JP2020128510A - 繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物、繊維強化プラスチック中間基材、及び前記繊維強化プラスチック中間基材の製造方法 - Google Patents

繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物、繊維強化プラスチック中間基材、及び前記繊維強化プラスチック中間基材の製造方法 Download PDF

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【課題】本発明は、ボイドを極力抑制することが可能な、優れたFRP機械物性を与える繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物は、下記(A)と(B)とを配合してなることを特徴とする。2個以上のイソシアネート基を有する化合物(a)を含む組成物(A)、下記(b1)を必須成分とし、さらに(b2)及び(b3)を含むことができる組成物(B)。(b1)エチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物(b2)2個以上のイソシアネート反応性基を有する化合物(b3)重合禁止剤。【選択図】なし

Description

本発明は、繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物、繊維強化プラスチック中間基材、及び前記繊維強化プラスチック中間基材の製造方法に関し、特に硬化性に優れる繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物、繊維強化プラスチック中間基材、及び前記繊維強化プラスチック中間基材の製造方法に関する。
繊維強化プラスチック(Fiber reinforced plastic : FRP)は軽量で高強度であることから、様々な構造部材に使用されている。それらの分野は、住宅設備、自動車、船舶、土木、スポーツ用具等多岐にわたるが、近年特に軽量化を要する自動車や輸送関連機器分野でFRPの使用が増加している。
FRPの製造には樹脂と繊維が用いられるが、液状の樹脂と繊維(又は織物)を使用して成形する方法とあらかじめ樹脂を繊維に含浸させBステージ化した中間基材(SMC(Sheet molding compound)、プリプレグ)を使用する方法がある。中間基材を用いて成形する方法としてはオートクレーブ成形、シートワインディング成形、オーブン成形、プレス成形などがある。これらの成形においては、中間基材をカットし、目標の厚みまで積層し熱をかけて硬化させる成形法である。
一方、ウレタン(メタ)アクリレート化合物は、炭素繊維との接着性に優れることは従来から知られており、炭素繊維のサイジング剤として用いられている(例えば特許文献1)。また、ウレタン(メタ)アクリレート化合物は強化繊維との接着性が良好であるため、強化繊維との接着性の劣る樹脂と混合して用いることが提案されている(例えば特許文献2)。
特開平11−200252号公報 特開昭62−292839号公報
しかし、上述の特許文献1及び2に記載のウレタン(メタ)アクリレート化合物は、強化繊維との複合材料としたときに十分な機械物性を得ることができないため、実用的な機械的強度を有する成形品を得られないという課題があった。
また、プリプレグシートのマトリックス樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂などがあるが、FRP機械物性、硬化性、表面性などをバランスよく満たすマトリックス樹脂が無いのが現状である。例えばエポキシ樹脂をマトリックスとするプリプレグシートは、機械物性に優れるが、硬化の際、高温で且つ長時間を要すること、保管性に乏しいことが課題としてあり、ビニルエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂は、硬化性、保管性に優れるが機械物性が不十分であるという問題点を有する。
さらに、従来の中間基材を用いて成形する方法においては、成形品中のボイドを完全に無くすことができない問題がある。成形品中にボイドが残存すると欠陥部位となり強度低下を招いてしまう。このボイドを極力減らすには積層枚数を減らす、すなわち単位面積重量が大きい中間基材を使用することが解決策となるが、現状の製法には限界がある。Bステージ化の手法としては、粘度の高い半固形の樹脂をホットメルトして高温で繊維に含浸させる方法、粘度の高い半固形の樹脂を溶剤に希釈して、常温で含浸させて溶剤を除去する方法、反応性希釈剤にオリゴマーを溶解させた樹脂に増粘剤を加え、常温で含浸させ化学的に増粘させる方法があるが、いずれの方法も中間基材の単位面積重量に限界がある。反応性希釈剤にオリゴマーを溶解させた樹脂を用いる方法においては、反応性希釈剤の量を増量して含浸時の粘度を低くすることもできるが、硬化収縮が大きくなるため寸法安定性の高いFRPを得ることができない問題がある。
そこで、本発明は、上記問題点を解決し、ボイドを極力抑制することが可能な、優れたFRP機械物性を与える繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、ラジカル重合性化合物を少なくとも含む組成物について種々の観点から多角的に検討を重ねた結果、本発明の繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物を見出すに至った。
すなわち、本発明の繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物は、下記(A)と(B)とを配合してなることを特徴とする。2個以上のイソシアネート基を有する化合物(a)を含む組成物(A)、下記(b1)を必須成分とし、さらに(b2)及び(b3)を含むことができる組成物(B)。
(b1)エチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物
(b2)2個以上のイソシアネート反応性基を有する化合物
(b3)重合禁止剤。
また、本発明の繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物の好ましい実施態様において、さらに、重合開始剤(C)、及び/又はウレタン化触媒(D)が、前記組成物(A)又は(B)に配合されていることを特徴とする。
また、本発明の繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物の好ましい実施態様において、さらに、前記組成物(A)中のイソシアネート基モル数に対する前記組成物(B)中のイソシアネート反応性基モル比(B/A)が0.8〜1.2であることを特徴とする。
また、本発明の繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物の好ましい実施態様において、前記組成物(A)又は(B)がイソシアネート反応性基を含まない重合性単量体(E)を含むことを特徴とする。
また、本発明の繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物の好ましい実施態様において、前記組成物(A)と(B)の合計重量に対して重合性単量体(E)の含有量が0〜40重量%であることを特徴とする。
また、本発明の繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物の好ましい実施態様において、B型粘度計で測定された10〜50℃における前記組成物(A)と(B)の混合物である液状組成物の粘度が5〜200mPa・sであることを特徴とする。
また、本発明の繊維強化プラスチック中間基材は、本発明の繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物を繊維材料に含浸してなることを特徴とする。
また、本発明の繊維強化プラスチック中間基材の製造方法は、本発明の液状組成物を任意の組成で繊維材料に含侵させる工程と、前記含侵させて得られた繊維強化プラスチック中間基材を熟成させる工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の繊維強化プラスチック中間基材の製造方法の好ましい実施態様において、前記熟成の温度は、30〜80℃であることを特徴とする。
また、本発明の繊維強化複合材料は、本発明の繊維強化プラスチック中間基材を硬化させてなることを特徴とする。
本発明の繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物によれば、前記液状組成物が基材への含浸性に優れ、硬化時の収縮が小さく寸法安定性に優れる中間基材を与えることが可能であるという有利な効果を奏する。また、本発明によれば、得られた中間基材は機械物性に優れ、ボイドや未含浸部位がほとんど無い信頼性の高い複合材料を与えることが可能であるという有利な効果を奏する。又、本発明の中間基材は硬化性と保管性に優れるという有利な効果も奏する。
また、本発明によれば、低粘度で含浸性に優れた液状組成物を用いる本発明により、単位面積重量の大きい中間基材を製造することができるという有利な効果を奏する。さらに、本発明によれば、単位面積重量の大きい中間基材に関し、積層回数を減らしボイドの極力少ない高強度なFRP、寸法安定性に優れるFRPを提供することが可能であるという有利な効果を奏する。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、何ら以下の説明に限定されるものではない。本発明において「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」を示す。同様に「(メタ)アクリル酸エステル」は、「アクリル酸エステル」及び「メタクリル酸エステル」を示す。
すなわち、本発明の繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物は、下記(A)と(B)とを配合してなることを特徴とする。2個以上のイソシアネート基を有する化合物(a)を含む組成物(A)、下記(b1)を必須成分とし、さらに(b2)及び(b3)を含むことができる組成物(B)。
(b1)エチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物
(b2)2個以上のイソシアネート反応性基を有する化合物
(b3)重合禁止剤。
まず、組成物(A)について記載する。組成物(A)は、2個以上のイソシアネート基を有する化合物(a)を含む組成物である。
本発明に適用できる2個以上のイソシアネート基を有する化合物(a)としては、例えば、1,3−キシリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、m−テトラメチルキシレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート化合物、水添キシリレンジイソシアネート(1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン)、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添メチレンビスフェニレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、等の脂環族イソシアネート化合物、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート化合物、2官能イソシアネート化合物が3量化されたイソシアヌレート環を有する3官能イソシアネート、ポリオールで変性されたイソシアネートプレポリマー等を挙げることができる。これらのイソシアネート化合物は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。このうち、粘度及び反応性の観点から、脂肪族イソシアネート化合物が特に好ましく、例えば、イソホロンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートと2個以上のイソシアネート反応性基を有する化合物(b2)をイソシアネート基過剰で反応させたイソシアネート基を有するプレポリマーなどが挙げられる。
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族系イソシアネートを使用する場合は、組成物(B)に配合される2個以上のイソシアネート反応性基を有する化合物(b2)が2級、3級の水酸基を有する化合物であることが好ましい。2級又は3級の水酸基を有する化合物として、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール又はそれらのアルコールを用いたプレポリマー、ポリエステルポリオールなどが挙げられる。芳香族系イソシアネートを使用する場合、組成物(B)中の2個以上のイソシアネート反応性基を有する化合物(b2)全てに1級水酸基を有するアルコールやアミノ化合物を用いると、混合後の増粘が速すぎて十分に液状組成物が含浸した単位面積重量の大きい中間基材が得られない虞がある。
組成物(A)と(B)を混合後に増粘が速すぎる場合は、反応を抑えるためにウレタン化触媒(D)を配合しないことや、該液状組成物粘度が範囲を超えない程度の低温で中間基材を製造することも可能である。
次いで組成物(B)について記載する。組成物(B)は、エチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物(b1)、2個以上のイソシアネート反応性基を有する化合物(b2)と重合禁止剤(b3)の任意の割合で含むことができる組成物である。組成物(B)は、エチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物(b1)が必須成分であり、2個以上のイソシアネート反応性基を有する化合物(b2)及び重合禁止剤(b3)は必要に応じて配合することができる。組成物(B)に配合されるエチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物(b1)、2個以上のイソシアネート反応性基を有する化合物(b2)は繊維への含浸温度(10〜50℃の範囲で任意の温度)で液状のものが好ましいが、組成物(B)として該液状組成物となるのであれば固形の材料を用いてもよい。
エチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物(b1)とは水酸基を含有する(メタ)アクリル酸エステルのことであり、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジアクリル化イソシアヌレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチル-フタル酸などが挙げられる。
これらのエチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物(b1)は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。又、これらエチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物(b1)のうち、液状組成物の粘度や硬化物の機械物性の点から2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましい。又、耐熱性を必要とする場合は、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが好ましい。
2個以上のイソシアネート反応性基を有する化合物(b2)としては、脂肪族アルコール、エーテル化ジフェノール、及びポリエステルポリオール、アミノ基含有化合物等が挙げられる。
脂肪族アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−メチルプロパン−1,3−ジオール、2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,7−へプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。環状脂肪族アルコールとしては、水添ビスフェノールA、トリシクロデカンジメタノール、スピログリコールなどが挙げられる。このうち、液状組成物の粘度や増粘性、硬化物の機械物性の点からエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリシクロデカンジメタノール、トリメチロールプロパンを使用することが好ましい。
エーテル化ジフェノールとしては、例えばビスフェノールAとアルキレンオキサイドを付加反応させて得られるジオール、ビスフェノールAとアルキレンオキサイドの付加物を臭素化させて得られるジオールなどが挙げられる。該アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドであり、該アルキレンオキサイドの平均付加モル数がビスフェノールAの1モルに対して2〜16モルであるものが好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、不飽和及び又は飽和酸と、前述の脂肪族アルコール、及びエーテル化ジフェノールとを重縮合させたものが挙げられる。不飽和酸としては、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸が挙げられる。飽和酸としては、オルソフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸、イタコン酸、ビフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、5−tert−ブチル−1,3−ベンゼンジカルボン酸及びこれらの酸無水物、低級アルキルエステル、酸ハロゲン化物などのようなエステル形成性誘導体が挙げられる。樹脂粘度と硬化物の機械物性の点から、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸及びそれらのエステル形成性誘導体から選ばれる1種以上とエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリシクロデカンジメタノール、トリメチロールプロパンから選ばれる1種以上との重縮合により得られるポリエステルポリオールが特に好ましい。
アミノ基含有化合物としては、アルカノールアミン、ポリアミンが挙げられる。アルカノールアミンとしては、炭素数2〜20のジ−及びトリ−アルカノールアミンが挙げられ、具体的にはジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びイソプロパノールアミンなどが挙げられる。ポリアミンとしては、脂肪族アミンとして、炭素数2〜6のアルキレンジアミンや炭素数4〜20のポリアルキレンポリアミンが挙げられ、具体的には、エチレンジアミン、プロピレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン、アルキレン基の炭素数が2〜6のジアルキレントリアミン〜ヘキサアルキレンヘプタミン、例えば、ジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラミンなどが挙げられる。又、炭素数6〜20の芳香族ポリアミンとして、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、メチレンジアニリン及びジフェニルエーテルジアミン、炭素数4〜20の脂環式ポリアミンとして、イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミン及びジシクロヘキシルメタンジアミン、炭素数4〜20の複素環式ポリアミンとしてピペラジン及びアミノエチルピペラジンなども挙げられる。
又、該液状組成物の粘度範囲で、イソシアネート反応性基を有するポリマー、オリゴマーを配合することも可能である。例えば、エポキシ基含有化合物と(メタ)アクリレートを反応させたビニルエステルや、水酸基含有アクリルポリマーなどが挙げられる。
これら2個以上のイソシアネート反応性基を有する化合物(b2)として、脂肪族アルコール、エーテル化ジフェノール、及びポリエステルポリオール、アミノ基含有化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
重合禁止剤(b3)としては、例えば、ハイドロキノン、パラベンゾキノン、メチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、トルハイドロキノン等の公知の多価フェノール系重合禁止剤が使用できる。
また、本発明の繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物の好ましい実施態様において、さらに、重合開始剤(C)、及び/又はウレタン化触媒(D)が、前記組成物(A)又は(B)に配合されていることを特徴とする。
また、本発明の繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物の好ましい実施態様において、前記組成物(A)又は(B)がイソシアネート反応性基を含まない重合性単量体(E)を含むことを特徴とする。
まず、重合開始剤(C)、ウレタン化触媒(D)及びイソシアネートを含まない重合性単量体(E)について記載する。これらの成分はそれぞれ、組成物(A)又は(B)のどちらにも配合できる。重合開始剤(C)は、後述する繊維強化複合材料化において、ラジカル重合により中間基材を硬化する際に、必須成分とすることができる。
ウレタン化触媒(D)及びイソシアネートを含まない重合性単量体(E)は必要に応じて配合することができる。
重合開始剤(C)としては有機過酸化物系が挙げられ、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド系、ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド系、t−ブチルパーオキシベンゾエートなどのパーオキシエステル系、クメンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド系、ジクミルパーオキサイドなどジアルキルパーオキサイド系、ビス(4−ターシャリーブチロイルヘキシル)パーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート系などが挙げられる。
又、中間基材に光硬化性を付与する場合は、光硬化用の開始剤を使用することが可能で、例えばアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノンなどのアセトフェノン系、α−アルキルアミノベンゾフェノンなどのアミノベンゾフェノン系、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、ベンゾインメチルエーテルなどのベンゾインエ−テル系、ベンジルジメチルケタールなどのベンジルケタール系、2−エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノンなどのアントラキノン系、クメンパーオキシドなどの有機過酸化物、2−メルカプトベンゾイミダールなどのチオール化合物、アセトフェノンo-ベンゾイルオキシムなどのo-アシルオキシム系などが挙げられる。
これらは中間基材の熟成温度、成型温度、保管温度から適宜に選択することができ、単独又は2種以上混合して使用することができる。
重合開始剤(C)の添加量は、液状組成物100重量部に対して、0.05〜5重量部である。重合開始剤(C)は、組成物(B)に配合することがきるが、組成物(B)にはエチレン性不飽和基を有する化合物が配合されるため、組成物(B)としての貯蔵安定性を考慮すると、組成物(A)に配合するほうが好ましい。
ウレタン化触媒(D)には酸性触媒、塩基性触媒が使用できるが、活性の高いジブチル錫ジラウレートやジブチル錫ジアセテートなどのスズ化合物が好ましい。触媒の添加量は、選択する他の原料によって異なるが、熟成時の発熱及びウレタンアクリレート形成の速度、中間基材の貯蔵安定性、硬化物の機械物性の観点から、液状組成物重量に対して、0〜800ppmである。
イソシアネート反応性基を含まない重合性単量体(E)としては、イソシアネート基と常温で反応しないものが好ましく、イソシアネート基と常温で反応しない重合性単量体(E)としては、ビニルモノマーや単官能(メタ)アクリル酸エステル、多官能(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。イソシアネート基と反応する重合性単量体を配合すると保管時に反応して粘度が上昇し作業性が悪くなる虞や十分な機械物性を得ることができない虞がある。
ビニルモノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、酢酸ビニルなどが挙げられ、又、単官能(メタ)アクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、ベンジル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートなど、多官能(メタ)アクリル酸エステルとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレンジ(メタ)アクリレート、ノルボルネンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートなどが挙げられる。これらの重合性単量体(E)は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。中間基材としてのタック性や臭気、その硬化物の機械物性の点からジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレンジ(メタ)アクリレート、ベンジルメタクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートの適用が好ましい。
また、本発明の繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物の好ましい実施態様において、前記組成物(A)と(B)の合計重量に対して重合性単量体(E)の含有量が0〜40重量%であることを特徴とする。すなわち、重合性単量体(E)の配合量は、中間基材として目標とする粘度特性やタック性に対し、熟成で得られるウレタンアクリレートに合わせて、液状組成物中に0〜40重量%の範囲で調整されることができる。中間基材の硬化収縮を小さくする観点からすると、0〜20重量%が好ましい。
また、本発明の繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物の好ましい実施態様において、優れたFRP機械物性を与えるという観点から、さらに、前記組成物(A)中のイソシアネート基モル数に対する前記組成物(B)中のイソシアネート反応性基モル比(B/A)が0.8〜1.2、好ましくは、0.9〜1.1であることを特徴とする。
また、本発明の繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物の好ましい実施態様において、B型粘度計で測定された10〜50℃における前記組成物(A)と(B)の混合物である液状組成物の粘度が5〜200mPa・sであることを特徴とする。すなわち、本発明の液状組成物の粘度は、前記組成物(A)と(B)を混合した時点で、10〜50℃で5〜200mPa・sが好ましく、目的とする中間基材の単位面積重量にもよるが、特に5〜100mPa・sが好ましい。粘度が200mPa・sを越えると単位面積重量の大きい基材への含浸が悪くなり、未含浸部位ができてしまい好ましくない。
本発明の液状組成物は熟成により、ウレタン(メタ)アクリレートへと変化するが、そのウレタンアクリレートのエチレン性不飽和基当量は、特に限定はしないが、1000g/eq未満が好ましい。1000g/eq以上となると、機械物性(曲げ強さ、引張り強さ、圧縮強さ、層間せん断強さ)のバランスが悪くなり、成形品の耐熱性が低くなる虞がある。
本発明の液状組成物には、粘弾性の調整や機械物性の向上を目的に無機粒子やゴム粒子を配合してもよい。無機粒子としては、特に限定されないが炭酸カルシウム、アルミナ、タルク、酸化チタン、シリカ等が挙げられる。ゴム成分としては、特に限定されないが架橋ゴム粒子、ゴム成分が架橋ポリマーに包まれたコアシェルゴム粒子が挙げられる。これらの配合量は液状樹脂組成物の粘度にもよるが2〜80重量%、好ましくは2〜75重量%である。
更に本発明の液状組成物には、FRPのさらなる機械強度、衝撃性向上のためにカーボンナノチューブを配合することができる。カーボンナノチューブは液状組成物の粘度、塗工性の観点から単層のカーボンナノチューブが好適で、その配合量はFRP中の単層カーボンナノチューブが0.05〜0.5重量%となるようにするとよい。
更に本発明の液状組成物には必要に応じて低収縮剤、内部離型剤、成分分散剤などを配合することができる。これらの配合物は、溶解性の観点から液状のものが好ましいが、熱を加えて組成物に溶解すれば固形でも良い。
また、本発明の繊維強化プラスチック中間基材は、本発明の繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物を繊維材料に含浸してなることを特徴とする。
本発明の中間基材に用いられる繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ザイロン繊維、ボロン繊維、バサルト繊維、セルロース等が挙げられるが、これらには限定されない。又、強化繊維含有率は10〜90重量%、機械特性と成形性の面から、好ましくは30〜80重量%が望ましい。強化繊維の表面処理剤、形状(一方向、クロス、NCF、不織布等)については限定がない。又、繊維基材と繊維基材の間にコア材を挟み込むことも可能である。コア材の例としては、発泡不織布、ハニカムコアマットなどが挙げられる。
また、本発明の繊維強化プラスチック中間基材の製造方法は、本発明の液状組成物を任意の組成で繊維材料に含侵させる工程と、前記含侵させて得られた繊維強化プラスチック中間基材を熟成させる工程と、を含むことを特徴とする。本発明において、特に限定されないが、例えば、10〜60℃までの温度で前記液状組成物を任意の組成で繊維材料に含侵させることができる。また、本発明において、必要に応じて、さらにフィルムで挟み、ローラー圧力で前記液状組成物を前記繊維材料に含浸させて、ロール状、又は綴ら状にしてもよい。その後、前記含侵させて得られた繊維強化プラスチック中間基材を熟成させることができる。すなわち、本発明においては、熟成の間に液状組成物が繊維又は織物に含浸した状態でウレタンアクリレートが形成されることが可能となる。従来においては、一度ウレタンアクリレートを形成させた上で、繊維等に含侵していたが、驚くべきことに、本発明の液状組成物は、繊維又は織物等に含浸した状態で、熟成という工程を経てウレタンアクリレートが形成されることを本発明者らは見出したものである。これにより、本発明においては、液状組成物と繊維とをより強固も結合させることが可能となり、後述する実施例により明らかなように、より良好な含侵性、硬化性、及び機械物性等を発揮し得るという有利な効果を奏するものである。
好ましい実施態様において、ウレタンアクリレート化の促進とラジカル重合反応抑制の観点から、前記熟成の温度は、30〜80℃とすることができる。このように、液状組成物をフィルム上に塗工し、その塗工面に繊維又は織物をのせ更にフィルムで挟み、ローラーで圧力をかけ液状組成物を繊維又は織物に含浸させることができる。なお、塗工場所から塗布物が繊維又は織物に接触するまでは、塗布物が一定の幅を保つために防波堤状の冶具があるのが好ましい。もしくは、繊維又は織物に液状組成物を滴下又は噴霧し更にフィルムで挟み、ローラーで圧力をかけ液状組成物を繊維又は織物に含浸させることができる。これらの方法で含浸させたものをロール状、又は綴ら状にし、炉(30〜80℃)にて熟成させることができる。
また、本発明の繊維強化複合材料は、本発明の繊維強化プラスチック中間基材を硬化させてなることを特徴とする。
ウレタンアクリレートが繊維上に形成された本発明の中間基材の硬化物は、熱と圧力を加えて加熱硬化させることにより得られることができる。すなわち、ラジカル重合による硬化を行うことが可能である。熱と圧力を加える成形方法としては、オートクレーブ成形、オーブン成形、シートワインディング成形、プレス成形等がある。液状組成物中の重合開始剤の種類にもよるが成形温度は、70〜180℃、好ましくは100〜150℃で時間は3〜60分であることが好ましく、圧力は0.1〜10MPaが好ましい。
以下、実施例により本発明の一実施態様についてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。本実施例において「部」は特に断らない限り重量部である。実施例では、中間基材の例として、プリプレグおよびC−SMC(カーボンSMC(Sheet Molding Compound))を作成した。
〔合成例〕
2個以上のイソシアネート反応性基を有する化合物(b2)の合成1
(ポリエステルポリオール1の合成)
温度計、撹拌機、気体導入管、及び還流冷却器を備えた5つ口フラスコに、無水フタル酸582.6部、エチレングリコール488.3部を仕込み、窒素流下(0.5L/min)で撹拌しながら5時間かけて210℃まで徐々に加温し、210℃に達した時点で6時間重縮合反応させた。反応溶液の酸価が5mgKOH/g以下になった時点で反応を終了し、ポリエステルポリオール1を得た。
2個以上のイソシアネート反応性基を有する化合物(b2)の合成2
(ポリエステルポリオール2の合成)
温度計、撹拌機、気体導入管、及び還流冷却管を備えた5つ口フラスコに、テレフタル酸533.9部、ネオペンチルグリコール635.9部、トリプロピレングリコール61.8部を仕込み、窒素流下(0.5L/min)で撹拌しながら14時間かけて240℃まで徐々に加温し、210℃に達した時点で3時間重縮合反応させた。反応溶液の酸価が5mgKOH/g以下になった時点で反応を終了し、ポリエステルポリオール2を得た。
2個以上のイソシアネート反応性基を有する化合物(b2)の合成3
(ポリエステルポリオール3の合成)
温度計、撹拌機、気体導入管、及び還流冷却管を備えた5つ口フラスコに、無水フタル酸524.7部、プロピレングリコール539.1部を仕込み、窒素流下(0.5L/min)で撹拌しながら7時間かけて210℃まで徐々に加温し、210℃に達した時点で6時間重縮合反応させた。反応溶液の酸価が5mgKOH/g以下になった時点で反応を終了し、ポリエステルポリオール3を得た。
比較合成例1
(ウレタン(メタ)アクリレート(UA−1)の合成)
温度計、撹拌機、気体導入管、及び還流冷却器を備えた5つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(エボニック社製)550.2部、上記ポリエステルポリオール2を391.7部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(共栄社製ライトエステルHOP(N))379.3部、ジエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学社製、NKエステル2G)163.4部、トルハイドロキノン0.1部、及び4−メチル−2,6−ジターシャリーブチルフェノール0.4部、ジブチル錫ジラウレート0.2部を仕込み、乾燥空気流下(0.2L/min)、温度108〜112℃で反応させた。反応は、IRにて追跡し、イソシアネート基の吸収(2270cm−1付近)が一定になったところを終点とした。反応には3時間を要した。(液状組成物中のイソシアネート基モル数に対するイソシアネート反応基モル数の割合は0.94、熟成後に形成されたウレタン(メタ)アクリレートの理論エチレン性不飽和基当量は502g/eq、粘度は80℃で約12Pa・s)。
比較合成例2
(エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(EA−1)の合成)
温度計、撹拌機、気体導入管、及び還流冷却器を備えた5つ口フラスコにビスフェノールA型エポキシ化合物(JER「#1001」)689.9部 、メタクリル酸127.6部、2−メチルイミダゾール1.6部、モノメチルエーテルハイドロキノン0.8部を仕込み、空気流下(0.2L/min)、温度110〜120℃に保持し10時間反応させた。その後、ジエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学社製、NKエステル2G)180.0部で希釈し酸価2.4mg/KOHのエポキシアクリレート樹脂を得た。
〔液状組成物の調製〕
組成物Aと組成物Bをそれぞれ調製した。
〈組成物Aの調製〉
液状組成物A(x−1)の調製 (実施例1、11に用いる組成物(c−1)調製用)
容器にイソホロンジイソシアネート(エボニック社製)975.6部とパーブチルE(日油社製モノオキシカーボネート系有機過酸化物)24.4部を配合し、均一溶液になるまで常温で撹拌し、組成物A(x−1)を得た。
液状組成物A(x−2)の調製 (実施例2、12に用いる組成物(c−2)調製用)
容器にイソホロンジイソシアネート(エボニック社製)977.5部とパーブチルE(日油社製モノオキシカーボネート系有機過酸化物)22.5部を配合し、均一溶液になるまで常温で撹拌し、組成物A(x−2)を得た。
液状組成物A(x−3)の調製 (実施例3に用いる組成物(c−3)調製用)
容器にイソホロンジイソシアネート(エボニック社製)973.5部とパーブチルE(日油社製モノオキシカーボネート系有機過酸化物)26.5部を配合し、均一溶液になるまで常温で撹拌し、組成物A(x−3)を得た。
液状組成物A(x−4)の調製 (実施例4,13に用いる組成物(c−4)調製用)
容器に4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(三井化学社製コスモネートLL)978.5部とパーブチルE(日油社製モノオキシカーボネート系有機過酸化物)21.5部を配合し、均一溶液になるまで常温で撹拌し、組成物A(x−4)を得た。
液状組成物A(x−5)の調製 (実施例5,14に用いる組成物(c−5)調製用)
容器にイソホロンジイソシアネート(エボニック社製)974.6部とパーブチルE(日油社製モノオキシカーボネート系有機過酸化物)25.4部を配合し、均一溶液になるまで常温で撹拌し、組成物A(x−5)を得た。
液状組成物A(x−6)の調製 (実施例6,15に用いる組成物(c−6)調製用)
容器にイソホロンジイソシアネート(エボニック社製)973.0部とパーブチルE(日油社製モノオキシカーボネート系有機過酸化物)27.0部を配合し、均一溶液になるまで常温で撹拌し、組成物A(x−6)を得た。
液状組成物A(x−7)の調製 (実施例7,16に用いる組成物(c−7)調製用)
容器にイソホロンジイソシアネート(エボニック社製)980.1部とパーブチルE(日油社製モノオキシカーボネート系有機過酸化物)19.9部を配合し、均一溶液になるまで常温で撹拌し、組成物A(x−7)を得た。
液状組成物A(x−8)の調製 (実施例8,17に用いる組成物(c−8)調製用)
容器にイソホロンジイソシアネート(エボニック社製)971.8部とパーブチルE(日油社製モノオキシカーボネート系有機過酸化物)28.2部を配合し、均一溶液になるまで常温で撹拌し、組成物A(x−8)を得た。
液状組成物A(x−9)の調製 (実施例9,18に用いる組成物(c−9)調製用)
容器にイソホロンジイソシアネート(エボニック社製)972.2部とパーブチルE(日油社製モノオキシカーボネート系有機過酸化物)27.8部を配合し、均一溶液になるまで常温で撹拌し、組成物A(x−9)を得た。
液状組成物A(x−10)の調製 (実施例10,19に用いる組成物(c−10)調製用)
容器にイソホロンジイソシアネート(エボニック社製)981.1部とパーブチルE(日油社製モノオキシカーボネート系有機過酸化物)18.9部を配合し、均一溶液になるまで常温で撹拌し、組成物A(x−10)を得た。
〈組成物Bの調製〉
液状組成物B(y−1)の調製 (実施例1、11に用いる組成物(c−1)調製用)
容器に上記ポリエステルポリオール1を409.8部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(共栄社製ライトエステルHOP(N))437.7部、ジエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学社製、NKエステル2G)151.0部、トルハイドロキノン0.1部、及び4−メチル−2,6−ジターシャリーブチルフェノール0.5部、ジブチル錫ジラウレート0.9部を配合し、均一溶液になるまで撹拌し、組成物B(y−1)を得た。
液状組成物B(y−2)の調製 (実施例2、12に用いる組成物(c−2)調製用)
容器に上記ポリエステルポリオール1を201.0部、トリメチロールプロパン(三菱ガス化学社製)58.0部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(共栄社製ライトエステルHOP(N))579.4部、ジエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学社製、NKエステル2G)160.1部、トルハイドロキノン0.1部、及び4−メチル−2,6−ジターシャリーブチルフェノール0.5部、ジブチル錫ジラウレート0.9部を配合し、均一溶液になるまで加熱しながら撹拌した。その後、室温まで冷却し組成物B(y−2)を得た。
液状組成物B(y−3)の調製 (実施例3に用いる組成物(c−3)調製用)
容器に上記ポリエステルポリオール2を418.9部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(共栄社製ライトエステルHOP(N))405.6部、ジエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学社製、NKエステル2G)174.7部、トルハイドロキノン0.1部、及び4−メチル−2,6−ジターシャリーブチルフェノール0.4部、ジブチル錫ジラウレート0.2部を配合し、均一溶液になるまで加熱しながら撹拌した。その後、室温まで冷却し組成物B(y−3)を得た。
液状組成物B(y−4)の調製 (実施例4、13に用いる組成物(c−4)調製用)
容器に上記ポリエステルポリオール3を230.2部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(共栄社製ライトエステルHOP(N))602.7部、ジエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学社製、NKエステル2G)166.5部、トルハイドロキノン0.1部、及び4−メチル−2,6−ジターシャリーブチルフェノール0.5部を配合し、均一溶液になるまで撹拌し、組成物B(y−4)を得た。
液状組成物B(y−5)の調製 (実施例5、14に用いる組成物(c−5)調製用)
容器に上記ポリエステルポリオール1を422.7部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(共栄社製ライトエステルHOP(N))428.8部、ジエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学社製、NKエステル2G)147.0部、トルハイドロキノン0.1部、及び4−メチル−2,6−ジターシャリーブチルフェノール0.4部、ジブチル錫ジラウレート0.9部を配合し、均一溶液になるまで撹拌し、組成物B(y−5)を得た。
液状組成物B(y−6)の調製 (実施例6、15に用いる組成物(c−6)調製用)
容器に上記ポリエステルポリオール1を448.1部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(共栄社製ライトエステルHOP(N))409.0部、ジエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学社製、NKエステル2G)141.6部、トルハイドロキノン0.1部、及び4−メチル−2,6−ジターシャリーブチルフェノール0.4部、ジブチル錫ジラウレート0.8部を配合し、均一溶液になるまで撹拌し、組成物B(y−6)を得た。
液状組成物B(y−7)の調製 (実施例7、16に用いる組成物(c−7)調製用)
容器に上記ポリエステルポリオール1を338.4部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(共栄社製ライトエステルHOP(N))659.8部、トルハイドロキノン0.1部、及び4−メチル−2,6−ジターシャリーブチルフェノール0.5部、ジブチル錫ジラウレート1.2部を配合し、均一溶液になるまで撹拌し、組成物B(y−7)を得た。
液状組成物B(y−8)の調製 (実施例8、17に用いる組成物(c−8)調製用)
容器に上記ポリエステルポリオール1を514.5部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(共栄社製ライトエステルHOP(N))177.3部、ジエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学社製、NKエステル2G)307.0部、トルハイドロキノン0.1部、及び4−メチル−2,6−ジターシャリーブチルフェノール0.4部、ジブチル錫ジラウレート0.7部を配合し、均一溶液になるまで撹拌し、組成物B(y−8)を得た。
液状組成物B(y−9)の調製 (実施例9、18に用いる組成物(c−9)調製用)
容器に上記ポリエステルポリオール1を498.1部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(共栄社製ライトエステルHOP(N))423.2部、ジエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学社製、NKエステル2G)77.4部、トルハイドロキノン0.1部、及び4−メチル−2,6−ジターシャリーブチルフェノール0.4部、ジブチル錫ジラウレート0.8部を配合し、均一溶液になるまで撹拌し、組成物B(y−9)を得た。
液状組成物B(y−10)の調製 (実施例10、19に用いる組成物(c−10)調製用)
容器に上記ポリエステルポリオール1を75.9部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(共栄社製ライトエステルHOP(N))922.1部、トルハイドロキノン0.1部、及び4−メチル−2,6−ジターシャリーブチルフェノール0.6部、ジブチル錫ジラウレート1.3部を配合し、均一溶液になるまで撹拌し、組成物B(y−10)を得た。
調製した液状組成物AおよびBをそれぞれ表1に示す割合で配合し均一溶液になるまで30秒程度撹拌し、中間基材用液状組成物(C−1〜10)を得た。さらに、調製した液状組成物の粘度、組成物(A)中のイソシアネート基モル数に対する組成物(B)中のイソシアネート反応性基モル比(B/A)、熟成後に形成されたウレタン(メタ)アクリレートの理論エチレン性不飽和基当量を表1に記載した。
〔比較例樹脂調製〕
比較例として、樹脂を調製した。
ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(UA−1)の調製 (比較例1,4,7に用いる組成物(c−11))
上記ウレタンメタクリレート(UA−1)を988.1部,PR−CBZ 04(日本ユピカ社製専用促進剤)2.0部、パーブチルE(日油社製モノオキシカーボネート系有機過酸化物)9.9部を80℃で調製し、均一溶液になるまで撹拌し、樹脂組成物(C−11)を得た。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(EA−1)の調製 (比較例2,5,8に用いる組成物(c−12))
上記エポキシ(メタ)アクリレート(EA−1)を990.1部、パーブチルE(日油社製モノオキシカーボネート系有機過酸化物)9.9部を80℃で調製し、均一溶液になるまで撹拌し、樹脂組成物(C−12)を得た。
エポキシ組成物(EP−1)の調製 (比較例3,6,9に用いる組成物(c−13))
ビスフェノールA型エポキシ樹脂ブレンド品(ジャパンエポキシレジン製エピコート# 1001/828=50/50)917.4部にジシアンジアミド45.9部、尿素誘導体36.7部を配合し、均一溶液になるまで撹拌し、樹脂組成物(C−13)を得た。
エポキシ(メタ)アクリレート(EA−2)の調製 (比較例10に用いる組成物(c−14))
ネオポール8101(日本ユピカ社製)772.2部と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(三井化学社製、コスモネートLL)216.2部、パーヘキサC75(日油社製パーオキシエステル系イソシアネート)5.8部、カヤカルボンBIC−75(化薬アクゾ社製パーオキシエステル系有機過酸化物)5.8部を配合し、均一溶液になるまで撹拌し、樹脂組成物(c−14)を得た。
上記で調製した樹脂の粘度を表1に記載した。表1は、液状組成物の調整等を示す。
Figure 2020128510
〔ウェットスルー試験〕
液状組成物および樹脂の含浸性評価を目的として、表1で示した液状組成物(c−1〜10)および樹脂組成物(c−11〜14)を、炭素繊維(三菱ケミカル社製、3K綾織、TR3523M)1枚に各含浸温度で繊維状にスポイトで2滴滴下し、常圧で裏面まで含浸する時間を測定した。試験結果を表2に示した。表2は、ウェットスルー試験(液状組成物及び樹脂の含侵性評価)の結果を示す。
Figure 2020128510
(判定方法)
◎ 10秒以下
〇 20秒以下
△ 30秒以下
× 30秒以上
〔収縮率測定〕
寸法安定性の評価を目的として、上記液状組成物(c−1〜10)および樹脂組成物(c−11〜14)の硬化物の収縮率を測定した。収縮率は液体比重と硬化物比重から算出した。又、液状組成物(c−1〜10)は増粘完了後に硬化させた。増粘条件及び収縮率測定結果を表3に示す。
Figure 2020128510
〔中間基材作成〕
プリプレグ(P−1〜16)の作成
表4は、中間基材(プリプレグ)作成条件とプリプレグの含侵状態を示す。
Figure 2020128510
表1で示した液状組成物(c−1〜10)および樹脂組成物(c−11〜13)を、表4に示す配合で、33cm角の炭素繊維(三菱ケミカル社製、3K綾織、TR3523M)10枚に含浸させ、その後各条件で熟成させることにより、プリプレグを得た。得られたプリプレグは、繊維が約60重量%であった。
P−11〜13(比較例1〜3)はホットメルト法での含侵を試みたが、含侵が不十分であったため、単位面積当たりの重量を3.3kgから0.3kg(炭素繊維1枚ずつの含侵)を比較例4〜6で実施した。
C−SMC(S―1〜13)の作成
表5は、中間基材(C-SMC)作成条件とC-SMCの含侵状態を示す。
Figure 2020128510
表1で示した液状組成物(c−2を除くc−1〜10)および樹脂組成物(c−11〜14)を、表5に示す配合で、長さ25mmにカットして25cm角又は35cm角に均一に分散させた炭素繊維(三菱ケミカル社製TR50S 12L)に含浸させ、その後各条件で熟成させることにより、C−SMCを得た。得られたC−SMCは、繊維が約55重量%であった。Sー10〜12(比較例7〜9)は、ホットメルト法でトウプリプレグを作成した後、作成したトウプリプレグを長さ25mmにカットしてC−SMCとした。
〔中間基材の成形〕
プリプレグの成形
作成したプリプレグ(P―1〜10及びP―14〜16)を用いて、プレス((株)東邦プレス製作所社製100トンプレス機使用)により成形し、成形板を得た(実施例1〜10、及び比較例4〜6)。プレス成型時の温度は130℃、成形圧は10bar、成形時間は7分であった。
C−SMCの成形
作成したC−SMC(S―1〜13)を用いて、プレス((株)東邦プレス製作所社製100トンプレス機使用)により成形し、成形板を得た(実施例11〜19、及び比較例7〜10)。プレス成型時の温度は130℃、成形圧は8MPa、成形時間は7分であった。
〔成形板物性測定〕
得られた成形板に対して、曲げ試験、層間せん断試験、成形性および含浸性試験を実施した。
曲げ試験
JIS K 7171及びASTM D 790に準拠した方法で測定を行った。
層間せん断試験
JIS K 7078及びASTM D 2344に準拠した方法で測定を行った。
成形性および含浸性試験(ボイド及び未含浸部位の有無)
含浸性および成形性の確認を目的として、成形厚み約2.4mm、長さ30cmの試験片断面をマイクロスコープで確認し、ボイド及び未含浸箇所の個数を確認した。
(判定方法)
断面積あたりのボイド及び未含浸箇所の個数
0〜1個 〇
2〜3個 △
3個以上 ×
プリプレグ成形板及びC-SMC成形板についての曲げ試験、層間せん断試験、物性評価試験結果、成形性および含浸性試験の結果を表6及び表7に示した。
Figure 2020128510
Figure 2020128510
表2から表5より、該液状組成物が基材への含浸性に優れ、硬化時の収縮が小さく寸法安定性に優れる中間基材を与えることがわかる。又、表6及び7より、その中間基材は機械物性に優れ、ボイドや未含浸部位がほとんど無い信頼性の高い複合材料を与えることがわかる。低粘度で含浸性に優れた該液状組成物を用いる本発明により、単位面積重量の大きい中間基材を製造することができる液状組成物、及び単位面積重量の大きい中間基材に関し、積層回数を減らしボイドの極力少ない高強度なFRP、寸法安定性に優れるFRPを提供することが可能である。
本発明のラジカル重合性樹脂組成物及び中間基材は、軽量で高強度であるため、輸送機器や産業資材、土木補強材、スポーツ用具など、応用範囲はこれらに限られるものではなく、多岐に渡り使用できる。
すなわち、本発明の繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物であって、前記組成物を繊維又は織物上で樹脂形成するための液状組成物は、下記(A)と(B)とを配合してなることを特徴とする。2個以上のイソシアネート基を有する化合物(a)を含む組成物(A)、下記(b1)を必須成分とし、さらに(b2)及び(b3)を含むことができる組成物(B)。
(b1)エチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物
(b2)2個以上のイソシアネート反応性基を有する化合物
(b3)重合禁止剤。
すなわち、本発明の繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物は、下記(A)と(B)とを配合してなり、B型粘度計で測定された10〜50℃における前記組成物(A)と(B)の混合物である液状組成物の粘度が5〜200mPa・sである繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物であって、前記組成物を繊維又は織物上で樹脂形成するための液状組成物であることを特徴とする。2個以上のイソシアネート基を有する化合物(a)を含む組成物(A)、下記(b1)及び(b3)を必須成分とし、さらに(b2)を含むことができる組成物(B)。
(b1)エチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物
(b2)2個以上のイソシアネート反応性基を有する化合物
(b3)重合禁止剤。
重合開始剤(C)の添加量は、液状組成物100重量部に対して、0.05〜5重量部である。重合開始剤(C)は、組成物(B)に配合することができるが、組成物(B)にはエチレン性不飽和基を有する化合物が配合されるため、組成物(B)としての貯蔵安定性を考慮すると、組成物(A)に配合するほうが好ましい。
また、本発明の繊維強化プラスチック中間基材の製造方法は、本発明の液状組成物を任意の組成で繊維材料に含侵させる工程と、前記含侵させて得られた繊維強化プラスチック中間基材を熟成させる工程と、を含むことを特徴とする。本発明において、特に限定されないが、例えば、10〜60℃までの温度で前記液状組成物を任意の組成で繊維材料に含侵させることができる。また、本発明において、必要に応じて、さらにフィルムで挟み、ローラー圧力で前記液状組成物を前記繊維材料に含浸させて、ロール状、又は綴ら状にしてもよい。その後、前記含侵させて得られた繊維強化プラスチック中間基材を熟成させることができる。すなわち、本発明においては、熟成の間に液状組成物が繊維又は織物に含浸した状態でウレタンアクリレートが形成されることが可能となる。従来においては、一度ウレタンアクリレートを形成させた上で、繊維等に含侵していたが、驚くべきことに、本発明の液状組成物は、繊維又は織物等に含浸した状態で、熟成という工程を経てウレタンアクリレートが形成されることを本発明者らは見出したものである。これにより、本発明においては、液状組成物と繊維とをより強固に結合させることが可能となり、後述する実施例により明らかなように、より良好な含侵性、硬化性、及び機械物性等を発揮し得るという有利な効果を奏するものである。

Claims (10)

  1. 下記(A)と(B)とを配合してなる繊維強化プラスチック中間基材用液状組成物。
    2個以上のイソシアネート基を有する化合物(a)を含む組成物(A)、下記(b1)を必須成分とし、さらに(b2)及び(b3)を含むことができる組成物(B)
    (b1)エチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物
    (b2)2個以上のイソシアネート反応性基を有する化合物
    (b3)重合禁止剤。
  2. さらに、重合開始剤(C)、及び/又はウレタン化触媒(D)が、前記組成物(A)又は(B)に配合された請求項1記載の液状組成物。
  3. さらに、前記組成物(A)中のイソシアネート基モル数に対する前記組成物(B)中のイソシアネート反応性基モル比(B/A)が0.8〜1.2である請求項1又は2に記載の液状組成物。
  4. 前記組成物(A)又は(B)がイソシアネート反応性基を含まない重合性単量体(E)を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液状組成物。
  5. 前記組成物(A)と(B)の合計重量に対して重合性単量体(E)の含有量が0〜40重量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の液状組成物。
  6. B型粘度計で測定された10〜50℃における前記組成物(A)と(B)の混合物である液状組成物の粘度が5〜200mPa・sであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の液状組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の液状組成物を繊維材料に含浸してなる繊維強化プラスチック中間基材。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の液状組成物を任意の組成で繊維材料に含侵させる工程と、前記含侵させて得られた繊維強化プラスチック中間基材を熟成させる工程と、を含むことを特徴とする繊維強化プラスチック中間基材の製造方法。
  9. 前記熟成の温度は、30〜80℃である請求項8記載の方法。
  10. 請求項7記載の繊維強化プラスチック中間基材を硬化させてなる繊維強化複合材料。
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