JP2021011765A - ベースプレート - Google Patents
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Abstract
Description
このような構造では、側方からの力が柱に作用した際に柱と基礎の接合箇所に大きな曲げモーメントが加わることになる。この曲げモーメントに耐えるために、柱や基礎の剛性を大きく頑丈にする必要があり、コスト増を引き起こす要因となっていた。
この柱脚構造によれば、ベースプレートと基礎の間の隙間、ベースプレートのスリット、及び、板材によってコンクリートに形成される亀裂が協働して、ベースプレートが回転変形し、柱に加わった曲げモーメントを吸収するので、要求される耐力を低減して、コストを抑えることが可能となる。
本発明が解決しようとする課題は、ベースプレートの裏面と基礎の間に形成された隙間に水が浸入しても、錆の発生を防ぐことができるため、耐久性の高いベースプレートを提供することにある。また、体裁も良くなる。
図1〜図3は、本発明の第1の実施形態を示し、図1は、柱材1と基礎2の接合部の縦断面図、図2は柱材1と基礎2の接合部の横断面図、図3はベースプレート3の要部縦断面図である。
ベースプレート3には、ボルト孔4、及び、ベースプレート3の表面3aと裏面3bを貫通するスリット5が形成される。ボルト孔4及びスリット5は柱材1の位置を避けてその外側に配置される。
基礎2にはアンカーボルト6が埋設される。アンカーボルト6の上端部は基礎2の上面から突出し、ベースプレート3のボルト孔4に挿通される。そして、アンカーボルト6のボルト孔4から上方へ突出した部分にナット7を締め込んで、ベースプレート3及び柱材1を基礎2に固定してある。
スリット5は、ベースプレート3の表面3aと裏面3bとを貫通するとともにボルト孔4から離間してボルト孔4の周囲の少なくとも一部を囲んで形成され、各ボルト孔4の近傍において、ベースプレート3の各辺から直角に内側へ向かって延び、さらに直角に曲がって各辺と平行に延び、全体としてL字形を成す。そして、各ボルト孔4からやや離間した周囲は、L字形のスリット5とベースプレート3の各辺によって3方から囲まれている。
なお、駒材8の縦横寸法は、柱材1の断面寸法と同じかやや小さく、駒材8の高さは、柱材1の断面寸法によっても異なるが、50mm程度とする。
また、基礎2の上にはコンクリート11が打設され、ベースプレート3の表面3a及び板材10の外側はコンクリート11で被覆される。
一方、ベースプレート3の裏面3b、側面3c、スリット5が形成されたスリット形成面は露出しているので、防錆層12を備えている。防錆層12を形成するには、エポキシ系樹脂である、例えばタールエポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、他には、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン等の防錆剤を塗布、吹き付け、あるいは浸潤させて形成する。
また、ベースプレート3の周囲に沿って板材10を立設してあるので、板材10の上方においてコンクリート11に亀裂が生ずる。この亀裂によって、ベースプレート3の内側と外側が分断されるため、コンクリート11の結合力によってベースプレート3の回転変形が阻害されない。
図4及び図5は、本発明の第2の実施形態を示す。
第2の実施形態では、駒材8は、モルタル部8aと、モルタル部8aの上面に配置された金属板8bとから成る。金属板8bの縦横寸法は、モルタル部8aの縦横寸法より小さくなっている。これは、ベースプレート3の配置の際に、金属板8bに接触してモルタル部8a上をずれたとしてもモルタル部8a上に重なって存在することを維持するような寸法である。このようにモルタル部8aとベースプレート3の裏面3bとの間に金属板8bを設けたことにより、ベースプレート3によりモルタル部8aが破損するのを防ぐ。さらに、金属板8bの縦横寸法をモルタル部8aより小さくすることで、ベースプレート3がより点に近い形で支持されることになるのでベースプレート3がスムーズに回転変形することになるが、あまり小さくすると、回転変形したベースプレート3の底部がモルタル部8aの縁に接触し、この部分が破壊される場合があるので、適宜設定する。具体的には、金属板8bの縦横寸法は、例えば、モルタル部8aの0.5倍から1.0未満としている。
このように、ベースプレート3の裏面3bに凹凸部13を備えることにより、防錆層によってベースプレート3の裏面3bの摩擦係数が低下したとしても、ベースプレート3を設置した後の駒材8の金属板8bのベースプレート3に対する滑りを抑制し、金属板8bの位置ずれを防ぐことができる。
その他の構造は、第1の実施形態と同様である。
本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば以下のようなものも含まれる。
もちろん、駒材に金属板を設置しない場合も、ベースプレートの裏面が凹凸部を備えることもできる。
また、防錆層によりベースプレートの裏面の摩擦係数が低下しない場合や低下が問題にならない場合には、凹凸部を省略しても良いことはいうまでもない。
また、駒材の平面形状を矩形としていたが、これにも限られず、平面視において円形であっても良い。
また、弾性材とスリットとを併用するようにしても良い。
2 基礎
3 ベースプレート
3a 表面
3b 裏面
3c 側面
4 ボルト孔
5 スリット
6 アンカーボルト
7 ナット
8 駒材
8a モルタル部
8b 金属板
9 隙間
10 板材
11 コンクリート
12 防錆層
13 凹凸部
14 弾性材
Claims (7)
- 基礎に対してアンカーボルトにより固定され、コンクリートに被覆される柱材のプレートであって、
前記プレートは、
前記柱材が固定されるとともに前記コンクリートに接する表面と、
少なくとも一部に隙間を介して前記基礎に固定される裏面と、
前記アンカーボルトが貫通されるボルト孔と、を有しており、
前記裏面は、防錆層を備えている
ことを特徴とするプレート。 - 前記プレートは、
前記表面と前記裏面とを貫通するとともに前記ボルト孔から離間した周囲の少なくとも一部を囲んで形成されたスリットと、を有している
ことを特徴とする請求項1に記載のプレート。 - 前記スリットが形成されたスリット形成面は、防錆層を備えている
ことを特徴とする請求項2に記載のプレート。 - 前記プレートは、
前記表面と前記アンカーボルトに締め込まれたナットの間に弾性材が設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載のプレート。 - 前記裏面は、駒材と、該駒材の周囲に形成される前記隙間とを介して前記基礎に固定されるものであって、前記駒材との接触面に凹凸部を備える
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載のプレート。 - 前記プレートは、前記基礎から前記表面を超えて延びるとともにコンクリートに被覆される板材と対向する側面と、を備え、
前記側面は、防錆層を備えている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載のプレート。 - 前記表面は、防錆層を備えていない
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちいずれか1項に記載のプレート。
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