JP4180629B2 - クラッチ機構並びに車両用空気吹出口装置 - Google Patents

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本発明は、クラッチ機構並びに車両用空気吹出口装置に係り、特に、駆動手段と回転駆動軸との間に介在せしめられるクラッチ機構の改良された構造と、そのようなクラッチ機構を含んで構成された車両用空気吹出口装置の新規な構造とに関するものである。
よく知られているように、各種の装置や機械等における駆動力の出力系と入力系との間に動力伝達機構として介装されるクラッチ機構は、単に、駆動力を伝達する機能だけでなく、例えば、外部からの操作に基づいて駆動力を遮断する機能や、伝達されるべき駆動力の大きさが予め設定された値以上となったときに駆動力を遮断する機能等を有しており、駆動力を任意のタイミングで伝達/遮断する装置や、過大な駆動力の伝達を阻止する安全装置等として、広く使用されている。
ところで、そのようなクラッチ機構を有する装置の一つとして、例えば、車室内への吹出空気の向きを変えるための車両用空気吹出口装置がある。この空気吹出口装置にあっては、一般に、車室内に開口するハウジングの開口部内に、平板形状等、各種形状を有する1個又は複数のブレード(風向部材)が、ハウジング内に立設された回転駆動軸回りに回転乃至は回動可能に配設されており、この回転駆動軸と、それを回転駆動させるために設けられる電動モータ等の駆動手段との間に、クラッチ機構が介装されているのである。
そして、従来から、車両用空気吹出口装置に設けられるクラッチ機構として、様々な構造のものが、種々提案されている。例えば、下記特許文献1に開示の空気吹出口装置に設けられるクラッチ機構にあっては、駆動手段の駆動力により往復移動せしめられる往復動部材と、複数のブレードを連結して、それらの配設方向に往復移動可能とされた連動部材対して一体移動可能に連結されると共に、所定の付勢力に基づく摩擦力をもって、往復動部材に当接せしめられる摩擦面を備えた板ばね等の付勢部材とを含んで構成され、かかる付勢部材の摩擦面に掛かる摩擦力よりも大きな力が作用したときに、付勢部材と往復動部材との相対移動が許容されて、駆動手段の駆動力の連動部材への伝達が遮断されるようになっている。また、下記特許文献2に開示された空気吹出口装置のクラッチ機構は、駆動手段側と連動部材側のうちの何れか一方に接続された、永久磁石からなるクラッチ部材と、それらのうちの何れか他方に接続されて、クラッチ部材が吸着せしめられる、磁性体からなる対向部材とを含んで構成され、クラッチ部材と対向部材との間に、クラッチ部材の吸着力よりも大きな力が作用したときに、クラッチ部材と対向部材との相対移動が許容されて、駆動手段の駆動力の連動部材への伝達が遮断されるようになっている。
かくして、かくの如きクラッチ機構を有する従来の空気吹出口装置においては、摩擦力や吸着力に基づいてクラッチ滑りが防止されて、回転駆動軸やブレードを駆動手段の駆動力により自動的に回転乃至は回動させる自動操作が実現される一方、かかる回転駆動軸やブレードの自動操作の停止時等において、摩擦力や吸着力よりも大きな力で、ブレードの回動(回転駆動軸の回転)を手動操作することにより、吹出空気の向きが、マニュアル操作にて容易に変更せしめられ得るように構成されている。
ところが、上記の如き従来の空気吹出口装置に設けられるクラッチ機構にあっては、クラッチ荷重が、板ばね等の付勢部材の摩擦力や、永久磁石からなるクラッチ部材の吸着力に基づく一定の大きさとされている。それ故、回転駆動軸やブレードの自動操作時におけるクラッチ滑りの発生をより確実に防止するために、クラッチ荷重を大きく設定すると、手動によるブレードの回動(回転駆動軸の回転)時の操作荷重が重くなり、操作フィーリングが損なわれるといった問題が惹起され、一方、クラッチ荷重を小さくすると、今度は、回転駆動軸やブレードの自動操作時に、クラッチ滑りが生じ易くなって、駆動手段の駆動力の連動部材への伝達が不十分となる恐れがあった。
かかる状況下、下記特許文献3には、上記の問題を解消すべく、下記特許文献2に開示の装置を改良した空気吹出口装置のクラッチ機構が、明らかにされている。即ち、そこでは、クラッチ機構を構成するクラッチ部材が、電磁石と、これに一体的に組み付けられた磁性体とにて、構成されている。これにより、回転駆動軸やブレードの自動操作時に、電磁石からなるクラッチ部材の励磁力が強くされることで、クラッチ荷重が増大せしめられて、クラッチ滑りが効果的に防止され、以て、駆動手段の駆動力が、連動部材に対して十分に且つ安定的に伝達され得るようになっている。また、ブレード(回転駆動軸)の手動操作時には、クラッチ部材の励磁力が弱くされることで、クラッチ荷重が減少せしめられて、ブレード(回転駆動軸)の操作荷重も小さくされ、その結果、良好な操作フィーリングが得られるようになっているのである。
しかしながら、かくの如き従来のクラッチ機構にあっては、クラッチ部材が電磁石にて構成されているため、付勢部材の摩擦力や永久磁石の吸着力に基づいてクラッチ荷重が得られるようにした、それまでの装置に比して、クラッチ部材、ひいてはクラッチ機構の全体が高価なものとなっていた。しかも、クラッチ部材の励磁力を制御するために、駆動手段の駆動制御を行う制御装置とは別の制御装置をも必要となっており、それらの結果として、装置全体の製造コストが高騰し、更にはその構造も複雑なものとなってしまうことが避けられず、それらの点において、未だ改良の余地が存していたのである。
特開平5−118638号公報 特開平8−207555号公報 実開平6−4543号公報
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、回転駆動軸の自動操作時に、駆動手段の駆動力を回転駆動軸に対して十分に且つ安定的に伝達しつつ、回転駆動軸の手動操作時に、良好な操作フィーリングを確保し得るように改良された構造が、可及的に低いコストと簡略な構造とをもって有利に実現されてなるクラッチ機構と、そのようなクラッチ機構が装備された車両用空気吹出口装置の新規な構造とを提供することにある。
そして、本発明にあっては、クラッチ機構に係る課題の解決のために、その要旨とするところは、駆動手段の駆動力を所定の回転駆動軸に伝達して、該回転駆動軸を回転駆動させるクラッチ機構であって、(a)前記回転駆動軸に対して相対回転不能に支持された第一のギヤと、(b)該第一のギヤに噛合して、該第一のギヤの回転に伴って回転せしめられるように配置されると共に、回転方向において相互に離間して配設された二つの第一係合部と、それら二つの第一係合部の配設部位とは別個の部位に設けられた第二係合部とを有する第二のギヤと、(c)前記駆動手段側に接続され、該駆動手段の駆動力によって回動せしめられる一方、該駆動手段の駆動停止時に回動が規制される回動体と、(d)該回動体に対して一体回動可能に支持されると共に、前記第二のギヤにおける前記二つの第一係合部同士の間に突入せしめられた突入位置と、それら二つの第一係合部同士の間から離脱せしめられた引込位置との間で移動可能とされ、該突入位置に位置せしめられた状態下で、該回動体と一体回動せしめられたときに該二つの第一係合部に係合して、前記第二のギヤを回転させる移動体と、(e)前記回動体に対して一体回動可能に支持されると共に、前記移動体が前記引込位置に向かって移動せしめられるときに、該移動体に対して、それを前記突入位置に向かって移動させる方向に付勢力を発揮する付勢手段と、(f)前記第二のギヤの回転により前記第二係合部に係合して、該第二のギヤの回転方向に押圧される第三係合部を有して、該第二のギヤの回転軸回りに回転可能に配置され、該第二係合部と該第三係合部との係合状態下で、該第二のギヤが該第二係合部にて該第三係合部を押圧する方向に回転せしめられたときに、該第二のギヤと一体回転せしめられる回転体と、(g)前記回動体の回動が規制された状態下で、前記第二係合部が前記第三係合部を押圧する方向において前記第二のギヤと前記回転体とが一体回転せしめられたときに、かかる回転体の回転に伴って前記移動体に摺動しつつ、該移動体を前記引込位置に向かって押圧し、前記付勢手段の付勢力に抗して、該引込位置にまで移動させる、該回転体に設けられた押圧部とを含んで構成したことを特徴とするクラッチ機構にある。
なお、このような本発明に従うクラッチ機構の好ましい態様の一つによれば、前記移動体が前記第二のギヤと前記回転体との一体回転によって前記引込位置にまで移動せしめられた状態下で、該移動体を該引込位置にまで移動させる方向への該回転体の更なる回転を規制する回転規制手段を、更に含んで構成される。
また、本発明に係るクラッチ機構の好ましい別の態様の一つによれば、前記第二のギヤの回転軸が立設され、且つ該第二のギヤと前記回転体とが該回転軸回りに回転可能に支持された支持部を更に有して構成されると共に、前記移動体が前記第二のギヤと前記回転体の一体回転によって前記引込位置にまで移動せしめられた状態下で、該支持部の一部に接触して、該移動体を該引込位置にまで移動させる方向への該回転体の更なる回転を阻止するストッパ部が、該回転体に設けられて、該ストッパ部と該支持部の該ストッパ部との接触部とにて、前記回転規制手段が構成される。
さらに、本発明に従うクラッチ機構の望ましい態様の一つによれば、前記第二のギヤの外周面に、前記移動体が突入可能な凹所が設けられて、該移動体の該凹所内への突入状態下で、該移動体の突入部位を間に挟んで、該第二のギヤの外周面の周方向の両側にそれそれ位置する該凹所の二つの内面部分にて、前記二つの第一係合部が、それぞれ構成されることとなる。
更にまた、本発明に係るクラッチ機構の望ましい他の態様に一つによれば、前記移動体が前記第二のギヤと回転体との一体回転によって前記引込位置にまで移動せしめられた状態下で、該移動体の前記押圧部との接触部位が突入せしめられる係合凹部が、該押圧部に設けられて、該係合凹部に突入せしめられた該移動体の接触部位が、前記付勢手段の付勢力によって、該係合凹部の底面に押圧接触せしめられるように構成される。
また、本発明に従うクラッチ機構の好適な態様の一つによれば、前記回転体の外周側から内周側に向かって、前記移動体を引込位置にまで移動させるときの該回転体と前記第二のギヤとの一体回転方向の前方側に傾斜乃至は湾曲して延出し、かかる第二のギヤと回転体との一体回転に伴って、前記二つの第一係合部の間に突入位置せしめられた前記移動体の突入部位に摺動して、該移動体を前記引込位置にまで移動させる摺動面と、該摺動面における該回転体の外周側の端部から前記第二のギヤと回転体との一体回転方向の後方側に向かって連続的に延出し、該移動体の該引込位置での配置状態が維持されるように、前記付勢手段の付勢力に抗して、該移動体を押圧する押圧面とを有して、前記押圧部が構成されることとなる。
さらに、本発明に従うクラッチ機構の別の好適な態様の一つによれば、前記回転体が、前記第二のギヤを間に挟んで軸方向の両側にそれぞれ一つずつ配置され、前記移動体が前記突入位置に配置された状態下で、該二つの回転体のうちの軸方向一方側に配置された第一の回転体と、それらのうちの軸方向他方側に配置された第二の回転体とが、それら第一及び第二の回転体にそれぞれ設けられた前記第三係合部が前記第二係合部にて押圧される方向において、前記第二のギヤと一体回転せしめられたときに、該第一の回転体と該第二の回転体に各々設けられた前記押圧部にて、前記移動体が押圧されて、前記引込位置にまで移動させられるように構成される。
そしてまた、本発明にあっては、前記せる車両用空気吹出口装置に係る課題の解決のために、車室内に開口するハウジングの開口部内に配設された風向部材が支持される回転駆動軸と駆動手段とをクラッチ機構を介して連結し、該クラッチ機構にて、該駆動手段の駆動力を該回転駆動軸に伝達せしめて、該風向部材の回動を行なわしめるようにした車両用空気吹出口装置において、前記クラッチ機構を、上述せる如き各種の構造を備えたクラッチ機構にて構成したことを特徴とする車両用空気吹出口装置をも、その要旨とするものである。
上記せる如く、本発明に従うクラッチ機構にあっては、移動体が突入位置に位置せしめられること、つまり、移動体が、第二のギヤに設けられた二つの第一係合部の間に突入し、かかる二つの第一係合部に対して、それらを第二のギヤの回転方向に押圧し得るように係合せしめられることで、駆動手段の駆動力により回動する回動体と、回転駆動軸に支持された第一のギヤと噛合する第二のギヤとが、移動体を介して連結されるようになっている。そして、そのような状態下において、移動体が、駆動手段の駆動力により回動体と一体回動せしめられることで、移動体に連結された第二のギヤと、それに噛合する第一のギヤと、第一ギヤが相対回転不能に支持される回転駆動軸とが、共に回転せしめられるようになっている。
かくして、本発明に係るクラッチ機構では、駆動手段の駆動力により回転駆動軸を回転させる自動操作が実現されており、しかも、そのような回転駆動軸の自動操作が、移動体が二つの第一係合部に係合せしめられた状態で行われるようになっているところから、回転駆動軸の自動操作時における移動体と第二のギヤとの間でのクラッチ滑りの発生が、より有利に防止され得る。
また、本発明に係るクラッチ機構においては、駆動手段の駆動停止時に、回動体の回動が規制された状態で、回転駆動軸が手動により回転操作されると、互いに噛合した第一のギヤと第二のギヤとが共に回転せしめられるようになり、更にこのとき、第二のギヤが、それに設けられた第二係合部にて、回転体が有する第三係合部を第二のギヤの回転方向に押圧する方向に回転せしめられることで、回転体が、第二のギヤと一体回転せしめられるようになる。そして、このような回転体と第二のギヤとの一体回転により、移動体が、回転体に設けられた押圧部にて押圧されて、付勢手段の付勢力に抗して、第二のギヤにおける2個の第一係合部の間から離脱する引込位置にまで移動せしめられ、以て、移動体と第二のギヤとの連結状態が解消されるようになっている。
これによって、かかるクラッチ機構では、駆動手段の駆動停止時に回動体の回動が規制された状態下で、回転駆動軸が、手動により、単に、第一のギヤの回転に伴って第二のギヤを回転させるだけの十分に小さな操作荷重にて、容易に回転操作され得ることとなる。しかも、従来のクラッチ機構とは異なって、回転駆動軸の手動による操作荷重を低下させるのに、電磁石からなるクラッチ部材が何等用いられていないところから、電磁石の使用によるコストの高騰や構造の複雑化が、有利に回避され得る。
従って、かくの如き本発明に従うクラッチ機構にあっては、駆動手段の駆動力を回転駆動軸に対して十分に且つ安定的に伝達しつつ、回転駆動軸の自動操作が確実に行われ得るだけでなく、回転駆動軸の手動操作が、操作荷重の小さい、良好な操作フィーリングで容易に行われ得るのであり、しかも、それらが、可及的に低いコストと簡略な構造とをもって、極めて有利に実現され得るのである。
また、本発明に従う車両用空気吹出口装置においては、上記の如き優れた特徴を発揮するクラッチ機構を有するところから、回転駆動軸に支持される風向部材の自動操作時に、駆動手段の駆動力が、回転駆動軸や風向部材に対して十分に且つ安定的に伝達され得ると共に、風向部材の手動操作時には、良好な操作フィーリングが効果的に得られ、しかも、それらが、可及的に低いコストと簡略な構造とをもって有利に実現され得る。そして、その結果として、従来装置では到底得られることのない優れた操作性と使用性とが、極めて有効に発揮され得ることとなるのである。
以下、本発明をより具体的に明らかにするために、本発明の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明に従う構造を有する車両用吹出口装置の一例として、自動車のインストルメントパネルに取り付けられる空気吹出口装置が、概略的に示されている。かかる図からも明らかなように、本実施形態の空気吹出口装置は、第一及び第二の空気吹出口装置10,12を有して、構成されている。また、それら第一及び第二の空気吹出口装置10,12は、互いに独立した矩形筒状のハウジング14,16を、更に有している。そして、このような第一及び第二の空気吹出口装置10,12は、それぞれのハウジング14,16が、自動車のインストルメントパネルに取り付けられて、その後方開口部が、例えば冷暖房装置の空気通路に接続されている。これによって、冷暖房装置から供給される空気が前方開口部から車室内に吹き出されるようになっている。なお、第一の空気吹出口装置10と第二の空気吹出口装置12は、互いに同一の構造を有している。それ故、以下からは、それらを代表して、第一の空気吹出口装置10の構造についてのみ、具体的に説明することとする。
すなわち、図2に示される如く、第一の空気吹出口装置10のハウジング14内には、風向部材たる縦ブレード18と横ブレード20とが、それぞれ複数個ずつ配設されている。それら縦及び横ブレード18,20は、何れも、長手の平板形状を呈している。そして、それらは、従来と同様に、相対向する壁部間に跨がって、位置せしめられている。
また、複数の縦ブレード18は、互いに平行に、且つ左右方向(図2において、紙面に垂直な方向)に一列に並べられた状態で、ハウジング14内にそれぞれ配されている。そして、上下方向両側端部に設けられた、回転駆動軸としての取付軸22にて、ハウジング14の上下に対向する二つの壁部に対して、取付軸22回りに回動可能に軸着されている。また、これら複数の縦ブレード18においては、その下端部に設けられたピン24が、左右方向に延びる連動プレート26にて相互に連結されている。これによって、複数の縦ブレード18のうちの何れか一つのものの回動に従って、複数の縦ブレード18の全てが、互いに平行状態を維持しつつ、連動して、取付軸22回りの左右方向に一斉に回動せしめられるようになっている。
一方、複数の横ブレード20は、ハウジング14内において、互いに平行に、且つ上下方向に一列に並べられた状態で配されている。また、図2には明示されてはいないものの、それら複数の横ブレード20にあっても、複数の縦ブレード18と同様に、ハウジング14の左右に対向する二つの壁部に対して、それぞれ一軸回りに回動可能に取り付けられている。更に、複数の横ブレード20は、上下方向に延びる連動プレートによって相互に連結されている。これによって、複数の横ブレード20のうちの何れか一つのものの回動に従って、全ての横ブレード20が、互いに平行状態を維持しつつ連動して、前記一軸回りの上下方向に一斉に回動せしめられるようになっている。
また、ここでは、それら複数の横ブレード20のうちの配列方向中央に位置するものに対して、操作ノブ27が、取り付けられている。この操作ノブ27は、摘み部29と、この摘み部29から一体的に延び出した一対の挟持部31,31とからなっている。そして、摘み部29が、ハウジング14の開口部から車室内に露出せしめられている一方、一対の挟持部31,31が、上記中央の横ブレード20を、その厚さ方向において挟持しており、以て、操作ノブ27が、中央の横ブレード20に対して、その長さ方向(左右方向)にスライド摺動可能に取り付けられている。また、かかる操作ノブ27における一対の挟持部31,31のうちの一方が、複数の縦ブレード18のうちの配列方向中央に位置するものに向かって延び出しており、更に、その先端部に、二股部32が形成されている。そして、この二股部32が、中央の縦ブレード18を、その厚さ方向両側から挟むように配置されている。
かくして、ここでは、摘み部29を摘んで、操作ノブ27を上下方向に回動させることによって、複数の横ブレード20の全てが、手動で上下方向に回動せしめられるようになっており、また、操作ノブ27を左右方向にスライドさせることで、複数の縦ブレード18の全てが、手動で左右方向に回動せしめられるようになっている。
そして、このようなハウジング14の上下に対向する二つの壁部のうちの下側壁部の下方には、往復動プレート28が、複数の縦ブレード18の配列方向である左右方向に往復移動可能に配設されている。また、複数の縦ブレード18のうちの配列方向の中央に位置するものの下側取付軸22が、ハウジング14の下側壁部を貫通して、下方に延び出しており、この下側取付軸22の下端部と、上記往復動プレート28との間に、クラッチ機構30が、介装されている。
図3及び図4から明らかな如く、往復動プレート28は、全体として、長手の平板形状を呈しており、下面の中央部に、鈎形状の係合爪34が、突設されている。また、幅方向の一方側の側面には、長さ方向に連続して延びるラック部36が、一体的に設けられている。
そして、このような往復動プレート28が、クラッチ機構30の一部を構成する筐体状のケーシング38の下側に、長さ方向を、複数の縦ブレード18の配列方向(左右方向)に対応させて、ケーシング38の下面と対向して配置されている。また、かかる配置状態下で、往復動プレート28は、ケーシング38の下面に対して、上下方向に所定距離隔てて対向して左右方向に延び且つ左右方向と直角な方向に離間して位置するように設けられた複数の支持板部40と、ケーシング38との下面との互いの対向面間に、摺動可能に挟持されている。これによって、往復動プレート28が、ケーシング38に対して、その下側において、複数の縦ブレード18の配列方向に往復動可能に支持されている。
また、往復動プレート28の係合爪34には、例えば長尺なピアノ線等からなる連結部材42の一端部が係合して、取り付けられている。そして、この連結部材42が、図示しないステッピングモータ等の駆動手段に対して、かかるステッピングモータの回転運動を左右方向の往復運動に変換する運動変換機構を介して、連結されており、以て、往復動プレート28が、ステッピングモータの回転駆動に伴って、往復動せしめられ得るようになっている。また、ここでは、ステッピングモータの駆動停止状態では、ステッピングモータのディテントトルクや、運動変換機構の構成部材同士及びかかる構成部材と連結部材42同士の間の摩擦力等によって、往復動プレート28が容易には往復動せしめられないように、往復動プレート28の往復動が規制されるようになっている。なお、このように、往復動プレート28をステッピングモータの回転駆動により往復動させる構造としては、例えば、特開2005−138616号公報に記載される構造が、そのまま、好適に採用され得る。
そして、本実施形態においては、このような往復動プレート28と縦ブレード18の下側取付軸22との間に介在せしめられるクラッチ機構30が、従来には見られない特別な構造を有して、構成されているのである。
すなわち、かかるクラッチ機構30は、図3に示されるように、上記せる往復動プレート28を支持する、支持部としての略矩形筐体状のケーシング38を有している。また、このケーシング38の内部には、回転軸44が、上下方向に延びるように収容されて、支持されており、更に、かかる回転軸44には、回動体46と、第二の回転体としての下側回転体48と、第二のギヤたる駆動ギヤ50と、第一の回転体としての上側回転体52とが、その順番で下から順に積み重ねられて、外挿配置されている。そして、図5に示される如く、回転軸44の上端部にEリング53が嵌着されることにより、それら回動体46と下側回転体48と駆動ギヤ50と上側回転体52とが、回転軸44に対して、かかるEリング53と回転軸44の下端部に設けられた大径部分との間で挟持された状態で、互いに相対回転可能に取り付けられている。
而して、回転軸44の下端側部分に取り付けられる回動体46は、図3、図4、及び図6から明らかなように、ギヤ部54と筒状支持部56とを一体的に有している。ギヤ部54は、全体として平歯車形態を有すると共に、この平歯車の上端面に、略薄肉円板状の連結板部58が一体成形されてなる構造とされている。そして、かかるギヤ部54が、回転軸44に対して回転可能に取り付けられ、更に、ケーシング38の下面に対して往復動可能に支持された往復動プレート28のラック部36に噛合せしめられている。これによって、図示しないステッピングモータの駆動による往復動プレート28の往復動に伴って、ギヤ部54、更には回動体46の全体が、回転軸44回りに回転乃至は回動せしめられるようになっている。
一方、筒状支持部56は、全体として、略片側有底の段付角筒形状を呈し、側壁部の一つが、開口側端部において、ギヤ部54における連結板部58の外周部に一体化されている。換言すれば、筒状支持部56は、ギヤ部54における連結板部58の外周部の一部から径方向外方に延出し、且つ連結板部58の上端面から上方に延びる軸心の延長線に向かって開口するように、水平方向に横転せしめられた状態で、ギヤ部54に対して一体的に連結されている。また、この筒状支持部56においては、その底部に、矩形の挿通孔64が穿設されており、更に、ギヤ部54の連結板部58と一体化せしめられる下側側壁部と、それと上下方向に対向位置する上側側壁部のそれぞれの内面の上下方向に対応する部分には、凹溝状の案内溝66が、軸方向に真っ直ぐに延びるように、各々一つずつ形成されている。
そして、かかる筒状支持部56内には、移動体68が、軸方向に移動可能に収容配置されている。この移動体68は、筒状支持部56の底部に設けられた挿通孔64よりも一周り小さい矩形の横断面形状と、筒状支持部56よりも所定寸法長い軸方向長さとを有する、比較的に厚肉の矩形平板形状を呈している。そして、そのような移動体68においては、筒状支持部56内への収容状態下で、その開口部側に位置する軸方向一端部が、半円状の横断面形状を有する円弧状係合部70とされている。また、かかる円弧状係合部70よりも軸方向中央側の部分には、その両側側面に、厚さ方向に所定高さ突出し且つ幅方向(図6における紙面に垂直な方向)に連続して延びる板状突部72が、各々一体形成されており、更に、上下両側端面には、筒状支持部56の内面に設けられた前記案内溝66の溝幅よりも薄肉で且つその軸方向長さよりも短い軸方向長さを有する矩形板状の摺動突起74が、それぞれ一体的に設けられている。
そして、このような移動体68にあっては、筒状支持部56内への収容状態下で、円弧状係合部70が、筒状支持部56の開口部から外方に突出せしめられる一方、円弧状係合部70とは反対側の端部が、筒状支持部56の挿通孔64内に突入位置せしめられ、更に、二つの摺動突起74,74が、筒状支持部56の内面に設けられた二つの案内溝66内に、摺動可能に突入配置されている。また、この移動体68が収容された筒状支持部56内には、付勢手段としての圧縮コイルばね76が、移動体68に外挿されて、筒状支持部56の底部と移動体68の二つの板状突部72,72との間に、それらに対して両側端部を各々係止させた状態で、収容配置されている。
これによって、移動体68が、円弧状係合部70を筒状支持部56の開口部から外方に突出させた位置と、圧縮コイルばね76の付勢力に抗して、円弧状係合部70を筒状支持部56内に引き込ませた位置との間で、筒状支持部56の各案内溝66に案内されつつ、移動し得るようになっている。そして、それと共に、かかる移動体68にあっては、図示しないステッピングモータの駆動による往復動プレート28の往復動に伴って、ギヤ部54が回転軸44回りに回転して、回動体46の全体が回動せしめられたときに、筒状支持部56と共に一体回動し得るように構成されている。
また、かかる回動体46の上に、下側回転体48と上側回転体52との間に挟まれた状態で積み重ねられた駆動ギヤ50は、図3及び図6に示されるように、外周面の略1/2周分の部分のみに複数のギヤ歯が設けられてなる欠歯の平歯車形態を有している。そして、この駆動ギヤ50におけるギヤ歯が設けられていない略1/2周分の外周面部分の周方向中央部には、凹所60が、設けられている。また、この凹所60にあっては、底面が、移動体68における円弧状係合部70の先端面に対応した円弧面形状を呈する接触面61とされると共に、駆動ギヤ50の外周面の周方向両側に位置する内面部分(側面部分)が、それぞれ、互いに交差する二つの径方向に延びる、第一係合部としての第一係合面62a及び第二係合面62bとされている。
また、駆動ギヤ50の上下両側の端面におけるギヤ歯形成側部分の外周部には、第二係合部としての係合ピン63が、それぞれ一つずつ、所定高さを有する丸棒形態を有して、一体的に立設されている(図5参照)。そして、駆動ギヤ50の上面に設けられた係合ピン63(図6に二点鎖線で示す)は、駆動ギヤ50におけるギヤ形成側部分の外周部のうち、駆動ギヤ50の、図6における右回り(時計回り)の回転方向前方側の端側部位に配設されている。また、駆動ギヤ50の下面に設けられた係合ピン63(図6に破線で示す)は、駆動ギヤ50におけるギヤ形成側部分の外周部のうち、駆動ギヤ50の、図6における、左回り(反時計回り)の回転方向後方側の端側部位に配設されている。
そして、このような駆動ギヤ50が、下側回転体48を介して、回動体46のギヤ部54に積み重ねられた状態で、回転軸44に対して、回動体46と相対回転可能に取り付けられている。また、そのような回転軸44への取付状態下で、前記縦ブレード18の取付軸22のうち、ハウジング14の下側壁部を貫通するものの下端部に一体回転可能に取り付けられた、第一のギヤとしての伝導ギヤ65に噛合せしめられており、更に、凹所60内に、移動体68における回動体46の筒状支持部56内から突出する円弧状係合部70が突入せしめられている。そうして、かかる凹所60内に突入した円弧状係合部70が、回動体46の筒状支持部56内に収容された圧縮コイルばね76の付勢力により、凹所60の接触面61に押圧接触させられていると共に、円弧状係合部70を間に挟んで駆動ギヤ50の周方向両側に位置する第一係合面62aと第二係合面62bとに対して、それぞれ係合されている。
一方、駆動ギヤ50と回動体46との間に積み重ねられた下側回転体48は、図3及び図7に示されるように、全体として、回動体46のギヤ部54よりも所定寸法小さな外径と、比較的に厚い肉厚と、低い高さとを有する円筒形状を呈している。そして、この下側回転体48の上端部の外周面のうち、周方向に互いに隣り合って位置する、略1/4周分を占める二つの部位には、ストッパ部78と、押圧部としての摺動大径部80とが、それぞれ一体的に設けられている。
すなわち、ストッパ部78は、全体として、長手の板状形態を呈しており、下側回転体48の上端部の外周面における前記周方向に隣り合う二つの部位のうち、下側回転体48の、図7における左回りの回転方向の前方側に位置する部位に一体形成されている。また、後述するように、下側回転体48は、その外周面において、移動体68の円弧状係合部70と接触しているのであるが、ストッパ部78は、この移動体68の移動方向に対して直角な方向のうち、隣り合う別の一つの部位側とは反対側に向かって真っ直ぐに延出しているのである。
一方、摺動大径部80は、下側回転体48の外径や、駆動ギヤ50の外周面のうち、凹所60が形成された、ギヤ歯のない外周面部分の外径よりも所定寸法だけ外径の大きな円環板の略1/4周分の部分からなる部分円環板形状を有している。そして、下側回転体48の上端部外周面の上記せる二つの部位のうち、下側回転体48の、図7における左回りの回転方向の後方側に位置する部位に対して、周方向に略1/4周分の長さで延びるように、一体形成されている。
また、ここでは、そのような部分円環板状の摺動大径部80の周方向両側に位置する二つの側面うち、下側回転体48の、図7における左回りの回転方向の前方側、つまり、ストッパ部78の形成側に位置する側面が、摺動面82とされている一方、それとは反対側の側面が、第三係合部としての係合面84とされている。そして、それら摺動面82と係合面84のうち、係合面84は、下側回転体48の径方向の一方向に真っ直ぐに延びる平面にて、構成されている。一方、摺動面82は、摺動大径部80の外周面の周方向におけるストッパ部78の形成側の端縁部位から下側回転体48の内周側に向かって、下側回転体48の中心よりもストッパ部78の形成側に傾斜して延びる平坦な傾斜面にて、構成されている。
さらに、摺動大径部80の外周面の全体が、円弧面からなる押圧面85とされており、また、そのような押圧面85のうち、その周方向中央部よりも摺動面82側、つまりストッパ部78の形成側に位置する部分には、係合凹部86が設けられている。なお、この係合凹部86は、浅い深さを有し、その内面形状が、移動体68の円弧状係合部70における円弧状の先端面に対応した円弧面形状とされている。
そして、このような下側回転体48が、回動体46のギヤ部54における連結板部58上に積み重ねられた状態で、回転軸44に対して、回動体46や駆動ギヤ50と相対回転可能に取り付けられている。また、そのような状態下で、下側回転体48にあっては、前記移動体68における回動体46の筒状支持部56内から突出する円弧状係合部70が、ストッパ部78と摺動大径部80との間に挟まれて位置する外周面部分に、圧縮コイルばね76の付勢力に基づいて押圧接触して、摺動大径部80の摺動面82に係合せしめられており、更に、前記せる駆動ギヤ50の下面に設けられた係合ピン63が、駆動ギヤ50の左回りの回転時に、摺動大径部80の係合面84に、係合して、それを押圧し得るように配置されている。
また、駆動ギヤ50に対して、それを下側回転体48との間で挟んだ状態で積み重ねられた上側回転体52は、図3及び図8から明らかなように、下側回転体48と同様な形状と構造とを有して、構成されている。即ち、上側回転体52も、全体として、回動体46のギヤ部54よりも所定寸法小さな外径と、比較的に厚い肉厚と、低い高さとを有する円筒形状を呈している。そして、この上側回転体52の下端部の外周面のうち、周方向に互いに隣り合って位置する、略1/4周分を占める二つの部位に、ストッパ部78と摺動大径部80とが、それぞれ一体的に設けられている。また、それらストッパ部78と摺動大径部80は、下側回転体48に設けられたストッパ部78と摺動大径部80と同一の形状と構造とを有し、摺動大径部80の両側側面が、それぞれ、摺動面82と係合面84とされていると共に、摺動大径部80の外周面が押圧面85とされ、更にこの押圧面85には、係合凹部86が設けられている。
なお、この上側回転体52にあっては、ストッパ部78と摺動大径部80の周方向における形成位置が、下側回転体48のそれとは反対となっている。つまり、上側回転体52の下端部の外周面における周方向に隣り合う略1/4周分の二つの部位のうち、上側回転体52の、図8における右回りの回転方向の前方側に位置する部位に、ストッパ部78が一体形成されている一方、かかる回転方向の後方側に位置する部位に、摺動大径部80が一体形成されているのである。また、それに応じて、摺動大径部80の二つの側面のうち、右回りの回転方向の前方側に位置する側面が、摺動面82とされている一方、それとは反対側に位置する側面が、係合面84とされている。
そして、このような上側回転体52が、駆動ギヤ50上に積み重ねられた状態で、回転軸44に対して、駆動ギヤ50や回動体46、下側回転体48と相対回転可能に取り付けられている。また、そのような状態下で、上側回転体52にあっても、前記移動体68における回動体46の筒状支持部56内から突出する円弧状係合部70が、ストッパ部78と摺動大径部80との間に挟まれて位置する外周面部分に、圧縮コイルばね76の付勢力に基づいて押圧接触して、摺動大径部80の摺動面82に係合せしめられており、更に、前記せる駆動ギヤ50の下面に設けられた係合ピン63が、駆動ギヤ50の右回りの回転時に、摺動大径部80の係合面84に、係合して、それを押圧し得るように配置されている。
かくして、本実施形態においては、図9及び図10に示されるように、ステッピングモータの回転駆動による往復動プレート28の往復動により、回動体46の全体が、回転軸44回りに回動せしめられたときに、駆動ギヤ50における凹所60の第一係合面62aや第二係合面62bが、回動体46と一体回動せしめられる移動体68の円弧状係合部70にて、回動体46と移動体68の回動方向前方側に押圧され、それによって、駆動ギヤ50が、回動体46や移動体68の回動方向と同じ方向に、それらの回動量に応じた回転量において回転せしめられるようになる。そして、このような駆動ギヤ50の回転に伴って、それに噛合する伝導ギヤ65と、この伝導ギヤ65が一体回転可能に取り付けられる縦ブレード18の取付軸22とが、駆動ギヤ50の回転方向とは反対の方向に回転せしめられ、以て、かかる取付軸22を有する縦ブレード18、更にはそれに連動する全ての縦ブレード18が、一斉に左右方向に回動させられるようになっている。
このように、ここでは、駆動手段の駆動力が、クラッチ機構30を介して縦ブレード18の取付軸22に伝達されて、複数の縦ブレード18の自動的な一斉回動が行われ、そうして、車室内への空気の吹出方向が自動的に変化せしめられるように構成されている。そして、クラッチ機構30の内部で、移動体68の円弧状係合部70が、駆動ギヤ50における凹所60の第一係合面62aや第二係合面62bに係合して、回動することにより、駆動力の入力側から出力側への伝達が実現されているところから、例えば、そのような駆動力の伝達が摩擦力等により実現される構造のものに比して、縦ブレード18の自動的な一斉回動時における移動体68と駆動ギヤ50との間でのクラッチ滑りの発生が、有利に防止され得るようになっているのである。
なお、かくの如き複数の縦ブレード22の自動的な一斉回動時に、回動体46と駆動ギヤ50とが右回りに回動乃至は回転せしめられたときには、図9に示されるように、上側回転体52における摺動大径部80の係合面84が、駆動ギヤ50の上面に設けられた係合ピン63にて、駆動ギヤ50や回動体46の回転乃至は回動方向前方側に押圧される。また、下側回転体48における摺動大径部80の摺動面82が、回動体46と一体回動する移動体68の円弧状係合部70にて、回動体46と移動体68の回動方向前方側に押圧される。これによって、上側回転体52と下側回転体48とが、回動体46や移動体68、更には駆動ギヤ50の回動乃至は回転方向と同じ右回りの方向に、それらの回動乃至は回転量に応じた回転量において回転せしめられるようになる。
一方、回動体46と駆動ギヤ50とが左回りに自動的に回動乃至は回転せしめられたときには、図10に示されるように、上側回転体52における摺動大径部80の摺動面82が、回動体46と一体回動する移動体68の円弧状係合部70にて、回動体46と移動体68の回動方向前方側に押圧される。また、下側回転体48における摺動大径部80の係合面84が、駆動ギヤ50の下面に設けられた係合ピン63にて、駆動ギヤ50や回動体46の回転乃至は回動方向前方側に押圧される。これによって、上側回転体52と下側回転体48とが、回動体46や移動体68、更には駆動ギヤ50の回動乃至は回転方向と同じ左回りの方向に、それらの回動乃至は回転量に応じた回転量において回転せしめられるようになる。
また、ここでは、図9に示される如き上側回転体52の右回りの回転時と、図10に示される如き下側回転体48の左回りの回転時に、それら上側及び下側回転体52,48のそれぞれのストッパ部78が、前記ケーシング38における各回転体52,48を挟んで左右両側に位置する部位に対して、上側及び下側回転体52,48の径方向に延びるように、それぞれ一つずつ一体形成された回転規制突起88a,88bに係止されることにより、そのような係止位置において、下側回転体48の左回りの回転と上側回転体52の右回りの回転とが、各々阻止されるようになっている。
そして、例えば、図6に示されるように、回動体46が回動範囲の中間に位置して、各縦ブレード18が車室の前後方向に平行に位置する向きで、ステッピングモータ等の駆動手段の回転駆動が停止した状態下において、各縦ブレード18を左回りの方向に回動させるように、前記せる操作ノブ27が右方向にスライド移動せしめられたときには、図11に示されるように、縦ブレード18の取付軸22と伝導ギヤ65とが左回りに回転して、伝導ギヤ65に噛合する駆動ギヤ50が右回りに回転させられる。そうすると、駆動ギヤ50の上面に設けられた係合ピン63が、上側回転体52における摺動大径部80の係合面84に接触し、この係合面84が、かかる係合ピン63にて、駆動ギヤ50の回転方向前方側に押圧され、それによって、上側回転体52が、駆動ギヤ50と共に、右回りの方向に一体回転させられる。なお、このとき、下側回転体48は、何等回転しない。
また、その際には、駆動手段の回転駆動が停止していることで、前述せるように、回動体46とそれに支持される移動体68も回動停止状態とされるため、図11に二点鎖線で示されるように、上側回転体52の回転に伴って、上側回転体52における摺動大径部80の摺動面82が、駆動ギヤ50の凹所60内に突入して接触面61に接触位置する移動体68の円弧状係合部70の外周面に摺動する。それにより、円弧状係合部70が、接触面61から離間する方向に押圧され、以て、移動体68が、駆動ギヤ50の凹所60内から離脱するように、圧縮コイルばね76の付勢力に抗して、回動体46の筒状支持部56内に徐々に引込み移動させられる。
そして、上側回転体52が更に右回りに回転すると、図11に実線で示されるように、移動体68の凹所60内への突入部位たる円弧状係合部70が、上側回転体52の摺動大径部80の押圧面85に乗り上げて、この押圧面85に対して、圧縮コイルばね76の付勢力に基づいて、押圧接触せしめられるようになる。こうなると、上側回転体52の摺動大径部80が、駆動ギヤ50の凹所60が形成される外周面部分の外径よりも大なる径とされているために、移動体68全体が、駆動ギヤ50の凹所60内から離脱し、回動体46の筒状支持部56内に引き込まれた引込位置に位置せしめられると共に、その状態が維持され、以て、凹所60の第一及び第二係合面62a,62bに対する移動体68の円弧状係合部70の係合が完全に解消される。そして、そのような状態下では、駆動ギヤ50と伝導ギヤ65及び取付軸22とが、操作ノブ27のスライド操作により、十分に小さな操作荷重で、左右両方向に容易に回転操作され得るようになる。
なお、ここでは、上記の如き凹所60の第一及び第二係合面62a,62bと移動体68の円弧状係合部70との係合の解消状態下で、上側回転体52のストッパ部78がハウジング14の回転規制突起88aに接触せしめられて、上側回転体52の更なる右回りの回転が阻止されるようになっている。このことから明らかなように、ここでは、上側回転体52のストッパ部78と、それに接触する回転規制突起88aとにて、回転規制手段が構成されている。
また、上側回転体52の摺動大径部80の押圧面85に乗り上げると、移動体68の円弧状係合部70の先端が、かかる押圧面85に設けられた係合凹部86内に突入し、その底面に対して、圧縮コイルばね76の付勢力に基づいて、押圧接触せしめられるようになる。それによって、例えば、移動体68の円弧状係合部70から押圧面85に作用される押圧力にて、それらの間に周方向への滑りが生ずる等して、上側回転体52が左回りに無用に回転することが阻止される。そうして、かかる上側回転体52の無用な左回りの回転により、円弧状係合部70が駆動ギヤ50の凹所60内に突入して、第一及び第二係合面62a,62bに再び係合させられることが、有利に防止され得るようになっている。
一方、図6に示されるように、回動体46が回動範囲の中間に位置して、駆動手段の回転駆動が停止した状態下において、各縦ブレード18を右回りの方向に回動させるように、操作ノブ27が左方向にスライド移動せしめられたときには、図12に示されるように、縦ブレード18の取付軸22と伝導ギヤ65とが右回りに回転して、駆動ギヤ50が左回りに回転させられる。そうすると、駆動ギヤ50の下面に設けられた係合ピン63が、下側回転体48における摺動大径部80の係合面84に接触し、この係合面84が、かかる係合ピン63にて、駆動ギヤ50の回転方向前方側に押圧され、それによって、下側回転体48が、駆動ギヤ50と共に、左回りに一体回転させられる。なお、このとき、上側回転体52は、何等回転しない。
そして、その際には、回転方向が異なるものの、上側回転体52が、駆動ギヤ50と共に、手動で右回りに一体回転させられたときと同様に、図12に二点差線や実線で示される如く、移動体68の円弧状係合部70が、それに対して摺動する下側回転体48の摺動面82にて押圧されて、駆動ギヤ50の凹所60内から離脱するように、圧縮コイルばね76の付勢力に抗して、回動体46の筒状支持部56内に徐々に引込み移動させられる。そしてまた、下側回転体48の左回りの更なる回転に伴って、移動体68の円弧状係合部70が、下側回転体48の摺動大径部80の押圧面85に乗り上げると、移動体68全体が、駆動ギヤ50の凹所60内から離脱し、それによって、凹所60の第一及び第二係合面62a,62bに対する移動体68の円弧状係合部70の係合が、完全に解消される。そして、そのような状態下において、駆動ギヤ50と伝導ギヤ65及び取付軸22とが、操作ノブ27のスライド操作により、十分に小さな操作荷重で、左右両方向に容易に回転操作され得るようになる。
なお、かくして、凹所60の第一及び第二係合面62a,62bと移動体68の円弧状係合部70との係合が解消された状態下においても、下側回転体48のストッパ部78が、上側回転体52が接触する回転規制突起88aとは別の回転規制突起88bに接触せしめられることで、下側回転体48の更なる左回りの回転が阻止されるようになっている。このことから明らかなように、本実施形態では、下側回転体48のストッパ部78と、それに接触する回転規制突起88bによっても、回転規制手段が構成されている。
また、移動体68の円弧状係合部70が、下側回転体48の摺動大径部80の押圧面85に乗り上げると、円弧状係合部70の先端が、かかる押圧面85に設けられた係合凹部86内に突入位置せしめられるようになる。このとき、移動体68の円弧状係合部70が、係合凹部86の内面に対して、圧縮コイルばね76の付勢力に基づいて押圧接触せしめられ、それによって、下側回転体48が左回りに無用に回転すること、更には、そのような下側回転体48の無用な左回りの回転によって、円弧状係合部70が、駆動ギヤ50の凹所60内に突入して、第一及び第二係合面62a,62bに再び係合させられることが、有利に防止され得るように構成されている。
なお、ここで、図11に示されるように、移動体68の円弧状係合部70が、上側回転体52の押圧面85に設けられた係合凹部86内に突入して、駆動ギヤ50の凹所60内から離脱せしめられた状態から、ステッピングモータが再び回転駆動すると、上側回転体52の更なる右回りの回転が阻止されているために、移動体68が回動体46と共に右回りに回動したときに、かかる移動体68の円弧状係合部70が、係合凹部86内から離脱して、下側回転体48の係合凹部86内に突入せしめられる。そして、その状態から、移動体68が左回りに回動しだすと、下側回転体48も移動体68と共に左回りに回転するようになる。このとき、円弧状係合部70が、上側回転体52の摺動面82に係合して、上側回転体52も、移動体68や下側回転体48と共に左回りに一体回転せしめられる。また、それにより、下側回転体48の係合面84にて、駆動ギヤ50の上面に設けられた係合ピン63が、左回りの回転方向に押圧されて、駆動ギヤ50も左回りに回転させられる。そして、このような回転乃至は回動が連続して行われる中で、下側回転体48のストッパ部78と回転規制突起88bとにて、下側回転体48の左回りの回転が阻止されたときに、移動体68の円弧状係合部70が、係合凹部86内から離脱し、圧縮コイルばね76の付勢力により、駆動ギヤ50の凹所60内に突入せしめられて、第一及び第二の係合面62a,62bに再び係合されるようになる。そうして、駆動ギヤ50が、回動体46や移動体68と共に、再度、一体回転せしめられるようになり、以て、複数の縦ブレード18の自動回動が再開されるようになっている。また、図12に示されるように、移動体68の円弧状係合部70が、下側回転体48の押圧面85に設けられた係合凹部86内に突入して、駆動ギヤ50の凹所60内から離脱せしめられた状態から、ステッピングモータが再び回転駆動したときにも、上記と同様にして、複数の縦ブレード18の自動回動が再開されるようになっている。
このように、本実施形態では、ステッピングモータ等の駆動手段の回転駆動の停止状態下において、縦ブレード18を手動で回動させるべく、操作ノブ27をスライド操作したときに、単に、回転軸44に相対回転可能に取り付けられた下側回転体48又は上側回転体52の何れか一方と駆動ギヤ50とを回転させるだけの十分に小さな操作荷重で、縦ブレード18の取付軸22と伝導ギヤ65とが、容易に回転操作され得る。しかも、ここでは、ギヤ機構に、圧縮コイルばね76の付勢力に抗して、或いはそれに基づいて突出/引込移動せしめられる移動体68の移動機構とを組み合わせただけの極めて単純で且つ安価な構造により、上記の如き縦ブレード18の手動操作の操作荷重の軽減が、効果的に実現され得ている。
従って、かくの如き本実施形態に係る車両用空気吹出口装置にあっては、縦ブレード18の自動的な一斉回動時に、クラッチ機構30におけるクラッチ滑りの発生が有利に防止されつつ、駆動手段の駆動力が、縦ブレード18に対して安定的に伝達されて、縦ブレード18の自動的な回動操作が、確実に行われ得ると共に、縦ブレード18の操作ノブ27による手動での回動操作が、操作荷重の小さい、良好な操作フィーリングで容易に行われ得るのであり、しかも、それらが、可及的に低いコストと簡略な構造とをもって、極めて有利に実現され得る。そして、その結果として、従来装置では到底得られることのない優れた操作性と使用性とが、極めて有効に発揮され得ることとなるのである。
また、本実施形態においては、例えば、回動体46が回動範囲の中間に位置して、各縦ブレード18が車室の前後方向に平行に位置する向きで、駆動手段の回転駆動が停止した状態下において、操作ノブ27の左右方向へのスライド操作により、駆動ギヤ50が左回りや右回りに回転させられたときに、下側回転体48と上側回転体52のうちの何れか一方が回転せしめられることで、凹所60の第一及び第二係合面62a,62bに対する移動体68の円弧状係合部70の係合が完全に解消され得るようになっている。そのため、操作ノブ27を左右何れの方向にスライド操作しても、操作荷重の軽減効果が、即座に且つ確実に得られることとなる。
さらに、かかる本実施形態では、上側及び下側回転体52,48の各ストッパ部78が、ハウジング14に設けられた回転規制突起88b,88aと接触せしめられることで、上側回転体52の右回りの方向への回転と、下側回転体48の左回りの方向への回転が、それぞれ阻止されるようになっているため、それら上側及び下側回転体52,48の過剰な回転が阻止されて、各回転体52,48の回転によって実現される、凹所60の第一及び第二係合面62a,62bに対する移動体68の円弧状係合部70の係合の解除、更にはその解除状態から係合状態への復帰が、極めてスムーズに行われ得ることとなる。
また、本実施形態においては、駆動ギヤ50の外周面に、移動体68の円弧状係合部70が突入する凹所60が設けられて、この凹所60の周方向両側に位置する内面部分が、円弧状係合部70の係合する第一及び第二係合面62a,62bとされている。これによって、円弧状係合部70の駆動ギヤ50に対する周方向両側での係合構造が、容易に且つ確実に実現され得ると共に、そのような係合の解消も、簡単に行われ得ることとなる。
さらに、本実施形態にあっては、上側及び下側回転体52,48とが、右回りや左回りに手動で回転せしめられたときに、前述の如き形状とされた摺動面82が、移動体68の円弧状係合部70に摺動することで、この円弧状係合部70が凹所60内から離脱されるようになっているため、極めて簡略な構造にて、円弧状係合部70と凹所60の第一及び第二係合面62a,62bとの係合解除が、確実に行われ得るのである。
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
例えば、第二のギヤとしての駆動ギヤ50に設けられる凹所60の二つの内面部分からなる第一及び第二係合面62a,62bに代えて、駆動ギヤ50の外周面や端面に周方向両側に位置する一対の突部やピン等を設け、これにより、二つの第一係合部を構成することも出来る。
また、駆動ギヤ50に設けられる係合ピン63や、上側回転体52や下側回転体48に設けられる係合面84に代えて、例えば、駆動ギヤ50の外周面や端面に凹部等を設けると共に、各回転体52,48に対して、かかる凹部に係合して、各回転体52,48を駆動ギヤ50との一体回転方向に押圧する突部等を設けて、それらの凹部や突部等にて、第二係合部と第三係合部を構成することも可能である。
さらに、各回転体52,48に設けられる押圧部の構造も、例示の摺動大径部80に、何等限定されるものではない。
また、かかる押圧部としての摺動大径部80に設けられる摺動面82の形態も、前記実施形態に示されるものに、特に限定されるものではなく、回動体の回動が規制された状態下で、第二のギヤと回転体とが一体回転せしめられたときに、二つの第一係合部の間に突入位置せしめられた前記移動体の突入部位に摺動して、該移動体を前記引込位置にまで移動させ得る構造とされておれば良い。それ故、かかる摺動面82は、例えば、回転体の外周側から内周側に向かって、移動体を引込位置にまで移動させるときの回転体と第二のギヤとの一体回転方向の前方側に湾曲して延出するように構成することも出来る。
さらに、前記実施形態では、上側及び下側の二つの回転体52,48が回転軸44に取り付けられていたが、それらのうちの何れか一方を省略することも出来る。それによって、クラッチ機構30の構造の簡略化が、有利に図られ得る。
また、第一の空気吹出口装置10のみによって、或いは互いに独立した構造の空気吹出口装置の三つ以上によって、本発明に従う車両用空気吹出口装置を構成しても良い。なお、三つの以上の空気吹出口装置にて構成する場合には、それら複数の空気吹出口装置内に設けられた風向部材が、一つの連結部材にて、或いは複数の連結部材にて、直接的に若しくは間接的に連結されることとなる。
さらに、縦ブレード18に代えて、或いはそれに加えて、第一及び第二の空気吹出口装置10,12内に配される横ブレード20を、駆動手段の回転駆動に伴って、自動的に往復回動せしめるように構成しても良い。また、縦ブレード18と横ブレード20とを、共に自動的に往復回動させる場合には、それら縦ブレード18と横ブレード20とを同時に或いは独立的に往復回動せしめるように為すことも可能である。
更にまた、各空気吹出口装置10,12のハウジング14,16の形状や、そこに配される縦ブレード18及び横ブレード20の個数や形状、及びその支持形態は、前記実施形態に示されるものに限定されるものではない。それらは、各空気吹出口装置10,12の配設位置や要求される機能等によって、適宜に選択設定されるべきものである。また、各空気吹出口装置10,12内に、風向部材として、縦ブレード18と横ブレード20の何れか一方のみを配設するようにしても、勿論良い。
加えて、前記実施形態では、本発明を、自動車のインストルメントパネルに取り付けられる空気吹出口装置と、それに組み付けられるクラッチ機構に対して、適用したものの具体例を示したが、本発明は、その他、自動車のインストルメントパネル以外に取り付けられる空気吹出口装置や自動車以外の車両に取り付けられる空気吹出口装置、或いはそれらの装置に組み付けられるクラッチ機構、更には、空気吹出口装置以外の装置に組み付けられるものであって、駆動手段の駆動力を所定の回転駆動軸に伝達して、その回転駆動軸を回転駆動させるクラッチ機構の何れに対しても、有利に適用され得るものであることは、勿論である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものである。また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることが、理解されるべきである。
本発明に従う車両用空気吹出口装置の一例を示す正面説明図である。 図1におけるII−II断面拡大説明図である。 図1に示された車両用空気吹出口装置に組み付けられるクラッチ機構を説明するための図2における部分拡大図である。 図3におけるIV矢視説明図である。 図3におけるV−V断面説明図である。 図3におけるVI−VI断面説明図である。 図3におけるVII−VII断面説明図である。 図3におけるVIII−VIII断面説明図である。 図1に示された車両用空気吹出口装置における風向部材の自動的な回動操作時における、図3に示されたクラッチ機構の作動状態を示す説明図である。 図3に示されたクラッチ機構の図9に示された作動状態とは別の作動状態を示す説明図である。 図1に示された車両用空気吹出口装置における風向部材の手動での回動操作時における、図3に示されたクラッチ機構の作動状態を示す説明図である。 図3に示されたクラッチ機構の図11に示された作動状態とは別の作動状態を示す説明図である。
符号の説明
10 第一の空気吹出口装置 12 第二の空気吹出口装置
14,16 ハウジング 18 縦ブレード
22 取付軸 28 往復動プレート
30 クラッチ機構 38 ケーシング
44 回転軸 46 回動体
48 下側回転体 50 駆動ギヤ
52 上側回転体 60 凹所
65 伝導ギヤ 68 移動体
70 円弧状係合部 76 圧縮コイルばね
78 ストッパ部 80 摺動大径部
82 摺動面 84 係合面
85 押圧面 86 係合凹部
88 回転規制突起

Claims (8)

  1. 駆動手段の駆動力を所定の回転駆動軸に伝達して、該回転駆動軸を回転駆動させるクラッチ機構であって、
    前記回転駆動軸に対して相対回転不能に支持された第一のギヤと、
    該第一のギヤに噛合して、該第一のギヤの回転に伴って回転せしめられるように配置されると共に、回転方向において相互に離間して配設された二つの第一係合部と、それら二つの第一係合部の配設部位とは別個の部位に設けられた第二係合部とを有する第二のギヤと、
    前記駆動手段側に接続され、該駆動手段の駆動力によって回動せしめられる一方、該駆動手段の駆動停止時に回動が規制される回動体と、
    該回動体に対して一体回動可能に支持されると共に、前記第二のギヤにおける前記二つの第一係合部同士の間に突入せしめられた突入位置と、それら二つの第一係合部同士の間から離脱せしめられた引込位置との間で移動可能とされ、該突入位置に位置せしめられた状態下で、該回動体と一体回動せしめられたときに該二つの第一係合部に係合して、前記第二のギヤを回転させる移動体と、
    前記回動体に対して一体回動可能に支持されると共に、前記移動体が前記引込位置に向かって移動せしめられるときに、該移動体に対して、それを前記突入位置に向かって移動させる方向に付勢力を発揮する付勢手段と、
    前記第二のギヤの回転により前記第二係合部に係合して、該第二のギヤの回転方向に押圧される第三係合部を有して、該第二のギヤの回転軸回りに回転可能に配置され、該第二係合部と該第三係合部との係合状態下で、該第二のギヤが該第二係合部にて該第三係合部を押圧する方向に回転せしめられたときに、該第二のギヤと一体回転せしめられる回転体と、
    前記回動体の回動が規制された状態下で、前記第二係合部が前記第三係合部を押圧する方向において前記第二のギヤと前記回転体とが一体回転せしめられたときに、かかる回転体の回転に伴って前記移動体に摺動しつつ、該移動体を前記引込位置に向かって押圧し、前記付勢手段の付勢力に抗して、該引込位置にまで移動させる、該回転体に設けられた押圧部と、
    を含んで構成したことを特徴とするクラッチ機構。
  2. 前記移動体が前記第二のギヤと前記回転体との一体回転によって前記引込位置にまで移動せしめられた状態下で、該移動体を該引込位置にまで移動させる方向への該回転体の更なる回転を規制する回転規制手段を、更に含んで構成されている請求項1に記載のクラッチ機構。
  3. 前記第二のギヤの回転軸が立設され、且つ該第二のギヤと前記回転体とが該回転軸回りに回転可能に支持された支持部を更に有して構成されると共に、前記移動体が前記第二のギヤと前記回転体の一体回転によって前記引込位置にまで移動せしめられた状態下で、該支持部の一部に接触して、該移動体を該引込位置にまで移動させる方向への該回転体の更なる回転を阻止するストッパ部が、該回転体に設けられて、該ストッパ部と該支持部の該ストッパ部との接触部とにて、前記回転規制手段が構成されている請求項2に記載のクラッチ機構。
  4. 前記第二のギヤの外周面に、前記移動体が突入可能な凹所が設けられて、該移動体の該凹所内への突入状態下で、該移動体の突入部位を間に挟んで、該第二のギヤの外周面の周方向の両側にそれそれ位置する該凹所の二つの内面部分にて、前記二つの第一係合部が、それぞれ構成されている請求項1乃至請求項3のうちの何れか1項に記載のクラッチ機構。
  5. 前記移動体が前記第二のギヤと回転体との一体回転によって前記引込位置にまで移動せしめられた状態下で、該移動体の前記押圧部との接触部位が突入せしめられる係合凹部が、該押圧部に設けられて、該係合凹部に突入せしめられた該移動体の接触部位が、前記付勢手段の付勢力によって、該係合凹部の底面に押圧接触せしめられるようになっている請求項1乃至請求項4のうちの何れか1項に記載のクラッチ機構。
  6. 前記回転体の外周側から内周側に向かって、前記移動体を引込位置にまで移動させるときの該回転体と前記第二のギヤとの一体回転方向の前方側に傾斜乃至は湾曲して延出し、かかる第二のギヤと回転体との一体回転に伴って、前記二つの第一係合部の間に突入位置せしめられた前記移動体の突入部位に摺動して、該移動体を前記引込位置にまで移動させる摺動面と、該摺動面における該回転体の外周側の端部から前記第二のギヤと回転体との一体回転方向の後方側に向かって連続的に延出し、該移動体の該引込位置での配置状態が維持されるように、前記付勢手段の付勢力に抗して、該移動体を押圧する押圧面とを有して、前記押圧部が構成されている請求項1乃至請求項5のうちの何れか1項に記載のクラッチ機構。
  7. 前記回転体が、前記第二のギヤを間に挟んで軸方向の両側にそれぞれ一つずつ配置され、前記移動体が前記突入位置に配置された状態下で、該二つの回転体のうちの軸方向一方側に配置された第一の回転体と、それらのうちの軸方向他方側に配置された第二の回転体とが、それら第一及び第二の回転体にそれぞれ設けられた前記第三係合部が前記第二係合部にて押圧される方向において、前記第二のギヤと一体回転せしめられたときに、該第一の回転体と該第二の回転体に各々設けられた前記押圧部にて、前記移動体が押圧されて、前記引込位置にまで移動させられるようになっている請求項1乃至請求項6のうちの何れか1項に記載のクラッチ機構。
  8. 車室内に開口するハウジングの開口部内に配設された風向部材が支持される回転駆動軸と駆動手段とをクラッチ機構を介して連結し、該クラッチ機構にて、該駆動手段の駆動力を該回転駆動軸に伝達せしめて、該風向部材の回動を行なわしめるようにした車両用空気吹出口装置において、
    前記クラッチ機構を、前記請求項1乃至請求項7のうちの何れか1項に記載のクラッチ機構にて構成したことを特徴とする車両用空気吹出口装置。
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