JP2020507022A - 繊維を加工するための方法および設備 - Google Patents
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Abstract
Description
この目的のために、繊維は、従来技術によりカーディングされ、且つ、それぞれに6個から8個に至るまでのケンスの提供を伴う、後に続く3つの練条機構内において、撚り合わせられ且つ延伸される。その際、加工されるべき繊維スライバーの準備における、極めて手間暇のかかる方法が問題である。何故ならば、カーディングマシンおよび後に続く3つの練条機構のためのスペースの消費が極めて多いからである。
更に、それぞれに異なる繊維品質を有するケンス移送の手間暇は極めて多く、且つ、人員集約的である。
提供され予延伸された繊維スライバーの数に相応する数における、複数の第1のケンスからの、少なくとも9本のそのように生産され予延伸された繊維スライバーは、練条機にドラフト無しに提供され、そこで、少なくとも8.5倍だけ、延伸された繊維スライバーへと延伸され、且つ、第2のケンスの内の1つのケンス内において堆積される。
それぞれの第2のケンスの内の1つのケンス内における、そのように生産され延伸されたこの繊維スライバーは、空気精紡機の精紡位置に提供される。そこで、提供され延伸された繊維スライバーは、適当に精紡される。
選択的または付加的に、この目的のために、空気精紡機に提供され延伸された繊維スライバーは、カーディングされた繊維スライバーに比して、有利には、少なくとも20倍だけ延伸されている。
概念「第1のケンス」は、本発明の領域内において、カーディングマシンにおいて生産され予延伸された繊維スライバーの収容のために設けられているケンスを意味する。概念「第2のケンス」は、上記のことに応じて、練条機において、生産され延伸された繊維スライバーの収容のために設けられたケンスを意味し、この繊維スライバーが、次いで空気精紡機に提供される。
これら第1および第2のケンスは、従って、完全に同じ構造であり、且つ、方法の範囲内において、ただ収容される繊維スライバーの様式に関してだけ互いに相違している。第2のステップにおいて、少なくとも9本の、これら予延伸された繊維スライバーは、練条機に提供される。
更に別の観点は、繊維スライバーの第2の延伸が、他方また、移送方向において繊維の後方の端部において存在するフックの除去を可能にすることにある。
第1のケンス内における、予延伸された繊維スライバーの事前の堆積に基づいて、繊維は、カーディングマシンに対して反対の方向にそれぞれの第1のケンスから引き出され、従って、練条機内における繊維の移動方向が反対向きになる。このことは、2回の延伸に基づいて、フックを、繊維の両方の端部において極めて十分に除去することを可能にする。
カーディングマシンは、ケンス交換の際に停止される必要は無く、むしろ、より低い生産性でもって更に作動可能であり、その際、このカーディングマシンの生産性が、如何なる品質損失も生産されカーディングされた繊維スライバーにおいて生じない程に降下される。
総じて、これらケンスCの6から8個のケンスが、第1の練条機DF1に提供され、且つ、撚り合わせられ、且つ、延伸される。第1の練条機DF1内において生成された繊維スライバー15は、他方また、ケンスC1内において堆積され、且つ、更に5から7個までの繊維スライバーによって、第2の練条機DF2内において撚り合わせられ、且つ、延伸される。その場合に延伸された繊維スライバーは、ケンスC2内において堆積され、且つ、総じて6から8個の繊維スライバーによって、練条機DF3内において延伸される。
この第3の練条機DF3内において延伸された繊維スライバーは、他方また、ケンスC3内において堆積され、且つ、空気精紡機50に提供される。通常、第3の練条機DF3は、自動調節練条機として構成されている。
従来技術により、繊維スライバーは、それぞれの練条機DF1、DF2、DF3内において、6から8倍までだけドラフトされ、従って、512倍に至るまでの最大の全延伸が行われる。
この方法の重要な欠点は、それに所属のケンス総じて5つの機械のための多い所要スペース、および、それらケンスによって繊維スライバー15がそれぞれに次の機械に移送される該ケンスの、手間暇がかかる且つ人員集約的な操縦性である。
繊維スライバーがケンスC内において堆積される前に、第1の(予)延伸が、カーディングマシン10において行われる。ここで、スライバー堆積部22の手前もしくは上側に、調節されていないドラフトゾーンを有する統合された練条機20が配置されており、この統合された練条機は、カード繊維スライバーもしくは繊維スライバーを、>2.5倍、有利には3.0倍、および、更に有利には≧3.5倍だけ延伸する。次いでケンスC内において堆積され予延伸された繊維スライバーは、練条機30へと移送され、且つ、そこで、≧8.5倍、有利には≧9倍だけ延伸され、ケンスC1内において堆積され、且つ、空気精紡機50内において糸へと加工される。
本発明は、完全な2つの練条機構、例えばDF1およびDF2が省略され得、且つ、これに伴って、繊維スライバーのために、4つの代わりにただ2つだけのケンス移送が必要であることの利点を有している。本発明に従い、繊維スライバーは、ただ2回だけ延伸され、その際、練条機20が、カーディングマシン10のケンス堆積部において、もしくは、このケンス堆積部内において統合されている。
上述の利点と並んで、従来技術に比して、それに加えて、全配置のための著しくより少ない所要スペースが与えられる。何故ならば、カーディングマシン10内へと機能的に統合された練条機20が、それぞれのクリールおよびケンス堆積部を有する完全な2つの練条機DF2、DF3よりも、著しくより少ない付加的な所要スペースを、ケンス堆積部を有するカーディングマシン10に対して有するからである。
特に、統合された練条機20が、極端な場合には、長さおよび幅におけるケンス堆積部の如何なる拡大も結果として招かない寸法を有していることが認識され得、従って、カーディングマシン10およびケンス堆積部22の所要スペースが、全く変化されず、且つ、従って、既存の設備内において、例えば代替として全体的または部分的に統合される。
カーディングマシン10内において生産された繊維スライバーは、有利には少なくとも2.7ktex(キロテクス)、とりわけ有利には少なくとも2.9ktexの品質を有している。特に良好な結果は、少なくとも3.5ktexのカーディングされた繊維スライバーによって達成され得る。
この目的のために、カーディングマシン10が、スライバー重量に基づいて横方向スライバー引出し機を有し、この横方向スライバー引出し機によって、カーディングされたフリースが、カーディングされたスライバーもしくはカードスライバーへと引き出され得ることは必要である。
連続的なプロセスのために、カーディングマシン10の生産は、少なくとも80kg/hの値である。この連続的なプロセスのために、同様にスライバーループ貯蔵部25が有効であり得、このスライバーループ貯蔵部が、図3内で詳細において更に説明される。
同様に、スライバー堆積部22内において統合された練条機20は、調節されていないただ1つのドラフトゾーンが使用されるというやり方で、重く且つ厚い繊維スライバーに修正され、このドラフトゾーン内において、走入する繊維スライバーが、>3.0倍、有利には≧3.5倍だけ延伸される。
このスライバーループ貯蔵部25無しに、カーディングマシン10は、遥かに強度にケンス交換の際に生産性能を作動低下せざるを得ず、このことは、繊維スライバー15の均等性における品質損失を意味し、且つ、生産された糸における細い部位の増大に反映される。繊維スライバー15内における異なる生産性能によって発生する質量変動は、練条機30における、後に続く極めて強度な2段式の延伸の際に、もしくは、この練条機の練条機構内において、空気精紡機内において生産される糸に対して極めて不都合に影響を及ぼし、この糸は、このことによって不均等になる。
従来技術により、不均等に製造されたカードスライバーは、複数段式の延伸によって品質において改善され得、このことによって、スライバーループ貯蔵部25は、この使用において必要とされない。
繊維スライバー15は、次いで、駆動ローラー27を介して、更にローラー26を介して、ローラー21へと案内され、このローラー21が、この繊維スライバー15を、次いで、統合された練条機20内へと導く。
これらローラー21、26および27は、その際、統合された練条機20の上側で1つの高さにおいて配置されており、この高さが、ほぼ1.8mから2.5mに至るまでの値であることは可能である。
特に、ローラー26と27とが、紡績工場の床の上、または、天井に固定されている、別個の1つの台架に配置されていることは可能である。
この標準的な作動において、駆動ローラー27が、駆動されているか、無負荷運転において作動されるか、または、固定状態で配置されていることは可能であり、従って、繊維スライバー15が、統合された練条機20または堆積頭部によって牽引され、且つ、これらの上を滑動する。
選択的に、駆動ローラー27は、ケンス交換機22もしくは練条機20の走入速度に相応する速度でもって作動され得、この速度でもって、繊維スライバー15が、ケンス交換機22内へと引き込まれる。
このことによって、繊維スライバー方向転換に基づいて、繊維スライバー亀裂が発生可能であることの危険は排除されている。
カーディングマシン10からの繊維スライバー15の供給速度が、140から250m/minまでの間、有利には200m/minの値であることは可能である。
統合された練条機20内において、カーディングされた繊維スライバー15は、この繊維スライバーがケンスC内において堆積される前に、ほぼ700m/minの速度に加速され得る。
このことを回避するために、ローラー26と27との間、および、ローラー27とリング13との間に、繊維スライバー15の中間貯蔵部が設けられている。この目的のために、駆動ローラー27は駆動され、且つ、同時に、繊維スライバーが、この駆動ローラー27と押圧要素28(押圧ローラーまたはばね)との間で締め付けられる。繊維スライバー15は、これに伴って、カーディングマシン10および統合された練条機20の速度に依存せずに、駆動ローラー27によって更に移送される。その際、カーディングマシン10は、生成された繊維スライバー15における最小限の質量変動が得られる速度に減速される。
カーディングマシン10の供給速度は、その際、有利には少なくとも100m/minの値である。
これに伴って、ループが、リング13と駆動ローラー27との間の繊維スライバー15内において与えられ、このループが、床の上に至るまで到達可能である。
駆動ローラー27とカーディングマシン10との間の移送速度の差分によって与えられるこのループ形成は、その時間内においてカーディングマシン10が低減された速度でもって生産する、ケンス交換の該時間のための中間貯蔵装置として十分である。
練条機30の入側が、そのクリールを介して9、10、12本またはそれ以上の繊維スライバー15が練条機の練条機構頭部内へと走入する、遥かに長い該クリール40を配置しているので、駆動された1つのクリール40によって、比較的に長い移送道程に基づいて発生する摩擦が補償され得、且つ、緊張ドラフトが調節され得る。
クリール40は、1つの形材41を有しており、この形材が練条機30の作業方向に延在し、且つ、ケンスCの上側に配置されている。この目的のために、形材41は、少なくとも1つの支持体42の上に支承されており、この支持体が、有利には高さにおいて調節可能である。
形材41の側方において、回転可能な方向転換要素43が配置されており、その際、それぞれのケンスCに、1つの回転可能な方向転換要素43が所属して設けられている。これら方向転換要素43は、水平に、且つ、形材41の長手軸線に対して直角に延在し、且つ、繊維スライバーを、ケンスCから練条機30内へと案内する。これら方向転換要素は、形材41の内側に配置されている図示されていない駆動要素によって駆動される。
駆動装置44、例えば制御可能な電気モーターまたはサーボモーターは、形材41における、練条機30と向かい合って位置する端部において配置されている。ベルト伝動装置、または、形材41内において統合可能な他の駆動要素を介して、方向転換要素43は駆動される。このことは、練条機30内への繊維スライバーの延長された入り側道程、および、これと関連する摩擦に基づいて、これら繊維スライバーに対する引張力を低減することのために行われる。
駆動装置44が練条機30の制御装置と結合されているが、しかしながら、この練条機駆動装置に依存せずに作動可能および制御可能であることによって、練条機30への繊維スライバーの緊張ドラフトは、最適に調節され得る。最後のケンスCから練条機内に至るまでの繊維スライバーの長い流入延在によって、駆動されていないクリールにおいて、それぞれの繊維スライバーに関して異なり得る高い摩擦が与えられる。駆動された方向転換要素43によって、この摩擦は、最小限に減らされ得、且つ、同時に、練条機への繊維スライバーの緊張ドラフトが調節され得る。
図5により、練条機30の手前の延伸調節装置34のための、接触ロール対35、36が配置されており、この接触ロール対によって、繊維スライバー内における厚さ変動は測定され、且つ、練条機30内において調節される。接触ロール対35、36に、更に、ホッパー33としての繊維スライバー案内部が設けられており、この繊維スライバー案内部は、少なくとも9本の繊維スライバーを収容するため、および、この接触ロール対35、36内へと案内するために形成されている。
第1の接触ロール35は、位置固定式に、練条機30に、またはこの練条機の上に配置されている。第2の接触ロール36は、第1の接触ロール35に対して移動可能に配置されており、その際、この第2の接触ロール36が、レバー37に、回転点によって移動可能に軸受けされている。
接触ロール35と36との間に繊維スライバーが案内され、且つ、質量変動が測定される。この目的のために、レバー37は、押圧要素39でもって付勢され、この押圧要素が、ばねまたはピストンとして形成されていることは可能である。これに伴って、一定の力が、接触ロール36を介して繊維スライバーに対して作用する。質量変動の際に、この接触ロール36は、レバー37を介して弾性的に復帰し、このことによって、信号がセンサー38内において発生し、この信号が、練条機30の制御装置内において処理され、且つ、主ドラフト内におけるドラフトを練条機30に適合させる。
延伸調節装置34は、1つのホッパー33を手前に配置しており、このホッパーが、繊維スライバー走行方向32に、変化可能な走入角度αを有している。この実施例において、ホッパー33は2ステップ式(2段式)に形成されており、その際、第1の段が、110°と80°との間の開口角α1を有している。第2の段の開口角α2は、80°と45°との間にある。
選択的に、ホッパーの開口角は、丸くされていることも可能であり、これに伴って、段または段差部無しに、連続体に、110°から80°に至るまで、および、80°から45°に至るまで先細りに形成される。繊維スライバー走行方向32に減少する開口角を有するホッパー33によって、特にクリール40において外側に位置する繊維スライバーが案内され、且つ、これら繊維スライバーが予コンパクト化される。
この速度において、Ne30(番手)を有する糸が製造され得る。Ne40の糸において、空気精紡機の製造速度は、ほぼ420から470m/minに至るまでの値である。
カーディングマシン10内において、繊維スライバーは、ビスコースから、9.45ktexの繊度でもって、80kg/hの製造性能において加工される。3.05ktexの品質でもって、統合された練条機20から走出するカーディング繊維スライバーが生成する。このカーディング繊維スライバーは、437m/minの速度でもって、3.1倍だけ延伸され、且つ、ケンスC内において堆積される。
この生成する繊維スライバーは、ケンスC1内において堆積され、且つ、空気精紡機に供給される。空気精紡機は、繊維スライバーを、500m/minの速度において加工し、且つ、この繊維スライバーを216倍だけ延伸もしくは分離し、このことによって、Ne30を有するビスコース糸が生成する。
それぞれの精紡位置に、ただ1つのケンスC1が提供されるので、この精紡位置の製造性能は、100%の効率において、0.6kg/hの値である。
全ての、請求の範囲、明細書、または図面から読み取れる特徴、及び/または、利点が、構造的な詳細または空間的な配置をも含めて、自体においてと同様に極めて異なる組み合わせにおいても、発明の基本的事項であることは可能である。
11 ケーシング
12 開口部
13 リング
15 繊維スライバー
20 統合された練条機
21 ローラー
22 ケンス交換機
25 スライバーループ貯蔵部
26 ローラー
27 駆動ローラー
28 押圧要素
30 練条機
32 繊維スライバー走行方向
33 ホッパー
34 延伸調節装置
35 接触ロール
36 接触ロール
37 レバー
38 センサー
39 押圧要素
40 クリール
41 形材
42 支持体
43 方向転換要素
44 駆動装置
50 空気精紡機
DF1〜DF3 練条機
C、C1〜C3 ケンス
α1、α2 開口角
この目的のために、繊維は、従来技術によりカーディングされ、且つ、それぞれに6個から8個に至るまでのケンスの提供を伴う、後に続く3つの練条機構内において、撚り合わせられ且つ延伸される。その際、加工されるべき繊維スライバーの準備における、極めて手間暇のかかる方法が問題である。何故ならば、カーディングマシンおよび後に続く3つの練条機構のためのスペースの消費が極めて多いからである。
更に、それぞれに異なる繊維品質を有するケンス移送の手間暇は極めて多く、且つ、人員集約的である。
提供され予延伸された繊維スライバーの数に相応する数における、複数の第1のケンスからの、少なくとも9本のそのように生産され予延伸された繊維スライバーは、練条機にドラフト無しに提供され、そこで、少なくとも8.5倍だけ、延伸された繊維スライバーへと延伸され、且つ、第2のケンスの内の1つのケンス内において堆積される。
それぞれの第2のケンスの内の1つのケンス内における、そのように生産され延伸されたこの繊維スライバーは、空気精紡機の精紡位置に提供される。そこで、提供され延伸された繊維スライバーは、適当に精紡される。
選択的または付加的に、この目的のために、空気精紡機に提供され延伸された繊維スライバーは、カーディングされた繊維スライバーに比して、有利には、少なくとも20倍だけ延伸されている。
概念「第1のケンス」は、本発明の領域内において、カーディングマシンにおいて生産され予延伸された繊維スライバーの収容のために設けられているケンスを意味する。概念「第2のケンス」は、上記のことに応じて、練条機において、生産され延伸された繊維スライバーの収容のために設けられたケンスを意味し、この繊維スライバーが、次いで空気精紡機に提供される。
これら第1および第2のケンスは、従って、完全に同じ構造であり、且つ、方法の範囲内において、ただ収容される繊維スライバーの様式に関してだけ互いに相違している。第2のステップにおいて、少なくとも9本の、これら予延伸された繊維スライバーは、練条機に提供される。
更に別の観点は、繊維スライバーの第2の延伸が、他方また、移送方向において繊維の後方の端部において存在するフックの除去を可能にすることにある。
第1のケンス内における、予延伸された繊維スライバーの事前の堆積に基づいて、繊維は、カーディングマシンに対して反対の方向にそれぞれの第1のケンスから引き出され、従って、練条機内における繊維の移動方向が反対向きになる。このことは、2回の延伸に基づいて、フックを、繊維の両方の端部において極めて十分に除去することを可能にする。
カーディングマシンは、ケンス交換の際に停止される必要は無く、むしろ、より低い生産性でもって更に作動可能であり、その際、このカーディングマシンの生産性が、如何なる品質損失も生産されカーディングされた繊維スライバーにおいて生じない程に降下される。
総じて、これらケンスCの6から8個のケンスが、第1の練条機DF1に提供され、且つ、撚り合わせられ、且つ、延伸される。第1の練条機DF1内において生成された繊維スライバー15は、他方また、ケンスC1内において堆積され、且つ、更に5から7個までの繊維スライバーによって、第2の練条機DF2内において撚り合わせられ、且つ、延伸される。その場合に延伸された繊維スライバーは、ケンスC2内において堆積され、且つ、総じて6から8個の繊維スライバーによって、練条機DF3内において延伸される。
この第3の練条機DF3内において延伸された繊維スライバーは、他方また、ケンスC3内において堆積され、且つ、空気精紡機50に提供される。通常、第3の練条機DF3は、自動調節練条機として構成されている。
従来技術により、繊維スライバーは、それぞれの練条機DF1、DF2、DF3内において、6から8倍までだけドラフトされ、従って、512倍に至るまでの最大の全延伸が行われる。
この方法の重要な欠点は、それに所属のケンス総じて5つの機械のための多い所要スペース、および、それらケンスによって繊維スライバー15がそれぞれに次の機械に移送される該ケンスの、手間暇がかかる且つ人員集約的な操縦性である。
繊維スライバーがケンスC内において堆積される前に、第1の(予)延伸が、カーディングマシン10において行われる。ここで、スライバー堆積部22の手前もしくは上側に、調節されていないドラフトゾーンを有する統合された練条機20が配置されており、この統合された練条機は、カード繊維スライバーもしくは繊維スライバーを、>2.5倍、有利には3.0倍、および、更に有利には≧3.5倍だけ延伸する。次いでケンスC内において堆積され予延伸された繊維スライバーは、練条機30へと移送され、且つ、そこで、≧8.5倍、有利には≧9倍だけ延伸され、ケンスC1内において堆積され、且つ、空気精紡機50内において糸へと加工される。
本発明は、完全な2つの練条機構、例えばDF1およびDF2が省略され得、且つ、これに伴って、繊維スライバーのために、4つの代わりにただ2つだけのケンス移送が必要であることの利点を有している。本発明に従い、繊維スライバーは、ただ2回だけ延伸され、その際、練条機20が、カーディングマシン10のケンス堆積部において、もしくは、このケンス堆積部内において統合されている。
上述の利点と並んで、従来技術に比して、それに加えて、全配置のための著しくより少ない所要スペースが与えられる。何故ならば、カーディングマシン10内へと機能的に統合された練条機20が、それぞれのクリールおよびケンス堆積部を有する完全な2つの練条機DF2、DF3よりも、著しくより少ない付加的な所要スペースを、ケンス堆積部を有するカーディングマシン10に対して有するからである。
特に、統合された練条機20が、極端な場合には、長さおよび幅におけるケンス堆積部の如何なる拡大も結果として招かない寸法を有していることが認識され得、従って、カーディングマシン10およびケンス堆積部22の所要スペースが、全く変化されず、且つ、従って、既存の設備内において、例えば代替として全体的または部分的に統合される。
カーディングマシン10内において生産された繊維スライバーは、有利には少なくとも2.7ktex(キロテクス)、とりわけ有利には少なくとも2.9ktexの品質を有している。特に良好な結果は、少なくとも3.5ktexのカーディングされた繊維スライバーによって達成され得る。
この目的のために、カーディングマシン10が、スライバー重量に基づいて横方向スライバー引出し機を有し、この横方向スライバー引出し機によって、カーディングされたフリースが、カーディングされたスライバーもしくはカードスライバーへと引き出され得ることは必要である。
連続的なプロセスのために、カーディングマシン10の生産は、少なくとも80kg/hの値である。この連続的なプロセスのために、同様にスライバーループ貯蔵部25が有効であり得、このスライバーループ貯蔵部が、図3内で詳細において更に説明される。
同様に、スライバー堆積部22内において統合された練条機20は、調節されていないただ1つのドラフトゾーンが使用されるというやり方で、重く且つ厚い繊維スライバーに修正され、このドラフトゾーン内において、走入する繊維スライバーが、>3.0倍、有利には≧3.5倍だけ延伸される。
このスライバーループ貯蔵部25無しに、カーディングマシン10は、遥かに強度にケンス交換の際に生産性能を作動低下せざるを得ず、このことは、繊維スライバー15の均等性における品質損失を意味し、且つ、生産された糸における細い部位の増大に反映される。繊維スライバー15内における異なる生産性能によって発生する質量変動は、練条機30における、後に続く極めて強度な2段式の延伸の際に、もしくは、この練条機の練条機構内において、空気精紡機内において生産される糸に対して極めて不都合に影響を及ぼし、この糸は、このことによって不均等になる。
従来技術により、不均等に製造されたカードスライバーは、複数段式の延伸によって品質において改善され得、このことによって、スライバーループ貯蔵部25は、この使用において必要とされない。
繊維スライバー15は、次いで、駆動ローラー27を介して、更にローラー26を介して、ローラー21へと案内され、このローラー21が、この繊維スライバー15を、次いで、統合された練条機20内へと導く。
これらローラー21、26および27は、その際、統合された練条機20の上側で1つの高さにおいて配置されており、この高さが、ほぼ1.8mから2.5mに至るまでの値であることは可能である。
特に、ローラー26と27とが、紡績工場の床の上、または、天井に固定されている、別個の1つの台架に配置されていることは可能である。
この標準的な作動において、駆動ローラー27が、駆動されているか、無負荷運転において作動されるか、または、固定状態で配置されていることは可能であり、従って、繊維スライバー15が、統合された練条機20または堆積頭部によって牽引され、且つ、これらの上を滑動する。
選択的に、駆動ローラー27は、ケンス交換機22もしくは練条機20の走入速度に相応する速度でもって作動され得、この速度でもって、繊維スライバー15が、ケンス交換機22内へと引き込まれる。
このことによって、繊維スライバー方向転換に基づいて、繊維スライバー亀裂が発生可能であることの危険は排除されている。
カーディングマシン10からの繊維スライバー15の供給速度が、140から250m/minまでの間、有利には200m/minの値であることは可能である。
統合された練条機20内において、カーディングされた繊維スライバー15は、この繊維スライバーがケンスC内において堆積される前に、ほぼ700m/minの速度に加速され得る。
このことを回避するために、ローラー26と27との間、および、ローラー27とリング13との間に、繊維スライバー15の中間貯蔵部が設けられている。この目的のために、駆動ローラー27は駆動され、且つ、同時に、繊維スライバーが、この駆動ローラー27と押圧要素28(押圧ローラーまたはばね)との間で締め付けられる。繊維スライバー15は、これに伴って、カーディングマシン10および統合された練条機20の速度に依存せずに、駆動ローラー27によって更に移送される。その際、カーディングマシン10は、生成された繊維スライバー15における最小限の質量変動が得られる速度に減速される。
カーディングマシン10の供給速度は、その際、有利には少なくとも100m/minの値である。
これに伴って、ループが、リング13と駆動ローラー27との間の繊維スライバー15内において与えられ、このループが、床の上に至るまで到達可能である。
駆動ローラー27とカーディングマシン10との間の移送速度の差分によって与えられるこのループ形成は、その時間内においてカーディングマシン10が低減された速度でもって生産する、ケンス交換の該時間のための中間貯蔵装置として十分である。
練条機30の入側が、そのクリールを介して9、10、12本またはそれ以上の繊維スライバー15が練条機の練条機構頭部内へと走入する、遥かに長い該クリール40を配置しているので、駆動された1つのクリール40によって、比較的に長い移送道程に基づいて発生する摩擦が補償され得、且つ、緊張ドラフトが調節され得る。
クリール40は、1つの形材41を有しており、この形材が練条機30の作業方向に延在し、且つ、ケンスCの上側に配置されている。この目的のために、形材41は、少なくとも1つの支持体42の上に支承されており、この支持体が、有利には高さにおいて調節可能である。
形材41の側方において、回転可能な方向転換要素43が配置されており、その際、それぞれのケンスCに、1つの回転可能な方向転換要素43が所属して設けられている。これら方向転換要素43は、水平に、且つ、形材41の長手軸線に対して直角に延在し、且つ、繊維スライバーを、ケンスCから練条機30内へと案内する。これら方向転換要素は、形材41の内側に配置されている図示されていない駆動要素によって駆動される。
駆動装置44、例えば制御可能な電気モーターまたはサーボモーターは、形材41における、練条機30と向かい合って位置する端部において配置されている。ベルト伝動装置、または、形材41内において統合可能な他の駆動要素を介して、方向転換要素43は駆動される。このことは、練条機30内への繊維スライバーの延長された入り側道程、および、これと関連する摩擦に基づいて、これら繊維スライバーに対する引張力を低減することのために行われる。
駆動装置44が練条機30の制御装置と結合されているが、しかしながら、この練条機駆動装置に依存せずに作動可能および制御可能であることによって、練条機30への繊維スライバーの緊張ドラフトは、最適に調節され得る。最後のケンスCから練条機内に至るまでの繊維スライバーの長い流入延在によって、駆動されていないクリールにおいて、それぞれの繊維スライバーに関して異なり得る高い摩擦が与えられる。駆動された方向転換要素43によって、この摩擦は、最小限に減らされ得、且つ、同時に、練条機への繊維スライバーの緊張ドラフトが調節され得る。
図5により、練条機30の手前の延伸調節装置34のための、接触ロール対35、36が配置されており、この接触ロール対によって、繊維スライバー内における厚さ変動は測定され、且つ、練条機30内において調節される。接触ロール対35、36に、更に、ホッパー33としての繊維スライバー案内部が設けられており、この繊維スライバー案内部は、少なくとも9本の繊維スライバーを収容するため、および、この接触ロール対35、36内へと案内するために形成されている。
第1の接触ロール35は、位置固定式に、練条機30に、またはこの練条機の上に配置されている。第2の接触ロール36は、第1の接触ロール35に対して移動可能に配置されており、その際、この第2の接触ロール36が、レバー37に、回転点によって移動可能に軸受けされている。
接触ロール35と36との間に繊維スライバーが案内され、且つ、質量変動が測定される。この目的のために、レバー37は、押圧要素39でもって付勢され、この押圧要素が、ばねまたはピストンとして形成されていることは可能である。これに伴って、一定の力が、接触ロール36を介して繊維スライバーに対して作用する。質量変動の際に、この接触ロール36は、レバー37を介して弾性的に復帰し、このことによって、信号がセンサー38内において発生し、この信号が、練条機30の制御装置内において処理され、且つ、主ドラフト内におけるドラフトを練条機30に適合させる。
延伸調節装置34は、1つのホッパー33を手前に配置しており、このホッパーが、繊維スライバー走行方向32に、変化可能な走入角度αを有している。この実施例において、ホッパー33は2ステップ式(2段式)に形成されており、その際、第1の段が、110°と80°との間の開口角α1を有している。第2の段の開口角α2は、80°と45°との間にある。
選択的に、ホッパーの開口角は、丸くされていることも可能であり、これに伴って、段または段差部無しに、連続体に、110°から80°に至るまで、および、80°から45°に至るまで先細りに形成される。繊維スライバー走行方向32に減少する開口角を有するホッパー33によって、特にクリール40において外側に位置する繊維スライバーが案内され、且つ、これら繊維スライバーが予コンパクト化される。
この速度において、Ne30(番手)を有する糸が製造され得る。Ne40の糸において、空気精紡機の製造速度は、ほぼ420から470m/minに至るまでの値である。
カーディングマシン10内において、繊維スライバーは、ビスコースから、9.45ktexの繊度でもって、80kg/hの製造性能において加工される。3.05ktexの品質でもって、統合された練条機20から走出するカーディング繊維スライバーが生成する。このカーディング繊維スライバーは、437m/minの速度でもって、3.1倍だけ延伸され、且つ、ケンスC内において堆積される。
この生成する繊維スライバーは、ケンスC1内において堆積され、且つ、空気精紡機に供給される。空気精紡機は、繊維スライバーを、500m/minの速度において加工し、且つ、この繊維スライバーを216倍だけ延伸もしくは分離し、このことによって、Ne30を有するビスコース糸が生成する。
それぞれの精紡位置に、ただ1つのケンスC1が提供されるので、この精紡位置の製造性能は、100%の効率において、0.6kg/hの値である。
全ての、請求の範囲、明細書、または図面から読み取れる特徴、及び/または、利点が、構造的な詳細または空間的な配置をも含めて、自体においてと同様に極めて異なる組み合わせにおいても、発明の基本的事項であることは可能である。
11 ケーシング
12 開口部
13 リング
15 繊維スライバー
20 統合された練条機
21 ローラー
22 ケンス交換機
25 スライバーループ貯蔵部
26 ローラー
27 駆動ローラー
28 押圧要素
30 練条機
32 繊維スライバー走行方向
33 ホッパー
34 延伸調節装置
35 接触ロール
36 接触ロール
37 レバー
38 センサー
39 押圧要素
40 クリール
41 形材
42 支持体
43 方向転換要素
44 駆動装置
50 空気精紡機
DF1〜DF3 練条機
C、C1〜C3 ケンス
α1、α2 開口角
Claims (16)
- 繊維を加工するための方法であって、この方法において、
・ カーディングマシン(10)において、
− カーディングされた繊維スライバー(15)が製造され、
− このカーディングされた繊維スライバー(15)が予延伸され、且つ、
− この予延伸された繊維スライバーが、複数の第1のケンス(C)の内の1つの第1のケンス内において堆積され、
・ 少なくとも9または12本のカーディングされた繊維スライバー(15)が、
− 相応する複数の第1のケンス(C)から、練条機(30)に、ドラフト無しに提供され、且つ、
− この練条機(30)において、延伸された繊維スライバーへと延伸され、且つ、
・ この延伸された繊維スライバーが、
− 複数の第2のケンス(C1)の内の1つの第2のケンス内において堆積され、
− 前記1つの第2のケンス(C1)内における前記延伸された繊維スライバーが、空気精紡機(50)の精紡位置に提供され、及び/または、前記カーディングされた繊維スライバー(15)に比して、少なくとも20倍だけ延伸されている、
ことを特徴とする方法。 - 前記繊維スライバーは、前記カーディングマシン(10)において、少なくとも2.5倍、3倍、または、3.5倍だけ予延伸されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記カーディングマシン(10)における前記繊維スライバー(15)の前記予延伸は、調節されずに行われることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
- 少なくとも80kg/hのカーディングされた繊維スライバー(15)が、前記カーディングマシン(10)内において製造されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の方法。
- 前記カーディングされた繊維スライバーは、少なくとも2.9ktexまたは3.5ktexを有していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の方法。
- 前記カーディングマシン(10)における前記第1のケンス(C)の交換の際に、前記カーディングされた繊維スライバー(15)が、このカーディングマシン(10)において貯蔵されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の方法。
- 前記カーディングマシン(10)における前記第1のケンス(C)の前記交換の際に、前記カーディングされた繊維スライバー(15)が、少なくとも100m/minでもって、このカーディングマシン(10)内において引き続き製造される、請求項6に記載の方法。
- 前記予延伸された繊維スライバー(15)は、少なくとも8倍、8.5倍、または、9倍だけ、前記練条機(30)内において延伸されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の方法。
- 空気精紡方法により糸を製造するための設備であって、この設備が、
・ カーディングマシン(10)を備え、このカーディングマシンが、
− 統合された練条機(20)と、
− ケンス交換機(22)とを有し、
・ 唯一の練条機(30)を備え、この練条機が、
− 自動調節練条機として形成されており、且つ、
− 駆動クリール(40)が、この練条機の手前に配置されており、および、
・ 空気精紡機(50)を備えている、
設備。 - 前記カーディングマシン(10)は、横方向スライバー引出し機を有していることを特徴とする請求項9に記載の設備。
- 前記カーディングマシン(10)と前記統合された練条機(20)との間に、スライバーループ貯蔵部(25)が形成されていることを特徴とする請求項9または10に記載の設備。
- 前記駆動クリール(40)は、駆動装置(44)を有しており、この駆動装置が、前記練条機(30)の駆動に依存せずに作動可能、および、制御可能であることを特徴とする請求項9から11のいずれか一つに記載の設備。
- 前記練条機(30)は、延伸調節装置(34)を有しており、この延伸調節装置が、前記練条機(30)の主ドラフトを、走入する繊維スライバーの質量変動に対して適合することを特徴とする請求項9から12のいずれか一つに記載の設備。
- 1つのホッパー(33)が、前記延伸調節装置(34)の手前に配置されており、このホッパーは、スライバー走行方向(32)に、先細りの開口角を有していることを特徴とする請求項13に記載の設備。
- 前記開口角は、ステップ状または連続的に減少することを特徴とする請求項14に記載の設備。
- 請求項1から8のいずれか一つに記載の方法に従って作動されるように設備されている、請求項9から15のいずれか一つに記載の設備。
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