JP2020203519A - タイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】トレッド部における発熱温度の上昇を抑制可能なタイヤを提供する。【解決手段】タイヤ円周方向沿って形成された周方向溝と、タイヤ円周方向に沿って所定の周期で設けられ、一端がタイヤ側面に開口し、他端が前記周方向溝に連通する横溝と、周方向溝と横溝とで区画されたブロックに、一端がタイヤ側面に開口し、他端が前記周方向溝と連通する細溝とを備えたタイヤであって、タイヤ側面に開口する細溝よりもタイヤ円周方向の一方、又は他方側において、細溝が開口するタイヤ側面形状よりもタイヤ幅方向外側に張り出す張出面を備え、張出面は、細溝の接地端から溝底を含むようにタイヤ半径方向に延長する構成とした。【選択図】図2
Description
本発明は、タイヤに関し、特に、大型ダンプトラック、建設車両等の重荷重車に使用される重荷重用タイヤの耐久性の向上に好適なタイヤに関する。
従来、特許文献1に示すような重荷重用タイヤが知られている。このようなタイヤでは、トレッドゲージを厚くすることで、摩耗ライフの向上が図られている。
しかしながら、トレッドゲージを厚くすると、トレッド部における発熱温度が上昇し、ベルト等の構造部材の耐久性を低下させ、タイヤとしての機能が損なわれる虞がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、トレッド部における発熱温度の上昇を抑制可能なタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、トレッド部における発熱温度の上昇を抑制可能なタイヤを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのタイヤの構成として、タイヤ円周方向沿って形成された周方向溝と、タイヤ円周方向に沿って所定の周期で設けられ、一端がタイヤ側面に開口し、他端が前記周方向溝に連通する横溝と、周方向溝と横溝とで区画されたブロックに、一端がタイヤ側面に開口し、他端が前記周方向溝と連通する細溝とを備えたタイヤであって、タイヤ側面に開口する細溝よりもタイヤ円周方向の一方、又は他方側において、細溝が開口するタイヤ側面形状よりもタイヤ幅方向外側に張り出す張出面を備え、張出面は、細溝の接地端から溝底を含むようにタイヤ半径方向に延長する構成とした。
本構成によれば、タイヤ側面を流れる空気が、細溝に強制的な空気の流れを生じさるため、トレッド部における発熱温度の上昇を抑制することができる。
また、タイヤの他の構成として、張出面は、細溝の溝深さの範囲でタイヤ半径方向に延長する第1張出面と、第1張出面よりもタイヤ半径方向の内側に設けられた第2張出面とを備え、第2張出面が第1張出面よりも細溝側に位置するようにタイヤ円周方向に位置ずれして設けるようにしても良い。
本構成によれば、タイヤ側面を流れる空気が、細溝に強制的な空気の流れを生じさるため、トレッド部における発熱温度の上昇を抑制することができる。
また、タイヤの他の構成として、張出面は、細溝の溝深さの範囲でタイヤ半径方向に延長する第1張出面と、第1張出面よりもタイヤ半径方向の内側に設けられた第2張出面とを備え、第2張出面が第1張出面よりも細溝側に位置するようにタイヤ円周方向に位置ずれして設けるようにしても良い。
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成を含むものである。
図1は、トレッド部の平面図及びタイヤの断面図を示す図である。図1に示すタイヤTは、重荷重用のタイヤに適用される構造である。
図1(b)に示すように、タイヤTは、コード部材を主体として形成されるビードコア12、カーカス14、ベルト16、チェーファー18と、ゴム部材を主体として形成されるビードフィラー20、ベルトアンダーゴム22、リムクッションゴム24、サイドゴム26、ベースゴム28、トレッドゴム30、インナーライナー32とを備える。
図1(b)に示すように、タイヤTは、コード部材を主体として形成されるビードコア12、カーカス14、ベルト16、チェーファー18と、ゴム部材を主体として形成されるビードフィラー20、ベルトアンダーゴム22、リムクッションゴム24、サイドゴム26、ベースゴム28、トレッドゴム30、インナーライナー32とを備える。
なお、以下の説明では、図1に示すように、タイヤ幅方向、タイヤ円周方向及びタイヤ半径方向として方向を説明する。また、タイヤ幅方向については、タイヤセンターCLを中心線として紙面向かって左右とし、タイヤセンターCL側を内側、左右の接地面Tmの端部Tt側を外側等として方向を定義する。また、説明の便宜上、図中矢印に示すようにタイヤTの回転方向を特定した。
ビードコア12は、リング状に形成され、タイヤTにおいて左右一対設けられる。カーカス14は、一枚以上のカーカスプライを重ねて構成され、各ビードコア12の内側から外側に巻き上げるように折り返され、ビードコア12間をトロイダル状に延在するように形成される。ベルト16は、一枚以上のベルトプライを重ねて構成され、トロイダル状に形成されたカーカス14のクラウン部を円周方向に巻き付けて設けられる。チェーファー18は、シート状に形成され、ビードコア12に巻き付けられたカーカス14の外側を包むように設けられる。
ビードフィラー20は、ビードコア12に折り返されたカーカス14の間に設けられる。ベルトアンダーゴム22は、ベルト16のタイヤ幅方向の各端部に、カーカス14との間に設けられる。リムクッションゴム24は、チェーファー18のタイヤ幅方向外側に設けられ、サイドゴム26は、リムクッションゴム24のタイヤ半径方向外側に設けられ、ベルトアンダーゴム22のタイヤ幅方向外側を覆うように設けられる。ベースゴム28は、ベルト16のタイヤ半径方向外側に設けられ、左右のサイドゴム26間に延在する。トレッドゴム30は、ベースゴム28のタイヤ半径方向外側に重ねて設けられ、左右のサイドゴム26のタイヤ半径方向外側を覆うように延在し、タイヤTにおけるトレッド部を形成する。インナーライナー32は、トロイダル状に形成されたカーカス14の内周の全域を覆うように設けられ、空気入りタイヤとしての気密性を付与する。
図1(a)に示すように、トレッドゴム30には、ブロックパターンで構成されたトレッドパターンが形成される。本実施形態に係るブロックパターンは、タイヤ円周方向にジグザグに延長する複数(本例では2本)の周方向溝40;42により、タイヤ円周方向に連続する2つのショルダー陸部50;52とセンター陸部54とを画成し、各陸部50;52;54にタイヤ幅方向に延長する横溝44;46;48をタイヤ円周方向に所定の間隔で複数配置することで形成される。
横溝44は、一端が一方のタイヤ側面Tsに開口し、他端が周方向溝40に連通するように一方のショルダー陸部50に形成され、タイヤ円周方向に所定の間隔で設けられる。つまり、ショルダー陸部50は、隣接する横溝44;44と周方向溝40とで区画されたショルダーブロック50Aがタイヤ円周方向に連続的に配置されたことで構成されている。
横溝46は、一端が他方のタイヤ側面Tsに開口し、他端が周方向溝42に連通するように他方のショルダー陸部52に形成され、タイヤ円周方向に所定の間隔で設けられる。つまり、ショルダー陸部52は、隣接する横溝46;46と周方向溝42とで区画されたショルダーブロック52Aがタイヤ円周方向に連続的に配置されたことで構成されている
。また、横溝48は、周方向溝40と周方向溝42とを連通するように、タイヤ幅方向に対して所定角度傾斜してセンター陸部54に形成され、タイヤ円周方向に所定の間隔で設けられる。つまり、センター陸部54は、隣接する横溝48;48と周方向溝40;42とで区画されたセンターブロック54Aがタイヤ円周方向に連続的に配置されたことで構成されている。
横溝46は、一端が他方のタイヤ側面Tsに開口し、他端が周方向溝42に連通するように他方のショルダー陸部52に形成され、タイヤ円周方向に所定の間隔で設けられる。つまり、ショルダー陸部52は、隣接する横溝46;46と周方向溝42とで区画されたショルダーブロック52Aがタイヤ円周方向に連続的に配置されたことで構成されている
。また、横溝48は、周方向溝40と周方向溝42とを連通するように、タイヤ幅方向に対して所定角度傾斜してセンター陸部54に形成され、タイヤ円周方向に所定の間隔で設けられる。つまり、センター陸部54は、隣接する横溝48;48と周方向溝40;42とで区画されたセンターブロック54Aがタイヤ円周方向に連続的に配置されたことで構成されている。
なお、本実施形態に係るブロックパターンは、車両へのタイヤ装着時に回転方向の指定がないように形成される。即ち、接地面Tmを平面視したときに、タイヤセンターCL上の任意の位置に設定した点周りに対称(点対称)となるように形成したものである。換言すれば、タイヤセンターCLから左側を180°回転させ、センターブロック54Aを区画する横溝48の位置を合わせして形成したものである。そして、例えば、周方向溝40側が車体外側、周方向溝42が車体側となるように車両に装着される。
周方向溝40は、タイヤ円周方向に対して交互に逆向きに傾斜しながらジグザグ状に延長する傾斜溝40Aと、傾斜溝40Bとで構成され、周方向溝42は、タイヤ円周方向に対して交互に逆向きに傾斜しながらジグザグ状に延長する傾斜溝42Aと、傾斜溝42Bとで形成される。本実施形態では、点対称のトレッドパターンであることから、周方向溝40の傾斜溝40Aが、周方向溝42の傾斜溝42Aに対応し、周方向溝40の傾斜溝40Bが、周方向溝42の傾斜溝42Bに対応する。
周方向溝40において傾斜溝40Aは、タイヤ回転方向に沿ってタイヤ幅方向外側から内側に向かって傾斜し、傾斜溝40Bは、タイヤ回転方向に沿ってタイヤ幅方向内側から外側に向かって傾斜して形成される。また、周方向溝42において傾斜溝42Aは、タイヤ回転方向に沿ってタイヤ幅方向内側から外側に向かって傾斜し、傾斜溝42Bは、タイヤ回転方向に沿ってタイヤ幅方向外側から内側に向かって傾斜して形成される。
横溝44は、タイヤ側面から弓なりにタイヤ幅方向に延長し、傾斜溝40Bと滑らかに連続するように形成され、横溝46は、タイヤ側面から弓なりにタイヤ幅方向に延長し、傾斜溝42Aと滑らかに連続するように形成される。
横溝48は、傾斜溝40B及び傾斜溝42Bと同一方向に傾斜するように形成される。横溝48の傾斜する角度は、タイヤ幅方向に対して傾斜溝40B及び傾斜溝42Bが交差する角度よりも小さな角度が設定され、傾斜溝40B及び傾斜溝42Bに接続される。
横溝48は、傾斜溝40B及び傾斜溝42Bと同一方向に傾斜するように形成される。横溝48の傾斜する角度は、タイヤ幅方向に対して傾斜溝40B及び傾斜溝42Bが交差する角度よりも小さな角度が設定され、傾斜溝40B及び傾斜溝42Bに接続される。
横溝44;46は、溝幅w44;w46(図3(b)参照)が、例えば、接続される傾斜溝40Bや傾斜溝42Bの溝幅よりも広く設定される。
前述の周方向溝40;42及び横溝48は、摩耗による使用限界の判断基準となる溝であって、タイヤTの使用限界を示すウェアインジケーターが設けられる。また、横溝44;46は、周方向溝40;42側が周方向溝40;42と同じ深さに形成され、タイヤ幅方向に行くに従って円弧状に漸次深くなるように形成される。つまり、横溝44;46は、タイヤ側面における開口部の溝深さh44zが周方向溝40;42側の溝深さh44よりも深くなるように、タイヤ側面においてタイヤ半径方向に大きく開口するように形成される(図3(b)参照)。
図2は、ショルダーブロックの外観斜視図である。図3は、図1(a)に示すA−A断面図及びタイヤ側面の平面図である。以下、図1乃至図3を用いてショルダーブロックの構成について説明するが、前述のように、本実施形態に係るトレッドパターンは、点対称であるので、周方向溝40及びタイヤ円周方向に隣接する横溝44;44により区画されたショルダーブロック50Aを用いて説明する。
図1(a),図2に示すように、ショルダーブロック50Aは、当該ブロックの延長方向に沿って延長する細溝60を備える。細溝60は、一端がタイヤ側面Tsに開口し、他端が周方向溝40の傾斜溝40Bに開口するように形成される。具体的には、細溝60は、傾斜溝40Aの溝壁m1に連続する横溝44の溝壁44aと、当該ショルダーブロック50Aを区画するもう一方の横溝44の溝壁44bとの中間を延長するように形成される。
細溝60は、延長方向の一端側から他端側まで、例えば、接地面Tmから同一の深さで形成される。図3(b)に示すように、細溝60の溝深さh60は、例えば、周方向溝40の溝深さh40の50%〜100%、好適には60%〜95%、さらに好適には65%〜90%、さらに好適には70%〜85%の範囲で形成すると良い。
また、細溝60の溝幅w60は、例えば、ショルダーブロック50Aを区画する横溝44;44のタイヤ円周方向の距離L1の2%〜8%、好適には3%〜7%、さらに好適には4%〜6%とすると良い。
なお、ショルダーブロック52Aにもショルダーブロック50Aと同様に細溝62が形成される。
図1(a)に示すように、センターブロック54Aは、当該ブロックを区画する横溝48の延長方向に沿って延長する細溝64を備える。細溝64は、一端が周方向溝40の傾斜溝40Aに開口し、他端が周方向溝42の傾斜溝42Aに開口するように形成される。細溝64は、当該ショルダーブロック50Aを区画する一方の横溝48の溝壁48aと、他方の横溝48の溝壁48bとの中間を延長するように形成される。
細溝64は、延長方向の一端側から他端側まで、接地面Tmから例えば、同一の深さで形成される。細溝64の溝深さh64は、例えば、周方向溝40の溝深さh40の50%〜100%好適には60%〜95%、さらに好適には65%〜90%、さらに好適には70%〜85%の範囲で形成すると良い。
また、細溝64の図外の溝幅w64は、例えば、ショルダーブロック50Aを区画する横溝44;44の中心線間の距離L2の2%〜8%、好適には3%〜7%、さらに好適には4%〜6%とすると良い。
また、細溝64の図外の溝幅w64は、例えば、ショルダーブロック50Aを区画する横溝44;44の中心線間の距離L2の2%〜8%、好適には3%〜7%、さらに好適には4%〜6%とすると良い。
前述のように、ショルダーブロック50A;52Aに細溝60;62を形成し、センターブロック54Aに細溝64を形成したことにより、ショルダーブロック50A;52A及びセンターブロック54Aは、摩耗により各細溝60;62が消滅しない範囲で、外観上2つの小ブロックを有するように形成される。
ショルダーブロック50A;52Aやセンターブロック54Aに細溝60;62;64を設けることにより、ショルダーブロック50A;52Aやセンターブロック54Aの表面積を大きくすることができ、トレッドゴム30の厚さを厚くした場合であっても放熱面積を広くすることができる。
また、図1乃至図3に示すように、ショルダーブロック52Aのタイヤ側面Ts側には、タイヤ幅方向に張り出す張出部70が設けられる。張出部70は、例えば、細溝60に対応して設けられる。
張出部70は、タイヤ円周方向に沿って均等な厚みで、タイヤ幅方向に突出する張出壁72を備える。張出壁72は、タイヤ半径方向外側に形成される第1張出壁73と、第1張出壁73に連続して、タイヤ半径方向内側に形成される第2張出壁74とを備える。
図3(a)に示すように、第1張出壁73は、断面視において、接地面Tmの端部Tt側からタイヤ半径方向内側に行くに従って、タイヤ側面Tsの基本形状Fよりもタイヤ幅方向に漸次張出量が多くなるように形成される。なお、基本形状Fとは、張出部70が形成されていない位置におけるタイヤ側面Tsの断面外形形状をいう。
図3(a),(b)に示すように、第1張出壁73は、タイヤ半径方向について、例えば、接地面Tmの端部Ttから細溝60の溝底60zまでタイヤ幅方向に延長した範囲で形成される。
また、図3(b)に示すように、第1張出壁73は、タイヤ円周方向について、タイヤ側面Tsに開口する細溝60のタイヤ回転方向後側の溝壁60bよりも距離L3後方から当該ショルダーブロック50Aを形成する横溝44のタイヤ回転方向前側の溝壁44bまで延長した範囲で形成される。
第1張出壁73のタイヤ回転方向前側の端面(以下張出面という)73Aは、例えば、タイヤ半径方向及びタイヤ幅方向に沿って延長する平面状に形成される。なお、張出面73Aは、該張出面73Aを形成する縁部81がタイヤ半径方向に延長することに限定されず、タイヤ半径方向に対して傾斜するように形成しても良く、後述の端面74Bを形成する縁部82と平行に延長させたりしても良い。また、第1張出壁73のタイヤ回転方向の端面73Bは、溝壁44bをタイヤ幅方向に連続的に延長した平面状に形成される。
第2張出壁74は、断面視において、第1張出壁73のタイヤ半径方向内側からさらにタイヤ半径方向内側に行くに従って、タイヤ側面Tsの基本形状Fよりもタイヤ半径方向に漸次張出量が少なくなるように形成される。
図3(a),(b)に示すように、第2張出壁74は、タイヤ半径方向について、第1張出壁73のタイヤ半径方向内側から、横溝44がタイヤ側面Tsに開口する開口溝底44xの位置よりも所定距離タイヤ半径方向外側において基本形状Fに連続するような範囲で形成される。即ち、第2張出壁74は、第2張出壁74と基本形状Fとの境界74zが開口溝底44xの位置よりもタイヤ半径方向外側に位置するように形成される。
また、図3(b)に示すように、第2張出壁74は、タイヤ円周方向について、タイヤ側面Tsに開口する細溝60のタイヤ回転方向後側の溝壁60bをタイヤ半径方向内側に延長した位置から当該ショルダーブロック50Aを形成する横溝44のタイヤ回転方向前側の溝壁44bまで延長する範囲で形成される。
第2張出壁74のタイヤ回転方向前側の端面(以下張出面という)74Aは、例えば、タイヤ半径方向及びタイヤ幅方向に沿って延長する平面状に形成される。また、第2張出壁74のタイヤ回転方向の端面74Bは、第1張出壁73の端面73Bと面一となるように平面状に形成される。
上述のように、張出面73A及び張出面74Aは、タイヤ回転方向に位置ずれ形成されているため、連結面76を介して接続される。連結面76は、例えば球面状に形成される。
図2に示すように、連結面76は、例えば、境界縁83をタイヤ円周方向に沿って延長した延長線f1と、端面74Bを形成する縁部82の延長線f2とが交差する交点pを中心とする球面により形成される。
図2に示すように、連結面76は、例えば、境界縁83をタイヤ円周方向に沿って延長した延長線f1と、端面74Bを形成する縁部82の延長線f2とが交差する交点pを中心とする球面により形成される。
連結面76を球面状とすることにより、張出面73A及び張出面74Aが、路面の凹凸や石等に接触したときに、張出面73Aと張出面74Aとの間に生じる亀裂を防ぐことができる。
このように、張出部70を設けたことにより、タイヤ側面Tsに沿って流れた空気は、張出面73A、張出面74A及び連結面76に衝突し、タイヤ半径方向やタイヤ幅方向に流れることになる。その中でもタイヤ幅方向内側に向けて流れた空気は、ショルダーブロック50Aに設けた細溝60に流入し、細溝60内に強制的な流れを生じさせ、各ショルダーブロック50Aを積極的に冷却することができる。
図4は、タイヤ接地時における張出部70の作用を示す図である。さらに、張出部70は、接地面Tmが路面3に設置したときに、車両の重さによって図中点線の状態から路面3に向けて押されて変形する。このとき連結面76は、路面3の方向に移動するため、連結面76、張出面73A及び路面3とで囲まれた範囲の空気を、路面3に向けて押し出すように動作し、押し出した空気を細溝60に流入させる。これにより、接地時以外の細溝60への空気の流入量よりも多くすることができる。このように、タイヤTの発熱の主たる要因となるタイヤTの接地時に、空気を細溝60の流入させることにより、各ショルダーブロック50Aを冷却することができる。その結果としてトレッド部における発熱を抑制することになり、タイヤTの耐久性を向上させることができる。
次に、ショルダーブロック52Aに設けられた張出部70の機能について説明する。本実施形態では、トレッドパターンを点対称としたことにより、ショルダーブロック52Aに設けられた張出部70は、細溝62のタイヤ回転方向前側に位置することになる。即ち、細溝62における張出面73A及び張出面74Aは、タイヤ回転方向の後側となる。
この場合、タイヤ側面Tsを流れ、張出部70を過ぎた空気により、張出面73A及び張出面74A側は、負圧となり、細溝62の空気を吸い出すように作用する。
したがって、上述のショルダーブロック52Aを用いて説明したときと同様に、細溝62に強制的な流れを生じさせることができるため、ショルダーブロック52Aを内側から冷却することができる。
したがって、上述のショルダーブロック52Aを用いて説明したときと同様に、細溝62に強制的な流れを生じさせることができるため、ショルダーブロック52Aを内側から冷却することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、ブロックパターンが形成されたタイヤTのショルダーブロック50A;52Aに、タイヤ側面Tsに開口する細溝60;62を設けるとともに、細溝60;62に対応してタイヤ幅方向に張り出す張出部70を設けたことにより、細溝60;62に、空気の強制的な流れを生じさせることができる。これにより、ショルダーブロック50Aは、該ショルダーブロック50Aを区画する横溝44;44及び周方向溝40を流れる空気によって外側から冷却されるとともに、強制的に細溝60を流れる空気によって内側から冷却されることになる。また、ショルダーブロック52Aは、該ショルダーブロック52Aを区画する横溝46;46及び周方向溝42を流れる空気によって外側から冷却されるとともに、強制的に細溝60を流れる空気によって内側から冷却されることになる。したがって、トレッドゴム30の厚さを厚くしてもトレッド部の温度の上昇を抑制することができ、タイヤTの耐久性を向上させることができる。
図5は、張出部70の他の形態を示す図である。
なお、上記実施形態では、張出部70は、タイヤ円周方向に均一な厚みで形成するものとして説明したが、これに限定されない。例えば、図5に示すように、タイヤ回転方向後側に行くにしたがって、薄く形成しても良い。即ち、第1張出壁73及び第2張出壁74の後端側の端面をなくすように形成しても良い。
なお、上記実施形態では、張出部70は、タイヤ円周方向に均一な厚みで形成するものとして説明したが、これに限定されない。例えば、図5に示すように、タイヤ回転方向後側に行くにしたがって、薄く形成しても良い。即ち、第1張出壁73及び第2張出壁74の後端側の端面をなくすように形成しても良い。
また、上記実施形態では、張出部70は、タイヤ半径方向について、接地面Tmの端部Ttから横溝44がタイヤ側面Tsに開口する開口溝底44x位置よりも所定距離タイヤ半径方向上側において基本形状Fに連続するような範囲で形成されるものとして説明したがこれに限定されず、少なくとも接地面Tmの端部Ttから細溝60の溝底60zまでを含むように形成すると良い。
図6は、張出部70の他の形態を示す図である。上記実施形態では、連結面76を球面状に形成するものとして説明したが、これに限定されない。例えば、図6に示すように、連結面76は、張出面73A及び張出面74Aに直交する平面としても良く、タイヤ円周方向に沿う円弧面としても良い。
また、張出部70は、例えば、タイヤ半径方向について接地面Tmの端部Ttからタイヤ最大幅部Twまで延長して形成しても良い。好ましくは、接地面Tmの端部Ttからタイヤ最大幅部Twまでの距離L4の50%〜80%、好適には55%〜75%、さらに好適には60%〜70%の範囲で、接地面Tmの端部Ttから形成すると良い。
図7は、張出部70の他の形態を示す図である。また、張出部70は、タイヤ幅方向について、接地面Tmの端部Ttからタイヤ半径方向に行くに従って、タイヤ幅方向に漸次張り出すものとして説明したがこれに限定されない。例えば、図7に示すように、接地面Tmの端部Ttにおいて予めタイヤ幅方向に張り出すようにして、張出面73Aを図3(a)に示した、略三角形状から四角形状としても良い。
本実施形態に係る張出部70を備えたタイヤTは、特に、連続運行時間が長く、加えてタイヤに係る荷重の大きいトラックやバス、建設車両等の重荷重用タイヤとして好適である。
3 路面、12 ビードコア、14 カーカス、16 ベルト、18 チェーファー、
20 ビードフィラー、22 ベルトアンダーゴム、24 リムクッションゴム、
26 サイドゴム、28 ベースゴム、30 トレッドゴム、32 インナーライナー、
40 周方向溝、42 周方向溝、44 横溝、44x 開口溝底、
46 横溝、48 横溝、
50 ショルダー陸部、50A ショルダーブロック、52 ショルダー陸部、
52A ショルダーブロック、54 センター陸部、54A センターブロック、
60 細溝、60b 溝壁、60z 溝底、62 細溝、64 細溝、
70 張出部、72 張出壁、
73 第1張出壁、73A 端面(張出面)、
74 第2張出壁、74A 端面(張出面)、76 連結面、83 境界縁、
CL タイヤセンター、F 基本形状、
L1 距離、L2 距離、L3 距離、L4 距離、m1 溝壁、n1 溝壁、
T タイヤ、Tm 接地面、Ts タイヤ側面、Tt 端部、Tw タイヤ最大幅部。
20 ビードフィラー、22 ベルトアンダーゴム、24 リムクッションゴム、
26 サイドゴム、28 ベースゴム、30 トレッドゴム、32 インナーライナー、
40 周方向溝、42 周方向溝、44 横溝、44x 開口溝底、
46 横溝、48 横溝、
50 ショルダー陸部、50A ショルダーブロック、52 ショルダー陸部、
52A ショルダーブロック、54 センター陸部、54A センターブロック、
60 細溝、60b 溝壁、60z 溝底、62 細溝、64 細溝、
70 張出部、72 張出壁、
73 第1張出壁、73A 端面(張出面)、
74 第2張出壁、74A 端面(張出面)、76 連結面、83 境界縁、
CL タイヤセンター、F 基本形状、
L1 距離、L2 距離、L3 距離、L4 距離、m1 溝壁、n1 溝壁、
T タイヤ、Tm 接地面、Ts タイヤ側面、Tt 端部、Tw タイヤ最大幅部。
Claims (2)
- タイヤ円周方向沿って形成された周方向溝と、
タイヤ円周方向に沿って所定の周期で設けられ、一端がタイヤ側面に開口し、他端が前記周方向溝に連通する横溝と、
前記周方向溝と前記横溝とで区画されたブロックに、一端がタイヤ側面に開口し、他端が前記周方向溝と連通する細溝とを備えたタイヤであって、
タイヤ側面に開口する前記細溝よりもタイヤ円周方向の一方、又は他方側において、前記細溝が開口するタイヤ側面形状よりもタイヤ幅方向外側に張り出す張出面を備え、
前記張出面は、
前記細溝の接地端から溝底を含むようにタイヤ半径方向に延長することを特徴とするタイヤ。 - 前記張出面は、
前記細溝の溝深さの範囲でタイヤ半径方向に延長する第1張出面と、前記第1張出面よりもタイヤ半径方向の内側に設けられた第2張出面とを備え、
前記第2張出面が前記第1張出面よりも前記細溝側に位置するようにタイヤ円周方向に位置ずれして設けられたことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
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