JPH07278497A - 被覆用塗料組成物 - Google Patents

被覆用塗料組成物

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JPH07278497A
JPH07278497A JP7091894A JP7091894A JPH07278497A JP H07278497 A JPH07278497 A JP H07278497A JP 7091894 A JP7091894 A JP 7091894A JP 7091894 A JP7091894 A JP 7091894A JP H07278497 A JPH07278497 A JP H07278497A
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silicone resin
coating
alkoxy group
liquid silicone
coating composition
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JP7091894A
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Hiroshi Yamanaka
宏 山中
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Daihachi Chemical Industry Co Ltd
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Daihachi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 適切な粘度及び硬化性を有し、優れた耐水
性、耐薬品性、耐溶剤性、及び耐候性及び高光沢を有す
る被覆膜を容易に形成することができる被覆用塗料組成
物を提供する。 【構成】 無溶剤のアルコキシ基含有液状シリコーンレ
ジン、アミノ基含有シランカップリング剤及び硬化触媒
からなる被覆用塗料組成物。特に、無溶剤のアルコキシ
基含有液状シリコーンレジンが、一般式;R1 nSi(O
24-n(式中、R1はハロゲン原子で置換されていて
もよい1価炭化水素残基、R2は炭素数1〜4のアルキ
ル基、及びnは0〜2の整数である)で示されるアルコ
キシシランもしくはその部分加水分解縮合物又はそれら
の混合物を、金属化合物触媒の存在下、水を添加し、酸
性条件下で反応させ、発生するアルコールを除去するこ
とによって製造されたものである被覆用塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属、セラミックス、
ガラス、セメント、プラスチックス、木材、紙及び繊維
等の基材表面に、耐薬品性、耐水性及び耐候性等に優
れ、高い光沢を有する厚い被覆膜を形成するのに好適な
無溶剤の被覆用塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
金属やセラミックス等の各種成形体表面は、フッ素樹脂
及びシリコーン樹脂からなる被覆用組成物で被覆するこ
とによって、該成形体表面に美粧性を与えたり、耐薬品
性、耐水性及び耐食性等を向上させることが行なわれて
いる。これらのフッ素樹脂及びシリコーン樹脂は、塗料
として使用する場合には、顔料分散性、粘度調整及び皮
膜形成性を向上させるために多量の有機溶媒が用いられ
ている。しかしながら、有機溶媒は可燃性が高く、有害
であり、地球環境破壊の原因ともなるので、使用するの
は好ましくない。
【0003】そこで、無溶剤型塗料として粉体塗料や水
性塗料が数多く開発されている。しかしながら、これら
の塗料は溶剤型塗料に比較してその性能(例えば耐水
性、耐薬品性及び耐候性等)はいずれも満足すべきもの
ではない。無溶剤のアルコキシ基含有シリコーンレジン
は、有機樹脂の変性用ワニスとして知られており、耐熱
性が必要な電気絶縁材料のバインダー、耐熱性塗料にお
けるコーティング剤及び耐候性ビヒクルとして広く使用
されている。従来、かかるアルコキシ基含有液状シリコ
ーンレジンは、次の4種類のクロロシラン即ちメチルト
リクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、フェニルト
リクロロシラン及びジフェニルジクロロシランを使用目
的に応じて1種又は2種以上配合し、水とアルコールの
混液中で加水分解縮合反応させることにより製造されて
いる。しかしながら、この製造方法においては、原料と
して、メチルトリクロロシランのような極めて加水分解
速度の速いクロロシランを用いているため、使用する水
の量を多くするとゲル化するという問題がある。また、
そのためメチルトリクロロシランの配合量には制限があ
り、ジフェニルジクロロシランのように立体障害性基を
有するクロロシランを多量に配合せざるを得ないという
問題もある。従って、ゲル化させることなくシリコーン
レジンを得るためには、使用できるクロロシランの種類
とそれらの配合量及び水とアルコールの使用量には制限
があり、それらの制限のために、得られるシリコーンレ
ジンは低分子量及び低粘度で、かつアルコキシ基含有量
及びフェニル基含有量が高くなり、このようなアルコキ
シ基含有液状シリコーンレジンを用いる場合には、例え
ばチタンアルコキシドのような架橋剤又は硬化促進剤を
用いても、実用に耐える皮膜を形成することはできな
い。
【0004】被覆用塗料組成物として、液状オルガノポ
リシロキサン、架橋剤及び硬化触媒からなる無溶剤の常
温硬化型オルガノシロキサン組成物が知られている(特
開平第5-247347号公報参照)。常温硬化型オルガノシロ
キサン組成物の一例として、特開平第5-247347号公報に
は、液状オルガノポリシロキサンとしてメチルトリメト
キシシランのオリゴマー、架橋剤としてメチルトリメト
キシシラン、及び硬化触媒としてジブチル錫ジラウレー
トからなる三成分混合液が示されており、該組成物は、
水と接触すると、ジブチル錫ジラウレートの触媒作用に
よりメチルトリメトキシシランのオリゴマーとメチルト
リメトキシシランが加水分解を受け、徐々に硬化が進行
する。しかしながら、該組成物は硬化が遅いために、メ
チルトリメトキシシランは、メチルトリメトキシシシラ
ンのオリゴマーの架橋剤としては作用せず、数日を経過
しても液状のままで皮膜を形成しないという問題があ
る。
【0005】また、該組成物中の架橋剤としてメチルト
リメトキシシランの代わりにチタンアルコキシド、アル
ミニウムアルコキシドあるいはホウ素アルコキシドを用
いると、硬化は促進されるが、形成された皮膜は脆く、
耐水性及び耐薬品性が極めて悪くなる。さらに、液状オ
ルガノポリシロキサンとしてメチルフェニル系低分子シ
リコーン、メチルフェニル系高分子シリコーン及びメチ
ルトリメトキシシランを40℃で6時間養生してシラノー
ル基を除去したもの、架橋剤としてアルミニウムトリ-s
ec-ブチラート、トリメトキシボレート、メタクリロキ
シプロピルメチルジメトキシシラン、フェニルトリメト
キシシラン及びテトラ-n-ブトキシチタンの混合液、及
び硬化触媒としてジブチル錫ジラウレートを配合した組
成物においても、それを塗布して得られる皮膜は、室温
で6ヶ月放置した後も硬化が不充分であり、耐溶剤性、
密着性、耐水性及び耐アルカリ性が充分ではない。この
ことは、ケイ素が酸素を介して異種金属と結合した構造
の−Si−O−M−[Mは異種金属(例えばアルミニウ
ム、チタン、錫等)]は、ケイ素がフェニル基のような
立体障害性の置換基を有しかつ高分子量でないと容易に
加水分解されてしまうことを示している。例えば、ボロ
ジメチルシロキサンポリマーは、300℃の熱処理後でさ
えも、空気中で容易に加水分解される。ケイ素がフェニ
ル基を2ヶ有する構造のボロジフェニルシロキサンポリ
マーは、ボロジメチルシロキサンポリマーより耐加水分
解性は良好であるが、このポリマーの塗膜を形成するた
めには約300℃以上の高温に加熱する必要があり、フェ
ニル基のような立体障害性のある基を有するケイ素化合
物を用いる場合には、室温で強靱なポリマー塗膜を形成
することは困難である。以上の理由のために、上記組成
物を常温で硬化させて得られる塗膜には、耐水性及び耐
溶剤性等が充分ではないという問題がある。
【0006】本発明者らは、上記問題点を鑑み鋭意研究
を重ねた結果、可燃性でかつ有害である有機溶剤を含ま
ず、硬化性、密着性、耐水性、耐溶剤性、耐薬品性及び
耐候性等に優れ、高光沢を有する厚い被覆膜を形成する
のに好適な無溶剤の被覆用塗料組成物を見出し、本発明
を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、無溶
剤のアルコキシ基含有液状シリコーンレジン、アミノ基
含有シランカップリング剤、及び硬化触媒からなる被覆
用塗料組成物を提供するものである。本発明における無
溶剤のアルコキシ基含有液状シリコーンレジンとは、有
機溶媒を全く含有していないアルコキシ基を含有する液
状シリコーンレジンを意味する。
【0008】本発明においては、無溶剤のアルコキシ基
含有液状シリコーンレジンとして、公知の方法で製造さ
れたいずれのものも使用することができるが、次の方法
で製造された無溶剤のアルコキシ基含有液状シリコーン
レジンを使用するのが好ましい。即ち、本発明に用いら
れる無溶剤のアルコキシ基含有液状シリコーンレジンと
しては、一般式(I) R1 nSi(OR24-n (I) (式中、R1はハロゲン原子で置換されていてもよい1
価炭化水素残基、R2は炭素数1〜4のアルキル基、及
びnは0〜2の整数である)で示されるアルコキシシラ
ンもしくはその部分加水分解縮合物又はそれらの混合物
を、金属化合物触媒の存在下、前記原料中に含まれるア
ルコキシ基1モル当たり約0.2 〜約0.5 モルの水を添加
し、酸性条件下で反応させ、発生するアルコールを除去
することによって製造された無溶剤のアルコキシ基含有
液状シリコーンレジンが好ましい。
【0009】まず、上記無溶剤のアルコキシ基含有液状
シリコーンレジンの製造方法について説明する。上記一
般式(I)の各定義において、詳細は次の通りである。
一般式(I)中、R1で示される1価炭化水素残基の好
ましい例は、炭素数1〜8の直鎖又は分枝鎖状のアルキ
ル基及び炭素数6〜16のアリール基等であり、これらの
1価炭化水素残基は1以上のハロゲン原子で置換されて
いてもよい。具体的には、アルキル基としてはメチル、
エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i
−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシ
ル、1−メチルペンチル及び1−メチルヘキシル基等が
挙げられ、これらのなかで、メチル及びエチル基がより
好ましい。アリール基としてはフェニル、トリル、キシ
リル、ビフェニリル、ナフチル、アントリル及びフェナ
ントリル基等が挙げられ、これらのなかで、フェニル及
びトリル基がより好ましい。また、ハロゲン原子で置換
されている1価炭化水素残基の例としては、3,3,3-トリ
フルオロプロピル及びノナフルオロブチルエチル基等の
フッ素置換炭化水素残基等が挙げられる。
【0010】一般式(I)中、R2で示されるアルキル
基は、炭素数が5以上の場合、アルコキシシランもしく
はその部分加水分解縮合物の加水分解速度が遅くなり、
加水分解して発生するアルコールの沸点が高く、除去す
るのが困難となるので好ましくない。従って、R2で示
されるアルキル基は、炭素数が1〜4であるのが好まし
い。R2で示される炭素数1〜4のアルキル基として
は、直鎖又は分枝鎖状のいずれのアルキル基でもよく、
具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロ
ピル、n−ブチル、i−ブチル及びtert−ブチル基等が
挙げられ、これらのなかで、メチル、エチル、n−プロ
ピル及びn−ブチル基がより好ましい。
【0011】一般式(I)で示されるアルコキシシラン
の具体的な例としては、例えばテトラメトキシシラン、
テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、
ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキ
シシラン、ジフェニルジエトキシシラン、3,3,3-トリフ
ルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3-トリフルオ
ロプロピルトリエトキシシラン、ノナフルオロブチルエ
チルトリメトキシシラン及びノナフルオロブチルエチル
トリエトキシシラン等が挙げられ、これらのなかで、メ
チルトリメトキシシラン及びジフェニルジメトキシシラ
ンがより好ましい。
【0012】アルコキシシランの部分加水分解縮合物
は、公知の方法、即ち加水分解条件下(使用するアルコ
キシシランに応じて適宜設定される)でアルコキシシラ
ンもしくはその混合物を縮合させることによって得るこ
とができる(1種類のアルコキシシランの部分加水分解
縮合物を単独部分加水分解縮合物、及びアルコキシシラ
ンの混合物の部分加水分解縮合物を部分加水分解共縮合
物と称す)。アルコキシシランの部分加水分解縮合物の
好ましい例としては、これらのアルコキシシランが部分
加水分解され縮合された構造のシロキサン及びポリシロ
キサン等が挙げられる。
【0013】上記製造方法において用いられる原料は、
一般式(I)で示されるアルコキシシランもしくはその
部分加水分解縮合物又はそれらの混合物である。混合物
の好ましい例としては、メチルトリメトキシシランとジ
フェニルジメトキシシランとの混合物、フェニルトリメ
トキシシランとジメチルジメトキシシランとの混合物、
フェニルトリメトキシシランとその単独部分加水分解縮
合物との混合物、ジメチルジメトキシシランとその単独
部分加水分解縮合物との混合物、フェニルトリメトキシ
シランとジメチルジメトキシシランの部分加水分解共縮
合物とフェニルトリメトキシシランとの混合物、フェニ
ルトリメトキシシランとジメチルジメトキシシランの部
分加水分解共縮合物とジメチルジメトキシシランとの混
合物及びメチルトリメトキシシランとジフェニルジメト
キシシランと3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシ
シランとの混合物等が挙げられる。これらのなかで、メ
チルトリメトキシシランとジフェニルジメトキシシラン
との混合物及びメチルトリメトキシシランとジフェニル
ジメトキシシランと3,3,3-トリフルオロプロピルトリメ
トキシシランとの混合物がより好ましく、メチルトリメ
トキシシランとジフェニルジメトキシシランとの混合物
が特に好ましい。
【0014】これらの混合物の配合割合は、使用される
アルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物に応
じて適宜設定される。例えばメチルトリメトキシシラン
とジフェニルジメトキシシランとの混合物の場合には、
その配合割合は10:0.2〜10(モル比)が適切である。
その理由は、例えばそのモル比が10:0.2を越えてメチ
ルトリメトキシシランの方が多くなると、その原料を用
いて製造される無溶剤のアルコキシ基含有液状シリコー
ンレジンを塗料組成物中に配合させた場合、その塗料組
成物から得られる塗膜は脆く、密着性、耐水性及び耐ア
ルカリ性が低下し、一方そのモル比が10:10を越えてジ
フェニルジメトキシシランの方が多くなると、その原料
を用いて製造される無溶剤のアルコキシ基含有液状シリ
コーンレジンを塗料組成物中に配合させた場合、その塗
料組成物を基材上に塗布しても塗膜が充分に硬化しない
場合があり、そのために、得られる塗膜は耐溶剤性及び
耐擦傷性が低下するので好ましくないからである。
【0015】上記製造方法において用いられる原料とし
ては、メチルトリメトキシシランとジフェニルジメトキ
シシランとの混合物で、かつそのモル比が10:0.2〜10
のものがより好ましく、モル比が10:2〜8のものが特
に好ましい。上記製造方法においては、使用する原料の
種類により、製造される無溶剤のアルコキシ基含有液状
シリコーンレジンの組成が決定される。従って、シリコ
ーンレジンの所望の組成に応じて、使用する原料を適宜
選択することができる。
【0016】上記製造方法において用いられる金属化合
物触媒としては、アルコキシシランもしくはその部分加
水分解縮合物の加水分解反応及び縮合反応を促進させる
働きを有する金属化合物であればいずれでも使用するこ
とができるが、この観点から、金属化合物触媒の好まし
い例は、Al、Ti及びZrから選択される金属のアル
コキシドもしくはキレート化合物又はそれらの混合物で
あり、これらの金属化合物の部分縮合物を用いることも
できる。金属化合物の部分縮合物は、金属化合物を含有
する親水性有機溶媒中に、該金属化合物の沈殿やゲル化
を生じない範囲で水を添加することによって得ることが
できる。
【0017】具体的には、金属化合物触媒として、以下
の金属化合物及びその部分縮合物を使用することができ
る。Alを含有する金属化合物触媒の例としては、例え
ばトリ-iso-プロポキシアルミニウム、トリ−n−プロ
ポキシアルミニウム、トリ-sec-ブトキシアルミニウ
ム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、sec-ブトキシア
ルミニウムジイソプロピレート、トリ-tert-ブトキシア
ルミニウム、エチルアセトアセテートアルミニウムジイ
ソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトア
セトナート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトナ
ート)及びアルミニウムモノアセチルアセトナートビス
(エチルアセトアセトナート)等のアルミニウム含有金
属化合物及びその部分縮合物等が挙げられる。
【0018】Tiを含有する金属化合物触媒の例として
は、例えばテトラ−n−プロピルチタネート、テトラ-i
so-プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネー
ト、テトラ-iso-ブチルチタネート、テトラ-sec-ブチル
チタネート、テトラ-tert-ブチルチタネート、テトラキ
ス(2−エチルヘキシル)チタネート、ジプロポキシチ
タンビス(アセチルアセトナート)、チタントリス(エ
チルアセトアセトナート)及びチタントリス(アセチル
アセトナート)等のチタン含有金属化合物及びその部分
縮合物等が挙げられる。
【0019】Zrを含有する金属化合物触媒の例として
は、例えばテトラメトキシジルコニウム、テトラエトキ
シジルコニウム、テトラ-iso-プロポキシジルコニウ
ム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトラ-iso
-ブトキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコ
ニウム、テトラ-sec-ブトキシジルコニウム、テトラキ
ス(アセチルアセトン)ジルコニウム及びテトラキス
(エチルアセトアセテート)ジルコニウム等のジルコニ
ウム含有金属化合物及びその部分縮合物等が挙げられ
る。
【0020】これらの金属化合物触媒は、アルコキシシ
ランもしくはその部分加水分解縮合物と水との反応促進
剤として作用し、例えば加水分解速度に大きな差がある
メチルトリメトキシシランとジフェニルジメトキシシラ
ンとの混合物を原料として用いた場合でも、共加水分解
反応を生じさせることができる。これらの金属化合物触
媒の添加量は、使用する原料に対して100ppm未満では、
水と原料との反応を充分に促進することができず、原料
がモノマーのまま反応生成物中に残存し、そのため、そ
の添加量の金属化合物触媒を用いて製造される無溶剤の
アルコキシ基含有液状シリコーンレジンを塗料組成物中
に配合させた場合、その塗料組成物から得られる塗膜は
硬化不良を生じ、耐薬品性が低下するので好ましくな
い。一方、使用する原料に対して20000ppmを越えると、
その添加量の金属化合物触媒を用いて製造される無溶剤
のアルコキシ基含有液状シリコーンレジンを塗料組成物
中に配合させた場合、その塗料組成物から得られる塗膜
は耐薬品性、耐水性及び密着性が低下するので好ましく
ない。従って、金属化合物触媒の添加量は、使用する原
料に対して100ppm〜20000ppmの範囲内であるのが好まし
く、200ppm〜10000ppmの範囲内であるのが特に好まし
い。
【0021】上記製造方法においては、酸性条件下で加
水分解反応及び縮合反応を行うことが必須である。上記
酸性条件下とは、反応が充分に促進されかつゲル化しな
い程度の酸性を意味している。従って、反応が充分に促
進されかつゲル化しない程度に反応液を酸性にするため
に、必要に応じて酸を添加する必要があり、酸は触媒と
して作用する。
【0022】上記製造方法において用いられる酸の好ま
しい例としては、塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸等の鉱
酸、及び蟻酸、酢酸及びパラトルエンスルホン酸等の有
機酸等が挙げられる。これらの酸は、添加する水に予め
加えておいてもよく、使用する原料に加えてもよい。こ
れらの酸の添加量は、使用する酸の種類に応じて適宜設
定されるが、一般には原料に対して1ppm〜20000ppmの
範囲内であるのが適切であり、5ppm〜1000ppmの範囲内
であるのが好ましい。その理由は、酸の使用量が、原料
に対して1ppm未満では反応が遅くなり、一方20000ppm
を越えると反応が過度に進み、アルコキシシランもしく
はその部分加水分解縮合物の環状物やゲル状物質が生成
するために好ましくないからである。より具体的には、
酸の使用量は、鉱酸を用いる場合には原料に対して1pp
m〜1000ppmの範囲内であることが好ましく、有機酸を用
いる場合には100ppm〜20000ppmの範囲内であることが好
ましい。
【0023】上記製造方法においては、原料中に含まれ
るアルコキシ基1モル当たり約0.2モル〜約0.5モルの水
が添加される。この水の添加量は、使用する酸に含まれ
ている水も考慮に入れた総量である。水の添加量が原料
中に含まれるアルコキシ基1モル当たり約0.2モル未満
では、製造される無溶剤のアルコキシ基含有液状シリコ
ーンレジンのアルコキシ基含有量が大きくなり、低粘度
及び低分子量のものしか得ることができず、それを塗料
組成物中に配合させた場合、硬化性及び塗布特性(例え
ば密着性等)の劣った塗料組成物となるために好ましく
ない。一方、水の添加量が約0.5モル以上では、原料中
のアルコキシ基がすべて消費されてしまい、製造される
無溶剤のアルコキシ基含有液状シリコーンレジンは、ア
ルコキシ基を含有せず、高粘性あるいはゲル状のものと
なるので好ましくない。従って、上記製造方法において
は、水の添加量は原料中に含まれるアルコキシ基1モル
当たり約0.2モル〜約0.5モルの範囲内であることが必須
であり、約0.3モル〜約0.45モルの範囲内であるのがよ
り好ましい。
【0024】上記製造方法においては、反応に使用され
る水の量によって、製造される無溶剤のアルコキシ基含
有液状シリコーンレジンの粘度及びアルコキシ基含有量
が決定される。即ち、上記範囲内で、反応に使用される
水の量が多くなるにつれ、製造される無溶剤のアルコキ
シ基含有液状シリコーンレジンのアルコキシ基含有量は
減少する。従って、水の添加量は、シリコーンレジンの
所望の粘度及びアルコキシ基含有量に応じて、上記範囲
内で適宜設定される。
【0025】上記製造方法においては、原料(アルコキ
シシランもしくはその部分加水分解縮合物又はそれらの
混合物)を加水分解反応及び縮合反応に付し、発生する
アルコールを除去することによって、無溶剤のアルコキ
シ基含有液状シリコーンレジンを得ることができる。原
料の加水分解反応及び縮合反応は、還流下で行われるの
が好ましい。反応温度は、室温〜還流温度の範囲内であ
るのが適切であり、反応を早く進行させるために、還流
温度で行なうのが好ましい。還流温度は、使用する原料
及び発生するアルコールの種類に応じて適宜設定され、
一般には、発生するアルコールの沸点付近の温度であ
る。例えば、発生するアルコールがメタノールの場合に
は、約65℃〜約70℃の範囲内である。反応時間は、約3
〜20時間が適切であり、約5〜10時間が好ましい。
【0026】上記製造方法において、発生するアルコー
ルを除去する時期は、原料の加水分解反応及び縮合反応
の進行中もしくは該反応が完全に終結した後のいずれで
もよいが、該反応が充分に進行していないときにアルコ
ールを除去しはじめると、反応に使用される水も除去さ
れる可能性があり、かつ製造されるシリコーンレジンに
シラノール基が残存するために好ましくないので、該反
応が充分に進行した後、発生するアルコールを除去する
のが好ましい。従って、発生するアルコールを除去する
時期は、反応の進行度を経時的に測定しながら決定され
る。反応の進行度を決定する方法としては、反応生成物
の分子量測定及び発生したアルコール量の測定等がある
が、反応生成物の分子量測定によって反応の進行度を決
定するのが好ましい。原料の加水分解反応及び縮合反応
が充分に進行していることは、反応生成物の分子量がほ
ぼ一定の値になり、製造されるシリコーンレジンの分子
量に近くなることによって確認することができる。ま
た、反応が完全に終結したことは、反応生成物の分子量
が製造されるシリコーンレジンの分子量となり、それ以
上分子量が大きくならないことによって確認することが
できる。
【0027】上記製造方法において、アルコールを除去
する方法としては、常圧及び減圧のいずれでもよい。反
応で発生するアルコールの量は、計算上、反応に使用し
た水の2倍モル量である。従って、アルコール除去の終
点は、発生したアルコールの量を測定することによって
決定される。即ち、発生したアルコールの量が、反応に
使用した水の2倍モル量となった時点でアルコール除去
を停止させればよい。上記製造方法においては、除去さ
れたアルコールを再利用することができる。
【0028】上記のように反応させて発生するアルコー
ルを除去した後、反応生成物(無溶剤のアルコキシ基含
有液状シリコーンレジン)には金属化合物が含有されて
いるが、この金属化合物は、シリコーンレジンの特性
(例えば耐水性及び耐薬品等)には全く影響を与えない
ので、反応生成物から除去されなくてもよい。また、こ
の金属化合物触媒は、塗料組成物中においても反応促進
剤としても働くため、上記製造方法で製造された無溶剤
のアルコキシ基含有液状シリコーンレジンを塗料組成物
中に配合する場合には、得られる塗膜は耐擦傷性及び耐
溶剤性等が向上されたものとなる。
【0029】上記製造方法においては、使用する原料の
種類を変えることによって製造される無溶剤のアルコキ
シ基含有液状シリコーンレジンの組成を変化させること
ができ、添加する水の量を変えることによって、製造さ
れる無溶剤のアルコキシ基含有液状シリコーンレジンの
粘度及びアルコキシ基含有量を変化させることができ
る。
【0030】従って、上記のようにして製造された無溶
剤のアルコキシ基含有液状シリコーンレジンは、本発明
の被覆用塗料組成物の使用目的に応じて、自由にシリコ
ーンレジンの組成、粘度及びアルコキシ基含有量を調整
することができるので、本発明の被覆用塗料組成物に好
適に使用することができる。本発明において用いられる
アミノ基含有シランカップリング剤としては、公知のも
の全てを適用することができる。具体的には、アミノ基
含有シランカップリング剤の好ましい例としては、N−
β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン及びN
−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等
が挙げられる。これらのなかで、γ−アミノプロピルト
リエトキシシランが特に好ましい。これらのアミノ基含
有シランカップリング剤は、1種単独又は2種以上の混
合物として使用することができる。
【0031】アミノ基含有シランカップリング剤の配合
量は、無溶剤のアルコキシ基含有液状シリコーンレジン
100重量部に対して、0.1重量部未満では、塗料組成物の
硬化が遅く、塗膜の耐溶剤性が低下し、一方40重量部を
超えると、塗料組成物の粘度が低下し、塗膜形成時にタ
レが生じ易くなり、塗膜の耐薬品性及び耐擦性が低下す
るので好ましくない。従って、アミノ基含有シランカッ
プリング剤の配合量は、無溶剤のアルコキシ基含有液状
シリコーンレジン100重量部に対して、0.1〜40重量部が
好ましく、0.5〜30重量部がより好ましい。
【0032】本発明において用いられるアミノ基含有シ
ランカップリング剤は、本発明の塗料組成物において密
着向上剤として作用し、後述する硬化触媒と併用される
と、室温硬化時の硬化促進剤としても作用し、塗膜の耐
水性、耐溶剤性及び耐擦傷性を向上させる。本発明にお
いて用いられる硬化触媒としては、公知のもの全てを適
用することができる。具体的には、硬化触媒の好ましい
例としては、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラ
ウレート、ジブチル錫ジオクトエート、ナフテン酸第1
錫、オレイン酸第1錫、ラウリン酸第1錫、クロトン酸
第1錫、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸コバルト、ナフテ
ン酸コバルト、テトラプロピルチタネート、テトラ-n-
ブチルチタネート及びテトラ-n-ブチルジルコニウム等
が挙げられる。これらのなかで、ジブチル錫ジラウレー
ト及びテトラ-n-ブチルチタネートがより好ましく、ジ
ブチル錫ジラウレートが特に好ましい。これらの硬化触
媒は、1種単独又は2種以上の混合物として使用するこ
とができる。
【0033】硬化触媒はの配合量は、無溶剤のアルコキ
シ基含有液状シリコーンレジン100重量部に対して、0.5
重量部未満では、塗料組成物の硬化が遅く、塗膜の耐溶
剤性及び耐擦傷性が低下し、一方20重量部を超えると、
塗膜の密着性及び耐薬品性が低下するので好ましくな
い。従って、硬化触媒はの配合量は、無溶剤のアルコキ
シ基含有液状シリコーンレジン100重量部に対して0.5〜
20重量部が好ましく、1〜10重量部がより好ましい。
【0034】本発明において用いられる硬化触媒は、本
発明の塗料組成物の硬化を促進する作用を有する。本発
明における塗料組成物の好ましい例としては、無溶剤の
アルコキシ基含有液状シリコーンレジンとしてメチルト
リメトキシシランとジフェニルジメトキシシランとの混
合物を原料として上記製造方法によって製造されたも
の、アミノ基含有シランカップリング剤としてγ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、及び硬化触媒としてジ
ブチル錫ジラウレートからなる組成物、無溶剤のアルコ
キシ基含有液状シリコーンレジンとしてメチルトリメト
キシシランとジフェニルジメトキシシランとの混合物を
原料として上記製造方法によって製造されたもの、アミ
ノ基含有シランカップリング剤としてγ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、及び硬化触媒としてテトラ-n-
ブチルチタネートからなる組成物、及び無溶剤のアルコ
キシ基含有液状シリコーンレジンとしてメチルトリメト
キシシランとジフェニルジメトキシシランと3,3,3-トリ
フルオロプロピルトリメトキシシランとの混合物を原料
として上記製造方法によって製造されたもの、アミノ基
含有シランカップリング剤としてγ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、及び硬化触媒としてジブチル錫ジラ
ウレートからなる組成物等が挙げられる。
【0035】本発明の被覆用塗料組成物には、さらに必
要に応じて各種添加剤を含有させることができる。添加
剤の例としては、例えば体質顔料、着色顔料及び充填剤
等が挙げられる。具体的には、体質顔料の例として、例
えばマイカ、タルク、炭酸カルシウム、クレー、シリ
カ、硫酸バリウム及び珪藻土等が挙げられ、着色顔料の
例として、例えば酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラッ
ク、黒鉛、二酸化マンガン、チタンイエロー、黄土、コ
バルトブルー、群青、フタロシアニンブルー、コバルト
クロムグリーン、酸化クロム、ベンガラ、鉛丹、カドミ
ウムレッド及びアンチモン赤等が挙げられる。また、充
填剤の具体的な例としては、例えばアルミニウム粉、亜
鉛末、酸化錫及び酸化亜鉛等が挙げられる。
【0036】本発明の塗料組成物は、体質顔料及び着色
顔料を添加した場合には、例えば着色エナメルとして使
用することができ、適切な充填剤を添加した場合には、
例えば防錆膜、電気絶縁膜、遠赤外線放射膜及び導電膜
等を形成するための塗料として使用することができる。
これらの他に、各種界面活性剤及び染料等の公知の各種
添加剤も使用することができる。
【0037】また、上記無溶剤のアルコキシ基含有液状
シリコーンレジンの製造方法の説明において例示した金
属化合物触媒は、塗料組成物中においても反応促進剤と
して作用するため、塗膜の耐擦傷性及び耐溶剤性を向上
させる目的で本発明の塗料組成物中に添加することがで
きる。本発明の組成物を含む塗料は、各種基材上に塗工
・硬化することにより所望の塗膜を形成させることがで
きる。使用される基材の例としては、例えば金属、セラ
ミックス、セメント、ガラス、プラスチックス、紙、繊
維及び木材等が挙げられる。塗料を基材上に塗工・硬化
する方法としては、公知の方法を適用することができ
る。塗料の硬化温度は、使用する硬化触媒によっては約
200℃の高温領域まで加熱可能であり、使用する硬化触
媒に応じて決定される。一般には、硬化温度は室温〜約
200℃が適切である。本発明の組成物を含む塗料は、高
温で硬化させても硬化時にクラックや剥離が生じること
なく厚い被覆膜を形成することができる。また、硬化時
間は、10分〜1ケ月が適切である。
【0038】本発明の組成物は、アルコキシシラン由来
のアルコキシ基含有シリコーンレジンが、アミノ基含有
シランカップリング剤と共に、塗工・硬化時に基材上で
強固に結合するために、基材との密着性を損なうことは
ない。本発明の被覆用塗料組成物は、無溶剤のアルコキ
シ基含有液状シリコーンレジン、アミノ基含有シランカ
ップリング剤及び硬化触媒からなり、塗料として適切な
粘度及び硬化性を有している。また、本発明の被覆用塗
料組成物を用いれば、密着性、耐水性、耐溶剤性、耐薬
品性及び耐候性等に優れた塗膜を形成することができ
る。
【0039】
【実施例】以下、実施例を示して本発明をより具体的に
説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されない
ことはいうまでもない。尚、実施例中、特にことわりが
ない限り、粘度は20℃における値であり、MWはゲルパー
ミェーションクロマトグラフィによる標準ポリスチレン
換算法における重量平均分子量を示す。
【0040】実施例1 反応容器に、メチルトリメトキシシラン(510g)、ジフ
ェニルジメトキシシラン(305g)、アルミニウムトリス
(エチルアセトアセトナート)(2g)を入れ、濃硝酸
(0.1g)を含む水溶液(93g)を加えて8時間加熱還流
した。その後、発生したメタノールを減圧下で加熱する
ことにより除去して、無溶剤のアルコキシ基含有液状シ
リコーンレジン(580g)を得た。得られたシリコーンレ
ジンの粘度、重量平均分子量及びメトキシ基含有量を測
定した。その結果、粘度は280cp、MWは1450、及びメト
キシ基含有量は18.3%(計算量18.3%)であった。メト
キシ基含有量は、ケミカル・アナリシス第41巻(Chemic
al Analysis,Volume 41)、154〜156頁に記載の方法に
準じた方法で測定された。これを、無溶剤のアルコキシ
基含有液状シリコーンレジンAと称す。次に、無溶剤の
アルコキシ基含有液状シリコーンレジンA(100g)に、
アミノ基含有シランカップリング剤としてγ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン(25g)及び着色顔料として
酸化チタン〔石原産業(株)製、タイペークR-380〕(1
00g)を配合し、サンドミルを用いて30分間分散させた
後、硬化触媒としてジブチル錫ジラウレート(3g)を加
えることによって塗料を調製した。次いで、得られた塗
料をスレート板(JISA5403)上にスプレー装置を用いて
塗膜が約150μmとなるように塗布した。この塗膜は1
時間30分でタックフリーとなった。これを室温で1週間
硬化させた後、得られた塗膜を以下の項目について評価
した。その結果を、後述の実施例1〜3で得られた被覆
用塗料組成物の評価結果とともに表1に示す。 〔塗膜外観〕 目視観察により表面状態を評価す
る。 〔密着性〕 JIS5400の基板目により評価する。 〔硬度〕 JIS5400の鉛筆硬度により評価す
る。 〔耐溶剤性〕 ガーゼにメタノールを浸し、塗膜を
30回ラビングテストした後の状態を観察する。 〔耐酸性〕 5%硫酸水溶液を塗膜上に1ml滴下
し、蓋付きシャーレ中で1日静置後、水洗し、状態を観
察する。 〔酸アルカリ性〕 5%水酸化ナトリウム水溶液を塗膜
上に1ml滴下し、蓋付きシャーレ中で1日静置後、水洗
し、状態を観察する。 〔耐水性〕 流水中に4日間浸漬し、状態を観察
する。 〔耐候性〕 JISK5400に従ってウェザオメーター
で3000時間照射試験を実施し、状態を観察した。
【0041】実施例2 反応容器に、メチルトリメトキシシラン(510g)、ジフ
ェニルジメトキシシラン(305g)、アルミニウムトリス
(エチルアセトアセトナート)(4g)及び濃硝酸(0.1
g)を入れ、水(99g)を加えて8時間加熱還流した。そ
の後、発生したメタノールを減圧下で加熱することによ
り除去して、無溶剤のアルコキシ基含有液状シリコーン
レジン(566g)を得た。得られたシリコーンレジンの粘
度、重量平均分子量及びメトキシ基含有量を測定した。
その結果、粘度は820cp、MWは2100、及びメトキシ基含
有量は15.1%(計算量15.1%)であった。メトキシ基含
有量は、実施例1と同様の方法で測定された。これを、
無溶剤のアルコキシ基含有液状シリコーンレジンBと称
す。次に、無溶剤のアルコキシ基含有液状シリコーンレ
ジンB(100g)に、アミノ基含有シランカップリング剤
としてγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(20g)
及び着色顔料として酸化チタン〔石原産業(株)製、タ
イペークR-380〕(100g)を配合し、サンドミルを用い
て30分間分散させた後、硬化触媒としてジブチル錫ジラ
ウレート(3g)を加えることによって塗料を調製した。
次いで、得られた塗料をスレート板(JISA5403)上にス
プレー装置を用いて塗膜が約150μmとなるように塗布
した。この塗膜は1時間でタックフリーとなった。これ
を室温で1週間硬化させた後、得られた塗膜を実施例1
と同じ項目について評価した。その結果を表1に示す。
【0042】実施例3 実施例1で得た無溶剤のアルコキシ基含有液状シリコー
ンレジンA(100g)に、着色顔料として酸化チタン〔石
原産業(株)製、タイペークR-380〕(100g)を配合
し、サンドミルを用いて30分間分散させた後、アミノ基
含有シランカップリング剤としてγ−アミノプロピルト
リエトキシシラン(20g)及び硬化触媒としてテトラ-n-
ブチルチタネート(5g)を加えることによって塗料を調
製した。次いで、得られた塗料を、ステンレス板(SUS3
04)上にスプレー装置を用いて塗膜が約50μmとなるよ
うに塗布した。この塗膜を180℃で20分間加熱した後、
得られた塗膜を実施例1と同じ項目について評価した。
その結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1から、本発明の被覆用塗料組成物を用
いて形成された塗膜が、優れた密着性、硬度、耐溶剤
性、耐薬品性、耐水性及び耐候性を有し、かつ光沢を有
していることが明白である。
【0045】比較例1 実施例1で得た無溶剤のアルコキシ基含有液状シリコー
ンレジンA(100g)にγ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン(20g)を加えることによって塗料を調製した。
次いで、得られた塗料をステンレス板(SUS304)上にス
プレー装置を用いて塗膜が約50μmとなるように塗布し
た。この塗膜は室温で3日間硬化後も液状のままであっ
た。
【0046】比較例2 実施例1で得た無溶剤のアルコキシ基含有液状シリコー
ンレジンA(100g)にジブチル錫ジラウレート(3g)を
加えることによって塗料を調製した。次いで、得られた
塗料をステンレス板(SUS304)上にスプレー装置を用い
て塗膜が約50μmとなるように塗布した。この塗膜は、
室温で3日間硬化後も液状のままであった。
【0047】
【発明の効果】本発明の被覆用塗料組成物は、上記実施
例等に示されるように、可燃性でかつ有害な有機溶媒を
含まず、塗料として適切な粘度及び硬化性を有してお
り、本発明の被覆用塗料組成物によれば、金属やセラミ
ックス基板等の基材表面に、優れた特性(例えば耐水
性、耐薬品性、耐溶剤性、及び耐候性等)及び高光沢を
有する被覆膜を容易に形成することができる。従って、
本発明の被覆用塗料組成物は、例えば建築物の内壁及び
外壁等を被覆するための塗料として極めて有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無溶剤のアルコキシ基含有液状シリコー
    ンレジン、アミノ基含有シランカップリング剤及び硬化
    触媒からなる被覆用塗料組成物。
  2. 【請求項2】 無溶剤のアルコキシ基含有液状シリコー
    ンレジンが、一般式(I) R1 nSi(OR24-n (I) (式中、R1はハロゲン原子で置換されていてもよい1
    価炭化水素残基、R2は炭素数1〜4のアルキル基、及
    びnは0〜2の整数である)で示されるアルコキシシラ
    ンもしくはその部分加水分解縮合物又はそれらの混合物
    を、金属化合物触媒の存在下、前記原料中に含まれるア
    ルコキシ基1モル当たり約0.2 〜約0.5 モルの水を添加
    し、酸性条件下で反応させ、発生するアルコールを除去
    することによって製造された無溶剤のアルコキシ基含有
    液状シリコーンレジンである請求項1記載の被覆用塗料
    組成物。
  3. 【請求項3】 無溶剤のアルコキシ基含有液状シリコー
    ンレジン100重量部に対し、アミノ基含有シランカップ
    リング剤が0.1〜40重量部、硬化触媒が0.5〜20重量部配
    合されている請求項1又は2に記載の被覆用塗料組成
    物。
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