JP5252149B2 - シートベルト用リトラクタ - Google Patents

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Description

本発明は、シートベルト用リトラクタに関し、特に、モータを用いる電動アクチュエータ、火薬式アクチュエータ(プリテンショナー機構)、及びフォースリミッタ機構を備えたシートベルト用リトラクタに関する。
従来、この種のシートベルト用リトラクタでは、衝突の可能性がある場合、衝突前にセンサが作動し、電動アクチュエータを作動させてシートベルト(ウェビング)を巻き取り、乗員を軽拘束し、また、衝突時には、プリテンショナー機構によってシートベルトを巻き取って、乗員をより確実に拘束する。さらに、設定以上の荷重がベルトに加わった場合には、フォースリミッタ機構によってエネルギーを吸収しながらベルトを繰り出し、乗員の胸部への負担を軽減することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のシートベルト用リトラクタでは、電動アクチュエータからの動力をスピンドルに伝達する動力伝達機構において、スピンドル側からの回転が電動アクチュエータに伝わることを防止するため、クラッチが介在されている。
このクラッチは、電動アクチュエータの回転が伝達されて回転するギヤホイール及びロータを備えている。ロータには、付勢部材によって常にスピンドルとの係合方向へ付勢されたパウルが支持されており、このパウルは、通常はロータに設けられた保持部材によってスピンドルとの係合解除位置に保持されている。そして、モータの駆動力によりロータが軸線周り一方へ回転すると、保持部材によるパウルの保持が解除され、パウルは付勢部材の付勢力によってスピンドルに係合する。これにより、ロータの回転がスピンドルに伝達されてスピンドルが回転する。一方、ロータが軸線周り他方へ回転すると、保持部材はパウルを付勢部材の付勢力に抗してスピンドルとの係合解除位置に移動させて保持するようになっている。
また、保持部材とパウルとは、ロータが停止した状態で互いの保持状態を維持するように、離間方向に抗力を発生する傾斜面を形成して、クラッチの誤結合を防止している。
特開2006−103657号公報
ところで、シートベルト用リトラクタでは、フォースリミッタ機構の作動時にはパウルはスピンドルとの係合解除位置に保持される必要があるが、衝突時の衝撃などによる車両の激しい揺れ等によって依然としてクラッチが誤結合する可能性がある。
また、衝突の状況によっては、プリテンショナー機構が作動した後に電動アクチュエータが作動してしまうような場合がある。この場合、電動アクチュエータを制御するECUの性能によっては、電動アクチュエータの作動信号がプリテンショナー機構作動後も所定期間継続的に送られ、パウルがスピンドルと係合することがある。このため、プリテンショナー機構やフォースリミッタ機構の動作に悪影響を及ぼすという課題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、スピンドルを回転する動力を発生する電動アクチュエータと、スピンドルを回転する他の動力を発生するプリテンショナー機構と、設定以上の荷重がベルトに加わった場合には、エネルギーを吸収しながらベルトを繰り出し、乗員の胸部への負担を軽減するフォースリミッタ機構と、を備えるシートベルト用リトラクタにおいて、フォースリミッタ機構が作動した時には、シートベルトを巻き取るスピンドルと電動アクチュエータとの接続を確実に切断して、乗員の胸部への負担を確実に軽減することができるシートベルト用リトラクタを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成される。
(1) シートベルトを巻き取るスピンドルと、
該スピンドルを回転する動力を発生する電動アクチュエータと、
前記スピンドルを回転する他の動力を発生するプリテンショナー機構と、
複数のギヤを介して前記電動アクチュエータからの動力を前記スピンドルに伝達可能な動力伝達機構と、
前記スピンドルと前記プリテンショナー機構との間の力伝達経路に配置され、捻れトルクの異なる複数の軸部分を有するトーションバーと、前記力伝達経路としての前記トーションバーの複数の軸部分を切り替えて、前記トーションバーのエネルギー吸収力を切り替える切り替え装置と、を有するフォースリミッタ機構と、
を備えるシートベルト用リトラクタであって、
前記切り替え装置は、前記スピンドルと同軸に配置され、前記トーションバーのエネルギー吸収力を切り替えるように回転可能なアンロックリングと、該アンロックリングを回転駆動するための駆動装置と、を備え、
前記アンロックリングは、前記トーションバーのエネルギー吸収力を切り替えるように作動し、且つ、前記動力伝達機構の複数のギヤのいずれかの係合を解除して、前記スピンドルと前記電動アクチュエータとの動力伝達を切り離すことを特徴とするシートベルト用リトラクタ。
(2) 前記動力伝達機構の複数のギヤは、
前記電動アクチュエータの動力を受けて回転する第1ギヤと、
前記アンロックリングに形成された支持軸まわりに配置され、前記アンロックリングの回転に応じて該第1ギヤと係脱可能な第2ギヤと、
前記第2ギヤと係合し、前記第1ギヤと前記第2ギヤが係合している際に前記第2ギヤの回転を受けて前記スピンドルに動力を伝える第3ギヤと、
を備えることを特徴とする(1)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(3) 前記第1ギヤは、スピンドル本体と前記電動アクチュエータとの間の動力伝達を遮断するトルクリミッター機構を有することを特徴とする(2)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(4) 前記アンロックリングは、前記第1のギヤと前記第2のギヤとの係合状態を維持するように該アンロックリングを位置決めすると共に、前記駆動装置の作動により破断される位置決めピンを備えることを特徴とする(2)又は(3)に記載のシートベルト用リトラクタ。
本発明のシートベルト用リトラクタによれば、フォースリミッタ機構の切り替え装置を構成するアンロックリングが、トーションバーのエネルギー吸収力を切り替えるように作動し、且つ、動力伝達機構の複数のギヤのいずれかの係合を解除して、スピンドルと電動アクチュエータとの動力伝達を切り離す。これにより、エネルギー吸収作動時に電動アクチュエータからの力が切り離され、安定してエネルギー吸収しながらベルトの引き出し動作を得ることができる。
次に、本発明の一実施形態にかかるシートベルト用リトラクタの一例について図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態のリトラクタを含むシートベルト用リトラクタ10は、シートベルト(図示せず)を巻き取るスピンドル組立体(スピンドル)12と、スピンドル組立体12をシートベルトの巻き取り方向へ付勢する巻き取りバネ装置13と、加速度センサ(図示せず)によって検出される加速度に応じてシートベルトの引出動作をロックするロック機構14と、スピンドル組立体12を回転させる動力を発生する電動アクチュエータであるモータ34と、スピンドル組立体12を回転させる他の動力を発生するプリテンショナー機構15と、設定以上の荷重がシートベルトに加わった場合にエネルギーを吸収しながらシートベルトを繰り出すフォースリミッタ機構16(図2参照)と、モータ34からの動力をスピンドル組立体12に伝達可能な動力伝達機構17と、を有している。
図2に示すように、スピンドル組立体12は、スピンドル本体61と、その一端側開口を塞ぐトレッドヘッド62と、スピンドル本体61内に配置されるトルクパイプ63、トルクチューブ64、限界の捻れトルクの異なる複数の軸部分で構成される第1及び第2トーションバー65,66と、トレッドヘッド62の外周面に案内されるロック片67と、スピンドル61に形成された一対の貫通孔61a内で回動可能に取り付けられるロッキングエレメント68と、スピンドル61の他端側からその周囲に装着されるエンドピース69、スピンドルリング70、及びスイッチリング73と、を備える。なお、図2中、符号71は、ドラムリングであり、72は、オメガスプリングである。
第1トーションバー65は第2トーションバー66よりも軸径が太く形成されており、各トーションバーの両端部65a,65b,66a,66bは、トルクス(登録商標)形状に形成されている。本実施形態では、軸径の細い第2トーションバー66が、フォースリミッタ機構16として作用し、また、第1トーションバー65は、プリテンショナー機構15の作動により発生するトルクよりも大きな捻れトルクを有するように太さや硬さが設計されている。
図2及び図3に示すように、トレッドヘッド62の内周面にはトルクス形状の孔部62aが形成されており、第1トーションバー65の一端部65aが嵌合される。また、トルクチューブ64の内周面にも、トルクス形状の環状溝64aがトレッドヘッド側から軸方向中間部を越えて設けられており、第1トーションバー65の他端部65b及び第2トーションバーの一端部66aが嵌合される。また、第2トーションバー66の他端部66bは、スピンドル61の他端側の内周面に形成されたトルクス形状の凹部61bに嵌合固定されている。これにより、第1及び第2トーションバー65,66は、スピンドル61とプリテンショナー機構15の間の力伝達経路に配置されている。
トルクパイプ63は、その両端部外周面に複数の凸部63a,63bを有し、一端側の凸部63aをトルクチューブ64の他端部内周面に形成された凹部64bに、他端側の凸部63bをスピンドル61の他端側の内周面に形成された凹部61cに嵌合固定した状態で、第2トーションバー66の周囲に配置される。
また、ロッキングエレメント68は、スピンドル61に形成された貫通孔61a内に取り付けられており、トルクチューブ64の端部に形成された連結凹部64c内に進退するように回動する。ロッキングエレメント68がスピンドルリング70の内周面に押さえつけられている状態では、図5(a)に示すように、トルクチューブ64の連結凹部64c内に進出して回動が抑制されている。これにより、トルクチューブ64は一対のロッキングエレメント68を介してスピンドル61と結合され、スピンドル61とトルクチューブ64は一体的に回転する。また、エンドピース69は樹脂製であり、スピンドルリング70をスピンドル61に対して位置決め固定している。
スイッチリング73は、リング状部分73aと、その外周側の一部に軸方向に面した傾斜面73bを備える円弧部73cとを備える。このスイッチリング73は、後述するアンロックリング84の回転により軸方向に移動して、スピンドルリング70を軸方向にずらす。
プリテンショナー機構15は、例えば、火薬を点火して発生したガスによってボール(図示せず)を強く押し出し、ボールがプリテンションリング26の溝に沿って移動する。プリテンションリング26の回転は、ロック機構14及びロック片67を介してトレッドヘッド62、第1トーションバー65、スピンドル組立体12へと伝達される。なお、このようにプリテンショナー機構15が第1及び第2トーションバー65,66を介してスピンドル組立体12と結合されるように構成すると、フォールリミッタ機構16を構成する第2トーションバー66とスピンドル組立体12との間にプリテンショナー機構15が介在せず、フォースリミッタ機構16が作動する際にはプリテンショナー機構15の動作に影響を受けない。なお、プリテンショナー機構15の具体的な構成は、特願2007−008211に記載の技術が適用できる。
支持フレーム11の図1中左側面には、ベアリングリング24を介して、ロアカバー25がねじ27により取り付けられている。このロアカバー25と支持フレーム11との間には、スイッチハウジング81と、駆動装置であるスイッチピストン82及び経路切り替え用ガス発生器83と、アンロックリング84と、を備える。
図4及び図6に示すように、スイッチハウジング81には、スイッチピストン82を収容するシリンダ部81aと、アンロックリング84を回転可能に収容保持する凹部81bと、凹部81b内に形成されて、スピンドル本体61と同軸に配置される筒状部81cと、凹部81b内の側面から軸方向に突出する位置決めピンであるシャーピン81dと、凹部81bの側面に開口した、軸方向に貫通する貫通孔81eと、が形成される。
アンロックリング84は、トーションバーのエネルギー吸収力を切り替える、即ち、力伝達経路が第2トーションバー66を通過するように切り替えるために作動する。アンロックリング84は、孔部84aがスイッチハウジング81の筒状部81cに介装されることでスピンドル組立体12と同軸に回転可能に配置されており、且つ、径方向にシリンダ部81aまで延びる被駆動部84bと、孔部84aに対して被駆動部84bと略反対側で径方向に延びる延出部84cと、この延出部84cから軸方向に延びる、後述する第2ギヤ軸(支持軸)84dと、シャーピン81dが挿入される位置決め用孔部84eと、を備える。従って、この孔部84eに挿入されるシャーピン81dは、後述する第1小ギヤ59と第2ギヤ58との係合状態を維持するようにアンロックリング84を位置決めすると共に、経路切り替え用ガス発生器83の作動により破断される。
スイッチハウジング81の貫通孔81eには、スイッチリング73の円弧部73cが進出して配置され、円弧部73cの傾斜面73bがアンロックリング84の被駆動部84bの側面と対向している。
従って、力伝達経路としてのトーションバーの複数の軸部分(第1及び第2トーションバー65,66)を切り替えることで、トーションバーのエネルギー吸収力を切り替える切り替え装置85は、ロッキングリングエレメント68、エンドピース69、スピンドルリング70、スイッチリング73、スイッチハウジング81、スイッチピストン82、経路切り替え用ガス発生器83、アンロックリング84によって主に構成され、フォースリミッタ機構16は、この切り替え装置85と、トルクパイプ63、トルクチューブ64、第1及び第2トーションバー65、66によって主に構成される。
また、ロアカバー25とそれに取り付けられるアッパーカバー53との間には、動力伝達機構17が収容される空間が形成され、ロアカバー25の下部、すなわち支持フレーム11の下方位置には、モータアセンブリ37が取り付けられている。モータアセンブリ37は、リアキャップ31、ハーネス32、リアケース33、モータ34、モータギヤ35、及びフロントケース36から構成されている。なお、モータギヤ35はモータ34の回転軸に取り付けられており、ロアカバー25の内部に挿入されて、動力伝達機構17に設けられているトルクリミッター機構19の第1大ギヤ57と噛合する。
トルクリミッター機構19は、ロアカバー25に形成された第1ギヤ軸25aに支持され、第2ギヤ58と噛合する第1小ギヤ59と、第1小ギヤ59に一体回転可能に取り付けられるスプリングホルダ55と、スプリングホルダ55に保持される複数のリミットスプリング56と、第1小ギヤ59と同軸に配置され、モータギヤ35と噛合する第1大ギヤ57と、を有している。リミットスプリング56は、スプリングホルダ55に保持された状態で、一端部を第1大ギヤ57の内周面に形成された凹凸面(図示せず)に係合させ、弾性変形することで第1大ギヤ57の第1小ギヤ59に対する相対回転を許容する。
トルクリミッター機構19は、通常状態では第1ギヤをなす第1大ギヤ57と第1小ギヤ59は、モータ34の動力を受けて、リミットスプリング56によって相対的な位相が保持されて同一方向に回転する。トルクリミッター機構19は、プリテンショナー機構作動後のエネルギー吸収時や軽い衝突時などシートベルト引出時に作動する。シートベルトの引き出し方向にスピンドル61が回転して動力伝達機構17のギヤに所定の引き出しトルクが加わると、リミットスプリング56が弾性変形しながら当該リミットスプリング56の一端部と第1大ギヤ57の凹凸面との係合が解除され、第1大ギヤ57と第1小ギヤ59が空回りを始める。これにより上記状態におけるスピンドル本体61とモータ34間での動力伝達がトルクリミッター機構19によって遮断され、これらのギヤやモータに過大な負荷が互いに伝わらないようにしている。
なお、本実施形態では、モータギヤ35、第1小ギヤ59、第1大ギヤ57、第2ギヤ58、後述のファイナルギヤである第3ギヤ47によってギヤアッセンブリを構成され、動力伝達機構17は、これら複数のギヤ35,59,57,58,47を介してモータ34からの動力をスピンドル組立体12に伝達している。このファイナルギヤ47は、スピンドル組立体12に一体的に取り付けられるジョイント22と内歯(図示せず)にて結合されてスピンドル組立体12と一体に回転する。ファイナルギヤ47にはオフクラッチ機構(図示せず)が付加されてもよい。このオフクラッチ機構は、シートベルトが巻き込み方向に作動するとき働くもので、具体的には、プリテンショナー機構が作動するときなどスピンドルがベルト巻き込み方向に高速回転するとき、このオフクラッチ機構によってスピンドル61とギヤアッセンブリとが遮断される。
また、図4に示すように、第2ギヤ58は、ロアカバー25に円弧状に形成された円弧孔25bから延出するアンロックリング84の支持軸である第2ギヤ軸84dまわりに配置されている。このため、フォースリミッタ機構16の駆動装置である経路切り替え用ガス発生器83が作動する前は、第2ギヤ58は、第1小ギヤ59及びファイナルギヤ47にそれぞれ係合し、その際、モータ34の回転は第2ギヤ58に伝達され、ファイナルギヤ47は第2ギヤ58の回転を受けてスピンドル組立体12に動力を伝達する。また、ガス発生器83が作動すると、アンロックリング84がスイッチピストン82によってシャーピン81dを折って回転駆動する。これにより、上述した力伝達経路としての第1及び第2トーションバー65,66が切り替え可能となり、また、第2ギヤ軸84dに支持された第2ギヤ58がファイナルギヤ47と係合しながら回転して、第1小ギヤ59との係合を解除することで、スピンドル組立体12とモータ34との動力伝達を切り離す。
次に、本実施形態のリトラクタを含むシートベルト用リトラクタ10の作動について説明する。
衝突の可能性がある場合、衝突前に、モータ34によって動力伝達機構17を介してスピンドル組立体12を回転させてシートベルトをある程度巻き取り、予備的に乗員の軽拘束を行なう。また、衝突の可能性がなくなると、モータ34を逆転させて、衝突前の状態に戻す。この状態では、図7に示すように、アンロックリング84の第2ギヤ軸84dは、第2ギヤ58が第1小ギヤ59とファイナルギヤ47の両方と係合する位置で、第2ギヤを支持している。
そして、衝突発生時には、プリテンショナー機構15により、衝突前のモータ34による巻き取り速度よりも大きい速度で直接スピンドル組立体12を回転させてシートベルトを巻き取り、乗員をしっかりと拘束する。このとき、プリテンショナー機構15の作動時における力伝達経路は、プリテンションリング26、トレッドヘッド62、第1トーションバー65、トルクチューブ64、ロッキングエレメント68、スピンドル本体61、そしてウェビングとなる。
この時、スピンドル本体61の回転は、ファイナルギヤ47に付随するクラッチ機構によってスピンドル本体61とモータ34間での動力伝達は遮断される。
フォースリミッタ機構16では、トーションバーのフォースリミッタ機構16の切り替えに合わせて、適切なタイミングで切り替え装置85を作動させる。切り替え装置85の作動タイミングは車両・シートベルトの特性等から予め適切に設定しておく。例えば、プリテンショナー作動後、所定時間(ms)後に切り替え装置85を作動という設定をすることも可能である。
切り替え装置85は、経路切替え用の電流を受けて経路切替え用ガス発生器83が点火する。経路切替え用ガス発生器83によるガスの圧力により、アンロックリング84がスイッチピストン82によってシャーピン81dを折って回転駆動する。そして、アンロックリング84の被駆動部84bの側面がスイッチリング73の傾斜面73bを押圧し、スイッチリング73が図3の矢印x方向に押され、スピンドルリング70もスイッチリング73に押されて矢印x方向にずれる。
スピンドルリング70が矢印x方向に移動すると、スピンドル本体61とトルクチューブ64との相対回転防止が解除され、ロッキングエレメント68は、スピンドル61の連結孔61a内で、スピンドル61の径方向に回動自在となる。このため、プロフィールがロッキングエレメント68を外に押し出すように形成されたトルクチューブ64の連結凹部64cによって、トルクチューブ64の連結凹部64c内から外側に移動する(図5(b)参照)。これにより、スピンドル61とトルクチューブ64とが相対回転可能となる。但し、この状態では、スピンドル61とトルクチューブ64とはトルクパイプ63によって連結されているため、相対回転は行なわれない。よって、トレッドヘッド62とスピンドル61の間の力伝達経路は、トレッドヘッド62、第1トーションバー65、およびトルクチューブ64を経て、第2トーションバー66及びトルクパイプ63の2つの経路を通り、スピンドル61の順となる。
プリテンショナー機構15のボールの移動が完了し、スピンドル61の巻き取り方向の回転が停止されると、乗員の前方への移動によりベルトが引き出される。ベルト引き出し方向に働く力(力伝達経路)は、スピンドル本体61、第2トーションバー66及びトルクパイプ63、トルクチューブ64を経て、第1トーションバー65、トレッドヘッド62、プリテンショニンリング26へと伝わる。
プリテンションリング26がベルト引き出し方向の回転が止められ、更にベルト引き出し方向の力が加わり、ベルト荷重が第2トーションバー66の捻じれ荷重に達すると、力伝達経路で軸径の細い第2トーションバー66が塑性変形しながら捻れ、スピンドル61が回転し、シートベルトが引き出される。この時点で、既にフォースリミッタ機構16の作動に合わせて、ギヤアッセンブリの第2ギヤ58が元の位置から移動されており、動力伝達機構の力の伝達経路は遮断されている。これにより、ベルトが引出方向に回転が始まっても、ギヤに余計な負荷が掛かることなく機械的に切り替わっているので、装置全体の信頼性も増す。
第2トーションバー66が捻じれると同時にトルクパイプ63も捻られるが、トルクパイプ63は捻れ変形するときに荷重を発生し、所定の回転を終えた段階で捻じ切られる。従って、フォースリミッタ作動初期においては、第2トーションバー66が捻られ始めの荷重に加えて、トルクパイプ63の荷重を上乗せすることができ、トルクパイプ63は、第2トーションバー66の捻られ始めの荷重を補う役割を果たす。なお、トルクパイプ63は、発生荷重と捻じ切れる回転数を予め設定している。
トルクパイプ63が捻じ切れた後は、スピンドル61に作用する引き出し方向の力は、第2トーションバー66によってエネルギー吸収を行ないながら、第2トーションバー66を介して、第1トーションバー65、トレッドヘッド62、プリテンショニンリング26へと伝達される。
図8に示すように、力伝達経路としての第1及び第2トーションバー65,66が切り替えられるために作動するアンロックリング84の回転駆動により、第2ギヤ軸84dに支持された第2ギヤ58がファイナルギヤ47と係合しながら回転し、第1小ギヤ59との係合を解除する。これにより、スピンドル組立体12とモータ34との動力伝達が切り離され、フォースリミッタ機構16の作動時におけるベルト引き出し方向の力がモータ34に伝達されるのを防止することができる。
以上、説明したリトラクタを含むシートベルト用リトラクタ10によれば、フォースリミッタ機構16の切り替え装置85を構成するアンロックリング84が、トーションバーのエネルギー吸収力を切り替えるように作動し、且つ、動力伝達機構17の第2ギヤ58の係合を解除して、スピンドル組立体12とモータ34との動力伝達を切り離す。これにより、フォースリミッタ機構16が作動した時には、シートベルトを巻き取るスピンドル組立体12とモータ34との接続を確実に切断し、安定したエネルギー吸収を行ないながらベルトの引き出し動作が可能となり、乗員の胸部への負担を確実に軽減することができる。
本発明のシートベルト用リトラクタは、上記のリトラクタに、一般に知られている乗員を直接的に拘束するシートベルト(図示せず)、該シートベルトの端部を車両に固定するためのバックル等(図示せず)をさらに備える。このシートベルト用リトラクタは、前記のリトラクタと一体的に働き、緊急時にプリテンショナーが作動したとき、シートに着座した乗員を確実に拘束できる。
以上に説明したリトラクタを含むシートベルト用リトラクタは、本発明の好ましい例であって、これ以外の実施態様も、各種の方法で実施又は遂行できる。特に本願明細書中に限定される主旨の記載がない限り、この発明は、添付図面に示した詳細な部品の形状、大きさ、および構成配置等に制約されるものではない。また、本願明細書の中に用いられた表現および用語は、説明を目的としたもので、特に限定される主旨の記載がない限り、それに限定されるものではない。
例えば、本実施形態では、スイッチリング73に傾斜面73bを形成するようにしたが、アンロックリング84に傾斜面を形成してスイッチリング73を軸方向に移動させるようにしてもよい。また、スイッチリング73を設けずに、直接アンロックリング84がスピンドルリング70を軸方向にずらすようにしてもよい。
また、本発明のトーションバーは、2つ以上のトーションバー部材によって構成されてもよく、或いは、軸径の異なる部分を2つ以上有する単一のトーションバー部材によって構成されてもよい。
本発明の動力伝達機構のオフクラッチ機構の具体的な構成は、例えば、特願2007−145693の技術が適用されてもよい。
本発明の動力伝達機構の第2ギヤを係脱可能としているが、動力伝達機構の構造に応じて適宜別のギヤが係脱可能とされてもよい。要は、ギヤアッセンブリのギヤの噛合せが外れるように構成されればよい。
本発明にかかるシートベルト用リトラクタの分解斜視図である。 図1のスピンドル組立体の分解斜視図である。 図1のシートベルト用リトラクタの部分断面図である。 隣接して配置される、フォースリミッタ機構の切り替え装置と、動力伝達機構を部分的に示す分解斜視図である。 図3のV−V線に沿った断面図であり、(a)は切り替え装置による切り替え前の状態であり、(b)は切り替え後の状態である。 切り替え装置の部分断面図である。 (a)は、切り替え装置による切り替え前の動力伝達機構の状態を示し、(b)は切り替え装置の状態を示す模式図である。 (a)は、切り替え装置による切り替え後の動力伝達機構の状態を示し、(b)は切り替え装置の状態を示す模式図である。
符号の説明
10 シートベルト用リトラクタ
12 スピンドル
15 プリテンショナー機構
17 動力伝達機構
34 モータ(電動アクチュエータ)
47 ファイナルギヤ(第3ギヤ)
57 第1大ギヤ(第1ギヤ)
58 第2ギヤ
59 第1小ギヤ(第1ギヤ)
61 スピンドル
62 トレッドヘッド
63 トルクパイプ
64 トルクチューブ
65 第1トーションバー(軸部材)
66 第2トーションバー(軸部材)
81 スイッチハウジング
82 スイッチピストン(駆動装置)
83 経路切り替え用ガス発生器(駆動装置)
84 アンロックリング
84d 第2ギヤ軸(支持軸)

Claims (4)

  1. シートベルトを巻き取るスピンドルと、
    該スピンドルを回転する動力を発生する電動アクチュエータと、
    前記スピンドルを回転する他の動力を発生するプリテンショナー機構と、
    複数のギヤを介して前記電動アクチュエータからの動力を前記スピンドルに伝達可能な動力伝達機構と、
    前記スピンドルと前記プリテンショナー機構との間の力伝達経路に配置され、捻れトルクの異なる複数の軸部分を有するトーションバーと、前記力伝達経路としての前記トーションバーの複数の軸部分を切り替えて、前記トーションバーのエネルギー吸収力を切り替える切り替え装置と、を有するフォースリミッタ機構と、
    を備えるシートベルト用リトラクタであって、
    前記切り替え装置は、前記スピンドルと同軸に配置され、前記トーションバーのエネルギー吸収力を切り替えるように回転可能なアンロックリングと、該アンロックリングを回転駆動するための駆動装置と、を備え、
    前記アンロックリングは、前記トーションバーのエネルギー吸収力を切り替えるように作動し、且つ、前記動力伝達機構の複数のギヤのいずれかの係合を解除して、前記スピンドルと前記電動アクチュエータとの動力伝達を切り離すことを特徴とするシートベルト用リトラクタ。
  2. 前記動力伝達機構の複数のギヤは、
    前記電動アクチュエータの動力を受けて回転する第1ギヤと、
    前記アンロックリングに形成された支持軸まわりに配置され、前記アンロックリングの回転に応じて該第1ギヤと係脱可能な第2ギヤと、
    前記第2ギヤと係合し、前記第1ギヤと前記第2ギヤが係合している際に前記第2ギヤの回転を受けて前記スピンドルに動力を伝える第3ギヤと、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のシートベルト用リトラクタ。
  3. 前記第1ギヤは、スピンドル本体と前記電動アクチュエータとの間の動力伝達を遮断するトルクリミッター機構を有することを特徴とする請求項2に記載のシートベルト用リトラクタ。
  4. 前記アンロックリングは、前記第1のギヤと前記第2のギヤとの係合状態を維持するように該アンロックリングを位置決めすると共に、前記駆動装置の作動により破断される位置決めピンを備えることを特徴とする請求項2又は3に記載のシートベルト用リトラクタ。
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