JP2014113935A - 車両用空気吹出口装置 - Google Patents

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Fumihiko Ikemoto
文彦 池本
Masaji Tsukada
正司 塚田
Masafumi Watanabe
真文 渡辺
Makoto Ishiguro
真 石黒
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Abstract

【課題】吹出空気の向きを手動で変更する操作ロッドの操作フィーリングが有利に高められた車両用空気吹出口装置を提供する。
【解決手段】複数の風向部材22を自動的に回動させる駆動手段52によって駆動する駆動ギヤ40を、従動ギヤ48に対して接近乃至離隔移動可能に配置すると共に、弾性復元力に基づいて、駆動ギヤ40を従動ギヤ48への接近方向に付勢する弾性部材92を弾性変形状態で配置して、弾性部材92の弾性復元力により、駆動ギヤ40の歯面と従動ギヤ48の歯面とを押圧接触させて、構成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用空気吹出口装置に係り、特に、ハウジングの内部に配設された複数の風向部材の回動によって、吹出空気の向き(吹出方向)が変化させられ得るようにした車両用空気吹出口装置の改良された構造に関するものである。
従来から、車両における空気調和装置や外気取入口装置等から、車室内に空気を吹き出す空気吹出口には、吹出空気の向きを変えるための空気吹出口装置が取り付けられている。この空気吹出口装置は、一般に、車室内に開口するハウジングを有し、かかるハウジング内に、平板形状等の各種の形状を有する複数のブレード(風向部材)が、互いに平行に且つ同一方向に回動可能に軸支されて、構成されている。
また、そのような車両用空気吹出口装置として、ハウジング内の複数のブレードが、駆動手段の駆動力によって自動的に回動させられるように構成されたものが、知られている。かかる車両用空気吹出口装置には、例えば、特開2005−138616号公報(特許文献1)等に明らかにされるように、複数のハウジング内に配設された複数のブレードが、唯一つの駆動手段の駆動力によって自動的に一斉回動するように構成されたタイプのものと、例えば、特開2009−29186号公報(特許文献2)等に開示されるように、複数のハウジングに、駆動手段がそれぞれ一つずつ設けられて、各ハウジング内の複数のブレードが、各ハウジングにそれぞれ設けられた駆動手段の駆動力によって自動的に回動するように構成されたタイプのものとがある。
それら二つのタイプの車両用空気吹出口装置は、何れも、ハウジング内の複数のブレードが、各ブレードの回転軸に対して直角な方向(複数のブレードの配設方向)に往復動可能とされた連動部材にて互いに連結されて、構成されている。そして、電動モータ等の駆動手段の駆動力が、回転運動を往復運動に変換する運動変換機構にて往復運動とされて、所定の伝達機構を介して連動部材に伝達されることにより、連動部材が往復動して、複数のブレードが自動的に回動し、以て、吹出空気の向きが連続的に変化させられるようになっているのである。
ところで、従来の車両用空気吹出口装置には、一般に、吹出空気の向きをマニュアル操作で変更するための操作ロッドが設けられている。この操作ロッドは、複数のブレードのうちの何れか一つのものか、連動部材、或いは駆動ギヤのうちの何れかに直接に若しくは間接的に連結されて、ブレードの回動方向に変位可能に配置されている。そして、乗員が、かかる操作ロッドを把持して、任意の方向に動かすことにより、各ブレードの向き(回動位置)が、操作ロッドを動かした方向に変えられて、ハウジングの開口部から吹き出される空気の吹出方向が、所望の方向に変更されるようになっているのである。
そのような操作ロッドは、複数のブレードの自動的な回動が上記の構造によって実現された従来の車両用空気吹出口装置にも設けられているのであるが、かかる従来の車両用空気吹出口装置では、操作ロッドを手動で操作したときの操作フィーリングに問題があった。
すなわち、複数のブレードが自動的に回動可能とされた従来の車両用空気吹出口装置においては、駆動手段の駆動力に基づいて駆動する駆動ギヤと、それに噛合した従動ギヤとの間にバックラッシが存在する。そのため、ブレードや連動部材に連結された操作ロッドを操作したときには、駆動ギヤと従動ギヤのそれぞれの歯面が接触した後に、それらが接触する前よりも操作荷重が大きくなり、また、駆動ギヤに連結された操作ロッドを操作したときには、操作ロッドを動かしても、駆動ギヤと従動ギヤのそれぞれの歯面が接触するまでは、ブレードが何等回動しない、所謂操作ガタが生ずる。それ故、複数のブレードが自動的に回動可能とされた従来の車両用空気吹出口装置には、操作ロッドを手動で操作するときに、操作荷重の変化や操作ガタが発生し、そのために操作フィーリングが不良となるといった問題が内在していたのである。
なお、操作ロッドの操作フィーリングを高めるには、例えば、駆動ギヤと従動ギヤの全ての歯の歯厚や歯溝の幅等が正確に一致するように、それらの歯を高精度に加工して、駆動ギヤと従動ギヤの間のバックラッシを無くすことが、考えられる。しかしながら、そのような駆動ギヤと従動ギヤの全ての歯の加工には、多大なコストと労力が必要となる。それ故、上記の方法で操作ロッドの操作フィーリングの向上を図ろうとすると、車両用空気吹出口装置の製造コストが高騰し、製造作業の作業効率が著しく低下するといった新たな問題が不可避的に生ずることとなるのである。
特開2005−138616号公報 特開2009−29186号公報
ここにおいて、本発明は、上記した事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、複数のブレードが自動的に回動可能とされる共に、吹出空気の向きをマニュアル操作で変更するための操作ロッドが設けられて構成された車両用空気吹出口装置において、駆動手段の駆動力によって駆動する駆動ギヤと、かかる駆動ギヤに噛合した従動ギヤとの間のバックラッシが無くされて、操作ロッドの操作フィーリングの向上が、車両用空気吹出口装置の製造コストの高騰や製造作業の作業効率の低下を招くことなく、有利に図られ得るように改良された構造を提供することにある。
そして、本発明は、かかる課題の解決のために、(a)車室内に開口するハウジングと、(b)該ハウジング内に回動可能に軸支された複数の風向部材と、(c)それら複数の風向部材を相互に連結して、該風向部材の回転軸に対して直角な方向に往復動可能に配置され、かかる往復動により、該複数の風向部材を連動して回動させる連動部材と、(d)駆動力を発生する駆動手段と、(e)該駆動手段の駆動力に基づいて駆動する駆動ギヤと、(f)該駆動ギヤと前記連動部材との間に、該駆動ギヤに噛合した従動ギヤを有して配設され、該従動ギヤが該駆動ギヤの駆動に伴って駆動することにより、前記駆動手段の駆動力を該連動部材に伝達する伝達機構とを含み、該駆動手段の駆動力によって、前記連動部材が往復動すると共に、該複数の風向部材が連動して回動するように構成された車両用空気吹出口装置であって、前記駆動ギヤが、該駆動ギヤと前記従動ギヤのそれぞれの歯形成面の対向方向において、該従動ギヤに対して接近乃至離隔移動可能に配置されていると共に、該駆動ギヤを、該歯形成面の対向方向において該従動ギヤに接近させる方向に、弾性復元力によって付勢する弾性部材が、弾性変形状態で設置されて、該駆動ギヤの歯面と該従動ギヤの歯面とが、該弾性部材の弾性復元力によって互いに押圧接触させられていることを特徴とする車両用空気吹出口装置を、その要旨とするものである。
なお、本発明の好ましい態様の一つによれば、前記ハウジングが複数設けられて、それら複数のハウジング内に、前記複数の風向部材が、それぞれ回転可能に軸支されると共に、前記連動部材と前記伝達機構と前記駆動ギヤとが、該複数のハウジングに対応して、それぞれ複数設けられる一方、前記駆動手段が一つだけ設けられ、更に、該駆動手段の駆動力による回転運動を前記風向部材の回転軸に対して直角な方向の往復運動に変換する運動変換機構と、該運動変換機構にて往復運動に変換された該駆動手段の駆動力により往復動して、前記複数の駆動ギヤの全てを同時に往復駆動させる往復動部材とが設けられて、該往復動部材の往復動による該複数の駆動ギヤの往復駆動により、該駆動手段の駆動力が、前記複数の伝達機構を介して、前記複数の連動部材に伝達されて、該複数の連動部材が一斉に往復動すると共に、前記複数のハウジングのそれぞれの内部に回転可能に軸支された前記複数の風向部材が、連動して一斉に回動するように構成される。
また、本発明の望ましい態様の一つによれば、前記弾性部材が長手の可撓性部材からなると共に、かかる弾性部材にて前記往復動部材が構成されて、該弾性部材が、撓んで弾性変形させられた状態で、前記運動変換機構と前記複数の駆動ギヤとを相互に連結して、設置される。
さらに、本発明の有利な態様の一つによれば、前記弾性部材が、長手の一つの可撓性部材からなり、該弾性部材が、撓んで弾性変形させられた状態で、長さ方向中間部において、前記運動変換機構に連結される一方、長さ方向両端側部位において、前記複数の駆動ギヤにそれぞれ連結されて、設置される。
また、本発明の好適な態様の一つによれば、前記往復動部材の長さ方向の両端部に、環状係合部がそれぞれ設けられる一方、前記駆動ギヤが二つ設けられて、それら二つの駆動ギヤのそれぞれに、該環状係合部内に挿入可能な係合突起が設けられると共に、該係合突起が、その周方向に等間隔を隔て位置する、弾性を有する三つ以上のリブを有して構成され、該三つ以上のリブが、それぞれの先端部において、該環状係合部の内周面に接触し、且つ該三つ以上のリブと該環状係合部のうちの少なくとも何れか一方が弾性変形するように、該係合突起が該環状係合部に圧入されて、係合していることにより、該往復動部材の往復動に伴って、該二つの駆動ギヤが往復駆動させられるように構成される。
さらに、本発明の別の望ましい態様の一つによれば、前記係合突起に、前記往復動部材の前記環状係合部を、前記三つ以上のリブのうちの少なくとも一つとの間で挟持する係合爪部が、更に設けられる。
要するに、本発明に従う車両用空気吹出口装置においては、駆動ギヤが、弾性部材の弾性復元力に基づいて、従動ギヤ側に付勢されているために、駆動ギヤの一つの歯の両側の歯面(歯の両側面)が、駆動ギヤの一つの歯を挟んで隣り合う、従動ギヤの二つの歯の互いに対向する歯面に押圧接触している。これによって、例えば、駆動ギヤと従動ギヤの全ての歯の歯厚や歯溝の幅、歯たけ等が正確に一致せずに、それらの寸法にバラツキがあっても、駆動ギヤが、弾性部材の弾性復元力により従動ギヤ側に付勢されつつ、従動ギヤに接近乃至離隔移動することによって、それらの寸法のバラツキが有利に吸収され得る。その結果、駆動ギヤの歯面と従動ギヤの歯面の互いの押圧接触状態が、常時、確実に維持され得る。
それ故、かかる車両用空気吹出口装置では、例えば、駆動ギヤと従動ギヤの全ての歯の歯厚や歯溝の幅等が正確に一致するように、多大なコストと労力を掛けて、それらの歯を高精度に加工する作業を何等行うことなしに、駆動ギヤと従動ギヤとの間のバックラッシが皆無とされ得る。
従って、かくの如き本発明に従う車両用空気吹出口装置にあっては、製造コストの高騰や製造作業の作業効率の低下を何等招くことなく、操作ロッドの操作フィーリングの向上が、極めて有利に図られ得るのである。
本発明に従う構造を有する車両用空気吹出口装置の一実施形態を示す正面説明図である。 図1におけるII−II断面拡大説明図である。 図1のIII−III断面における部分拡大説明図である。 図3のIV−IV断面における部分拡大説明図である。 図1のV−V断面における部分拡大説明図である。 図1に示された車両用空気吹出口装置に組み込まれる往復動部材を示す斜視説明図である。 図2のVII−VII断面における部分拡大説明図である。 本発明に従う構造を有する車両用空気吹出口装置の別の実施形態を示す図2に対応する図である。 本発明に従う構造を有する車両用空気吹出口装置の更に別の実施形態を示す図2に対応する図である。
以下、本発明をより具体的に明らかにするために、本発明に係る車両用空気調和装置の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明に従う構造を有する車両用空気吹出口装置の一実施形態として、自動車のインストルメントパネルに取り付けられる空気吹出口装置が、概略的に示されている。かかる図からも明らかなように、本実施形態の空気吹出口装置は、互いに独立した、第一のハウジング10と第二のハウジング12とを有して、構成されている。
より具体的には、図1及び図2に示されるように、第一のハウジング10と第二のハウジング12(図2には、第一のハウジング10のみを示す)は、何れも、前後方向(図1における紙面に垂直な方向で、図2における左右方向)に開口する矩形筒体からなっている。それら第一及び第二の二つのハウジング10,12は、例えば、自動車のインストルメントパネルの運転席側と助手席側とに対して、左右方向(図1における左右方向で、図2における紙面に垂直な方向)において互いに間隔を空けて、それぞれ取り付けられている。そして、各ハウジング10,12が、後方側開口部13において、図示しない空気調和装置等の空気通路に接続されている一方、前方側開口部14において、車室内に向かって開口している。これによって、空気調和装置等から供給される空気が、前方側開口部14を通じて、車室内に吹き出されるように構成されている。なお、本実施形態に係る空気吹出口装置の構造の理解を容易とするために、以下からは、図1における紙面に垂直な方向で、図2における左右方向を前後方向と言い、図1における左右方向で、図2における紙面に垂直な方向を左右方向と言い、図1及び図2の上下方向を、そのまま、上下方向と言うこととする。
図1及び図2から明らかなように、第一のハウジング10は、上側側壁部15aと下側側壁部15bと左側側壁部15cと右側側壁部15dとを有している。また、上側側壁部15aと下側側壁部15bとの間には、第一のハウジング10内を上下に二つに仕切って、第一のハウジング10内に、上側空間16と下側空間18とを画成する仕切壁部20が設けられている。更に、仕切壁部20には、その前端から下方に延びる垂れ壁部21が、左側側壁部15cと右側側壁部15dとの間に延びるように形成されている。この垂れ壁部21は、下側空間18の前側の開口部を塞いで、下部空間18内が前方から視認不能となるように配置されている。
そして、かかる第一のハウジング10においては、上側側壁部15aと仕切壁部20と左側側壁部15cと右側側壁部15dとに囲まれて形成される上側空間16内に、風向部材たる縦ブレード22と横ブレード24とが、各々複数個ずつ配設されている。それら縦及び横ブレード22,24は、何れも、長手の平板形状を呈しており、従来と同様に、相対向する壁部に軸支されて、配置されている。
すなわち、複数の縦ブレード22は、互いに平行に、且つ左右方向に一列に並べられた状態で、上側空間16内にそれぞれ配されている。そして、上下両側端面に一体的に突設された上側取付軸26aと下側取付軸26bとにて、上側側壁部15aと仕切壁部20に軸支されて、上側及び下側取付軸26a,26b回りに回動可能とされている。また、それら複数の縦ブレード22においては、その下端部に設けられたピン28が、左右方向に延びる、連動部材としての連動プレート30にて相互に連結されている。これによって、複数の縦ブレード22のうちの何れか一つものの回動に従って、複数の縦ブレード22の全てが、互いに平行状態を維持しつつ、連動して、上側及び下側取付軸26a,26b回りの左右方向に一斉に回動するようになっている。
一方、複数の横ブレード24は、上側空間16において、互いに平行に、且つ上下方向に一列に並べられた状態で配されている。また、図2には明示されてはいないものの、それら複数の横ブレード24は、左側側壁部15cと右側側壁部15dに対して、それぞれ一軸回りに回動可能に軸支されていると共に、上下方向に延びる連動プレート(図示せず)によって相互に連結されている。これによって、複数の横ブレード24のうちの何れか一つものの回動に従って、全ての横ブレード24が、互いに平行状態を維持しつつ連動して、前記一軸回りの上下方向に一斉に回動するようになっている。
また、図2及び図3から明らかなように、第一のハウジング10の仕切壁部20と下側側壁部15bと左側側壁部15cと右側側壁部15dとに囲まれて形成される下側空間18内には、駆動プレート32が、左右方向に往復移動可能に配置されている。この駆動プレート32は、全体として、長手矩形の平板形状を呈しており、その上端面と下端面には、それぞれ、凸条33が、所定高さで突出し、且つ長手方向の全長に亘って連続して延びるように、一体形成されている。
また、図2乃至図4に示されるように、駆動プレート32の厚さ方向一方(図2の左方で、図3の右方)の面には、係合突起34が、一体的に突設されている。この係合突起34は、四つのリブ35a,35b,35c,35dと、係合爪部36とを有している。
係合突起34の四つのリブ35a,35b,35c,35dは、何れも、薄肉の樹脂平板からなり、十字状を呈するように、上下左右の四方向に延び出している。即ち、四つのリブ35a,35b,35c,35dは、互いに90°の位相差を有するように、周方向に一定の距離を隔てて配置されているのである。また、それらのリブ35a,35b,35c,35dは、弾性を有し、撓み変形可能で、且つ多少の弾性的な圧縮変形も許容されるようになっている。更に、四つのリブ35a,35b,35c,35dのうち、上方に延びるリブ35aの上端部における前後方向の中間部には、切欠部37が形成されており、また、下方に延びるリブ35cの前側部分が、後側(図2の右側)に向かって下傾する傾斜面からなる案内面とされている。
一方、係合爪部36は、下方に延びるリブ35cの下側において、前後方向(図2の左右方向)に延びるように配置されている。また、この係合爪部36は、リブ35cよりも広幅で可撓性を有する板状体からなり、その前端部には、返り状凸部38が一体形成されている。
また、駆動プレート32における係合突起34の形成面において、係合突起34の下方には、フランジ部39が、一体形成されている。このフランジ部39は、駆動プレート32の係合突起34形成面に対して直角な方向に、所定の高さで真っ直ぐ突出し、且つ長さ方向に連続して延びる平板形状を有している。また、かかるフランジ部39の突出先端面の長さ方向中央部には、長手の操作ロッド40が一体形成されている。この操作ロッド40は、下側空間18を塞いで配置された垂れ壁部21を貫通して、先端部が車室内に突出するように配置されている。
一方、駆動プレート32の厚さ方向他方の面には、駆動ギヤとしてのラック部41が、各歯を、連動プレート32の厚さ方向他方の面に対して直角な方向に突出させ、且つ駆動プレート32の長手方向の全長に連続して延びるように一体形成されている。
また、仕切壁部20と下側側壁部15bの互いの対向面における鉛直方向に対応する箇所には、摺動溝42が、左右方向に一直線に連続して延びるように、それぞれ、一つずつ形成されている。この摺動溝42は、駆動プレート32の上下両端面に、それぞれ一つずつ一体形成された凸条33,33の厚さよりも所定寸法だけ大きな幅を有している。
そして、駆動プレート32が、下側空間18内において、上側空間16内での複数の縦ブレード22の配置位置よりも空気吹出方向前方側(図2中、左側)の箇所に、係合突起34を前方に突出させ、且つラック部41を後方に突出させるように配置されている。また、かかる配置状態下で、駆動プレート32の上下両端面に設けられた凸条33,33が、仕切壁部20と下側側壁部15bのそれぞれの摺動溝42,42内に、それぞれ、摺動可能に嵌入され、更に、フランジ部39の下面が、下側側壁部15bの上面に接触配置されている。
かくして、駆動プレート32が、下側空間18内において、摺動溝42,42に案内されつつ、左右方向に往復移動可能に、第一のハウジング10に組み付けられている。そして、そのような駆動プレート32に一体形成されて、先端部が車室内に突出配置された操作ロッド40を、車室内の乗員が把持して左右方向に動かすことにより、駆動プレート32が、手動で左右方向に往復移動させられるようになっている。
また、かかる駆動プレート32は、第一のハウジング10への組付状態下において、その上下両端面に設けられた凸条33,33が、摺動溝42,42内で、その幅方向に移動可能とされた範囲内において、前後方向に移動可能とされている。即ち、駆動プレート32は、凸条33,33の厚さ方向両側側面のうち、前方側に位置する側面が、摺動溝42,42の前後方向に対向する二つの側面のうちの前方側に位置する側面に当接した位置から、各突条34の後方側に位置する側面が、各摺動溝42の後方側に位置する側面に当接位置するまでの範囲内で、前後方向に移動可能とされているのである。
一方、上側空間16内に配置された複数の縦ブレード22のうち、左右方向の中央に位置する縦ブレード22においては、下側取付軸26bが、仕切壁部20を貫通して、下側空間18内に延び出している。この下側空間18内に延び出した下側取付軸26bの下端部は、駆動プレート32と前後方向において所定距離を隔てて配置されている。そして、そのような下側取付軸26bの下端部に対して、連動ギヤ43が固定されている。
また、下側空間18内において、連動ギヤ43と駆動プレート32との間には、クラッチ機構44が、配置されている。このクラッチ機構44は、上側ギヤ46と、従動ギヤとしての下側ギヤ48とを有している。それら上側ギヤ46と下側ギヤ48は、圧縮コイルばね50の付勢力により、互いに押圧接触している。そして、そのようなクラッチ機構44の上側ギヤ46が、連動ギヤ43に噛合されている。また、下側ギヤ48が、駆動プレート32のラック部41に噛合されている。これにより、駆動プレート32の往復移動に伴って、クラッチ機構44の下側ギヤ48及び上側ギヤ46と連動ギヤ43とが往復回転するようになっている。
かくして、駆動プレート32の左右方向への往復移動が、クラッチ機構44を介して、中央の縦ブレード22に伝達されて、連動ギヤ43が取り付けられる下側取付軸26bを有する縦ブレード22が往復回動するようになっている。そして、それに伴って、全ての縦ブレード22が、一斉に往復回動するように構成されているのである。従って、駆動プレート32に一体形成された操作ロッド40を、自動車の乗員が左右に動かすことによっても、全ての縦ブレード22が、手動で、一斉に往復回動させられるようになっている。また、ここでは、前記したように、駆動プレート32が前後方向に移動可能とされているため、クラッチ機構44の下側ギヤ48と駆動プレート32のラック部41との噛合状態下で、駆動プレート32の前後方向への移動に伴って、ラック部41が、ラック部41と下側ギヤ48のそれぞれの歯形成面(外周面)の対向方向において、下側ギヤ48に対して接近乃至離隔移動し得るようになっている。
なお、図示されてはいないものの、第二のハウジング12も、第一のハウジング10と同一の内部構造を有して、構成されている。つまり、第二のハウジング12内にも、複数の縦ブレード22と複数の横ブレード24とが、第一のハウジング10内に設けられた複数の縦ブレード22と複数の横ブレード24と同様な構造において、回動可能に取り付けられている。また、駆動プレート32やクラッチ機構44も、第一のハウジング10内への配設構造と同一の構造をもって配設されている。これによって、第二のハウジング12内に設けられた複数の縦ブレード22も、その全てのものが、駆動プレート32の左右方向への往復移動に従って一斉に往復回動するようになっており、それ故、操作ロッド40の手動操作によっても、全ての縦ブレード22が、手動で、一斉に往復回動させられるようになっている。また、第二のハウジング12にあっても、クラッチ機構44の下側ギヤ48と駆動プレート32のラック部41との噛合状態下で、駆動プレート32の前後方向への移動に伴って、ラック部41が、ラック部41と下側ギヤ48のそれぞれの歯形成面の対向方向において、下側ギヤ48に対して接近乃至離隔移動し得るようになっている。
ところで、図3及び図5に示されるように、本実施形態の空気吹出口装置は、駆動手段としてのステッピングモータ52を有している。そして、このステッピングモータ52の回転駆動力に基づいて、第一のハウジング10と第二のハウジング12の下側空間18内にそれぞれ配置された駆動プレート32,32が、左右方向に往復移動させられて、第一及び第二のハウジング10,12内に全ての縦ブレード22が、自動で、一斉に往復回動させられるように構成されている。
より詳細には、図1、図3び図5から明らかなように、第一のハウジング10と第二のハウジング12との間には、筒状ブラケット54が配置されている。この筒状ブラケット54は、上下方向に所定距離を隔てて、水平に配置された天板56及び基板58と、それらを前後の両端部において互いに連結する二つの連結壁部60,60とが、一体的に組み付けられて、構成されている。そして、そのような筒状ブラケット54が、第一のハウジング10側と第二のハウジング12側の両側に向かって、左右方向に開口するように配置されている。
筒状ブラケット54の基板58の下面には、ステッピングモータ52が、減速機62を有して、取り付けられている。このステッピングモータ52(減速機62)の駆動軸64は、基板58を貫通して、その上面上に突出している。そして、かかる駆動軸64の基板58上への突出部分に対して、クランク66が、相対回動不能に取り付けられている。また、このクランク66の上面には、クランクピン68が、駆動軸64への取付部位と所定距離を隔てた位置に、一体的に立設されている。
筒状ブラケット54内における基板58の下側には、ステッピングモータ52の回転駆動制御を行う制御機構としてのコントローラ70が設置されている。このコントローラ70は、ステッピングモータ52と、ステッピングモータ52の駆動及び停止を行う作動スイッチ72とに対して、それぞれ電気的に接続されている。そして、かかる作動スイッチ72のON操作により、ステッピングモータ52の駆動軸64が、コントローラ70による回転駆動制御の下で、180°の範囲内で回転駆動し、それに伴って、クランク66が、図3に二点鎖線でそれぞれ示される左側回動限度位置と右側回動限度位置との間において、図3に実線で示される中央位置から左右方向にそれぞれ90°の範囲となる180°の回動角度の範囲内で、回動するように構成されている。なお、このステッピングモータ52の駆動軸64とクランク66の回転乃至は回動は、作動スイッチ72のOFF操作によって停止されるようになっている。
また、筒状ブラケット54の基板58の上面には、案内凸条74が、駆動軸64の貫通部位よりも前方側の箇所に、左右方向(前記駆動プレート32の往復移動方向)に連続して延びるように一体形成されている。また、筒状ブラケット54における天板56の基板58との対向面上には、案内溝76が、案内凸条74と鉛直方向に対応する箇所において、左右方向に連続して延びるように形成されている。
そして、筒状ブラケット54の基板58と天板56との間には、スライドプレート78が配置されている。このスライドプレート78は、全体として、略T字形状を呈する板材からなっている。そして、かかるT字の頭部に相当する部位が、筒状ブラケット54の開口方向たる左右方向に延びる厚肉平板状の案内部80とされている。一方、T字の脚部に相当する部位が、案内部80の厚さ方向一方の面から垂直に延びる平板状の係合部82とされている。
かかるスライドプレート78においては、案内部80の下面に、全長に亘って左右方向に連続して延びる凹溝84が設けられている一方、案内部80の上面には、凸条85が、凹溝84と対応して延びるように、形成されている。また、案内部80における係合部82の形成側とは反対の厚さ方向他方の面には、係合突起86が、一体的に突出形成されている。この係合突起86は、駆動プレート32に設けられた係合突起34と同様な構造を有している。このため、スライドプレート78に一体形成された係合突起86に関しては、それが有する部材及び部位について、駆動プレート32に設けられた係合突起34が有する部材及び部位と同一の符号を付すことにより、詳細な説明を省略する。更に、スライドプレート78の係合部82には、長手矩形状の係合孔90が、係合部82の長さ方向に真っ直ぐに延びるように形成されている。
そして、このようなスライドプレート78が、筒状ブラケット54の基板58と天板56との間において、案内部80の凹溝84内に、基板58の上面に一体形成された案内凸条74を摺動可能に嵌入させると共に、案内部80の凸条85を、筒状ブラケット54の天板56の下面に設けられた案内溝76内に摺動可能に嵌入させて、配置されている。また、かかる配置下において、係合部82の係合孔90内に、クランク66のクランクピン68が、嵌め込まれて、係合されている。
かくして、コントローラ70による回転駆動制御の下で、ステッピングモータ52の駆動軸64が180°の範囲内で回転駆動して、クランク66が、図3にそれぞれ二点鎖線で示される左側回動限度位置と右側回動限度位置との間において、左右方向に180°の回動角度の範囲内で回動すると、それに伴って、スライドプレート78が、基板58の案内凸条74や天板54の案内溝76に案内されつつ、左右方向に往復スライド移動するようになっている。即ち、ステッピングモータ52の駆動力による回転運動が、スライドプレート78の左右方向への直線的な往復運動に変換されるようになっている。このスライドプレート78の左右方向への往復スライド移動範囲は、図3に二点鎖線でそれぞれ示されるような、左側移動限度位置と右側移動限度位置との間の範囲内とされている。このことから明らかなように、本実施形態では、筒状ブラケット54とスライドプレート78とクランク66とにて、運動変換機構が、構成されている。
そして、本実施形態の空気吹出口装置では、左右方向に往復スライド移動可能とされたスライドプレート78と、第一及び第二のハウジング10,12の下側空間16内にそれぞれ配置された駆動プレート32とが、往復動部材としての連結部材92にて、相互に連結されている。
この連結部材92は、図6に示されるように、一本の長尺なピアノ線からなっている。また、かかる連結部材92は、軸方向に押圧力や引張力が加えられた際に、容易に変形することのない軸方向での剛性と、軸方向に対して直角な方向に押圧力や引張力が加えられた際には、湾曲状に撓み変形して、復元力を発揮する弾性(可撓性)とを有している。更に、連結部材92の長さ方向の両側先端部位には、環状係合部としての先端リング部94が、それぞれ一つずつ設けられている一方、その中央部位には、中央リング部96が一つだけ設けられている。なお、先端リング部94,94は、連結部材92の先端側部位を円形に屈曲変形することによって形成され、中央リング部96は、連結部材92の中央部位をを円形に屈曲変形することによって形成されている。
そして、図1及び図3に示されるように、連結部材92が、第一のハウジング10と第二のハウジング12との間に跨って延びるように配置されている。また、かかる連結部材92の中央リング部96内に、スライドプレート78の係合突起86が挿入されている。更に、連結部材92の両端の二つの先端リング部94,94内に、第一及び第二のハウジング10,12の下側空間16,16内に配置された二つの駆動プレート32,32の各係合突起34が、それぞれ挿入されている(図3には、右側の先リング部に対する係合突起34の挿入状態のみを示す)。
すなわち、図2乃至図5に示されるように、連結部材92の各先端リング部94の周上の一箇所が、各駆動プレート32に設けられた係合突起34のリブ35aの切欠部37内に嵌入されると共に、各先端リング部94の別の周上の一箇所が、係合突起34のリブ35cと係合爪部36との間で挟持された状態で、各先端リング部94内に、係合突起34の四つのリブ35a,35b,35c,35dが、撓み変形及び弾性的に圧縮変形しつつ、圧入されている。そうして、各先端リング部94と各係合突起34との間のクリアランスが有利に無くされている。スライドプレート78に設けられた係合突起86も、係合突起34の各先端リング部94への圧入状態と同様な状態で、連結部材92の中央リング部96に圧入されている。
なお、各先端リング部94と中央リング部96に係合突起34,86を圧入する際には、ここでは、例えば、先端リング部94や中央リング部96の周上の一箇所を、係合突起34,86のリブ35aの切欠部34内に嵌入させた状態で、かかる周上の一箇所と径方向の反対側に位置する部分を、リブ35cの案内面に滑らせると共に、係合爪部36を撓み変形させながら、係合爪部36とリブ35cとの間に押し込む。これによって、各先端リング部94と中央リング部96への係合突起34,86の圧入作業が、容易に且つ確実に行われる。また、そのような各先端リング部94と中央リング部96への係合突起34,86の圧入状態下では、係合爪部36に設けられた返り状凸部38によって、それら各先端リング部94と中央リング部96からの係合突起34,86の抜け出しが防止されるようになっている。
これにより、中央リング部96と二つの先端リング部94,94とが、スライドプレート78の係合突起86と二つの駆動プレート32,32の各係合突起34とに対して、それぞれ係合されて、連結部材92が、スライドプレート78と二つの駆動プレート32,32に固定されている。そして、それにより、第一のハウジング10内に配置された駆動プレート32と第二のハウジング12内に配置された駆動プレート32とが、また、それら二つの駆動プレート32,32とスライドプレート78とが、それぞれ、連結部材92にて連結されているのである。
かくして、本実施形態の空気吹出口装置においては、図3に二点鎖線で示されるように、スライドプレート78の左右方向へのスライド移動に伴って、連結部材92が左右方向に往復移動するようになっている。また、それによって、第一及び第二のハウジング10,12内にそれぞれ設けられた駆動プレート32,32が、連結部材92にて押圧乃至は引張されて、左右方向において一体的に往復移動するようになっている。そして、そのような駆動プレート32,32の左右方向への往復移動が、各クラッチ機構44を介して、第一ハウジング10内の一つの縦ブレード22と第二のハウジング12内の一つの縦ブレード22に、それぞれ伝達されるように構成されている。
従って、本実施形態の空気吹出口装置においては、作動スイッチ72のON操作により、コントローラ70による制御下でのステッピングモータ52の回転駆動が開始されると、クランク66とスライドプレート78と連結部材92と二つの駆動プレート32,32とが、左右方向に、それぞれ、所定の範囲内で一体的に回動乃至は往復移動し、また、それに伴って、第一及び第二のハウジング10,12内にそれぞれ設けられた複数の縦ブレード22の全てが、一斉に連動して、自動的に往復回動するようになっている。そして、その結果、第一及び第二のハウジング10,12の前方側開口部14を通じて車室内に吹き出される空気の向きが、前後方向に平行な向きを中心として、その左右両側に同じ幅だけ、自動的に且つ連続的に変化させられ得るように構成されているのである。このことから明らかなように、ここでは、クランク66とスライドプレート78と連結部材92と駆動プレート32とクラッチ機構44と連動ギヤ43とにて、伝達機構が構成されている。
また、本実施形態の空気吹出口装置では、ステッピングモータ52の回転駆動による縦ブレード22の自動操作時に、例えば、縦ブレード22のどれかと第一及び第二のハウジング10,12の各側壁部15a〜15dや仕切壁部20との間に異物が挟まる等して、全ての縦ブレード22の回動が強制的に停止させられて、クラッチ機構44の上側ギヤ46と下側ギヤ48との間に、圧縮コイルばね50の付勢力に基づく押圧力よりも大きな力が加えられた場合には、それら上側ギヤ46と下側ギヤ48との間の相対回転が許容されるようになっている。それによって、各縦ブレード22等、ステッピングモータ52の駆動によって動かされる部材の全てのものの損傷乃至は破損が、未然に防止され得るようになっている。
そして、図3に示されるように、本実施形態においては、特に、連結部材92の中央リング部96が挿入、固定されるスライドプレート78の係合突起86が、連結部材92の両端の先端リング部94,94が挿入、固定される二つの駆動プレート32,32の各係合突起34よりも所定寸法だけ後方側にずらされた位置に配置されている。これにより、連結部材92が、二つの駆動プレート32,32とスライドプレート78とを相互に連結した状態において、後方に向かって凸となる湾曲乃至は屈曲形状を呈するように、撓み変形させられている。そして、二つの駆動プレート32,32に対して、それらを後方側に向かって付勢する付勢力が、連結部材92の弾性復元力に基づいて加えられている。
かくして、連結部材92の両端の先端リング部94,94の内周面のうち、左右方向に対向する二つの部分が、連結部材92の弾性復元力に基づいて、二つの駆動プレート32,32の各係合突起34における各リブ35a,35b,35c,35dの突出先端面に押圧接触している。そして、これにより、各先端リング部94の内周面と各係合突起34における各リブ35a,35b,35c,35dの突出先端面外周面との左右方向に対応する部位同士の間でのクリアランスが、より確実に無くされている。
また、各駆動プレート32が、撓み変形(弾性変形)した連結部材92に連結されることにより、図2及び図7に二点鎖線で示される、連結部材92に連結される前の位置から、図2及び図7に実線で示される位置まで、後方(図2及び図7の右方向)に向かって移動させられている。これによって、各駆動プレート32におけるラック部41が、クラッチ機構44の下側ギヤ48に対して、それらラック部41と下側ギヤ48のそれぞれの歯形成面(外周面)の対向方向(図2及び図7の左右方向であって、下側ギヤ48の回転軸49に対して垂直な方向)において接近させられている。
かくして、互いに噛合したラック部41のラック歯98と下側ギヤ48のギヤ歯100のそれぞれの歯面が、連結部材92にて及ぼされる付勢力(弾性復元力)に基づいて、互いに押圧接触させられている。また、それによって、互いに噛合したラック部41のラック歯98と下側ギヤ48のギヤ歯100との間のバックラッシが完全に無くされている。即ち、ここでは、駆動プレート32,32が、撓み変形した連結部材92を介して、スライドプレート78に連結されていることにより、ラック部41(駆動プレート32)が、下側ギヤ48との間でバックラッシを形成する、図2及び図7に二点鎖線で示される設計基準位置から、バックラッシを消失させた、図2及び図7に実線で示される組付位置にまで移動させられているのである。
しかも、そのような組付位置に配置されたラック部41の往復移動により、それに噛合した下側ギヤ48が回転しているときに、一つのラック部41が有する多数のラック歯98の間での歯厚や歯溝の幅、歯たけの違い、或いは一つの下側ギヤ48が有する多数のギヤ歯100間での歯厚や歯溝の幅、歯たけの違い等に応じて、ラック部41が、下側ギヤ48の回転軸に対して、接近乃至離隔移動させる方向に向かって移動するようになっている。なお、それらラック歯98間やギヤ歯100間での歯厚や歯溝の幅、歯たけの違いは、例えば、ラック部41のラック歯98や下側ギヤ48のギヤ歯100の加工時における寸法精度のバラツキ等によって生ずるものである。
すなわち、ラック歯98やギヤ歯100の加工精度によっては、ラック部41が有する多数のラック歯98や下側ギヤ48が有する多数のギヤ歯100の歯厚や歯溝の幅、歯たけ等が、それぞれ全て同一寸法となっていない場合がある。そのような場合には、下側ギヤ48の回転により、互いに噛合するラック歯98とギヤ歯100のうちの少なくとも何れか一方が、他のラック歯98やギヤ歯100よりも、歯厚や歯たけが小さいもの、或いは歯溝の幅が大きいものであったときに、ラック部41が前記設計基準位置に配置された状態において、ラック歯98とギヤ歯100の間に形成されるバックラッシが、期せずして、設計値よりも大きくなる。このとき、本実施形態の空気吹出口装置では、連結部材92の付勢力(弾性復元力)に基づいて、ラック部41(駆動プレート32)が、下側ギヤ48の回転軸に接近する方向に向かって移動させられるようになっている。そして、それにより、ラック歯98の歯面とギヤ歯100の歯面との押圧接触状態が良好に確保されて、それらラック歯98とギヤ歯100との間のバックラッシを無くした状態が、安定的に維持され得るように構成されているのである。
また、下側ギヤ48の回転により、互いに噛合するラック歯98とギヤ歯100のうちの少なくとも何れか一方が、他のラック歯98やギヤ歯100よりも、歯厚や歯たけが大きいもの、或いは歯溝の幅が小さいものであったときには、ラック部41が前記設計基準位置に配置された状態において、ラック歯98とギヤ歯100の間に形成されるバックラッシが、期せずして、設計値よりも小さくなる。このとき、本実施形態の空気吹出口装置にあっては、ラック歯98の歯面とギヤ歯100の歯面との接触状態下で、ラック歯98が、ギヤ歯100により、連結部材92の付勢力(弾性復元力)に抗して、前方(図2及び図6の右方向)に向かって押圧されて、ラック部41(駆動プレート32)が、下側ギヤ48の回転軸から離間する方向に向かって移動させられるようになっている。そして、それにより、ラック歯98の歯面からギヤ歯100の歯面に及ぼされる押圧力を過剰に大きくすることなく、従って、ラック歯98とギヤ歯100との間の接触荷重を可及的に均一に維持しつつ、ラック歯98とギヤ歯100との間のバックラッシを無くした状態が、良好に且つ安定的に確保され得るようになっているのである。
要するに、本実施形態の空気吹出口装置においては、一つのラック部41が有する多数のラック歯98の間で歯厚や歯溝の幅、歯たけ等の寸法にバラツキがあっても、また、一つの下側ギヤ48が有する多数のギヤ歯100の間で歯厚や歯溝の幅、歯たけ等の寸法にバラツキがあっても、ラック部41が、駆動プレート32,32に連結される連結部材92の弾性復元力により付勢されつつ、下側ギヤ48に接近又は離隔移動することによって、ラック歯98やギヤ歯100の寸法のバラツキが有利に吸収され得る。そして、それにより、ラック歯98の歯面とギヤ歯100の歯面との接触荷重を可及的に均一に維持しつつ、それらラック歯98とギヤ歯100の互いの押圧接触状態が、常時、確実に且つ安定的に確保され得る。それ故、ラック歯98とギヤ歯100に対して、高いコストと面倒な作業を要する高精度な加工を行うことなしに、ラック歯98とギヤ歯100との間のバックラッシが、極めて有利に皆無とされ得るのである。
そして、ラック歯98とギヤ歯100との間のバックラッシが無くされていることによって、乗員が操作ロッド40を動かすと同時に、第一及び第二のハウジング10,12内にそれぞれ配置された複数の縦ブレード22を手動で回動させることができるようになっている。つまり、ラック歯98とギヤ歯100との間にバックラッシが存在するものとは異なって、操作ロッド40の操作開始時に、操作ロッド40を動かしているにも拘わらず、ラック歯98とギヤ歯100とが接触するまでの間、縦ブレード22が回動しない、所謂操作ガタの発生が、有利に解消されている。
従って、かくの如き本実施形態の空気吹出口装置にあっては、製造コストの高騰や製造作業の作業効率の低下を何等招くことなく、操作ロッド40の操作フィーリングの向上が、極めて有利に図られ得るのである。
さらに、本実施形態の空気吹出口装置にあっては、一つのステッピングモータ52と、このステッピングモータ52の駆動力による回転運動を往復運動に変換する一組の運動変換機構によって、第一及び第二のハウジング10,12内にそれぞれ配置された複数の縦ブレード22が自動的に回動されるようになっている。それ故、例えば、第一のハウジング10内に配置された複数の縦ブレード22と第二のハウジング12内に配置された複数の縦ブレード22を、二つのステッピングモータ52,52と二組の運動変換機構部とによって回動させる場合とは異なって、構造の簡略化と低コスト化が図られ得る。
そして、本実施形態の空気吹出口装置においては、連結部材92の両端の先端リング部94,94の内周面が、撓み変形した連結部材92の弾性復元力と、各先端リング部94に圧入されて、撓み変形及び弾性的に圧縮変形された、二つの駆動プレート32,32の各係合突起34の各リブ35a,35b,35c,35dの弾性復元力とに基づいて、各係合突起34の各リブ35a,35b,35c,35dの突出先端面に押圧接触して、各先端リング部94の内周面と各係合突起34の各リブ35a,35b,35c,35dの突出先端面との左右方向に対応する部位同士の間でのクリアランスが無くされている。これによって、連結部材92が左右方向に往復移動したときに、各先端リング部94が、各駆動プレート32の係合突起34に当たって異音を発生することが、有利に防止され得る。
また、本実施形態では、連結部材92の各先端リング部94の周上の一箇所が、各係合突起34のリブ35cと係合爪部36との間で挟持されている。それ故、例えば、係合突起34が設けられる駆動プレート32の下側部位に設けられるラック部41と、クラッチ機構44の下側ギヤ48との当接状態で、駆動プレート32の上側部位に設けられる係合突起34が、それに係合された連結部材92から付勢力が加えられることにより、駆動プレート32に対して回転モーメントが作用して、駆動プレート32が前後方向に傾いたりしても、連結部材92の各先端リング部94と各係合突起34との係合状態が解消されることが、効果的に防止され得る。
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
例えば、前記実施形態では、弾性部材が、可撓性を有する連結部材92からなり、この連結部材92の弾性復元力によって、駆動ギヤとしてのラック部41が、従動ギヤたる下側ギヤ48への接近方向に付勢された状態で接近移動して、ラック歯98とギヤ歯100のそれぞれの歯面が互いに押圧接触させられていた。しかしながら、ラック部41を付勢する弾性部材を、連結部材92とは別個の部材にて構成することも可能である。
例えば、図8に示されるように、駆動プレート32と垂れ壁部21との間に、弾性部材としての圧縮コイルばね102を圧縮状態で配置して、この圧縮コイルばね102の弾性復元力に基づいて、駆動プレート32に設けられたラック部41を、下側ギヤ48への接近方向に付勢しつつ、下側ギヤ48に接近移動させて、ラック歯98とギヤ歯100のそれぞれの歯面を互いに押圧接触させるように為しても良いのである。このとき、連結部材92は、例えば、ワイヤ等の弾性を有しない長尺な部材にて構成しても良い。このような構造を有する空気吹出口装置にあっても、前記第一の実施形態に係る空気吹出口装置において奏される作用・効果と同様な作用・効果が、有効に享受され得る。なお、図8に示される実施形態、更に、後述する図9に示される別の実施形態に関しては、図1乃至図7に示された前記実施形態と同様な構造とされた部材及び部位について、図1乃至図7と同一の符号を付すことにより、それらの詳細な説明を省略する。
また、駆動ギヤを従動ギヤへの接近方向に付勢する弾性部材としては、例示された可撓性を有するピアノ線等の線状部材や圧縮コイルばねの他、ゴム弾性体やエラストマ、弾性を有する樹脂成形体、或いは引張コイルばね等、公知の各種の弾性部材が、採用可能である。
さらに、風向部材としての複数のブレード22を手動で一斉に回動させるための操作ロッド40の取付位置は、適宜に変更可能である。例えば、図8に示されるように、従動ギヤとしての下側ギヤ48の回転軸49に固定しても良い。そうした場合には、ラック歯98とギヤ歯100との間のバックラッシが無くされていることにより、操作ロッド40を手動操作したときの操作荷重の変化が解消され、以て、操作ロッド40の操作フィーリングの向上が図られ得る。
また、前記実施形態では、第一のハウジング10と第二のハウジング12内にそれぞれ複数個ずつ配設された縦ブレード22が、駆動手段としての一つのステッピングモータ52の駆動力に基づいて、自動的に一斉に往復回動するようになっていた。しかしながら、第一のハウジング10内に配設された複数の縦ブレード22と、第二のハウジング12内に配設された複数の縦ブレード22とを、それぞれ別個のステッピングモータ52によって往復回動させるように為すこともできる。これは、例えば、図9に示される如き構造を採用することによって、容易に実現できる。
なお、第一及び第二のハウジング10,12内にそれぞれ配設された複数の縦ブレード22を別個のステッピングモータ52によって回動させる構造を採用する場合には、第一のハウジング10の内部構造と第二のハウジング12の内部構造とが、互いに同様な構造となる。それ故、図9には、第一のハウジング10の内部構造のみを示し、第二のハウジング12の内部構造の詳細な説明を省略する。
すなわち、図9から明らかなように、本実施形態においては、第一のハウジング10の下側側壁部15bの上面におけるクラッチ機構44よりも前側の部位に、案内溝104が、前後方向に延びるように形成されている。そして、この案内溝104内に、ステッピングモータ52が、案内溝104の前後方向に延びる二つの側面に案内されつつ、前後方向に、つまり、クラッチ機構44に対して接近乃至離隔する方向に、移動可能に配置されている。
また、ステッピングモータ52は、往復回転可能とされている。そして、かかるステッピングモータ52の駆動軸106には、駆動ギヤ108が固定されており、この駆動ギヤ108が、クラッチ機構44の下側ギヤ48に噛合している。また、ステッピングモータ52と垂れ壁部21との間には、弾性部材としての圧縮コイルばね102が、圧縮変形した状態で前後方向に延びるように配置されている。
かくして、ステッピングモータ52の駆動ギヤ108が、ステッピングモータ52に加えられる圧縮コイルばね102の弾性復元力に基づいて、駆動ギヤ108と下側ギヤ48のそれぞれの歯形成面の対向方向での下側ギヤ48への接近方向に、ステッピングモータ52と共に移動させられている。
かくの如き構造とされた空気吹出口装置においては、ステッピングモータ52の駆動ギヤ108の往復回転に伴って、下側ギヤ48と上側ギヤ46とが往復回転して、連動ギヤ46が往復回転し、それによって、複数の縦ブレード22が、一斉に自動的に回動するようになっている。そして、駆動ギヤ106の歯面と下側ギヤ48の歯面とが、互いに押圧接触させられていることによって、それら駆動ギヤ108と下側ギヤ48との間のバックラッシが完全に無くされているのである。このような空気吹出口装置にあっても、前記第一の実施形態に係る空気吹出口装置において奏される作用・効果と同様な作用・効果が、有効に享受され得る。
なお、図9に示される如き構造を採用する場合には、第一のハウジング10と第二のハウジング12のうちの何れか一方を省略することができる。
また、前記した幾つかの実施形態では、縦ブレード22のみが、ステッピングモータ52の駆動力により、自動的に回動するようになっていたが、縦ブレード22に代えて、或いはそれに加えて、横ブレード24を、ステッピングモータ52によって、或いはそれとは別個のステッピングモータによって、自動的に回動するように構成することも可能である。
さらに、それら縦ブレード22や横ブレード24からなる風向部材を自動的に回動させるための駆動力を発生する駆動手段としては、ステッピングモータ以外の各種の電動モータ、或いは電動モータ以外の公知の駆動手段が、ステッピングモータに代えて、或いはそれに加えて、適宜に採用され得る。
また、駆動ギヤは、駆動手段の駆動軸に対して、直接に或いは間接的に組み付けられて、かかる駆動手段の駆動力によって駆動されるものであれば、その構造が、特に限定されるものではない。
さらに、従動ギヤ、駆動ギヤに噛合して、駆動ギヤの駆動によって駆動させられるものであれば、その構造が、何等限定されるものではない。従って、従動ギヤは、必ずしも回転運動するものである必要はなく、直線的に往復運動するものであっても良い。また、そのような従動ギヤに対して、風向部材が、直接に連結されていても、或いは間接的に連結されていても、何等差し支えない。
更にまた、前記第一の実施形態では、連結部材92が一つのものにて構成されていたが、かかる連結部材92を駆動プレート32と同数の複数個としても良い。この場合には、例えば、複数の連結部材92のそれぞれのものが、長さ方向の一端部において、スライドプレート78の係合突起86に係合して、連結される一方、長さ方向の他端部において、各駆動プレート32の係合突起34に係合して、連結されることとなる。
また、駆動プレート32やスライドプレート78に設けられる係合突起34,86の構造は、適宜に変更可能である。即ち、それら各係合突起34,86を、図8に示されるような直線的な棒形状や、長さ方向中間部に屈曲部が設けられてなる鈎形状をもって構成することも可能である。更に、係合突起34,86に弾性を有するリブ35を設ける場合には、かかるリブ35は、周方向に等間隔を隔て位置された三つ以上のものであることが、望ましい。それによって、連結部材92の先端及び中間リング部94,96と係合突起34,86との係合状態でのガタツキが、より有利に無くされ得ることとなる。
さらに、係合突起34,86に、リブ35と係合爪部36とを設ける場合には、それらを互いに対応するように、それぞれ複数個ずつ設けて、連結部材92の先端及び中間リング部94,96のそれぞれの周方向の複数箇所を、互いに対応するリブ35と係合爪部36との間で、それぞれ挟持するようにしても良い。また、複数のリブ35と、一つ又は複数の係合爪部36とを設けて、それらの間で、連結部材92の先端及び中間リング部94,96を挟持するようにしても、何等差し支えない。
更にまた、前記した幾つかの実施形態では、駆動ギヤと従動ギヤの組合せとして、ラックとピニオンの組合せ、又は平歯車同士の組合せが例示されていた。しかしながら、駆動ギヤと従動ギヤの組合せは、例示されたもの以外であっても良い。例えば、駆動ギヤと従動ギヤの組合せを、ウォームとウォームホイールの組合せや、かさ歯車同士の組合せ等とすることも可能である。即ち、駆動ギヤと従動ギヤとが、それぞれの軸を交差させる歯車にて構成されていても、何等差し支えないのである。
加えて、前記実施形態では、本発明を、自動車のインストルメントパネルに取り付けられる空気吹出口装置に対して適用したものの具体例を示したが、本発明は、その他、自動車のインストルメントパネル以外の取り付けられる空気吹出口装置や、自動車以外の車両に装備される空気吹出口装置の何れに対しても、有利に適用され得るものであることは、勿論である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
10 第一のハウジング 12 第二のハウジング
22 縦ブレード 24 横ブレード
30 連動プレート 32 駆動プレート
34,86 係合突起 36 係合爪部
37 操作ロッド 40 ラック部
48 下側ギヤ 52 ステッピングモータ
92 連結部材 98 ラック歯
100 ギヤ歯 102 圧縮コイルばね
108 駆動ギヤ

Claims (5)

  1. (a)車室内に開口するハウジングと、(b)該ハウジング内に回動可能に軸支された複数の風向部材と、(c)それら複数の風向部材を相互に連結して、該風向部材の回転軸に対して直角な方向に往復動可能に配置され、かかる往復動により、該複数の風向部材を連動して回動させる連動部材と、(d)駆動力を発生する駆動手段と、(e)該駆動手段の駆動力に基づいて駆動する駆動ギヤと、(f)該駆動ギヤと前記連動部材との間に、該駆動ギヤに噛合した従動ギヤを有して配設され、該従動ギヤが該駆動ギヤの駆動に伴って駆動することにより、前記駆動手段の駆動力を該連動部材に伝達する伝達機構とを含み、該駆動手段の駆動力によって、前記連動部材が往復動すると共に、該複数の風向部材が連動して回動するように構成された車両用空気吹出口装置であって、
    前記駆動ギヤが、該駆動ギヤと前記従動ギヤのそれぞれの歯形成面の対向方向において、該従動ギヤに対して接近乃至離隔移動可能に配置されていると共に、該駆動ギヤを、該歯形成面の対向方向において該従動ギヤに接近させる方向に、弾性復元力によって付勢する弾性部材が、弾性変形状態で設置されて、該駆動ギヤの歯面と該従動ギヤの歯面とが、該弾性部材の弾性復元力によって互いに押圧接触させられていることを特徴とする車両用空気吹出口装置。
  2. 前記ハウジングが複数設けられて、それら複数のハウジング内に、前記複数の風向部材が、それぞれ回転可能に軸支されていると共に、前記連動部材と前記伝達機構と前記駆動ギヤとが、該複数のハウジングに対応して、それぞれ複数設けられている一方、前記駆動手段が一つだけ設けられ、更に、該駆動手段の駆動力による回転運動を前記風向部材の回転軸に対して直角な方向の往復運動に変換する運動変換機構と、該運動変換機構にて往復運動に変換された該駆動手段の駆動力により往復動して、前記複数の駆動ギヤの全てを同時に往復駆動させる往復動部材とが設けられて、該往復動部材の往復動による該複数の駆動ギヤの往復駆動により、該駆動手段の駆動力が、前記複数の伝達機構を介して、前記複数の連動部材に伝達されて、該複数の連動部材が一斉に往復動すると共に、前記複数のハウジングのそれぞれの内部に回転可能に軸支された前記複数の風向部材が、連動して一斉に回動するように構成されている請求項1に記載の車両用空気吹出口装置。
  3. 前記弾性部材が長手の可撓性部材からなると共に、かかる弾性部材にて前記往復動部材が構成されて、該弾性部材が、撓んで弾性変形させられた状態で、前記運動変換機構と前記複数の駆動ギヤとを相互に連結して、設置されている請求項2に記載の車両用空気吹出口装置。
  4. 前記往復動部材の長さ方向の両端部に、環状係合部がそれぞれ設けられている一方、前記駆動ギヤが二つ設けられて、それら二つの駆動ギヤのそれぞれに、該環状係合部内に挿入可能な係合突起が設けられていると共に、該係合突起が、その周方向に等間隔を隔て位置する、弾性を有する三つ以上のリブを有して構成されており、該三つ以上のリブが、それぞれの先端部において、該環状係合部の内周面に接触し、且つ該三つ以上のリブと該環状係合部のうちの少なくとも何れか一方が弾性変形するように、該係合突起が該環状係合部に圧入されて、係合していることにより、該往復動部材の往復動に伴って、該二つの駆動ギヤが往復駆動させられるようになっている請求項3に記載の車両用空気吹出口装置。
  5. 前記係合突起に、前記往復動部材の前記環状係合部を、前記三つ以上のリブのうちの少なくとも一つとの間で挟持する係合爪部が、更に設けられている請求項4に記載の車両用空気吹出口装置。
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