JP3833087B2 - 塗料組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、密着性や、防食性、耐候性、耐汚染性等に優れた塗膜を形成する、常温硬化可能な塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、オルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物を結合剤とするオルガノポリシロキサン系無機塗料は、耐候性や、耐汚染性に優れた塗膜を形成するので、建材分野を中心として広く使用されている。しかしながら、該無機塗料は、橋梁、タンクなどの大型鋼構造物への展開は、鋼材への密着性、防食性が劣る問題点があったため、仕上げ用塗料としてのみ使用されていた。即ち、従来、オルガノポリシロキサン系無機塗料を使用した鋼材の塗装系は、通常、プライマーとして、鋼板への密着性、防食性に優れるエポキシ樹脂塗料を塗装し、次いで、プライマー塗膜及びオルガノポリシロキサン系無機塗膜の双方に対して密着性に優れた中塗り塗料を塗装し、しかる後、仕上げ用塗料として、オルガノポリシロキサン系無機塗料を塗装していた。従って、塗装工程が多く、塗装作業性に問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術の課題を背景になされたもので、鋼材への塗装作業性を改良した、即ち、プライマーや、中塗り塗料の塗装を省略することが可能で、かつ、密着性や、耐候性、防食性等に優れた塗膜を形成する、有機溶剤を含まない環境対応型の常温硬化性塗料組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を達成するため、鋭意検討した結果、以下の構成により、上記課題を達成できることを見出し、本発明に到達したものである。
即ち、本発明は、
(A)(a)1分子中に1個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、
(b)一般式(1)、
R1 nSi(OR2)4-n
〔式中、R1は、炭素数1〜8の有機基であり、R2は、炭素数1〜5のアルキル基であり、nは、1又は2である。〕
で示されるオルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物と、
を水中に分散させてなる樹脂水分散体、及び
(B)アミノ基含有化合物、
を含有する塗料組成物に関するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明の塗料用樹脂組成物の各構成成分について説明する。
[(A)成分について]
(a)成分について
(a)成分であるエポキシ樹脂は、1分子中に1個以上、好ましくは2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であり、特に、エポキシ当量が100〜1500、好ましくは、180〜1000の範囲のものが、得られる塗膜の防食性、耐候性の点から望ましい。エポキシ樹脂(a)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂や、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルエーテル型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂などが好ましく、これら樹脂を、2種以上の混合エポキシ樹脂として使用することもできる。
【0006】
(b)成分について
(b)成分は、一般式(1)、
R1 nSi(OR2)4-n
〔式中、R1は、炭素数1〜8の有機基であり、R2は、炭素数1〜5のアルキル基であり、nは1又は2である。〕
で示され、常温で液状のオルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物である。
【0007】
一般式(1)中のR1としての有機基としては、例えば、炭素数1〜8のアルキル基や、シクロアルキル基、アリール基、ビニル基等が挙げられる。
ここで、アルキル基としては、直鎖でも分岐したものでもよい。アルキル基としては、例えば、メチル基や、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基が挙げられる。好ましいアルキル基は、炭素数が、1〜4個のものである。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基や、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が好適に挙げられる。
【0008】
アリール基としては、例えば、フェニル基やナフチル基等が挙げられる。
上記各官能基は、任意に置換基を有してもよい。このような置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、塩素原子や、臭素原子、フッ素原子等)や、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、脂環式基等が挙げられる。
R1としては、エポキシ樹脂(a)との相溶性に優れるフェニル基であることが特に好ましく、R1がフェニル基であるオルガノシラン又はその部分加水分解縮合物を10質量%以上、好ましくは、40〜100質量%使用するのが好ましい。
【0009】
R2としてのアルキル基としては、直鎖でも分岐したものでもよい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基や、エチル基、n−プロピル基、i-プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基等が挙げられ、好ましいアルキル基は、炭素数が、1〜2個のものである。
このような一般式(1)で示されるオルガノシランの具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシランや、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、
【0010】
シクロヘキシルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチルジプロポキシシランなどが挙げられるが、好ましくは、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランである。
【0011】
(b)成分は、これらオルガノシランの部分加水分解縮合物であってもよい。該縮合物は、ポリスチレン換算重量平均分子量が、例えば、300〜5000、好ましくは、500〜4200のものが適当である。
このような縮合物を使用することにより、貯蔵安定性がよく、密着性のよい塗膜が得られる。
このような縮合物の具体例としては、市販品として、例えば、東レ・ダウコーニング社製のSR2402や、DC3037、DC3074;信越化学工業社製のKR−211や、KR−212、KR−213、KR−214、KR−216、KR−218;東芝シリコーン社製のTSR−145や、TSR−160、TSR−165、YR−3187等が挙げられる。
【0012】
(A)成分は、これらエポキシ樹脂(a)と、オルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(b)との混合物を、例えば、20〜80℃に加温し、その中に、乳化剤を、例えば、1〜20質量%溶解させた水溶液を、例えば、1〜5時間で滴下しつつ、攪拌し、分散させることにより製造する方法が適当であるが、安定に水分散体を形成する方法であれば、この方法に限定されるものではない。
【0013】
なお、乳化剤としては、例えば、高級アルコールの硫酸エステル塩や、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、アルキルベンゼンスルホン塩、ポリオキシプロピレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテルサルフェート塩、ポリオキシプロピレンアルキルフェノールエーテルサルフェート塩等の陰イオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルフェノールエーテル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロックポリマー、ソルビタン誘導体等の非イオン界面活性剤;トリメチロールプロパンのアクリル酸エステル、アルケニルコハク酸モノアリルエステル塩等の、いわゆる反応性乳化剤などが挙げられる。
【0014】
(A)成分は、エポキシ樹脂(a)と、オルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(b)とからなる樹脂水分散体であるが、両者の質量割合は、(30〜90:70〜10)、好ましくは、(40〜75:60〜25)が適当である。
なお、エポキシ樹脂(a)が、前記範囲より少ないと、得られる塗膜の密着性や防食性が低下する傾向にあり、逆に前記範囲より多くなると、耐候性や耐汚染性等が低下する傾向にある。また、(A)成分に使用する水は、(A)成分の固形分が、例えば、20〜80質量%、好ましくは、30〜70質量%になる程度の量が適当である。
【0015】
[(B)成分について]
(B)成分は、分子内にアミノ基を有する化合物であり、(A)成分に含まれるエポキシ樹脂(a)と反応する硬化剤として、また、オルガノシランや、その部分加水分解縮合物(b)と水分とが加水分解、縮合反応を起こす際の反応触媒として作用し、組成物の硬化に寄与するものである。
(B)成分としては、脂肪族又は脂環族のアミンアダクト化合物や、脂肪族又は脂環族のマンニッヒ化合物、脂肪族又は脂環族のケチミン化合物(脂肪族又は脂環族アミンアダクトケチミンも含む)、アミノ基と、ケイ素原子に直接結合している加水分解性基とを有する有機ケイ素化合物等が好適に挙げられる。
【0016】
前記アミンアダクト化合物としては、例えば、ジエチレントリアミンや、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタンアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、メンタンジアミンなどの脂肪族又は脂環族アミンと、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物や、エチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドとのアダクト類を挙げることができる。
【0017】
前記マンニッヒ化合物としては、例えば、上記脂肪族又は脂環族アミンと、フェノール類や、ホルムアルデヒドとを反応させて得られるマンニッヒ化合物を挙げることができる。
前記ケチミンとしては、上記脂肪族又は脂環族アミンと、ケトン化合物とを反応させて得られるのケチミン化合物を挙げることができる。
このようなアミノ基含有化合物(B)の市販品としては、例えば、日本エヌエスシー(株)製のエポルジョンEB1;旭電化工業(株)製のアデカハードナーEH−4163X、EH−4215Mなどが挙げられる。
【0018】
また、アミノ基含有化合物(B)として、分子内にアミノ基と、ケイ素原子に直接結合している加水分解性基とを有する有機ケイ素化合物も利用可能であり、初期乾燥性を向上させる効果も有するものである。
有機ケイ素化合物は、例えば、一般式(2)、
(R5−NH−R4−)n(R6)mSi(OR3)4-n-m
(式中、R3とR6は、炭素数1〜5のアルキル基であり、R4は、炭素数1〜5のアルキレン基であり、R5は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、又は、置換若しくは未置換のアミノ基であり、nは、1又は2であり、mは、0又は1である。)
で示される化合物である。
【0019】
R3とR6は、直鎖でも分岐したものでもよい。R3とR6としてのアルキル基としては、例えば、メチル基や、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基等のアルキル基が好適に挙げられる。好ましいアルキル基は、炭素数が、例えば、1〜2個のものである。
R4としてのアルキレン基は、直鎖でも分岐したものでもよい。このようなアルキレン基としては、例えば、メチレン基や、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。
【0020】
R5としての炭素数1〜5のアルキル基は、上記R3とR6の場合と同様である。また、R5としてのシクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基や、シクロヘプチル基が挙げられる。また、R5としてのアリール基としては、例えば、フェニル基等が挙げられる。更に、R5としてのアミノ基としては、アミノ基中の水素原子の一方又は両方が、例えば、上記炭素数1〜5のアルキル基で置換されたものが好適なものとして挙げられる。
【0021】
上記式(2)で示されるアミノ基含有化合物としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシランや、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−シクロへキシルーγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−シクロヘキシル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシランなどが代表的なものとして挙げられる。
【0022】
本発明の塗料組成物は、上記成分(A)と、(B)とを含有し、更に、必要に応じて、光触媒能を有する無機粒子((C)成分)を含有することができる。この無機粒子は、ゾルの形態であってもよい。この成分は、塗膜に防菌や、防カビ性、防汚染性、更には空気中の窒素酸化物の分解除去作用を付与するために、必要に応じて、配合されるものである。このような成分としては、例えば、TiO2、TiO3、SrTiO3、FeTiO3、WO3、SnO2、BiO2、In2O3、ZnO、Fe2O3、RuO2、CdO、CdS、CdSe、GaP、GaAs、CdFeO3、MoS2、LaRhO3などが挙げられ、好ましくは、TiO2である。
【0023】
本発明の塗料組成物は、以上説明した(A)成分、(B)成分、及び必要に応じて配合する(C)成分からなり、更に、固形分調整するための水や、充填剤、染料、硬化促進剤、紫外線吸収剤、光安定剤、増粘剤、顔料分散剤等の各種添加剤などを配合したものから構成される。
前記充填材としては、タルクや、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、ベントナイト、酸化チタン、カーボンブラック、ベンガラ、リトポン等の各種塗料用体質顔料や着色顔料や防錆顔料が使用可能である。
【0024】
本発明の塗料組成物において、(B)成分量は、(A)成分中のエポキシ樹脂(a)のエポキシ基1当量に対して、アミノ基の活性水素当量が、例えば、0.5〜1.5当量、好ましくは、0.8〜1.2となる割合が、形成される塗膜の硬化性、耐候性等がよく、適当である。
光触媒能を有する無機微粒子(C)は、塗料組成物の固形分中、0〜75質量%、好ましくは、10〜60質量%配合するのが適当である。
本発明の塗料組成物における塗料固形分は、例えば、20〜90質量%、好ましく、40〜75質量%が適当である。
【0025】
本発明の塗料組成物は、被塗物表面に刷毛や、スプレー、ロール、ディッピングなどの塗装手段により塗装し、常温で硬化塗膜を形成することが可能であるが、強制乾燥や、加熱硬化させても良い。
【0026】
【実施例】
以下、本発明について、実施例により更に詳細に説明する。尚、実施例中「部」、「%」は、特に断らない限り質量基準で示す。
【0027】
合成例1
フラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)コート828EL;固形分100%、エポキシ当量185、1分子中のエポキシ基の数2.05個)60部と、フェニルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(東レ・ダウコーニング(株)製のDC3074;固形分100%)25部を仕込み、60℃まで加温した。次いで、50部の水に、非イオン界面活性剤〔第一工業製薬(株)製「ノイゲンET170」〕3.0部加え、溶解させた水溶液を、ホモミキサーで攪拌しつつ、2時間かけて滴下した。その後、40℃まで冷却し、不揮発分濃度60%の樹脂水分散体(A−1)を調製した。
【0028】
合成例2
フラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製のエピコート828EL、1分子中のエポキシ基の数2.05個)60部と、フェニルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(東レ・ダウコーニング(株)製のDC3037;固形分100%)25部を仕込み、60℃まで加温した。次いで、50部の水に、非イオン界面活性剤〔第一工業製薬(株)製「ノイゲンET170」〕3.0部加え、溶解させた水溶液を、ホモミキサーで攪拌しつつ、2時間かけて滴下した。その後、40℃まで冷却し、不揮発分濃度60%の樹脂水分散体(A−2)を調製した。
【0029】
合成例3
フラスコに、ビスフェノールF型ノボラックエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製のエピコート154;固形分100%、エポキシ当量180、1分子中のエポキシ基の数3.60個)50部と、フェニルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(東レ・ダウコーニング(株)製のSR2402)25部を仕込み、60℃まで加温した。次いで、50部の水に、非イオン界面活性剤〔第一工業製薬(株)製「ノイゲンET170」〕3.0部を加え、溶解させた水溶液を、ホモミキサーで攪拌しつつ、2時間かけて滴下した。その後、40℃まで冷却し、不揮発分濃度60%の樹脂水分散体(A−3)を調製した。
【0030】
合成例4
環流冷却器及び攪拌機を備えた反応器に、イソプロピルアルコール40部と、フェニルトリメトキシシランの部分加水分解共縮合物(東レ・ダウコーニング(株)製のDC3037;固形分100%)を40部、メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(東レ・ダウコーニング(株)製のSR2402;固形分100%)を30部、メチルトリメトキシシランを30部加え、混合した後、イオン交換水6.5部と、0.1規定・塩酸水溶液0.05部とを加え、60℃で3時間反応させた。次いで、イオン交換水1.5部を加え、更に60℃で3時間撹拌を続け、固形分55%のオルガノポリシロキサン(b)を得た。
【0031】
実施例1〜6及び比較例1〜2
(I)成分〜(IV)成分を表1に示す割合で混合し、攪拌した後、(V)成分〜(VII)成分を約15℃で加え、均一溶液となるまで撹拌を続け、塗料組成物を調製した。
【0032】
【表1】
【0033】
注1)日本エヌエスシー(株)製のエポルジョンHD2(固形分61%、エポキシ当量300〜340)
注2)日本エヌエスシー(株)製のエポルジョンEB1(固形分40%、アミン価107〜127)
注3)旭電化工業(株)製のEH4163X(固形分80%、アミン価230)
注4)石原産業(株)製光触媒酸化チタン(平均粒径8μ)
【0034】
得られた実施例1〜6、比較例1〜2の塗料組成物につき、下記の通り試験板を作成し、塗膜外観や、密着性、防食性、耐汚染性、耐候性の各塗膜性能試験をし、その結果をそれぞれ表2に示した。
【0035】
<塗膜性能試験>
キシレンで脱脂した鋼板上に、表1に示した塗料組成物を乾燥膜厚が約80ミクロンとなるように吹き付け塗装し、これを20℃で10日乾燥した後、試験板として用いた。なお、試験方法及び評価基準は、以下の通り行った。
外観:試験板に形成された塗膜外観を目視判定した。
評価基準
○・・・つやが有り、平滑な膜。
△・・・つやは有るが、膜の平滑性が乏しい。
×・・・つやが無く、膜の平滑性が乏しい。
【0036】
密着性:ブリキ板に乾燥時の膜厚が約100μmになるように塗布し、50℃で6時間乾燥して試験板を作成した。この試験板を碁盤目テープ法にて試験し、目視判定した。
評価基準
◎:塗膜の剥がれが全くない
○:欠損部の面積が全体の20%未満
△:欠損部の面積が全体の20〜60%
×:欠損部の面積が全体の60%越える
防食性:JIS K5400.9.1に準じて塩水噴霧試験を150時間行った後、塗膜状態を目視判定した。
【0037】
評価基準
○ ・・・変化なし
△ ・・・光沢低下、白化等の軽微な変化あり
× ・・・光沢低下、白化等の変化大
耐汚染性:赤、黒マジックインキを塗布してから24時間後に、キシレンでぬらした布でふきとり、除染性を目視判定した。
【0038】
評価基準
◎ ・・・完全除去
○ ・・・極く軽微な汚染
△ ・・・少し汚染
× ・・・汚染著しい
耐候性:サンシャインウェザー−オーメーター1000時間後の光沢保持率を測定した。
【0039】
評価基準
○ ・・・塗膜外観に変化はなく、光沢保持率95%以上
△ ・・・塗膜外観変化が軽微にあり、光沢保持率80〜94%
× ・・・塗膜変化が著しい、光沢保持率80%未満
【0040】
【表2】
表2
【0041】
表2より明らかの通り、本発明の塗料組成物である実施例1〜6は、優れた塗膜性能を有していた。一方、エポキシ樹脂を配合しない比較例1は、防食性等が悪く、オルガノシランを配合しない比較例2は、耐候性等が悪くなっていた。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、有機溶剤を含まない常温硬化可能で、鋼材に対する密着性や、防食性、耐候性等に優れた塗膜を形成できる塗料組成物が得られる。
Claims (5)
- (A)(a)1分子中に1個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、(b)一般式(1)、
R1 nSi(OR2)4-n
〔式中、R1は、置換基を有さないフェニル基であり、R2は、炭素数1〜5のアルキル基であり、nは、1である。〕
で示されるオルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物と、
を水中に分散させてなる樹脂水分散体、及び
(B)アミノ基含有化合物、
を含有することを特徴とする鋼板用塗料組成物。 - 前記アミノ基含有化合物(B)が、アミノ基と、ケイ素原子に直接結合している加水分解性基とを有する有機ケイ素化合物、脂肪族又は脂環族のアミンアダクト化合物、脂肪族又は脂環族のマンニッヒ化合物、及び脂肪族又は脂環族のケチミン化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物である請求項1に記載の塗料組成物。
- 前記エポキシ樹脂(a)が、100〜1500のエポキシ当量を有し、かつビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルエーテル型エポキシ樹脂、及び水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂である請求項1又は2に記載の塗料組成物。
- 前記エポキシ樹脂(a)と、前記アミノ基含有化合物(B)との配合割合が、前記エポキシ樹脂(a)のエポキシ基1当量に対し、前記アミノ基含有化合物(B)のアミノ基の活性水素当量が0.5〜1.5当量となる割合である請求項1〜3のいずれかに記載の塗料組成物。
- 更に、光触媒能を有する無機微粒子(C)を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の塗料組成物。
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