JP2020069086A - 椅子のオプション部材の取付構造および椅子 - Google Patents
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Abstract
【課題】オプション部材を取り付けるために表皮材を切り欠いた場合であっても、ほつれや、外観に露出することがなく、外観の低下を起こさずに良好な見栄えを維持することを可能とする。【解決手段】張地40に覆われた椅子の身体支持構造物10に対して張地40越しに椅子のオプション部材例えばフック25を取り付ける取付構造において、身体支持構造物10とオプション部材たるフック25とを連結する取付部26あるいは被取付部(凹部33を有するフックの基体部31)の少なくともいずれか一方を張地40から露出させる開口41を張地40に形成すると共に、開口41の周辺の張地40を解れ止め部材42で固定するようにしている。【選択図】図3
Description
本発明は、椅子のオプション部材の取付構造および椅子に関する。さらに詳述すると、本発明は、椅子の構成部材を張地で覆った構造物に対して、張地越しにオプション部材を取り付けるのに適用して好適な取付構造及び椅子に関する。
従来から、椅子のオプション品例えば衣服ハンガーを表皮材例えば張地で覆われている背凭れに取付ける構造は存在する(例えば、特許文献1)。このオプション品の取付は、張地に対して孔を開けてねじ止めすることによって行われている。
しかしながら、オプション部材を取り付けるために、表皮材(張地)を切り欠いて取り付けるので、表皮材を座などでしっかりと挟み付けることができれば良いが、座による固定が十分で無い場合には、孔のまわりがほつれたり、裂けたりする虞がある。特に、張地の場合、引っ張られるなど、外力がかかる場合には、ほつれるだけでなく、切り欠き箇所も外部に露出してしまうことがあり、外観上問題となる。
そこで、オプション部材を取り付けるために表皮材を切り欠いた場合であっても、ほつれや、外観に露出することがなく、外観の低下を起こさない椅子のオプション部材の取付構造を提供する。
かかる目的を達成するため、本発明の椅子のオプション部材の取付構造は、張地に覆われた椅子の身体支持構造物に対して張地越しに椅子のオプション部材を取り付ける取付構造において、身体支持構造物とオプション部材とを連結する取付部あるいは被取付部の少なくともいずれか一方を張地から露出させる開口を張地に形成すると共に、開口の周辺の張地を解れ止め部材で固定するようにしている。
また、本発明の椅子のオプション部材の取付構造は、張地が、着座者の身体支持面側とともに、身体支持構造物を挟んだ裏面側の少なくとも一部を覆い、該裏面側の張地で覆われた箇所にオプション部材を取り付ける構造であることを特徴とする。
また、本発明の椅子のオプション部材の取付構造は、身体支持構造物が少なくとも着座者の背を支持する背凭れを有し、背凭れの背面側の張地で覆われた箇所にオプション部材を取り付けるものであることが好ましい。
また、本発明の椅子のオプション部材の取付構造は、身体支持構造物が少なくとも着座する座と肘掛とを有し、肘掛の外面側の張地で覆われた箇所にオプション部材を取り付けるものであることが好ましい。
また、本発明の椅子のオプション部材の取付構造は、身体支持構造物が少なくとも着座する座を有し、座の側面側または裏面側の張地で覆われた箇所にオプション部材を取り付けるものであることが好ましい。
また、本発明の椅子のオプション部材の取付構造は、身体支持構造物から取付部が突出し、オプション部材には被取付部があり、取付部と被取付部とが嵌合した状態で嵌合方向と直交する方向にねじにより締結されていることが好ましい。
ここで、ねじが挿入される取付部あるいは被取付部のねじ挿通孔を楕円孔とし、オプション部材の奥行方向での取付位置を調整可能とすることが好ましい。
また、本発明の椅子のオプション部材の取付構造は、解れ止め部材が取付部あるいは被取付部を貫通させる孔を有する合成樹脂プレートであり、張地に接着あるいは縫い付けにより固定されているのが好ましい。
また、本発明の椅子は、請求項1から8のうちのいずれか一つに記載の椅子のオプション部材の取付構造でオプション部材を備えるようにしている。
本発明の椅子のオプション部材の取付構造によれば、張地越しに連結される取付部あるいは被取付部を貫通させる張地の孔の周囲を解れ止め部材で固定しているので、張地に外力が付与された際にも開口の縁に外力が集中することなく、孔の変形及び皺や撓みを防止することができる。
しかも、取付部との当接箇所に作用する力は取付部あるいは被取付部の周辺の解れ止め部材によって受け支えることになって張地の開口における損傷を防止することができるので、良好な見栄えを維持すると共に良好な耐久性を確保することが可能になる。
さらに、本発明の椅子によれば、解れ止め部材が取付部あるいは被取付部を貫通させる孔を有する合成樹脂プレートであり、張地に接着あるいは縫い付けられるようにしている場合には、総くるみの作業の容易性を確保しつつ張地の強度を十分に確保することができる。
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。尚、本発明の説明においては、椅子の座に座った着座者を基準にして「上」及び「下」,「前」及び「後」,並びに「左」及び「右」を定義する(言い換えると、着座者の「上」及び「下」,「前」及び「後」,並びに「左」及び「右」を意味する)。
図1に本発明を適用した椅子の一実施形態の概略を示す。本実施形態の椅子は、テーブル(メモ台とも呼ばれる)付き椅子であって、脚フレーム1と、テーブル11と、脚フレーム1にテーブル11を回転自在に支持させる回転台5と、背部2と座部3と肘掛け部4とが樹脂によって一体的に成形された背座肘掛け一体の身体構造物(以下、身体支持構造物10と呼ぶ)と、座部3の裏面に取り付けられる座受部材6とを有し、脚フレーム1に対して身体支持構造物10とテーブル11とが共に回転し得るように支持されている。
この椅子は、図1に示すように、テーブル11の支持アーム12が配置されている側にだけ肘掛け部4が備えられ、その反対側は側方に向けて開放された肘掛け部の無い左右非対称の構造とされている。例えば、本実施形態では、着座者の右側に肘掛け部4とテーブル11の支持アーム12とが配置され、テーブル11を着座者の前方に正対させるように配置する位置から右側方に待避する位置との間で旋回可能に設けられている。着座者は座部3に対し一方の側方つまり左側から滑り込むように着座し、あるいはテーブル11を背後側に旋回させて座部3の前方から左側方にかけて開けた状態にしてから立ち座りするように設けられている。
本実施形態の脚フレーム1は、例えば図7に示すように、キャスタを有する複数例えば四本の金属製の脚パイプ9と、脚パイプ9の基端部が溶接付されてこれら脚パイプ9を束ねるフランジ付き筒状の金属製の脚受け部8と、脚受け部8の中央の孔8aに嵌合されて脚受け部8と身体支持構造物10とを互いに相対回転可能に連結する主軸7と、脚パイプ9の周りを囲う環状カバー13とで構成されている。ここで、主軸7は、その上端部7aを座受部材6の支軸嵌合孔23aに嵌合させ、下部7bを脚受け部8の孔8aに嵌合させている。主軸7は、身体支持構造物10を脚フレーム1に対して相対回転可能に支持させる構成を成しているが、既知の構成のものであるため詳細な説明は省略する。また、環状カバー13は、脚受け部8のフランジ部8bの周縁に溶接付され、脚受け部8に支持されて脚パイプ9の溶接部を外から覆い隠すと共に、上端部において回転台5の最外周の位置決めリング17を回転可能に支持する。
脚フレーム1の脚受け部8のフランジ部8bの上には、主軸7の周りを囲うようにテーブル支持アーム12を回転自在に支持させる回転台5が備えられている。この回転台5は、例えば図7に示すように、脚受け部8のフランジ部8bに載置されてビス止めあるいは溶接付などで固定された円筒基台14と、該円筒基台14の周りに配置される摺動筒15と、さらにその外側に配置されてテーブル支持アーム12を支持する円筒部材(以下、テーブル支持筒16と呼ぶ)、及び最外周の二重リングとなった位置決めリング17とで構成され、主軸7の周りに同心上に配置される。
テーブル支持アーム12は、最外周の位置決めリング17のU形の溝18を貫通してその内側のテーブル支持筒16に溶接付などで固着されて回転可能に支持されている。テーブル支持筒16は、その内側の脚受け部8に溶接付けされている円筒基台14に摺動筒15を介して支持され、円筒基台14を軸としてその周りを回転可能に支持されている。
一方、座受部材6の底面には、位置決めリング17の外側リングと内側リングとの間の空間(溝)20に入る一対の爪部材21が周方向に間隔を開けて突出するように備えられている。この爪部材21は、位置決めリング17と座受部材6とを組み合わせた際に、位置決めリング17のU形の溝18を区画するブロックの両側に配置されるように設けられている。そして、爪部材21とブロック19とは周方向に衝突する関係に設けられている。したがって、位置決めリング17は、座受部材6に対して、いずれか一方の爪部材21がブロック19のいずれか一方の面に衝突するまでの範囲で旋回可能とされ、他方の爪部材21が衝突するまでの範囲で旋回可能とされている。即ち、両爪部材21の間が位置決めリング17が旋回可能な角度範囲である。
座受部材6は四方に張り出した腕の先端の4箇所の孔24に締結用ねじを通して身体支持構造物10に固定されている。したがって、身体支持構造物10は、座受部材6の中心に嵌合されている主軸7を中心に360°旋回可能に支持される。座受部材6は中心に支軸嵌合孔23aを形成するボス部23が設けられ、その周りに回転台5の各部材を収容する凹部22が形成されている。
以上のように構成された椅子によれば、テーブル11は身体支持構造物10と共に360°回転するが、身体支持構造物10とは切り離して一定範囲内であれば回転することもできる。テーブル11が単独で回転するときには、着座者の前位置と右側方との間の一定範囲内である。依って、身体支持構造物10に着座した場合、テーブル11が着座者の前方に旋回させることができるので、テーブル11を使用することができる。そして、離席するときには、テーブル11を旋回させてあるいは座席を旋回させることによって、着座者の前方に障害物(テーブル11)がなくなるので、そのまま支障なく離席することができる。
因みに、本実施形態の場合、テーブル11には右上隅にボトル受け、前端縁にはタブレット(スマートフォン)スタンドが形成されている。テーブル11は、通常、支持アーム12に対してその場で水平面内での回転並びに垂直面内でのチルトが可能な支持構造とされているが、このことは本発明において本質的なことではない。
また、本実施形態の椅子は、肘掛け部4の外側の壁面部分を活かしてオプション部材例えば鞄など引っ掛けるフック25などを後付けにより備えるようにしている。本実施形態のオプション部材の椅子本体の身体支持構造物10への取付は、例えば凹凸の嵌合を利用したものであり、肘掛け部4の外壁面に一体形成された凸部(つまり、取付部26)と、オプション部材たるフック25の凹部33(つまり、被取付部)とを嵌合させてから両者をビス止めすることで完了するように設けられている。
尚、本実施形態の場合、身体支持構造物10は、例えば椅子の構造物として十分な剛性とある程度の可撓性とを有する樹脂例えばガラス繊維入りポリプロピレンなどで一体成形され、肘掛け部4の外側の壁面部分に複数例えば2本の取付部26が備えられた上で袋状の張地に被せられて総くるみに構成されている。総くるみは、図示していないが、例えば、身体支持構造物10の表側を覆う表側張地と、裏側を覆う裏側張地と、表側張地の裏面に縫い付けられる緩衝用のウレタンクッションとで構成され、身体支持構造物10と相似形状の袋状に縫製される。
本実施形態の場合、取付部26は、フック25の回転を阻止するため、角筒形に形成されると共に、さらに一対とされている。フック25は、好ましくは肘掛け部4の上部に備えられているが、これに特に限られるものではなく、場合によっては背部2に備えても良いし、備える位置は上部には限られない。本実施形態の場合、肘掛け部4及びフック25は、着座者の右側に配置されているが、これに特に限られるものではなく、着座者の左側に設けられるようにしても良いことは言うまでない。
フック25は、特定の形状に限られるものではないが、本実施形態の場合には、主に鞄や袋物等の手荷物における持ち手部分を引っ掛け得る形態をなしている。具体的には、フック25は、例えば椅子の正面から視て鞄の持ち手を引っ掛けるのに好適なL字状を成している。このフック25は、手荷物の取っ手部分を受け支える基体部31と、基体部31の外側の縁から上方並びに前後方向にそれぞれ延出して引っ掛けとなるフランジ部32とを備え、基体部31の内側に身体支持構造物10の肘掛け部4の外面から突出する取付部26を受け入れる凹部33を設けると共に立ち姿勢や着座姿勢の目線では外観には表れにくい基体部31の下面側にねじ挿通孔34を形成している。
尚、前述の凹凸の関係は、オプション部材たるフック25と肘掛け部4との間で逆の関係にしても良く、例えば図示していないが肘掛け部4の壁面から凹部を有するフック25の基体部31に相当する取付部を一体形成によって設け、フック25側に基体部31を前述の取付部の凹部に嵌入させてねじ止めで固定する構造としても良い。この場合には、鞄や手提げバックなどは、肘掛け部4に一体成形された取付部26そのものに支えられるため、より重量物を掛けられるようにできる。そして、フック25は単に引っ掛けた物が滑り落ちないようにする引っ掛けとして機能するだけなので、相応の強度を備えていれば足りる。
本実施形態の場合、角筒形を成す一対の取付部26の間には、補強リブ38が備えられている。他方、フック25の側には、取付部26のリブ38を受け入れるためのスリットが縦リブ37と横リブ36とによって形成されている。したがつて、フック25の基体部31の内側の凹部33に一対の取付部26が貫入されると、リブ38がリブ35と36の間のスリット37に挿入されて支持力が強化される。
このオプション部材の取付構造は、身体支持構造物10を総くるみで張地で覆っている場合には、肘掛け部4の取付部26を張地を突き抜けて突出させることが必要である。本実施形態の場合、総くるみには、身体支持構造物10とフック25との連結箇所、即ち身体支持構造物10の取付部26が突出している位置に、取付部26を貫通させる孔あるいは裂け目などの開口41が設けられる。他方、総くるみの張地にはテンションが常時かかっているので、開口41が設けられると、開口41が拡がってその縁が蛇行して見える虞がある。そこで、取付部26(あるいは被取付部)を張地から露出させる開口41の縁の周辺の張地を固定する部材、本実施形態の場合、取付部26を貫通させる孔43を有している板状の解れ止め部材42を開口41の縁に接着あるいは縫い付けるようにしている。
ここで、解れ止め部材42は、開口41の周囲に接着されることにより開口41の形を固定するので、解れ止め部材42の孔43から身体支持構造物10の取付部26を飛び出させる一方、開口41の縁が解れることもないようにできる。尚、本実施形態においては、総くるみにおいて身体支持構造物10の取付部26を張地40から露出させる実施形態に適用した例を挙げて説明しているが、これに特に限られるものではなく、張地40を介在させて2部材を連結する場合に適用しても効果的であることは言うまでもない。
解れ止め部材42は、適度な可撓性と強度を有する素材であれば良く、例えば合成樹脂製プレートやアルミニウムなどの金属板、あるいは厚紙や和紙などの紙類や場合によっては布地などが使用可能であり、好ましくは合成樹脂プレートであり、より好ましくはポリプロピレンのプレートである。この解れ止め部材42は、少なくとも取付部26を貫通させる孔43を区画しかつその周囲に張地40の開口41の縁に接着あるいは縫い付ける面積(幅や長さ)が確保される大きさであれば十分である。また、本実施形態では、フック25の基体部31の輪郭形状に合わせた長方形の孔43を有する解れ止め部材42並びに張地40の開口41にしているが、これに特に限られるものではなく、場合によっては取付部26毎に独立して配置される複数の孔43及び開口41としても良い。本実施形態の場合、解れ止め部材42には、ポリプロピレンの薄板が使用され、総くるみを貫通して外に突出する取付部26の大きさ、位置、数に応じて対応する孔43が設けられている。解れ止め部材42に開口41の縁の周りを接着するだけで張地40の端末処理も完了する上に手間が掛からないようにすることができ、仕上がりが安定することから、品質も高くなる。これによって、不良品が少なくなり、歩留まりも高くなる。
この解れ止め部材42は、総くるみを縫製する際に、予め取付部26の位置に対応する部位に開口41を打ち抜きあるいはスリットを入れておき、その周囲に接着例えば超音波溶着しておくことで予め所定の位置に備えておく。この場合には、身体支持構造物10をくるむときに、解れ止め部材42の孔53から身体支持構造物10の取付部26を飛び出させることで簡単に取付部26を出させることができ、くるみに手間が掛からないようにすることができる。また、場合によっては、身体支持構造物10を総くるみでくるんだ後に、取付部26の位置の張地40を切り裂いてあるいは開口41を開けて取付部26を露出させ、その後に解れ止め部材42を接着あるいは縫合することで設けるようにしても良い。さらには、総くるみの表側張地40と裏側張地との縫い合わせ箇所がオプション部材を取り付けるための取付部26の中央を横切るように設定されていれば、総くるみを縫製する際に、解れ止め部材42を同時に縫い合わせるようにしても良い。
また、本実施形態の開口41の解れ止め構造は、身体支持構造物10とフック25とを連結するための取付部26を突出させる開口41に適用する場合に限定されるものではなく、総くるみから突出するその他の突起物、例えばボス部など張地の縁を固定するのに適用することができることは言うまでもない。
また、本実施形態においては、総くるみとしては織物製の張地40が用いられているが、これに特に限られるものでは無く、例えば弾力性に富むメッシュ素材の張地や編物素材の張地を用いても良い。また、合成皮革や皮革、織物などの張地を用いても良い。
以上のように構成された本実施形態のオプション取付構造によれば、フック25の基体部31には、図6に示すように、肘掛け部4から突出する一対の角筒状の取付部26を内嵌させ得る凹部33が対応する位置に形成されている。他方、各取付部26には、図3及び図5に示すように、四角形あるいは六角形のナット29が収容され、回転不能に支持されている。したがって、フック25の基体部31を、突出部26に外嵌した状態で、下方からねじ挿通孔34,27を挿通させたねじ30をナット29に螺合させることにより、フック25を肘掛け部4の外壁面に取り付けることができる。この固定方法の場合、下からねじ30をねじ込んで止め付けるので、ねじ止めの力は、張地40を挟み付けて固定する力(締め付け力)としては十分には働かない。しかしながら、張地40の開口41の周囲には解れ防止板42が接着されることにより開口41の形を固定するので、解れ止め部材42の孔43から身体支持構造物10の取付部26を飛び出させる一方、開口41の縁が解れることもないようにできる。しかも、解れ止め部材42が取付部26に当接することで位置決めともなる。
ここで、身体支持構造物10を張地40でくるむ場合、張地40の厚みの違い、図示していないクッション材の厚みの違いなどへの対応が求められる。このため、フック25の取付位置の奥行方向での調整を可能とするために、例えばねじ挿通孔27の孔形状を奥行き方向に長い楕円孔とすることで、フック25の取付位置を奥行方向に調整可能とすることが好ましい。この場合、身体支持構造物10を総ぐるみする張地40の内側のクッション材(図示省略)の厚み違いに対応することができる。勿論、楕円孔とするのはフック25のねじ挿通孔34であっても良い。
なお、上述の実施形態は本発明を実施する際の好適な形態の一例ではあるものの本発明の実施の形態が上述のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において本発明は種々変形実施可能である。例えば、上述の各実施形態では背座肘掛け一体の樹脂シェル構造の身体支持構造物10の肘掛け部分4にフック25を取り付ける構造の例を挙げて主に説明されているが、これに特に限定されるものではなく、表皮材(即ち、張地)で全体がくるまれた総くるみの構造物に対して後付で取り付けられるオプション部材の全てに適用できることは言うまでもない。また、座を総くるみする椅子あるいは座と背とを総くるみする椅子において、座の側面若しくは裏面にカバンフックや肘掛け、その他オプション部材を取り付ける場合においても適用できることは言うまでもない。
また、本実施形態では袋状の張地で全体がくるまれた椅子の構造物、即ち総くるみの椅子の構造物に適用した例を挙げて主に説明しているが、これに特に限られるものではなく、1枚の張地をフレームの一面に固定したり、さらには布製張地ではなく伸縮性に富むメッシュ張地をフレームに固定する場合にも適用可能である。また、身体支持構造物の一部を覆う張地において、覆われた箇所にオプション部材を取り付ける場合にも適用されることもある。例えば、身体支持構造物たる背凭れの前面即ち着座者に接する身体支持面と背凭れを挟んだ裏面側の少なくとも一部を覆う張地において、裏面側の張地で覆われた箇所にオプション部材例えばハンガーを取り付ける構造などにも適用可能である。この場合、張地は背凭れの上部で折り返されており、袋状をなしていないが、背面の一部を覆う折り返し部あるいはその近傍の張地で覆われているような箇所に、ハンガーなどのオプション部材が取り付けられることがある。つまり、張地越しに椅子の構造物にオプション品を取り付ける場合に適用されるものであり、必ずしも椅子の構造物が全面的に張地で覆われている必要はない。また、上述の実施形態のフック取付構造の実施形態では、フック25の外観に表れにくい底面にビス止めで固定するようにしているが、これに特に限られるものではなく、必要に応じてその他の面に固定用のビスを止め付けるようにしても良い。
また、オプション部材としては、上述のフックに限られず、ヘッドレストや上着などを掛けるハンガーなどを取付けるようにしても良い。例えば、上述の身体支持構造物10の背部2の上部中央にハンガー(図示省略)が取り付けられることがある。ハンガーは、図示していないが、張地越しに背部の背面に設けられたハンガー取付部の板ナットにハンガーの連結部をねじ止めすることによって取り付けられる。例えば、背部2には、図示していないが、ハンガーを固定する板ナットと、ハンガーを位置決めするためのプレートベースとを備えるハンガー取付部が形成されており、このハンガー取付部のプレートベースにハンガーの連結部の外嵌部を嵌め込むことにより、仮止めした状態で図示しないボルトをプレートベースの前の板ナットにねじ込み、ねじ止めする。この場合にも、張地40には、例えば図4に示すようなハンガー取付のための開口41が開けられ、開口41の周りをハンガー取付部の形状に沿った孔43を有する解れ止めプレート42を接着ないし縫い付けることで固定した状態で、板ナットとプレートベースで挟まれてねじ止めされる。尚、ボルトのねじ込み後、必要に応じて図示しないキャップなどをハンガーの取付部に被せてボルトの頭などを隠されることもある。
また、背座一体形のシェル構造に限られず、背と座と肘掛けとがそれぞれ独立して支持され、且つそれぞれ自由に可動できる椅子に適用することができることはいうまでもない。さらには、事務用椅子として一般的なロッキングいすなどにも適用できることはいうまでもない。
また、上述の実施形態では、張地に対する解れ止め部材42の固定手法としては、椅子の張地の接着では一般的な超音波溶着による接着が好ましいが、これに特に限られるものではなく、例えば縫合により取付けるようにしても良い。
40 張地
41 取付部(26)を通す開口
42 解れ止め部材
43 取付部(26)を通す解れ止め部材の孔
41 取付部(26)を通す開口
42 解れ止め部材
43 取付部(26)を通す解れ止め部材の孔
Claims (9)
- 張地に覆われた椅子の身体支持構造物に対して前記張地越しに椅子のオプション部材を取り付ける取付構造において、前記身体支持構造物と前記オプション部材とを連結する取付部あるいは被取付部の少なくともいずれか一方を前記張地から露出させる開口を前記張地に形成すると共に、前記開口の周辺の前記張地を解れ止め部材で固定したことを特徴とする椅子のオプション部材の取付構造。
- 前記張地は、着座者の身体支持面側とともに、前記身体支持構造物を挟んだ裏面側の少なくとも一部を覆い、該裏面側の張地で覆われた箇所にオプション部材を取り付ける構造であることを特徴とする請求項1記載の椅子のオプション部材の取付構造。
- 前記身体支持構造物は少なくとも着座者の背を支持する背凭れを有し、前記背凭れの背面側の前記張地で覆われた箇所に前記オプション部材を取り付けることを特徴とする請求項1または2記載の椅子のオプション部材の取付構造。
- 前記身体支持構造物は少なくとも着座する座と肘掛とを有し、前記肘掛の外面側の前記張地で覆われた箇所に前記オプション部材を取り付けることを特徴とする請求項1または2記載の椅子のオプション部材の取付構造。
- 前記身体支持構造物は少なくとも着座する座を有し、前記座の側面側または裏面側の前記張地で覆われた箇所に前記オプション部材を取り付けることを特徴とする請求項1または2記載の椅子のオプション部材の取付構造。
- 前記身体支持構造物から前記取付部が突出し、前記オプション部材には前記被取付部があり、前記取付部と前記被取付部とが嵌合した状態で嵌合方向と直交する方向にねじにより締結されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の椅子のオプション部材の取付構造。
- 前記ねじが挿入される前記取付部あるいは前記被取付部のねじ挿通孔を楕円孔とし、前記オプション部材の奥行方向での取付位置を調整可能としたこと特徴とする請求項6記載の椅子のオプション部材の取付構造。
- 前記解れ止め部材が前記取付部あるいは前記被取付部を貫通させる孔を有する合成樹脂プレートであり、前記張地に接着あるいは縫い付けられていることを特徴とする請求項1から7のうちのいずれか一つに記載の椅子のオプション部材の取付構造。
- 請求項1から8のうちのいずれか一つに記載の椅子のオプション部材の取付構造でオプション部材を備えることを特徴とする椅子。
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