JP2020533428A - ポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマー、その製造方法、及びその使用 - Google Patents

ポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマー、その製造方法、及びその使用 Download PDF

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Abstract

【解決手段】 (i)式:R1SiO3/2[式中、R1は一価炭化水素基である]で表されるシロキサン単位を含み、所望により、式:SiO4/2で表されるシロキサン単位を含む、シロキサン樹脂ブロックと、(ii)式:(R22SiO2/2)n[式中、各R2は独立して、一価炭化水素基であり、「n」は、少なくとも5の正数である]で表されるシロキサン直鎖状ブロックと、(iii)ポリエステルブロックと、を含む、ポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマーが提供される。ポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマーを、アルミニウム、ステンレス鋼、鉄、プラスチック、又はガラスで作製された基材上の保護コーティングに使用して、持続性のある耐熱性、高温硬度、剥離特性及び落書き防止特性を提供することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマー、その製造方法、及びその使用に関する。本明細書で使用される用語「ポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマー」は、シロキサン樹脂及び直鎖状ブロックコポリマーとポリエステルとの反応生成物、又は反応生成物から本質的になる組成物を意味するように設計される。ポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマーは、概して、三次元単位を有して形成され、典型的には、縮合反応を介して形成される。
ポリシロキサン−ポリエステルコポリマーは、調理器具のコーティング又はスチームアイロンのコーティングなどの家電製品に頻繁に使用される。ポリシロキサン−ポリエステルコポリマーは、異物が付着せず、調理器具又は家電製品を掃除する際、例えば、食物の残渣又は粉々の澱粉食品などの残留物が、容易に除去され得る、剥離又は非粘着性コーティングを形成することが可能である。調理器具コーティングの例としては、ソテー又はフライパン、トースター、揚げ鍋、及び天板などの台所用具の外装及び内装面が挙げられる。
これらのコーティングは、熱安定性とともに、特に加熱時の擦過及び損傷への耐性を必要とする。ほとんどの有機コーティングは、通常の調理場条件下で、破損されたコーティングをもたらし得るある程度の熱可塑性を呈する。ポリエステル部が、低い熱可塑性、高い可撓性、及び良好な着色性を付与する一方、ポリシロキサン部は、耐熱性、耐候性、及び低い表面張力をもたらす。
例えば、米国特許出願公開第2005/0136267(A1)号では、シリコーンをポリエステルと反応させることによって調製されたシリコーン−ポリエステルコポリマーを開示しており、このシリコーンは、0〜5モル%の式:SiO4/2で表されるシロキサン単位(以下、「Q」と称する)と、30〜100モル%の式:RSiO3/2で表されるシロキサン単位(以下、「T」と称する)と、0〜20モル%の式:RSiO2/2で表されるシロキサン単位(以下、「D」と称する)と、0〜20モル%の式:RSiO1/2で表されるシロキサン単位(以下、「M」と称する)と、を含み、各Rは独立して、C1〜20炭素原子を有する一価炭化水素基であり、各シロキサン単位は、シリコーン中でランダムである。米国特許出願公開第2015/0079407(A1)号は、シリコーン−ポリエステルコポリマーを開示しており、このシリコーン部含有は、式:CSiO3/2で表されるシロキサン単位(以下、「TPh」と称する)と、式:CHSiO3/2で表されるシロキサン単位(以下、「TMe」と称する)と、Q単位と、を含み、D単位を含まない。
これらの特許は、これらのポリシロキサン−ポリエステルコポリマーが、耐熱性及び非粘着性コーティングを形成することができることを記載している。しかしながら、これらの特許は、コーティングの耐熱性及び非粘着性、又は落書き防止特性の持続性について言及していない。
これらの上述の特許とは異なり、本発明は、シロキサン樹脂−直鎖状ブロックをコポリマーに化学結合で組み込んで、持続性のある耐熱性、硬度を提供し、また非粘着性及び落書き防止特性を改善することである。
米国特許出願公開第2005/0136267(A1)号明細書 米国特許出願公開第2015/0079407(A1)号明細書
本発明の目的は、シロキサン樹脂ブロック、シロキサン直鎖状ブロック、及びポリエステルブロックを含む新規のポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマーを提供することであり、これを基材上の保護コーティングに使用して、持続性のある耐熱性、高温硬度、剥離特性及び落書き防止特性を提供することができる。本発明の別の目的は、ポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマーの製造方法を提供することである。
本発明のポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマーは、
(i)式:RSiO3/2[式中、Rは一価炭化水素基である]で表されるシロキサン単位を含み、所望により、式:SiO4/2で表されるシロキサン単位を含む、シロキサン樹脂ブロックと、
(ii)式:(R SiO2/2[式中、各Rは独立して、一価炭化水素基であり、「n」は、少なくとも5の正数である]で表されるシロキサン直鎖状ブロックと、
(iii)ポリエステルブロックと、を含む。
シロキサン樹脂ブロック(i)は、好ましくは、これらのシロキサン単位のモル和に基づいて、40〜90モル%の式:RSiO3/2で表されるシロキサン単位と、10〜60モル%の式:SiO4/2で表されるシロキサン単位と、を含む。
シロキサン樹脂ブロック(i)は、好ましくは、TPh単位、TMe単位、及びQ単位を含む。
シロキサン樹脂ブロック(i)は、好ましくは、これらのシロキサン単位のモル和に基づいて、30〜80モル%のTPh単位と、10〜60モル%のTMe単位と、10〜30モル%のQ単位と、を含む。
シロキサン直鎖状ブロック(ii)は、好ましくは、式:((CHSiO2/2[式中、「n」は、少なくとも5の正数である]で表される。
シロキサン樹脂ブロック(i)及びシロキサン直鎖状ブロック(ii)の含有量は、ブロック(i)〜(iii)の合計に基づいて、10〜70質量%である。
本発明のポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマーの製造方法は、
(1)式:HO(R SiO)H[式中、各Rは独立して、一価炭化水素基であり、「n」は、少なくとも5の正数である]で表されるシロキサンを、式:R SiX(4−a)[式中、各Rは独立して、一価炭化水素基であり、Xは、加水分解性基であり、「a」は、0〜2の数である]で表されるシラン化合物と反応させて、シロキサン直鎖状ブロック前駆体を生成する工程と、
(2)シロキサン直鎖状ブロック前駆体と、式:RSiX[式中、Rは、一価炭化水素基であり、Xは、上に定義したとおりである]で表されるシラン化合物と、所望により、式:SiX[式中、Xは、上に定義したとおりである]で表されるシラン化合物と、を共加水分解及び縮合して、シロキサン直鎖状ブロック−シロキサン樹脂ブロック前駆体を生成する工程と、
(3)シロキサン直鎖状ブロック−シロキサン樹脂ブロック前駆体と反応基を有するポリエステルとを縮合する工程と、を含む。
式:RSiXで表されるシラン化合物は、好ましくはフェニルトリアルコキシシラン及びメチルトリアルコキシシランであり、式:SiXで表されるシロキサン単位は、好ましくはテトラアルコキシシランである。
ポリエステルは、好ましくはネオペンチルグリコール又はトリメチロールプロパンである。
本発明のポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマーの使用は、基材上にコーティングを形成することによって特徴付けられる。
基材は、好ましくは、アルミニウム、ステンレス鋼、鉄、プラスチック、又はガラスで作製される。
本発明のポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマーを硬化して、アルミニウム、ステンレス鋼、鉄、プラスチック、又はガラスで作製された基材上の保護コーティングを形成し、持続性のある耐熱性、高温硬度、剥離特性及び落書き防止特性を提供することができる。
本発明のポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマーは、シロキサン樹脂ブロック(i)と、シロキサン直鎖状ブロック(ii)と、ポリエステルブロック(iii)と、を含む。
シロキサン樹脂ブロック(i)は、式:RSiO3/2で表されるシロキサン単位を含み、所望により、Q単位を含む。
式中、Rは、C1〜12炭素原子を有するアルキル基、C2〜12炭素原子を有するアルケニル基、C6〜12炭素原子を有するアリール基、及びC7〜12炭素原子を有するアラルキル基などの一価炭化水素基である。その特定の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、及びドデシル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、及びドデセニル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、及びナフチル基などのアリール基;ベンジル基、及びフェネチル基などのアラルキル基;並びにこれらの基に結合した水素原子の一部又は全てが塩素原子及び臭素原子などのハロゲン原子で置換された基が挙げられる。これらの中で、メチル基及びフェニル基が好ましい。すなわち、シロキサン樹脂ブロック(i)は、好ましくは、TPh単位、TMe単位、及びQ単位を含む。
シロキサン樹脂ブロック(i)では、式:RSiO3/2で表されるシロキサン単位の含有量は、限定されないが、シロキサン樹脂ブロック(i)は、好ましくは、これらのシロキサン単位のモル和に基づいて、40〜90モル%の式:RSiO3/2で表されるシロキサン単位と、10〜60モル%のQ単位と、を含み、より好ましくは、これらのシロキサン単位のモル和に基づいて、30〜80モル%のTPh単位と、10〜60モル%のTMe単位と、10〜30モル%のQ単位と、を含む。これは、TPh単位の含有量が上記範囲の下限以上であると、コーティングの耐熱性及び光沢性が良好であり、TMe単位の含有量が上記範囲の下限以上である場合、組成物はフィルム形成に良好であり、Q単位の含有量が上記範囲の下限以上である場合、コーティングが硬くなるという理由による。
シロキサン直鎖状ブロック(ii)は、式:(R SiO2/2で表される。
式中、各Rは独立して、C1〜12炭素原子を有するアルキル基、C2〜12炭素原子を有するアルケニル基、C6〜12炭素原子を有するアリール基、及びC7〜12炭素原子を有するアラルキル基などの一価炭化水素基である。これらの中で、アルキル基、特にメチル基が好ましい。すなわち、シロキサン直鎖状ブロック(ii)は、好ましくは、式:((CHSiO2/2で表される。
式中、「n」は、少なくとも5の正数、好ましくは、5〜400、5〜300、5〜200、10〜400、10〜300、あるいは、10〜200の正数である。
ポリエステルブロック(iii)は、限定されないが、好適なポリエステルは、2以上の酸官能価を有するカルボン酸(又はそれらの無水物)及び2以上のヒドロキシル官能価を有するポリオールから従来の方法で形成される。
好適な多官能性カルボン酸の例としては、ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドビシクロ−2,2,1−5−ヘプチン−2,3−ジカルボン酸、テトラクロロフタル酸、シクロヘキサン二酸、コハク酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アゼライン酸、マレイン酸、トリメシン酸、3,6−ジクロロフタル酸、テトラクロロフタル酸、アジピン酸、セバシン酸などのカルボン酸が挙げられる。
好適な多官能性アルコールの例としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、ペンタエリスリトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−、1,2−、及び1,4−ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、2,2’−ビス(4−シクロヘキサノール)プロパン、ネオペンチルグリコール、2,2,3−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、2,2,4−トリメチルペンタンジオールなどが挙げられる。
ポリエステルが、実質的に、COOH基を有するカルボン酸官能性であるか、又はOH基を有するヒドロキシル官能性であるかは、モノマー混合物のCOOH/OHモル比に依存する。本発明において有用なほとんどのヒドロキシル官能性ポリエステルは、70〜5,610のヒドロキシ当量を有する。本発明において有用なほとんどのカルボン酸官能性ポリエステルは、25〜100mg KOH/gの酸価を有する。本発明において有用なほとんどのポリエステルは、実質的に、2以上のヒドロキシル若しくはカルボン酸官能価のいずれかを有する直鎖であってもよく、又は2.5超のヒドロキシル若しくはカルボン酸官能価を有する分枝状であってもよい。場合によっては、異なる官能性を有するポリエステルの混合物が使用されてもよい。
特定の実施形態では、ポリエステルは、イソフタル酸をトリメチロールプロパンと反応させることによって調製される。代替的に、イソフタル酸、TPA、無水トリメリット酸、及びテトラヒドロフタル酸などの他の酸、並びにTME、MPG、TMP、及びNPGなどの他のアルコールを使用することもできる。
ポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマーは、Q単位をTPh単位とともにシリコーン中間体に組み込み、その後、ゲル化又は極端な粘度上昇を伴わずにヒドロキシル官能性ポリエステルと反応させたことによって合成された新しい材料である。ポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマーは、必要な高温硬度の向上を示す。したがって、本発明は、シリコーン部が、シリコーン樹脂ブロック及びシリコーン直鎖状ブロックを含有することを特徴とする、シリコーン−ポリエステル組成物を提供する。
ポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマー中のシロキサン樹脂ブロック(i)及びシロキサン直鎖状ブロック(ii)の含有量は、限定されないが、ブロック(i)〜(iii)の合計に基づいて、好ましくは、10〜70質量%、又は30〜60質量%である。これは、含有量が上記範囲の下限以上である場合、落書き防止性能が良好であるのに対して、含有量が上記範囲の上限以下である場合、ポリエステルとの反応によるゲル化リスクが減少するという理由による。
ポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマー中のシロキサン直鎖状ブロック(ii)は、限定されないが、ブロック(i)〜(iii)の合計に基づいて、好ましくは、1〜50質量%、又は3〜20質量%である。これは、含有量が上記範囲の下限以上である場合、剥離性能及び落書き防止性能が良好であるのに対して、含有量が上記範囲の上限以下である場合、コーティングの硬度及び強靱性が良好であるという理由による。
本発明は更に、ポリエステル前駆体又はポリエステル樹脂とシリコーン前駆体又はシリコーン樹脂とが一緒に反応することを特徴とする、ポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマーを形成するプロセスを提供し、シリコーン部は、T及び/又はQ単位並びにシロキサン直鎖状ブロックを含有する。本発明のポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマーの製造方法は、以下の工程(1)〜(3)を含む。
工程(1)は、式:HO(R SiO)Hで表されるシロキサンを、式:R SiX(4−a)で表されるシラン化合物と反応させて、シロキサン直鎖状ブロック前駆体を生成することである。
シロキサンの式中、各Rは独立して、C1〜12炭素原子を有するアルキル基、C2〜12炭素原子を有するアルケニル基、C6〜12炭素原子を有するアリール基、及びC7〜12炭素原子を有するアラルキル基などの一価炭化水素基である。これらの中で、アルキル基、特にメチル基が好ましい。すなわち、シロキサンは、好ましくは、式:HO((CHSiO2/2Hで表される。
シロキサンの式中、「n」は、少なくとも5の正数、好ましくは、5〜400、5〜300、5〜200、10〜400、10〜300、あるいは、10〜200の正数である。
シランの式中、各Rは独立して、C1〜12炭素原子を有するアルキル基、C2〜12炭素原子を有するアルケニル基、C6〜12炭素原子を有するアリール基、及びC7〜12炭素原子を有するアラルキル基などの一価炭化水素基である。これらの中で、アルキル基、特にメチル基が好ましい。
シランの式中、Xは、オキシモ基、アセトキシ基、ハロゲン原子、及びアルコキシ基などの加水分解性基である。
シランの式中、「a」は0〜2の数、好ましくは0又は1である。
シランの例としては、メチルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン(MTO)、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラオキシムシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジメチルジオキシムシラン、及びトリス(メチルメチルケトキシム)シランが挙げられる。
工程(1)では、典型的には、シラノール末端ポリジオルガノシロキサンを、アルキルトリアセトキシシラン又はジアルキルケトキシムなどの「末端封鎖」化合物と反応させる。末端封鎖反応の化学量は、典型的に、ポリジオルガノシロキサン上の全てのシラノール基と反応させるのに十分な量の末端封鎖化合物が添加されるように、調整される。典型的に、ポリジオルガノシロキサン上のシラノールのモル当たり1モルの末端封鎖化合物が使用される。代替的に、1〜10%といったわずかにモル過剰の末端封鎖化合物が使用されてもよい。反応は典型的に、シラノールポリジオルガノシロキサンの縮合反応を最小化する無水条件下で行われる。典型的には、シラノール末端ポリジオルガノシロキサン及び末端封鎖化合物を、無水条件下で有機溶媒中に溶解させ、室温又は高温(最高で溶媒の沸点)にて反応させる。
工程(2)は、シロキサン直鎖状ブロック前駆体と、式:RSiXで表されるシラン化合物と、所望により、式:SiXで表されるシラン化合物と、を共加水分解及び縮合して、シロキサン直鎖状ブロック−シロキサン樹脂ブロック前駆体を生成することである。
前者のシランの式中、Rは、C1〜12炭素原子を有するアルキル基、C2〜12炭素原子を有するアルケニル基、C6〜12炭素原子を有するアリール基、及びC7〜12炭素原子を有するアラルキル基などの一価炭化水素基である。これらの中で、メチル基及びフェニル基が好ましい。
前者のシランの式中、Xは、オキシモ基、アセトキシ基、ハロゲン原子、及びアルコキシ基などの加水分解性基である。
前者のシランとしては、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、及びメチルトリエトキシシランが挙げられる。
後者のシランの式中、Xは、オキシモ基、アセトキシ基、ハロゲン原子、及びアルコキシ基などの加水分解性基である。
後者のシランの例としては、オルトケイ酸テトラエチル、及びオルトケイ酸テトラメチルが挙げられる。
工程(2)では、酸を添加して、シロキサン直鎖状ブロックを共加水分解及び縮合してもよい。酸の例としては、HClが挙げられる。
シロキサン直鎖状ブロック−シロキサン樹脂ブロック前駆体は、シロキサン樹脂ブロックと、シロキサン直鎖状ブロックと、を含み、シロキサン直鎖状ブロックは、式:(R SiO2/2[式中、R及び「n」は、上に定義したとおりである]で表される。
工程(3)は、シロキサン直鎖状ブロック−シロキサン樹脂ブロック前駆体と反応基を有するポリエステルとを縮合することである。ポリエステルは、限定されないが、好適なポリエステルは、2以上の酸官能価を有するカルボン酸(又はそれらの無水物)及び2以上のヒドロキシル官能価を有するポリオールから従来の方法で形成される。ポリエステルは、好ましくはネオペンチルグリコール又はトリメチロールプロパンである。
工程(3)では、シリコーン前駆体及びポリエステル前駆体を、まず別個に反応させて、それぞれ、シリコーン樹脂及びポリエステル樹脂を形成し、これらの樹脂を、続いて一緒に反応させる。
ポリエステル前駆体又は樹脂及びシリコーン前駆体又は樹脂が一緒に混合されるときの反応温度は、好ましくは、80〜150℃の範囲であり、所望により、約100〜125℃、より好ましくは、110〜120℃であってもよい。
好ましくは、ポリエステル前駆体は、イソフタル酸、ネオペンチルグリコール及びトリメチロールプロパン、又はトリメチロールエタンで形成される。
ポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマーは、金属配位子錯体又は有機塩基等の縮合触媒を含有することができる。縮合触媒を添加して、コポリマーの硬化を促進する。縮合触媒の例としては、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、チタン酢酸塩、チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)、及びチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)などの有機チタン化合物;ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムヘキサフルオロアセチルアセトネート、ジルコニウムトリフルオロアセチルアセトネート、テトラキス(エチルトリフルオロアセチルアセトネート)ジルコニウム、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−ヘプタンジオネート)、ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)、及びジルコニウムジイソプロポキシビス(2,2,6,6−テトラメチル−ヘプタンジオネート)などの有機ジルコニウム化合物;並びにジブチルスズジラウレート、ジメチルスズジネオデカノエート、ジブチルスズジアセテート、ジメチルヒドロキシ(オレエート)スズ、及びジオクチルジラウリルスズなどの有機スズ化合物が挙げられる。
縮合触媒の含有量は、限定されないが、好ましくは、ポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマーにおいて、質量単位で、10〜1,000ppmの範囲、10〜500ppmの範囲、又は10〜300ppmの範囲である。これは、優れた硬化性が得られ、コーティングが良好な熱安定性を有するという理由による。
ポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマーは、酸化チタン若しくは硫酸バリウムなどの有機及び/若しくは無機顔料、処理されるべき表面に接着する結合剤、材料を担持するが、コーティングが硬化される時に蒸発する、有機溶媒若しくは水のいずれかの担体、又は摩耗保護を提供するための補強剤などの他の成分を含有し得る。それはまた、カーボンブラック又はシリカなどの充填剤、グリマー、艶消し剤、及び放出添加剤を含有することができる。
本発明は、コーティングが、上に定義されるようなシリコーン−ポリエステル組成物を含むことを特徴とする基材上のコーティングに及ぶ。コーティングは、例えば、20〜25μm、及び更に一般的には、5〜500μm、好ましくは、15〜100μmなど、かなり薄くてもよい。コーティングは、例えば、全ての材料を含有する組成物を噴霧、カーテンコーティング、又はローラーコーティングにより、複数の方法で基材へ適用されてもよい。
コーティングは、異なる組成物を有し得る、複数の連続する層で適用されてもよい。しかしながら、好ましくは、プロセスを簡素化する単一のコーティング層として適用される。
本発明は、上に定義されるようなポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマーを使用して基材上にコーティングを形成することに及ぶ。
基材は、好ましくは、アルミニウム、ステンレス鋼、鉄、プラスチック、又はガラスで作製される。
本発明は、コーティングが、上に定義されるようなポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマーを含むことを特徴とする、コーティングを担持する基材に及ぶ。
ここで、本発明のポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマー、その製造方法、及びその使用について、実施例及び比較例を用いて説明する。
参考例1
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)撹拌棒、及びNガスパージが装備された100mLの3首丸底フラスコに、26.359gの以下の式:
HO[(CHSiO]40
で表されるシラノール末端ジメチルポリシロキサン(PDMS)と、40gのイソプロピルアルコール(IPA)との混合物を充填した。均圧滴下漏斗に、5gのメチルトリアセトキシシランを充填した。窒素掃引をオンにし、メチルトリアセトキシシランを撹拌しながら5分間滴下した。次いで、混合物を室温で3時間保持して、IPA溶媒中にメチルジアセトキシシリル末端PDMSを形成した。
参考例2
水冷凝縮装置、PTFE撹拌棒、及び熱電対が装備された500mLの3首丸底フラスコに、144.0g(0.60モル)のフェニルトリエトキシシラン、53.4g(0.30モル)のメチルトリエトキシシラン、及び20.8g(0.10モル)のオルトケイ酸テトラエチルを充填した。次いで、参考例1で調製した70.368gのメチルジアセトキシシリル末端PDMS溶液(0.33モルのD単位)を、0.15mLの濃縮HClとともに添加し、混合物を50℃までゆっくり加熱した。均圧滴下漏斗に、23gの脱イオン水を充填した。窒素掃引をオンにした。撹拌しながら約20分間水を滴下し、混合物を6時間加熱還流した。システムを75℃まで冷却し、0.8gのCaCOを添加し、1時間保持した。次いで、混合物を段階的に100℃に加熱して揮発物を除去し、2時間保持し、並びに更に1時間、真空引きを行った。最後に、それを80℃未満に冷却し、濾過し、排液した。透明な液体の外観で、かつ25℃で約1,488mPa・sの粘度を有する、得られたシリコーン樹脂−直鎖状ブロックコポリマーを調製した。
参考例3
水冷凝縮装置、PTFE撹拌棒、及び熱電対が装備された500mLの3首丸底フラスコに、160.8g(0.67モル)のフェニルトリエトキシシランを充填した。次いで、参考例1で調製した70.368gのメチルジアセトキシシリル末端PDMS溶液(0.33モルのD単位)を、0.12mLの濃縮HClとともに添加し、混合物を50℃までゆっくり加熱した。均圧滴下漏斗に、15gの脱イオン水を充填した。窒素掃引をオンにした。撹拌しながら約20分間水を滴下し、混合物を10時間加熱還流した。システムを75℃まで冷却し、0.8gのCaCOを添加し、1時間保持した。次いで、混合物を段階的に100℃に加熱して揮発物を除去し、2時間保持し、並びに更に1時間、真空引きを行った。最後に、それを80℃未満に冷却し、濾過し、排液した。透明な液体の外観で、かつ25℃で約3,654mPa・sの粘度を有する、得られたシリコーン樹脂−直鎖状ブロックコポリマーを調製した。
参考例4
水冷凝縮装置、PTFE撹拌棒、及び熱電対が装備された500mLの3首丸底フラスコに、144.0g(0.60モル)のフェニルトリエトキシシラン、53.4g(0.30モル)のメチルトリエトキシシラン、及び20.8g(0.10モル)のオルトケイ酸テトラエチルを充填した。次いで、50g(0.33モル)のジメチルジエトキシシランを、0.15mLの濃縮HClとともに添加し、混合物を50℃までゆっくり加熱した。均圧滴下漏斗に、29gの脱イオン水を充填した。窒素掃引をオンにした。撹拌しながら約20分間水を滴下し、混合物を2時間加熱還流した。システムを75℃まで冷却し、0.8gのCaCOを添加し、1時間保持した。次いで、混合物を段階的に100℃に加熱して揮発物を除去し、2時間保持し、並びに更に1時間、真空引きを行った。最後に、それを80℃未満に冷却し、濾過し、排液した。得られたポリマーは、25℃で約678mPa・sの粘度を有する透明な液体であり、D単位源としてジメチルジエトキシシランを使用することによってランダムD単位分布を有した。
参考例5
水冷凝縮装置、PTFE撹拌棒、熱電対、及びNガスパージが装備された3首丸底フラスコに、107.34gのトリメチロールプロパン(TMP)、29.23gのアジピン酸(AA)、及び66.45gのm−フタル酸(PA)を充填した。モトロゲン(motrogen)掃引、凝縮装置、及び加熱炉を、オンにした。撹拌棒のモータをオンにする前に、材料を150℃に加熱した。次いで、全体を、180℃に加熱し、大半の反応水が、除去されるまで保持した。定期的に排水をトラップし、水の発生が止まるまで220℃に加熱した。温度を維持し、酸価を試験するために混合物から一部のサンプルを取り出した。酸価が、10mg KOH/g未満であった場合、加熱をオフにして140℃まで冷却し、希釈のための溶媒として109.32gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)を添加した。
実施例1
水冷凝縮装置、PTFE撹拌棒、及び熱電対が装備された250mLの3首丸底フラスコに、参考例5で調製した40gのポリエステル前駆体を充填した。次いで、参考例2で調製した30gのシロキサン樹脂−ライナー(liner)ブロックコポリマーを添加し、溶媒として40gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)、及び触媒として0.01gのテトラ−n−ブチルチタネートを、窒素環境下でフラスコ内に添加した。撹拌しながら、混合物をゆっくりと最大120℃に加熱し、生成されたエタノールを放出した。5時間後、透明ポリシロキサン−ポリエステルコポリマーを調製した。サンプルを拾い上げてガラスパネル上に滴下し、透明になるまで規則的に室温で外観をチェックした。加熱を停止し、60℃未満まで冷却した。調製したサンプルの粘度は、25℃で約500mPa・sであった。
実施例2
水冷凝縮装置、PTFE撹拌棒、及び熱電対が装備された250mLの3首丸底フラスコに、参考例5で調製した40gのポリエステル前駆体を充填した。次いで、参考例3で調製した30gのシロキサン樹脂−ライナー(liner)ブロックコポリマーを添加し、溶媒として40gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)、及び触媒として0.01gのテトラ−n−ブチルチタネートを、窒素環境下でフラスコ内に添加した。撹拌しながら、混合物をゆっくりと最大120℃に加熱し、生成されたエタノールを放出した。5時間後、透明ポリシロキサン−ポリエステルコポリマーを調製した。サンプルを拾い上げてガラスパネル上に滴下し、透明になるまで規則的に室温で外観をチェックした。加熱を停止し、60℃未満まで冷却した。調製したサンプルの粘度は、25℃で約1139mPa・sであった。
比較例1
水冷凝縮装置、PTFE撹拌棒、及び熱電対が装備された250mLの3首丸底フラスコに、参考例5で調製した40gのポリエステル前駆体を充填した。次いで、参考例4で調製した30gのシロキサンポリマーを添加し、溶媒として40gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)、及び触媒として0.01gのテトラ−n−ブチルチタネートを、窒素環境下でフラスコ内に添加した。撹拌しながら、混合物をゆっくりと最大140℃に加熱し、生成されたエタノールを放出した。8時間後、透明ポリシロキサン−ポリエステルコポリマーを調製した。サンプルを拾い上げてガラスパネル上に滴下し、透明になるまで規則的に室温で外観をチェックした。加熱を停止し、60℃未満まで冷却した。調製したサンプルの粘度は、25℃で約1,438mPa・sであった。
比較例2
水冷凝縮装置、PTFE撹拌棒、及び熱電対が装備された250mLの3首丸底フラスコに、参考例5で調製した40gのポリエステル前駆体を充填した。次いで、ランダムD単位分布を有するD0.33Ph 0.67の単位モル比で表される30gのシロキサンポリマーを添加し、溶媒として40gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)、及び触媒として0.01gのテトラ−n−ブチルチタネートを、窒素環境下でフラスコ内に添加した。撹拌しながら、混合物をゆっくりと最大140℃に加熱し、生成されたエタノールを放出した。8時間後、透明ポリシロキサン−ポリエステルコポリマーを調製した。サンプルを拾い上げてガラスパネル上に滴下し、透明になるまで規則的に室温で外観をチェックした。加熱を停止し、60℃未満まで冷却した。調製したサンプルの粘度は、25℃で約1,577mPa・sであった。
比較例3
水冷凝縮装置、PTFE撹拌棒、及び熱電対が装備された250mLの3首丸底フラスコに、参考例5で調製した40gのポリエステル前駆体を充填した。次いで、単位式:TMe 0.30Ph 0.650.05で表される30gのD単位を含まないシロキサンポリマーを添加し、溶媒として40gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)、及び触媒として0.01gのテトラ−n−ブチルチタネートを、窒素環境下でフラスコ内に添加した。撹拌しながら、混合物をゆっくりと最大140℃に加熱し、生成されたエタノールを放出した。8時間後、透明ポリシロキサン−ポリエステルコポリマーを調製した。サンプルを拾い上げてガラスパネル上に滴下し、透明になるまで規則的に室温で外観をチェックした。加熱を停止し、60℃未満まで冷却した。調製したサンプルの粘度は、25℃で約1,725mPa・sであった。
外観
25℃でのシリコーン−ポリエステルコポリマーの外観を目視検査によって観察した。
コーティング性能
最終的なシリコーン−ポリエステルコポリマーを、高温硬度及び接着性のために、洗浄した鋼又はアルミニウムパネル上に適用した。フィルムの厚さは20±5μmであった。コーティングを、15分間空気乾燥させて、280℃のオーブンで10分間ベークした。
ビーズ効果
この試験を使用して、コーティングフィルムの撥油性性能を評価する。コーティングの表面上に、ZEBRA BLACKと命名された溶媒系マーカーペンによって、ランダム線を描く。第1の描画のビーズ効果を確認する。ビーズ試験のレベル指数に従って、スケールを評価する。性能を、下表1を用いて目視検査によって評価する。
擦り取り(落書き防止)試験方法
ZEBRA BLACKと命名されたマーカーペンによって線を描き、綿布で直ちに擦り取る。この動作を同じ位置で繰り返す。マークを完全に擦り取ることができなくなるまでの時間をカウントする。毎回綿布がきれいかを確認する。マークを完全に擦り取ることができなくなるまでの時間を記録する。
高温硬度の試験方法(ASTM D3363)
コーティングされた鋼パネルを、冷たい電気プレート上に置いた。表面温度計をコーティングされた表面に置き、電気プレートをオンにする。パネル温度が上昇する。コーティングを、鉛硬度を増加させる製図鉛筆で表面を擦過する試みにより、評価した。コーティングの硬度を、コーティングを通じて擦過することができない最高の鉛筆硬度(Hの前のより高い数字は、最大硬度を示す)として評価する。
固有接着:
コーティングされたアルミニウムパネルを、水道水で2時間煮沸する。コーティングを100個の正方形(各1mm×1mm)に切断し、標準テープを使用して100個の正方形上に貼り付け、迅速に剥離して、正方形の脱落があるかを確認する。脱落が全くないと、合格と定義される。それ以外は、失敗を意味する。
本発明のポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマーは、アルミニウム、ステンレス鋼、鉄、プラスチック、又はガラスで作製された基材上に硬化生成物を形成するので、ポリシロキサン−ポリエステルコポリマーを保護コーティングに使用して、持続性のある耐熱性、高温硬度、剥離特性及び落書き防止特性を提供することができる。

Claims (11)

  1. (i)式:RSiO3/2[式中、Rは一価炭化水素基である]で表されるシロキサン単位を含み、所望により、式:SiO4/2で表されるシロキサン単位を含む、シロキサン樹脂ブロックと、
    (ii)式:(R SiO2/2[式中、各Rは独立して、一価炭化水素基であり、「n」は、少なくとも5の正数である]で表されるシロキサン直鎖状ブロックと、
    (iii)ポリエステルブロックと、
    を含む、ポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマー。
  2. 前記シロキサン樹脂ブロック(i)が、これらのシロキサン単位のモル和に基づいて、40〜90モル%の式:RSiO3/2で表される前記シロキサン単位と、10〜60モル%の式:SiO4/2で表される前記シロキサン単位と、を含む、請求項1に記載のポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマー。
  3. 前記シロキサン樹脂ブロック(i)が、式:CSiO3/2で表されるシロキサン単位と、式:CHSiO3/2で表されるシロキサン単位と、式:SiO4/2で表される前記シロキサン単位と、を含む、請求項1に記載のポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマー。
  4. 前記シロキサン樹脂ブロック(i)が、これらのシロキサン単位のモル和に基づいて、30〜80モル%の式:CSiO3/2で表される前記シロキサン単位と、10〜60モル%の式:CHSiO3/2で表される前記シロキサン単位と、10〜30モル%の式:SiO4/2で表される前記シロキサン単位と、を含む、請求項3に記載のポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマー。
  5. 前記シロキサン直鎖状ブロック(ii)が、式:((CHSiO2/2[式中、「n」は、少なくとも5の正数である]で表される、請求項1に記載のポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマー。
  6. 前記シロキサン樹脂ブロック(i)及び前記シロキサン直鎖状ブロック(ii)の含有量が、ブロック(i)〜(iii)の合計に基づいて、10〜70質量%である、請求項1に記載のポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマー。
  7. ポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマーの製造方法であって、
    (1)式:HO(R SiO)H[式中、各Rは独立して、一価炭化水素基であり、「n」は、少なくとも5の正数である]で表されるシロキサンを、式:R SiX(4−a)[式中、各Rは独立して、一価炭化水素基であり、Xは、加水分解性基であり、「a」は、0〜2の数である]で表されるシラン化合物と反応させて、シロキサン直鎖状ブロック前駆体を生成する工程と、
    (2)前記シロキサン直鎖状ブロック前駆体と、式:RSiX[式中、Rは、一価炭化水素基であり、Xは、上に定義したとおりである]で表されるシラン化合物と、所望により、式:SiX[式中、Xは、上に定義したとおりである]で表されるシラン化合物と、を共加水分解及び縮合して、シロキサン直鎖状ブロック−シロキサン樹脂ブロック前駆体を生成する工程と、
    (3)前記シロキサン直鎖状ブロック−シロキサン樹脂ブロック前駆体と反応基を有するポリエステルとを縮合する工程と、を含む、製造方法。
  8. 式:RSiXで表される前記シラン化合物が、フェニルトリアルコキシシラン及びメチルトリアルコキシシランであり、式:SiXで表される前記シロキサン単位が、テトラアルコキシシランである、請求項7に記載の方法。
  9. 前記ポリエステルが、ネオペンチルグリコール又はトリメチロールプロパンである、請求項7に記載のポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマーの製造方法。
  10. 基材上にコーティングを形成するための、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリシロキサン−ポリエステルブロックコポリマーの使用。
  11. 前記基材が、アルミニウム、ステンレス鋼、鉄、プラスチック、又はガラスで作製される、請求項10に記載の使用。
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