JP4922967B2 - シートベルト用リトラクタ - Google Patents

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本発明は、シートベルト用リトラクタに関し、より詳細には、プリテンショナー、フォースリミッタ機構付きのシートベルト用リトラクタに関する。
近年のシートベルト用リトラクタは、衝突時にベルトを瞬時に巻き上げ、乗員の身体を効果的に拘束するプリテンショナーと、設定以上の荷重がベルトに加わった場合にエネルギーを吸収しながらベルトを繰り出し、乗員の胸部への負担を軽減するフォースリミッタ機構とが付加されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のシートベルト用リトラクタでは、トーションバー(ねじり棒)が捩れて塑性変形することでエネルギー吸収しベルトを所定量繰り出すフォースリミッタ機構が設けられている。また、プリテンショナー(ベルト予張力装置)は、トーションバー(ねじり棒)を介してスピンドル(ベルトドラム)に結合されており、プリテンショナーによる引き込み荷重はトーションバーを介してスピンドルに伝達され、ベルトを瞬時に引き込む。このように構成されることで、プリテンショナー駆動後にフォースリミッタ機構を作動するためのスピンドルの引き出し方向の回転は、プリテンショナーの動作に影響されることなく行なわれている。
特許第2519386号公報
ところで、前述した特許文献1に記載のような、トーションバーを介してプリテンショナーの力を伝達するシートベルト用リトラクタにおいては、フォースリミッタ機構のエネルギー吸収荷重はトーションバーの捩じり強度により決定されることになる。しかしながら、トーションバーの捩じり回転を規制するものが設けられていないため、シートベルトが所定長さ以上引き出されると、トーションバーが捩じり切られるおそれがあり、シートベルトを止めるものがなくなるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、トーションバーを介してプリテンショナーの力をスピンドルに伝えて、ベルトを瞬時に引き込むことができるとともに、シートベルトの引出し時にトーションバーの捩りを規制してトーションバーが捩じり切れるのを防止することができるシートベルト用リトラクタを提供することにある。
本発明の目的は、下記の構成によって達成される。
(1) ベルトを巻きつけるスピンドルと、
該スピンドルに作用して前記ベルトを引き込むプリテンショナーと、
前記スピンドルと前記プリテンショナーとの間の力伝達経路に配置され、捩れトルクの異なる第1及び第2の軸部分を有するトーションバーと、
前記力伝達経路としての前記トーションバーの第1及び第2の軸部分を切り替える切替え装置と、
前記トーションバーの第1及び第2の軸部分と結合し、前記切替え装置によって前記スピンドルと一体回転又は相対回転するように切り替えられるトルクチューブと、
前記トーションバーの捩れ回転数を規制する捩れ規制機構と、
を備えるシートベルト用リトラクタであって、
前記第1の軸部分は、その一端部にて前記プリテンショナーからの力が入力されるトレッドヘッドと結合されるとともに、その他端にて前記トルクチューブと結合され、
前記第2の軸部分は、その一端にて前記トルクチューブと結合されるとともに、その他端にて前記スピンドルと結合されており、
前記トルクチューブと前記スピンドルが一体回転するとき、前記力伝達経路は前記第1の軸部分を介して伝達され、
前記トルクチューブと前記スピンドルが相対回転するとき、前記力伝達経路は前記第1の軸部分と前記第2の軸部分を介して伝達され、
前記捩れ規制機構は、前記トレッドヘッドの係合部及び前記トルクチューブの被係合部に当接することで前記第1の軸部分の捩れ回転数を規制することを特徴とするシートベルト用リトラクタ。
(2) 前記捩れ規制機構は、トレッドヘッド側に延出する被係合部とトルクチューブ側に延出する係合部とを備える少なくとも一つのガイドリングを有することを特徴とする(1)に記載のシートベルト用リトラクタ。
本発明のシートベルト用リトラクタによれば、プリテンショナーが第1及び第2の軸部分を有するトーションバーを介してスピンドルと結合する力伝達経路を構成し、トーションバーには捩れ規制機構が設けられているので、シートベルトの引出し時に、第1の軸部と第2の軸部との切替えが遅れてトーションバーが所定の捩れ角度(捩れ回転数)に達すると、トーションバーは回転を規制される。このため、トーションバーの捩れ回転数が増大するのを規制し、トーションバーが捩じり切れるのを防止して、シートベルトが異常に引き出されるのを防止することができる。
以下、本発明の一実施形態に係るシートベルト用リトラクタについて図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態のシートベルト用リトラクタ10は、図1に示すように、リトラクタフレーム11に回転可能に支持され、シートベルト(図示せず)を巻き取るスピンドル組立体12と、スピンドル組立体12をシートベルトの巻き取り方向に付勢する巻取りばね装置17と、車両の水平方向の加速度を検出する加速度センサ13と、加速度センサ13によって検出される加速度に応じてシートベルトの引出動作をロックするロック機構14と、車両衝突時にスピンドル組立体12に作用してシートベルトを引き込むプリテンショナー15と、設定以上の荷重がシートベルトに加わった場合にエネルギーを吸収しながらシートベルトを繰り出すフォースリミッタ機構16と、を備える。
巻取りばね装置17は、スピンドル組立体12の軸方向一端側に配置され、リトラクタフレーム11に取り付けられる。一方、加速度センサ13、ロック機構14及びプリテンショナー15は、スピンドル組立体12の軸方向他端側に配置され、リトラクタフレーム11に取り付けられるドライブカバー18及びシステムカバー19内に収容される。
加速度センサ13は、球状のセンサウェイト21と、センサウェイト21を収容するセンサケース22とを備え、センサケース22にはセンサレバー22aが回転可能に取り付けられる。
ロック機構14は、公知の種々の構成を採用することができる。本実施形態の場合には、ロック機構14は、ベアリング板31とシステムカバー19との間に回転可能に支持され、慣性体34と連動してベアリング板31の内歯31aと係合可能なWSレバー32と、WSレバー32と係合するステアリングホイール33と、ステアリングホイール33内に配置される慣性体34と、ステアリングホイール33と慣性体34との間に設けられるスプリング35と、ステアリングディスク36によってステアリングホイール33と一体に取り付けられるラチェットホイール37と、を有する。
そして、車両衝突等で水平方向の加速度が所定値より大きいとき、加速度センサ13のセンサウェイト21が移動し、センサレバー22aを上方に回動する。続いてセンサレバー22aが上方に回動して、ステアリングホイール33と係合する。そして、ステアリングホイール33の引き出し方向の回転が阻止された状態でシートベルトがリトラクタ10から引き出されると、ステアリングホイール33がスピンドル12に対して回転遅れを生じ、ステアリングホイール33に回動可能に取り付けられた後述するロック片67が径方向外方に移動して回転不能とされた状態の後述のプリテンションリング42と係合し、スピンドル12によるシートベルトの引き出し動作がロックされる。
プリテンショナー15は、リトラクタフレーム11とドライブカバー18との間に、大径リング41、プリテンションリング42、小径リング43、ロッキングレバー44、シンクロリング45、ディスタンス板46、ボール案内板47、レバー部材48、及びボールストップ49を備えると共に、プリテンションリング42の周囲に駆動装置51を備える。
駆動装置51は、リトラクタフレーム11に取り付けられる管ハウジング52と、管ハウジング52内に設けられるガス発生器53、スプリング54、ピストン55、及び質量体としての玉56と、を備える。管ハウジング52は、一端をキャップ57によって閉口される。そして、ガス発生器53の点火によるガス圧上昇により、ピストン55を介して玉56が押し出され、これらの玉56がプリテンションリング42の溝部に入り込んで、プリテンションリング42を回転させる。なお、スプリング54は、通常の玉56のがたつきによる異音の発生を防止している。
プリテンションリング42は、大径リング41と小径リング43によってリトラクタフレーム11とドライブカバー18との間で回転可能に支持されている。プリテンションリング42の外周側には、駆動装置51の玉56が収容される溝部42aと、ロッキングレバー44と噛合可能で、且つ、シンクロリング45の周囲に内向きに形成された爪部45aが係止可能な外歯42bが形成されている。また、プリテンションリング42の内周側には、ロック片67と噛合可能な内歯42cが形成されている。さらに、プリテンションリング42の側面には、レバー部材48を挿入案内する窓穴42d(図2参照)が形成される。
ロッキングレバー44の側面には突部44a(図2参照)が形成されており、この突部はシンクロリング45のカム孔45bに案内される。ロッキングレバー44は、プリテンションリング42の回転によりシンクロリング45が回転することで外歯42bと係脱し、外歯42bと噛合することでプリテンションリング42のベルト引き出し方向の回転を止める。
また、図1、図5、図7に示すように、スピンドル組立体12は、シートベルトを巻き付けるスピンドル61と、その一端側開口を塞ぐトレッドヘッド62と、スピンドル61内に配置されスピンドル61とプリテンショナー15との間の力伝達経路に配置されるトルクパイプ63、トルクチューブ64、捩じれトルクの異なる軸部分を構成する第1及び第2の軸部分である第1及び第2トーションバー65,66と、トレッドヘッド62の外周面に案内されるロック片67と、スピンドル61に形成された一対の貫通孔61a内で回動可能に取り付けられるロッキングエレメント68と、スピンドル61の他端側からその周囲に装着されるエンドピース69及びスピンドルリング70と、を備える。なお、図1中、符号71はドラムリングであり、72はオメガスプリングである。
さらに、リトラクタフレーム11とカバーケース17との間には、スイッチハウジング81と、スイッチピストン82とが配置され、スイッチハウジング81には、経路切替え用ガス発生器83が取り付けられている。本実施形態では、ロッキングエレメント68、エンドピース69、スピンドルリング70、スイッチハウジング81、スイッチピストン82、経路切替え用ガス発生器83が、スピンドル61とプリテンショナー15との間の力伝達経路としての第1のトーションバー65と第2のトーションバー66を切り替える切替え装置20を構成する。
第1トーションバー65は第2トーションバー66よりも軸径が太く形成されており、各トーションバーの両端部65a,65b,66a,66bは、トルクス(登録商標)形状に形成されている。本実施形態では、軸径の細い第2トーションバー66が、フォースリミッタ機構16として作用し、また、第1トーションバー65は、プリテンショナー15の作動により発生するトルクよりも大きな捩れトルクを有するように太さや硬さが設計されている。また、第1トーションバー65の捩れ回転数を規制する捩れ規制機構90が設けられており、第1トーションバー65は所定捩れ角度(捩れ回転数)以上回転しないようになっている。
トレッドヘッド62の内周面にはトルクス形状の孔部62aが形成されており、第1トーションバー65の一端部65aが嵌合される。また、トルクチューブ64の内周面にも、トルクス形状の環状溝64aがトレッドヘッド62側から軸方向中間部を越えて設けられており、第1トーションバー65の他端部65b及び第2トーションバー66の一端部66aが嵌合される。また、第2トーションバー66の他端部66aは、スピンドル61の他端側の内周面に形成されたトルクス形状の凹部61bに嵌合固定されている。これにより、第1及び第2トーションバー65,66は、スピンドル61とプリテンショナー15の間の力伝達経路に配置されることになる。
トルクパイプ63は、その両端部外周面に複数の凸部63a,63bを有し、一端側の凸部63aをトルクチューブ64の他端部内周面に形成された凹部64bに、他端側の凸部63bをスピンドル61の他端側の内周面に形成された凹部61cに嵌合固定した状態で、第2トーションバー66の周囲に配置される。
また、ロッキングエレメント68は、スピンドル61に形成された貫通孔61a内に取り付けられており、トルクチューブ64の端部に形成された連結凹部64c内に進退するように回動する。ロッキングエレメント68がスピンドルリング70の内周面に押さえつけられている状態では、図6(a)に示すように、トルクチューブ64の連結凹部64c内に進出して回動が抑制されている。これにより、トルクチューブ64は一対のロッキングエレメント68を介してスピンドル61と結合され、スピンドル61とトルクチューブ64は一体的に回転する。また、エンドピース69は樹脂製であり、スピンドルリング70をスピンドル61に対して位置決め固定している。
図5及び図8に示すように、捩れ規制機構90は、トレッドヘッド62の端面から突出するようにトレッドヘッド62に固定される係合部としてのインサート91と、第1トーションバー65の外側に回転可能に設けられている少なくとも一つのガイドリング92(本実施例においては4個:92A〜92D)と、トルクチューブ64の一端に設けられている被係合部64eとを有している。
図9に示すように、各ガイドリング92は第1トーションバー65の外径R0(図5参照)よりも若干大きな内径寸法R1、及びトルクチューブ64の外径寸法と略等しい外径寸法R2を有する、幅狭の円管状に形成されている。各ガイドリング92のトルクチューブ側の軸方向端部には、外周面に沿ってトルクチューブ側へ延出した、所定の円周方向幅を有する係合部93aが形成される。また、トレッドヘッド側の軸方向端部には、外周面に沿ってトレッドヘッド側へ延出した所定の円周方向幅を有する被係合部93bが形成されると共に、この被係合部93bと同じ軸方向位置で、被係合部93bの内周側と一体に環状の摺動面93cが形成されている。
トレッドヘッド62のインサート91の内径寸法、ガイドリング92の係合部93aの内径寸法は、いずれもガイドリング92の摺動面93cの外径寸法R3に略等しいか或いは若干大きく設計されている。従って、トレッドヘッド62のインサート91、及びガイドリング92の係合部93aは、隣接するガイドリング92の摺動面93c上を案内されて、摺動面93cに沿って回転可能であると共に、ガイドリング62の被係合部93bに当接して、該回転が規制される。
軸方向両側にそれぞれ設けられる係合部93a及び被係合部93bは、隣接するガイドリング92、インサート91、或いはトルクチューブ64との間で所定角度の相対回転を許容するように、互いの円周方向位置や円周方向幅を設定すればよい。例えば、本実施形態では、係合部93a及び被係合部93bは、隣接するガイドリング92、インサート91、トルクチューブ64の各部材間の相対回転が310°となるように設計されている。
また、トルクチューブ64のトレッドヘッド側端部も、ガイドリング92のトレッドヘッド側端部と同様の形状を有しており、外周面に沿ってトレッドヘッド側へ延出した所定の円周方向幅を有する被係合部64eと、被係合部64eと同じ軸方向位置で、被係合部64eの内周側と一体に環状の摺動面64dが形成されている。従って、トルクチューブ64に隣接するガイドリング92の係合部93aは、トルクチューブ64の摺動面64dに沿って回転可能であるとともに、被係合部64eに当接して回転が規制される。
なお、ガイドリング92を設けずに、トレッドヘッド62の係合部であるインサート91が、直接トルクチューブ64の被係合部64eに当接することで、第1トーションバー66の捩れ回転数を規制することも可能である。
次に、本実施形態のシートベルト用リトラクタ10のプリテンショナー15、フォースリミッタ機構16及び捩れ規制機構90の動作について説明する。
プリテンショナー15では、車両側からの作動のための電流を受け、駆動装置51のガス発生器53の点火によるガス圧上昇により玉56が管ハウジング52内を移動する。そして、移動した玉56は、管ハウジング52からプリテンションリング42の溝部42a内に入り込み、プリテンションリング42を回転させる。
プリテンションリング42が回転すると、図3(a)に示す状態から、その外歯42bと係合していたロッキングレバー44が外側へ弾き出される。同時に、ロッキングレバー44の突部44aは、カム孔45bを引き連れてシンクロリング45を回動させる(図3(b)参照)。その後、ロックレバー44は、リトラクタフレーム11上に設けられた切り起し板(図示せず)に当接して回動を止められ、シンクロリング45も突部44aを案内するカム孔45bを介して回動を止める。
但し、図4に示すように、シンクロリング45に形成された爪部45aは、プリテンションリング42の外歯42bとプリテンションリング42の回転を許容するようにラチェット係合するので、プリテンションリング42は外歯42bで爪部45bを弾きながら回転し続ける。
併せて、プリテンションリング42が回転すると、その窓穴42dに案内されたレバー部材48が回動し、レバー部材48の先端がラチェットホイール37と噛合する。
さらに、プリテンションリング42が回転して、レバー部材48がさらに回動すると、ラチェットホイール37及びステアリングディスク36を回転させる。なお、この状態では、トレッドヘッド62に力は伝達されていない。
これにより、ステアリングディスク36のカム孔36a内にピン67aが支持された(図2参照)ロック片67がトレッドヘッド62に案内されながらステアリングディスク36の回転により駆動され、プリテンションリング42の内歯42cと噛合する(図3(c)参照)。
さらに、プリテンションリング42が玉56に押されて回転すると、ロック片67がプリテンションリング42の内歯42cと噛合しているので、プリテンションリング42の回転がトレッドヘッド62、第1トーションバー65、トルクチューブ64、ロッキングエレメント68を介してスピンドル61に伝達されて、スピンドル61に固定されているシートベルトを巻き込む。これにより、プリテンショナー15が作動することになる。
このとき、トルクチューブ64とスピンドル61とは一体となって回転するので、両端がトルクチューブ64とスピンドル61に嵌合されている第2トーションバー66には、捩じる力はかからない。これにより、プリテンショナー作動時の力で、軸径の細い第2トーションバー66が捩れてしまい、シートベルトの引き込みが十分に出来なくなるという不都合が排除される。
第1トーションバー65では、一方の端部65aがトレッドヘッド62に回転固定され、他方の端部65bがトルクチューブ64の環状溝64aに嵌合しているので、捩じる力が作用している。ただし、第1トーションバー65は、プリテンショナー15の作動により発生するトルクよりも大きな捩れトルクを有する、即ち、プリテンショナー15の力では捩られない(塑性変形しない)太さ、硬さに設定されているので、プリテンショナー15の力をスピンドル61に確実に伝える。
一方、フォースリミッタ機構16では、ガス発生器53を作動させてプリテンショナー15による引き込みが開始されたのち、適切なタイミングで切替え装置20を作動させる。切替え装置20の作動タイミングは車両・シートベルトの特性等から予め適切に設定しておく。例えば、プリテンショナー作動後、所定時間(ms)後に切替え装置20を作動という設定をすることも可能である。
切替え装置20は、経路切替え用の電流を受けて経路切替え用ガス発生器83が点火する。経路切替え用ガス発生器83によるガスの圧力により、スイッチピストン82が図5の矢印x方向に押され、スピンドルリング70もスイッチピストン82に押されて矢印x方向にずれる。
スピンドルリング70が矢印x方向に移動すると、ロッキングエレメント68は、スピンドル61の連結孔61a内で、スピンドル61の径方向に回動自在となる。このため、プロフィールがロッキングエレメント68を外に押し出すように形成されたトルクチューブ64の連結凹部64cによって、トルクチューブ64の連結凹部64c内から外側に移動する(図9(b)参照)。これにより、スピンドル61とトルクチューブ64とが相対回転可能となる。
但し、この状態では、スピンドル61とトルクチューブ64とはトルクパイプ63によって連結されているため、相対回転は行なわれない。よって、トレッドヘッド62とスピンドル61の間の力伝達経路は、トレッドヘッド62、第1トーションバー65、トルクチューブ64、第2トーションバー66及びトルクパイプ63、スピンドル61の順となる。
その後、プリテンショナー15の玉56の移動が完了し、スピンドル61の巻き取り方向の回転が停止されると、乗員の前方への移動によりベルトが引き出される。ベルト引き出し方向に働く力(力伝達経路)は、スピンドル61、第2トーションバー66及びトルクパイプ63、トルクチューブ64、第1トーションバー65、トレッドヘッド62、プリテンショニングリング42へと伝わる。
プリテンションリング42がベルト引き出し方向に回転すると、シンクロリング45の爪部45aはプリテンションリング42の外歯42bと係合しているので、シンクロリング45も一体的に回転する。このとき、シンクロリング45に形成されたカム孔45bはロッキングレバー44の突部を押してロッキングレバー44を内側に誘導し、ロッキングレバー44とプリテンショニングリング42の外歯42bを係合させる。これにより、プリテンショニングリング42の引き出し方向の回転が止められる。
この状態でシートベルトが引き出されると、図11(a)に示すように、スピンドル61の回転はトルクチューブ64を介してトルクの強い第1トーションバー65に伝達されるので、ベルト荷重が増加する(図11(a)中、a区間)。その後、第1トーションバー65が、回転を規制する所定角度(ここでは、1550°)まで回転する前に切替え装置20を作動させてトルクチューブ64をスピンドル61に対して相対回転可能とすることにより、スピンドル61の回転は捩れトルクの弱い第2トーションバー66へ切り替わる。図11中、Aは、第1トーションバー65によるエネルギー吸収荷重を、Bは第2トーションバーによるエネルギー吸収荷重を表している。
なお、切替え装置20の作動タイミングは、車両に搭載された各種のセンサにより、衝突の厳しさ、衝突の形態、乗員の体格、ベルト荷重などを検知し、それぞれの衝突に応じて、適切なタイミングで切り替え作動をさせても良い。
ベルト荷重が第2トーションバー66の捩じれ荷重に達すると、力伝達経路で軸径の細い第2トーションバー66が塑性変形しながら捩れ、スピンドル61が回転し、シートベルトが引き出される(図11(a)中、b区間)。第2トーションバー66が捩じれると同時にトルクパイプ63も捩られるが、トルクパイプ63は捩れ変形するときに荷重を発生し、所定の回転を終えた段階で捩じり切られる。従って、フォースリミッタ作動初期においては、第2トーションバー66が捩られ始めの荷重に加えて、トルクパイプ63の荷重を上乗せすることができ、トルクパイプ63は、第2トーションバー66の捩られ始めの荷重を補う役割を果たす。なお、トルクパイプ63は、発生荷重と捩じり切れる回転数を予め設定している。
トルクパイプ63が捩じり切れた後は、スピンドル61に作用する引き出し方向の力は、第2トーションバー66によってエネルギー吸収を行ないながら、第2トーションバー66を介して、トルクチューブ64、第1トーションバー65、トレッドヘッド62、プリテンショニングリング42へと伝達される。
一方、前述した切替え装置20によるスイッチングがプリテンショナー15の作動完了後、異常に遅れた場合においてシートベルトを引き出す力が作用した場合には、スピンドル61の回転によりトルクチューブ64及び第2トーションバー66が一体的に回転する。すなわち、図10(a)に示す状態から、トルクチューブ64が図中矢印A方向へ所定角度(本実施形態においては、310°)回転する。これにより、トルクチューブ64の被係合部64eは、隣接するガイドリング92Dの係合部93aの周方向一側面と当接した状態から、ガイドリング92Dの係合部93aの周方向他側面に当接する(図10(b)参照)。
さらに、シートベルトが引き出されてトルクチューブ64が回転すると、トルクチューブ64の被係合部64eがガイドリング92Dの係合部93aを押すことによりガイドリング92Dを引き連れて回転する。そして、トルクチューブ64がさらに所定角度(合計620°)回転すると、ガイドリング92Dの被係合部93bが隣接するガイドリング92Cの係合部93aの周方向側面に当接する(図10(c)参照)。
さらにトルクチューブ64が回転すると、次々にガイドリング92C、92B、92Aを引き連れて回転する(図10(d)〜(e)参照。)。そして、トルクチューブ64が所定の回転数(合計1550°)だけ回転すると、ガイドリング92Aの被係合部92bがインサート91に当接する。このとき、インサート91が設けられているトレッドヘッド62は回転しないため、ガイドリング92の回転が阻止される。従って、トレッドヘッド62に対するトルクチューブ64の回転が規制され、即ち、第1トーションバー65の捩じ切れが確実に防止される。
従って、図11(b)に示すように、図10(a)〜(f)に示した状態でシートベルトが引き出されてスピンドル61が回転すると、回転力はトルクチューブ64を介して第1トーションバー65の他端部65bに伝達される。このとき、第1トーションバー65の一端部65aはトレッドヘッド62により固定されているので、第1トーションバー65の捩れにより荷重が次第に増加する(図11(b)中、a区間)。そして、第1トーションバー65が1550°捩れて(図10(f)参照)、捩れ規制機構90により第1トーションバー65の回転が規制されると、それ以上第1トーションバー65は回転しない(捩れない)ので、荷重が急激に増加する(図11(b)中、b区間)。
なお、その後、切替え装置20によるスイッチングが行われた場合には、トルクチューブ64はスピンドル61に対して相対回転可能となるので、シートベルトの引出しによる荷重は強度の弱い第2トーションバー66が負担することになる。このため、荷重は小さくなる(図11(c)中、c区間)。
以上、説明した本実施形態のシートベルト用リトラクタ10によれば、プリテンショナー15が第1トーションバー65及び第2トーションバー66を介してスピンドル61と結合する力伝達経路を構成し、第1トーションバー65には捩れ規制機構90が設けられているので、シートベルトの引出し時に、第1トーションバー65と第2トーションバー66との切替えが遅れて第1トーションバー65が所定の捩れ角度(捩れ回転数)に達すると、第1トーションバー65は回転を規制される。このため、第1トーションバー65の捩れ回転数が増大するのを規制し、第1トーションバー65が捩じり切れるのを防止して、シートベルトが異常に引き出されるのを防止することができる。
また、力伝達経路を第1及び第2トーションバー65,66で切り替える切替え装置20を備えているので、力伝達経路の切り替えを、プリテンショナー15の引き込み終了後、ベルト張力が所定の荷重に上昇する前に行うことで、プリテンショナー15の引き込み性能を下げることなく、低いエネルギー吸収荷重設定との両立が実現できる。また、第2トーションバー66はフォースリミッタ作動時にだけ捩られる機構としたので、第2トーションバー66の低いエネルギー吸収荷重はプリテンショナー15の作動に影響しない。
なお、本発明は、上記実施形態のものに限定されるものでなく、適宜、改良または変形などが可能である。
例えば、前述した実施形態においては、ガイドリング92として、ガイドリング92〜A92Dの4個のガイドリングを設けて1550°回転したら第1トーションバー65の回転を規制するようにしたが、ガイドリング92の数は4個に限定するものではない。
また、ガイドリング92が回転する際に、トルクチューブ64側のガイドリング92Dが回転を完了してから順にトレッドヘッド62側のガイドリング92Aに回転が移る場合について説明したが、回転するガイドリング92の順番は任意である。
また、第1及び第2トーションバー65,66は、捩りトルクが異なる軸部分を構成するものであればよく、一体に形成されてもよい。また、第1トーションバー65の断面形状は、プリテンショナーの力で捩られない形状であれば円形でなくてもよく、軸方向両端部に亘ってトルクス形状であってもよい。
本発明の第1実施形態のシートベルト用リトラクタを示す分解斜視図である。 図1のプリテンショナーを示す斜視図である。 プリテンショナーの作動状態を示す概略図であり、(a)は作動前の状態、(b)は作動開始時にロックレバーとプリテンションリングとの係合が解除される状態、(c)は作動後ロック片がプリテンションリングと係合する状態を示す。 プリテンションリングの外歯とシンクロリングの爪部の係合状態を示す要部拡大図である。 図1のシートベルトリトラクタの断面図である。 図5のVI−VI線に沿った断面図であり、(a)は切替え装置による切り替え前の状態であり、(b)は切り替え後の状態である。 スピンドル組立体の斜視図である。 フォースリミッタ機構の斜視図である。 (a)はガイドリングの正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図である。 (a)〜(f)は力伝達機構におけるガイドリングの動作状態を示す工程図である。 フォースリミッタ特性を示すグラフであり、(a)は正常に切替えられた場合、(b)は切換えがされない場合、(c)は切換えが遅れて回転規制機構が作用した場合を示す。
符号の説明
10 シートベルト用リトラクタ
15 プリテンショナー
20 切替え装置
61 スピンドル
62 トレッドヘッド
64 トルクチューブ
64e 被係合部(トルクチューブの係合部)
65 第1トーションバー(第1の軸部分)
66 第2トーションバー(第2の軸部分)
90 捩れ規制機構
91 インサート(トレッドヘッドの係合部)
92 ガイドリング
93a トルクチューブ側で当接する係合部
93b トレッドヘッド側と当接する被係合部

Claims (2)

  1. ベルトを巻きつけるスピンドルと、
    該スピンドルに作用して前記ベルトを引き込むプリテンショナーと、
    前記スピンドルと前記プリテンショナーとの間の力伝達経路に配置され、捩れトルクの異なる第1及び第2の軸部分を有するトーションバーと、
    前記力伝達経路としての前記トーションバーの第1及び第2の軸部分を切り替える切替え装置と、
    前記トーションバーの第1及び第2の軸部分と結合し、前記切替え装置によって前記スピンドルと一体回転又は相対回転するように切り替えられるトルクチューブと、
    前記トーションバーの捩れ回転数を規制する捩れ規制機構と、
    を備えるシートベルト用リトラクタであって、
    前記第1の軸部分は、その一端部にて前記プリテンショナーからの力が入力されるトレッドヘッドと結合されるとともに、その他端にて前記トルクチューブと結合され、
    前記第2の軸部分は、その一端にて前記トルクチューブと結合されるとともに、その他端にて前記スピンドルと結合されており、
    前記トルクチューブと前記スピンドルが一体回転するとき、前記力伝達経路は前記第1の軸部分を介して伝達され、
    前記トルクチューブと前記スピンドルが相対回転するとき、前記力伝達経路は前記第1の軸部分と前記第2の軸部分を介して伝達され、
    前記捩れ規制機構は、前記トレッドヘッドの係合部及び前記トルクチューブの被係合部に当接することで前記第1の軸部分の捩れ回転数を規制することを特徴とするシートベルト用リトラクタ。
  2. 前記捩れ規制機構は、トレッドヘッド側に延出する被係合部とトルクチューブ側に延出する係合部とを備える少なくとも一つのガイドリングを有することを特徴とする請求項1に記載のシートベルト用リトラクタ。
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