JP4800836B2 - 車両用空気吹出口装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用空気吹出口装置に係り、特に、ハウジングの内部に配設された複数の風向部材の回動によって、吹出空気の向きが変化させられ得るようにした車両用空気吹出口装置の改良された構造に関するものである。
従来から、車両における空気調和装置や外気取入口装置等から、車室内に空気を吹き出す空気吹出口には、吹出空気の向きを変えるための空気吹出口装置が取り付けられている。この空気吹出口装置は、一般に、車室内に開口するハウジングの開口部内に、平板形状等、各種形状を有する複数のブレード(風向部材)が、互いに平行に且つ同一方向に回動可能な状態で配設されると共に、それら複数のブレードの配設方向に往復移動可能とされた連動部材にて互いに連結されて、構成されている。そして、そのような空気吹出口装置の一種として、所定の伝達機構を介して、電動モータ等の駆動手段の駆動力を連動部材に伝達せしめて、この連動部材を往復移動させることにより、複数のブレードの全べてを自動的に回動させ、以て、吹出空気の向きが連続的に変化させられ得るようにしたものが、知られている。
また、そのような複数のブレードの自動的な回動を可能とした従来の車両用空気吹出口装置には、例えば、下記の特許文献1や特許文献2に開示される如く、伝達機構にクラッチ手段が設けられたものがある。
すなわち、下記特許文献1に開示の空気吹出口装置にあっては、クラッチ手段が、駆動手段の駆動により往復移動せしめられる移動部材と、連動部材に対して一体移動可能に連結されると共に、所定の付勢力に基づく摩擦力をもって、連動部材に当接せしめられる摩擦面を備えた板ばね等の付勢部材とを含んで構成され、かかる付勢部材の摩擦面に掛かる摩擦力よりも大きな力が作用したときに、付勢部材と移動部材との相対移動が許容されて、駆動手段の駆動力の連動部材への伝達が遮断されるようになっている。また、下記特許文献2に開示された空気吹出口装置では、クラッチ手段が、駆動手段側と連動部材側のうちの何れか一方に接続された、永久磁石からなるクラッチ部材と、それらのうちの何れか他方に接続されて、クラッチ部材が吸着せしめられる、磁性体からなる対向部材とを含んで構成され、クラッチ部材と対向部材との間に、クラッチ部材の吸着力よりも大きな力が作用したときに、クラッチ部材と対向部材との相対移動が許容されて、駆動手段の駆動力の連動部材への伝達が遮断されるようになっている。
かくして、かくの如きクラッチ手段を有する従来の空気吹出口装置においては、摩擦力や吸着力に基づいてクラッチ滑りが防止されて、ブレードを自動的に回動せしめる自動操作が実現される一方、かかるブレードの自動操作の停止時等において、摩擦力や吸着力よりも大きな力でブレードの回動を手動操作することにより、吹出空気の向きが、マニュアル操作にて容易に変更せしめられ得るように構成されている。
ところが、従来の空気吹出口装置にあっては、クラッチ荷重が、板ばね等の付勢部材の摩擦力や、永久磁石からなるクラッチ部材の吸着力に基づく一定の大きさとされている。それ故、ブレードの自動操作時におけるクラッチ滑りの発生をより確実に防止するために、クラッチ荷重を大きく設定すると、手動によるブレードの回動時の操作荷重が重くなり、操作フィーリングが損なわれるといった問題が惹起され、また、ブレードの手動操作時における良好な操作フィーリングが得られるように、クラッチ荷重を小さくすると、今度は、ブレードの自動操作時に、クラッチ滑りが生じ易くなって、駆動手段の駆動力の連動部材への伝達が不十分となる恐れがあった。
かかる状況下、下記特許文献3には、ブレードの自動操作時におけるクラッチ滑りを防止して、駆動手段の駆動力を連動部材に十分に伝達しつつ、ブレードの手動操作時に、良好な操作フィーリングを確保し得るように、下記特許文献2に開示の装置を改良した空気吹出口装置が、明らかにされている。即ち、この空気吹出口装置では、クラッチ手段を構成するクラッチ部材が、電磁石と、これに一体的に組み付けられた磁性体とにて、構成されている。これにより、ブレードの自動操作時に、電磁石からなるクラッチ部材の励磁力が強くされることで、クラッチ荷重が増大せしめられて、クラッチ滑りが効果的に防止され、以て、駆動手段の駆動力が、連動部材に対して十分に且つ安定的に伝達され得るようになっている。また、ブレードの手動操作時には、クラッチ手段の励磁力が弱くされることで、クラッチ荷重が減少せしめられて、ブレードの操作荷重も小さくされ、その結果、良好な操作フィーリングが得られるようになっているのである。
しかしながら、かくの如き従来の空気吹出口装置にあっては、クラッチ部材が電磁石にて構成されているため、付勢部材の摩擦力や永久磁石の吸着力に基づいてクラッチ荷重が得られるようにした、それまでの装置に比して、クラッチ部材が高価なものとなっていた。しかも、クラッチ部材の励磁力を制御するために、駆動手段の駆動制御を行う制御装置とは別の制御装置も必要となっており、それらの結果として、装置全体の製造コストが高騰し、更にはその構造も複雑なものとなってしまうことが避けられず、それらの点において、未だ改良の余地が存していたのである。
特開平5−118638号公報 特開平8−207555号公報 実開平6−4543号公報
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、風向部材の自動操作時に、駆動手段の駆動力を連動部材に対して十分に且つ安定的に伝達しつつ、風向部材の手動操作時に、良好な操作フィーリングを確保し得るように改良された構造が、可及的に低いコストと簡略な構造とをもって実現されてなる車両用空気吹出口装置を提供することにある。
そして、本発明にあっては、かかる課題の解決のために、その要旨とするところは、車室内に開口するハウジングの開口部内に回動可能に配設された複数の風向部材を、それら複数の風向部材に連結された連動部材によって、連動して回動させるようにする一方、駆動手段の駆動力を前記連動部材に伝達せしめて、該連動部材による前記複数の風向部材の回動を行なわしめるようにした車両用空気吹出口装置において、前記駆動手段側に接続され、該駆動手段の駆動力により往復動又は往復回転せしめられる第一のギヤと、前記連動部材側に接続され、該第一のギヤに噛合して、該駆動手段の駆動力による該第一のギヤの往復動又は往復回転に伴って往復回転又は往復動せしめられることにより、該駆動手段の駆動力を該連動部材に伝達せしめる第二のギヤとを含んで構成された伝達機構、該第一のギヤにおけるギヤ歯の形成部位に、該ギヤ歯が除去された切欠部を形成して、該第一のギヤが、往復動又は往復回転により、該切欠部を該第二のギヤにおけるギヤ歯の形成部位に対向させる基準位置に位置せしめられたときに、該第一のギヤと該第二のギヤとの噛合が解消されるように構成してなる噛合解消機構と前記第二のギヤに接続されて、該第二のギヤと前記第一のギヤとの噛合が解消せしめられたときに、手動操作にて、該第二のギヤのみを回転又は移動させることにより、前記連動部材を介して前記複数の風向部材を回動せしめて、吹出空気の向きを変化させ得るようにした手動操作部材と、前記駆動手段の駆動力に基づく前記複数の風向部材の回動を停止させる際に、前記第一のギヤが前記基準位置に位置せしめられた状態で、該第一のギヤの往復動又は往復回転を停止させるように、前記駆動手段の駆動を制御する制御機構けたことを特徴とする車両用空気吹出口装置にある。
すなわち、この本発明に従う車両用空気吹出口装置にあっては、第一のギヤと第二のギヤとが噛合せしめられて構成されるギヤ機構により、駆動手段の駆動力が連動部材に伝達されて、風向部材が自動的に回動せしめられるようになっている。それ故、そのような風向部材の自動操作時に、駆動手段の駆動力が、連動部材に対して十分に且つ安定的に伝達され得ることとなる。
また、かかる本発明装置では、風向部材の自動操作が終了した時点で、制御機構による駆動手段の駆動制御により、第一のギヤが、常に、予め設定された基準位置に位置せしめられて、第一のギヤと第二のギヤとの噛合が解消されるようになっている。このため、風向部材を手動操作で回動させる際には、第一のギヤ、更には第一のギヤと一体回転せしめられる駆動手段の駆動軸等とは独立して、第二のギヤが回転せしめられ得るようになり、それによって、単に、第二のギヤのみを回転させる操作力を加えるだけで、風向部材を回動させることが出来る。それ故、風向部材の手動操作時における操作荷重が有利に小さく為され得、以て、良好な操作フィーリングが確保され得ることとなる。
そして、本発明に係る車両用空気吹出口装置では、従来装置において伝達機構の構成部材(部品)として使用される、例えば付勢部材や永久磁石、電磁石等の特別な部材が何等用いられておらず、単に、ギヤ機構を構成する複数種類のギヤを用いた単純で且つ安価な構造にて、伝達機構が構成されている。また、本発明装置においては、第一のギヤの往復動又は往復回転を基準位置で停止させる制御装置が用いられているものの、この制御装置は、従来装置でも一般に使用される、駆動手段の駆動制御を行うための制御装置が、有効に利用され得る。それ故、例えば、電磁石の励磁力を制御する制御装置を必要とする従来装置とは異なって、特別な制御装置を新たに追加することで、コストの高騰や構造の複雑化が惹起されるようなこともない。
従って、かくの如き本発明に従う車両用空気吹出口装置にあっては、風向部材の自動操作時に、駆動手段の駆動力が、連動部材に対して十分に且つ安定的に伝達され得ると共に、風向部材の手動操作時には、良好な操作フィーリングが効果的に得られ、しかも、それらが、可及的に低いコストと簡略な構造とをもって有利に実現され得る。そして、その結果として、従来装置では到底得られることのない優れた操作性と使用性とが、極めて有効に発揮され得ることとなるのである。
発明の態様
ところで、本発明は、少なくとも、以下に列挙する如き各種の態様において、好適に実施され得るものである。
(1) 車室内に開口するハウジングの開口部内に回動可能に配設された複数の風向部材を、それら複数の風向部材に連結された連動部材によって、連動して回動させるようにする一方、所定の伝達機構を介して、駆動手段の駆動力を前記連動部材に伝達せしめて、該連動部材による前記複数の風向部材の回動を行なわしめるようにした車両用空気吹出口装置において、前記駆動手段側に接続され、該駆動手段の駆動力により往復動又は往復回転せしめられる第一のギヤと、前記連動部材側に接続され、該第一のギヤに噛合して、該駆動手段の駆動力による該第一のギヤの往復動又は往復回転に伴って往復回転又は往復動せしめられることにより、該駆動手段の駆動力を該連動部材に伝達せしめる第二のギヤとを含んで、前記伝達機構を構成すると共に、該第一のギヤにおけるギヤ歯の形成部位に、該ギヤ歯が除去された切欠部を形成して、該第一のギヤが、往復動又は往復回転により、該切欠部を該第二のギヤにおけるギヤ歯の形成部位に対向させる基準位置に位置せしめられたときに、該該第一のギヤと該第二のギヤとの噛合が解消されるように構成し、更に、前記駆動手段の駆動力に基づく前記複数の風向部材の回動を停止させる際に、前記第一のギヤが前記基準位置に位置せしめられた状態で、該第一のギヤの往復動又は往復回転を停止させるように、前記駆動手段の駆動を制御する制御機構を設けて構成したことを特徴とする車両用空気吹出口装置。
(2) 上記の態様(1)において、前記複数の風向部材に対して一定の大きさの力よりも大きな力が作用せしめられたときに、該大きな力が作用された風向部材への前記伝達機構を介しての駆動手段の駆動力の伝達を遮断するクラッチ機構が、更に設けられていること。この本態様によれば、例えば、風向部材の自動操作時に、風向部材とハウジングの間等に異物が挟まる等して、風向部材が強制的に停止させられた場合に、風向部材や伝達機構等の損傷が未然に防止され得るといった保護機能が、有利に実現され得る。
(3) 上記せる態様(1)又は態様(2)において、前記第一のギヤが、前記駆動手段の駆動力により、前記複数の風向部材の配設方向に往復動せしめられるラックにて構成される一方、前記第二のギヤが、該ラックに噛合して、該ラックの往復動に伴って往復回転せしめられるピニオンにて構成され、更に、該ラックにおけるギヤ歯の形成部位に、前記切欠部が、該ピニオンよりも大径で且つギヤ歯の存在しない円弧状内周面を備えた凹所形態を有して形成されて、該ピニオンが、その外周部の一部を該切欠部の内部に入り込ませた状態で位置せしめられていること。このような本態様によれば、風向部材の自動操作時に、駆動手段の駆動力を連動部材に対して安定的に伝達し得ると共に、風向部材の手動操作時に、良好な操作フィーリングを確保出来る構造が、より確実に且つ容易に実現され得る。
以下、本発明をより具体的に明らかにするために、本発明に係る車両用空気調和装置の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明に従う構造を有する車両用空気吹出口装置の一実施形態として、自動車のインストルメントパネルに取り付けられる空気吹出口装置が、概略的に示されている。かかる図からも明らかなように、本実施形態の空気吹出口装置は、互いに独立した、第一のハウジング10と第二のハウジング12とを有して、構成されている。
より具体的には、図1及び図2に示されるように、第一及び第二のハウジング10,12は、何れも、前後方向(図1における紙面に垂直な方向で、図2における左右方向)に開口する矩形筒体からなっている。そして、それら二つのハウジング10,12が、例えば、自動車のインストルメントパネルの運転席側と助手席側とに対して、左右方向(図1における左右方向で、図2における紙面に垂直な方向)に所定距離を隔てて、それぞれ取り付けられ、後方側開口部14において、図示しない空気調和装置等の空気通路に接続される一方、前方側開口部16において、車室内に向かって開口せしめられている。これによって、空気調和装置等から供給される空気が、前方側開口部16を通じて、車室内に吹き出されるようになっている。なお、本実施形態に係る空気吹出口装置の構造の理解を容易とするために、以下からは、図1における紙面に垂直な方向で、図2における左右方向を前後方向と言い、更に、図1における左右方向で、図2における紙面に垂直な方向を左右方向と言うこととする。
図2から明らかなように、第一のハウジング10の内部には、風向部材たる縦ブレード18と横ブレード20とが、各々複数個ずつ配設されている。それら縦及び横ブレード18,20は、何れも、長手の平板形状を呈しており、従来と同様に、相対向する壁部間に跨がって、位置せしめられている。
複数の縦ブレード18は、互いに平行に、且つ左右方向に一列に並べられた状態で、第一のハウジング10内にそれぞれ配されている。そして、上下方向両側端部に設けられた取付軸22にて、ハウジング10の上下に対向する二つの壁部に対して、取付軸22回りに回動可能に軸着されている。また、これら複数の縦ブレード18においては、その下端部に設けられたピン24が、左右方向に延びる、連動部材としての連動プレート26にて相互に連結されている。これによって、複数の縦ブレード18のうちの何れか一つものの回動に従って、複数の縦ブレード18の全てが、互いに平行状態を維持しつつ、連動して、取付軸22回りの左右方向に一斉に回動せしめられるようになっている。
一方、複数の横ブレード20は、ハウジング10内において、互いに平行に、且つ上下方向に一列に並べられた状態で配されている。また、図2には明示されてはいないものの、それら複数の横ブレード20にあっても、複数の縦ブレード18と同様に、ハウジング10の左右に対向する二つの壁部に対して、それぞれ一軸回りに回動可能に取り付けられている。更に、複数の横ブレード20は、上下方向に延びる連動プレート(図示せず)によって相互に連結されている。これによって、複数の横ブレード20のうちの何れか一つものの回動に従って、全ての横ブレード20が、互いに平行状態を維持しつつ連動して、前記一軸回りの上下方向に一斉に回動せしめられるようになっている。
また、それら複数の縦ブレード18と複数の横ブレード20とが配設されたハウジング10は、上下方向に所定の距離を隔てて対向配置された上側底部28と下側底部30とを有する二重底構造とされている。そして、そのようなハウジング10の上側底部28と下側底部30との間には、往復動プレート32が、左右方向に往復移動可能に配設されている。
この往復動プレート32は、図2及び図3から明らかなように、全体として、矩形の平板形状を呈している。そして、上端面と下端面とに、所定高さを有する凸条34,34が、それぞれ、全長に亘って、連続して延びる状態で、一体的に形成されている。また、かかる往復動プレート32にあっては、板厚方向の一方の面における上部の中央部位に、係合爪36が、一体的に突設されている。この係合爪36は、板厚方向に真っ直ぐ突出し、且つ先端部が下方に向かって直角に屈曲せしめられてなる鈎形形状を有している。更に、かかる係合爪36の下方には、フランジ部38が、一体的に設けられている。このフランジ部38は、所定高さ突出し、且つ長さ方向に連続して延びる平板形状を有している。また、往復動プレート32における係合爪36とフランジ部38の形成面とは反対側の面上には、左右方向に連続して延びる、第一のギヤとしてのラック部40が、全長に亘って一体的に形成されている。
そして、このような往復動プレート32が、ハウジング10の上側底部28と下側底部30との間の隙間内において、ハウジング10内での縦ブレード18の配置位置よりも空気吹出方向前方側(図2中、左側)に、係合爪36の形成面を前面にして、配置されている。一方、上側及び下側底部28,30の相互の対向面には、摺動溝42が、左右方向に一直線に連続して延びるように、それぞれ、形成されている。そして、往復動プレート32が、凸条34,34を、各摺動溝42に、それぞれ、摺動可能に嵌入させると共に、フランジ部38の下面をハウジング10の下側底部30の上面に接触させた状態で、位置せしめられている。これによって、往復動プレート32が、ハウジング10に対して、摺動溝42,42に案内されつつ、左右方向に往復移動可能に組み付けられているのである。
また、複数の縦ブレード18のうち、中央に位置する縦ブレード18の下側取付軸22は、ハウジング10の上側底部28を貫通して、取り付けられている。これによって、かかる縦ブレード18の下側取付軸22の下端部が、ハウジング10の上側底部28と下側底部30との間の隙間内に、突出して、位置せしめられている。そして、そのような上側底部28と下側底部30との間の隙間内には、クラッチ機構44が、縦ブレード18の下側取付軸22の下端部と往復動プレート32との間に介在せしめられている。
このクラッチ機構44は、上側ギヤ46と、第二のギヤとしての下側ギヤ48とを有している。また、それら上側ギヤ46と下側ギヤ48は、圧縮コイルばね45の付勢力により、互いに押圧接触せしめられている。更に、下側ギヤ48の回転軸49には、操作ロッド51が、下側ギヤ48と相対回転不能に取り付けられている。また、この操作ロッド51は、先端部において車室内に突出位置せしめられて、自動車の乗員により容易に回動操作され得るようになっている。
そして、前記中央に位置する縦ブレード18の下側取付軸22の下端部に一体回動可能に取り付けられた連動ギヤ50が、かかるクラッチ機構44の上側ギヤ46に噛合せしめられる一方、下側ギヤ48に、往復動プレート32のラック部40が噛合せしめられて、往復動プレート32の往復移動に伴って、クラッチ機構44の下側ギヤ48及び上側ギヤ46と連動ギヤ50とが往復回転せしめられ得るようになっている。これにより、往復動プレート32の左右方向への往復移動が、クラッチ機構44を介して、中央の縦ブレード18に伝達せしめられて、かかる縦ブレード18が往復回動せしめられるようになっている。そして、それに伴って、全ての縦ブレード18が、一斉に往復回動せしめられるように構成されている。
なお、図示されてはいないものの、第二のハウジング12も、第一のハウジング10と同一の内部構造を有して、構成されている。つまり、第二のハウジング12内にも、複数の縦ブレード18と複数の横ブレード20とが、第一のハウジング10内に設けられた複数の縦ブレード18と複数の横ブレード20と同様な構造において、回動可能に取り付けられている。更に、往復動プレート32やクラッチ機構44も、第一のハウジング10内への配設構造と同一の構造をもって配設されている。これによって、第二のハウジング12内に設けられた複数の縦ブレード18も、その全てのものが、往復動プレート32の左右方向への往復移動に従って、一斉に往復回動せしめられるようになっている。
また、このような本実施形態の空気吹出口装置にあっては、図1、図3及び図4に示される如く、第一のハウジング10と第二のハウジング12とを左右に位置せしめた状態下において、それらの間に、ステッピングモータ52が配置されている。そして、このステッピングモータ52の回転駆動が、以下に示す如き構造を有する運動変換機構により左右方向への往復運動に変換せしめられた上で、往復動プレート32に伝達されて、往復動プレート32が、左右方向に往復移動せしめられるようになっている。
すなわち、ここでは、第一及び第二のハウジング10,12の間に、筒状ブラケット54が配置されている。この筒状ブラケット54は、上下方向に所定距離を隔てて、水平に位置せしめられた天板56及び基板58と、それらを前後の両端部において連結する二つの連結壁部60,60とが、一体的に組み付けられて、構成されている。そして、第一及び第二のハウジング10,12がそれぞれ位置する方向たる左右方向に向かって開口する状態で、位置せしめられている。
また、この筒状ブラケット54における基板58の下面には、例えば、駆動手段としてのステッピングモータ52が、減速機62を有して、取り付けられている。更に、ステッピングモータ52(減速機62)の出力軸63は、基板58を貫通して、その上面上に突出位置せしめられている。そして、この出力軸63における基板58上の突出部位に対して、クランク64が、相対回動不能に取り付けられている。また、このクランク64の上面には、クランクピン65が、出力軸63への取付部位と所定距離を隔てた位置に、一体的に立設されている。
なお、ここでは、図3に示されるように、ステッピングモータ52の回転駆動制御を行う制御機構としてのコントローラ67が、筒状ブラケット54の内部に設置されて、ステッピングモータ52と電気的に接続されている。また、このコントローラ67は、ステッピングモータ52の駆動及び停止を行う作動スイッチ69に対しても電気的に接続されている。そして、かかる作動スイッチ69のON操作により、ステッピングモータ52の出力軸63が、コントローラ67による回転駆動制御の下で、180°の範囲内で回転駆動せしめられ、それに伴って、クランク64が、図3に二点鎖線でそれぞれ示される左側回動限度位置と右側回動限度位置との間において、図3に実線で示される中央位置から左右方向にそれぞれ90°の範囲となる180°の回動角度の範囲内で、回動せしめられるようになっている。なお、このステッピングモータ52の出力軸63とクランク64の回転乃至は回動は、作動スイッチ69のOFF操作によって停止される。
また、筒状ブラケット54における基板58の上面には、案内凸条78が、出力軸63の貫通部位とは所定距離隔てた位置に、左右方向(前記往復動プレート32の往復移動方向)に連続して延びるように、一体形成されている。また、筒状ブラケット54における天板56の基板58との対向面上には、案内溝80が、案内凸条78と対応して延びるように、形成されている。
そして、筒状ブラケット54の基板58と天板56との間には、スライドプレート66が配置されている。このスライドプレート66は、全体として、略T字形状を呈する板材からなっている。そして、かかるT字の頭部に相当する部位が、筒状ブラケット54の開口方向たる左右方向に延びる案内部68とされている。一方、T字の脚部に相当する部位が、係合部70とされている。また、このスライドプレート66においては、案内部68の下面に、全長に亘って左右方向に連続して延びる凹溝72が設けられている。更に、案内部68の上面には、凸条74が、凹溝72と対応して延びるように、形成されている。
また、案内部68の係合部70側とは反対側の面には、係合突起75が、一体的に突出形成されている。この係合突起75は、往復動プレート32に設けられた係合爪36と同様な鈎形形状を有している。また、そのような係合突起75の基部側外周面には、外フランジ部76が、一体形成されている。更に、スライドプレート66の係合部70には、係合溝77が、係合部70の長さ方向に所定長さをもって延びるように、設けられている。
そして、このようなスライドプレート66にあっては、筒状ブラケット54の基板58と天板56との間に配置された状態下において、筒状ブラケット54の基板58の上面に一体形成された案内凸条78が、案内部68の凹溝72内に、摺動可能に嵌入されている。また、案内部68の凸条74を、筒状ブラケット54の天板56の下面に設けられた案内溝80内に摺動可能に嵌入せしめている。更に、係合部70の係合溝77内に、ステッピングモータ52の回転駆動によって回転せしめられるクランク64のクランクピン65が、嵌め込まれて、係合されている。
かくして、ここでは、コントローラ67による回転駆動制御の下で、ステッピングモータ52の出力軸63が180°の範囲内で回転駆動せしめられて、クランク64が、図3にそれぞれ二点鎖線で示される左側回動限度位置と右側回動限度位置との間において、左右方向に180°の回動角度の範囲内で回動せしめられると、それに伴って、スライドプレート66が、基板58の案内凸条78や天板54の案内溝80に案内されつつ、図3に二点鎖線でそれぞれ示される左側移動限度位置と右側移動限度位置との間の移動範囲内において、左右方向にスライド移動せしめられるようになっている。このことから明らかなように、本実施形態では、筒状ブラケット54とスライドプレート66とクランク64とにて、運動変換機構が構成されている。
そして、そのようにして左右方向に往復スライド移動可能とされたスライドプレート66と、第一及び第二のハウジング10,12内にそれぞれ設けられた往復動プレート32とは、連結部材84にて、相互に連結されている。
この連結部材84は、図5に示されるように、一本の長尺なピアノ線からなっている。そして、軸方向において所定の押圧力や引張力が作用せしめられた際に、容易には変形することのない剛性と、軸方向に直角な方向において所定の押圧力や引張力が作用せしめられた際には、湾曲状に撓み変形せしめられ且つそのような撓み変形に対して復元力を発揮する弾性とを有して、構成されている。また、このようなピアノ線からなる連結部材84にあっては、長さ方向の両側先端部位と、その中央部位とに対して、それらの部位が円形に屈曲変形せしめられてなる先端リング部86,86と中央リング部88とが設けられている。
そして、図1及び図3に示されるように、かかる連結部材84が、第一のハウジング10と第二のハウジング12との間に跨って延びるように配置されて、中央リング部88内に、スライドプレート66の前記係合突起75が挿入されている。また、各先端リング部86内には、前記した各往復動プレート32の係合爪36が、各々挿入されている(図3には、右側の先リング部に対する係合爪36の挿入状態のみを示す)。これによって、中央リング部88と各先端リング部86とが、スライドプレート66の係合突起75と各往復動プレート32の係合爪36とに対して、それぞれ係合せしめられており、以て、第一及び第二のハウジング10,12内にそれぞれ位置せしめられた往復動プレート32,32同士、及びそれら各往復動プレート32とスライドプレート66が、連結部材84にて連結されている。
なお、前述せるように、スライドプレート66の係合突起75と各往復動プレート32の係合爪36が、何れも鈎形形状とされている。そのため、それら係合突起75と係合爪36とが、連結部材84の中央リング部88内と各先端リング部86内への挿入状態から、容易には離脱されないようになっている。また、スライドプレート66の係合突起75は、連結部材84の中央リング部88内にガタツキなく挿入されている。
かくして、ここでは、図3に二点鎖線で示されるように、スライドプレート66の左右方向へのスライド移動に伴って、連結部材84が左右方向に往復移動せしめられるようになっている。また、それによって、各往復動プレート32が、連結部材84にて押圧乃至は引張せしめられて、左右方向において一体的に往復移動せしめられるようになっている。そして、前述せるように、第一及び第二のハウジング10,12内にそれぞれ設けられたクラッチ機構44の下側ギヤ48が、各往復動プレート32に設けられたラック部40に噛合せしめられる一方、上側ギヤ46が、中央の縦ブレード18の下端部に一体形成された連動ギヤ50に噛合せしめられていることにより、往復動プレート32の左右方向への往復移動が、クラッチ機構44を介して、中央の縦ブレード18に伝達せしめられるように構成されている。
従って、本実施形態においては、作動スイッチ69のON操作により、コントローラ67による制御下でのステッピングモータ52の回転駆動が開始されると、クランク64とスライドプレート66と連結部材84と往復動プレート32とが、左右方向に、それぞれ、所定の範囲内で一体的に回動乃至は往復移動せしめられ、また、それに伴って、第一及び第二のハウジング10,12内にそれぞれ設けられた複数の縦ブレード18の全てが、一斉に連動して、自動的に往復回動せしめられるようになっている。そして、その結果、第一及び第二のハウジング10,12の前方側開口部14を通じて車室内に吹き出される空気の向きが、前後方向に平行な向きを中心として、その左右両側に同じ幅だけ、自動的に且つ連続的に変化させられ得るように構成されているのである。このことから明らかなように、ここでは、クランク64とスライドプレート66と連結部材84と往復動プレート32とクラッチ機構44と連動ギヤ50とにて、伝達機構が構成されている。
なお、複数の縦ブレード18の往復回動範囲は、各縦ブレード18の向きを前後方向に平行な向きとする基準位置を中心として、その左右両側に同じ幅だけ回動させ得る範囲とされている。そして、それら各縦ブレード18が、かかる基準位置に位置せしめられたときには、クランク64とスライドプレート66と連結部材84と往復動プレート32とが、それぞれ、図3において実線で示される位置、つまり、それらの部材64,66,84,32の回動乃至は往復動範囲内の真ん中の中央位置に位置せしめられるようになっている。
また、かくの如き構造とされた本実施形態の空気吹出口装置にあっては、ステッピングモータ52の駆動力を往復動プレート32から縦ブレード18に伝達するクラッチ機構44が、実公平5−28437号公報に記載されるものと同様な構造を有している。そして、このクラッチ機構44に内蔵される圧縮コイルばね45の付勢力が、従来装置において設定される大きさよりも大なる大きさにおいて設定されている。これによって、ステッピングモータ52の駆動力が、クラッチ機構44を介して、往復動プレート32から縦ブレード18に伝達せしめられる際に、クラッチ機構44でのクラッチ滑りが、より効果的に防止されて、かかるステッピングモータ52の駆動力が、縦ブレード18に対して、より確実に伝達されるようになっている。そうして、縦ブレード18を自動的に回動させる自動操作が、更に一層安定的に行われ得るようになっているのである。
さらに、かかる空気吹出口装置では、そのような縦ブレード18の自動操作時に、例えば、縦ブレード18のどれかとハウジング10(12)の内面との間に異物が挟まる等して、全ての縦ブレード18の回動が強制的に停止せしめられて、クラッチ機構44の上側ギヤ46と下側ギヤ48との間に、圧縮コイルばね45の付勢力に基づく押圧力よりも大きな力が作用せしめられた場合には、それら上側ギヤ46と下側ギヤ48との間の相対回転が許容されるようになり、それによって、各縦ブレード18等、ステッピングモータ52の駆動によって動かされる部材の全てのものの損傷乃至は破損が、未然に防止され得るようになっている。
ところで、図2及び図3から明らかなように、本実施形態においては、特に、ハウジング10(12)内に配設された往復動プレート32のラック部40の長さ方向の中央部に、切欠部90が、設けられている。この切欠部90は、クラッチ機構44の下側ギヤ48の径よりも所定寸法大きな径を有する円弧状の内周面を備えた凹所形態を呈している。また、かかる切欠部90の円弧状内周面は、ラック部40に設けられるラック歯が除去されて、それが何等形成されていない平滑面とされている。
そして、ここでは、ステッピングモータ52の回転駆動によるスライドプレート66のスライド移動に伴って、往復動プレート32が前記中央位置(図3において実線で示される位置)に位置せしめられたときに、切欠部90の円弧状内周面と、クラッチ機構44の下側ギヤ48の外周面(全てのギヤ歯の歯先面を含む円環面)とが、径方向に所定距離を隔てて同軸的に位置せしめられるようになっている。換言すれば、往復動プレート32の往復移動によって、全ての縦ブレード18の回動位置が、それぞれの向きを前後方向に平行となる向きとする基準位置に達したときに、クラッチ機構44の下側ギヤ48が、ギヤ歯の形成部位において、往復動プレート32の切欠部90に対して、径方向に所定間隔を隔てて対向位置せしめられるようになっている。そして、このように、クラッチ機構44の下側ギヤ48が、その回転によって、ギヤ歯の形成部位を往復動プレート32の切欠部90に対向位置させる基準位置に達したときに、それらクラッチ機構44の下側ギヤ48と往復動プレート32のラック部40との噛合状態が、解消されるようになっている。
また、前述せる如く、本実施形態では、ステッピングモータ52の回転駆動がコントローラ67にて制御されることで、複数の縦ブレード18の自動操作が行われるようになっているのであるが、そのような複数の縦ブレード18の自動操作が停止せしめられた際にあっても、コントローラ67によるステッピングモータ52の回転駆動制御によって、各縦ブレード18の回動位置が、常に、前記基準位置とされるようになっている。
すなわち、ステッピングモータ52は、作動スイッチ69がON操作されて、コントローラ67から所定のパルス信号が入力されることにより、そのパルス信号の入力数に応じた分だけ、出力軸63が左右方向に往復回転(正逆回転)せしめられる公知の構造を有している。また、このステッピングモータ52の回転駆動状態下では、出力軸63の回転位置が、コントローラ67において、ステッピングモータ52へのパルス信号の出力数に基づいて、常時把握されるようになっている。そして、作動スイッチ69がOFF操作されると、ステッピングモータ52の出力軸63が、コントローラ67による回転制御により、前記クランク64を前記中央位置にまで回転させてから、停止せしめられるようになっている。
かくして、本実施形態の空気吹出口装置においては、作動スイッチ69がOFF操作されたときに、各縦ブレード18が基準位置に達してから、ステッピングモータ52の回転駆動が停止せしめられ、以て、クラッチ機構44の下側ギヤ48と往復動プレート32のラック部40との噛合状態が解消された状態で、複数の縦ブレード18の自動操作が停止せしめられるように構成されているのである。
それ故、このような空気吹出口装置では、複数の縦ブレード18の自動操作の停止状態下で、それらの縦ブレード18を手動操作で回動させる際には、クラッチ機構44の下側ギヤ48の回転軸49に取り付けられた操作ロッド51の車室内への突出側先端部が把持されて、回動操作されることとなる。このとき、クラッチ機構44の下側ギヤ48と往復動プレート32のラック部40との噛合状態が解消されているため、かかる下側ギヤ48が、往復動プレート32及びスライドプレート66の往復移動やクランク64及びステッピングモータ52の出力軸63の回転とは独立して、回転せしめられ得るようになっており、それによって、単に、クラッチ機構44の下側ギヤ48のみを回転させる操作力を加えるだけで、複数の縦ブレード18の全てを回動させることが出来るようになる。
従って、かくの如き本実施形態の空気吹出口装置にあっては、複数の縦ブレード18の手動操作時における操作荷重が有利に小さく為され得、以て、良好な操作フィーリングが確保され得るのである。
しかも、かかる空気吹出口装置においては、複数の縦ブレード18の手動操作時における操作荷重の減少を図るために、単に、往復動プレート32のラック部40に切欠部90を設けて、ステッピングモータ52の回転駆動制御を行うコントローラ67を利用するだけで、複数の縦ブレード18の自動操作の終了時に、かかるラック部40とクラッチ機構44の下側ギヤ48との噛合状態が解消されるなっている。それ故、良好な操作フィーリングの確保が、可及的に低いコストと簡略な構造とをもって、極めて効果的に実現され得るのである。
また、本実施形態の空気吹出口装置にあっては、前述せるように、クラッチ機構44に内蔵された圧縮コイルばね45が、従来装置に設けられるクラッチ機構44に内蔵のものよりも大きな付勢力を有しており、更に、複数の縦ブレード18の自動操作時には、往復動プレート32のラック部40とクラッチ機構44の上側及び下側ギヤ46,48と中央の縦ブレード18の取付軸22に設けられた連動ギヤ50とからなるギヤ機構を介して、ステッピングモータ52の回転駆動力が、連動プレート26に伝達されるようになっている。従って、複数の縦ブレード18の自動操作時には、ステッピングモータ52の回転駆動力が、複数の縦ブレード18に対して、より十分に且つ安定的に伝達され得ることとなる。また、このような優れた特徴が、単純な構造と低いコストで効果的に発揮され得るのである。
さらに、かかる空気吹出口装置においては、縦ブレード18を手動操作するときの操作荷重を無視し、クラッチ滑りの防止のみをターゲットとして、クラッチ機構44のクラッチ荷重を設定することが可能となり、それによって、クラッチ荷重の設計が容易となるといった利点が得られる。
次に、図6及び図7には、ステッピングモータ52の出力軸63と中央の縦ブレード18の取付軸22(連動プレート26)との間に介在せしめられる伝達機構の構造が、前記実施形態とは異なる実施形態が、示されている。なお、この図6及び図7に示された実施形態や、後述する図8及び図9に示される、更に別の実施形態に関しては、図1乃至図4に示された前記第一の実施形態と同様な構造とされた部材や部位について、図1乃至図4と同一の符号を付すことにより、その詳細な説明を省略した。
すなわち、図6及び図7に示される如く、本実施形態の空気吹出口装置においては、ハウジング10が、上側底部28と下側底部30と、それらの間の空間を上下に二つに仕切る仕切部92とを有している。そして、かかるハウジング10の内部空間のうち、上側底部28よりも上側に位置する空間内に、風向部材たる、複数の縦ブレード18と複数の横ブレード20とが、それぞれ、左右方向や上下方向に、連動して、一斉回動せしめられ得るように軸支された状態で、配設されている。また、複数の縦ブレード18のうちの中央に位置する縦ブレード18においては、その下側取付軸22が、上側底部28を貫通し、その先端部において、仕切部92と上側底部28との間の空間内に突出位置せしめられている。そして、この下側取付軸22の先端部に対して、操作ロッド51と第二のギヤとしての連動ギヤ50とが、前者を上側にして、それぞれ相対回転不能に取り付けられている。なお、操作ロッド51は、下側取付軸22から前方に向かって真っ直ぐに延出せしめられ、前端部において、車室内に突出位置せしめられている。
また、ハウジング10の内部空間のうち、下側底部30と仕切部92との間の空間内には、駆動手段としてのステッピングモータ52が、配設されている。更に、このステッピングモータ52の出力軸63は、仕切部92を貫通し、その先端部において、仕切部92と上側底部28との間の空間内に突出位置せしめられている。そして、この出力軸63の先端部に対して、第一のギヤとしての駆動ギヤ94が、相対回転不能に取り付けられている。また、かかる駆動ギヤ94は、中央に位置する縦ブレード18の下側取付軸22に設けられた連動ギヤ50よりも前方側において、この連動ギヤ50に対して噛合し得る状態で、位置せしめられている。
そして、本実施形態においては、特に、駆動ギヤ94におけるギヤ歯の形成部位(外周部)に、切欠部90が、設けられている。この切欠部90は、連動ギヤ50の径よりも所定寸法大きな径を有する円弧状の内周面を備えた凹所形態を呈している。また、かかる切欠部90の円弧状内周面は、駆動ギヤ94に設けられるギヤ歯が除去されて、それが何等形成されていない平滑面とされている。
なお、図6及び図7には明示されてはいないものの、本実施形態の空気吹出口装置にあっても、前記第一の実施形態と同様に、ステッピングモータ52の回転駆動制御を行う制御機構としてのコントローラと、ステッピングモータ52の駆動及び停止を行う作動スイッチとを有している。そして、作動スイッチのON操作により、ステッピングモータ52の駆動が開始されて、ステッピングモータ52の出力軸63とそれに取り付けられた駆動ギヤ94とが、コントローラ67による回転駆動制御の下で、180°の範囲内で往復回転せしめられるようになっている。また、この駆動ギヤ94の回転範囲は、図7に実線で示されるように、切欠部90の内周面が後方側に向かって露呈にせしめられた中央位置から、図7に二点鎖線でそれぞれ示されるように、左右方向にそれぞれ90°回転せしめられた左側回転限度位置と右側回転限度位置との間の範囲とされている。更に、このようなステッピングモータ52の出力軸63と駆動ギヤ94の往復回転は、作動スイッチのOFF操作によって停止されるようになっている。
かくして、かかる空気吹出口装置においては、作動スイッチのON操作により、コントローラによる制御下でのステッピングモータ52の回転駆動が開始されると、駆動ギヤ94が連動ギヤ50とが往復回転せしめられ、また、それに伴って、ハウジング10内に設けられた複数の縦ブレード18の全てが、一斉に連動して、自動的に往復回動せしめられるようになっている。そして、その結果、ハウジング10の前方側開口部14を通じて車室内に吹き出される空気の向きが、前後方向に平行な向きを中心として、その左右両側に同じ幅だけ、自動的に且つ連続的に変化させられ得るように構成されている。このことから明らかなように、ここでは、駆動ギヤ94と連動ギヤ50とのみにて、伝達機構が構成されている。
また、ここでは、複数の縦ブレード18の往復回動範囲が、各縦ブレード18の向きを前後方向に平行な向きとする基準位置を中心として、その左右両側に同じ幅だけ回動させ得る範囲とされている。更に、それら各縦ブレード18が、かかる基準位置に位置せしめられたときには、駆動ギヤ94が、図7において実線で示される位置、つまり、往復回転範囲内の真ん中の中央位置に位置せしめられるようになっている。
そして、ステッピングモータ52の回転駆動により、駆動ギヤ94の回転位置が、かかる中央位置(図7において実線で示される位置)となったときに、切欠部90の円弧状内周面と、連動ギヤ50における全てのギヤ歯の歯先面を含む外周面とが、径方向に所定距離を隔てて同軸的に位置せしめられるようになっている。換言すれば、全ての縦ブレード18の回動位置が、それぞれの向きを前後方向に平行となる向きとする基準位置に達したときに、連動ギヤ50が、ギヤ歯の形成部位において、駆動ギヤ94の切欠部90に対して、径方向に所定間隔を隔てて対向位置せしめられるようになっている。かくして、連動ギヤ50が、その往復回転によって、ギヤ歯の形成部位を駆動ギヤ94の切欠部90に対向位置させる基準位置に達したときに、それら駆動ギヤ94と連動ギヤ50との噛合状態が、解消されるようになっている。
また、このような本実施形態においても、前記第一の実施形態と同様に、複数の縦ブレード18の自動操作が停止せしめられた際に、コントローラによるステッピングモータ52の回転駆動制御によって、各縦ブレード18の回動位置が、常に、前記基準位置とされるようになっている。これによって、複数の縦ブレード18の自動操作が停止せしめられると、駆動ギヤ94と連動ギヤ50との噛合状態が、自動的に解消されるように構成されているのである。
このように、かかる本実施形態の空気吹出口装置では、複数の縦ブレード18の自動操作の停止時に、それらの縦ブレード18を手動操作で回動させるのに、操作ロッド51の車室内への突出側先端部が把持されて、回動操作されることとなるが、このとき、駆動ギヤ94と連動ギヤ50との噛合状態が解消されているため、連動ギヤ50が、駆動ギヤ94とは独立して、回転せしめられるようになる。これによって、単に、連動ギヤ50のみを回転させる操作力を加えるだけで、複数の縦ブレード18の全てを回動させることが出来るようになっている。
従って、本実施形態の空気吹出口装置にあっても、複数の縦ブレード18の手動操作時における操作荷重が有利に小さく為され得て、良好な操作フィーリングが、簡略な構造と可及的に低いコストで、有利に確保され得るのである。
また、かかる空気吹出口装置においては、ステッピングモータ52の回転駆動力を複数の縦ブレード18に伝達する伝達機構が、駆動ギヤ94と連動ギヤ50の2種類のギヤのみからなるギヤ機構にて構成されているため、複数の縦ブレード18の自動操作時に、ステッピングモータ52の回転駆動力が、複数の縦ブレード18に対して、より十分に且つ安定的に伝達され得るのであり、しかも、それが、より単純な構造で且つ経済的に有利に実現され得ることとなる。
次に、図8及び図9には、ステッピングモータ52の出力軸63と中央の縦ブレード18の取付軸22(連動プレート26)との間に介在せしめられる伝達機構の構造が、前記二つの実施形態とは更に異なる実施形態が、示されている。
すなわち、図8及び図9から明らかなように、本実施形態の空気吹出口装置は、上側底部28と下側底部30と、それらの間に空間を上下に二つに仕切る仕切部92とを備えたハウジング10を有している。そして、かかるハウジング10内に、風向部材たる複数の縦ブレード18及び複数の横ブレード20と、駆動手段としてのステッピングモータ52とが、前記第二の実施形態と同様な構造において、配設されている。
また、ハウジング10内に配設された複数の縦ブレード18のうち、中央に位置する縦ブレード18においては、上側底部28を貫通して、仕切部92と上側底部28との間の空間内に突出位置せしめられた下側取付軸22の先端部に、回動プレート96が、下側取付軸22と一体回動可能に取り付けられている。この回動プレート96は、略長手矩形の平板からなり、下側取付軸22への取付状態下で、前後方向に延びるように位置せしめられている。そして、かかる回動プレート96の下側取付軸22への取付側とは反対側の先端部には、所定長さをもって鉛直下方に真っ直ぐに延びる摺動ピン98が、一体的に立設されている。
一方、ステッピングモータ52は、仕切部92と上側底部28との間の空間内に突出位置せしめられた出力軸63の先端部が、上記回動プレート96の先端部に対して、所定距離だけ前側に離間して、位置せしめられている。また、この出力軸63の先端部には、第一のギヤとしての駆動ギヤ94が、相対回転不能に取り付けられている。
そして、本実施形態においては、特に、かかる駆動ギヤ94におけるギヤ歯の形成部位(外周部)に、切欠部90が、設けられている。この切欠部90は、ギヤ歯形成部位の一部を、径方向に平行な切断線にて切断してなる如き形態を呈し、径方向に延びる、ギヤ歯が何等存在しない平滑な平坦面部分を有して、構成されている。
なお、図8及び図9には明示されてはいないものの、本実施形態の空気吹出口装置にあっても、前記第一及び第二の実施形態と同様に、ステッピングモータ52の回転駆動制御を行う制御機構としてのコントローラと、ステッピングモータ52の駆動及び停止を行う作動スイッチとが設けられている。そして、作動スイッチのON操作により、ステッピングモータ52の駆動が開始されて、ステッピングモータ52の出力軸63とそれに取り付けられた駆動ギヤ94とが、コントローラ67による回転駆動制御の下で、360°よりも所定角度だけ小さな範囲内で往復回転せしめられるようになっている。また、この駆動ギヤ94の回転範囲は、図9に実線で示されるように、切欠部90の平坦面部分が後方側に向かって露呈にせしめられた中央位置から、図9に二点鎖線でそれぞれ示されるように、左右方向にそれぞれ180°に満たない同一の角度で回転せしめられた左側回転限度位置と右側回転限度位置との間の範囲とされている。更に、このようなステッピングモータ52の出力軸63と駆動ギヤ94の往復回転は、作動スイッチのOFF操作によって停止されるようになっている。
そして、かかる空気吹出口装置では、ハウジング10内の仕切部92と上側底部28との間の空間内において、前記駆動ギヤ94よりも後側で且つ前記回動プレート96よりも前側の位置に、往復動プレート32が、前記第一の実施形態と同様な配設構造にて、左右方向に往復移動可能に配設されている。また、この往復動プレート32にあっては、その前面の上部部位に、前方に向かって所定長さ延出する操作ロッド51が、先端部において車室内に突出位置せしめられるように、一体形成されている一方、その下部部位には、第二のギヤとしてのラック部40が、左右方向に連続して真っ直ぐに延びる状態で、一体的に設けられている。更に、かかる往復動プレート32の後面の下部部位には、平板状のフランジ部38が、左右方向に延びるように一体形成されており、また、このフランジ部38の上面には、円弧形状を呈する摺動溝100が、上方に開口して、形成されている。
そして、ここでは、往復動プレート32のラック部40が、駆動ギヤ94に噛合せしめられ得るように位置せしめられていると共に、フランジ部38に設けられた摺動溝100内に、回動プレート96に一体的に立設された摺動ピン98が、摺動可能に突入せしめられている。
かくして、かかる空気吹出口装置においては、作動スイッチのON操作により、コントローラによる制御下でのステッピングモータ52の回転駆動が開始されると、駆動ギヤ94が、前記せる回転範囲内において往復回転せしめられ、それに伴って、往復動プレート32が左右方向に往復移動せしめられるようになる。また、このとき、摺動ピン98が、摺動溝100内を摺動せしめられて、回動プレート96が往復回動せしめられ、それによって、ハウジング10内に設けられた複数の縦ブレード18の全てが、一斉に連動して、自動的に往復回動せしめられるようになっている。そして、その結果、ハウジング10の前方側開口部14を通じて車室内に吹き出される空気の向きが、前後方向に平行な向きを中心として、その左右両側に同じ幅だけ、自動的に且つ連続的に変化させられ得るように構成されている。このことから明らかなように、ここでは、駆動ギヤ94と往復動プレート32と摺動溝100と摺動ピン98と回動プレート96とにて、伝達機構が構成されている。
なお、ここでは、複数の縦ブレード18の往復回動範囲が、各縦ブレード18の向きを前後方向に平行な向きとする基準位置を中心として、その左右両側に同じ幅だけ回動させ得る範囲とされている。また、それら各縦ブレード18が、かかる基準位置に位置せしめられたときに、駆動ギヤ94と往復動プレート32と回動プレート96とが、図9において実線で示される位置、つまり、往復回転乃至は往復移動範囲内の真ん中の中央位置に位置せしめられるようになっている。
そして、ステッピングモータ52の回転駆動により、駆動ギヤ94の回転位置が、かかる中央位置(図9において実線で示される位置)となったときに、切欠部90の平坦面部と、往復動プレート32のラック部40における全てのギヤ歯の歯先面を含む外周面とが、前後方向に所定距離を隔てて対向位置せしめられるようになっている。換言すれば、全ての縦ブレード18の回動位置が、それぞれの向きを前後方向に平行となる向きとする基準位置に達したときに、往復動プレート32のラック部40が、駆動ギヤ94の切欠部90に対して、前後方向に所定間隔を隔てて対向位置せしめられるようになっている。そして、このように、往復動プレート32が、その往復移動によって、ラック部40を駆動ギヤ94の切欠部90に対向位置させる基準位置に達したときに、それら駆動ギヤ94とラック部40との噛合状態が、解消されるようになっている。
また、このような本実施形態においても、前記第一及び第二の実施形態と同様に、複数の縦ブレード18の自動操作が停止せしめられた際に、コントローラによるステッピングモータ52の回転駆動制御によって、各縦ブレード18の回動位置が、常に、前記基準位置とされるようになっており、それによって、複数の縦ブレード18の自動操作が停止せしめられると、駆動ギヤ94と往復動プレート32のラック部40との噛合状態が、自動的に解消されるようになっている。
かくして、かくの如き構造とされた本実施形態の空気吹出口装置では、複数の縦ブレード18の自動操作の停止時に、それらの縦ブレード18を手動操作で回動させる際に、往復動プレート32に一体形成された操作ロッド51の車室内への突出側先端部が把持されて、スライド操作されることとなるが、このとき、駆動ギヤ94と往復動プレート32のラック部40との噛合状態が解消されているため、往復動プレート32が、駆動ギヤ94とは独立して、往復移動せしめられるようになる。これによって、単に、往復動プレート32を往復移動させる操作力を加えるだけで、複数の縦ブレード18の全てを回動させることが出来るようになっている。
従って、このような本実施形態に係る空気吹出口装置にあっても、前記第一の実施形態と第二の実施形態において奏される作用・効果が、有効に享受され得ることとなる。
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎない。本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
例えば、ハウジングが、1個のみであっても、或いは互いに独立した構造をもって3個以上設けられていても、何等差し支えない。
また、第一のギヤに設けられる切欠部の形状や形成位置等は、第二のギヤにおけるギヤ歯形成部位の形状や、第二のギヤの配設位置等によって、適宜に変更され得るところである。
なお、第一のギヤに対する切欠部の形成位置を変更することによって、風向部材の自動操作終了時における回動位置を任意に変更することが可能となる。即ち、前記第一の実施形態では、切欠部90が、第一のギヤたるラック部40の長さ方向の中央部に設けられ、かかる切欠部90の円弧状内周面が、第二のギヤとしての下側ギヤ48に対向位置せしめられたときに、ラック部40が設けられる往復動プレート32の往復移動が停止されるように、コントローラ67によるステッピングモータ52の駆動制御が行われることで、風向部材たる縦ブレード18が、前後方向に平行な向きとなる位置において回動が停止されるようになっていた。しかしながら、例えば、ラック部40の長さ方向の端部に切欠部90を設けた場合には、それに対応して、コントローラ67によるステッピングモータ52の駆動制御を行うことで、縦ブレード18の自動操作の停止時に、縦ブレード18が、前後方向に平行な向きから、左側や右側に傾けられた向きとなる位置で、回動が停止せしめられるようになる。
さらに、第一のギヤや第二のギヤは、例示される平歯車やラック等の形態を呈するギヤの他、例えば扇形態を呈するギヤによって構成することも出来る。
更にまた、駆動手段の駆動力を連動部材に伝達せしめる伝達機構の構造も、公知の構造が適宜に採用され得る。
また、縦ブレード18に代えて、或いはそれに加えて、各ハウジング10,12内に配される横ブレード20を、ステッピングモータ52の回転駆動に伴って、自動的に往復回動せしめるように構成しても良い。また、縦ブレード18と横ブレード20とを、共に自動的に往復回動させる場合には、それら縦ブレード18と横ブレード20とを同時に或いは独立的に往復回動せしめるように為すことも可能である。
さらに、各ハウジング10,12の形状や、そこに配される縦ブレード18及び横ブレード20の個数や形状、及びその支持形態は、前記実施形態に示されるものに限定されるものではない。それらは、各ハウジング10,12の配設位置や要求される機能等によって、適宜に選択設定されるべきものである。また、各ハウジング10,12内に、風向部材として、縦ブレード18と横ブレード20の何れか一方のみを配設するようにしても、勿論良い。
また、ステッピングモータ52の回転運動を往復運動に変換する運動変換機構を設ける場合には、この運動変換機構として、例示されるものの他、公知の種々なる運動変換機構が適宜用いられ得る。従って、例えば、かかる運動変換機構をカム機構やリンク機構等によって構成することも、可能である。
加えて、前記実施形態では、本発明を、自動車のインストルメントパネルに取り付けられる空気吹出口装置に対して、適用したものの具体例を示した。しかしながら、本発明は、その他、自動車のインストルメントパネル以外に取り付けられる空気吹出口装置、或いは自動車以外の車両に取り付けられる空気吹出口装置の何れに対しても、有利に適用され得るものであることは、勿論である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものである。また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることが、理解されるべきである。
本発明に従う車両用空気吹出口装置の一例を示す正面説明図である。 図1におけるII−II断面拡大説明図である。 図1のIII−III断面における部分拡大説明図である。 図1におけるIV−IV断面拡大説明図である。 図1に示された車両用空気吹出口装置に組み込まれる連結部材を示す斜視説明図である。 本発明に従う車両用空気吹出口装置の別の例を示す図2に対応する図である。 図6におけるVII−VII断面説明図である。 本発明に従う車両用空気吹出口装置の更に別の例を示す図2に対応する図である。 図8におけるIX−IX断面説明図である。
符号の説明
10 第一のハウジング 12 第二のハウジング
18 縦ブレード 20 横ブレード
26 連動プレート 32 往復動プレート
40 ラック部 44 クラッチ機構
50 連動ギヤ 52 駆動モータ
63 出力軸 64 クランク
66 スライドプレート 67 コントローラ
84 連結部材 90 切欠部
94 駆動ギヤ 96 回動プレート
98 摺動ピン 100 摺動溝

Claims (2)

  1. 車室内に開口するハウジングの開口部内に回動可能に配設された複数の風向部材を、それら複数の風向部材に連結された連動部材によって、連動して回動させるようにする一方、駆動手段の駆動力を前記連動部材に伝達せしめて、該連動部材による前記複数の風向部材の回動を行なわしめるようにした車両用空気吹出口装置において、
    前記駆動手段側に接続され、該駆動手段の駆動力により往復動又は往復回転せしめられる第一のギヤと、前記連動部材側に接続され、該第一のギヤに噛合して、該駆動手段の駆動力による該第一のギヤの往復動又は往復回転に伴って往復回転又は往復動せしめられることにより、該駆動手段の駆動力を該連動部材に伝達せしめる第二のギヤとを含んで構成された伝達機構
    該第一のギヤにおけるギヤ歯の形成部位に、該ギヤ歯が除去された切欠部を形成して、該第一のギヤが、往復動又は往復回転により、該切欠部を該第二のギヤにおけるギヤ歯の形成部位に対向させる基準位置に位置せしめられたときに、該第一のギヤと該第二のギヤとの噛合が解消されるように構成してなる噛合解消機構と
    前記第二のギヤに接続されて、該第二のギヤと前記第一のギヤとの噛合が解消せしめられたときに、手動操作にて、該第二のギヤのみを回転又は移動させることにより、前記連動部材を介して前記複数の風向部材を回動せしめて、吹出空気の向きを変化させ得るようにした手動操作部材と、
    記駆動手段の駆動力に基づく前記複数の風向部材の回動を停止させる際に、前記第一のギヤが前記基準位置に位置せしめられた状態で、該第一のギヤの往復動又は往復回転を停止させるように、前記駆動手段の駆動を制御する制御機構
    けたことを特徴とする車両用空気吹出口装置。
  2. 前記複数の風向部材に対して一定の大きさの力よりも大きな力が作用せしめられたときに、該大きな力が作用された風向部材への前記伝達機構を介しての駆動手段の駆動力の伝達を遮断するクラッチ機構が、更に設けられている請求項1に記載の車両用空気吹出口装置。
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