエビングベルトの一端が係止されている巻取軸は付勢
力によってウエビングベルトを巻き取る巻取方向へ付勢
されているため、巻取軸から引き出されたウエビングベ
ルトは基本的に巻取軸に巻き取られるように付勢され
る。したがって、このウエビングベルトを乗員が装着す
ることで乗員の身体がウエビングベルトにより拘束され
る。
【0010】また、所定の条件下、例えば、車両が急減
速状態となった場合には、プリテンショナを構成するシ
リンダの内部で短時間の間に所定量のガスが発生する。
このガスの圧力でシリンダ内のピストンがシリンダから
押し出されるようにスライドする。この状態でピストン
が回転力付与部材に係合していると、ピストンのスライ
ドに連動して回転力付与部材が所定の方向へ向けて変位
する。この回転力付与部材の所定方向への変位により巻
取軸が巻取方向へ向けて回転させられ、巻取軸がウエビ
ングベルトを巻き取ろうとする。これにより、乗員の身
体に対するウエビングベルトの拘束力が増し、急減速状
態においてその慣性により前方へ移動しようとする乗員
の身体がウエビングベルトにより保持される。
【0011】ところで、上記の如く、シリンダ内におい
てガスは短時間の間に所定量発生する。しかも、ピスト
ンが収容されている状態では、ピストンが収容されてい
る分だけシリンダの実質的な容積が最小となる。したが
って、シリンダ内で発生したガスの圧力、発生直後が最
大となり、その後漸次減少する。
【0012】ここで、本ウエビング巻取装置では、ピス
トン及び回転力付与部材の何れか一方に対する何れか他
方の係合部のうち、シリンダからピストンが押し出され
た際に最初に係合する初期係合部(すなわち、ピストン
と回転力付与部材が予め係合していれば、ガス発生時に
おいて係合している部分、予め係合していなければガス
発生後に最初に係合する部分)の外形が係合部の他の部
分の外形よりも大きいため、この初期係合部は係合部の
他の部分と比べて機械的強度が高い。したがって、係合
部の係合状態において最大のガス圧に応じた衝撃並びに
この衝撃に応じた抗力に対して初期係合部は十分に耐え
ることができる。
【0013】また、上述したように、ピストンがスライ
ドすることでガス圧は漸次減少していくため、初期係合
部以外の係合部にあっては、初期係合部ほどの強度をも
っていなくても、ガス圧に応じた衝撃並びにこの衝撃に
応じた抗力に十分に耐えることができる。しかも、初期
係合部に比べて係合部の他の部分はその外形が小さいた
め、ピストン及び回転力付与部材の全体的な小型化並び
に軽量化を図ることができ、ひいては、プリテンショナ
全体、あるいは、本装置全体の小型化並びに軽量化に寄
与する。
【0014】請求項2記載の本発明は、請求項1記載の
ウエビング巻取装置において、複数の外歯が外周部に形
成された外歯歯車を前記回転力付与部材とし、前記外歯
歯車の外歯に噛合可能な複数のラック歯が形成されたラ
ックを前記ピストンに設け、前記複数の外歯及び前記複
数のラック歯のうちの少なくとも何れか一方を前記係合
部とすると共に、前記シリンダから前記ピストンが押し
出された際に前記少なくとも何れか一方が前記複数の外
歯及び前記複数のラック歯のうちの何れか他方に最初に
噛合する歯を他の歯よりも外形の大きな大歯として前記
初期係合部とした、ことを特徴としている。
【0015】上記構成のウエビング巻取装置によれば、
シリンダの内部でガスが発生してそのガス圧がシリンダ
から押し出すようにピストンをスライドさせると、この
状態でピストンに設けられたラックが外歯歯車に噛み合
っていれば外歯歯車を回転させ、噛み合っていなければ
スライドすることでラックが外歯歯車に噛み合い、やは
り外歯歯車を回転させる。外歯歯車が回転することで巻
取軸が巻取方向へ回転し、乗員の身体に対するウエビン
グベルトの拘束力を増加させる。
【0016】ここで、外歯歯車の複数の外歯及びラック
の複数のラック歯のうちの少なくとも何れか一方の他方
に対して最初に噛み合う部分、すなわち、ガス発生時に
おいて予め噛み合わされていれば、この状態において噛
み合っている歯、ガス発生時において予め噛み合わされ
ていなければ、ピストンがスライドした際に最初に噛み
合う歯の形状を他の歯よりも大きな大歯としている。こ
のため、この大歯は他の歯に比べて機械的強度が高くな
り、したがって、外歯とラック歯との噛み合いにおいて
最大のガス圧に応じた衝撃並びにこの衝撃に応じた抗力
を受ける大歯は、この衝撃或いは抗力に対して十分に耐
えることができる。
【0017】また、上述したように、ピストンがスライ
ドすることでガス圧は漸次減少していくため、大歯以外
の歯にあっては、大歯ほどの強度をもっていなくても、
ガス圧に応じた衝撃並びにこの衝撃に応じた抗力に十分
に耐えることができる。しかも、大歯に比べて係合部の
他の部分はその外形が小さいため、ラック及び外歯歯車
の小型化並びに軽量化を図ることができ、ひいては、プ
リテンショナ全体、あるいは、本装置全体の小型化並び
に軽量化に寄与する。
【0018】さらに、大歯に比べてそれ以外の歯の形状
が小さいことで、大歯以外の歯のピッチが小さくなる。
このため、ラックのスライド量が少なくとも十分に外歯
歯車を回転させることができ、ウエビングベルトによる
拘束力を増加させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1には、本発明の一実施の形態
に係るウエビング巻取装置10の分解斜視図が示されて
いる。この図に示されるようにウエビング巻取装置10
はフレーム12を備えている。ステンレス板等の金属板
材により板状に形成された基部14と、この基部14の
幅方向一端から基部14の厚さ方向に沿って略直角に屈
曲されて延出された金属製の側壁部16、及び、図1に
おいて図示はしないが基部14の幅方向他端から側壁部
16に対して平行に延出された側壁部により構成されて
いる。
【0020】基部14の側壁部16には円孔18が形成
されており、基部14の幅方向(側壁部16の厚さ方
向)に沿って軸方向とされると共にフレーム12よりも
剛性が低い合成樹脂材によって形成された巻取軸20が
貫通配置されている。この巻取軸20の軸方向一端は、
上述した側壁部16の厚さ方向に沿って側壁部16と対
向する側壁部に円孔18に対して同軸的に設けられた軸
受部(図示省略)へ回転可能に軸支されている。この軸
受部に軸支された部分よりも巻取軸20の軸方向他端側
は円孔18よりも小径のウエビング係止部22とされ、
図1に二点鎖線で示される長尺帯状のウエビングベルト
24の基端部が固着されており、巻取軸20を自らの軸
周りに図1の矢印A方向へ回転させるとウエビングベル
ト24が巻取軸20のウエビング係止部22周りに巻き
取られる(以下、便宜上矢印A方向を「巻取方向」と称
し、矢印Aとは反対方向を「引出方向」と称する)。巻
取軸20は渦巻きコイルスプリング等の付勢手段(図示
省略)によって、常に巻取方向へ向けて付勢されてお
り、この付勢力に抗した外力が直接或いは間接的に作用
していない状態では、巻取軸20を巻取方向へ向けて回
転させ、引き出されているウエビングベルト24を強制
的に巻取軸20のウエビング係止部22周りに巻き取
る。
【0021】また、ウエビング係止部22の軸方向他端
側にはウエビング係止部22よりも大径で且つ円孔18
よりも小径のフランジ部26がウエビング係止部22に
対して同軸的に形成されており、ウエビングベルト24
をウエビング係止部22へ巻き取る際にウエビングベル
ト24の幅方向端部へ当接して巻取軸20の軸方向に沿
ったウエビングベルト24のズレを防止している。
【0022】さらに、このフランジ部26の軸方向他端
側側方にはフランジ部26から所定距離離間して円孔1
8よりも大径の大径軸部28が同軸的に設けられてお
り、フランジ部26と大径軸部28との間でフランジ部
26と大径軸部28に対して同軸的に設けられたウエビ
ング係止部22よりも小径の小径軸部30を介してフラ
ンジ部26へ一体的に連結されている。この大径軸部2
8は後述する軸受手段としての軸受部32へ回転可能に
軸支され、これにより、巻取軸20の両端側が軸支され
ることになる。
【0023】また、本ウエビング巻取装置10はプリテ
ンショナ40を備えている。プリテンショナ40はねじ
等の締結手段により側壁部16へ固定される金属製の蓋
部42と、蓋部42や側壁部16よりも剛性が低い合成
樹脂材により形成されたケーシング本体44と、により
構成されたケーシング46を備えている。ケーシング4
6のケーシング本体44は厚さ方向が側壁部16の厚さ
方向と同方向とされて、側壁部16の厚さ方向外側で側
壁部16に隣接して配置される底部48を有している。
底部48には大径軸部28よりも大径の孔部50が円孔
18に対して同軸的に形成されている。側壁部16の幅
方向に沿って孔部50の中心部よりも一方の側では、そ
の内径寸法が円孔18の厚さ方向外側の端面から円孔1
8に対して同軸的に突出形成されたリング状の軸受本体
52の外径よりも極僅かに大径とされ、ケーシング本体
44を円孔18へ取り付けた状態では軸受本体52の外
周部が孔部50の内周部へ接触する。また、軸受本体5
2は、巻取軸20をフレーム12へ組み付けた状態でそ
の半径方向に沿って大径軸部28の外周部と対向する。
【0024】一方、プリテンショナ40は、ガス圧発生
手段としてのシリンダ56を備えている。このシリンダ
56は軸方向が上述した巻取軸20の軸方向に対して直
交する方向となるように設置されており、その内部には
ピストン58が摺動自在に収容されている。シリンダ5
6の内側でピストン58とシリンダ56の底部との間に
は、起動装置、雷管、伝爆剤、ガス発生剤等(何れも図
示省略)が収納されており、起動装置が作動して雷管を
発火させ、伝爆剤を介してガス発生剤が燃焼させること
によってシリンダ56の底部とピストン58との間で極
短時間に所定量のガスが発生し、このガスの圧力でピス
トン58をシリンダ56の開口端側へ向けて強制的に摺
動させるようになっている。
【0025】ピストン58を収容するシリンダ56は、
本ウエビング巻取装置10が搭載される車両(図示省
略)の所定部位に設けられ、センサ60へ直接、或い
は、コンピュータや制御回路等の制御手段を介して間接
的に接続されており、車両が衝突した場合等と同等の所
定の減速状態をセンサ60が検知した場合に、シリンダ
56内の起動装置を起動させるようになっている。
【0026】一方、シリンダ56の底部とは反対側のシ
リンダ56の端部には原動ギヤとしてのラック62が一
体的に設けられている。ラック62はシリンダ56の軸
方向に沿って長手方向とされ、その幅方向一方の端部に
は後述するピニオン68の外歯に対する係合部としての
複数のラック歯66が形成されている。
【0027】ここで、図2に示されるように、複数のラ
ック歯66のうち、ラック62の先端側に位置するラッ
ク歯66は係合部の中でも特に初期係合部としての大歯
66Aとされており、この大歯66Aよりもラック62
の基端側、すなわち、ピストン58側に位置するラック
歯66は小歯66Bとされている。これらの大歯66A
と小歯66Bとを比べると、大歯66Aは小歯66Bよ
りと歯厚並びに全歯たけが大きい。したがって、大歯6
6Aは小歯66Bよりも、機械的強度が高い。
【0028】一方、上述した大径軸部28の小径軸部3
0とは反対側には、ワンウエイクラッチ82が設けられ
ており、このワンウエイクラッチ82を介して回転力付
与部材及び従動ギヤとしてのピニオン68が小径軸部3
0に対して同軸的に連結されている。上記のワンウエイ
クラッチ82は、ピニオン68の巻取方向(すなわち、
矢印A方向)の回転のみを小径軸部30へ伝達して小径
軸部30を巻取方向へ回転させるが、ピニオン68の引
出方向(矢印A方向とは反対方向)の回転を小径軸部3
0へ伝達することはなく、また、小径軸部30の回転を
ピニオン68へ伝達することもない。
【0029】また、ピニオン68の外周部には上述した
ラック62のラック歯66に対する係合部としての複数
の外歯70が形成されている。
【0030】ここで、図2に示されるように、複数の外
歯70のうち互いに隣接する2つは、係合部の中でも特
に初期係合部としての大歯70Aとされており、この大
歯70A以外の外歯70は小歯70Bとされている。こ
れらの大歯70Aと小歯70Bとを比べると、大歯70
Aは小歯70Bよりと歯厚並びに全歯たけが大きく、し
かも、ピニオン68の中心周りの大歯70Aのピッチ円
径は小歯70Bのピッチ円径よりも長い。
【0031】以上の構成の外歯70は上述したラック6
2のラック歯66へ噛合可能である。具体的にいうと、
基本的にはピニオン68の小歯70Bの側方の歯溝には
ラック62の小歯66Bが噛み合い、この噛み合い状態
においてラック62がその長手方向にスライドした際に
はピニオン68が自らの中心周りに回転する。
【0032】但し、ピニオン68の中心線周りに大歯7
0Aに対して引出方向側に形成された歯溝はラック62
の大歯66Aが噛み合うように歯溝幅等の各寸法が設定
されている。一方、各ラック歯66の側方に形成された
歯溝は基本的にピニオン68の小歯70Bが噛み合うこ
とができるように形成されているが、大歯66Aを含め
て大歯66Aから数えてピニオン68の数と同数番目の
小歯66Bの大歯66Aとは反対側の歯溝だけは、ピニ
オン68の大歯70Aが噛み合うように歯溝幅等の各寸
法が設定されている。
【0033】さらに、本実施の形態においては、上述し
たラック62とピニオン68とは、通常状態では離間し
て配置されており、ラック62がシリンダ56から離間
する方向、すなわち、上方へ所定距離スライド移動する
ことでラック歯66がピニオン68の外歯70へ噛み合
う。したがって、通常状態においてピニオン68の外歯
70のうち大歯70Aは、概ね、ラック62側へ向いて
いる。
【0034】なお、本実施の形態においては、ラック6
2とピニオン68とを離間して配置し、ラック62がス
ライド移動して初めてラック62のラック歯66とピニ
オン68外歯70とが噛み合う構成であったが、ラック
62のラック歯66とピニオン68の外歯70とを予め
噛み合わせておいてもよい。但し、この場合には、ラッ
ク62の大歯66Aがピニオン68の大歯70A間の歯
溝に入り込んでいなければならない。
【0035】次に、本実施の形態の作用並びに効果につ
いて説明する。
【0036】本ウエビング巻取装置10によれば、巻取
軸20のウエビング係止部22に巻き取られたウエビン
グベルト24が引き出され、車両の乗員の身体に装着さ
れると、巻取軸20に付与された付勢手段(図示省略)
の付勢力によりウエビングベルト24が乗員の身体を拘
束する。
【0037】また、車両が急減速状態となったことをセ
ンサ60が検知すると、シリンダ56内の起動装置が作
動して伝爆剤を介してガス発生剤が燃焼し、極短時間の
間にシリンダ56内で所定量のガスが発生する。このガ
スの圧力でピストン58がシリンダ56の底部から離間
する方向へ摺動させられ、ラック62がシリンダ56の
底部から離間する方向へスライド移動させられる。図3
に示されるように、ラック62はこのスライド移動によ
りラック歯66がピニオン68の外歯70へ噛み合わさ
れ、この状態から更に、図4及び図5に示されるよう
に、ラック62が上方へスライドすることでピニオン6
8を巻取方向、すなわち、巻取軸20がウエビングベル
ト24を巻き取る際の巻取軸20の回転方向と同方向へ
向けて回転させる。
【0038】ピニオン68が巻取方向へ回転すると、ワ
ンウエイクラッチ82がその回転を小径軸部30へ伝え
る。これにより、巻取軸20が巻取方向へ回転し、ウエ
ビングベルト24を巻き取ろうとする。車両の急減速状
態にあっては、その慣性で乗員の身体が車両の前方側へ
移動しようとし、これにより、乗員の身体がウエビング
ベルト24を引き出そうとするが、上記の如く、急減速
時に巻取軸20がウエビングベルト24を巻き取る方向
へ回転し、ウエビングベルト24に張力を付与すること
でウエビングベルト24による拘束力が上がり、乗員の
車両前方側への移動を制限できる。
【0039】ところで、シリンダ56の内部で急激にガ
スが発生した直後にあっては、ピストン58がシリンダ
56の内部に収容されているため、実質的なシリンダ5
6の容積が小さい。したがって、シリンダ56内で発生
したガスの圧力がピストン58を押し出す力は、ガス発
生直後が最も大きく、ピストン56がスライド移動して
シリンダ56の実質的な容積が増加するにつれて押し出
し力が小さくなる。
【0040】したがって、図3及び図4に示されるよう
に、ラック62のラック歯66とピニオン68の外歯7
0とが最初に噛み合った際に最大の力でラック歯66が
外歯70を押圧してピニオン68を回転させる。
【0041】ここで、ラック歯66、外歯70共に最初
に噛み合う大歯66A、70Aはその形状が他の小歯6
6B、70Bに比べて大きいため、機械的強度が他の小
歯66B、70Bに比べて高い。このため、ピストン5
8がスライド移動を介した直後(すなわち、シリンダ5
6内でガスが発生した直後)に大歯66Aにより付与さ
れる最大の押圧力に大歯70Aは十分耐えうることがで
き、また、このときの押圧反力に大歯66Aは十分耐え
ることができる。
【0042】大歯66Aが噛み合ってピニオン68が回
転させられると、上記の如くガス圧によるピストン58
の押し出し力が漸次減少するため、押圧力も漸次減少す
る。したがって、この状態においてはラック62のラッ
ク歯66、ピニオン68の外歯70共にそれほどの強度
を要しない。
【0043】ここで、ラック62のラック歯66、ピニ
オン68の外歯70共に大歯66A、70A以外は大歯
66A、70Aよりも小さな小歯66B、70Bであ
り、大歯66Aが噛み合ってピニオン68が回転させら
れるた後には小歯66B、70Bが噛み合う(図5参
照)。上記のようにこの状態にあっては押圧力が減少し
ているため、小歯66B、70Bの強度であっても十分
に押圧力及びこの反力に耐えることができる。また、大
歯70A以外のピニオン68の外歯70を小歯70Bと
したため、ピニオン68の形状を大歯70Aだけでピニ
オン68を形成した場合よりも小型化でき、ウエビング
巻取装置10の軽量化、並びにコスト軽減に寄与する。
さらに、外歯70において小歯70Bのピッチ円径は大
歯70Aのピッチ円径よりも小さく、且つ、これに応じ
てラック62の小歯66Bも形成されているため、ピニ
オン68に回転角毎のラック62のスライド量が大歯6
6Aだけでピニオン68のラック62を形成した場合よ
りも小さくできる。したがって、ラック62を小型化で
き、この意味においてもウエビング巻取装置10の軽量
化、並びにコスト軽減に寄与する。しかも、必要な回転
量だけ巻取軸20を回転させるために要するピストン5
8のスライド量を小さくできるため、シリンダ56の小
型化も図れる。
【0044】以上のことより、本ウエビング巻取装置1
0では、必要な強度を維持でき、しかも、構成部品の小
型化を図ることができ、装置全体を効果的に小型化でき
る。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るウエ
ビング巻取装置では、プリテンショナ作動開始直後のガ
ス圧に応じた衝撃に耐えることができ、しかも、プリテ
ンショナの小型化、軽量化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装
置の要部の構成を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装
置の要部の構成を模式的に表す側面図である。
【図3】ラックの大歯がピニオンに噛み合いはじめた状
態を示す図2に対応した側面図である。
【図4】ラックの大歯がピニオンの大歯の間の歯溝に入
り込んだ状態を示す図2に対応した側面図である。
【図5】ラックの小歯がピニオンの小歯間の歯溝に入り
込んだ状態を示す図2に対応した側面図である。
【符号の説明】
10 ウエビング巻取装置 20 巻取軸 24 ウエビングベルト 40 プリテンショナ 56 シリンダ 58 ピストン 62 ラック(原動ギヤ) 66 ラック歯(係合部、歯) 66A 大歯(係合部、初期係合部) 68 ピニオン(従動ギヤ) 70 外歯(係合部、歯) 70A 大歯(係合部、初期係合部)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乗員の身体を拘束する長尺帯状のウエビ
    ングベルトの基端部が前記ウエビングベルトを巻き取る
    巻取方向へ付勢された巻取軸に係止され、前記付勢力に
    よる前記巻取軸の回転で前記ウエビングベルトを前記巻
    取軸に巻き取らせるウエビング巻取装置であって、 所定の条件下で短時間の間に内部で所定量のガスが発生
    するシリンダと、 前記シリンダの内部に前記シリンダの軸線に沿ってスラ
    イド自在に収容され、前記シリンダの内部で発生したガ
    スの圧力によって前記シリンダから押し出されるピスト
    ンと、 前記巻取軸へ機械的に連結され、自らの所定方向への変
    位により前記巻取方向への回転力を前記巻取軸に付与す
    ると共に、前記ピストンが係合した状態では前記シリン
    ダから押し出される方向への前記ピストンのスライドに
    連動して所定方向へ変位する回転力付与部材と、 により構成されるプリテンショナを備えると共に、 前記ピストン及び前記回転力付与部材の何れか一方に対
    する何れか他方の係合部のうち、前記シリンダから前記
    ピストンが押し出された際に最初に係合する初期係合部
    の外形状を、前記係合部の他の部分の外形状よりも大と
    した、 ことを特徴とするウエビング巻取装置。
  2. 【請求項2】 複数の外歯が外周部に形成された外歯歯
    車を前記回転力付与部材とし、 前記外歯歯車の外歯に噛合可能な複数のラック歯が形成
    されたラックを前記ピストンに設け、 前記複数の外歯及び前記複数のラック歯のうちの少なく
    とも何れか一方を前記係合部とすると共に、 前記シリンダから前記ピストンが押し出された際に前記
    少なくとも何れか一方が前記複数の外歯及び前記複数の
    ラック歯のうちの何れか他方に最初に噛合する歯を他の
    歯よりも外形の大きな大歯として前記初期係合部とし
    た、 ことを特徴とする請求項1記載のウエビング巻取装置。
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