JP2002146284A - 無溶剤塗料組成物 - Google Patents

無溶剤塗料組成物

Info

Publication number
JP2002146284A
JP2002146284A JP2000338887A JP2000338887A JP2002146284A JP 2002146284 A JP2002146284 A JP 2002146284A JP 2000338887 A JP2000338887 A JP 2000338887A JP 2000338887 A JP2000338887 A JP 2000338887A JP 2002146284 A JP2002146284 A JP 2002146284A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
mass
parts
organosilane
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000338887A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3394751B2 (ja
Inventor
Tadashi Hatakeyama
忠 畠山
Ryuichi Aoki
隆一 青木
Hiroji Sasaki
博治 佐々木
Kazuyoshi Tokida
和義 常田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Toryo KK
Original Assignee
Dai Nippon Toryo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Toryo KK filed Critical Dai Nippon Toryo KK
Priority to JP2000338887A priority Critical patent/JP3394751B2/ja
Publication of JP2002146284A publication Critical patent/JP2002146284A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3394751B2 publication Critical patent/JP3394751B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 無溶剤型であり、かつ初期乾燥性や、耐熱水
性、耐候性、耐クラック性等に優れた塗膜を形成するこ
とができる塗料組成物を提供する。 【解決手段】 以下成分を配合する。 (I)一般式(1)R1 nSi(OR24-n〔式中、R1は炭
素数1〜8の有機基、R2は炭素数1〜5のアルキル
基、nは1又は2である。〕で示されるオルガノシラン
の液状部分加水分解縮合物100質量部、(II)ケチイミ
ド基とケイ素原子に直接結合している加水分解性基を有
する有機ケイ素化合物0.5〜20質量部、(III)一般
式(2)R1 nSi(OR24-n〔式中、R1は炭素数1
〜8の有機基、R2は炭素数1〜5のアルキル基、nは
1又は2である。〕で示されるオルガノシラン化合物0
〜50質量部。更に必要に応じて、(IV)エポキシ基とケ
イ素原子に直接結合している加水分解性基を有する有機
ケイ素化合物 0〜10質量部及び/又は(V)液状熱可
塑性有機高分子化合物 0〜50質量部を配合してもよ
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オルガノシランの
液状部分加水分解縮合物を主要結合剤とする無溶剤型
で、かつ初期乾燥性や、耐熱水性、耐候性、耐汚染性、
耐溶剤性、耐アルカリ性、耐クラック性等に優れた塗膜
を形成することのできる無溶剤塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オルガノシラン及び/又はその部
分加水分解縮合物を結合剤とするオルガノポリシロキサ
ン系無機塗料は、耐候性や、耐汚染性に優れた塗膜を形
成するため注目されるようになってきている。しかしな
がら、このような塗料は、一般に塗膜形成材料を溶解分
散し、流動性を与えるために有機溶剤を多く配合してい
る。しかしながら、有機溶剤は、可燃性が高く、危険物
取扱指定を受けており、そのため、十分な管理が必要で
あり、更に、大気汚染、省資源の観点からも好ましくな
いものである。そこで、例えば、特公平7−72250
公報において、有機溶剤を配合しない塗料も開発されて
きているが、該塗料は、有機溶剤を含むオルガノポリシ
ロキサン系無機塗料に比べ初期乾燥性が遅い問題点があ
った。また、オルガノポリシロキサン系無機塗料塗膜
は、一般に高硬度であり、クラックが発生し易いという
問題点があり、これを改良するために有機無機複合樹脂
を結合剤とする塗料も開発されてきているが、多くの有
機溶剤を配合しており、かつオルガノポリシロキサン系
無機塗料よりも、得られる塗膜の耐候性や耐汚染性が劣
るという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の課題を背景になされたもので、特定の液状オ
ルガノポリシロキサン系無機樹脂と有機ケイ素化合物を
用いることにより、無溶剤型で、かつ、初期乾燥性や、
耐熱水性、耐候性、耐汚染性、耐クラック性等に優れた
塗膜を形成することのできる、常温硬化可能な無溶剤塗
料組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成するため、鋭意検討した結果、以下の構成によ
り、上記課題を達成できることを見出し、本発明に到達
したものである。即ち、本発明は、(I)一般式(1)R1
nSi(OR24-n〔式中、R1は、炭素数1〜8の有機
基であり、R2は、炭素数1〜5のアルキル基であり、
nは、1又は2である。〕で示されるオルガノシランの
液状部分加水分解縮合物100質量部、(II)ケチイミド
基と、ケイ素原子に直接結合している加水分解性基とを
有する有機ケイ素化合物 0.5〜20質量部、及び(I
II)一般式(2)R1 nSi(OR24-n〔式中、R1は、
炭素数1〜8の有機基であり、R2は、炭素数1〜5の
アルキル基であり、nは、1又は2である。〕で示され
るオルガノシラン化合物 0〜50質量部、必要に応じ
て、(IV)エポキシ基と、ケイ素原子に直接結合している
加水分解性基とを有する有機ケイ素化合物 0.5〜1
0質量部、及び/又は(V)液状熱可塑性有機高分子化合
物 5〜50質量部、を含有する無溶剤塗料組成物に関
するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、詳細に説
明する。本発明の無溶剤塗料組成物の各構成成分につい
て説明する。(I)成分について (I)成分は、一般式(1)R1 nSi(OR24-n〔式
中、R1は炭素数1〜8の有機基、R2は炭素数1〜5の
アルキル基、nは1又は2である。〕で示されるオルガ
ノシランの液状部分加水分解縮合物である。上記式にお
いて、R1としての有機基としては、例えばアルキル基
や、シクロアルキル基、アリール基、ビニル基等が挙げ
られる。ここで、アルキル基としては、直鎖でも分岐し
たものでもよい。アルキル基としては、例えば、メチル
基や、エチル基、n−プロピル基、i-プロピル基、n
−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基
等のアルキル基が挙げられる。好ましいアルキル基は、
炭素数が、1〜4個のものである。
【0006】シクロアルキル基としては、例えば、シク
ロヘキシル基や、シクロヘプチル基、シクロオクチル基
等が好適に挙げられる。アリール基としては、例えば、
フェニル基等が挙げられる。上記各官能基は、任意に置
換基を有してもよい。このような置換基としては、例え
ば、ハロゲン原子(例えば、塩素原子や、臭素原子、フ
ッ素原子等)や、(メタ)アクリロイル基、メルカプト
基、脂環式基等が挙げられる。R2としてのアルキル基
としては、直鎖でも分岐したものでもよい。このような
アルキル基としては、例えば、メチル基や、エチル基、
n−プロピル基、i-プロピル基、n−ブチル基、i−
ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基等
が挙げられ、好ましいアルキル基は、炭素数が、1〜2
個のものである。
【0007】上記式(1)で示されるオルガノシランの
具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン
や、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメ
トキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−
プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキ
シシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ
−クロロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3,3,3−
トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3
−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、シクロヘ
キシルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエト
キシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエ
トキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジ
エトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェ
ニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラ
ン、ジメチルジプロポキシシランなどが挙げられるが、
好ましくは、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、フエニルトリメトキシシラン、ジメチル
ジメトキシシランである。
【0008】(I)成分は、これらのオルガノシランの1
種単独、又は2種以上の部分加水分解縮合物である。該
縮合物は、常温で液状であり、ポリスチレン換算重量平
均分子量は、例えば、300〜5000、好ましくは、
500〜4200のものが適当である。このような縮合
物を使用することにより、貯蔵安定性がよく、密着性の
よい塗膜が得られる。また、本発明において使用するオ
ルガノシランの液状部分加水分解縮合物は、粘度0.1
〜10P(ポアズ)/20℃、好ましくは1〜7P/2
0℃のものが適当である。なお、粘度が、前記範囲より
低いと塗料の貯蔵安定性が悪くなる傾向にあり、逆に高
すぎると塗装作業性が悪くなる傾向にある。ただし、後
述する(III)成分のオルガノシラン化合物を併用するこ
とにより、常温で固形のオルガノシランの部分加水分解
縮合物を(I)成分と併用することも可能である。
【0009】(I)成分の製造方法としては、式(I)に示さ
れるオルガノシランを、水及び触媒の存在下で加水分解
及び縮合反応させる。水の量は、オルガノシランに初期
に存在していた加水分解性基の30〜90%、好ましく
は、50〜80%が加水分解及び縮合反応できる量が適
当である。また、触媒としては、硝酸、塩酸等の無機酸
や、酢酸、蟻酸、プロピオン酸等の有機酸を挙げること
ができる。触媒の添加量は、前記水を添加したオルガノ
シランのpHが3〜6になる量が適当である。加水分解
縮合反応は、例えば、水及び触媒の存在下で、40〜8
0℃、好ましくは、45〜70℃の温度下で、2〜10
時間撹拌しながら部分加水分解縮合反応させる方法が適
当であるが、この方法に限定されるものではない。反応
終了後、反応で発生したアルコール成分を加熱及び/又
は減圧等の手段によりにより脱溶剤を行い、(I)成分を
製造する。
【0010】なお、(I)成分は、前述の式(1)のnの
値が1のオルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮
合物(I−1)と、nの値が2のオルガノシラン及び/
又はその部分加水分解縮合物(I−2)との質量比が5
0:50〜100:0、好ましくは、60:40〜9
5:5の混合物から得られる部分加水分解物が、反応さ
せる際、安定に反応し、また耐クラック性のよい塗膜が
得られるので望ましい。このような縮合物の具体例とし
ては、市販品として東レ・ダウコーニング社製のSR2
402や、DC3037、DC3074;信越化学工業
社製のKR−211や、KR−212、KR−213、
KR−214、KR−216、KR−218;東芝シリ
コーン社製のTSR−145や、TSR−160、TS
R−165、YR−3187等が挙げられる。
【0011】(II)成分について (II)成分は、分子内にケチイミド基を有する、加水分解
縮合可能なアルコキシシランであり、主として初期乾燥
性を向上させるために配合するものである。(II)成分
は、例えば、下記一般式(a)で示される一級アミノ基
含有アルコキシシラン化合物と、下記一般式(b)で示
されるケトン化合物とを、例えば、100〜150℃の
温度下で、2〜5時間攪拌しながら脱水縮合反応させて
得られる、下記一般式(c)で示される化合物が代表的
なものとして挙げられる。 一般式(a) H2N-(CH2)m−Si(R3)n(OR4)(3-n) 一般式(b) R5−CO−R6 一般式(c) (R5)(R6)C=N−(CH2)m−Si(R3n(OR4)
(3-n)
【0012】なお、一般式(a)、一般式(b)及び一
般式(c)中において、R3は、式(1)中のR1と同様の
炭素数1〜8の有機基であり、R4 、R5及びR6は、式
(1)中のR2と同様の炭素数1〜5のアルキル基であ
り、mは、1〜5の整数であり、nは、1又は0であ
る。上記一般式(a)に示される一級アミノ基含有アル
コキシシラン化合物の具体例としては、γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシランや、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、β−アミノエチルトリメトキシシラン、
β−アミノエチルトリエトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチ
ルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジプロ
ポキシシラン、γ−アミノブチルフェニルジメトキシシ
ラン、γ−アミノブチルフェニルジエトキシシラン、γ
−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、γ−アミノ
プロピルジエチルメトキシシランなどが代表的なものと
して挙げられる。
【0013】また、上記一般式(b)に示されるケトン
化合物としては、例えば、アセトンや、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、ジブチルケトンなどの
脂肪族ケトンが代表的なものとして挙げられる。また、
ケトン化合物としては、前記一般式(b)に示される化
合物以外に、シクロブタノンや、シクロヘキサノン、シ
クロペンタノン等の脂環式ケトンあるいはアセトフェノ
ンや、プロピオフェノン等の芳香族ケトンも使用可能で
ある。(II)成分の配合量は、前述の(I)成分であるオル
ガノシランの部分加水分解縮合物100質量部に対し、
0.5〜20質量部、好ましくは、1〜15質量部が適
当である。なお、(II)成分が、前記範囲より少ないと、
得られる塗膜の初期乾燥性が悪くなり易く、逆に多すぎ
ると耐クラック性等が悪くなり易いので好ましくない。
【0014】(III)成分について (III)成分は、主として塗料組成物の粘度を下げ、塗装
作業性を向上させるために配合するものである。(III)
成分は、一般式(2)R1 nSi(OR24-n〔式中、R
1は、炭素数1〜8の有機基であり、R2は、炭素数1〜
5のアルキル基であり、nは、1又は2である。〕で示
されるオルガノシラン化合物であり、(I)成分で説明し
た一般式(1)で示されるオルガノシランと同様であ
る。(III)成分は、これらのオルガノシランの1種単
独、又は2種以上混合して使用することもできる。
【0015】(III)成分は、(I)成分が低粘度の場合、必
ずしも配合する必要ないが、通常配合量は、前述の(I)
成分であるオルガノシランの部分加水分解縮合物100
質量部に対し、0〜50質量部、好ましくは5〜40質
量部が適当である。なお、(III)成分が前記範囲よりも
多すぎると、塗料の貯蔵安定性が悪くなり易いので好ま
しくない。(IV)成分について (IV)成分は、主として初期乾燥性や、耐熱水性、耐溶剤
性等を向上させるために配合するものである。(IV)成分
の具体例としては、例えば、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシランや、γ−グリシドキシプロピルトリ
エトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロペ
ニルオキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリイミ
ノオキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルメチルジメトキシシラン、γ-イソシアネー
トプロピルトリイソプロペニルオキシシランとグリシド
ールとの付加物等が代表的なものとして挙げられる。(I
V)成分の配合量は、前述の(I)成分であるオルガノシラ
ンの部分加水分解縮合物100質量部に対し、0〜10
質量部、好ましくは、0.5〜7質量部が適当である。
なお、(IV)成分が前記範囲より多すぎると、耐候性等が
悪くなり易いので好ましくない。
【0016】(V)成分について (V)成分は、主として塗膜の密着性や、可とう性を付与
し、耐クラック性を向上させるために配合するものであ
る。(V)成分は、常温で、液状で、かつ(I)成分と相溶性
のある熱可塑性有機高分子化合物である。このような熱
可塑性有機高分子化合物としては、例えば、アクリル樹
脂や、ポリエステル樹脂等がある。(V)成分の配合量
は、前述の(I)成分であるオルガノシランの部分加水分
解縮合物100質量部に対し、0〜50質量部、好まし
くは、5〜30質量部が適当である。なお、(V)成分が
前記範囲より多すぎると、耐候性等が悪くなり易いので
好ましくない。
【0017】本発明の塗料組成物は、以上説明した(I)
成分、(II)成分、及び必要に応じて配合する(III)成
分、(IV)成分及び(V)成分からなり、更に、必要に応じ
て、充填材や、染料、また、硬化促進剤、増粘剤、顔料
分散剤等の各種添加剤などを配合したものから構成され
る。前記充填剤としては、例えば、タルクや、炭酸バリ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、ベントナイト、
酸化チタン、カーボンブラック、ベンガラ、リトポン等
の各種塗料用体質顔料や着色顔料が使用可能である。充
填剤の配合量は、塗料組成物の固形分中、0〜70質量
%、好ましくは、0〜50質量%が適当である。
【0018】前記硬化促進剤としては、例えば、エチレ
ンジアミンや、ジエチレントリアミン、ピペリジン、フ
ェニレンジアミン、トリエチルアミンなどのアミン化合
物が代表的なものとして挙げられる。本発明の塗料組成
物は、被塗物表面に、例えば、刷毛や、スプレー、ロー
ル、ディッピングなどの塗装手段により塗装し、常温も
しくは300℃以下の温度で焼付けることにより硬化塗
膜を形成することが可能である。なお、被塗物として
は、無機窯業基材や、ステンレス、アルミニウム等の各
種金属基材、ガラス基材、プラスチック基材、紙基材な
どの各種被塗物に使用可能である。
【0019】
【実施例】以下、本発明について、実施例により更に詳
細に説明する。尚、実施例中「部」、「%」は、特に断
らない限り質量基準で示す。
【0020】合成例1 環流冷却器及び攪拌機を備えた反応器に、メチルトリメ
トキシシランを75部と、ジメチルジメトキシシラン2
5部とを加え、混合した後、イオン交換水5部と1規定
の塩酸を0.05部加え、70℃で5時間部分加水分解
縮合反応させた。反応終了後、減圧(133×102
a(100Torr))下、脱溶剤を行い、重量平均分
子量2500、粘度2.0P/20℃の液状オルガノポ
リシロキサン(A)を得た。
【0021】合成例2 環流冷却器及び攪拌機を備えた反応器に、メチルトリメ
トキシシランを20部、フェニルトリメトキシシランを
30部及びジメチルジメトキシシランを50部加え、混
合した後、イオン交換水10部と1規定の塩酸を0.1
部加え、60℃で8時間部分加水分解縮合反応させた。
反応終了後、減圧〔133×102Pa(100Tor
r)〕下、脱溶剤を行い、重量平均分子量3700、粘
度5.0P/20℃の液状オルガノポリシロキサン
(B)を得た。
【0022】合成例3 環流冷却器及び攪拌機を備えた反応器に、メチルトリメ
トキシシランの部分加水分解縮合物(東レ・ダウコーニ
ング(株)製商品名「SR2402」;固形分100
%)を35部、フェニルトリメトキシシランとジメチル
ジメトキシシランの混合物からなる部分加水分解縮合物
(東レ・ダウコーニング(株)製商品名「DC307
4」;固形分100%)を15部、メチルトリメトキシ
シランを10部、フェニルトリメトキシシランを25部
及びジメチルジメトキシシランを15部加え、混合した
後、イオン交換水2部と1規定の塩酸を0.05部加
え、50℃で7時間部分加水分解縮合反応させた。反応
終了後、減圧〔133×102Pa(100Tor
r)〕下、脱溶剤を行い、重量平均分子量3000、粘
度3.0P/20℃の液状オルガノポリシロキサン
(C)を得た。
【0023】合成例4 環流冷却器及び攪拌機を備えた反応器に、東レ・ダウコ
ーニング(株)製商品名「SR2402」を20部、フ
エニルトリメトキシシランとジメチルジメトキシシラン
の混合物からなる部分加水分解縮合物(東レ・ダウコー
ニング(株)製商品名「DC3037;固形分100
%」を40部、フェニルトリメトキシシランの部分加水
分解縮合物(信越化学工業(株)製商品名「KR−21
7」;固形分100%)を10部、メチルトリメトキシ
シランを20部及びフェニルトリメトキシシランを10
部加え、混合した後、イオン交換水5部と1規定の塩酸
を1部加え、45℃で12時間部分加水分解縮合反応さ
せた。反応終了後、減圧〔133×102Pa(100
Torr)〕下、脱溶剤を行い、重量平均分子量400
0、粘度7.0P/20℃のオルガノポリシロキサン
(D)を得た。
【0024】合成例i 分水器を備えた還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン100部を加
え、更に攪拌しながらメチルイソブチルケトン45.5
部を加えた後、135℃に昇温し、3時間維持し、反応
させ、ケチイミド基を有する有機ケイ素化合物(イ)を
得た。合成例ii 分水器を備えた還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、
γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン100部を
加え、更に攪拌しながらメチルイソブチルケトン45.
5部を加えた後、135℃に昇温し、3時間維持し、反
応をさせ、ケチイミド基を有する有機ケイ素化合物
(ロ)を得た。
【0025】実施例1−6及び比較例1−2 (I)成分〜(V)成分を表1に示す割合で混合し、無溶剤塗
料組成物を調製した。
【0026】
【表1】
【0027】注1)アクリル樹脂(三菱レーヨン(株)
製商品名) 注2)ポリエステル樹脂((株)クラレ製商品名) 得られた実施例1〜6、比較例1〜2の無溶剤塗料組成
物の貯蔵安定性試験及び、以下の通り塗板を作成し、初
期乾燥性や、塗膜外観、硬度、耐熱水性、耐汚染性、耐
アルカリ性、耐候性、耐クラック性の各塗膜性能試験を
し、その結果をそれぞれ表2に示した。
【0028】<貯蔵安定性試験>各無溶剤型塗料組成物
を50℃にて一ヶ月貯蔵した後、無溶剤型塗料組成物の
粘度変化及び外観を目視試験した。評価基準 ○・・・変化なし △・・・増粘 ×・・・ゲル化、沈殿物発生 <初期乾燥性>ガラス板に6milのアプリケーターで
塗布し、室温乾燥させ、経時での硬度(JIS K 54
00により測定した鉛筆硬度)により判定。
【0029】<塗膜性能試験>素材として石膏スラグパ
ーライト板(厚さ12mm)を用い、その表面にポリイ
ソシアネートプレポリマー溶液シーラー「Vセラン♯1
00シーラー」(大日本塗料株式会社製商品名)(酢酸
ブチル:キシレン=1:1の溶液で100%希釈)を塗
着量が90〜100g/m2(wet質量)となるよう
に吹付塗装した。これを100℃で5分間乾燥した。次
いで、ベース塗料として、アクリルシリコーン樹脂系塗
料「Vセラン♯500エナメル」(大日本塗料株式会社
製商品名)(酢酸ブチル:キシレン=1:1の溶液で4
0%希釈)を塗着量が80〜90g/m2(wet質
量)となるように吹付塗装した。これを120℃で15
分間乾燥した。次いで、表1に示す塗料組成物を塗着量
が(130±10)g/m2(wet質量)となるよう
に吹き付け塗装した。これを20℃で一週間乾燥した塗
板(A)及び、80℃で12分間乾燥した後、室温で更
に3日間乾燥した塗板(B)をそれぞれ作成した。得ら
れた塗膜につき上記試験を行った。なお、試験方法及び
評価基準は、以下の通りに行った。
【0030】外観:塗板に形成された塗膜外観を目視判
定した。評価基準 ○・・・クラックの発生なし △・・・軽微なクラック発生又は濁り又はブツ ×・・・著しいクラック、濁り又はブツ 硬度:JIS K 5400により測定した鉛筆硬度 耐熱水性:塗板を80℃の水中に浸漬して塗膜外観の異
常を目視で判定した。
【0031】評価基準 ○・・・変化なし △・・・光沢低下、白化等の軽微な変化あり ×・・・光沢低下、白化等の変化大 耐汚染性:赤、黒マジックインキを塗布してから24時
間後に、n−ブタノールでぬらした布でふきとり、除染
性を目視判定した。評価基準 ◎・・・完全除去 ○・・・極く軽微な汚染 △・・・少し汚染 ×・・・汚染著しい
【0032】耐候性:サンシャインウェザー−オーメー
ター3000時間評価基準 ○・・・塗膜外観に変化はなく、光沢保持率95%以上 △・・・塗膜外観変化が軽微にあり、光沢保持率80〜
94% ×・・・塗膜変化が著しい、光沢保持率80%未満 耐アルカリ性:飽和消石灰アルカリ水溶液に各塗板を4
0℃で10日間浸漬後、塗膜表面を目視評価した。評価基準 ○・・・変化なし △・・・膜表面若干白濁 ×・・・塗膜表面白濁
【0033】耐クラック性:ASTM−C666A法に
よって測定評価基準 ◎・・・クラックの発生なし ○・・・ごく軽微なクラック発生 △・・・クラック発生又は塗膜の部分剥離 ×・・・著しいクラック発生、塗膜剥離
【0034】
【表2】
【0035】表2より明らかの通り、本発明の無溶剤塗
料組成物である実施例1〜6は、貯蔵安定性がよく、ま
た優れた塗膜性能を有していた。一方、ケチイミド基含
有アルコキシシラン化合物を配合しない比較例1では、
貯蔵安定性は良好であったが、初期乾燥性や、硬度、耐
熱水性、耐汚染性、耐アルカリ性、耐候性とも劣ってい
た。また、ケチイミド基含有アルコキシシラン化合物を
多く配合した比較例2では、貯蔵安定性が悪く、また、
耐クラック性、耐アルカリ性も劣っていた。
【0036】
【発明の効果】本発明の塗料組成物は、無溶剤型であ
り、また、貯蔵安定性がよく、かつ、初期乾燥性、耐熱
水性、耐汚染性、耐アルカリ性、耐候性、耐クラック性
等に優れた塗膜を形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 博治 栃木県那須郡西那須野町下永田7−1414− 46 (72)発明者 常田 和義 栃木県那須郡西那須野町下永田1−981 Fターム(参考) 4J038 CG002 DD002 DL031 DL052 DL082 GA07 GA09 GA12 GA13 JC33 KA03 MA01 MA14 NA03 NA04 NA05 NA11 NA12 NA14 NA26 PA18 PB05 PC04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)一般式(1)R1 nSi(OR24-n
    〔式中、R1は、炭素数1〜8の有機基であり、R2は、
    炭素数1〜5のアルキル基であり、nは、1又は2であ
    る。〕で示されるオルガノシランの液状部分加水分解縮
    合物100質量部、(II)ケチイミド基と、ケイ素原子に
    直接結合している加水分解性基とを有する有機ケイ素化
    合物 0.5〜20質量部、及び(III)一般式(2)R1
    nSi(OR24-n〔式中、R1は、炭素数1〜8の有機
    基であり、R2は、炭素数1〜5のアルキル基であり、
    nは、1又は2である。〕で示されるオルガノシラン化
    合物 0〜50質量部、を含有することを特徴とする無
    溶剤塗料組成物。
  2. 【請求項2】 更に、(IV)エポキシ基と、ケイ素原子に
    直接結合している加水分解性基とを有する有機ケイ素化
    合物 0.5〜10質量部、を含有する請求項1に記載
    の無溶剤塗料組成物。
  3. 【請求項3】 更に、(V)液状熱可塑性有機高分子化合
    物 5〜50質量部を含有する請求項1に記載の無溶剤
    塗料組成物。
  4. 【請求項4】 前記(I)成分であるオルガノシランの液
    状部分加水分解縮合物の粘度が、0.1〜10P/20
    ℃である、請求項1乃至3のいずれか記載の無溶剤塗料
    組成物
JP2000338887A 2000-11-07 2000-11-07 無溶剤塗料組成物 Expired - Fee Related JP3394751B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000338887A JP3394751B2 (ja) 2000-11-07 2000-11-07 無溶剤塗料組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000338887A JP3394751B2 (ja) 2000-11-07 2000-11-07 無溶剤塗料組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002146284A true JP2002146284A (ja) 2002-05-22
JP3394751B2 JP3394751B2 (ja) 2003-04-07

Family

ID=18814035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000338887A Expired - Fee Related JP3394751B2 (ja) 2000-11-07 2000-11-07 無溶剤塗料組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3394751B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008050490A (ja) * 2006-08-25 2008-03-06 Nard Inst Ltd シロキサン系表面被覆剤の製法
CN112251108A (zh) * 2020-10-26 2021-01-22 衡阳拓创聚合新材料有限公司 一种无溶剂硅改性弹性环氧弹性地坪涂料

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02153963A (ja) * 1988-12-06 1990-06-13 Chisso Corp 常温硬化性樹脂組成物
JPH05247347A (ja) * 1991-08-15 1993-09-24 Suzuki Sangyo Kk 無溶剤の常温硬化型オルガノシロキサン組成物とその 用途
JPH073163A (ja) * 1992-10-06 1995-01-06 Naito Shizuka 無溶剤のオルガノシロキサン液組成物とその用途
JPH07278497A (ja) * 1994-04-08 1995-10-24 Daihachi Chem Ind Co Ltd 被覆用塗料組成物
JPH08127712A (ja) * 1994-11-02 1996-05-21 Sekisui Chem Co Ltd 室温硬化性組成物
JPH09299874A (ja) * 1996-05-10 1997-11-25 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 塗装方法
JP2000169789A (ja) * 1998-12-09 2000-06-20 Dainippon Toryo Co Ltd 一液硬化型塗料組成物

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02153963A (ja) * 1988-12-06 1990-06-13 Chisso Corp 常温硬化性樹脂組成物
JPH05247347A (ja) * 1991-08-15 1993-09-24 Suzuki Sangyo Kk 無溶剤の常温硬化型オルガノシロキサン組成物とその 用途
JPH073163A (ja) * 1992-10-06 1995-01-06 Naito Shizuka 無溶剤のオルガノシロキサン液組成物とその用途
JPH07278497A (ja) * 1994-04-08 1995-10-24 Daihachi Chem Ind Co Ltd 被覆用塗料組成物
JPH08127712A (ja) * 1994-11-02 1996-05-21 Sekisui Chem Co Ltd 室温硬化性組成物
JPH09299874A (ja) * 1996-05-10 1997-11-25 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 塗装方法
JP2000169789A (ja) * 1998-12-09 2000-06-20 Dainippon Toryo Co Ltd 一液硬化型塗料組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008050490A (ja) * 2006-08-25 2008-03-06 Nard Inst Ltd シロキサン系表面被覆剤の製法
CN112251108A (zh) * 2020-10-26 2021-01-22 衡阳拓创聚合新材料有限公司 一种无溶剂硅改性弹性环氧弹性地坪涂料

Also Published As

Publication number Publication date
JP3394751B2 (ja) 2003-04-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001207121A (ja) 水性塗料組成物
JP3774386B2 (ja) 塗料組成物
JP3833087B2 (ja) 塗料組成物
JP2003049113A (ja) 塗料組成物
JP3394751B2 (ja) 無溶剤塗料組成物
JP3774377B2 (ja) 無溶剤塗料
JP4141447B2 (ja) コロイド状シリカ結合ポリシロキサン含有塗料組成物
JP2005298561A (ja) 水性オルガノポリシロキサン溶液の製造方法及びコーティング組成物
JP4998935B2 (ja) 塗料組成物
JP3648212B2 (ja) 塗料組成物
JP3415823B2 (ja) 無溶剤型塗料組成物
JP3050848B2 (ja) 有機無機複合樹脂水性エマルジョンの製造方法
JP3194722B2 (ja) 水性オルガノポリシロキサン溶液の製造方法
JP3242442B2 (ja) コーティング用組成物
JP3149347B2 (ja) コーティング組成物
JP3128197B2 (ja) コーティング組成物
JP2001098221A (ja) コーティング組成物
JP3805721B2 (ja) 塗料組成物
JP3900452B2 (ja) 水性オルガノポリシロキサン溶液の製造方法及びコーティング組成物
JP5241076B2 (ja) 塗膜の形成方法
JP2001122971A (ja) 有機無機複合樹脂水性エマルジョンの製造方法及びコーティング組成物
JP2003206443A (ja) 耐候性鋼の防食法
JP3900453B2 (ja) 有機無機複合樹脂の製造方法及びコーティング組成物
JP2003313497A (ja) 水性塗料組成物
JP2005219025A (ja) 旧塗膜の補修方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030114

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080131

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090131

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100131

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100131

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110131

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110131

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120131

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120131

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130131

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130131

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140131

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees