JP2983654B2 - 末端をアルコキシシルエチレン基でブロックされたポリジオルガノシロキサンの製造方法 - Google Patents

末端をアルコキシシルエチレン基でブロックされたポリジオルガノシロキサンの製造方法

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JP2983654B2 JP3004111A JP411191A JP2983654B2 JP 2983654 B2 JP2983654 B2 JP 2983654B2 JP 3004111 A JP3004111 A JP 3004111A JP 411191 A JP411191 A JP 411191A JP 2983654 B2 JP2983654 B2 JP 2983654B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、アルコキシシルエチレン末端ブ
ロック基を有するポリジオルガノシロキサンの調製に関
する。
【0002】1965年3月30日発行の米国特許第 3175993
号明細書において Weyenbergは、末端アルコキシ基を含
有している多官能性シロキサン類を教示する。末端を水
素でブロックされたポリジオルガノシロキサンを白金触
媒の存在下でC=C原子団を有するアルコキシシランと
反応させる調製方法が示されている。
【0003】1988年9月20日発行の米国特許第 4772675
号明細書において Klosowskiは、シリコーンエラストマ
ーシーラントの保存寿命を向上させる方法を教示する。
ジメチル水素シロキシ基で末端をブロックされたポリジ
メチルシロキサンをビニルトリメトキシシランと反応さ
せてアルコキシシルエチレン基で末端をブロックされた
重合体を製造する方法が示されている。末端をビニル基
でブロックされたポリジオルガノシロキサンを下式の末
端キャップ用組成物と反応させる方法が示されている。
【化1】
【0004】1989年7月11日発行の米国特許第 4847400
号明細書において Krahnkeらは、ヒドロキシル基で末端
をブロックされたポリジオルガノシロキサンを酸性触媒
の存在下でポリアルコキシシリルアルキレンジシラザン
又はポリアルコキシシリルアルキレンシリルアミンと反
応させてポリアルコキシシリル基で末端をブロックされ
たポリジオルガノシロキサンを製造する方法を教示す
る。
【0005】アルコキシシルエチレン基で末端のブロッ
クされたポリジオルガノシロキサンは、最初にヒドロキ
シル基で末端をブロックされたポリジオルガノシロキサ
ンを2〜4個の SiH原子団を有する過剰の SiH化合物と
反応させ、次いでその生成物をビニルトリアルコキシシ
ランと反応させて所望の重合体を得ることにより製造さ
れる。
【0006】本発明の方法は、結果として副生物の塩類
を少しも生じさせず、また重合体にアミン臭も存在させ
ない容易に入手可能な出発成分を使って一容器法(one p
ot process) で、末端をトリアルコキシシルエチレン基
でブロックされたポリジオルガノシロキサンを与える。
【0007】本発明は、(A)末端をヒドロキシル基で
ブロックされたポリジオルガノシロキサンを、2〜4個
の SiH原子団を有し、上記の出発重合体の分子量を認め
うるほど増大させずにこのポリジオルガノシロキサンの
ヒドロキシル基と反応するのに十分な SiH化合物及び白
金触媒と混合し、次いで当該ポリジオルガノシロキサン
のヒドロキシル基の全部を反応させるのに十分な時間25
〜 150℃の温度に加熱する工程、次いで、(B)25mmHg
未満の真空を適用し且つ25〜 150℃の温度に加熱するこ
とによって上記混合物から過剰の SiH化合物を除去し
て、末端を SiH原子団でブロックされた重合体を残す工
程、次いで、(C)工程(B)の重合体のSiH原子団と
反応するのに十分なビニルトリアルコキシシランを加
え、そして存在している SiH原子団の全てを反応させる
のに十分な時間25〜 150℃の温度に加熱する工程、次い
で、(D)25mmHg未満の真空を適用し且つ25〜 150℃の
温度に加熱することによって上記混合物から過剰のビニ
ルトリアルコキシシランを除去して、末端をトリアルコ
キシシルエチレン基でブロックされたポリジオルガノシ
ロキサンを残す工程から本質的になる、末端をアルコキ
シシルエチレン基でブロックされたポリジオルガノシロ
キサンの製造方法に関する。
【0008】本発明の方法は、下式の末端をトリアルコ
キシシルエチレン基でブロックされたポリジオルガノシ
ロキサンを製造する。
【化2】 この式中、各R基は脂肪族不飽和がなく、且つ、炭素原
子数1〜18個の一価の炭化水素基、一価のハロ炭化水素
基及び一価のシアノアルキル基からなる群より選択され
る少なくとも一つの基であり、各R″はメチル基、エチ
ル基、プロピル基及びブチル基からなる群より選ばれる
少なくとも一つの基であり、mは0又は1であり、そし
てxはこの重合体が25℃において0.5〜3000Pa・s の粘
度を有するような値である。Rは、シリコーンシーラン
ト材料において有効なことが知られている、炭素原子数
1〜18個の一価の炭化水素基、一価のハロ炭化水素基又
は一価のシアノアルキル基のうちのいずれでもよい。好
ましい基は、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニ
ル基及びトリフルオロプロピル基である。この重合体の
好ましい粘度は、25℃で1〜1000Pa・s である。より低
い粘度は、架橋の量が多くなるため非常に硬質でモジュ
ラスの高い硬化シーラントを与え、その一方でより高い
粘度は、押出速度の非常に遅いシーラントを与える。
【0009】工程(A)のヒドロキシル基で末端ブロッ
クされたポリジオルガノシロキサンは、下式のシロキサ
ンである。
【化3】 この式のR及びxは先に定義されたとおりである。好ま
しいRはメチル基又はフェニル基であり、メチル基が最
も好ましい。これらのヒドロキシル基で末端ブロックさ
れたポリジオルガノシロキサンの製造方法は、当該技術
分野においてよく知られており、ジオルガノジクロロシ
ランの加水分解、加水分解混合物からのテトラシロキサ
ン環式物質の分離、そしてアルカリ性触媒の利用による
当該環式物質のポリジオルガノシロキサンへのその後の
重合に基礎を置いている。
【0010】SiH原子団を2〜4個有する SiH化合物は
次に揚げる式で代表することができる。
【化4】 この式のRは、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、
又は例えばR3SiO(R2SiO) n R2SiO −のようなシリコーン
基である。Xは、酸素原子、二価の炭化水素基、もしく
はシロキサン基であり、あるいはXはなくてもよく、こ
の場合にはその化合物はジシランとなる。3又は4個の
SiH結合を有する同様の分子を使用してもよいが、上に
示したように2個の SiH結合を有するものが好ましい。
これらの SiH含有ケイ素化合物は当該技術分野でよく知
られており、それらは、ケイ素をメタノール及び HClと
の反応により転化させる直接法での生成を含めて、多く
の様々な経路で調製することができる。好ましいケイ素
化合物は、式HMe2SiOSiMe2H を有するテトラメチルジシ
ロキサンである。
【0011】工程(B)の末端を SiH原子団でブロック
された重合体は、工程(C)で下式のビニルトリアルコ
キシシランと反応させられる。
【化5】 この式の各R″は、メチル基、エチル基、プロピル基及
びブチル基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基
である。好ましいビニルトリアルコキシシランはビニル
トリメトキシシランである。
【0012】アルコキシシルエチレン基で末端をブロッ
クされたポリジオルガノシロキサンを製造するこの簡易
化された方法は、初めにヒドロキシル基で末端をブロッ
クされたポリジオルガノシロキサンを SiH化合物と混合
する。このポリジオルガノシロキサンのSiOH原子団に比
べて過剰モルの SiH原子団が存在するように、過剰のSi
H化合物が存在すべきである。出発重合体の分子量が認
めうるほど増大させないように、すなわち SiH化合物が
連鎖延長剤として使われないように、 SiH化合物の過剰
は十分であるべきである。最小量は1モルのSiOH原子団
ごとに2モルのSiH原子団であろう。そしてこのため、
平均して、各SiOH部位においてポリジオルガノシロキサ
ンに1モルの SiH化合物が付加されよう。実際のとこ
ろ、1モルのSiOH原子団ごとに10モルの SiH原子団が効
果的であることが分っている。SiOH原子団と SiH原子団
との反応は白金触媒を使って触媒される。この反応のた
めに適している周知の白金の形態のうちのいずれを使用
してもよい。好ましい触媒は、0.7重量%の白金を供給
するようにジメチルビニルシロキシ単位で末端ブロック
されたポリジメチルシロキサンで希釈されたジビニルテ
トラメチルジシロキサンの塩化白金酸錯体である。触媒
の適切な量は、実験により容易に決めることができる。
そして、ヒドロキシル基で末端ブロックされたポリジオ
ルガノシロキサンを基準として0.6%の白金量が有効で
あることが分っている。反応は、25〜 150℃の温度で実
施することができ、50〜 100℃の温度が好ましいことが
分っている。より高い温度は反応をより速くする。
【0013】反応がすっかり完了し、そのため水素ガス
がそれ以上発生しなくなってから、25mmHg未満の真空下
且つ25〜 150℃の温度で加熱して混合物から過剰の SiH
化合物を除去する。使用される除去条件は、使用される
SiH化合物そのものに依存し、沸点のより高いSiH化合
物についてはより高い真空度及びより高い温度が使用さ
れる。
【0014】過剰 SiH化合物の全てが除去されたなら
ば、わずかに過剰のビニルトリアルコキシシランを加え
て、重合体の末端に存在している SiH原子団と反応させ
る。適切な過剰量は、存在している SiH原子団当り1.05
〜3.0モルのビニルトリアルコキシシランである。 SiH
原子団とビニル基との反応は、25〜 150℃の温度で行う
ことができる。反応を完了させるのに必要な時間は、温
度を上昇させることによって短縮される。反応は、混合
物中にもはや SiH原子団が存在しなくなるまで続けるべ
きであり、そしてこのことは赤外分光分析により監視す
ることができる。次いで、揮発性物質の全てが除去され
るまで容器内の圧力を25mmHg未満に低下させ且つ25〜 1
50℃の温度に加熱して、混合物から過剰のビニルトリメ
トキシシランを除去する。残りの物質は、所望の末端を
トリアルコキシシルエチレン基でブロックされたポリジ
オルガノシロキサンである。
【0015】本発明の方法により製造された末端をトリ
アルコキシシルエチレン基でブロックされたポリジオル
ガノシロキサンは、湿分への暴露により硬化するシリコ
ーンシーラントを製造する際の成分としてアルコキシ基
で末端のブロックされたポリジオルガノシロキサンを必
要とする周知の組成物のいずれにおいて使用するのにも
特に適している。
【0016】以下に掲げる例は、例示目的のためにのみ
提示されるものであって、特許請求の範囲に正確に示さ
れた本発明を限定するものと解釈すべきではない。
【0017】加熱、冷却及び真空引きのための装備を有
する反応容器に、分子量が約58,000であってヒドロキシ
ル基を0.14重量%有するヒドロキシル基で末端をブロッ
クされたポリジメチルシロキサンを1200g入れ、そして
67.3gのテトラメチルジシロキサンと混合して、SiOH原
子団のモル数に対する SiH原子団のモル数を10倍過剰に
した。次に0.7重量%の白金を供給するようにジメチル
ビニルシロキシ基で末端のブロックされたポリジメチル
シロキサンで希釈されたジビニルテトラメチルジシロキ
サンの塩化白金酸錯体2mlを加えて、混合物中の白金を
0.64%にした。この混合物を攪拌しそして50℃に加熱し
た。45分後にガスの発生がやみ、この間に合計して 703
mlのガスが集められた。混合物を1mmHgの真空をさら
し、そしてこの混合物から合計して51.4gの揮発性流体
を除去して、それをコールドトラップでもって集めた。
容器を大気圧に戻し、そしてかき混ぜながら74.5gのビ
ニルトリメトキシシランを加えた。攪拌を続けながら温
度を 100℃に上昇させた。 SiH原子団が消失するのをFT
IR分光分析により監視した。1時間後に2120cm-1での吸
光度にそれ以上の低下が認められなくなり、重合体を1
mmHg及び 100℃でストリッピング処理した。合計して4
3.7gの揮発性流体がコールドトラップで集められた。
【0018】製造された重合体のアルコキシ官能性につ
いての試験として、3gの重合体を4滴のテトラブチル
チタネートと混合した。粘度の上昇が即座にはっきりと
し、そして重合体はゆっくりとゲル化して5分後には速
くなった。
【0019】この重合体を使い、湿分の不存在下で1000
gの重合体を70gのメチルトリメトキシシラン、20gの
2,5−ジイソプロポキシ−ビスエチルアセトアセテー
トチタン及び20gの付着添加剤と混合して、湿分で硬化
するシーラントを作った。均一になるまで混合後、表面
積約 150m2 /gのフュームドシリカ90g及び細かく粉
砕された酸化チタン10gを、27インチ(686mm)Hg の真空
下で均一になるまで混合した。次いでこの混合物を、貯
蔵しそして試験を行うために密封チューブに移した。
【0020】このシーラントの硬化特性を、25℃で標準
の貯蔵を2日行った後及び70℃で7日後に測定した。70
℃での7日間は、室温で1年の貯蔵期間に近いことが分
っている。結果は次のとおりであった。
【0021】
【表1】
【0022】硬化した試料をASTM D 412に従って物理的
性質について試験して、下記の結果を得た。
【0023】
【表2】
【0024】末端をヒドロキシル基でブロックされた重
合体及びメチルトリメトキシシラン架橋剤を用いること
を除いて同様の配合物から作られた比較シーラントを評
価して、次に掲げる結果が得られた。
【0025】
【表3】
【0026】上述の例は、アルコキシシルエチレン基で
末端をブロックされた重合体が生成されたこと、そして
このような重合体を用いて製造されたシーラントの貯蔵
安定性は通常のアルコキシ基で末端のブロックされた重
合体から製造されたシーラントのそれよりもはるかに向
上することを例示する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−207383(JP,A) 特開 昭62−207367(JP,A) 米国特許4772675(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 77/04 C08G 77/50 C08L 83/04 C08L 83/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の工程(A)〜(D)から本質的に
    なる、末端をアルコキシシルエチレン基でブロックされ
    たポリジオルガノシロキサンの製造方法。 (A)末端をヒドロキシル基でブロックされたポリジオ
    ルガノシロキサンを、2〜4個の SiH原子団を有し、上
    記の出発重合体の分子量を認めうるほど増大させずにこ
    のポリジオルガノシロキサンのヒドロキシル基と反応す
    るのに十分な SiH化合物及び白金触媒と混合し、次いで
    当該ポリジオルガノシロキサンのヒドロキシル基の全部
    を反応させるのに十分な時間25〜 150℃の温度に加熱す
    る工程 (B)25mmHg未満の真空を適用し且つ25〜 150℃の温度
    に加熱することによって上記混合物から過剰の SiH化合
    物を除去して、末端を SiH原子団でブロックされた重合
    体を残す工程 (C)工程(B)の重合体の SiH原子団と反応するのに
    十分なビニルトリアルコキシシランを加え、そして存在
    している SiH原子団の全てを反応させるのに十分な時間
    25〜 150℃の温度に加熱する工程 (D)25mmHg未満の真空を適用し且つ25〜 150℃の温度
    に加熱することによって上記混合物から過剰のビニルト
    リアルコキシシランを除去して、末端をトリアルコキシ
    シルエチレン基でブロックされたポリジオルガノシロキ
    サンを残す工程
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