JP4364236B2 - プリテンショナー付ウエビング巻取装置 - Google Patents

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Description

本発明は、乗員拘束用のウエビングを巻取軸に層状に巻取るウエビング巻取装置に一体化され、ラックアンドピニオン式の駆動機構により車両急減速時に瞬時に巻取軸をウエビング巻取回転方向へ所定量回転させるプリテンショナー付ウエビング巻取装置に関する。
従来から、車両急減速時に瞬時に巻取軸をウエビング巻取回転方向へ所定量回転させることにより、ウエビングによる乗員拘束性能を向上させる所謂プリテンショナーが使用されている。
かかるプリテンショナーの駆動機構としては種々のものが検討され、実用化されてきた。以下においては、特開平7−156751号公報(特許文献1)に開示されたラックアンドピニオン式の駆動機構によるプリテンショナーについて説明することにする。
この公報に開示されたプリテンショナーでは、ウエビング巻取装置の側部に取り付けられたハウジングに円筒状のシリンダ管が装着されている。シリンダ管の内部には中空のピストンが軸方向移動可能に挿入されており、当該ピストンの内部には火薬及び点火装置が配設されている。さらに、ピストンの外周部の所定位置にはその軸方向に沿ってラック歯が形成されており、ピストン自体がラックバーとして機能するようになっている。
また、シリンダ管の軸方向の所定位置には切欠が形成されており、この切欠を通してピニオン歯がラック歯と噛み合い可能にシリンダ管内へ進入されている。ピニオンにはこれよりも大径とされた第1歯車が同軸上に連結されており、更に第1歯車には第2歯車が噛み合っている。第2歯車はクラッチとして機能するカップリング輪と一体化されており、このカップリング輪を介して第2歯車はウエビング巻取装置の巻取軸の軸端と連結されている。
上記構成によれば、車両急減速時になると、点火装置によって火薬が発火され、その際の発火推力によってピストン(ラックバー)がシリンダ管内を軸方向移動する。これにより、ピストンのラック歯と噛み合っているピニオンがその軸線回りに回転し、第1歯車及び第2歯車を回転させる。第2歯車には巻取軸の軸端と連結されたカップリングが一体化されているため、第2歯車が回転すると、カップリングを介して巻取軸がウエビング巻取方向回転される。
特開平7−156751号公報
しかしながら、上記構成による場合、駆動起点となるピストン(ラックバー)と駆動終点となる巻取軸との間にピニオンだけでなく第1歯車及び第2歯車といった中間ギヤを介しているため、プリテンショナーのハウジングにこれらの中間ギヤの設置スペースを確保しなければならない。このため、プリテンショナーが全体的に径方向及び軸方向に大型化するという問題がある。
本発明は上記事実を考慮し、装置全体を小型化することができるプリテンショナーを得ることが目的である。
請求項1記載の本発明は、乗員拘束用のウエビングを巻取軸に巻取るウエビング巻取装置に一体化され、ラックアンドピニオン式の駆動機構により車両急減速時に瞬時に巻取軸をウエビング巻取回転方向へ所定量回転させるプリテンショナー付ウエビング巻取装置であって、前記駆動機構は、シリンダ内に軸方向移動可能に配置され、車両急減速時に移動するピストンと、このピストンのラック歯と噛み合うように配置され、車両急減速時にのみ巻取軸と連結されるクラッチを介して巻取軸と直結されるピニオンと、を含んで構成されており、さらに、前記ピニオンは、前記ラック歯とのみ噛み合うピニオン歯が形成された歯部と、この歯部と同軸かつ一体に形成され、内周側に前記クラッチを備えたクラッチ部とを有し、前記ピニオン歯は、6枚からなる、ことを特徴としている。
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記ピニオンの歯部は、その外径が前記クラッチ部の外径より小さい、ことを特徴としている。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記クラッチ部は、前記巻取軸に垂直な部分と前記巻取軸に平行な部分を有し、前記クラッチは、前記巻取軸に平行な部分と、前記巻取軸の軸端に配置されて一体に回転するスリーブの外周との間に配置されたローラ等の転動体を有する、ことを特徴としている。
請求項4記載の本発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記クラッチは、前記クラッチ部の内周側に形成されると共に周方向に相互に連通され、各々幅広部と狭幅部を有する凹部を含んで構成されている、ことを特徴としている。
請求項1乃至請求項4記載の本発明によれば、従来使用されてきた中間ギヤを廃止することができ、その結果、装置全体を軸方向及び径方向に小型化することができるという優れた効果を有する。
以下、図1〜図13を用いて、本発明の一実施形態に係るプリテンショナー100が一体化されたウエビング巻取装置10について説明する。
最初にウエビング巻取装置10のスプール12及びこれに一体化される部品構成について説明し、次いでロック構造等について説明し、その後本実施形態の要部であるプリテンショナー100の構成について説明することにする。
〔スプール12及びこれに一体化される部品構成〕
図1には、本実施形態に係るウエビング巻取装置10の全体構成を示す縦断面図が示されている。この図に示されるように、ウエビング巻取装置10は平面視で略コ字形に形成されたフレーム14を備えており、当該フレーム14が車体側に固定されている。フレーム14は互いに平行に延出された第1脚板16と第2脚板18とを備えており、これらの第1脚板16、第2脚板18間にダイカストによって製作されたスプール12が回転可能に軸支されている。
スプール12は、円筒形状に形成されて軸芯部を構成すると共に乗員拘束用のウエビング126(図10参照)の一端部が係止されたスプール軸12Aと、このスプール軸12Aの両端部に略円板形状にそれぞれ形成された一対のフランジ部(以下、第1脚板16側に配置されるフランジ部を「第1フランジ部12B」と称し、第2脚板18側に配置されるフランジ部を「第2フランジ部12C」と称す)とによって構成されており、全体としては鼓形状をなしている。
スプール軸12Aの軸芯部には、シャフト挿通孔20が形成されている。シャフト挿通孔20における第1フランジ部12B側には、シャフト挿通孔20よりも大径とされた凹部状のベースロック受入れ部22が同軸上に形成されている。ベースロック受入れ部22は、その大半を占める凹部本体22Aと、当該凹部本体22Aよりも大径とされた凹部端末部22Bとからなる。
このベースロック受入れ部22には、ダイカストによって製作されたベースロック24が抜け止めされた状態で装着されている。なお、ベースロック24の装着の仕方は、ベースロック受入れ部22内へベースロック24を挿入した後に、正面視でコ字形に形成された図示しないストッパ(抜止め部材)を軸直角方向から圧入するという手法が採られている。また、本実施形態では、ベースロック24をダイカストによって製作しているが、必ずしもダイカストによる必要はなく、車両急減速時にラチェット歯38Aに圧接された際に塑性変形により当該ラチェット歯38Aに係合可能な材質で構成されていればよい。
ベースロック24は鍔付き円筒形状に形成されており、ベースロック受入れ部22の凹部本体22Aに嵌合される基部24Aと、基部24Aよりも大径とされかつベースロック受入れ部22の凹部端末部22Bに嵌合される中間部24Bと、中間部24Bよりも大径とされかつ第1フランジ部12Bの外側面に当接状態で配置される保持部24Cとによって構成されている。また、ベースロック24における軸芯部外端を除いた部分には六角穴形状の嵌合孔26が形成されており、更に当該軸芯部外端には嵌合孔26の軸芯部と相互に連通されかつこれよりも小径とされた小孔28が形成されている。
一方、スプール軸12Aのシャフト挿通孔20における第2フランジ部12C側には、シャフト挿通孔20よりも大径とされた凹部状のスリーブ受入れ部30が形成されている。このスリーブ受入れ部30には、スリーブ34がセレーション嵌合又はスプライン嵌合されている。スリーブ34は、略円筒形状に形成されかつ軸芯部に六角穴形状の嵌合孔32が形成された基部34Aと、この基部34Aに隣接して形成されかつ外周面に平目のローレット加工が施された中間部34Bと、この中間部34Bの軸芯部から突出された小径部34Cとによって構成されている。スリーブ34の小径部34Cには、スプール12をウエビング巻取回転方向へ回転付勢する付勢手段(ぜんまいばね)の内端が図示しないアダプタを介して係止されている。
上述したベースロック24とスリーブ34とは、トーションシャフト36によって相互に連結されている。図4にも示されるように、トーションシャフト36は、その主部を構成する軸部36Aと、軸部36Aの一端部に形成された六角形状の頭部36Bと、軸部36Aの他端部に形成された六角形状の嵌合部36Cと、嵌合部36Cの軸芯部から軸部36Aと同軸上に延出された小径部36Dと、小径部36Dからテーパ面を経て縮径された後に環状に拡径されたギヤ保持部36Eと、このギヤ保持部36Eから更に同軸上に延出されてキーが形成された先端部36Fとによって構成されている。図1に戻り、トーションシャフト36の頭部36Bはスリーブ34に形成された六角穴形状の嵌合孔32へ嵌合されており、又トーションシャフト36の嵌合部36Cはベースロック24に形成された六角穴形状の嵌合孔26へ嵌合されている。これにより、トーションシャフト36は、ベースロック24及びスリーブ34を介してスプール軸12Aと一体化されている。なお、上記構成のトーションシャフト36は、車両急減速時に所定値以上のウエビング張力がスプール12に作用することにより、捩じれ変形してエネルギー吸収を行うフォースリミッタの主要構成部品である。
また、上記構成において、スプール12、ベースロック24、スリーブ34、及びトーションシャフト36が本発明における「巻取軸」に相当する。
〔ロック構造等〕
図2及び図3にも示されるように、上述したフレーム14の第1脚板16の上部側には、内歯ラチェット38が打ち抜きにより形成されている。内歯ラチェット38のラチェット歯38Aは高強度に設定されている。
この内歯ラチェット38の内側には、ベースロック24の保持部24Cが配置されている。なお、保持部24Cの軸芯部に形成された前述した小孔28内へは、トーションシャフト36の小径部36Dが挿入されている。この保持部24Cの正面側には、小孔28周りに周方向に形成された凹状の収容部40(図2、図3、図5参照)が形成されている。収容部40の一端部は閉止されているが、収容部40の他端部は開放されている。なお、ベースロック24における保持部24Cの収容部40の他端部側は、次述するロックプレート42の内歯ラチェット38への係合動作を阻害しないように面取りされている。この収容部40には、略円弧板形状をなす単一のロックプレート42(図2、図3、図6参照)が収容されている。さらに、ベースロック24の保持部24Cにおける外側面には、ロックプレート42の脱落防止用に薄肉円板形状のロックカバー44が回り止めされた状態で取り付けられている。
図6等に示されるように、ロックプレート42は、略円弧板形状をなす金属製のプレート本体42Aと、このプレート本体42Aの一端部から張り出された矩形状の突起部42Bと、プレート本体42Aの他端部の外周部に形成されかつ第1脚板16の内歯ラチェット38のラチェット歯38Aと噛み合う高強度のロック歯42Cと、同じくプレート本体42Aの他端部から立設されたガイドピン42Dとによって構成されている。なお、プレート本体42Aの幅と突起部42Bの突出長さとを足した長さは、ベースロック24の収容部40の幅広部40A(図2、図3参照)の幅と概略一致している。
上述したベースロック24に隣接する位置には、これよりも大径に形成された略円板形状のVギヤ46が配置されている。図7にも示されるように、Vギヤ46の軸芯部には円筒状のボス48が形成されており、トーションシャフト36のギヤ保持部36Eに追従回転可能に軸支されている。また、Vギヤ46には「へ」の字形状のガイド孔50が形成されており、当該ガイド孔50へはロックプレート42から立設されたガイドピン42Dが挿入されている。さらに、Vギヤ46の外周部には、ロック歯46Aが一体に形成されている。
Vギヤ46の下方側には、図8に示されるVSIR用の周知の加速度センサ52が配設されている。なお、図1では加速度センサ52の図示を省略している。車両急減速時には、加速度センサ52のボール54がセンサハウジング56上を転動してセンサレバー58を揺動させ、当該センサレバー58のロック爪58AがVギヤ46のロック歯46Aに係合されるようになっている。
図1に戻り、上述した加速度センサ52は、樹脂製のセンサホルダ60によって保持されている。センサホルダ60の外側にはセンサホルダ60と似た形状の樹脂製のセンサカバー62が配設されており、センサホルダ60及びセンサカバー62は両者一体となってフレーム14の第1脚板16に固定されている。さらに、センサホルダ60の軸芯部には短い円筒状のボス60Aが一体に形成されており、当該ボス60Aにはトーションシャフト36の先端部36Fが軸支されている。すなわち、センサホルダ60にはトーションシャフト36の軸受としての機能が付与されている。
なお、上述したセンサホルダ60の内周部には、前述したVギヤ46に軸支された図示しないWSIR用のパウルと係合可能な内歯が一体に形成されている。
〔プリテンショナー100の構成〕
図9〜図11に示されるように、上述したウエビング巻取装置10の第2脚板18側には、プリテンショナー100が一体化されている。
具体的に説明すると、スプール12の第2脚板18側に装着されたスリーブ34の中間部34B及び小径部34Cは、第2脚板18の外側へ突出して配置されている。これらの中間部34B及び小径部34Cの外周側には、ピニオン102が被嵌されている。ピニオン102は、スリーブ34の小径部34Cを覆うと共に外周部にピニオン歯104Aが形成された歯部104と、スリーブ34の中間部34Bを覆うと共に歯部104に隣接して一体形成されたクラッチ部106とを含んで構成されている。クラッチ部106は、図9に示されるように、スプール12の中心軸に垂直な第1部分(引用数字なし)と、この第
1の部分と一体にされ、スプール12の中心軸に平行な第2の部分(引用数字なし)を有する。
図12に示されるように、クラッチ部106の内周側には、120度間隔で三つの凹部108が形成されている。これらの凹部108は周方向に相互に連通されており、各凹部108の幅広部にはローラ110がそれぞれ収容されている。図13に示されるように、ローラ110の外周面には、スリーブ34の中間部34Bと同様構成の平目のローレット加工が施されている。なお、これらの凹部108及びローラ110が本発明の「クラッチ」に相当する。
上述したピニオン102のピニオン歯104Aの近傍には、カートリッジ112(図11参照)のシリンダ114内に軸方向移動可能に収容されかつラックバーとして構成されたピストン116が配置されている。このピストン116は、ガス圧を受ける円板状のピストン部118と、このピストン部118から立設されたラック部120とを含んで構成されている。ピストン部118の下方には、ピストンリング122が装着されるようになっている。また、ラック部120の片面には、ピニオン歯104Aと噛み合うラック歯120Aが形成されている。さらに、ラック部120はピストン部118の中心からオフセットした位置に立設されており、クラッチ部106の外径寸法を超えない範囲で軸方向移動可能に配置されている。
なお、上述したピストン116を収容するシリンダ114の下端部には、図示しないガス発生剤等が収容されたガスジェネレータ124(図11参照)が接続されている。
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
乗員がウエビング126に挿通された図示しないタングプレートを持ってぜんまいばねの付勢力に抗してウエビング126をスプール12から引き出し、当該タングプレートを図示しないバックル装置に係合させることにより、乗員は三点式シートベルト装置のウエビング装着状態となる。すなわち、センタピラーの上部に配設された図示しないショルダアンカからタングプレートまでのウエビング126がショルダ側のウエビングとなり、タングプレートからバックル装置までのウエビング126がラップ側のウエビングとなる。
この状態から車両走行状態となった場合において車両急減速時になると、プリテンショナー100が作動する。すなわち、点火装置が作動し、カートリッジ112のガスジェネレータ124内に収容されたガス発生剤が燃焼してガスが発生する。発生したガスは、ガスジェネレータ124からシリンダ114の下端部へ供給される。このため、シリンダ114内に収容されたピストン116が軸方向移動する。ピストン116が軸方向移動すると、ピストン116のラック部120のラック歯120Aがピニオン102の歯部104のピニオン歯104Aと噛み合って、これをウエビング巻取回転方向へ回転させる。このため、ピニオン102の歯部104と一体化されたクラッチ部106も同方向へ回転される。
これにより、クラッチ部106の凹部108内に保持されたローラ110が幅広部から狭幅部へ相対移動し、凹部108の裏面側の側面とスリーブ34の中間部34Bの外周面との間に挟み込まれる。スリーブ34の中間部34Bの外周面及びローラ110の外周面にはいずれも平目のローレット加工が施されているため、両者は噛み合い状態となる。これにより、クラッチ部106を介してピニオン102とスリーブ34とが連結された状態となり、ピニオン102の回転力がスリーブ34に直接伝達される。
スリーブ34の基部34Aとスプール12のスプール軸12Aとはセレーション嵌合又はスプライン嵌合されているため、スリーブ34がウエビング巻取回転方向へ回転すると、スプール12もウエビング巻取回転方向へ回転される。その結果、ピストン116の移動ストロークに応じた量だけ、ウエビング126が巻き取られて乗員を緊密に拘束する。
またこれと同時に、車両急減速状態が加速度センサ52によって検出される。すなわち、加速度センサ52のボール54がセンサハウジング56上を転動してセンサレバー58を揺動させる。これにより、センサレバー58のロック爪58AがVギヤ46のロック歯46Aに係合され、Vギヤ46のウエビング引出方向回転が阻止される。
一方、スプール12は、乗員から受けるウエビング張力によってウエビング引出方向回転しようとする。このため、ウエビング引出方向回転しようとするスプール12とウエビング引出方向回転が阻止されたVギヤ46との間で相対回転が生じる。両者の間に相対回転が生じると、図2と図3の対比から判るように、ベースロック24の保持部24Cに形成された収容部40に保持されたロックプレート42のガイドピン42DがVギヤ46のガイド孔50にガイドされて、ベースロック24の略半径方向外側へ移動される。これにより、ロックプレート42のロック歯42Cがフレーム14の第1脚板16に設けられた
内歯ラチェット38のラチェット歯38Aと噛み合う。
さらに、ロックプレート42のロック歯42Cが内歯ラチェット38のラチェット歯38Aと噛み合うと、その際の反力がベースロック24の保持部24Cに作用する。この反力は車両急減速時に高強度のロック歯42Cとラチェット歯38Aとが噛み合ったことによって生じるものなのでかなり大きく、そのためベースロック24の軸芯部を貫通するトーションシャフト36にも当然に作用する。さらに、トーションシャフト36の先端部36Fは樹脂製のセンサホルダ60のボス60Aに軸支されているため、当該反力はトーションシャフト36の先端部36Fからセンサホルダ60のボス60Aに作用し、センサホルダ60のボス60Aを反力の作用方向側、つまりロックプレート42の係合位置と反対方向側へ弾性変形させる。このため、ベースロック24の保持部24Cの外周の一部(図3のP線矢視部を中心とした範囲)がフレーム14の内歯ラチェット38のラチェット歯38Aに強く押し付けられる。ベースロック24はダイカストによって製作されており、比較的軟質であるため、ラチェット歯38Aに圧接されると、塑性変形して当該ラチェット歯38Aに食い込み、直接的に係合される。これにより、スプール12のウエビング引出方向回転が阻止されロック状態とされる。
以上が本実施形態に係るウエビング巻取装置10及びプリテンショナー100の基本的な作動であるが、この作動説明からも判るように、本実施形態では、ラックアンドピニオン式の駆動機構を採用したプリテンショナー100において、ラックバーとして構成されたピストン116の駆動力を受けて回転するピニオン102をスリーブ34の軸端にクラッチ部106を介して直結させたので、従来技術のような中間ギヤは不要となる。このため、プリテンショナー100にこれらの中間ギヤの設置スペースを設ける必要がなくなる。従って、プリテンショナー100を全体的に軸方向及び径方向に小型化することができる。
特に、本実施形態では、歯部104とクラッチ部106とが一体化されてピニオン102が構成されているため、歯部104とクラッチ部106とを別個独立に設定する場合に比し、設置スペースを更に削減することができる。従って、プリテンショナー100の装置全体の更なる小型化を図ることができる。加えて、部品点数も削減されるため、構造の簡素化を図ることができる。
さらに、本実施形態では、ピストン116がピストン部118とラック部120とを含んで構成されており、当該ラック部120がピストン部118の中心からオフセットした位置に立設され、かつクラッチ部106の外径寸法を超えない範囲で軸方向移動するように配置されているため、ラックアンドピニオン式の駆動機構が径方向に膨らむのを回避することができる。その結果、本実施形態によれば、プリテンショナー100の装置全体を非常にコンパクトにすることができる。
また、本実施形態では、上記の如く、ピニオン102が巻取軸の一部を構成するスリーブ34に直結されているため、駆動始点となるピストン116(ラックバー)から駆動終点(スリーブ34)までの駆動力伝達経路が短くなる。このため、プリテンショナー100の応答速度を速くすることができる。
なお、本実施形態では、プリテンショナー100及びフォースリミッタを兼備したウエビング巻取装置10に対して本発明を適用したが、これに限らず、フォースリミッタを備えていないウエビング巻取装置に対して本発明に係るプリテンショナーを適用してもよい。
また、本実施形態では、ラック部120をピストン部118の中心に対してオフセットして配置することにより、クラッチ部106の外径寸法を超えない範囲でラック部120が軸方向移動するように構成したが、請求項1記載の本発明との関係においては、ラック部をピストン部の中心に同軸上に配置した構成も含まれる。
さらに、本実施形態では、ローラ110を使ったクラッチを使用したが、これに限らず、ローラ110の替わりにボールを使ったクラッチ等、種々のクラッチ構成を採用可能である。
本実施形態に係るウエビング巻取装置の全体構成を示す縦断面図である。 本実施形態に係るウエビング巻取装置の非ロック状態を示す側面図である。 本実施形態に係るウエビング巻取装置のロック状態を示す側面図である。 図1に示されるトーションシャフトの正面図である。 図1に示されるベースロックの側面図である。 図1に示されるロックプレートの正面図である。 図1に示されるVギヤの背面図である。 図1においては図示を省略した加速度センサの側面図である。 ウエビング巻取装置に一体化されたプリテンショナーの要部を拡大して示す断面図である。 プリテンショナーのラックアンドピニオン式の駆動機構を示す斜視図である。 プリテンショナーが一体化されたウエビング巻取装置の概略側面図である。 図9に示されるピニオンを矢印Q方向から見た裏面図である。 (A)は図9に示されるローラの正面図であり、(B)は当該ローラの平面図である。
符号の説明
10 ウエビング巻取装置
12 スプール(巻取軸)
20 シャフト挿通孔
24 ベースロック(巻取軸)
30 スリーブ受け入れ部
32 嵌合孔
34 スリーブ(巻取軸)
34A 基部
34B 中間部
34C 小径部
36 トーションシャフト(巻取軸)
100 プリテンショナー
102 ピニオン
104 歯部
104A ピニオン歯
106 クラッチ部
108 凹部(クラッチ)
110 ローラ(クラッチ)
114 シリンダ
116 ピストン
118 ピストン部
120 ラック部
120A ラック歯
126 ウエビング

Claims (4)

  1. 乗員拘束用のウエビングを巻取軸に巻取るウエビング巻取装置に一体化され、ラックアンドピニオン式の駆動機構により車両急減速時に瞬時に巻取軸をウエビング巻取回転方向へ所定量回転させるプリテンショナー付ウエビング巻取装置であって、
    前記駆動機構は、シリンダ内に軸方向移動可能に配置され、車両急減速時に移動するピストンと、このピストンのラック歯と噛み合うように配置され、車両急減速時にのみ巻取軸と連結されるクラッチを介して巻取軸と直結されるピニオンと、を含んで構成されており、
    さらに、前記ピニオンは、前記ラック歯とのみ噛み合うピニオン歯が形成された歯部と、この歯部と同軸かつ一体に形成され、内周側に前記クラッチを備えたクラッチ部とを有し、
    前記ピニオン歯は、6枚からなることを特徴とするプリテンショナー付ウエビング巻取装置。
  2. 前記ピニオンの歯部は、その外径が前記クラッチ部の外径より小さいことを特徴とする請求項1記載のプリテンショナー付ウエビング巻取装置。
  3. 前記クラッチ部は、前記巻取軸に垂直な部分と前記巻取軸に平行な部分を有し、前記クラッチは、前記巻取軸に平行な部分と、前記巻取軸の軸端に配置されて一体に回転するスリーブの外周との間に配置されたローラ等の転動体を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のプリテンショナー付ウエビング巻取装置。
  4. 前記クラッチは、前記クラッチ部の内周側に形成されると共に周方向に相互に連通され、各々幅広部と狭幅部を有する凹部を含んで構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のプリテンショナー付ウエビング巻取装置。
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