JP2020106722A - トナー - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2ではシルセスキオキサン粒子の粒径を特定の範囲にし、かつトナーの結着樹脂が結晶性樹脂及び非結晶性樹脂を含むことでシルセスキオキサン粒子の脱離を防止している。
また、特許文献2では、高温高湿環境下における耐久使用を通してシルセスキオキサン粒子の過度な埋め込みやトナー割れが発生し、トナー担持体や現像ブレードなどの現像部材を汚染してしまう恐れがあることがわかった。
本発明の目的は、高温高湿下における長期間の使用でもカブリや部材汚染を抑制するトナーを提供するものである。
該トナー粒子は多価金属化合物を含有し、
該多価金属化合物はアルミニウム化合物、鉄化合物、及びマグネシウム化合物からなる群から選択される少なくとも一つであり、
該トナー粒子中の該多価金属化合物に由来する金属元素の含有量が、0.080μmol/g以上20.000μmol/g以下であり、
該外添剤はヒドロキシ基を有する有機ケイ素重合体粒子を含有し、
該トナー粒子の個数平均粒径に対する該有機ケイ素重合体粒子の個数平均粒径の比が、0.0160〜0.0650であり、
該有機ケイ素重合体粒子の含有量が、該トナー粒子100.00質量部に対して0.10質量部以上であることを特徴とするトナー。
ナーが得られる。
本発明者らは、鋭意検討の結果、結着樹脂を含有するトナー粒子及び外添剤を含有するトナーであって、
該トナー粒子は多価金属化合物を含有し、
該多価金属化合物はアルミニウム化合物、鉄化合物、及びマグネシウム化合物からなる群から選択される少なくとも一つであり、
該トナー粒子中の該多価金属化合物に由来する金属元素の含有量が、0.080μmol/g以上20.000μmol/g以下であり、
該外添剤はヒドロキシ基を有する有機ケイ素重合体粒子を含有し、
該トナー粒子の個数平均粒径に対する該有機ケイ素重合体粒子の個数平均粒径の比が、0.0160〜0.0650であり、
該有機ケイ素重合体粒子の含有量が、該トナー粒子100.00質量部に対して0.10質量部以上であることで上記課題を解決できることを見出した。
そしてトナー粒子と有機ケイ素重合体粒子の個数平均粒径を制御することで、トナー粒子表面のうち有機ケイ素重合体粒子が固着していない部分と現像部材との接触を防止することができ、現像部材の汚染を抑制することができたと考えている。
トナー粒子は多価金属化合物を含有し、多価金属化合物はアルミニウム化合物、鉄化合物、マグネシウム化合物からなる群から選択される少なくとも一つである。
また、トナー粒子中の多価金属化合物における金属元素の含有量が0.080μmol/g以上20.000μmol/g以下であることを特徴とする。好ましくは、0.080μmol/g以上14.000μmol/g以下である。
アルミニウム、鉄、マグネシウムはイオン化傾向が比較的大きく、イオン化しやすいため、これらの金属元素の含有量が0.080μmol/g以上のとき、有機ケイ素重合体粒子のヒドロキシ基と静電的に引き付け合うことができる。一方、前記金属元素の含有量が多すぎると、高温高湿下においてトナー電荷のリークが発生しカブリが発生してしまうため、トナー粒子中の多価金属化合物における金属元素の含有量は20.000μmol/g以下にする必要がある。
なお、前記多価金属化合物を2種以上含有する場合は、前記金属元素の含有量の合算値が前記範囲内に入るようにする。
重合法など湿式製造法でトナー粒子を製造する場合には、原料に含有させておくことや、製造過程で水系媒体を介して添加することもできる。湿式製造法において、水系媒体中でイオン化させた状態を経てトナー粒子中に含有させることは均一化の観点から好ましい。
特に、乳化凝集法の場合、凝集剤として多価金属化合物を用いることで、これをトナー
粒子に含有させることができる。そうすると、多価金属化合物由来の金属イオンは結着樹脂中に比較的均一に存在する。このような金属イオンはトナー粒子の内部だけでなく、トナー粒子表面近傍にも存在するため有機ケイ素重合体粒子と強固に固着することができ好ましい。後述する方法で金属元素の含有量を測定することができる。
水系媒体とは水が50質量%以上と、水溶性の有機溶媒50質量%以下からなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランを挙げることができる。
多価金属化合物が鉄を含む場合、トナー粒子中の鉄含有量は、0.250μmol/g以上1.250μmol/g以下であることが好ましく、0.375μmol/g以上1.000μmol/g以下であることがより好ましい。
多価金属化合物がマグネシウムを含む場合、トナー粒子中のマグネシウムの含有量は、2.000μmol/g以上20.000μmol/g以下であることが好ましく、4.000μmol/g以上14.000μmol/g以下であることがより好ましい。
物質により好ましい多価金属元素の含有量の範囲が異なるのは金属の価数に関係するものと考えられる。即ち、価数が高い場合には少ない金属量で有機ケイ素重合体粒子のヒドロキシ基と配位し得るため、3価のアルミニウムは少量で、2価のマグネシウムは多量で、混合価数を取り得る鉄はその間の量であると考えられる。好ましくは多価金属化合物がアルミニウム化合物を含むことであり、多価金属化合物がアルミニウム化合物であることがより好ましい。
外添剤はヒドロキシ基を有する有機ケイ素重合体粒子を含有している。ヒドロキシ基を有する有機ケイ素重合体は、ヒドロキシ基を有するシルセスキオキサン粒子であることが好ましい。有機ケイ素重合体粒子は有機官能基を有しており、好ましくは3官能性シランを加水分解・縮合することで得られる(RaSiO3/2)n(Raが有機官能基)で表
される構造を持った粒子である。
すなわち、有機ケイ素重合体粒子は、ケイ素原子と酸素原子とが交互に結合した構造を有し、該有機ケイ素重合体は、RaSiO3/2で表されるT3単位構造を有しているこ
とが好ましい。
また、有機ケイ素重合体粒子の29Si−NMRの測定において、該有機ケイ素重合体粒子に含有される全ケイ素元素に由来するピークの合計面積に対する、該T3単位構造を有するケイ素に由来するピークの面積の割合が、0.90以上1.00以下であることが好ましく、0.95以上1.00以下であることがより好ましい。
上記Raは特に制限されることはないが、例として炭素数1〜6(好ましくは1〜3、より好ましくは1又は2)の炭化水素基(好ましくはアルキル基)、アリール基(好ましくはフェニル基)が挙げられる。
シルセスキオキサン構造を有するシラノール誘導体は、例えば熱分解GC/MSによってトナー中から検出することができる。熱分解GC/MSによる測定方法は後述する。
ナー粒子に対して外添剤としての有機ケイ素重合体粒子は比較的大きいため、十分なスペーサー効果が働き、トナー粒子表面の有機ケイ素重合体粒子が固着していない部分と現像部材の接触を防ぐことができる。
さらに、有機ケイ素重合体粒子のトナー粒子表面への埋め込みを抑えることができるため、現像部材の汚染を抑制することができる。個数平均粒径の比が0.0160未満の場合、有機ケイ素重合体粒子の埋め込みが発生し、トナー担持体を汚染したり、現像ブレードにスジが発生したりしてしまう。
個数平均粒径の比が0.0650を超える場合、有機ケイ素重合体粒子の脱離が生じ、カブリが発生してしまう。該比は、好ましくは0.0200〜0.0500である。
1つのケイ素原子に、Raと、3つの反応基(ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アセトキシ基、又は、アルコキシ基)が結合している有機ケイ素化合物(以下、三官能性シラン)を水系媒体中に添加する。
水系媒体中に三官能性シランが溶解又は分散した状態で加水分解、縮合反応を生じさせると、種々の有機ケイ素重合体化合物が生成されるが、その一つとしてシルセスキオキサン構造を有するシラノール誘導体化合物が得られる。シラノール誘導体構造の量(ヒドロキシ基の量)は、例えば三官能性シランの加水分解、付加重合を制御することができ、具体的には反応温度、反応時間、反応溶媒及びそのpH、乾燥温度、並びに乾燥時間によって制御することができる。
シルセスキオキサン構造を有するシラノール誘導体化合物は下記式(Z)で表される構造を有する有機ケイ素化合物の縮合物であることが好ましい。
Raは有機官能基であり特に制限されることはないが、好ましい例として炭素数が1以上6以下(好ましくは1〜3、より好ましくは1又は2)の炭化水素基(好ましくはアルキル基)やアリール基(好ましくはフェニル基)が挙げられる。
R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アセトキシ基、又は、アルコキシ基である。これらは反応基であり、加水分解、付加重合及び縮合して架橋構造を形成する。また、R1、R2及びR3の加水分解、付加重合及び縮合は、反応温度、反応時間、反応溶媒及びpHによって制御することができる。
p−スチリルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルジエトキシメトキシシラン、メチルエトキシジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルメトキシジクロロシラン、メチルエトキシジクロロシラン、メチルジメトキシクロロシラン、メチルメトキシエトキシクロロシラン、メチルジエトキシクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルジアセトキシメトキシシラン、メチルジアセトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジメトキシシラン、メチルアセトキシメトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジエトキシシラン、メチルトリヒドロキシシラン、メチルメトキシジヒドロキシシラン、メチルエトキシジヒドロキシシラン、メチルジメトキシヒドロキシシラン、メチルエトキシメトキシヒドロキシシラン、メチルジエトキシヒドロキシシラン、のような三官能性のメチルシラン;エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、エチルトリアセトキシシラン、エチルトリヒドロキシシラン、のような三官能性のエチルシラン;プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリクロロシラン、プロピルトリアセトキシシラン、プロピルトリヒドロキシシラン、のような三官能性のプロピルシラン;ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリクロロシラン、ブチルトリアセトキシシラン、ブチルトリヒドロキシシラン、のような三官能性のブチルシラン;ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリクロロシラン、ヘキシルトリアセトキシシラン、ヘキシルトリヒドロキシシラン、のような三官能性のヘキシルシラン;フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリアセトキシシラン、フェニルトリヒドロキシシランのような三官能性のフェニルシラン。有機ケイ素化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
ジメチルジエトキシシラン、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、3−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリイソシアネートシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルジエトキシメトキシシラン、ビニルエトキシジメトキシシラン、ビニルエトキシジヒドロキシシラン、ビニルジメトキシヒドロキシシラン、ビニルエトキシメトキシヒドロキシシラン、ビニルジエトキシヒドロキシシラン、のような三官能性のビニルシラン。
有機ケイ素重合体を形成するモノマー中の、式(Z)で表される構造の含有量は、50モル%以上が好ましく、より好ましくは60モル%以上である。
トナー粒子の製造方法は公知の手段を用いることができ、混練粉砕法や湿式製造法を用いることができる。粒子径の均一化や形状制御性の観点からは湿式製造法が好ましい。湿式製造法には懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化凝集法などを挙げることができ、乳化凝集法がより好ましい。すなわち、トナー粒子が、乳化凝集トナー粒子であることが好ましい。これは、水系媒体中で多価金属元素をイオン化させやすいため、また、結着樹脂を凝集させる際にトナー粒子中に多価金属元素を含有させやすいためである。
乳化凝集法は、まず結着樹脂の微粒子や、必要に応じて着色剤の微粒子などの各材料の分散液を調製する。得られた各材料の分散液を、必要に応じて分散安定剤を添加して、分散混合させる。その後、凝集剤を添加することによって所望のトナー粒子の粒径となるまで凝集させ、その後又は凝集と同時に、樹脂微粒子間の融着を行う。さらに必要に応じて、熱による形状制御を行うことにより、トナー粒子を形成する。
トナー粒子中に内添剤を含有させる場合は、樹脂微粒子に内添剤を含有したものとしてもよい。また、別途内添剤のみよりなる内添剤微粒子の分散液を調製し、当該内添剤微粒子を樹脂微粒子と共に凝集させてもよい。また、凝集時に組成の異なる樹脂微粒子を時間差で添加して凝集させることにより組成の異なる層構成のトナー粒子を作ることもできる。
分散安定剤としては以下のものを使用することができる。
界面活性剤として、公知のカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤を使用することができる。
無機分散安定剤として、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタ珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナが挙げられる。
また、有機系分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプンが挙げられる。
カチオン性界面活性剤の具体例としては、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ノニルフェニルポリキオシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル、スチリルフェニルポリオキシエチレンエーテル、モノデカノイルショ糖などが挙げられる。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウムなどの脂肪族石鹸や、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどが挙げることができる。
トナー粒子を構成する結着樹脂について説明する。
結着樹脂はビニル系樹脂、ポリエステル樹脂などを好ましく例示できる。ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂及びその他の結着樹脂として、以下の樹脂又は重合体が例示できる。
ポリスチレン、ポリビニルトルエンのようなスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリ酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体のようなスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂。
結着樹脂は、ビニル系樹脂を含むことが好ましく、スチレン系共重合体を含むことがより好ましい。これら結着樹脂は単独又は混合して使用できる。
また、ポリエステル樹脂は、ウレア基を含有したポリエステル樹脂であってもよい。ポリエステル樹脂としては末端などのカルボキシ基はキャップしないことが好ましい。
トナー母体を構成する結着樹脂の分子量をコントロールする為に、重合性単量体の重合に際して、架橋剤を添加してもよい。
例えば、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA 日本化薬)、及び以上のアクリレートをメタク
リレートに変えたもの。
架橋剤の添加量としては、重合性単量体100質量部に対して0.001質量部以上15.000質量部以下であることが好ましい。
トナー粒子は離型剤を含有してもよい。特に60℃以上90℃以下に融点を有するエステルワックスを用いると、結着樹脂に対する相溶性に優れるため可塑効果が得られやすく、有機ケイ素重合体粒子をトナー粒子に効率的に固着させることができる。
2官能のエステルワックスは、2価のアルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物、又は、2価のカルボン酸と脂肪族モノアルコールとのエステル化合物である。
上記脂肪族モノカルボン酸の具体例としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、べへン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられる。
上記脂肪族モノアルコールの具体例としては、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、べへニルアルコール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール、トリアコンタノールなどが挙げられる。
2価のアルコールの具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1
,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,16−へキサデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、1,30−トリアコンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、1,4−フェニレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールAなどが挙げられる。
なお、離型剤の含有量は、結着樹脂100.0質量部に対して5.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
トナー粒子には着色剤を含有させてもよい。着色剤は特に限定されず、以下に示す公知のものを使用することができる。
黄色顔料としては、黄色酸化鉄、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキなどの縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物が用いられる。具体的には以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、155、168、180。
C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254。
C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66。
黒色顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラックが挙げられる。これらの着色剤は、単独又は混合して、さらには固溶体の状態で用いることができる。
なお、着色剤の含有量は、結着樹脂100.0質量部に対して3.0質量部以上15.0質量部以下であることが好ましい。
トナー粒子は荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては、公知のものが使用できる。特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。
荷電制御剤として、トナー粒子を負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。
有機金属化合物及びキレート化合物として、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物。他には、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、又はエステル類、ビスフェノールのようなフェノール誘導体類なども含まれる。さらに、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーンが挙げられる。
これら荷電制御剤は単独で又は2種類以上組み合わせることができる。これらの荷電制御剤の添加量としては、結着樹脂100.00質量部に対して、0.01質量部以上10.00質量部以下であることが好ましい。
<トナー粒子及び有機ケイ素重合体粒子の個数平均粒径>
トナー粒子及び有機ケイ素重合体の一次粒子の個数平均粒径の測定は、走査型電子顕微鏡「S−4800」(商品名;日立製作所製)を用いて行う。有機ケイ素重合体が外添されたトナーを観察して、最大5万倍に拡大した視野において、ランダムに100個の有機ケイ素重合体粒子の一次粒子の長径を測定して個数平均粒径を求める。観察倍率は、有機ケイ素重合体粒子の大きさによって適宜調整する。
トナー粒子の場合は2千倍に拡大した視野において、ランダムに100個のトナー粒子の長径を測定して個数平均粒径を求める。
外添前の有機ケイ素重合体粒子を入手可能な場合は、それを用いて個数平均粒径を算出することもできる。
トナー中に含まれる有機ケイ素重合体粒子中のT3単位構造のピーク面積の割合及びシラノール誘導体構造((RaSi(OH)O2/2))の同定は熱分解ガスクロマトグラ
フィー質量分析計(以下熱分解GC/MS)及びNMRを用いる。
トナー中に、有機ケイ素重合体粒子以外のケイ素含有物が含まれる場合、トナー1gをバイアル瓶に入れクロロホルム31gに溶解させ、分散させる。分散には超音波式ホモジナイザーを用いて30分間処理して分散液を作製する。
超音波処理装置:超音波式ホモジナイザーVP−050(タイテック株式会社製)
マイクロチップ:ステップ型マイクロチップ、先端径φ2mm
マイクロチップの先端位置:ガラスバイアルの中央部、且つバイアル底面から5mmの高さ
超音波条件:強度30%、30分。このとき、分散液が昇温しないようにバイアルを氷水で冷却しながら超音波を掛ける。
分散液をスイングローター用ガラスチューブ(50mL)に入れ替えて、遠心分離機(H−9R;株式会社コクサン社製)にて、58.33S−1、30分間の条件で遠心分離を行う。遠心分離後のガラスチューブ内においては、有機ケイ素重合体粒子以外のケイ素含有物と、トナーから有機ケイ素重合体粒子以外のケイ素含有物が除かれた残渣が分離している。トナーから有機ケイ素重合体粒子以外のケイ素含有物が除かれた残渣を抽出して、クロロホルムを真空乾燥(40℃/24時間)にて除去しサンプルを作製する。
上記サンプル又は有機ケイ素重合体粒子を用いて有機ケイ素重合体粒子の分析を熱分解GC/MSで行う。
上記サンプル又は有機ケイ素重合体粒子を550℃〜700℃程度で熱分解させた際に生じる、シラノール誘導体構造由来の分解物の成分のマススペクトルを分析する事で、シラノール誘導体構造を同定することができる。
[熱分解GC/MSの測定条件]
熱分解装置:JPS−700(日本分析工業)
分解温度:590℃
GC/MS装置:Focus GC/ISQ (Thermo Fisher)
カラム:HP−5MS 長さ60m、内径0.25mm、膜厚0.25μm
注入口温度:200℃
フロー圧:100kPa
スプリット:50mL/min
MSイオン化:EI
イオン源温度:200℃ Mass Range 45−650
上記測定において、有機ケイ素重合体粒子の分解物の成分として検出される、上記式(1)で表されるかご型シルセスキオキサン構造体に由来するピークの積分値を1.000としたとき、上記式(2)で表されるかご型シルセスキオキサン構造体のシラノール誘導体に由来するピークの積分値を算出する。
続いて同定した有機ケイ素重合体粒子の構成化合物の存在量比及び、有機ケイ素重合体粒子中のT3単位構造の割合を、固体29Si−NMRで測定・算出する。
固体29Si−NMRでは、有機ケイ素重合体を構成するSiに結合する官能基の構造によって、異なるシフト領域にピークが検出される。
各ピークのSiに結合する構造は標準サンプルを用いて特定することができる。また得られたピーク面積から各構成化合物の存在量比を算出することができる。全ピーク面積に対してT3単位構造のピーク面積の割合を計算によって求めることができる。
固体29Si−NMRの測定条件は、例えば下記の通りである。
装置:JNM−ECX5002 (JEOL RESONANCE)
温度:室温
測定法:DDMAS法 29Si 45°
試料管:ジルコニア3.2mmφ
試料:試験管に粉末状態で充填
試料回転数:10kHz
relaxation delay :180s
Scan:2000
該測定後に、有機ケイ素重合体粒子の、置換基及び結合基の異なる複数のシラン成分をカーブフィティングにて下記X1構造、X2構造、X3構造、及びX4構造にピーク分離して、それぞれピーク面積を算出する。
なお、下記X3構造が本発明におけるT3単位構造である。
X1構造:(Ri)(Rj)(Rk)SiO1/2 (A1)
X2構造:(Rg)(Rh)Si(O1/2)2 (A2)
X3構造:RmSi(O1/2)3 (A3)
X4構造:Si(O1/2)4 (A4)
≪13C−NMR(固体)の測定条件≫
装置:JEOLRESONANCE製JNM−ECX500II
試料管:3.2mmφ
試料:試験管に粉末状態で充填
測定温度:室温
パルスモード:CP/MAS
測定核周波数:123.25MHz(13C)
基準物質:アダマンタン(外部標準:29.5ppm)
試料回転数:20kHz
コンタクト時間:2ms
遅延時間:2s
積算回数:1024回
該方法にて、ケイ素原子に結合しているメチル基(Si−CH3)、エチル基(Si−C2H5)、プロピル基(Si−C3H7)、ブチル基(Si−C4H9)、ペンチル基(Si−C5H11)、ヘキシル基(Si−C6H13)またはフェニル基(Si−C6H5−)などに起因するシグナルの有無により、上記Raで表される炭化水素基を確認する。
トナー中に含まれる有機ケイ素重合体粒子の含有量は以下の方法で求めることができる。
トナー中に、有機ケイ素重合体粒子以外のケイ素含有物が含まれる場合、トナー1gをバイアル瓶に入れクロロホルム31gに溶解させ、分散させる。分散には超音波式ホモジナイザーを用いて30分間処理して分散液を作製する。
超音波処理装置:超音波式ホモジナイザーVP−050(タイテック株式会社製)
マイクロチップ:ステップ型マイクロチップ、先端径φ2mm
マイクロチップの先端位置:ガラスバイアルの中央部、且つバイアル底面から5mmの高
さ
超音波条件:強度30%、30分。このとき、分散液が昇温しないようにバイアルを氷水で冷却しながら超音波を掛ける。
分散液をスイングローター用ガラスチューブ(50mL)に入れ替えて、遠心分離機(H−9R;株式会社コクサン社製)にて、58.33S−1、30分間の条件で遠心分離を行う。遠心分離後のガラスチューブ内においては、遠心分離後のガラスチューブ内においては、有機ケイ素重合体粒子以外のケイ素含有物と、トナーから有機ケイ素重合体粒子以外のケイ素含有物が除かれた残渣が分離している。トナーから有機ケイ素重合体粒子以外のケイ素含有物が除かれた残渣を抽出して、クロロホルムを真空乾燥(40℃/24時間)にて除去しサンプルを作製する。
上記工程を繰り返し、乾燥させたサンプルを4g用意する。これをペレット化し、蛍光X線にてケイ素の含有量を求める。
蛍光X線の測定は、JIS K 0119−1969に準ずるが、具体的には以下の通りである。
測定装置としては、波長分散型蛍光X線分析装置「Axios」(PANalytical社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「SuperQ ver.5.0L」(PANalytical社製)を用いる。なお、X線管球
のアノードとしてはRhを用い、測定雰囲気は真空、測定径(コリメーターマスク径)は27mmとする。
測定は、Omnianのメソッドを用いて元素FからUまでの範囲を測定し、軽元素を測定する場合にはプロポーショナルカウンタ(PC)、重元素を測定する場合にはシンチレーションカウンタ(SC)で検出する。また、X線発生装置の加速電圧、電流値は、出力2.4kWとなるように設定する。測定サンプルとしては、専用のプレス用アルミリングの中にサンプル4gを入れて平らにならし、錠剤成型圧縮機「BRE−32」(前川試験機製作所社製)を用いて、20MPaで、60秒間加圧し、厚さ2mm、直径39mmに成型したペレットを用いる。
前述条件で測定を行い、得られたX線のピーク位置をもとに各元素を同定し、単位時間あたりのX線光子の数である計数率(単位:cps)から各元素の質量比率を算出する。
解析は、FP定量法を用いて、サンプルに含まれる全元素の質量比率を算出し、トナー中のケイ素の含有量を求める。なお、FP定量法においては、トナーのバインダー樹脂に合わせたバランスを設定する。
蛍光X線で求めたトナー中のケイ素の含有量と、固体29SiNMR及び熱分解GC/MSなどを用いて構造を特定した有機ケイ素重合体粒子の構成化合物中のケイ素の含有量比の関係から、計算によってトナー中の有機ケイ素重合体粒子含有量を求めることができる。
トナー粒子中の多価金属元素の含有量は、結合誘導プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES(セイコーインスツル社製))により定量する。
前処理として、トナー粒子100.0mgに60%硝酸(関東化学製、原子吸光分析用)8.00mlを使用して酸分解を行う。
酸分解の際には、マイクロウェーブハイパワー試料前処理装置ETHOS1600(マイルストーンゼネラル(株)製)により内部温度220℃/1時間密封容器内で処理し、多価金属元素含有溶液サンプルを作製する。
その後、全体で50.00gになるように超純水を加え、測定サンプルとする。各多価金属元素に対し、検量線を作成し、各サンプルに含まれている金属量の定量を行う。なお、硝酸8.00mlに超純水を加え、全体で50.00gとしたものをブランクとして測定し、ブランクの金属量は差し引いている。
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。酸価は、JIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液(キシダ化学社製)を用いて滴定を行う。上記水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクターは、電位差滴定装置(京都電子工業株式会社製 電位差滴定測定装置AT−510)を用いて求めることができる。0.100モル/l塩酸100mlを250mlトールビーカーに取り、上記水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、中和に要した上記水酸化カリウムエチルアルコール溶液の量から求める。上記0.100モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作製されたものを用いる。
下記に酸価測定の際の測定条件を示す。
滴定装置:電位差滴定装置AT−510(京都電子工業株式会社製)
電極:複合ガラス電極ダブルジャンクション型(京都電子工業株式会社製)
滴定装置用制御ソフトウェア:AT−WIN
滴定解析ソフト:Tview
滴定時における滴定パラメーター及び制御パラメーターは下記のように設定する。
(滴定パラメーター)
滴定モード:ブランク滴定
滴定様式:全量滴定
最大滴定量:20ml
滴定前の待ち時間:30秒
滴定方向:自動
(制御パラメーター)
終点判断電位:30dE
終点判断電位値:50dE/dmL
終点検出判断:設定しない
制御速度モード:標準
ゲイン:1
データ採取電位:4mV
データ採取滴定量:0.1ml
本試験;
測定サンプル0.100gを250mlのトールビーカーに精秤し、トルエン/エタノール(3:1)の混合溶液150mlを加え、1時間かけて溶解する。上記電位差滴定装置を用い、上記水酸化カリウムエチルアルコール溶液を用いて滴定する。
空試験;
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(3:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.611]/S
(式中、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料の質量(g)である。)
トナー粒子の粒径は細孔電気抵抗法により測定することができる。例えば「コールター・カウンター Multisizer 3」と、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3Version3.51」(ベックマン・コールター株式会社製)を用いて測定および算出することができる。
細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置(商品名:コールター・カウンター Multisizer 3)と、専用ソフト(商品名:ベックマン・コールター Multi
sizer 3 Version3.51、ベックマン・コールター社製)を用いる。アパーチャー径は100μmを用い、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、ベックマン・コールター社製のISOTON II(商品名)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は(標準粒子10.0μm、ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON II(商品名)に設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れる。ここにコンタミノンN(商品名)(精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器(商品名:Ultrasonic Dispersion System Tetora150、日科機バイオス(株)製)
の水槽内にイオン交換水所定量とコンタミノンN(商品名)を約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー(粒子)約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー(粒子)を分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
スチレン78.0部、アクリル酸ブチル20.7部、カルボキシル基付与モノマーとしてアクリル酸1.3部、n−ラウリルメルカプタン3.2部を混合し溶解させた。この溶液にネオゲンRK(第一工業製薬社製)1.5部のイオン交換水150部の水溶液を添加
して、分散させた。
さらに10分間ゆっくりと撹拌しながら、過硫酸カリウム0.3部のイオン交換水10部の水溶液を添加した。窒素置換をした後、70℃で6時間乳化重合を行った。重合終了後、反応液を室温まで冷却し、イオン交換水を添加することで固形分濃度が12.5質量%、体積基準のメジアン径が0.2μmの樹脂粒子分散液1を得た。
得られた樹脂粒子1は、酸価を測定するために、一部について、界面活性剤を除去するために純水による洗浄、並びに減圧乾燥した。樹脂の酸価を測定した結果、9.5mgKOH/gであることを確認した。
樹脂粒子分散液1の調整において、アクリル酸ブチルを21.6部、アクリル酸を0.4部に変更する以外は同様に行い、樹脂粒子分散液2を得た。得られた樹脂粒子分散液2の体積基準のメジアン径が0.2μmであり、樹脂の酸価は3.0mgKOH/gであることを確認した。
樹脂粒子分散液1の調整において、アクリル酸ブチルを17.5部、アクリル酸を4.5部に変更する以外は同様に行い、樹脂粒子分散液3を得た。得られた樹脂粒子分散液3の体積基準のメジアン径が0.2μmであり、樹脂の酸価は38.0mgKOH/gであることを確認した。
<第一工程>
温度計、攪拌機を備えた反応容器に、水:360部を入れ、濃度5.0質量%の塩酸:17部を添加して均一溶液とした。これを温度25℃で撹拌しながらメチルトリメトキシシラン136部を添加し、5時間撹拌した後、濾過してシラノール化合物またはその部分縮合物を含む透明な反応液を得た。
<第二工程>
温度計、攪拌機、滴下装置を備えた反応容器に、水:540部を入れ、濃度10.0質量%のアンモニア水:19部を添加して均一溶液とした。これを温度30℃で撹拌しながら、第一工程で得られた反応液100部を0.33時間かけて滴下し、6時間撹拌し懸濁液を得た。得られた懸濁液を遠心分離器にかけて微粒子を沈降させ取り出し、温度180℃の乾燥機で24時間乾燥させて有機ケイ素重合体粒子1を得た。
有機ケイ素重合体粒子1は熱分解GC/MS及びNMRにより、シルセスキオキサン構造を有するシラノール誘導体であることがわかった。また、一次粒子の個数平均粒径が150nmであった。物性を表1に示す。
触媒添加量、滴下時間などを表1に記載のように変更した以外は、有機ケイ素重合体粒子1の製造例と同様にして、有機ケイ素重合体粒子2〜9を得た。物性を表1に示す。
離型剤(ベヘン酸ベヘニル、融点:72.1℃)100部、ネオゲンRK15部をイオン交換水385部に混合させ、湿式ジェットミル JN100((株)常光製)を用いて約1時間分散して離型剤分散液を得た。離型剤分散液の濃度は20質量%であった。
着色剤としてカーボンブラック「Nipex35(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)」100部、ネオゲンRK15部をイオン交換水885部に混合させ、湿式ジェットミル JN100を用いて約1時間分散して着色剤分散液を得た。
<トナー粒子1の作製例>
樹脂粒子分散液1: 265部、離型剤分散液10部、着色剤分散液10部をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた。撹拌しながら容器内の温度を30℃に調整して、1モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH=8.0に調整した。
凝集剤として、塩化アルミニウム0.08部をイオン交換水10部に溶解した水溶液を、30℃攪拌下、10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、50℃まで昇温し、会合粒子の生成を行った。その状態で、「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定した。重量平均粒径が7.2μmになった時点で、塩化ナトリウム0.9部とネオゲンRK5.0部を添加して粒子成長を停止させた。
1モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH=9.0に調整してから95℃まで昇温し、凝集粒子の球形化を行った。平均円形度が0.980に到達したら降温を開始し
、室温まで冷却して、トナー粒子分散液1を得た。
得られたトナー粒子分散液1に塩酸を添加してpH=1.5以下に調整して1時間撹拌放置してから加圧ろ過器で固液分離し、トナーケーキを得た。これをイオン交換水でリスラリーして再び分散液とした後に、前述のろ過器で固液分離した。リスラリーと固液分離とを、ろ液の電気伝導度が5.0μS/cm以下となるまで繰り返した後に、最終的に固液分離してトナーケーキを得た。得られたトナーケーキを乾燥させ、さらに分級機を用いて分級して、トナー粒子1を得た。トナー粒子1の一次粒子の個数平均粒径は6.5μmであった。
上記で得られたトナー粒子1(100.00部)に対して、有機ケイ素重合体粒子1(0.10部)、疎水性シリカ微粉体[BET比表面積150m2/g、シリカ微粉体100部に対しヘキサメチルジシラザン(HMDS)30部及びジメチルシリコンオイル10部で疎水化処理](1.0部)を、ジャケット内に7℃の水を通水したFMミキサ(日本コークス工業株式会社製FM10C型)に投入した。
ジャケット内の水温が7℃±1℃で安定してから回転羽根の周速38m/secで5分間混合し、トナー混合物1を得た。
この際FMミキサの槽内温度が25℃を超えないようジャケット内の通水量を適宜調整した。
得られたトナー混合物1を目開き75μmのメッシュで篩い、トナー1を得た。トナー1の製造条件及びトナー物性を表2に示す。
トナー1の製造例において、表2に示す条件以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー2〜17、25〜33、比較トナー1〜5を得た。物性は表2に示す。
<トナー粒子18の作製例>
樹脂粒子分散液1: 265部、離型剤分散液10部、着色剤分散液10部をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた。撹拌しながら容器内の温度を30℃に調整して、1モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH=8.0に調整した。
凝集剤として、塩化アルミニウム0.22部をイオン交換水10部に溶解した水溶液を、30℃攪拌下、10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、50℃まで昇温し、会合粒子の生成を行った。その状態で、「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定した。重量平均粒径が5.0μmになった時点で、塩化ナトリウム0.9部とネオゲンRK5.0部を添加して粒子成長を停止させた。
1モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH=9.0に調整してから95℃まで昇温し、凝集粒子の球形化を行った。平均円形度が0.980に到達したら降温を開始し、室温まで冷却して、トナー粒子分散液18を得た。
得られたトナー粒子分散液18に塩酸を添加してpH=1.5以下に調整して1時間撹拌放置してから加圧ろ過器で固液分離し、トナーケーキを得た。これをイオン交換水でリスラリーして再び分散液とした後に、前述のろ過器で固液分離した。リスラリーと固液分離とを、ろ液の電気伝導度が5.0μS/cm以下となるまで繰り返した後に、最終的に固液分離してトナーケーキを得た。得られたトナーケーキを乾燥させ、さらに分級機を用いて分級して、トナー粒子18を得た。トナー粒子18の一次粒子の個数平均粒径は4.5μmであった。
その後の工程については、表2に示す条件以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー18を得た。
<トナー粒子19の作製例>
樹脂粒子分散液1: 265部、離型剤分散液10部、着色剤分散液10部をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた。撹拌しながら容器内の温度を30℃に調整して、1モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH=8.0に調整した。
凝集剤として、塩化アルミニウム0.22部をイオン交換水10部に溶解した水溶液を、30℃攪拌下、10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、50℃まで昇温し、会合粒子の生成を行った。その状態で、「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定した。重量平均粒径が5.5μmになった時点で、塩化ナトリウム0.9部とネオゲンRK5.0部を添加して粒子成長を停止させた。
1モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH=9.0に調整してから95℃まで昇温し、凝集粒子の球形化を行った。平均円形度が0.980に到達したら降温を開始し、室温まで冷却して、トナー粒子分散液19を得た。
得られたトナー粒子分散液19に塩酸を添加してpH=1.5以下に調整して1時間撹拌放置してから加圧ろ過器で固液分離し、トナーケーキを得た。これをイオン交換水でリスラリーして再び分散液とした後に、前述のろ過器で固液分離した。リスラリーと固液分離とを、ろ液の電気伝導度が5.0μS/cm以下となるまで繰り返した後に、最終的に固液分離してトナーケーキを得た。得られたトナーケーキを乾燥させ、さらに分級機を用いて分級して、トナー粒子19を得た。トナー粒子19の一次粒子の個数平均粒径は5.0μmであった。
その後の工程については、表2に示す条件以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー19を得た。
<トナー粒子20の作製例>
樹脂粒子分散液1: 265部、離型剤分散液10部、着色剤分散液10部をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた。撹拌しながら容器内の温度を30℃に調整して、1モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH=8.0に調整した。
凝集剤として、塩化アルミニウム0.22部をイオン交換水10部に溶解した水溶液を、30℃攪拌下、10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、50℃まで昇温し、会合粒子の生成を行った。その状態で、「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定した。重量平均粒径が10.2μmになった時点で、塩化ナトリウム0.9部とネオゲンRK5.0部を添加して粒子成長を停止させた。
1モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH=9.0に調整してから95℃まで昇温し、凝集粒子の球形化を行った。平均円形度が0.980に到達したら降温を開始し、室温まで冷却して、トナー粒子分散液20を得た。
得られたトナー粒子分散液20に塩酸を添加してpH=1.5以下に調整して1時間撹拌放置してから加圧ろ過器で固液分離し、トナーケーキを得た。これをイオン交換水でリスラリーして再び分散液とした後に、前述のろ過器で固液分離した。リスラリーと固液分離とを、ろ液の電気伝導度が5.0μS/cm以下となるまで繰り返した後に、最終的に固液分離してトナーケーキを得た。得られたトナーケーキを乾燥させ、さらに分級機を用いて分級して、トナー粒子20を得た。トナー粒子20の一次粒子の個数平均粒径は9.0μmであった。
その後の工程については、表2に示す条件以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー20を得た。
<トナー粒子21の作製例>
樹脂粒子分散液1: 265部、離型剤分散液10部、着色剤分散液10部をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた。撹拌しながら容器内の温度を30℃に調整して、1モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH=8.0に調整した。
凝集剤として、塩化アルミニウム0.22部をイオン交換水10部に溶解した水溶液を、30℃攪拌下、10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、50℃まで昇温し、会合粒子の生成を行った。その状態で、「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定した。重量平均粒径が11.3μmになった時点で、塩化ナトリウム0.9部とネオゲンRK5.0部を添加して粒子成長を停止させた。
1モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH=9.0に調整してから95℃まで昇温し、凝集粒子の球形化を行った。平均円形度が0.980に到達したら降温を開始し、室温まで冷却して、トナー粒子分散液21を得た。
得られたトナー粒子分散液21に塩酸を添加してpH=1.5以下に調整して1時間撹拌放置してから加圧ろ過器で固液分離し、トナーケーキを得た。これをイオン交換水でリスラリーして再び分散液とした後に、前述のろ過器で固液分離した。リスラリーと固液分離とを、ろ液の電気伝導度が5.0μS/cm以下となるまで繰り返した後に、最終的に固液分離してトナーケーキを得た。得られたトナーケーキを乾燥させ、さらに分級機を用いて分級して、トナー粒子21を得た。トナー粒子21の一次粒子の個数平均粒径は10.0μmであった。
その後の工程については、表2に示す条件以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー21を得た。
<トナー粒子22の作製例>
樹脂粒子分散液1: 245部、離型剤分散液10部、着色剤分散液10部をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた。撹拌しながら容器内の温度を30℃に調整して、1モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH=8.0に調整した。
凝集剤として、塩化アルミニウム0.17部をイオン交換水10部に溶解した水溶液を、30℃攪拌下、10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、50℃まで昇温し、会合粒子の生成を行った。その状態で、「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定した。重量平均粒径が7.0μmになった時点で、表層樹脂として樹脂粒子分散液1:
20部を添加した。(表層樹脂添加工程)。
さらに塩化アルミニウム0.05部をイオン交換水10部に溶解した水溶液を10分間かけて添加した。重量平均粒径が7.2μmになった時点で塩化ナトリウム0.9部とネオゲンRK5.0部を添加して粒子成長を停止させた。1モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH=9.0に調整してから95℃まで昇温し、凝集粒子の球形化を行った。平均円形度が0.980に到達したら降温を開始し、室温まで冷却して、トナー粒子分散液22を得た。
得られたトナー粒子分散液22に塩酸を添加してpH=1.5以下に調整して1時間撹拌放置してから加圧ろ過器で固液分離し、トナーケーキを得た。これをイオン交換水でリスラリーして再び分散液とした後に、前述のろ過器で固液分離した。リスラリーと固液分離とを、ろ液の電気伝導度が5.0μS/cm以下となるまで繰り返した後に、最終的に固液分離してトナーケーキを得た。得られたトナーケーキを乾燥させ、さらに分級機を用いて分級して、トナー粒子22を得た。トナー粒子22は透過型走査電子顕微鏡より一次
粒子の個数平均粒径が6.5μmであった。
その後の工程については、表2に示す条件以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー22を得た。
トナー22の作製例において、表層樹脂添加工程で樹脂粒子分散液1の代わりに樹脂粒子分散液2を用いた以外はトナー22の製造例と同様にして、トナー23を得た。
トナー22の作製例において、表層樹脂添加工程で樹脂粒子分散液1の代わりに樹脂粒子分散液3を用いた以外はトナー22の製造例と同様にして、トナー24を得た。
トナー1について、下記評価を行った。評価結果は、表3に示す。
評価に際しては、評価機としてLBP712Ci(キヤノン社製)の改造機を使用した。本体のプロセススピードを250mm/secに改造した。そして、この条件で画像形成が可能となるように必要な調整を行った。また、ブラックカートリッジからトナーを除去し、代わりにトナー1を150g充填した。
<高温高湿環境下での耐久カブリ評価>
高温高湿環境下(30℃/80%RH)での連続使用後のカブリを評価した。評価紙として、XEROX4200用紙(XEROX社製75g/m2)を用いた。
高温高湿環境下において、印字率1%となるE文字画像を4秒ごとに2枚出力する間欠連続使用を15000枚実施した。
その後グロス紙モード(1/3速)で、転写材として、LetterサイズのHP Brochure Paper 200g,Glossy(坪量200g/cm2)を用い、0%印字比率のベタ白画像をプリントアウトした。「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)を用い、測定した印字プリントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを評価した。
フィルターは、アンバーフィルターを用いた。
数値が小さいほど評価が良好であることを示す。評価基準は以下の通りである。C以上を良好と判断した。
(評価基準)
A:1.0%未満
B:1.0%以上2.0%未満
C:2.0%以上3.0%未満
D:3.0%以上
スジ画像は、外添剤による部材汚染やトナー劣化により発生する0.5mm程度の縦スジであり、全面ハーフトーン画像を出力した際に観察されやすい画像不良である。
スジ画像の評価は、上記カブリ評価と同様の環境で、15000枚の連続使用試験を行った後、XEROX4200用紙(XEROX社製75g/m2)に全面ハーフトーン画像を出力し、スジの有無を観察した。C以上を良好と判断した。
(評価基準)
A:スジやトナー塊が未発生。
B:斑点状のスジはないが、1〜3個所の小さなトナー塊がある。
C:端部に斑点状スジが若干ある、又は4、5個所の小さなトナー塊がある。
D:全面に斑点状のスジある、又は5個所以上小さなトナー塊若しくは明らかなトナー塊がある。
トナー担持体汚染は、トナー担持体にトナーが固着することによってトナー担持体が汚染され、ハーフトーン画像の濃度が耐久するにつれ上昇してしまう画像不良である。
トナー担持体汚染の評価は、上記カブリ評価と同様の環境で、同様のE文字画像を100枚出力した後にXEROX4200用紙(XEROX社製75g/m2)に全面ハーフトーン画像を出力して濃度を測定した。その後15000枚まで連続使用試験を行った後に同様に全面ハーフトーン画像を出力して濃度を測定した。100枚出力を初期として、15000枚出力後にどれだけ濃度が変化するか算出した。
なお、画像濃度の測定は、「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて付属の取扱説明書に沿って、画像濃度が0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定することによって行い、得られた相対濃度を画像濃度の値とした。下記の基準で評価し、C以上を良好と判断した。
(評価基準)
A:初期ハーフトーン濃度から濃度上昇が5.0%未満
B:初期ハーフトーン濃度から濃度上昇が5.0%以上10.0%未満
C:初期ハーフトーン濃度から濃度上昇が10.0%以上15.0%未満
D:初期ハーフトーン濃度から濃度上昇が15.0%以上
上記カブリ評価と同様に耐久評価終了時に転写効率確認を行った。トナーの載り量0.65mg/cm2のベタ画像をドラム上に現像させた後、XEROX4200用紙(XEROX社製75g/m2)に転写させ未定着画像を得た。ドラム上のトナー量と転写紙上のトナー量との質量変化から転写効率を求めた(ドラム上トナー量が全量転写紙上に転写された場合を転写効率100%とする。)。C以上を良好と判断した。
A:転写効率が95%以上
B:転写効率が90%以上95%未満
C:転写効率が80%以上90%未満
D:転写効率が80%未満
上記カブリ評価と同様に耐久評価終了時に画像濃度を測定した。
XEROX4200用紙(XEROX社製75g/m2)に全ベタ画像を出力し画像濃度を測定した。
なお、画像濃度の測定は、「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて付属の取扱説明書に沿って、画像濃度が0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定することによって行い、得られた相対濃度を画像濃度の値とした。C以上を良好と判断した。
A:画像濃度が1.40以上
B:画像濃度が1.30以上1.40未満
C:画像濃度が1.20以上1.30未満
D:画像濃度が1.20未満
トナー2〜33、比較トナー1〜5について、実施例1と同様に評価を行った。評価結果は、表3に示す
Claims (9)
- 結着樹脂を含有するトナー粒子及び外添剤を含有するトナーであって、
該トナー粒子は多価金属化合物を含有し、
該多価金属化合物はアルミニウム化合物、鉄化合物、及びマグネシウム化合物からなる群から選択される少なくとも一つであり、
該トナー粒子中の該多価金属化合物に由来する金属元素の含有量が、0.080μmol/g以上20.000μmol/g以下であり、
該外添剤はヒドロキシ基を有する有機ケイ素重合体粒子を含有し、
該トナー粒子の個数平均粒径に対する該有機ケイ素重合体粒子の個数平均粒径の比が0.0160〜0.0650であり、
該有機ケイ素重合体粒子の含有量が、該トナー粒子100.00質量部に対して0.10質量部以上であることを特徴とするトナー。 - 前記有機ケイ素重合体粒子1gに対する前記金属元素の含有量が、10μmol以上5000μmol以下である請求項1に記載のトナー。
- 前記有機ケイ素重合体粒子の含有量が、前記トナー粒子100.00質量部に対して0.10質量部以上5.00質量部以下である請求項1又は2に記載トナー。
- 前記有機ケイ素重合体粒子1gに対する前記金属元素の含有量が、20μmol以上400μmol以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記有機ケイ素重合体粒子の個数平均粒径が、120nm以上350nm以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記トナー粒子は、表面に酸価1.0mgKOH/g〜40.0mgKOH/gの非晶性ビニル樹脂を含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記有機ケイ素重合体粒子は、ケイ素原子と酸素原子とが交互に結合した構造を有し、
前記有機ケイ素重合体は、RaSiO3/2で表されるT3単位構造を有しており、
該Raは炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表し、
前記有機ケイ素重合体粒子の29Si−NMRの測定において、該有機ケイ素重合体粒子に含有される全ケイ素元素に由来するピークの合計面積に対する、該T3単位構造を有するケイ素に由来するピークの面積の割合が、0.90以上1.00以下である請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナー。 - 前記多価金属化合物がアルミニウム化合物を含む請求項1〜7のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記トナー粒子の個数平均粒径に対する前記有機ケイ素重合体粒子の個数平均粒径の比が、0.0200〜0.0500である請求項1〜8のいずれか一項に記載のトナー。
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