JP5323622B2 - ボルト固定用の基板と座金の構造、及びその構造を適用した柱脚金物 - Google Patents

ボルト固定用の基板と座金の構造、及びその構造を適用した柱脚金物 Download PDF

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本発明は、ボルト固定用の基板と座金の構造と、その構造を適用した柱脚金物等に関するものである。
ボルト固定用の基板と座金の構造、及びその構造を適用した柱脚金物として、例えば、基礎コンクリートに突設したアンカーボルトに、基板と、座金とを挿通し、座金の上からアンカーボルトにナットを螺合して、基礎コンクリート等の取付け対象物に基板を固定するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−167868号公報
しかし、上記背景技術では、上述のようにして基礎コンクリート等の取付け対象物に柱脚金物を固定しても、地震や、風、振動等により、基板に外力が加わると、基板両端が浮く等して基板が湾曲し、基板が取付け対象物からずれ易い、という課題がある。
特に、基板中心から座金の位置がずれていると、基板にかかる応力が不均等になるので、基板の耐力が安定化しない。
そこで、本発明は、基板に外力が加わった場合でも、基板が取付け対象物からずれることを極力防止することができる、ボルト固定用の基板と座金の構造、及びその構造を適用した柱脚金物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のボルト固定用の基板と座金の構造は、取付け対象物に突出するように埋設されたボルトに、基板に形成されたボルト挿通孔と、座金に形成されたボルト挿通孔とを挿通し、前記座金の上から前記ボルトにナットを螺合させて前記取付け対象物に前記基板を固定する、ボルト固定用の基板と座金の構造であって、前記基板に形成されたボルト挿通孔は、前記ボルトの突出位置が前記基板上の中心からずれた位置でも前記ボルトを挿通させる大きさを有している一方、前記座金に形成されたボルト挿通孔は、少なくとも前記座金の中心および当該中心からずれた位置にて前記ボルトを挿通させる長孔形状部分を有し、前記基板上には、前記座金の中心が前記基板上の中心に位置するように前記座金の側面に当接して前記座金の位置を固定する位置固定部が形成されており、その位置固定部の高さは、前記座金の厚さより低いことを特徴とする
ここで、前記基板上面と前記座金裏面の少なくとも一方の面には、前記基板に対する前記座金のズレを防止するための滑り止め部が形成されている、ボルト固定用の基板と座金の構造にすることが望ましい。
また、本発明のボルト固定用の基板と座金の構造を適用した柱脚金物は、前記取付け対象物は、基礎コンクリートであり、前記ボルトは、アンカーボルトであり、前記基板には、柱を受ける受板が対向する一対の脚板を介して設けられており、その一対の脚版の両端部はそれぞれ当該基板の4隅に位置し、前記位置固定部は、前記基板の対角線上に設けられていることを特徴とする
本発明のボルト固定用の基板と座金の構造は、取付け対象物に突出するように埋設されたボルトに、基板に形成されたボルト挿通孔と、座金に形成されたボルト挿通孔とを挿通し、前記座金の上から前記ボルトにナットを螺合させて前記取付け対象物に前記基板を固定する、ボルト固定用の基板と座金の構造であって、前記基板に形成されたボルト挿通孔は、前記ボルトの突出位置が前記基板上の中心からずれた位置でも前記ボルトを挿通させる大きさを有している一方、前記座金に形成されたボルト挿通孔は、少なくとも前記座金の中心および当該中心からずれた位置にて前記ボルトを挿通させる長孔形状部分を有し、前記基板上には、前記座金の中心が前記基板上の中心に位置するように前記座金の側面に当接して前記座金の位置を固定する位置固定部が形成されているので、上下方向の振動等により、基板に対し上方向への引張力が加わり、基板が湾曲しようとしても、位置固定部が座金の周側面に当接して、基板の曲りを抑えるので、引張力に対する基板の耐力向上を図ることができる。また、位置固定部により基板に対する座金の位置を固定しても、座金のボルト挿通孔は、長孔形状部分を有し、ボルトの位置ずれを吸収できるので、基板と座金との接触面積が最大になり、しかもどの方向でも接触面積(接触幅)がほぼ同一になるような位置に座金を固定することが可能となり、この点でも、引張力に対する基板の耐力向上を図ることができると共に、耐力を安定化することができる。また、位置固定部の高さは、座金の厚さより低いため、座金7の上からナットを締め付ける際に、位置固定部がその締め付け操作の障害にならない。
また、基板上面と座金裏面の少なくとも一方の面に、基板に対する座金のズレを防止するための滑り止め部を形成した場合、水平方向の振動等により、基板に対しせん断力が加わっても、滑り止め部により基板と座金との間の摩擦力が増大しているので、座金のボルト挿通孔が長孔形状部分を有し、ボルトが座金の中心からずれていても、座金の回転を防止することができる。そのため、座金の回転により、基板と取付け対象物との間に大きくズレが生じ、耐力の低下につながることを防止することができる。
本発明に係るボルト固定用の基板と座金の構造を適用した、本実施の形態1の柱脚金物の正面図である。 本実施の形態1の柱脚金物の側面図である。 本実施の形態1の柱脚金物を上から見た上面図である。 本実施の形態1の柱脚金物の使用状態の一例を示す部分断面図である。 (a)〜(c)それぞれ本実施の形態1の柱脚金物の基板の上面図、側面図、ダボの詳細図である。 (a)、(b)それぞれ本実施の形態1の柱脚金物の座金の裏面図、側面図である。 本実施の形態1における基板上面に形成した滑り止め部と、座金裏面に形成した滑り止め部とが相互に噛み合っている状態の一例を示す図である。 基板のボルト挿通孔の中心より偏心した位置からアンカーボルトが延びていた場合でも、座金を基板中心に設けたままで対応できることを示す説明図である。 実施の形態2の座金における基板との接触面に設けた滑り止め部の形状を示す座金の裏面図である。 実施の形態3の座金の一例を示す裏面図である。
以下、本発明に係るボルト固定用の基板と座金の構造と、この構造を適用した柱脚金物の実施の形態について説明する。
実施の形態1.
まず、実施の形態1では、本発明に係るボルト固定用の基板と座金の構造と、この構造を適用した柱脚金物の一例について説明する。
図1は、本発明に係るボルト固定用の基板と座金の構造を適用した、本実施の形態1の柱脚金物の正面図、図2は、本実施の形態1の柱脚金物の側面図、図3は、本実施の形態1の柱脚金物を上から見た上面図、図4は、本実施の形態1の柱脚金物の使用状態の一例を示す部分断面図である。
図1〜図4に示すように、実施の形態1の柱脚金物は、中央にいわゆる透孔(バカ孔)のボルト挿通孔11を設けたほぼ正方形状の基板1と、ボルト挿通孔11を介して基板1上に設けた一対の脚板2,2と、脚板2,2の上部に設けた受板3と、受板3上に柱5を立てて固定するための接続板4を設けている。なお、基板1および受板3は、柱5の横断面形とほぼ同形を成している。
受板3の中央には、脚板2,2の上部を貫く長孔を形成し、その長孔には接続板4の下部片41を貫通させて脚板2,2間および脚板2,2の両側に突出するように設け、受板3と、接続板4と、脚板2,2を互いに熔接して、受板3の中央に接続板4を立設している。
一対の脚板2,2は、図3に示すように、相対向面側を、対向方向に膨らませた横断面円弧状の屈曲板で構成し、対向方向に直交する方向の中央を、ボルト挿通孔11に最も近接させて基板1に熔接している。そして、脚板2,2間や、基板1と受板3との間には、ナット62をアンカーボルト61に螺合して締付け操作するための工具を使用するのに必要、かつ、充分な操作間隙8を確保している。なお、脚板3は、横断面円弧状の屈曲板に限らず、横断面V字形等の様々な形状が考えられ、この実施の形態1の形状に限定する必要がない。
このように、本実施の形態1の柱脚金物では、受板3を通じて接続板4と脚板3を熔接して、これら3部材がより強固に固定されており、しかも、脚板3の横断面屈曲形状に形成されているので、これらが相俟って捻れ変形がしにくく、柱5を一層強固に支持することができる。これにより、例えば、基板1および座金7の厚さを約9mmとした場合でも、受板3の厚さは約4.5mmの半分程度に抑えることができる。
そして、図4に示すように、基礎コンクリート6に突設したアンカーボルト61に、基板1のボルト挿通孔11を貫通させて、ボルト挿通孔11(基板1)より突出するアンカーボルト61の先端にナット62を螺合し、締付けることにより柱脚金物は基礎コンクリート6に固定される。
そして、柱5を取付ける際は、柱5下端に設けたスリット51に受板3上に設けた接続板4を挿入して、柱5を受板3上に設置し、柱5に設けた貫通孔および接続板4に設けた貫通孔42に接続ロッド(ボルト)43を貫通させ、必要あればナット等で締め付けて固定する。これにより、柱5は、本発明に係るボルト固定用の基板1と座金7の構造を適用した実施の形態1の柱脚金物柱脚金物を介して、基礎コンクリート6に固定されることになる。
なお、図4中、63は、硬質ゴム等からなる耐震用または免震用のゴムで、防振効果を有するもので、取付けられていても、省略されていても、どちらでも良い。
図5(a)は、図1に示すA−A線で切断して基板1を上から見た切断上面図、(b)は、基板1の側面図、(c)は、基板1に設けられたダボの詳細図である。
である。
図5(a)に示すように、基板1上には、横断面円弧状の屈曲板からなる対向する一対の脚板3が溶接して立設されており、一対の脚板3の間には、アンカーボルト61の直径より大きい直径を有する、いわゆる透孔(バカ孔)のボルト挿通孔11が形成されている。
具体的には、アンカーボルト61の直径を、例えば、18mmとすると、ボルト挿通孔11の直径は38mm程度にしている。なお、本実施の形態1では、ボルト挿通孔11の形状は、ほぼ真円の円形にて説明しているが、本発明では、アンカーボルト61の突出位置が基板1上の中心からずれた位置でもアンカーボルト61を挿通させる大きさを有していれば、ほぼ真円の円形に限らず、楕円形状でも、正方四角形等の四角形でも、その他の形状でも良い。つまり、このボルト挿通孔11の大きさや形状は、一例であり、アンカーボルト61の突出位置が基板1上の中心よりずれた位置でもアンカーボルト61を挿通させる大きさや、形状を有していれば、この大きさ及び形状に限定されるものではない。ただし、ボルト挿通孔11の形状は、基板1中心に左右方向や上下方向、さらには斜め方向等の各方向から加わる応力が均一になるように、ほぼ真円の円形等、基板1の中心に対して対称形状が望ましい。
そして、基板1上には、座金7が基板1からずれたり、回転することを極力防止するための滑り止め部12が設けられている。滑り止め部12の最外周は、座金7の最外周(図5にて説明するが、直径54mmである。)形状に合わせて、それより一回り大きく、例えば直径、61mmとしている。従って、基板1上に形成される滑り止め部12の幅は、およそ(61mm−38mm)/2=11.5mm程度になっている。なお、滑り止め部12の効果については、座金7に設ける滑り止め部72のところで説明する。
ここで、本実施の形態1では、滑り止め部12は、例えば、基板1上に格子状に細線が刻まれたメッシュ刻印により形成されている。ただし、本発明では、滑り止め部12は、格子状のメッシュ刻印に限定されるものではなく、並行線や、波線、梨地等、表面に凹凸が形成されていていても良く、基板1に対する座金7のズレを防止できるものであれば何でも良い。
そして、基板1上には、基板1の対角線上と、滑り止め部12の最外周線とが交わる交点の4か所に、それぞれ、裏打ち等して形成した直径6mm程の位置固定(位置出し)部としてダボ13を設けている。なお、ダボ13の高さは、例えば、約3mmとし、座金7の厚さの約9mmより低くして、座金7上の上からナット62を締め付ける際に、ダボ13がその締め付け操作の障害にならないようにしている。
また、基板1の中心を介して対向するダボ13の間の距離は、55mm(=61mm−3mm−3mm)であり、座金7の最外周の54mmよりわずか大きくなるので、4つのダボ13が座金7の周側面に当接して、確実に座金7の位置を基板1の中心に固定すると共に、その位置ズレの防止することができる。
これにより、上下方向の振動等により、基板1に対し上方向への引張力が加わり、基板1の両端が浮いて、基板1が湾曲しようとしても、ダボ13が座金7の周側面に当接し、ダボ13が基板1の湾曲を抑えるので、引張力に対する基板1の耐力向上を図ることができる。
また、ダボ13により基板1に対する座金7の位置を固定して、座金7の位置ズレを防止しているので、後述するように、基板1と座金7との接触面積が最大になり、しかもどの方向でも接触面積(接触幅)がほぼ同一になるように、座金7の位置を固定することができる。なお、座金7の位置を固定しても、座金7のボルト挿通孔71は、長孔形状を有し、アンカーボルト61の位置ずれを吸収できるので、ダボ13により座金7の位置を固定しても問題はない。このため、基板1と座金7との接触面積が最大になり、しかもどの方向でも接触面積(接触幅)がほぼ同一になるような位置、すなわち座金7の中心が基板1の中心(ボルト挿通孔11の中心)にくる位置に座金7を固定するので、この点でも、引張力に対する基板1の耐力向上を図ることができると共に、耐力を安定化することができる。
さらに、座金7の中心と、基板1のボルト挿通孔11の中心とを一致させて座金7を固定できるので、座金7が基板1のボルト挿通孔11中心からずれていた時に基板1両端が上方に引っ張られる等して、座金7の周縁がボルト挿通孔11に落ちること防止することができる。
また、ダボ13が座金7の周側面に当接して、基板1に対する座金7の位置を固定しているので、基板1と座金7との横ズレも防止することができる。
なお、確実に座金7の位置を固定することができるのであれば、ダボ13の個数は、4つでなくも、3つでも、5つ以上でも勿論よい。また、基板1の中心に座金7を位置固定できればよいので、ダボ13でなくも、座金7の周側面に当接するピンや、リング状の凸部等でも、勿論よい。また、滑り止め部12等で基板1に対する座金7の位置固定とズレ防止が十分であれば、ダボ13を省略ないしは小さいものにしても良い。
そして、詳細は後述する図7にて説明するが、本実施の形態1では、4つのダボ13の間に座金7を設置すると(図5は、座金7の設置前の状態である。)、座金7は基板1の中心に位置する。そして、図5(a)に示すように、座金7のボルト挿通孔71を形成する座金7の内側面71aの最外端の位置は、ほぼ、基板1のボルト挿通孔11を形成する基板1の内側面11aの一部の位置と一致することになり、座金7を基板1の中心に設置して回転させることにより、座金7のボルト挿通孔71は、基板1のボルト挿通孔11の全ての部分と対向できることになる。
図6は、本実施の形態1の座金7の一例を示す図であり、図6(a)はその裏面図、図6(a)はその正面(側面)図である。
図6(a)に示すように、座金7には、基板1に当接する裏面全面に、基板1上面の滑り止め部12と同様に、メッシュ刻印線や梨地等により形成された滑り止め部72が形成されている。
そして、図6(a),(b)に示すように、本実施の形態1の座金7には、座金7の中心から偏心した長孔形状の、いわゆる透孔(バカ孔)のボルト挿通孔71が形成されている。本実施の形態1では、具体的には、アンカーボルト61の直径を、例えば、18mmとし、基板1に形成したボルト挿通孔11の直径を、38mm程度としているので、座金7に形成した長孔形状のボルト挿通孔71は、短径18.5mm、長径を27.75mmとしている。つまり、座金7に形成した長孔形状のボルト挿通孔71は、座金7の中心から計測すると、最短部分で9.25mm、最長部分で18.5mmとしている。
これにより、基礎コンクリート6から突出しているアンカーボルト61が、基板1の中心から延びてなく、基板1の中心からアンカーボルト61が9.5mm(=18.5mm−18mm/2)程度ずれていたとしても、座金7を基板1中心に設置したままでも、基板1中心に対するアンカーボルト61の位置ズレを吸収することができる。
そのため、アンカーボルト61が基板1の中心に来ていなくても、常に座金7が基板1中心に固定されるので、基板1に対し各方向、特に上下方向や斜め方向等の外力が加わった場合でも、バランス良く基板1に外力が加わることになり、基板1が安定して固定されるだけでなく、基板1の浮きや、基板1に対する座金7のズレをより確実に防止することができる。
図7は、本実施の形態1における基板上面に形成した滑り止め部と、座金裏面に形成した滑り止め部とが相互に噛み合っている状態の一例を示す図である。
図7に示すように、本実施の形態1では、アンカーボルト61にナット62を締め付けていくと、基板1上面に形成した滑り止め部12と、座金7裏面に形成した滑り止め部72とが相互に噛み合うので、基板1上面と座金7裏面に滑り止め部を設けない場合や、いずれか一方の面にのみ滑り止め部を設けた場合と比較して、基板1と座金7との間の摩擦力が増大し、いずれか一方の面にのみ滑り止め部を設けた場合と比較して、基板1に対する座金7のズレをより確実に防止することができる。勿論、どちらか一方の滑り留め部で摩擦力が十分であれば、滑り止め部は一方のみに設けても良い。
これにより、水平方向の振動等により、基板1に対しせん断力が加わると、アンカーボルト61が座金7の中心からずれている場合、アンカーボルト61が座金7のボルト挿通孔71を押して、座金7を回転させる力が働くが、基板1上面に形成した滑り止め部12と、座金7裏面に形成した滑り止め部72とが相互に噛み合いにより、基板1と座金7との間の摩擦力が増大しているので、アンカーボルト61が座金7の中心からずれていて、アンカーボルト61が座金6のボルト挿通孔71を押して、座金7を回転させようとしても、座金7の回転を防止することができる。そのため、座金7の回転により基板1と基礎コンクリート6との間に大きくズレが生じ、耐力の低下につながることを防止できる。
また、滑り止め部12,72による摩擦力により、座金7が滑ることによる、基板1と座金7との横ズレも防止することができる。
図8は、本実施の形態1において、基板1のボルト挿通孔11の中心より偏心した位置よりアンカーボルト61が延びていた場合でも、座金7のボルト挿通孔71により、座金7を基板11中心に設けたままで対応できることを示す説明図である。
図8に示すように、座金7のボルト挿通孔71が長孔形状に形成されており、しかも、座金7のボルト挿通孔71を形成する座金7の内側面71aの最外端は、ほぼ、基板1のボルト挿通孔11を形成する基板1の内側面11aを通るように形成されているので、座金7を基板1の中心に設置して回転させることにより、座金7のボルト挿通孔71は、基板1のボルト挿通孔11の全ての部分と対向できることになる。
そのため、図8に示すように、基板1のボルト挿通孔11の中心より偏心した位置からアンカーボルト61が延びていた場合でも、座金7のボルト挿通孔71にアンカーボルト61を通し、座金7の方向(角度)を変えながら基板1上のダボ13の間に取付けることにより、座金7を基板11中心に設けたままで対応することができる。
また、図8より、ダボ13により基板1に対する座金7の位置を固定しても、座金7の長孔形状のボルト挿通孔71がアンカーボルト61の位置ずれを吸収するので、座金7の位置を固定しても問題がないことと、基板1に対し座金7の位置がずれないので、基板1と座金7との接触面積が最大になり、しかもどの方向でもその接触面積(接触幅)がほぼ同一であり、さらには座金7が基板1のボルト挿通孔11中心からずれていた時に基板1両端が上方に引っ張られる等して、座金7の周縁がボルト挿通孔11に落ちること防止できること等がわかる。
従って、本実施の形態1のボルト固定用の基板と座金の構造を採用した柱脚金物によれば、基礎コンクリート6に突出するように埋設されたアンカーボルト61に、基板1に形成されたボルト挿通孔11と、座金7に形成されたボルト挿通孔71とを挿通し、座金7の上からアンカーボルト61にナット62を螺合させて基礎コンクリート6に基板1を固定する際、基板1に形成されたボルト挿通孔11は、アンカーボルト61の突出位置が基板1上の中心からずれた位置でもアンカーボルト61を挿通させる大きさを有している一方、座金7に形成されたボルト挿通孔71は、少なくとも座金7の中心および当該中心からずれた位置にてアンカーボルト61を挿通させる長孔形状で、基板1上には、座金7の中心が基板1上の中心に位置するように座金7の側面に当接して座金7の位置を固定する位置固定部であるダボ13が形成されているので、上下方向の振動等により、基板1に対し上方向への引張力が加わり、基板1が湾曲しようとしても、ダボ13が座金7の周側面に当接して、基板1の曲りを抑えるので、引張力に対する基板1の耐力向上を図ることができる。
また、ダボ13により基板1に対する座金7の位置を固定しても、座金7のボルト挿通孔71は、長孔形状を有し、アンカーボルト61の位置ずれを吸収できるので、基板1と座金7との接触面積が最大になり、しかもどの方向でも接触面積(接触幅)がほぼ同一になるような位置に座金7を固定することが可能となり、この点でも、引張力に対する基板1の耐力向上を図ることができると共に、柱脚金物の耐力を安定化することができる。
また、基板1上面と座金7裏面の両面に、基板1に対する座金7のズレを防止するための滑り止め部12,72を形成しているので、水平方向の振動等により、基板1に対しせん断力が加わっても、滑り止め部12,72により、基板1と座金7との間の摩擦力が増大しているので、座金7が滑ったり、アンカーボルト61が座金7の中心からずれていて、アンカーボルト61が座金6のボルト挿通孔71を押して、座金7を回転させようとしても、座金7の回転を防止することができる。そのため、座金7の回転等により、基板1と基礎コンクリート6との間に大きくズレが生じ、柱脚金物の耐力の低下につながることを防止することができる。
実施の形態2.
図9は、実施の形態2の座金7’における基板1との接触面に設けた滑り止め部72’を示す図である。
図9に示す実施の形態1の座金7では、接触面である裏面全てに、滑り止め部72を設けていたのに対し、本実施の形態2の座金7’の滑り止め部72’では、図9に示すように、座金7’の裏面全てではなく、基板1における滑り止め部72と同様に、座金7’の外形に沿って一定幅の滑り止め部72’を形成したものである。
従って、本実施の形態2の座金7’を適用した柱脚金物によれば、上記実施の形態1と同様の効果が得られるだけでなく、実施の形態2の座金7’をそのボルト挿通孔71’にアンカーボルト61を通して基板1上に置いた際に、アンカーボルト61の位置が基板1中心からずれており、座金7’のボルト挿通孔71’の長孔方向(角度)が変わったとしても、座金7’の滑り止め部72’と、基板1における滑り止め部72とは、どの方向でも接触面積が確実に同一になる。
実施の形態3.
図10は、実施の形態3の座金7”の一例を示す裏面図である。
上記実施の形態1,2では、座金7,7’に形成したボルト挿通孔71,71’は、座金7,7’の中心より偏心した位置を中心として形成された長孔形状にて説明したが、本発明では、少なくとも座金の中心および当該中心からずれた位置にてボルトを挿通させる長孔形状部分を有すれば十分であるので、本実施の形態3の座金7”では、図10に示すように、座金7”の中心を中心として、図上、左右対称(図上、上下対称でも同じことである。)の長孔形状のボルト挿通孔71”を形成し、ボルト挿通孔71”の左右どちらかの長孔形状部分にて、基板1のボルト挿通孔11の中心からずれて突出するアンカーボルト61を挿通させる。
つまり、本実施の形態3の座金7”では、ボルト挿通孔71”を形成する座金7の内側面71a”の図上、左右の最外端は、ほぼ、基板1のボルト挿通孔11を形成する基板1の内側面11aを通るように形成されており、図6等に示す座金7の中心から偏心した長孔形状のボルト挿通孔71を座金7”の中心に左右対称に形成したことになる。これにより、座金7を基板1の中心に設置して実施の形態1のものより半分ほど回転させることにより、座金7”のボルト挿通孔71”は、基板1のボルト挿通孔11の全ての部分と対向できることになる。
従って、本実施の形態3の座金7”を適用した柱脚金物によれば、上記実施の形態1と同様の効果が得られるだけでなく、座金7”のボルト挿通孔71”は、座金7”の中心を中心として、図上、左右対称の長孔形状であるので、基板1のボルト挿通孔11の中心からずれてアンカーボルト61が突出していても、実施の形態1の座金7より座金7”の回転量が半分で済むので、アンカーボルト6に対する座金7”の挿入が簡単になると共に、実施の形態3のボルト挿通孔71”の面積が実施の形態1のボルト挿通孔71の面積より大きいので、実施の形態1の座金7より素材使用量を減らすことができる、という効果を有する。
また、本実施の形態3の座金7”のボルト挿通孔71”は、図10に示す滑り止め部71a”から明らかなように、図1に示す実施の形態1の座金7に対し適用して説明したが、図9に示すような滑り止め部71a’を有する実施の形態1の座金7’に対し適用しても勿論よい。
なお、以上の実施の形態の説明では、図6や、図9、図10に示すように、座金裏面全てあるいは座金裏面周囲に滑り止め部を形成して説明したが、これに限らず、座金裏面の一部にのみ滑り止め部を形成しても、さらには基板1上面に設けたダボ13または滑り止め部のみで、基板に対する座金のズレを防止できるのであれば、座金裏面に滑り止め部を形成しないようにしても勿論よい。これと同様のことが基板1上面についても言え、図5(a)に示すような円形の滑り止め部に限らず、基板1上面全てに滑り止め部を形成しても、図5(a)に示す円形以外の滑り止め部でも、基板1上面の滑り止め部を省略しても、基板に対する座金のズレを防止できる効果を奏するものであれば良く、ダボ13だけで基板に対する座金のズレを防止できるのであれば、基板上面および座金裏面双方の滑り止め部を省略しても良い。
また、本発明では、座金に形成されたボルト挿通孔は、少なくとも座金の中心および当該中心からずれた位置にてボルトを挿通させる長孔形状部分を有すれば十分であるので、図6等に示すように座金7の中心から偏心した実施の形態1の長孔形状のボルト挿通孔71や、図6等に示すように座金7”の中心に対し左右対称な長孔形状のボルト挿通孔71”に限らず、図6等に示す座金7の中心から偏心した長孔形状のボルト挿通孔71を座金の中心を軸として角度をずらしながら3つ以上設けて、長孔形状部分を3つ有するY字状(座金の中心を軸に3つの長孔形状のボルト挿通孔71を120°毎ずらして設けた場合)や、長孔形状部分を4つ有する+字状(座金の中心を軸に4つの長孔形状のボルト挿通孔71を90°毎ずらして設けた場合)等のボルト挿通孔を形成するようにしても良いし、その長孔形状部分がその長手方向に曲がっていても、湾曲等していても、座金の中心および当該中心からずれた位置にてボルトを挿通させるものであれば良い。
本発明に係るボルト固定用の基板と座金の構造によれば、座金は位置固定部により基板上の中心に位置する一方、基板中心からボルトが偏心して延びていた場合でも、座金に形成されたボルト挿通孔の長孔形状部分により、座金は基板上の中心に位置させたままボルトを締め付けることが可能となり、基板に均一に応力を集中させることができる、という効果を奏し、柱脚金物や、カーテンウオール接続金具等の、ボルト固定用の基板と座金の構造に産業上の利用可能性がある。
1 基板
11 ボルト挿通孔
12 滑り止め部
13 ダボ(位置固定部)
2 脚板
3 受板
4 接続板
5 柱
6 基礎コンクリート
61 アンカーボルト
7,7’,7” 座金
71,71’,71” ボルト挿通孔
72,72’,72” 滑り止め部

Claims (3)

  1. 取付け対象物に突出するように埋設されたボルトに、基板に形成されたボルト挿通孔と、座金に形成されたボルト挿通孔とを挿通し、前記座金の上から前記ボルトにナットを螺合させて前記取付け対象物に前記基板を固定する、ボルト固定用の基板と座金の構造であって、
    前記基板に形成されたボルト挿通孔は、前記ボルトの突出位置が前記基板上の中心からずれた位置でも前記ボルトを挿通させる大きさを有している一方、
    前記座金に形成されたボルト挿通孔は、少なくとも前記座金の中心および当該中心からずれた位置にて前記ボルトを挿通させる長孔形状部分を有し、
    前記基板上には、前記座金の中心が前記基板上の中心に位置するように前記座金の側面に当接して前記座金の位置を固定する位置固定部が形成されており、
    その位置固定部の高さは、前記座金の厚さより低いことを特徴とするボルト固定用の基板と座金の構造。
  2. 請求項1記載のボルト固定用の基板と座金の構造において、
    前記基板上面と前記座金裏面の少なくとも一方の面には、前記基板に対する前記座金のズレを防止するための滑り止め部が形成されている、ボルト固定用の基板と座金の構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載のボルト固定用の基板と座金の構造において、
    前記取付け対象物は、基礎コンクリートであり、
    前記ボルトは、アンカーボルトであり、
    前記基板には、柱を受ける受板が対向する一対の脚板を介して設けられており、その一対の脚版の両端部はそれぞれ当該基板の4隅に位置し、
    前記位置固定部は、前記基板の対角線上に設けられていることを特徴とするボルト固定用の基板と座金の構造を適用した柱脚金物。
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