JP2999927B2 - 高重合度ジオルガノポリシロキサンコンパウンド分散液の製造方法 - Google Patents

高重合度ジオルガノポリシロキサンコンパウンド分散液の製造方法

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JP2999927B2 JP17765094A JP17765094A JP2999927B2 JP 2999927 B2 JP2999927 B2 JP 2999927B2 JP 17765094 A JP17765094 A JP 17765094A JP 17765094 A JP17765094 A JP 17765094A JP 2999927 B2 JP2999927 B2 JP 2999927B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、離型剤、コーティング
剤、シリコーンゴム製造原料等として有用である高重合
度ジオルガノポリシロキサンコンパウンド分散液の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高重合度ジオルガノポリシロキサ
ンコンパウンド分散液は、離型剤、コーティング剤等の
用途に使用されている。この高重合度ジオルガノポリシ
ロキサンコンパウンド分散液は、ガム状の高重合度ジオ
ルガノポリシロキサン 100重量部に比表面積が50m 2 /g
以上のシリカ1〜100 重量部を配合して高重合度ジオル
ガノポリシロキサンコンパウンドとした後、このコンパ
ウンドを揮発性有機溶剤又は揮発性オルガノシロキサン
に分散させることにより製造される。
【0003】しかし、この製造方法により均一な高重合
度ジオルガノポリシロキサンコンパウンド分散液を得る
ためには、およそ10時間以上の長時間にわたり、前記コ
ンパウンドと前記の揮発性有機溶剤又は揮発性オルガノ
シロキサンとの混合液を攪拌しなければならない。従っ
て、この製造方法は効率的でなく、生産性が低いという
問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題
は、均一な高重合度ジオルガノポリシロキサンコンパウ
ンド分散液を効率良く製造する方法を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、揮発性溶
剤又は揮発性オルガノシロキサン中の低重合度シロキサ
ンとシリカを分散させておいて該シロキサンの高重合度
化を図る方法により前記の課題を解決することができる
ことを見出した。
【0006】即ち、本発明は、(A) (a) 下記一般式(1)
: HO( R 1 R 2 Si O ) n H (1) (式中、R 1 及びR 2 は、同一でも異なってもよく、一
価炭化水素基であり、nは25℃における粘度が5〜100,
000cStとなる数である)で表されるジオルガノポリシロ
キサン及び(b) 疎水性シリカが、 (c)揮発性有機溶剤及
び揮発性オルガノシロキサンからなる群より選ばれる少
なくとも一種に分散してなる分散液を調製する工程と、
(B) 該分散液に、 (d)下記一般式(2) : R 3 R 4 Si[ N( R 5 )2 ] 2 (2) (式中、R 3 及びR 4 は、同一でも異なってもよく、一
価炭化水素基であり、 R5は、同一でも異なってもよ
く、アルキル基である)で表されるアミノシラン及びそ
の部分加水分解物からなる群より選ばれる少なくとも一
種を、 (a)成分のシラノール基1モル当り、式:−Si[
N( R 5 ) 2 ]2 で表されるビス(ジアルキルアミノ)シ
リル基が 0.5〜10モルとなる量添加し、 (a)成分と (d)
成分とを反応させる工程とを備えてなる、高重合度ジオ
ルガノポリシロキサンコンパウンド分散液の製造方法を
提供する。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。工程(A) 本工程は、一般式(1) で表される両末端シラノール基停
止ジオルガノポリシロキサン (a)及び疎水性シリカ (b)
が揮発性有機溶剤及び揮発性オルガノシロキサンからな
る群より選ばれる少なくとも一種 (c)に分散してなる分
散液を調製する工程である。
【0008】(a) 両末端シラノール基停止ジオルガノポ
リシロキサン 該ジオルガノポリシロキサンは一般式(1) で表される。
該一般式(1) において、一価炭化水素基R 1 及び R2
しては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n
−ブチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のア
ルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ト
リフルオロプロピル基、シアノエチル基等のこれらの基
の水素原子がハロゲン原子、シアノ基等で置換された基
等が挙げられる。nは25℃における粘度が5〜100,000c
Stとなる数である。該ジオルガノポリシロキサン(a) の
粘度は、25℃で25〜100,000cStであることが好ましく、
より好ましくは 500〜50,000cSt である。この粘度が低
過ぎると、ジオルガノポリシロキサンが汎用ものとして
容易に入手できず、高過ぎると、(b) 、(c) 成分との分
散に長時間を要することがある。(a) 成分は一種単独で
も、2種類以上併用してもよい。
【0009】(b) 疎水性シリカ 疎水性シリカ (b)は、得られるコンパウンド分散液を硬
化ゴムの製造に使用した際に硬さ、引っ張り強さ等の点
で良好な機械的強度が得られるように、比表面積50m 2
/g以上であることが好ましく、より好ましくは 100〜40
0m2 /gである。該シリカの表面は疎水性であることが必
要である。このような疎水性シリカは、シリカ表面を適
当な方法で疎水化処理することで得られる。疎水化処理
に供されるシリカとしては、例えば、ヒュームドシリ
カ、焼成シリカ、沈降シリカ等が挙げられ、これらシリ
カは、単独で又は2種以上の組合せで使用される。疎水
化処理は公知の方法でよく、例えば、鎖状オルガノポリ
シロキサン、環状オルガノポリシロキサン、ヘキサメチ
ルジシラザン、オルガノアルコキシシラン等でシリカの
表面を処理すればよい。疎水化されていないとシリカ表
面の水酸基が分散液をゲル化させることがある。
【0010】疎水性シリカ (b)の使用量は、ジオルガノ
ポリシロキサン(a) 100重量部当り好ましくは1〜1
00重量部であり、より好ましくは5〜50重量部であ
る。この使用量が少な過ぎるとシリコーンゴムの機械的
強度等の物理特性が不十分となることがあり、多過ぎる
と配合が困難になると共に物理的特性が劣ることがあ
る。
【0011】(c) 揮発性有機溶剤及び/又は揮発性オル
ガノシロキサン 揮発性有機溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の脂肪族炭
化水素;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエー
テル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピル
ケトン、シクロヘキサノン等のケトン;テトラヒドロフ
ラン等の複素環化合物等が挙げられる。これらの中で
も、芳香族炭化水素及び脂肪族炭化水素が好ましく使用
される。
【0012】揮発性オルガノシロキサンは、環状シロキ
サン、直鎖状シロキサン及び分枝状シロキサンのいずれ
であってもよい。環状シロキサンとしては、例えば、下
記一般式(3) : (R6 R 7 SiO)p (3) (式中、 R6 及び R7 は、同一でも異なってもよく、炭
素原子数8以下のアルキル基、アルケニル基又はアリー
ル基であり、pは3〜15の整数である)で表されるもの
が挙げられる。一般式(3) において、 R6 及び R7 とし
ては、例えば、R 1 として例示したアルキル基、アルケ
ニル基又はアリール基等が挙げられる。好適な環状シロ
キサンとしては、例えば、オクタメチルシクロテトラシ
ロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げ
られる。直鎖状シロキサンとしては、下記一般式(4) : (R 8 ) 3 SiO-(R 6 R 7 SiO) q -Si(R 8 ) 3 (4) (式中、R 6 及びR 7 は前記の通りであり、 R8 は、同
一でも異なってもよく、炭素原子数8以下のアルキル
基、アルケニル基又はアリール基であり、qは0〜13の
整数である)で表されるものが挙げられる。一般式 (4)
において、 R6 及び R7 は前記の通りであり、 R8 とし
ては、例えば、R 1 として例示したアルキル基、アルケ
ニル基又はアリール基等が挙げられる。好適な直鎖状シ
ロキサンとしては、例えば、ヘキサメチルジシロキサ
ン、オクタメチルテトラシロキサン等が挙げられる。分
枝状シロキサンとしては、例えば、直鎖状シロキサンの
側鎖にアルキルシロキシ基が導入されたものが挙げられ
る。好適な直鎖状シロキサンとしては、例えば、トリス
(トリメチルシロキシ)メチルシラン、テトラ(トリメ
チルシロキシ)シラン等が挙げられる。
【0013】(c) 成分は、沸点(常圧)が50〜300
℃のものが好ましく、より好ましくは100〜250℃
のものである。溶媒ないし分散媒として働く (c)成分の
量は、得られる分散液におけるジオルガノポリシロキサ
ン(a) の濃度が5〜90重量%となる範囲が好ましく、
10〜50重量%がより好ましい。該濃度が高すぎると
粘度が高くなり取扱いにくくなって実用的でなく、低す
ぎると不経済である。
【0014】本工程では、上記の疎水性シリカの他に、
必要に応じてシリコーンゴムに通常添加されるその他の
添加材を配合してもよい。例えば、粉砕シリカ、けいそ
う土、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、カーボンブラッ
ク、酸化バリウム、酸化マグネシウム、水酸化セリウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、ア
スベスト、ガラスウール、微粉マイカ、溶融シリカ粉末
等;ならびに顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯
電防止剤、酸化アンチモン、塩化パラフィン等の難燃
剤、窒化ホウ素、酸化アルミニウム等の熱伝導性向上剤
等が挙げられる。
【0015】工程(A) は、例えば、次のように行えばよ
い。反応装置に揮発性有機溶剤又は揮発性オルガノポリ
シロキサン(c) を仕込み、次にジオルガノポリシロキサ
ン(a) 、疎水性シリカ(b) 及び必要に応じて添加される
材料を配合してなるオルガノポリシロキサンコンパウン
ドを仕込み、このオルガノポリシロキサンコンパウンド
を(c) 成分に分散させればよい。
【0016】工程(B) 本工程は、工程(A) で得られた分散液の一般式(2) で表
されるアミノシラン及び/又はその部分加水分解物(d)
が添加され、一般式(1) のジオルガノポリシロキサンと
の反応に供される。この反応によりジオルガノポリシロ
キサンの分子量が増大される。
【0017】(d) アミノシラン及び/又はその部分加水
分解物 添加されるアミノシランを表す一般式(2) において、一
価炭化水素基R 3 及びR 4 としては、例えば、前記R 1
として例示した基等が挙げられる。また、アルキル基 R
5としては、例えば、前記R 1 として例示したアルキル
基等が挙げられる。
【0018】一般式(2) で表されるアミノシランとして
は、例えば、ジメチルビス(ジメチルアミノ)シラン、
ジメチルビス(ジエチルアミノ)シラン、ジメチルビス
(ジn−ブチルアミノ)シラン、メチルビニルビス(ジ
メチルアミノ)シラン、メチルビニルビス(ジエチルア
ミノ)シラン、メチルビニルビス(ジn−ブチルアミ
ノ)シラン、メチルトリフロロプロピルビス(ジエチル
アミノ)シラン等が挙げられる。これらの中でも、好適
なものは、ジメチルビス(ジメチルアミノ)シラン、ジ
メチルビス(ジエチルアミノ)シラン、メチルビニルビ
ス(ジメチルアミノ)シラン及びメチルビニルビス(ジ
エチルアミノ)シランである。
【0019】一般式(2) で表されるアミノシランの部分
加水分解物は、該アミノシランに含まれるジアルキルア
ミノ基が部分的に加水分解し、生成したシラノール基の
かなりの部分がさらに脱水縮合してなる加水分解縮合生
成物を意味し、例えば、下記一般式(8) : R 3 R 4 [N(R 5 )2 ]SiO-(R 3 R 4 SiO) s -Si[N(R 5 )2 ]R 3 R 4 (8) (式中、 R3 、R 4 及びR 5 は前記の通りであり、sは
正の整数である)で表されるものが挙げられる。一般式
(8) 中、sは、通常、1〜100 の整数でよい。この一般
式(8) で表されるオルガノポリシロキサンとしては、例
えば、 Me2 [ Me2 N ]SiO-(Me2 SiO)5 -Si[ NMe2 ] Me2 , Me2 [ Et2 N ]SiO-(Me2 SiO)10-Si[ NEt2 ] Me2 (上で、Meはメチル基を示し、Etはエチル基を示す)等
が挙げられる。
【0020】(d) 成分の使用量は、(a) 成分の水酸基1
モル当り(d) 成分のジアルキルアミノシリル基が0.5 〜
10モルとなる量であり、好ましくは 0.8〜5.0 となる量
である。(a) 成分の水酸基1モル当り(d) 成分のジアル
キルアミノシリル基が0.5 モルよりも少なくても多くて
も、高重合度ジオルガノポリシロキサンを安定に製造す
ることができない。特に、多すぎると(d) 成分が無駄に
なり経済的に不利である。
【0021】反応 (a) 成分と(d) 成分とを反応させるための条件は、公知
の反応条件でよい。例えば、前記分散液に(d) 成分を添
加して得られた混合液を 100〜200 ℃に、好ましくは10
0 〜150 ℃に昇温し、この温度範囲で、1〜3時間程度
反応させるとよい。該反応により、一般式(1) のジオル
ガノポリシロキサン(a) の分子鎖は延長され、高重合度
ジオルガノポリシロキサンが生成する結果目的とする高
重合度ジオルガノポリシロキサンコンパウンド分散液が
得られる。この反応の際にはジアルキルアミンが副生す
るが、これは減圧でストリップする、該反応混合物に水
蒸気を吹き込む等の公知の方法で除去することができ
る。
【0022】該反応の際には、必要に応じて、生成する
高重合度ジオルガノポリシロキサンの分子量を制御する
ために末端封鎖剤を反応系にに添加してもよい。かかる
末端封鎖剤としては、例えば、下記一般式(5) : ( R9 ) 3 SiOH (5) 〔式中、 R9 は、同一でも異なってもよく、一価炭化水
素基である〕で表される化合物、下記一般式(6) : ( R9 ) 3 SiN( R5 ) 2 (6) 〔式中、 R5 及び R9 は前記の通りである〕で表される
化合物、下記一般式(7) : [( R9 ) 3 Si] 2 NH (7) 〔式中、 R9 は前記の通りである〕で表される化合物等
が挙げられる。一般式(5) 〜(7) 式中、一価炭化水素基
R 9としては、例えば、前記R 1 として例示した基等が
挙げられる。この末端封鎖剤の具体例としては、トリメ
チルシラノール、メチルジフェニルシラノール、トリビ
ニルシラノール、トリメチルジメチルアミノシラン、ト
リメチルジエチルアミノシラン、ジメチルビニルジメチ
ルアミノシラン、ジメチルビニルジエチルアミノシラ
ン、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジビニルジ
シラザン、ヘキサビニルジシラザン等が挙げられる。
【0023】用途 本発明により得られる高重合度ジオルガノポリシロキサ
ンコンパウンド分散液は、離型剤、コーティング剤、シ
リコーンゴムの製造原料等として有用である。この分散
液に、例えば、用途に応じた硬化剤を混合することによ
り種々の硬化型を有する硬化性シリコーンゴム組成物を
調製することができる。硬化剤としては、有機過酸化
物、ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノシ
ラン、シロキサンと白金族金属系触媒との組合せ、加水
分解性基を有するシラン又はシロキサンと縮合触媒との
組合せ等が例示される。こうして調製される硬化性シリ
コーンゴム組成物には所望の硬化物を得るために、通常
の硬化性シリコーンゴム組成物に配合される各種添加剤
を添加してもよい。以下、硬化剤の種類に応じて具体的
に説明する。
【0024】有機過酸化物による硬化 有機過酸化物は、硬化型シリコーンゴム組成物を硬化さ
せるために通常使用されるものであれば特に制限なく用
いることができる。この有機過酸化物としては、例え
ば、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(2,4−ジクロ
ロベンゾイル)パーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオ
キサイド、2,5−ジメチル−ジt−ブチルパーオキシ
ヘキサン、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルパ
ーオキシイソプロピルカーボネート、ジクミルパーオキ
サイド等が挙げられる。これらは、1種単独でも2種以
上を組合せて用いてもよい。有機過酸化物の使用量は、
前記高重合度ジオルガノポリシロキサンコンパウンド分
散液中に含まれる高重合度オルガノポリシロキサン 100
重量部当たり好ましくは0.01〜3重量部であり、より好
ましくは0.05〜1重量部である。硬化反応は、通常、硬
化性組成物を 100〜250 ℃で5分〜5時間程度加熱する
ことで進行する。
【0025】付加反応による硬化 上記分散液中の高重合度ジオルガノポリシロキサンが有
機基として脂肪族不飽和炭化水素基を有する場合は、付
加反応により前記硬化性組成物を硬化させることができ
る。この方法では、硬化剤としてオルガノハイドロジェ
ンポリシロキサンもしくはシランと白金族金属系触媒と
が使用される。オルガノハイドロジェンポリシロキサン
は、一分子中に2以上のSi-H基を有するオルガノポリシ
ロキサンであればよく、直鎖状、環状又は分枝状の何れ
の構造のものでもよい。また、Si-H基は、ポリシロキサ
ン鎖の末端にあってもよいし、側鎖にあってもよい。こ
のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの使用量は、
前記の硬化性組成物中の高重合度ジオルガノポリシロキ
サンのアルケニル基1モル当たりSi-H基が、好ましくは
0.5 〜3.0 モルとなる量であり、より好ましくは1.0 〜
2.0 モルとなる量である。
【0026】白金族金属系触媒は、例えば、米国特許第
2,970,150号に記載されている微粉末金属白金触媒、米
国特許第 2,823,218号に記載されている塩化白金酸触
媒、米国特許第 3,159,601号及び同 3,159,662号に記載
されている白金−炭化水素錯化合物、米国特許第 3,51
6,946号に記載されている塩化白金酸−オルフィン錯化
合物、米国特許 3,775,452号、同 3,814,780号に記載さ
れている白金−ビニルシロキサン錯体等を使用すること
ができる。この白金族金属系触媒の使用量は、上記分散
液中の高重合度ジオルガノポリシロキサンとオルガノハ
イドロジェンポリシロキサンの合計量に対して白金族金
属分で、好ましくは 0.1〜1,000ppmであり、より好まし
くは1〜100ppmである。
【0027】この付加反応による硬化性の場合には、得
られる硬化性組成物の室温における保存安定性を良好に
し且つ適度なポットライフを維持するために、メチルビ
ニルシクロテトラシロキサン、アセチレンアルコール類
等の反応制御剤を使用してもよい。硬化反応は、通常、
前記の硬化性組成物を60〜200 ℃で 0.5分〜5時間程度
加熱して行えばよい。
【0028】縮合反応による硬化 前記硬化性組成物中の高重合度ジオルガノポリシロキサ
ンの分子鎖末端に水酸基が存在する場合には、縮合反応
により該組成物を室温で硬化させることができる。この
方法では、硬化剤として、架橋剤及び縮合触媒が使用さ
れる。
【0029】架橋剤としては、例えば、下記一般式: ( R1 ) a SiX 4-a (式中、R 1 は前記の通りであり、X は加水分解性基で
あり、aは0〜2の整数である)で表されるシラン及び
/又はその部分加水分解物等が挙げられる。このシラン
としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチル
トリ(メチルエチルケトオキシム)シラン、メチルトリ
プロペニルオキシシラン、メチルトリアセトキシシラ
ン、これらシラン化合物の少なくとも一つのメチル基を
ビニル基、フェニル基又はトリフロロプロピル基に変え
たシラン化合物等が挙げられる。この架橋剤の使用量
は、前記高重合度ジオルガノポリシロキサンコンパウン
ド分散液中に含まれる高重合度オルガノポリシロキサン
100重量部当たり好ましくは1〜20重量部であり、より
好ましくは3〜10重量部である。
【0030】縮合触媒としては、例えば、ナフテン酸
錫、カプリル酸錫、オレイン酸錫等の錫カルボン酸塩;
ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジ
ブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオレート、ジフェ
ニル錫ジアセテート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル
錫ジメトキシド、ジブチルビス(トリエトキシシロキ
シ)錫、ジブチル錫ベンジルマレート等の錫化合物;テ
トライソプロペニルオキシチタン、テトラn−ブトキシ
チタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、
ジプロペニルオキシビス(アセチルアセトナト)チタ
ン、チタニウムイソプロペニルオキシオクチレングリコ
ール等のチタン酸エステル又はチタンキレート化合物等
が挙げられる。なお、プロペニルオキシ基を含むシラン
及び/又はその部分加水分解物を架橋剤として使用する
ときは、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシ
シラン、テトラメチルグアニジルプロピルジメトキシシ
ラン、テトラメチルグアニジルプロピルトリス(トチメ
チルシロキシ)シラン等のグアニジル基含有シラン及び
/又はその部分加水分解物、グアニジル基含有シロキサ
ン等を合わせて使用するとよい。縮合触媒の使用量は、
通常、高重合度ジオルガノポリシロキサンコンパウンド
100重量部当り1重量部以下で使用され、好ましくは0.
01〜0.5 重量部の範囲で使用される。しかし、使用する
架橋剤の種類によっては、縮合触媒を用いなくても組成
物を硬化することができる。
【0031】各種添加剤 得られる硬化性組成物に必要に応じて適宜配合される添
加剤としては、例えば、ポリエチレングリコール及びそ
の誘導体等のチクソトロピー性付与剤;顔料;染料;老
化防止剤;酸化防止剤;帯電防止剤;酸化アンチモン、
塩化パラフィン等の難燃剤;窒化ホウ素、酸化アルミニ
ウム等の熱伝導性改良剤;アミノ基、エポキシ基、メル
カプト基等の反応性有機基を有する有機ケイ素化合物等
の接着性付与剤;シランカップリング剤;トルエン,キ
シレン,石油エーテル等の炭化水素系溶剤、ケトン類、
エステル類等の溶剤;可塑剤;タレ防止剤;防汚剤;防
腐剤;殺菌剤;防黴剤等が挙げられる。
【0032】
【作用】本発明の製造方法によれば、(A) 工程において
(a) 〜 (c)成分からなる分散液の調製は成分(a) の分子
量がそれ程大きくないので容易である。(B) 工程におい
ては、(a) 成分中のケイ素原子に結合した水酸基と、
(d) 成分中のビス(ジアルキルアミノ)シリル基とが短
時間で反応して、 (b)、 (c)成分を包含する形で分散液
中に高重合度ジオルガノポリシロキサンが均一に生成す
る。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものでは
ない。なお、以下の記載において、粘度は25℃の測定
値である。
【0034】実施例1 1Lのフラスコに、オクタメチルシクロテトラシロキサ
ン700g、及び両末端が水酸基で停止されたジメチルポリ
シロキサン(粘度:5000cSt)230gと表面がトリメチ
ルシリル基で疎水化された比表面積200m2 /gのシリカ70
g(ジメチルポリシロキサン100 重量部に対して30重量
部) とを3本ロールで均一に混合して得たコンパウンド
300gを仕込み、これらを均一に混合した。得られた混合
液に、ビニル基を10モル%含有する両末端が水酸基で停
止されたメチルビニルポリシロキサン(粘度:15cS
t)3.5gを加え、更に均一に混合した。
【0035】上記で得られた混合液にジメチルビス(ジ
メチルアミノ)シラン2.0gを添加し室温で10分間撹拌し
た後、この10分間攪拌後の混合液を 150℃に昇温し、 1
50℃でさらに2時間攪拌して、該混合液中の両末端が水
酸基で停止されたジメチルポリシロキサンとジメチルビ
ス(ジメチルアミノ)シランとを反応させた。
【0036】このようにして得られた高重合度ジオルガ
ノポリシロキサンコンパウンド分散液は、無色透明のペ
ースト状液体(粘度:125000cSt)であった。この分
散液をゲルパーミエーションクロマトグラフで分析した
ところ、この分散液が重量平均分子量553000(重合度75
00)の高重合度ジメチルポリシロキサンを23重量%含有
していることがわかった。また、この分散液に含まれる
揮発性成分の量を測定したところ、この分散液には71重
量%のオクタメチルシクロテトラシロキサンが含まれて
いること、及びこのオクタメチルシクロテトラシロキサ
ンがジメチルビス(ジメチルアミノ)シランと反応して
いないことがわかった。
【0037】この高重合度ジオルガノポリシロキサンコ
ンパウンド分散液100gに、メチルトリス(メチルエチル
ケトオキシム)シラン1.5g及びジブチル錫ジラウレート
0.1gを加え均一に混合した。得られた混合液を室温で7
日間かけて硬化させ厚さ1mmの硬化物シートを作成し
た。この硬化物シートのゴム物性をJIS-K-6301に準じて
測定したところ、硬さ43(硬さの測定には、スプリング
式硬さ試験機A型を使用した)、引張強さ58kgf/cm2
び伸び 450%であった。
【0038】実施例2 実施例1で得られた高重合度ジオルガノポリシロキサン
コンパウンド分散液100gに、2,4−ジクロロベンゾイ
ルパーオキサイド0.3g加え均一に混合した。得られた混
合液を 120℃で30分間、さらに 200℃で4時間かけて硬
化させ厚さ1.5mm の硬化物シートを作成した。この硬化
物シートのゴム物性を実施例1と同様にして測定したと
ころ、硬さ52、引張強さ65kgf/cm2 及び伸び 550%であ
った。
【0039】実施例3 実施例1で得られた高重合度ジオルガノポリシロキサン
コンパウンド分散液100gに、分子中にメチルハイドロジ
ェンシロキサン単位〔-SiH( CH3 )O- 〕を5個、ジメチ
ルシロキサン単位を10個有する、両末端がトリメチルシ
ロキシ基で停止されたジメチルポリシロキサン0.15g 及
び塩化白金酸の1%イソプロピルアルコール溶液0.05g
加え均一に混合した。得られた混合液を 150℃で30分
間、さらに200 ℃で2時間かけて硬化させ厚さ1.6mm の
硬化物シートを作成した。この硬化物シートのゴム物性
を実施例1と同様にして測定したところ、硬さ55、引張
強さ68kgf/cm2 及び伸び 480%であった。
【0040】実施例4 1Lのフラスコに、トルエン850g、及び両末端が水酸基
で停止された、ジフェニルシロキサン単位を5モル%及
びジメチルシロキサン単位を95モル%含有するメチルフ
ェニルポリシロキサン(粘度: 700cSt)100 重量部
と表面がトリメチルシロキシ基で疎水化された比表面積
150m2 のシリカ40重量部とを3本ロールミルで均一に混
合して得たコンパウンド150g(メチルフェニルポリシロ
キサン107g、シリカ43g )を仕込み、これらを均一に混
合した。得られた混合液に、ビニル基を10モル%含有す
る両末端が水酸基で停止されたメチルビニルポリシロキ
サン(粘度:15cSt)1.5gを加え、更に均一に混合し
た。
【0041】上記で得られた混合液に、ジメチルビス
(ジメチルアミノ)シラン1.5g及びトリメチル(ジメチ
ルアミノ)シラン0.2gを添加し室温で10分間撹拌した
後、この攪拌後の混合液を 150℃に昇温し、 150℃でさ
らに2時間攪拌して、該混合液中の両末端が水酸基で停
止されたジメチルポリシロキサンと、ジメチルビス(ジ
メチルアミノ)シラン及びトリメチル(ジメチルアミ
ノ)シランとを反応させた。
【0042】このようにして得られた高重合度ジオルガ
ノポリシロキサンコンパウンド分散液は、無色透明の液
体(粘度:7300cSt)であった。この分散液をゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィーで分析したところ、
この分散液が重量平均分子量488000(重合度6100)の高
重合度ジメチルポリシロキサンを10.7重量%含有してい
ることがわかった。
【0043】この高重合度ジオルガノポリシロキサンコ
ンパウンド分散液100gに、2,4−ジクロロベンゾイル
パーオキサイド0.015g加え均一に混合した。この混合液
を 120℃で30分間、さらに 200℃で2時間かけて硬化さ
せ厚さ1mmの硬化物シートを得た。この硬化物シートの
ゴム物性を実施例1と同様にして測定したところ、硬さ
56、引張強さ75kgf/cm2 及び伸び 520%であった。
【0044】比較例1 表面がトリメチルシリル基で疎水化処理されたシリカ70
g の代わりに、疎水化処理が施されていない、比表面積
200 m2 /gの親水性シリカ70g を使用した以外は、実
施例1と同様にして高重合度ジオルガノポリシロキサン
コンパウンド分散液の製造を試みた。しかし、反応によ
り反応混合物はゲル状になり、所望の高重合度ジオルガ
ノポリシロキサンコンパウンド分散液を得ることはでき
なかった。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、均一な高重合度ジオル
ガノポリシロキサンコンパウンド分散液を効率良く製造
する方法が提供される。特に、この方法によれば、短時
間(具体的には、1〜3時間程度)で均一な高重合度ジ
オルガノポリシロキサンコンパウンド分散液を得ること
ができ、生産性が大きく向上する。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 83/04 C08G 77/38 C08K 3/36

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) (a) 下記一般式(1) : HO( R 1 R 2 Si O ) n H (1) (式中、R 1 及びR 2 は、同一でも異なってもよく、一
    価炭化水素基であり、nは25℃における粘度が5〜100,
    000cStとなる数である)で表されるジオルガノポリシロ
    キサン及び(b) 疎水性シリカが、 (c)揮発性有機溶剤及
    び揮発性オルガノシロキサンからなる群より選ばれる少
    なくとも一種に分散してなる分散液を調製する工程と、 (B) 該分散液に、 (d)下記一般式(2) : R 3 R 4 Si[ N( R 5 )2 ] 2 (2) (式中、R 3 及びR 4 は、同一でも異なってもよく、一
    価炭化水素基であり、 R5は、同一でも異なってもよ
    く、アルキル基である)で表されるアミノシラン及びそ
    の部分加水分解物からなる群より選ばれる少なくとも一
    種を、 (a)成分のシラノール基1モル当り、式:−Si[
    N( R 5 ) 2 ]2 で表されるビス(ジアルキルアミノ)シ
    リル基が0.5 〜10モルとなる量添加し、 (a)成分と (d)
    成分とを反応させる工程とを備えてなる、高重合度ジオ
    ルガノポリシロキサンコンパウンド分散液の製造方法。
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