JP2013139161A - ウェビング巻取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プリテンショナが作動される際にパウルとラチェットとの係合を安定して解除する。
【解決手段】ウェビング巻取装置10では、クラッチギヤ92が巻取方向に回転すると、ロックパウル108の当接部114がパウル100の係合解除方向への回転を制限しない位置でパウル100の被当接部104に当接される。このため、パウル100が係合解除方向に回転する際に、パウル100がロックパウル108を押圧しない。そして、ロックパウル108の回転中心からの当接部114の距離が待機方向へ向かうに従い大きく設定されている。これにより、ロックパウル108が回転することで、当接部114の待機方向側の部分と被当接部104とが当接するため、被当接部104が当接部114に乗り上げてパウル100の係合方向への回転が制限される。したがって、プリテンショナ機構が作動される際に、パウル100とラチェット24との係合を安定して解除できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリテンショナ及びモータの駆動によって回転されるスプールを備えたウェビング巻取装置に関する。
下記特許文献1のシートベルト装置は、モータと、当該モータの駆動力をスピンドル(スプール)に伝達するクラッチと、プリテンショナと、を備えている。そして、このシートベルト装置では、プリテンショナが作動される際に、モータのスピンドルへの駆動力の伝達が遮断されるように構成されている。
具体的には、クラッチがファイナルギヤを有しており、ファイナルギヤにポール(パウル)が回転可能に設けられている。また、クラッチは、ファイナルギヤに対して相対回転可能に設けられたクラッチホイールを有しており、クラッチホイールにロータカムが保持(固定)されている。そして、ファイナルギヤが巻取方向へ回転すると、ポールが、ロータカムのカム面に沿って回転して、スピンドルに連結されたラッチプレート(ラチェット)に係合される。これにより、モータの駆動力が、ポール及びラッチプレートを介してスピンドルに伝達される。
一方、プリテンショナが作動される際には、ラッチプレートが巻取方向へ高速に回転することで、ポールが、ラッチプレートの歯によって外方向に弾き飛ばされてロータカムに干渉する(ロータカムによってポールの係合解除方向への回転が制限される)。そして、ラッチプレートによって弾き飛ばされることでポールに作用する力によってポールがロータカムを押圧して、ロータカムのクラッチホイールとの保持(固定)が解除される。これにより、リターンスプリングの付勢力によって、ラッチプレートとポールとの係合解除状態が維持される。
国際公開第2006/123750号
しかしながら、上記のシートベルト装置では、ロータカムのクラッチホイールとの保持(固定)を解除するために、ロータカムをクラッチホイールに保持させる固定ピンやホールドスプリングをせん断又は変形させる必要がある。
このため、例えば、乗員によるスピンドルに作用する引出方向への回転力が大きくなることで、プリテンショナが作動される際にスピンドルが巻取方向へ低速で回転する場合には、ポールに作用する力が低くなり、ロータカムのクラッチホイールとの保持(固定)を解除できない可能性がある。
また、ホールドスプリングによってロータカムをクラッチホイールに保持(固定)する場合には、ロータカムのホールドスプリングとの保持が解除された後にロータカムが反動によって逆方向に回転する可能性がある。これにより、ホールドスプリングが再び弾性変形して、ポールがラッチプレートに再び係合する可能性がある。
本発明は、上記事実を考慮し、プリテンショナが作動される際にパウルとラチェットとの係合を安定して解除できるウェビング巻取装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載のウェビング巻取装置は、巻取方向へ回転されることでウェビングを巻取るスプールと、作動することで前記スプールを巻取方向へ回転させるプリテンショナと、前記スプールに連結されて前記スプールと一体に回転されるラチェットと、前記スプールと同軸上に設けられると共に、モータと連結されて当該モータの駆動によって前記巻取方向へ回転されるクラッチギヤと、前記ラチェットと係合する係合方向及び前記ラチェットとの係合を解除する係合解除方向へ回転可能に前記クラッチギヤに設けられ、前記クラッチギヤが前記巻取方向へ回転することにより前記係合方向へ回転されて前記ラチェットと係合するパウルと、前記クラッチギヤに回転可能に設けられ、前記クラッチギヤが前記巻取方向へ回転することにより回転方向一方へ回転されて前記ラチェットに係合された前記パウルに当接されると共に回転中心からの距離が回転方向他方へ向かうに従って大きく設定された当接部を有するロック部材と、を備えている。
請求項1に記載のウェビング巻取装置では、プリテンショナが作動することで、スプールが巻取方向へ回転されて、ウェビングがスプールに巻取られる。これにより、例えば、車両の衝突時等における乗員に対するウェビングの拘束力を増加できる。
また、ウェビング巻取装置は、モータと連結されたクラッチギヤを備えており、クラッチギヤは、スプールと同軸上に設けられると共に、モータの駆動により巻取方向へ回転される。このクラッチギヤには、パウルが係合方向及び係合解除方向へ回転可能に設けられている。そして、クラッチギヤが巻取方向へ回転することにより、パウルが、係合方向へ回転されて、スプールに連結されたラチェットに係合する。これにより、パウルによってクラッチギヤとスプール(ラチェット)とが連結される。したがって、例えば、車両走行中に車両の前方に障害物が存在し、車両から障害物までの距離が基準値以下になる際に、モータを駆動させることで、スプールを巻取方向へ回転させてウェビングの乗員に対する拘束力を向上できる。
ところで、モータが駆動してパウルがラチェットと係合している状態でプリテンショナが作動すると、スプールが巻取方向へ高速に回転される。この際には、クラッチギヤの回転速度に比してスプールの回転速度が速いため、ラチェットがクラッチギヤに対して相対的に巻取方向へ回転する。このため、ラチェットによってパウルが押圧されて、パウルが係合解除方向へ回転する。
ここで、ロック部材がクラッチギヤに回転可能に設けられており、ロック部材は当接部を有している。そして、クラッチギヤが巻取方向へ回転することにより、当接部が、回転方向一方へ回転されて、ラチェットに係合されたパウルに当接する。このため、パウルの係合解除方向への回転を制限しない位置で当接部をパウルに当接させることで、パウルが係合解除方向へ回転する際にパウルがロック部材を押圧する必要がなくなる。これにより、パウルが係合解除方向へ回転する際に、例えば従来技術のようなロック部材を保持するための固定ピンをせん断することなく、又はロック部材を保持するためのバネを弾性変形させることなく、パウルが係合解除方向へ回転される。したがって、仮にラチェットが低速で回転しても、パウルとラチェットとの係合を安定して解除できる。また、ロック部材をバネ等の弾性部材で保持する必要がないため、ロック部材の予測困難な挙動を考慮する必要もない。
さらに、ロック部材の回転中心からの当接部の距離が回転方向他方へ向かうに従って大きく設定されている。このため、プリテンショナが作動することによってパウルが係合解除方向へ回転した際に、ロック部材が回転方向一方へ回転されることで、当接部における回転方向他方側の部位とパウルとを当接させることができる。これにより、パウルがロック部材の当接部に乗り上げた状態になり、ロック部材によってパウルの係合方向への回転が制限される。したがって、パウルとラチェットとの係合解除状態が維持される。以上により、プリテンショナが作動される際に、パウルとラチェットとの係合を安定して解除できる。
請求項2に記載のウェビング巻取装置は、請求項1に記載のウェビング巻取装置において、前記パウルは、円弧状に形成されると共に前記当接部と当接可能にされた被当接部を有し、前記当接部は、前記スプールの軸方向から見て前記被当接部の頂部から係合方向側の部位に当接される。
請求項2に記載のウェビング巻取装置では、パウルは被当接部を有しており、被当接部は、スプールの軸方向から見て円弧状に形成されて、当接部と当接可能にされている。ここで、当接部は、被当接部の頂部から係合方向側の部位に当接される。これにより、パウルの係合解除方向への回転を制限しないように当接部を被当接部に当接させることができる。このため、簡易な構成で、ラチェットと係合されたパウルの係合解除方向への回転を許容できる。
請求項1に記載のウェビング巻取装置によれば、プリテンショナが作動される際にパウルとラチェットとの係合を安定して解除できる。
請求項2に記載のウェビング巻取装置によれば、簡易な構成でラチェットと係合されたパウルの係合解除方向への回転を許容できる。
本発明の実施の形態に係るウェビング巻取装置に用いられるプリテンショナ機構が作動されてパウルが係合位置から係合解除方向へ回転された状態を示すフレーム側から見た正面図である。 本発明の実施の形態に係るウェビング巻取装置の構成を示す分解斜視図である。 図2に示されるウェビング巻取装置に用いられるクラッチをフレーム側から見た正面図である。 図1に示されるパウルが初期位置に配置された状態を示す正面図である。 図1に示されるパウルが係合位置に回転された状態を示す正面図である。
図2には、本発明の実施の形態に係るウェビング巻取装置10の構成が分解斜視図にて示されている。なお、図面では、車両前後方向一側を矢印LOで示し、車幅方向外側(車幅方向一側)を矢印WOで示し、上方を矢印UPで示す。
この図に示されるように、ウェビング巻取装置10は、フレーム12と、スプール20と、ウェビング30と、「プリテンショナ」としてのプリテンショナ機構34と、駆動機構42と、を含んで構成されている。
フレーム12は、略板状の背板14と、背板14の幅方向両端のそれぞれから一体に延出された脚板16及び脚板18とによって構成されている。背板14には、クランク状に屈曲された板状のステイ19が固定されており、背板14及びステイ19がボルト等の図示しない締結手段によって車体に固定されることで、ウェビング巻取装置10が車体に取付けられる。また、脚板16及び脚板18には、それぞれ円形状の配置孔16A及び配置孔18Aが貫通形成されている。
スプール20は、脚板16と脚板18との間において、回転可能に配置されている。スプール20は全体として鼓形状をなしており、スプール20には、長尺帯状に形成されたウェビング30の基端部が連結固定されている。そして、スプール20をその軸線周り一方(図2に示される矢印A方向であり、以下、この方向を「巻取方向」と称する)へ回転させると、ウェビング30がその基端側からスプール20の外周部に層状に巻取られ、一方、ウェビング30をその先端側から引張れば、これに伴いスプール20がその軸線周り他方(図2に示される矢印B方向であり、以下、この方向を「引出方向」と称する)へ回転しながらウェビング30が引出される。
スプール20内には、フォースリミッタ機構を構成する図示しないトーションバー(広義には、「エネルギー吸収部材」として把握される要素である)が同軸上に挿入されており、トーションバーの脚板18側の端部は、スプール20の脚板18側の端面から突出されている。トーションバーの脚板16側の端部は、スプール20の脚板16側の端部に相対回転不能に連結されており、トーションバーは、スプール20と一体に回転可能に構成されている。また、トーションバーの脚板16側の端部には、スプール20の脚板16側において、略円柱状のラチェット24が相対回転不能に連結されると共に、スクリュー22が固定されており、ラチェット24はスプール20とスクリュー22との間に狭持されている。ラチェット24はスプール20と同軸上に配置されており、ラチェット24の外周部には、ラチェット歯24A(外歯)が形成されている。
スプール20の脚板18側には、略円板状のロックギヤ26が設けられており、ロックギヤ26にはトーションバーが同軸上に貫通されている。また、ロックギヤ26には、トーションバーが相対回転不能に固定されており、ロックギヤ26は、トーションバーと一体に回転可能に構成されている。また、ロックギヤ26の外周全体には、ラチェット歯26A(外歯)が形成されている。
フレーム12の脚板18の外側(図2に示される矢印D側)には、箱状のセンサカバー32が取付けられており、センサカバー32は脚板18側に向けて開放されている。前述したトーションバーの脚板18側の端部は、センサカバー32の内側に挿入されて、センサカバー32に設けられた軸受部(図示省略)に回転可能に支持されている。センサカバー32の内側には周知のロック機構(図示省略)が収容されている。そして、車両の急減速時などに、このロック機構がロックギヤ26のラチェット歯26Aに係合することで、トーションバーの引出方向への回転が規制されるように構成されている。
プリテンショナ機構34は、センサカバー32と脚板18との間に設けられている。プリテンショナ機構34は、脚板18に固定されたシリンダ36を備えており、シリンダ36の上端部には、ガスジェネレータ38が収容されている。このガスジェネレータ38は、車両の制御部(図示省略)に接続されると共に、点火装置(図示省略)を備えている。そして、車両の衝突時(車両の衝突が検出された際)には、制御部の制御によって、この点火装置が作動することで、シリンダ36内に高圧のガスを発生させるように構成されている。また、シリンダ36の内側にはピストン(図示省略)が収容されており、シリンダ36内に発生されたガスの圧力によって、このピストンがシリンダ36から突出してトーションバーの脚板18側の端部を巻取方向へ強制的に回転させるように構成されている。
一方、フレーム12の脚板16の外側(図1に示される矢印C側)には、樹脂により製作された略有底円筒状のスプリングカバー40が設けられており、スプリングカバー40は、脚板16側に向けて開放されている。スプリングカバー40の開口部はカバー(図示省略)によって閉塞されている。スプリングカバー40は、後述するギヤハウジング44を介してフレーム12の脚板16に取付けられている。スプリングカバー40の内側には、スプール20のスクリュー22が挿入されており、スクリュー22はスプリングカバー40に設けられた軸受部(図示省略)に回転可能に支持されている。
また、スプリングカバー40内には、渦巻き状のぜんまいばね(図示省略)が収容されている。このぜんまいばねは、渦巻き方向外側端部がスプリングカバー40に係止されると共に、渦巻き方向内側端部がスクリュー22に係止されており、スプール20を巻取方向へ付勢している。
次に、駆動機構42について説明する。駆動機構42は、ギヤハウジング44とモータ60と減速機構66とを含んで構成されている。
ギヤハウジング44は、フレーム12の脚板16とスプリングカバー40との間に設けられている。このギヤハウジング44は、後述する減速機構66を収容すると共に後述するモータ60を取付けるためのものであり、脚板16に固定されている。
図3に示すように、ギヤハウジング44の上部には、後述するクラッチ90を収容するためのクラッチ収容部46が設けられており、クラッチ収容部46は、断面略円形の凹状に形成されて、脚板16側へ開放されている。図2に示すように、クラッチ収容部46の底壁46Aには、円形状の貫通孔46Bが貫通形成されている。貫通孔46Bは、スプール20と同軸上に配置されており、貫通孔46B内にスクリュー22が貫通されている。また、クラッチ収容部46の底面には、貫通孔46Bの周囲において、円筒状の支軸部48が設けられており、支軸部48は、スプール20と同軸上に配置されて、脚板16側へ突出されている。
ギヤハウジング44の下部には、後述する減速ギヤ列68を収容するためのギヤ収容部50が設けられており、ギヤ収容部50は、断面略円形の凹状に形成されて、スプリングカバー40側へ開放されている。ギヤ収容部50はクラッチ収容部46の側方に配置されており、ギヤ収容部50の底壁50Aは、クラッチ収容部46の底壁46Aに対して、脚板16側に配置されている。
ギヤ収容部50の中央部には、円柱状の支軸52Aが一体に設けられており、支軸52Aはスプール20の軸線方向に平行にスプリングカバー40側へ突出されている。ギヤ収容部50の上部には、車幅方向一側部において、円柱状の支軸52Bが一体に設けられており、支軸52Bはスプール20の軸線方向に平行にスプリングカバー40側へ突出されている。また、ギヤ収容部50の上部には、車幅方向他側部において、円柱状の支軸52Cが一体に設けられており、支軸52Cはスプール20の軸線方向に平行にスプリングカバー40側へ突出されている。
ギヤ収容部50の底壁50Aには、支軸52Aと支軸52Bとの間において、円形状の貫通孔(図示省略)が形成されており、この貫通孔には後述するモータ60の出力軸60Aが貫通している。また、ギヤ収容部50の底壁50Aには、支軸52Cの上側の部分において、長尺の連通孔56が貫通形成されており、連通孔56は、湾曲されると共に、クラッチ収容部46とギヤ収容部50との間を連通している。
また、ギヤハウジング44の下部には、脚板16側の部分において、略円筒状の筒部58が設けられており、筒部58は脚板16側へ突出されている。
モータ60は、スプール20の下側かつフレーム12の脚板16と脚板18との間に設けられている。モータ60はスプール20の軸線方向に平行に配置されており、モータ60の脚板16側の端部(図1に示される矢印C側の端部)が、ギヤハウジング44の筒部58内において、ギヤハウジング44に固定されている。モータ60には、出力軸60Aが設けられており、出力軸60Aは、モータ60の脚板16側の端部に対してギヤハウジング44側へ突出されている。出力軸60Aの先端部にはギヤ62が固定されており、ギヤ62はギヤハウジング44のギヤ収容部50内に配置されている。
ギヤハウジング44のフレーム12の脚板16側には、略有底円筒状のモータカバー64が設けられており、モータカバー64はギヤハウジング44側に向けて開口されている。そして、モータカバー64の開口部には取付部64Aが設けられており、モータカバー64の内側にモータ60が収容された状態で、取付部64Aがギヤハウジング44に固定されている。
減速機構66は、減速ギヤ列68とクラッチ90とを含んで構成されている。そして、減速ギヤ列68は、ギヤ70、ギヤ72、大径ギヤ74、小径ギヤ76、及びギヤ78を含んで構成されると共に、前述したギヤハウジング44のギヤ収容部50内に収容されている。
ギヤ70は、モータ60のギヤ62の半径方向側方に設けられると共に、ギヤ62よりも大径な平歯車として構成されている。また、ギヤ70は、ギヤ62に噛合された状態で、ギヤハウジング44の支軸52Bに回転可能に支持されている。
ギヤ72は、ギヤ70のスプリングカバー40側(図1に示される矢印C側)にギヤ70と一体に形成されると共に、ギヤ70と同軸上に配置されている。また、ギヤ72は、ギヤ70よりも小径の平歯車として構成されている。
大径ギヤ74は、ギヤ72の半径方向側方に設けられている。また、大径ギヤ74は、略有底円筒状に形成されて、スプリングカバー40側へ向けて開放されており、大径ギヤ74の外周部には平歯の外歯74A(外歯)が形成されている。
大径ギヤ74の開口部には、円板状のカバー80が設けられており、カバー80は大径ギヤ74の開口部を閉塞している。
小径ギヤ76は、大径ギヤ74の脚板16側(図1に示される矢印D側)に設けられると共に、大径ギヤ74よりも小径に形成されている。小径ギヤ76のスプリングカバー40側の端部は大径ギヤ74内に同軸上に挿入されており、大径ギヤ74が小径ギヤ76に対して相対回転可能に支持されている。また、大径ギヤ74の外歯74Aがギヤ72に噛合された状態で、小径ギヤ76がギヤハウジング44の支軸52Aに回転可能に支持されている。また、小径ギヤ76の脚板16側の端部には、外周部において、平歯の外歯76A(外歯)が設けられている。
そして、大径ギヤ74内には、図示しない板ばねが固定されており、板ばねは小径ギヤ76のスプリングカバー40側の端部に係合されている。このため、通常では、大径ギヤ74と小径ギヤ76とは一体回転可能に構成されている。ただし、小径ギヤ76と大径ギヤ74との間に基準値以上の回転力が作用すると、板ばねが弾性変形することで、板ばねと小径ギヤ76との係合が解除されて、大径ギヤ74に対する小径ギヤ76の相対回転が許容される。
ギヤ78は、小径ギヤ76の半径方向側方に設けられると共に、小径ギヤ76よりも大径の平歯車として構成されている。また、ギヤ78は、小径ギヤ76の外歯76Aに噛合した状態で、ギヤハウジング44の支軸52Cに回転可能に支持されている。
また、ギヤ78は、ギヤハウジング44の連通孔56において、後述するクラッチ90のクラッチギヤ92の外歯92Aに噛合されている。これにより、モータ60の出力軸60Aの回転が減速ギヤ列68を介してクラッチギヤ92に伝達されるように構成されている。
ギヤハウジング44のスプリングカバー40側には、略円筒状のギヤカバー82が設けられており、ギヤカバー82はギヤハウジング44側に開口されている。ギヤカバー82は、減速ギヤ列68を覆う状態で、ギヤハウジング44に固定されている。
次に本発明の要部であるクラッチ90について説明する。
クラッチ90は、前述したギヤハウジング44のクラッチ収容部46内に収容されて、クラッチ収容部46の底壁46Aに覆われている。図2及び図3に示すように、クラッチ90は、クラッチギヤ92と、パウル100と、リターンスプリング106(広義には、「付勢部材」として把握される要素である)と、「ロック部材」としてのロックパウル108と、第1フリクション116(広義には、「干渉部材」として把握される要素である)と、第2フリクション120(広義には、「干渉部材」として把握される要素である)と、クラッチカバー124とを含んで構成されている。
図2に示すように、クラッチギヤ92は、略有底円筒状に形成されて、脚板16側に向けて開放されている。クラッチギヤ92の底壁94には、円形状の支持孔94Aが貫通形成されており、支持孔94Aは、スプール20と同軸上に配置されて、クラッチ収容部46の支軸部48にスプール20に対して相対回転可能に支持されている。また、クラッチギヤ92の外周部には、外歯92Aが形成されており、外歯92Aは、前述した減速ギヤ列68のギヤ78に噛合されている。これにより、モータ60の出力軸60Aが正転すると、クラッチギヤ92が巻取方向(図2に示される矢印A方向)へ回転されて、モータ60の出力軸60Aが逆転すると、クラッチギヤ92が引出方向(図2に示される矢印B方向)へ回転されるように構成されている。
そして、クラッチギヤ92内には、前述したスプール20のラチェット24が配置されている。図1、図4、及び図5に示すように、クラッチギヤ92の底壁94には、後述するパウル100を支持するためのパウル支持軸96が設けられており、パウル支持軸96は円柱状に形成されると共に、クラッチギヤ92の底壁94からフレーム12の脚板16側へ向けて突出されている。さらに、クラッチギヤ92の底壁94には、後述するロックパウル108を支持するためのロックパウル支持軸98が設けられており、ロックパウル支持軸98は円柱状に形成されると共に、クラッチギヤ92の底壁94から脚板16側へ向けて突出されている。
パウル100は、略J字形板状に形成されて、クラッチギヤ92内におけるラチェット24の径方向外側に配置されている。パウル100の略中央部には、円形状のパウル支持孔102が貫通形成されており、このパウル支持孔102内にはクラッチギヤ92のパウル支持軸96が挿入されている。これにより、パウル100がパウル支持軸96に回転可能に支持されている。
パウル100の一端部には、係合歯100Aが設けられている。そして、パウル100が係合方向(図1に示す矢印E方向)へ回転されることで、係合歯100Aがラチェット24のラチェット歯24Aに係合(噛合)するように構成されている(図5に示す状態であり、以下この位置を「係合位置」と称する)。一方、係合位置からパウル100が係合解除方向(図1に示す矢印F方向)へ回転されることで、ラチェット歯24Aに対する係合歯100Aの係合(噛合)が解除されるように構成されている(図4に示す状態であり、以下この位置を「初期位置」と称する)。さらに、パウル100の他端部には、被当接部104が設けられており、被当接部104は、スプール20の軸方向から見て円弧状に湾曲して形成されている。
図3に示すように、リターンスプリング106は、トーションスプリングとして構成されて、クラッチギヤ92内に収容されている。このリターンスプリング106の一端部は、クラッチギヤ92に係止されており、リターンスプリング106の他端部は、パウル100の他端部に係止されている。そして、リターンスプリング106は、パウル100を係合解除方向へ付勢している。
図1、図4、及び図5に示すように、ロックパウル108は、樹脂により製作されると共に、略扇形板状に形成されている。そして、ロックパウル108は、クラッチギヤ92内におけるパウル100の被当接部104の側方に配置されている。ロックパウル108の基端部には、円形状のロック支持孔110が貫通形成されており、このロック支持孔110内には、クラッチギヤ92のロックパウル支持軸98が挿入されている。これにより、ロックパウル108が、当接方向(本発明の「回転方向一方」であり、図1に示す矢印G方向である)及び待機方向(本発明の「回転方向他方」であり、図1に示す矢印H方向である)へ回転可能にロックパウル支持軸98に支持されている。
また、ロックパウル108の基端部には、突起部112が設けられており、突起部112はロック支持孔110の径方向外側へロックパウル108の基端部から突出されている。
ロックパウル108の先端部(ロック支持孔110に対して突起部112とは反対側の端部)には、当接部114が設けられている。当接部114は略円弧状に湾曲して形成されており、ロックパウル108の回転中心から当接部114までの距離が、待機方向へ向かうに従って大きくなるように設定されている。そして、ロックパウル108が当接方向へ回転することで、当接部114における当接方向側の部分が、係合位置に配置されたパウル100の被当接部104に当接されるように構成されている(図5に示す位置であり、以下この位置を「当接位置」と称する)。この際には、当接部114がパウル100の係合解除方向への回転を制限しない位置に配置されている。すなわち、係合位置に配置されたパウル100の被当接部104における頂部104Aから係合方向側の部分(図5に示す2点鎖線参照)に当接部114が当接されて、この状態でパウル100に係合解除方向への回転力が付与された際には、パウル100の回転がロックパウル108によって制限されずに(パウル100とロックパウル108とが干渉されずに)、パウル100が係合解除方向へ回転するように構成されている。
また、当接位置からロックパウル108が待機方向へ回転することで、ロックパウル108の当接部114がパウル100の被当接部104から離間されるように構成されている(図4に示す位置であり、以下この位置を「待機位置」と称する)。このように、ロックパウル108(当接部114)とパウル100(被当接部104)とは、ロックパウル108の当接方向への回転及びパウル100の係合方向への回転によって互いに接近すると共に、ロックパウル108の待機方向への回転及びパウル100の係合解除方向への回転によって互いに離間するように設定されている。
第1フリクション116は、板状のバネ材により製作されており、クラッチ収容部46の底壁46A内に設けられた溝部(図示省略)内に圧接した状態で配置されている。また、第1フリクション116はクラッチ収容部46の溝部内を摺動可能に構成されており、第1フリクション116が摺動する際には、第1フリクション116はクラッチギヤ92の周方向に移動される。そして、第1フリクション116には、パウル押圧部118が形成されており、パウル押圧部118は、クラッチギヤ92に設けられたパウル開口部92Bからクラッチギヤ92内へ突出されて、パウル100の一端部に隣接して配置されている。
第2フリクション120は、板状のバネ材により製作されており、第1フリクション116が配置されたクラッチ収容部46の溝部内に圧接した状態で配置されている。また、第2フリクション120はクラッチ収容部46の溝部内を摺動可能に構成されており、第2フリクション120が摺動する際には、第2フリクション120はクラッチギヤ92の周方向に移動される。そして、第2フリクション120には、一対のロックパウル押圧部122A、122Bが形成されており、ロックパウル押圧部122A、122Bは、クラッチギヤ92に設けられたロックパウル開口部92Cからクラッチギヤ92内へ突出されており、一対のロックパウル押圧部122A、122Bの間にロックパウル108の突起部112が配置されている。
図2に示すように、クラッチカバー124は、クラッチギヤ92とフレーム12の脚板16との間に設けられている。クラッチカバー124は、略有底円筒状に形成されて、クラッチギヤ92の開口部を閉塞している。
ここで、モータ60が駆動される前では、パウル100が初期位置に配置されており、ロックパウル108が待機位置に配置されている。また、第1フリクション116のパウル押圧部118はパウル100の一端部に隣接して配置されると共に、第2フリクション120のロックパウル押圧部122Aがロックパウル108の突起部112に隣接して配置されている(図4参照)。
次に、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
ウェビング巻取装置10では、乗員が車両の座席に着席して、ウェビング巻取装置10に格納されたウェビング30を引張ると、スプール20が引出方向(図2に示される矢印B方向)へ回転しつつウェビング30が引出される。これにより、乗員はウェビング30を身体に掛けまわし、例えば、ウェビング30に設けられたタングプレートをバックル装置に係合させることで、ウェビング30を身体に装着することができる。
一方、例えば、車両走行中に車両の前方に障害物が存在し、しかも車両と障害物との間隔(車両から障害物までの距離)が基準値以下になると、モータ60が駆動されることで、モータ60の出力軸60Aが急激に正転する。
モータ60の出力軸60Aが正転すると、その回転力がギヤ62、ギヤ70、ギヤ72、大径ギヤ74、小径ギヤ76、ギヤ78、及びクラッチ90のクラッチギヤ92に伝達され、クラッチギヤ92が急激に巻取方向(図4の矢印A方向)へ回転される。
そして、第1フリクション116及び第2フリクション120は、ギヤハウジング44のクラッチ収容部46の溝部内に圧接した状態で配置されているため、第1フリクション116及び第2フリクション120とギヤハウジング44との間には摩擦力が作用している。このため、クラッチギヤ92が、第1フリクション116及び第2フリクション120に対して巻取方向(図4の矢印A方向)へ相対回転される。このため、パウル100の一端部が第1フリクション116のパウル押圧部118によって押圧されて、パウル100が、リターンスプリング106の付勢力に抗して、パウル押圧部118に沿って係合方向(図4の矢印E方向)へ回転して係合位置に配置される。この際には、パウル100の係合歯100Aが、スプール20のラチェット24のラチェット歯24Aに係合(噛合)する。
また、クラッチギヤ92が第2フリクション120に対して巻取方向へ相対回転されることで、ロックパウル108が第2フリクション120のロックパウル押圧部122Bへ向けて回転する。そして、ロックパウル108の突起部112が第2フリクション120のロックパウル押圧部122Bに押圧されて、ロックパウル108が当接方向(図5の矢印G方向)へ回転される。これにより、パウル100が係合位置に配置された直後に、ロックパウル108が待機位置から当接位置に回転されて、ロックパウル108の当接部114がパウル100の被当接部104に当接される(図5参照)。
この際には、パウル100の被当接部104における頂部104Aから係合方向側の部分に当接部114が当接されるため、ロックパウル108がパウル100を係合解除方向(図5の矢印F方向)に付勢するように作用する。しかし、このロックパウル108によってパウル100に作用する力よりモータ60の駆動力によるパウル100とラチェット24との係合力(噛合力)が大きいため、パウル100とラチェット24との係合が維持されて、クラッチギヤ92の巻取方向への回転力がパウル100を介してラチェット24に伝達される。これにより、ラチェット24がクラッチギヤ92と一体に巻取方向へ回転されて、スプール20が巻取方向へ急激に回転される。したがって、ウェビング30がスプール20に巻取られて、ウェビング30の僅かな緩み、所謂「スラック」が解消されて、ウェビング30による乗員の身体に対する拘束力が向上する。
さらに、「スラック」が解消された状態では、乗員の身体が障害となり基本的にはそれ以上スプール20がウェビング30を巻取ることができなくなる。そして、慣性によって乗員の身体が車両前方へ移動すると、ウェビング30を介してスプール20に引出方向への回転力が作用して、当該引出方向への回転力がクラッチギヤ92及びギヤ78を介して小径ギヤ76に伝達される。
一方、大径ギヤ74は、モータ60の駆動力によって巻取方向へ回転しようとしているため、小径ギヤ76と大径ギヤ74との間には相対的な回転力が作用する。この回転力が基準値以上になると、大径ギヤ74に固定された板ばねと小径ギヤ76の軸線方向一側端との係合が解除される。したがって、大径ギヤ74と小径ギヤ76との相対回転が許容される。
これにより、慣性によって乗員の身体が車両前方へ移動する際に、モータ60及び減速機構66に過大な負荷が作用することを防止できる。
そして、車両衝突の危険が回避された場合には、モータ60の出力軸60Aが逆転される。この出力軸60Aの回転力は、ギヤ62、ギヤ70、ギヤ72、大径ギヤ74、小径ギヤ76、ギヤ78、及びクラッチ90のクラッチギヤ92に伝達され、クラッチギヤ92が急激に引出方向(図5の矢印B方向)へ回転される。
そして、第1フリクション116及び第2フリクション120は、ギヤハウジング44のクラッチ収容部46の溝部内に圧接した状態で配置されているため、第1フリクション116及び第2フリクション120とギヤハウジング44との間には、摩擦力が作用している。このため、クラッチギヤ92が引出方向へ回転される際には、クラッチギヤ92が第1フリクション116及び第2フリクション120に対して相対的に引出方向へ回転される。
これにより、第1フリクション116がパウル100の一端部から離間されて、リターンスプリング106の付勢力によって、パウル100が係合位置から初期位置へ回転されて、パウル100の係合歯100Aとラチェット24のラチェット歯24Aとの係合(噛合)が解除される。さらに、第2フリクション120のロックパウル押圧部122Aがロックパウル108の突起部112を押圧して、ロックパウル108が当接位置から待機位置へ回転される(図4参照)。これにより、スプール20とクラッチギヤ92との連結が解除されて、スプール20の自在な回転が可能となる。
一方、車両衝突の危険が回避されずに車両が衝突した時(車両の衝突が検出された際)には、制御部の制御によって、プリテンショナ機構34(ガスジェネレータ38の点火装置)が作動される。これにより、シリンダ36内に高圧のガスが供給されて、当該ガスの圧力によって、プリテンショナ機構34のピストンがシリンダ36から突出してトーションバーの脚板18側の端部を巻取方向へ強制的に回転させる。このため、スプール20及びラチェット24が巻取方向へ高速に回転される。
この際には、クラッチギヤ92の巻取方向への回転速度に比してラチェット24(スプール20)の巻取方向への回転速度が速いため、ラチェット24がクラッチギヤ92に対して相対的に巻取方向へ回転する。このため、ラチェット24のラチェット歯24Aによってパウル100の係合歯100Aがラチェット24の径方向外側へ押圧されて、パウル100が係合解除方向(図5の矢印F方向)へ回転する。なお、パウル100が係合解除方向へ回転する際には、パウル100の一端部が第1フリクション116のパウル押圧部118を押圧して、第1フリクション116がクラッチギヤ92の周方向に移動される。
ここで、上述したように、クラッチギヤ92が巻取方向へ回転することにより、ロックパウル108の当接部114が、当接方向へ回転されて、ラチェット24に係合されたパウル100の被当接部104に当接される。また、当接部114は、パウル100の被当接部104における頂部104Aから係合方向側の部分に当接されるため、パウル100の係合解除方向への回転を制限しない位置で当接部114が被当接部104に当接される。このため、パウル100が係合解除方向へ回転する際には、パウル100がロックパウル108を押圧する必要がなくなる。
これにより、パウル100が係合位置から係合解除方向へ回転する際に、例えば、従来技術のようなロックパウル108を保持するための固定ピンをせん断する必要がなく、又はロックパウル108を保持するためのバネを弾性変形させる必要がない。したがって、仮にラチェット24が低速で回転しても、パウル100が係合位置から係合解除方向へ回転されて、パウル100とラチェット24との係合(噛合)を安定して解除できる。また、ロックパウル108をバネ等の弾性部材で保持する必要がないため、ロックパウル108の予測困難な挙動を考慮する必要がない。
さらに、パウル100が係合解除方向へ回転すると、パウル100の被当接部104がロックパウル108の当接部114から離間されるが、クラッチギヤ92はギヤハウジング44に対して相対的に巻取方向へ回転しているため、ロックパウル108の突起部112が第2フリクション120のロックパウル押圧部122Bに押圧されて、当接部114が被当接部104に当接するまでロックパウル108が当接方向へ回転する。ここで、ロックパウル108の回転中心からの当接部114の距離が待機方向へ向かうに従って大きく設定されている。
これにより、プリテンショナ機構34の作動によってパウル100が係合解除方向へ回転した際に、当接部114における待機方向側の部分とパウル100の被当接部104とが当接する。このため、パウル100の被当接部104がロックパウル108の当接部114に乗り上げた状態になり、ロックパウル108によって、パウル100の係合方向への回転が制限される(図1参照)。したがって、パウル100とラチェット24との係合解除状態が維持される。以上により、プリテンショナ機構34が作動される際に、パウル100とラチェット24との係合(噛合)を安定して解除できる。
さらに、車両が衝突された際に乗員の慣性エネルギーによってスプール20が引出方向へ回転しようとするため、スプール20に連結されたトーションバーの脚板16側の端部が引出方向へ回転しようとする。このため、トーションバーには捩り力が作用して、当該捩り力がトーションバーの機械的強度より大きい場合には、トーションバーが捩じれ変形する。これにより、トーションバーの捩じれ変形に伴う捩じれ荷重がフォースリミッタ荷重として作用して、乗員に対するエネルギーを吸収する。
そして、上述したように、プリテンショナ機構34が作動された際には、パウル100とラチェット24との係合が解除されるため、トーションバーが捩じれ変形する時に、モータ60や減速ギヤ列68やクラッチ90による反力がスプール20の脚板16側の端部に作用することを抑制できる。このため、当該反力がフォースリミッタ荷重に上乗せされることを抑制できるため、設定したフォースリミッタ荷重で乗員に対するエネルギーを吸収できる。これにより、ウェビング巻取装置10のトーションバーを、例えば駆動機構42を備えていないウェビング巻取装置のトーションバーと共用できる。
また、パウル100及びロックパウル108は、クラッチギヤ92に回転可能に設けられており、パウル100の被当接部104にロックパウル108の当接部114が当接される。これにより、同一の部材にパウル100及びロックパウル108を設けているため、パウル100とロックパウル108とを精度よく配置して当接させることができる。
さらに、パウル100の被当接部104は円弧状に形成されており、上述したように、ロックパウル108の当接部114が被当接部104の頂部104Aから係合方向側の部位に当接される。このため、簡易な構成で、ラチェット24と係合されたパウル100の係合解除方向への回転を許容できる。
なお、本実施の形態では、パウル100の被当接部104は円弧状に形成されているが、パウル100の被当接部104の形状はこれに限らない。例えば、被当接部104を略V字形状に突出する形状にしてもよい。
10 ウェビング巻取装置
20 スプール
24 ラチェット
30 ウェビング
34 プリテンショナ機構(プリテンショナ)
60 モータ
92 クラッチギヤ
100 パウル
104 被当接部
104A 頂部
108 ロックパウル(ロック部材)
114 当接部

Claims (2)

  1. 巻取方向へ回転されることでウェビングを巻取るスプールと、
    作動することで前記スプールを巻取方向へ回転させるプリテンショナと、
    前記スプールに連結されて前記スプールと一体に回転されるラチェットと、
    前記スプールと同軸上に設けられると共に、モータと連結されて当該モータの駆動によって前記巻取方向へ回転されるクラッチギヤと、
    前記ラチェットと係合する係合方向及び前記ラチェットとの係合を解除する係合解除方向へ回転可能に前記クラッチギヤに設けられ、前記クラッチギヤが前記巻取方向へ回転することにより前記係合方向へ回転されて前記ラチェットと係合するパウルと、
    前記クラッチギヤに回転可能に設けられ、前記クラッチギヤが前記巻取方向へ回転することにより回転方向一方へ回転されて前記ラチェットに係合された前記パウルに当接されると共に回転中心からの距離が回転方向他方へ向かうに従って大きく設定された当接部を有するロック部材と、
    を備えたウェビング巻取装置。
  2. 前記パウルは、前記スプールの軸方向から見て円弧状に形成されると共に前記当接部と当接可能にされた被当接部を有し、
    前記当接部は、前記被当接部の頂部から係合方向側の部位に当接される請求項1に記載のウェビング巻取装置。
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