JP2020055836A - 自己組織化ペプチド組成物 - Google Patents

自己組織化ペプチド組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2020055836A
JP2020055836A JP2019218513A JP2019218513A JP2020055836A JP 2020055836 A JP2020055836 A JP 2020055836A JP 2019218513 A JP2019218513 A JP 2019218513A JP 2019218513 A JP2019218513 A JP 2019218513A JP 2020055836 A JP2020055836 A JP 2020055836A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
peptide
rada16
ionic strength
ieik13
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019218513A
Other languages
English (en)
Inventor
ユン ソク ギル
Eun Seok Gil
ユン ソク ギル
カール ギルバート
Patrick Gilbert Karl
カール ギルバート
マナブ メータ
Mehta Manav
マナブ メータ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
3D Matrix Ltd
Original Assignee
3D Matrix Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 3D Matrix Ltd filed Critical 3D Matrix Ltd
Publication of JP2020055836A publication Critical patent/JP2020055836A/ja
Priority to JP2021181679A priority Critical patent/JP7397042B2/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K7/00Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K7/04Linear peptides containing only normal peptide links
    • C07K7/08Linear peptides containing only normal peptide links having 12 to 20 amino acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/04Peptides having up to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • A61K38/10Peptides having 12 to 20 amino acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/30Macromolecular organic or inorganic compounds, e.g. inorganic polyphosphates
    • A61K47/42Proteins; Polypeptides; Degradation products thereof; Derivatives thereof, e.g. albumin, gelatin or zein
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L24/00Surgical adhesives or cements; Adhesives for colostomy devices
    • A61L24/04Surgical adhesives or cements; Adhesives for colostomy devices containing macromolecular materials
    • A61L24/10Polypeptides; Proteins
    • A61L24/108Specific proteins or polypeptides not covered by groups A61L24/102 - A61L24/106
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L27/00Materials for grafts or prostheses or for coating grafts or prostheses
    • A61L27/14Macromolecular materials
    • A61L27/22Polypeptides or derivatives thereof, e.g. degradation products
    • A61L27/227Other specific proteins or polypeptides not covered by A61L27/222, A61L27/225 or A61L27/24
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • A61P19/04Drugs for skeletal disorders for non-specific disorders of the connective tissue
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • A61P19/08Drugs for skeletal disorders for bone diseases, e.g. rachitism, Paget's disease
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Abstract

【課題】特に有用な物質特性を示す特定の属性(例えば、ペプチド同一性、ペプチド濃度、pH、塩同一性および/または濃度など)を有する、ペプチド組成物(例えば、自己組織化ペプチド)の提供。【解決手段】IEIK13組成物であって、少なくとも0.25%の濃度でIEIK13ペプチドを含み;組成物は、約2.5〜約4.0の範囲内のpHを有する、IEIK13組成物。また、特定のコンテキストで有用な特定のペプチド組成物を選択および/または製剤化するための技術も提供する。【選択図】なし

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2014年3月10日に出願された米国仮特許出願第61/950,529号の、合衆国法典第35巻第119条(e)の下での利益を主張し、その出願は、その全体で参照により本明細書に援用される。
[配列リスト]
本出願は、「2004837−0046_Sequences.txt」というascii.txtファイルとして電子的形態で提出された配列リストを参照する。txtファイルは、2015年3月9日に作られ、1kbのサイズである。
ゲル構造に自己組織化する能力を有するペプチド剤は、治療および研究のコンテキストにおいて多種多様の用途を有する。そのようなペプチド剤の1つである、例えば、アルギニン、アラニン、およびアスパラギン酸の繰り返し配列を有する合成の16−アミノ酸ポリペプチド(すなわち、RADARADARADARADA[配列番号1]であり、「RADA16」としても知られる)は、3−D Matrix Medical Technologyから商品名PuraStat(登録商標)、PuraMatrix(登録商標)、およびPuraMatrix GMP(登録商標)として市販され、細胞培養、薬物輸送、促進的な軟骨および骨の成長、および、CNS、軟組織、および心筋の再生を含む広範な実験および臨床用途において、さらに、マトリックス、足場、または、1つまたは複数の検出可能な薬剤、生物学的活性剤、細胞、および/または細胞成分と関連し得るテダーとして、有用性が示されている。
本開示は、とりわけ、特定のペプチド組成物(具体的には、自己組織化ペプチド剤の特定の組成物)、およびそれに関する技術を提供する。一部の実施態様では、そのような組成物は、溶液であってよく、または含んでよい。一部の実施態様では、そのような組成物は、ゲルであってよく、または含んでよい。一部の実施態様では、そのような組成物は、固形(例えば、乾燥/凍結乾燥された)ペプチドであってよく、または含んでよい。
例えば、本開示は、特定のペプチド組成物(すなわち、特定の濃度、イオン強度、pH、粘度および/または他の特性を有するペプチド組成物)が、有用および/または驚くべき属性(例えば、ゲル化または自己組織化カイネティクス[例えば、ゲル化速度および/またはペプチド自己組織化の速度および可逆性]、剛性[例えば、貯蔵弾性率により評価される]、および/または他の機械的特性)を有することを示す。一部の実施態様では、本開示は、特定のコンテキスト(例えば、特定のインビボまたはインビトロ適用)における、特定のそのような組成物の特定の有用性を示す。
とりわけ、本開示は、特定のコンテキストまたは適用において有用な特定のペプチド組成物の選択、設計、および/または製剤化を可能にするガイドラインを提供する。
本開示は、特定のカチオンおよびアニオンが自己組織化ペプチド剤と相互作用する程度、さらに、どのようにして、そのような相互作用が、ペプチド組成物の特定の物質(例えば、レオロジー)特性を変更する(例えば、機械的剛性および/または粘度を増大させる)ことができるのかを確立する。またさらに、本開示は、どのようにして、そのような相互作用が、とりわけ、変形(例えば、機械的摂動または他の崩壊)に曝した後の、ゲル化カイネティクス、ゲル化状態の復元(例えば、ゲル化および/またはゲル特性の復元のタイミングおよび/または程度)に影響し得るかを、確立する。
本明細書に記載の試験は、特定の既存の自己組織化ペプチド技術での様々な問題の原因を特定し、さらに、ペプチド組成物技術の特定の適用に特有の、特に有用および/または必要な属性および/または特性を定義する。
一部の実施態様では、提供される組成物に含まれるペプチドは、自己組織化ペプチドである。一部の実施態様では、提供される組成物に含まれるペプチドは、両親媒性ペプチドである。一部の実施態様では、提供される組成物に含まれるペプチドは、少なくとも一続き(例えば、少なくとも4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個などのアミノ酸)の交互の親水性および疎水性アミノ酸により特徴付けられるアミノ酸配列を有する。一部の実施態様では、提供される組成物に含まれるペプチドは、1つまたは複数の繰り返しのArg−Ala−Asp−Ala(RADA)を含むアミノ酸配列を有する。一部の実施態様では、提供される組成物に含まれるペプチドは、配列Lys−Leu−Asp−Leu(KLDL)の繰り返し単位を含む、またはからなる、アミノ酸配列を有する。一部の実施態様では、提供される組成物に含まれるペプチドは、配列Ile−Glu−Ile−Lys(IEIK)の繰り返し単位を含む、またはからなる、アミノ酸配列を有する。一部の実施態様では、ペプチドは、IEIK13、KLD12、またはRADA16であり得る。一部の実施態様では、これらのペプチドの組成物は、異なる(例えば、より低い)pHレベル、および/またはイオン強度を有する適切な参照組成物と比較して、増強された特性を有し得る。
より穏やかなpHレベルでのペプチド組成物は、より剛性のレオロジー特性を有し得て、より幅広い範囲の適用にそれらを適切にさせる。また、4.0より上への環境pHの変化は、ペプチド組成物によるゲル化カイネティクスに有利な影響も及ぼし得る。一部の実施態様では、pHの上昇は、ペプチド組成物が体内に置かれた場合に生じ得る生理学的pHであり得る。
1つまたは複数の態様によれば、制限されないがIEIK13、KLD12、およびRADA16を含む特定のペプチド組成物のレオロジー特性は、増大したイオン強度を維持することにより増強され得る。一部の実施態様では、イオン強度は、臨界イオン強度よりも低くてよい。一部の実施態様では、ペプチド組成物は、純水ではなく塩類を含む水中に溶解され得る。一部の実施態様では、イオン強度は、それらの臨界イオン強度よりも低くてよい。
一部の実施態様では、イオン強度の増大は、ペプチド組成物に対して、剛性および/またはゲル化カイネティクスを有利な影響し得て、より幅広い範囲の適用にそれらを適切にさせる。一部の実施態様では、イオン強度の増大は、ペプチド組成物が体内に置かれた場合に生じ得る生理学的イオン強度であり得る。
1つまたは複数の態様によれば、制限されないがIEIK13、KLD12、およびRADA16を含む特定のペプチド組成物の特性は、それらのpHレベルを約3.5またはそれ未満、同時に、それらの塩濃度を、それらの臨界イオン強度レベル未満(すなわち沈殿なし)に維持することにより、増強され得る。
1つまたは複数の態様によれば、自己組織化ペプチド(例えば、IEIK13、KLD12、およびRADA16)は、外観、pHレベル、イオン強度レベル、ゲル化カイネティクス、レオロジー特性、およびペプチド製剤を様々な適用に最適化する細胞生存率を含む、特性の観点から特徴付けられ得る。IEIK13およびKLD12は、基礎的なゲル化特性および他の特徴の観点から、RADA16と同様のペプチド組成物として特徴付けられ得る。
一部の実施態様では、ペプチドは、約6〜約20個の範囲内のアミノ酸の長さおよび疎水性アミノ酸および親水性アミノ酸の交互のアミノ酸配列を有し得る。
一部の実施態様では、ペプチド組成物は、溶液、ゲル、または任意のそれらの組み合わせであり得る。
一部の実施態様では、ペプチド組成物は、少なくとも0.05%の濃度であってよい。一部の実施態様では、ペプチド組成物は、3%未満の濃度で存在し得る。
一部の実施態様では、ペプチド組成物は、約2.5〜約4.0の範囲内または約3.0〜約4.0の範囲内のpHを有し得る。一部の実施態様では、ペプチド組成物のpHは水酸化ナトリウムまたは、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫化ナトリウム、DMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)、およびPBS(リン酸緩衝生理食塩水)からなる群より選択される溶液により達成され得る。
一部の実施態様では、ペプチド組成物のイオン強度は、約0.0001M〜約1.5Mであり得る。一部の実施態様では、ペプチド組成物のイオン強度は、一般的な塩類、例えば、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、CaSO4、DPBS(ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水、10×)を混合することにより調節され得る。一部の実施態様では、ペプチド組成物のイオン強度は、一般的な塩類を混合することにより調節され得て、ここで、1つまたは複数の一般的な塩類は、カチオンを形成する1つまたは複数の塩およびアニオンを形成する1つまたは複数の塩からなり、カチオンを形成する塩は、アンモニウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、カリウム、ピリジニウム、第4級アンモニウム、およびナトリウムからなる群より選択され、アニオンを形成する塩は、アセテート、カーボネート、クロライド、シトレート、シアニド、フロリド(floride)、ニトレート、ニトライト、およびホスフェートからなる群より選択される。
一部の実施態様では、ペプチド組成物は、約1〜約10000Pa・Sの範囲内の粘度を有し得る。一部の実施態様では、ペプチド組成物は、約50〜約2500Paの範囲内の貯蔵弾性率を有し得る。
一部の実施態様では、特定のインビボ部位に対する適用のためのペプチド組成物を選択する方法は、ペプチド組成物に関する、貯蔵弾性率、粘度、ゲル化時間、復元の時間および/または程度などからなる群より選択される1つまたは複数のパラメーターを決定するステップ、決定されたパラメーターを様々な適用に関する仕様と比較するステップ、比較に照らしてペプチド組成物を選択するステップ;および、選択されたペプチド組成物を部位に投与するステップを含み得る。
一部の特定の実施態様では、本開示は、例えば、約6〜約20個の範囲内のアミノ酸の長さおよび交互の疎水性アミノ酸および親水性アミノ酸のアミノ酸配列を有するペプチドを含み得て、以下の点で特徴付けられ得る、液体ペプチド組成物を提供する。(i)室温で、約1Pa・s〜約500,000Pa・sの範囲内の粘度を有し;(ii)1rad/secの振動数および1Paの振動応力で、約1〜約5000Paの範囲内の貯蔵弾性率を有する;および/または、(iii)約2.5〜約4.0の範囲内のpHまたはおよび/または約0.0001M〜約1.5Mの範囲内のイオン強度に曝露/維持された場合に、約0〜約30sの時間、ゲルを形成する。一部の実施態様では、そのような組成物は、水性組成物である。
また、一部の特定の実施態様では、本開示は、ある特定のコンテキストでの使用に特に適切なペプチド組成物を、設計、選択、およびまたは生産する方法を提供する。一部のそのような実施態様では、ある特定のコンテキストは、特定のインビボ部位に対する適用であり、または含む。一部の実施態様では、そのような提供される方法は、例えば:(i)貯蔵弾性率、粘度、ゲル化時間、剪断減粘性特性、ペプチドナノファイバー再組織化時間からなる群より選択される1つまたは複数のパラメーター、および/または、特定のインビボ部位への適用に適切な本明細書に記載の1つまたは複数の他のパラメーターを、決定するステップ;および(ii)本明細書に提供されるガイドラインに従って、そのようなパラメーターにより特徴付けられるペプチド組成物を、設計、選択、および/または生産するステップ、を含み得る。
これに代え又はこれに加えて、一部の特定の実施態様では、本開示は、例えば特定のインビボ部位に投与するための、特定のペプチド組成物を選択する方法を提供し;例示的なそのような方法は、(i)貯蔵弾性率、粘度、ゲル化時間、剪断減粘性特性、ペプチドナノファイバー再組織化時間からなる群より選択される1つまたは複数のパラメーター、および/または、ペプチド組成物に関して本明細書に記載の1つまたは複数の他のパラメーターを、決定するステップ;(ii)決定された1つまたは複数のパラメーターを、特定のインビボ部位への適用に適切であると決定された特性のセットと比較するステップ;(iii)比較に照らしてペプチド組成物を選択するステップ;および(iv)部位に、選択したペプチド組成物を投与するステップ、を含み得る。
本発明の目的および特徴は、以下に記載の図面、および特許請求の範囲を参照して、より良く理解することができる。
PBS緩衝液における、ペプチド組成物の例示的なゲル形成を示す。RADA16、IEIK13、およびKLD12を、0.5%、1.0%、1.5%、2.0%および2.5%の異なる濃度でプレーティングした。RADA16、IEIK13、およびKLDは、全ての濃度でゲル化した。 図2Aおよび図2Bは、RADA16の例示的なレオロジー特性を示す。図2Aは、1Paおよび10rad/sで実施した応力スイープ試験を示す。図2Bは、測定した貯蔵弾性率をRADA16濃度の関数として示す。RADA16組成物の貯蔵弾性率は、それらの濃度と直線相関を有し得る。 図3Aおよび図3Bは、IEIK13の例示的なレオロジー特性を示す。図3Aは、1Paおよび10rad/sで実施した応力スイープ試験を示す。図3Bは、測定した貯蔵弾性率をIEIK濃度の関数として示す。IEIK13組成物の貯蔵弾性率は、それらの濃度と直線相関を有し得る。 図4Aおよび図4Bは、KLD12の例示的なレオロジー特性を示す。図4Aは、1Paおよび10rad/sで実施した応力スイープ試験を示す。図4Bは、測定した貯蔵弾性率をKLD12濃度の関数として示す。KLD12組成物の貯蔵弾性率は、それらの濃度と直線相関を有し得る。 図5Aおよび図5Bは、1%ペプチド組成物に対する、DMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)処理の効果を示す棒グラフである。図5Aは、ペプチド組成物に対するDMEM処理の前後の貯蔵弾性率データ(1Paおよび10rad/sで実施した)を示す。図5Bは、DMEM処理後の貯蔵弾性率の増加倍率を示す。 図6Aは、RADA16およびDMEMの混合物(1:1容量比)の写真である。混合物は、粘性が低く、混濁していた。図6Bは、遠心分離後の混合物を示す。RADA16(すなわち、遠心分離菅の底の半透明の蓄積物)は混合物から沈殿した。 図7は、pH2〜3、および生理学的pH(DMEM)における、RADA16、KLD12、およびIEIK13組成物のナノ構造を示す。DMEM処理は、剛性の組成物を形成し得るが、DMEMの混合は、ペプチドを沈殿させ得る。 図8は、pH=2.0および3.4における、1% KLD12組成物の例示的な応力スイープ試験(10rad/s)を示す。 図9は、pH=2.1および3.7における、1% IEIK13組成物の例示的な応力スイープ試験(10rad/s)を示す。 図10は、pH=2.5および3.4における、1% RADA16組成物の例示的な応力スイープ試験(10rad/s)を示す。ペプチド組成物の貯蔵弾性率は、pHの上昇に伴い増大した。 図11Aおよび図11Bは、1PaでのRADA16の例示的な振動数スイープ試験を示す。図11Aは、pH2.5および3.4における、1% RADA16の測定である。図11Bは、pH2.5および3.4における、2.5% RADA16の測定である。 図12は、pH3.2、3.4、3.6および4.0における、2.5% RADA16の写真である。組成物は、pHレベルが約3.5であるときは透明であり、pH=3.6でわずかに混濁した。組成物は、pH=4.0で沈殿した。 図13は、剪断応力有りまたは無しの、異なるpHレベルにおける、RADA16、KLD12、およびIEIK13のナノ構造および/または再組織化を示す。優勢の相互作用は、pHおよび剪断応力により決定され得る。 図14〜16は、それぞれ、選択された濃度における、RADA16、IEIKおよびKLDの細胞生存率(mMSC)を示す。は、細胞生存率が、左隣のカラムにおける細胞生存率よりも有意に低いことを意味する(p値<0.05)。#は、細胞生存率が、左隣のカラムにおいて、細胞生存率よりも有意に高いことを意味する(p値<0.05)。 図14〜16は、それぞれ、選択された濃度における、RADA16、IEIKおよびKLDの細胞生存率(mMSC)を示す。は、細胞生存率が、左隣のカラムにおける細胞生存率よりも有意に低いことを意味する(p値<0.05)。#は、細胞生存率が、左隣のカラムにおいて、細胞生存率よりも有意に高いことを意味する(p値<0.05)。 図14〜16は、それぞれ、選択された濃度における、RADA16、IEIKおよびKLDの細胞生存率(mMSC)を示す。は、細胞生存率が、左隣のカラムにおける細胞生存率よりも有意に低いことを意味する(p値<0.05)。#は、細胞生存率が、左隣のカラムにおいて、細胞生存率よりも有意に高いことを意味する(p値<0.05)。 図17Aは、IEIK13の構造を示す。図17Bは、DMEM処理前後のIEIK13のSEM画像を示す。DMEM処理後のIEIK13ファイバーは、DMEM処理前のファイバーよりも厚くあり得る。 図18は、2.5% RADA16のレオロジー特性に対するpHの効果を示す、貯蔵弾性率の棒グラフである。貯蔵弾性率は1rad/sで測定した。 図19は、1.5% IEIK13のレオロジー特性に対するpHの効果を示す、貯蔵弾性率の棒グラフである。貯蔵弾性率は1rad/sで測定した。 図20Aは、pH=2.1、3.0、3.3および3.5における、1% IEIK13の例示的な流動粘度試験を示す。図20Bは、0.003 l/secの剪断速度での、例示的な粘度測定の棒グラフである。 図21A、図21B、図21Cおよび図21Dは、それぞれ、pH=2.1、3.0、3.3、および3.5において、1% IEIK13に対して高剪断応力を適用後の、時間の関数としての、貯蔵弾性率測定を示す。横線は、1% IEIK13の元の貯蔵弾性率を示す。 図22Aおよび図22Bは、pH2.2および3.4における、RADA16濃度の関数としての、貯蔵弾性率の棒グラフである。図22Aは、DMEM処理前の測定である。図22Bは、DMEM処理後の測定である。 図23Aおよび図23Bは、pH2.3および3.4における、IEIK濃度の関数としての、貯蔵弾性率の棒グラフである。図23Aは、DMEM処理前の測定である。図23Bは、DMEM処理後の測定である。 図24は、時間の関数としての貯蔵弾性率測定を示す。図24は、pH2.2、2.6、2.8、3.1および3.4における、2.5% RADA16データを含む。時間スイープ試験を、1rad/secおよび1Pa(20mmのプレートおよび500μmのギャップ距離)で実施した。時間スイープ試験の間、時間=0において、測定プレートの周りのチャンバーにDMEMを加えてペプチドを浸した。 図25は、時間の関数としての貯蔵弾性率測定を示す。図25は、pH2.3、2.6、2.9および3.2における、1.5% IEIK13データを含む。時間スイープ試験を、1rad/secおよび1Pa(20mmのプレートおよび500μmのギャップ距離)で実施した。時間スイープ試験の間、時間=0において、測定プレートの周りのチャンバーにDMEMを加えてペプチドを浸した。 図26は、低塩条件または高塩条件(すなわち臨界イオン強度よりも上)における、ペプチドのナノ構造および/または再組織化を示す。塩溶液の適用方法(処理または混合)は、ナノ構造を変化させ得る。塩溶液によるペプチドの処理は剛性のゲルを形成し得るが、ペプチドへの塩溶液の混合は、相分離を引き起こし得る。 図27は、1Paでの、1rad/s〜10rad/sの例示的な振動数スイープ試験を示す。図27は、NaCl溶液(0.2Mイオン強度)を含む、または含まない、1% KLD12の測定である。 図28は、1Paでの、1rad/s〜10rad/sの例示的な振動数スイープ試験を示す。図28は、NaCl溶液(0.02Mイオン強度)を含む、または含まない、1% IEIK13の測定である。 図29は、1Paでの、1rad/s〜10rad/sの例示的な振動数スイープ試験を示す。図29は、NaCl溶液(0.7Mイオン強度)を含む、または含まない、1% RADA16の測定である。 図30は、1rad/sにおける、貯蔵弾性率の棒グラフである。1.0% RADA16を、0〜1.0Mの異なるイオン強度のNaClに曝した。 図31は、1rad/sにおける、貯蔵弾性率の棒グラフである。1.0% IEIK13を、0〜0.04Mの異なるイオン強度のNaClに曝した。 図32Aは、0、0.01および0.02MのNaClイオン強度における、1% IEIK13の流動粘度試験を示す。図32Bは、0.003 l/secの剪断速度での粘度の棒グラフである。 図33A、図33Bおよび図33Cは、それぞれ、0、0.01、および0.02のNaClイオン強度での1% IEIK13に対して高剪断応力を適用した後の、時間の関数としての貯蔵弾性率測定を示す。横線は、それぞれの1% IEIK13組成物の元の貯蔵弾性率を示す。 図34は、DMEM処理前または後の、NaClイオン強度の関数としての、1Paにおける1% RADA16の例示的な貯蔵弾性率を示す。 図35は、DMEM処理前または後の、NaClイオン強度の関数としての、1Paにおける1% IEIK13の例示的な貯蔵弾性率を示す。 図36は、選択された塩類(NaCl、KCl、MgCl、およびCaCl)を有する1% RADA16の例示的な貯蔵弾性率を示す。は、G’が、コントロール(塩なし)よりも有意に高いことを表わす(P<0.05)。#は、G’が、0.15MのNaClイオン強度を有する1% RADA16よりも有意に低いことを表わす(P<0.05)。 図37は、DMEM処理後の、選択された塩類(NaCl、KCl、MgCl、およびCaCl)を含む1% RADA16の例示的な貯蔵弾性率を示す。は、G’が、コントロール(塩なし、DMEM処理後)よりも有意に高いことを表わす(P<0.05)。 図38は、生理食塩水バッファー処理後の、1.5% IEIK13、1.5% KLD12、および2.5% RADA16に関する、時間の関数としての例示的な貯蔵弾性率測定を示す。時間スイープ試験は、1rad/secおよび1Pa(20mmのプレートおよび500μmのギャップ距離)で実施した。時間スイープ試験の間、時間=0において、測定プレートの周りのチャンバーに生理食塩水バッファーを加えてペプチドを浸した。 図39は、特定のイオン強度における、RADA16、KLD12、およびIEIK13のナノ構造および/または再組織化を示す。高剪断応力は、ナノ構造および/または再組織化を変化させ得る。 図40は、1rad/secにおける、2.5% RADA16の貯蔵弾性率を示す。NaClの添加およびpHの上昇は、2.5% RADA16の貯蔵弾性率を増大させた。 図41A、図41B、図41Cおよび図41Dは、実施例4および7に記載の異なる塩類および/または塩濃度を有するペプチド組成物の調製に使用されるステップを示す。当業者は、同様のストラテジーを使用して、例えば、異なるpH、ペプチド濃度などを有するペプチド組成物を分析することができることを理解するであろう。図41Aでは、ガラスバイアルを用いてペプチドパウダーを配置した。図41Bでは、ペプチドパウダーを、最初に、最終容量の選択画分において脱イオン水中に溶解させ;所望により、ボルテックスおよび/または超音波処理を使用して、完全な可溶化を達成または確実にした。図41Cでは、用いた脱イオン水の容量に対して量および濃度依存して、濃縮塩溶液を上部に添加した。図41Dでは、例えばボルテックスにより溶液を混合した。 図42A、図42B、図42C、図42D、図42E、図42Fおよび図42Gは、それぞれ、0.5% RADA16と、0、0.005、0.05、0.125、0.250、0.500および1M CaClとの、混合物の正立および倒立の写真である。図42Eは、最適および完全な機能性ゲルを示す。図42Fは、半機能性ゲルを示す。図42Gは、非機能性ゲルを示す。 図43は、0.125、0.250、および0.500Mの濃度でNaCl、KCl、およびCaClと混合した、0.5% RADA16の貯蔵弾性率測定を示す。 図44は、2.5% RADA16および0.125M CaClを含む2.5% RADA16の貯蔵弾性率測定を示す。 図45Aおよび図45Bは、機械的摂動後の、0.125、0.250、および0.500Mを含むRADA16の貯蔵弾性率測定を示す。は、コントロールサンプルおよび摂動サンプルが、有意に異なることを表わす。 図46は、時間の関数としての、CaClおよびCaSOで処理された2.5% RADA16の貯蔵弾性率測定である。 図47Aは、IEIK13およびインジゴカルミンを含むIEIK13の例示的なレオロジーデータである。図47Bは、IEIK13およびインジゴカルミンを含むIEIK13の剛性を示す。図47Cは、RADA16およびリンガー液を含むRADA16の剛性を示す。図47Dは、リンガー液を含むRADA16の倒立させた写真である。図46Eは、IEIK13およびインジゴカルミンを含むIEIK13の倒立させた写真である。図47Fは、インジゴカルミンを含む、シリンジ内に入れたIEIK13の写真である。 図48は、2.5% RADA16およびNaClを含む2.5% RADA16のグラフであり、肺の破裂圧力の増大を示す。
定義
本明細書において用いられる用語「薬剤」は、例えば、ポリペプチド、核酸、糖類、脂質、小分子、金属、またはそれらの組み合わせを含む、任意の化学クラスの化合物または物質を指し得る。一部の実施態様では、薬剤は、天然に見られ、および/または天然から得られるという点で、天然物であり、または含む。一部の実施態様では、薬剤は、人の手の動作を通して設計され、改変され、および/または生産され、および/または、天然に見られないという点で、人工である1つまたは複数の物質であり、または含む。一部の実施態様では、薬剤は、分離されまたは純粋な形態で使用され得て;一部の実施態様では、薬剤は、粗製形態で使用され得る。一部の実施態様では、潜在的な薬剤は、コレクションまたはライブラリーとして提供され、例えば、スクリーニングしてそれらの中の活性の薬剤が同定または特徴付けられ得る。本発明により使用され得る薬剤の一部の特定の実施態様は、小分子、抗体、抗体フラグメント、アプタマー、核酸(例えば、siRNA、shRNA、DNA/RNAハイブリッド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム)、ペプチド、ペプチド模倣物などを含む。一部の実施態様では、薬剤は、ポリマーであり、または含む。一部の実施態様では、薬剤はポリマーではなく、および/または、いかなるポリマーも実質的に存在しない。一部の実施態様では、薬剤は、少なくとも1つのポリマー部分を含む。一部の実施態様では、薬剤は、いかなるポリマー部分もなく、または実質的に存在しない。
本明細書において用いられる用語「アミノ酸」は、その最も広い意味において、例えば1つまたは複数のペプチド結合の形成を通してポリペプチド鎖に取り込むことのできる、任意の化合物および/または物質を指す。一部の実施態様では、アミノ酸は、一般構造HN−C(H)(R)−COOHを有する。一部の実施態様では、アミノ酸は天然起源のアミノ酸である。一部の実施態様では、アミノ酸は合成アミノ酸であり;一部の実施態様では、アミノ酸はD−アミノ酸であり;一部の実施態様では、アミノ酸はL−アミノ酸である。「標準アミノ酸」は、天然起源ペプチドに一般に見られる任意の20の標準的なL−アミノ酸を指す。「非標準アミノ酸」は、合成的に調製されるか、または天然起源から得られるかにかかわらず、標準アミノ酸以外の任意のアミノ酸を指す。一部の実施態様では、ポリペプチド内のアミノ酸(カルボキシ−および/またはアミノ−末端アミノ酸を含む)は、上記の一般構造と比較して構造上の改変を含んでよい。例えば、一部の実施態様では、アミノ酸は、一般構造と比較して、メチル化、アミド化、アセチル化、および/または置換により改変されてよい。一部の実施態様では、そのような改変は、それ以外では同一の改変されていないアミノ酸を含むものと比較して、例えば、改変されたアミノ酸を含むポリペプチドの循環半減期を変更し得る。一部の実施態様では、そのような改変は、それ以外では同一の改変されていないアミノ酸を含むものと比較して、改変されたアミノ酸を含むポリペプチドの関連のある活性を著しく変更しない。文脈から明らかであるように、一部の実施態様では、用語「アミノ酸」は、フリーのアミノ酸を指すために用いられ;一部の実施態様では、それは、ポリペプチドのアミノ酸残基を指すために用いられる。
本明細書において用いられる用語「およそ」または「約」は、1つまたは複数の目的の値に適用されて、記載された参照値と似た値を指す。特定の実施態様では、用語「およそ」または「約」は、別段の記載がされ、または文脈からそれ以外が明らかでない限り、記載された参照値の、いずれかの方向に(よりも大きい、または、よりも小さい)25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれ未満の範囲内に入る値の範囲を指す(そのような数字が、あり得る値の100%を超える場合を除く)。
2つの事象または物質は、その用語が本明細書において用いられる場合、一方の存在、レベルおよび/または形態が、他方のものと相関する場合に、互いに「関係がある」。例えば、特定物質(例えば、ポリペプチド、遺伝子シグネチャ、代謝物など)は、その存在、レベルおよび/または形態が、(例えば、関連のある集団にわたって)疾患、障害、または状態の発生率および/または感受性と相関する場合に、特定の疾患、障害、または状態と関係があると考えられる。一部の実施態様では、2以上の物質は、それらが、互いに物理的に近接して存在および/または留まるように、直接的または間接的に相互作用する場合に、互いに物理的に「関係がある」。一部の実施態様では、互いに物理的に関係がある2以上の物質は、互いに共有結合していて;一部の実施態様では、互いに物理的に関係がある2以上の物質は、互いに共有結合していないが、例えば、水素結合、ファンデルワールス相互作用、疎水性相互作用、磁気作用、およびそれらの組み合わせにより、非共有的に関係がある。
用語「同等」は、本明細書において、得られた結果または観察された現象の比較を可能にするのに十分に互いに似た2つの(またはそれよりも多い)セットの状態、状況、個体または集団を記載するために用いられる。一部の実施態様では、同等のセットの状態、状況、個体、または集団は、複数の実質的に同一の特性および1または少数の異なる特性により、特徴付けられる。当業者は、状況、個体、または集団のセットは、十分な数およびタイプの実質的に同一の特性により特徴付けられる場合に、互いに同等であると理解し、異なるセットの状況、個体、または集団の下またはそこで得られた結果または観察された現象の違いは、異なるこれらの特性における多様性に起因し、または兆候であるという合理的な結論を正当化する。当業者は、本明細書で用いられる相対的な言語(例えば、増強した、活性化された、低下した、阻害された、など)は、典型的に、同等の条件下で行なわれた比較を指すことを理解するであろう。)
本明細書に記載の特定の方法論は、「決定」するステップを含む。本明細書を読んだ当業者は、そのような「決定」するステップは、本明細書において明示的に言及される特定の技術などを含む、当業者に利用可能な任意の様々な技術の使用を介して利用または達成することができることを理解するであろう。一部の実施態様では、決定するステップは、物理的サンプルの操作を含む。一部の実施態様では、決定するステップは、例えば、関連のある分析を行なうために適用されるコンピューターまたは他の処理装置を利用する、データまたは情報の考察および/または操作を含む。一部の実施態様では、決定するステップは、関連のある情報および/または物質をソースから受け取るステップを含む。一部の実施態様では、決定するステップは、サンプルまたは物質の1つまたは複数の特性を、同等の参照と比較するステップを含む。
本明細書において用いられる用語「ゲル」は、レオロジー特性が、溶液、固体などから区別される粘弾性物質を指す。一部の実施態様では、組成物は、その貯蔵弾性率(G’)がその弾性率(G’’)よりも大きい場合に、ゲルであると考えられる。一部の実施態様では、組成物は、溶液中に化学的または物理的な架橋ネットワーク(粘性溶液中の絡まった分子から区別される)が存在する場合に、ゲルであると考えられる。
本明細書において用いられる用語「インビトロ」は、多細胞生物内ではなく、例えば、試験チューブまたは反応槽中、細胞培養中などの人工的環境中で生じる事象を指す。
本明細書において用いられる用語「インビボ」は、ヒトおよび非ヒト動物のような多細胞生物内で生じる事象を指す。細胞に基づく系の文脈において、その用語は、(例えば、インビトロ系とは逆に)生細胞内で生じる事象を指すために用いられ得る。
本明細書において用いられる用語「ペプチド」は、典型的に相対的に短い、例えば、約100個未満のアミノ酸、約50個未満のアミノ酸、20個未満のアミノ酸、または10個未満のアミノ酸の長さを有するポリペプチドを指す。
本明細書において用いられる用語「ポリペプチド」は、アミノ酸の任意のポリマー鎖を指す。一部の実施態様では、ポリペプチドは、天然に生じるアミノ酸配列を有する。一部の実施態様では、ポリペプチドは、天然に生じないアミノ酸配列を有する。一部の実施態様では、ポリペプチドは、人の手の動作を通じて設計および/または生産されたという点で改変されたアミノ酸配列を有する。一部の実施態様では、ポリペプチドは、天然のアミノ酸、非天然のアミノ酸、または両方を含んでよく、またはからなってよい。一部の実施態様では、ポリペプチドは、天然のアミノ酸のみ、または非天然のアミノ酸のみを含んでよく、またはからなってよい。一部の実施態様では、ポリペプチドは、D−アミノ酸、L−アミノ酸、または両方を含んでよい。一部の実施態様では、ポリペプチドは、D−アミノ酸のみを含んでよい。一部の実施態様では、ポリペプチドは、L−アミノ酸のみを含んでよい。一部の実施態様では、ポリペプチドは、例えば、ポリペプチドのN−末端、ポリペプチドのC−末端、またはそれらの任意の組み合わせにおいて、1つまたは複数のアミノ酸側鎖に修飾または付加された、1つまたは複数のペンダント基または他の修飾を含んでよい。一部の実施態様では、そのようなペンダント基または修飾は、アセチル化、アミド化、脂質化、メチル化、ペグ化などからなる群より選択されてよく、それらの組み合わせを含む。一部の実施態様では、ポリペプチドは環状であってよく、および/または、環状部分を含んでよい。一部の実施態様では、ポリペプチドは環状ではなく、および/または、いかなる環状部分も含まない。一部の実施態様では、ポリペプチドは直鎖である。一部の実施態様では、ポリペプチドは、ステープルポリペプチドであってよく、または含んでよい。一部の実施態様では、用語「ポリペプチド」は、参照ポリペプチドの名称、活性、または構造に付け加えられ得て;そのような場合は、関連のある活性または構造を共有するポリペプチドを指すために本明細書において用いられ、したがって、ポリペプチドの同一のクラスまたはファミリーのメンバーであると考えることができる。そのようなクラスそれぞれに関して、本明細書は、アミノ酸配列および/または機能が公知であるクラス内の例示的なポリペプチドを提供し、および/または、当業者は知っていて;一部の実施態様では、そのような例示的なポリペプチドは、ポリペプチドクラスまたはファミリーに関する参照ポリペプチドである。一部の実施態様では、ポリペプチドクラスまたはファミリーのメンバーは、クラスの参照ポリペプチドと;一部の実施態様では、クラス内の全てのポリペプチドと)、有意な配列相同性または同一性を示し、共通の配列モチーフ(例えば、特徴的な配列因子)を共有し、および/または、(一部の実施態様では同等のレベル、または所定の範囲内で)共通の活性を共有する。例えば、一部の実施態様では、メンバーポリペプチドは、少なくとも約30〜40%、および、約50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上よりも高いことが多い、参照ポリペプチドとの配列相同性または同一性の全体的な度合を示し、および/または、90%または実に95%、96%、97%、98%、または99%よりも高いことが多い、非常に高い配列同一性を示す少なくとも1つの領域(例えば、一部の実施態様では、特徴的な配列因子であり得る、または含み得る、保存領域)を含む。そのような保存領域は、通常、少なくとも3〜4個、20個までであることが多い、またはそれよりも多い、アミノ酸を含み;一部の実施態様では、保存領域は、少なくとも1つの一続きの少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15個またはそれよりも多い連続アミノ酸を含む。一部の実施態様では、有用なポリペプチドは、親ポリペプチドのフラグメントを含んでよく、またはからなってよい。一部の実施態様では、有用なポリペプチドは、複数のフラグメントを含んでよく、またはからなってよく、そのそれぞれは、目的のポリペプチドがその親ポリペプチドの誘導体であるように、目的のポリペプチド内に見られるのとは互いに対して異なる空間的配置で同一の親ポリペプチド内に見られる(例えば、親内で直接結合しているフラグメントは、目的のポリペプチド内で空間的に離れていてよく、または逆も同様であり、および/または、フラグメントは、親内とは異なる順番で目的のポリペプチド内に存在してよい)。
本明細書において用いられる用語「参照」は、それに対して比較が行われる標準またはコントロールを記載する。例えば、一部の実施態様では、目的の薬剤、動物、個体、集団、サンプル、配列または値は、参照またはコントロールの薬剤、動物、個体、集団、サンプル、配列または値と比較される。一部の実施態様では、参照またはコントロールは、目的の試験または決定と実質的に同時に、試験および/または決定される。一部の実施態様では、参照またはコントロールは、歴史的な参照またはコントロールであり、場合により、有形的表現媒体で具体化される。典型的に、当業者により理解されるように、参照またはコントロールは、評価中のものと同等の条件または状況下で決定され、または特徴付けられる。当業者は、十分な類似性が存在する場合に、特定のあり得る参照またはコントロールへの依存および/または比較を正当化することを理解するであろう。
用語「自己組織化」は、本明細書において、例えば、それらを含む溶液(例えば、水溶液)が、ゲル特性を発達させるように、適切な条件下で構造に自然に自己会合することができる特定のポリペプチドに関して用いられる。一部の実施態様では、組成物内の個々の自己組織化ポリペプチドの間および中の相互作用は、組成物がゲル状態と溶液状態の間を可逆的に移行し得るように、可逆的である。一部の実施態様では、自己組織化(および/または逆組織化)は、1つまたは複数の環境的トリガー(例えば、pH、温度、イオン強度、モル浸透圧濃度、浸透圧、適用される圧力、適用される剪断応力などの1つまたは複数の変化)に応答性である。一部の実施態様では、自己組織化ポリペプチドの組成物は、ポリペプチドが組織化した状態である場合の、検出可能なβシート構造により特徴付けられる。
[特定の実施態様の詳細な説明]
1つまたは複数の実施態様によれば、本発明は、同一のペプチドの他の製剤と比較して、高められた有用性および改善された性能を与え得る、特定のペプチドの製剤を提供する。一部の実施態様では、開示される製剤は、例えば、様々な研究および/または臨床適用と関連する、これまでに満たされなかった要求を対処し得る、異なるまたは独特の特性を提供し得る。一部の実施態様では、提供されるペプチド製剤の特定の望ましい特性は、ペプチドの標準または参照の製剤と比較して製剤のpHレベルを上昇させることにより、および/または、標準または参照の製剤中の塩のタイプおよび/または量と比較して1つまたは複数の塩類を製剤に添加することによって、提供される。一部の実施態様では、提供される製剤は、本明細書に記載の標準または参照の製剤と比較した、より安定なヒドロゲル形成、および/または他の属性により特徴付けられる。
ペプチド
1つまたは複数の実施態様によれば、ペプチド組成物は、約6〜約200個のアミノ酸残基を有する両親媒性ポリペプチドを含み得る。特定の実施態様では、少なくとも約7個のアミノ酸の長さを有し得る。特定の実施態様では、ポリペプチドは、約7〜約17個のアミノ酸の長さを有し得る。特定の実施態様では、ポリペプチドは、少なくとも8個のアミノ酸、少なくとも約12個のアミノ酸、または少なくとも約16個のアミノ酸の長さを有し得る。
一部の実施態様では、当分野で理解されるように、両親媒性ポリペプチドは、その配列が、親水性アミノ酸および疎水性アミノ酸の両方を含むものである。一部の実施態様では、そのような親水性アミノ酸および疎水性アミノ酸は、ペプチドが、交互の親水性および疎水性アミノ酸のアミノ酸配列を有するように、交互に結合し得る。一部の実施態様では、本開示による使用のためのポリペプチドは、配列Arg−Ala−Asp−Ala(RADA)の繰り返し単位を含む、またはからなる、アミノ酸配列を有する。一部の実施態様では、本開示による使用のためのポリペプチドは、配列Lys−Leu−Asp−Leu(KLDL)の繰り返し単位を含む、またはからなる、アミノ酸配列を有する。一部の実施態様では、本開示による使用のためのポリペプチドは、配列Ile−Glu−Ile−Lys(IEIK)の繰り返し単位を含む、またはからなる、アミノ酸配列を有する。
一部の実施態様では、本開示による使用のためのペプチドは、特定の条件下の水溶液中で、一般に自己組織化であり得て、および/または、βシート構造を示し得る。
一部の実施態様では、本開示による使用のためのペプチドは、アミノ酸配列:Arg−Ala−Asp−Ala−Arg−Ala−Asp−Ala−Arg−Ala−Asp−Ala−Arg−Ala−Asp−Ala(すなわち、RADA16、aka[RADA]4;配列番号1)を有する。一部の実施態様では、本開示による使用のためのペプチドは、アミノ酸配列:Lys−Leu−Asp−Leu−Lys−Leu−Asp−Leu−Lys−Leu−Asp−Leu(すなわち、KLDL12、aka[KLDL])3 aka KLD12;配列番号2)を有する。本開示による使用のためのペプチドは、アミノ酸配列:Ile−Glu−Ile−Lys−Ile−Glu−Ile−Lys−Ile−Glu−Ile−Lys−Ile(すなわち、IEIK13、aka(IEIK)3I;配列番号3)を有する。
本明細書を読む当業者は、任意の様々な他のペプチドが、本発明の実施において代わりに用いられ得ることを理解するであろう。一部の実施態様では、例えば、公開された米国特許出願US2009/0111734 A1、公開された米国特許出願US2008/0032934 A1、公開された米国特許出願US2014/0038909 A1、発行された米国特許US7,846891 B2、発行された米国特許US7,713923 B2、発行された米国特許US5670483 B2に記載の1つまたは複数のペプチド、その関連のある内容は、参照により本明細書中に援用される。
一部の実施態様では、本発明による使用のためのペプチドは、以下の式の1つにより表される配列を含む、またはからなる、アミノ酸配列を有する:
((XY)−(ZY)・・・式(a)
((YX)−(YZ)・・・式(b)
((ZY)−(XY)・・・式(c)
((YZ)−(YX)・・・式(d)
ここで、Xは酸性アミノ酸を表わし、Yは疎水性アミノ酸を表わし、および、Zは塩基性アミノ酸を表わし、l、mおよびnは、全て整数である(n(l+m)<200)(1≦n≦100))。
組成物
一部の実施態様では、本開示によるペプチド組成物は、特定のレオロジーおよび/または光学的特性により特徴付けられ得る。一部の実施態様では、そのようなレオロジー特性は、ゲル化カイネティクス、可逆的な組織化特性、貯蔵弾性率、粘度などの1つまたは複数を含み得る。一部の実施態様では、1つまたは複数のレオロジー特性は、試験および/または決定(例えば、測定)され得て;一部の実施態様では、1つまたは複数のレオロジー特性は、目視観察により評価され得る。
一部の実施態様では、関連のある光学的特性は、透明性の度合い、光学的透明度などの1つまたは複数を含み得る。一部の実施態様では、1つまたは複数の光学的特性は、試験および/または決定(例えば、測定)され得て;一部の実施態様では、1つまたは複数の光学的特性は、目視観察により評価され得る。一部の実施態様では、特定の組成物の光学的透明度は、透明、わずかに混濁、または混濁として記載され得る。一部の実施態様では、提供される組成物は、透明である。
一部の実施態様では、提供される組成物は、特定のレベルの剛性により特徴付けられる。一部の実施態様では、剛性は、貯蔵弾性率の決定により評価される。当業者に理解されるように、一般に、貯蔵弾性率および剛性は正の相関を有し;すなわち、より高い貯蔵弾性率は、より高い剛性と相関する。
一部の実施態様では、提供される組成物は、特定のゲル化特性(例えば、特定の期間内のゲル化の特定の度合い)により特徴付けられる。一部の実施態様では、提供される組成物は、約10秒〜約48時間の範囲の期間内の実質的に完全なゲル化により特徴付けられる。
一部の実施態様では、提供される組成物は、ゲル化および/または他の物質の復元の特定の度合いおよび/またはレオロジー特性により特徴付けられる。例えば、一部の実施態様では、ゲル化されている提供される組成物を崩壊に供した場合に、それらは、特定の期間内(例えば、約10秒〜約48時間の範囲内)に、機械的および/またはレオロジー特性が元のゲルのものと合理的に同等であるゲルに再ゲル化する能力を示す。
一部の実施態様では、提供される組成物は、細胞増殖および/または生存率をサポートする能力により特徴付けられる。
一部の実施態様では、本明細書において記載および/または使用されるペプチド組成物の1つまたは複数の物質(例えば、レオロジー)特性は、例えば、ペプチド同一性(例えば、アミノ酸配列、疎水性の度合いなど)、ペプチド濃度、pH、イオン強度(例えば、塩濃度)、イオン同一性など、およびそれらの組み合わせにより、決定され得る。
ペプチド濃度
1つまたは複数の実施態様によれば、本明細書に記載のペプチド組成物のレオロジー特性は、ペプチド濃度の選択により調整され得る。本開示は、ペプチド濃度の選択および/または調節を通して、例えば、組成物の特定の適用または使用に特に好ましくあり得る、特定の所望の特性を有するペプチド組成物の選択および/または生産を可能にするパラメーターを定義する。
例えば、本開示は、とりわけ、多くのペプチド、組成物に関して、剛性は、ペプチド濃度に伴って実質的に直線的に増大することを示す。さらに、本明細書に記載のように、特定のペプチド組成物は、臨界応力レベルを超える剪断減粘性特性を示した。さらに、本開示は、特定のペプチド濃度において達成されるレオロジー特性が、ペプチドの同一性に依存して変化し得ることを示す。例えば、1.5% KLD12の貯蔵弾性率は、2.5% RADA16のものと同様であることが見いだされた。1% IEIK13の貯蔵弾性率は、2.5% KLD12のものと同様であり、2.5% RADA16のものよりも高いことが見いだされた。概して、本実施例で試験された組成物の中でのレオロジー強度の順番は、IEIK13>KLD12>RADA16であり、IEIK13の組成物は、KLD12の組成物よりも大きなレオロジー強度を示し、同様に、RADA16の組成物よりも大きなレオロジー強度を示した(各場合において、ペプチド濃度が同一である場合)。
一部の実施態様では、本発明による使用のためのペプチド組成物中のペプチド濃度は、少なくとも0.05%、少なくとも0.25%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、少なくとも1.0%またはそれよりも多い。一部の実施態様では、本発明により使用のためのペプチド組成物中のペプチド濃度は、5%未満、4.5%未満、4%未満、3.5%未満、3%未満、またはそれよりも少ない。一部の実施態様では、本発明による使用のためのペプチド組成物中のペプチド濃度は、約0.5%と約3%との間の範囲内である。一部の実施態様では、本発明による使用のためのペプチド組成物中のペプチド濃度は、約0.5%と約2.5%との間の範囲内である。一部の実施態様では、本発明による使用のためのペプチド組成物中のペプチド濃度は、約1%と約3%との間の範囲内である。一部の実施態様では、本発明による使用のためのペプチド組成物中のペプチド濃度は、約1%と約2.5%との間の範囲内である。一部の実施態様では、本発明による使用のためのペプチド組成物中のペプチド濃度は、約0.5%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、またはそれよりも高い。ペプチドがRADA16である場合の一部の特定の実施態様では、本発明のペプチド組成物中のペプチド濃度は、約0.05%〜約10%の範囲内である。
ペプチドがKLD12である場合の一部の特定の実施態様では、本発明のペプチド組成物中のペプチド濃度は、約0.05%〜約10%の範囲内である。
ペプチドがIEIK13である場合の一部の特定の実施態様では、本発明のペプチド組成物中のペプチド濃度は、約0.05%〜約10%の範囲内である。
pH
本開示は、とりわけ、pHがペプチド組成物の特性に影響を与え得ることを示す。本明細書に記載のように、ペプチド組成物のpHの最適化は、ペプチド組成物を様々な臨床適用に用いることができるように、機械的強度を改善し得る。本開示における実施例3は、特定の具体的な実施態様の詳細を示す。
1つまたは複数の実施態様によれば、提供されるペプチド組成物は、関連のあるペプチドのpIおよび/またはペプチドが水に可溶化される場合に得られるもののpIよりも高い(例えば、有意に高い)pHを有し得る。一部の実施態様では、ペプチド組成物の特性は、pHにより調整され得る。例えば、一部の実施態様では、約2.5〜約4.0の範囲内のpHでは、ペプチド組成物の剛性および/または粘度は、適切な参照組成物(例えば、水中同一濃度における同一ペプチド)のものと比較して増大し得る。
一部の実施態様では、ペプチド組成物は、ペプチドおよび溶媒、典型的には水性溶媒を含み得て、pHは、塩基または酸などのpH調節剤を介して調節され得る。一部の実施態様では、ペプチド組成物は、ペプチドおよびバッファーを含む。
一部の実施態様では、pHが調節されたペプチド組成物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫化ナトリウム、DMEMおよび/またはPBSの1つまたは複数を含み得る。
一部の実施態様では、自動滴定デバイスをpH調節のために実行し得る。
一部の実施態様では、提供される組成物は、関連のあるペプチドのpIよりも高い(例えば、実質的に高い)pHを有し、および/または維持される。一部の実施態様では、提供される組成物は、同一濃度での同一ペプチドの水溶液のものよりも高い(例えば、実質的に高い)pHを有する、および/または維持する。一部の実施態様では、提供される組成物は、組成物が混濁している、または混濁するpHよりも低いpHを有し、および/または維持される。
一部の実施態様では、提供される組成物は、約2.5〜4.0のpHまたはそれよりも高いpHにより特徴付けられ;一部の実施態様では、提供される組成物は、生理学的pHにより近いpHにより特徴付けられる。一部の実施態様では、提供される組成物は、約3.0〜4.0の範囲内のpHを有する。一部の実施態様では、提供される組成物は、約2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、約3.1、約3.2、約3.3、約3.4、約3.5の、またはそれより上の、またはそれよりも高いpHを有する。一部の実施態様では、提供される組成物は、約4.3、約4.2、約4.1、約4.0、約39.、約3.7、約3.6、約3.5、約3.4の、またはそれより下の、またはそれよりも低いpHを有する。
一部の実施態様では、本明細書に記載の上昇したpHの組成物(すなわち、約2.5またはそれより上のpHを有する組成物)は、適切な参照組成物(例えば、同一濃度で、場合により同一の塩類を有するがpHが異なる、同一ペプチドの同等の組成物)と比較して、より大きなレオロジー剛性および/または改善したゲル化特性により特徴付けられる。一部の実施態様では、上昇したpHの組成物は、より低いpHの対応する参照組成物よりも幅広い範囲の適用において有用である。
本開示は特に、一部の実施態様において、上昇したpH3.5またはそれ未満において、IEIK13組成物の剛性は有意に増大し得て、一方で、RADA16およびKLD12組成物の剛性は増大し得ないことを示す。いかなる特定の理論にも拘束されることを望まずに、本開示は、pH3.5またはそれ未満でのペプチド組成物の異なる挙動が、RADA16およびKLD12のアスパラギン酸(D)のpKa(pKa=3.71)、および、IEIK13のグルタミン酸(E)(pKa=4.15)に関連する可能性があることを提案する。
pHがアスパラギン酸(D)およびグルタミン酸(E)のpKaよりも高い場合、ペプチド鎖中の酸性基は、ほとんど負に帯電している。負帯電基は、ペプチド鎖内の正帯電基(すなわち、RADA16のアルギニン(R)、および、IEIK13およびKLD12のリジン(K))との、分子内または分子間の、引き合う電荷間相互作用を誘導し、ナノファイバー(すなわち透明の粘性組成物)を形成するよりむしろ、半透明または不透明のより大きな凝集体を形成し(すなわち、その曇り点よりも上)、相分離の可能性を与える。
pHが、アスパラギン酸(D)およびグルタミン酸(E)のpKaよりも低いがそのpKaに近い場合、より集合した負帯電基は、正の基との、より強い引き合う電荷間相互作用を誘導し得る。組成物は、剛性が増大するように、ナノファイバーの形状を維持し得る。
約3.5のpHを有する、ある特定の例示的なペプチド組成物を表2に示す。本明細書において「上昇したpHの組成物」と考えられるそのような組成物は、様々な適用において、改善された性能(例えば、実施例を含む本明細書に記載の、関連のある参照組成物のような、それ以外は同等の、より低いpHの組成物との比較)を提供し得る。ペプチド組成物の機械的強度および多能性は、上昇したpHにより増強され得る。
1つまたは複数の実施態様によれば、pHは、ゲル化カイネティクス(例えば、ゲル化を開始する応答時間)に影響を与え得る。ゲル化カイネティクスに対するpHの効果を評価して、本明細書に記載のペプチド組成物に関する最適pHを特定し得る。
一部の実施態様では、ペプチド組成物は、より高いpHにおいて、より速くゲル化し得る。例えば、本明細書に記載のように、pH調節をしないIEIK13組成物は、即時の貯蔵弾性率の増大を示し、一方で、pH調節をしない(pH2.2)RADA16組成物は、最初の13秒間、貯蔵弾性率の増大を示さない。pH調節をすると、IEIK13およびRADA16は両方とも、図24および図25に示すように、迅速なゲル化に起因して即時の貯蔵弾性率の増大を示す。
イオン強度
本開示は、イオン強度が、ペプチド組成物のレオロジー特性を変化させ得ることを示す。ペプチド組成物のイオン強度の増大は、一般に、様々な臨床適用に関する機械的特性を改善し得る。例えば、本明細書に記載のように、ペプチド組成物の特性に対するイオン強度の効果を評価して、本明細書に記載のペプチド組成物に関する最適イオン強度を特定し得る。
一部の実施態様では、約0.0001M〜約1.5Mの範囲内のイオン強度において、ペプチド組成物の剛性、粘度、および/またはゲル化カイネティクスは、増大し得る。一部の実施態様では、ペプチド組成物は、イオン強度により調整され得る。
1つまたは複数の実施態様によれば、ペプチド組成物のイオン強度は、制限されないがNaCl、KCl、MgCl、CaClおよびCaSOを含む、一般的な塩類の1つまたは複数により調節され得る。一般的な塩類は、カチオンおよびアニオンからなる。一部の実施態様では、カチオンは、アンモニウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、カリウム、ピリジニウム、第4級アンモニウム、およびナトリウムを含む群より選択され得る。一部の実施態様では、アニオンは、アセテート、カーボネート、クロライド、シトレート、シアニド、フロリド、ニトレート、およびホスフェートを含む群より選択され得る。
1つまたは複数の実施態様によれば、イオン強度が最適レベル(例えば、最高剛性)に近づいたときに、1または複数の塩または塩溶液の添加を注意深く制御し得る。一部の実施態様では、イオン強度が所望よりも高い場合、純水を添加し得る。1または複数の塩または塩溶液の添加を制御して、その浸透圧を、その適用に応じて低張、等張または高張に調節し得る。
一部の実施態様では、例として、特定のペプチド組成物のイオン強度を調節するために、特定の塩緩衝液、例えば、NaCl、KCl、MgCl、CaClおよびDPBS(ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水、10×)を添加し得る。
一部の実施態様では、提供される組成物は、1または複数の塩類を含み、その同一性および/または濃度は、臨界イオン強度(それより下ではペプチドの物質沈殿が見られる)に組成物を維持する。一部の実施態様では、物質沈殿は、液体組成物が混濁している(例えば、目視検査により評価される)場合に生じていると考えられる。したがって、一部の実施態様では、提供される組成物は混濁しておらず、および、混濁していてそれ以外は同等(例えば、同一濃度の同一ペプチド)の組成物よりも低いイオン強度を有する。
一部の実施態様では、提供される組成物は、適切な参照組成物(例えば、同一の濃度およびpHの同一ペプチドの組成物だが、異なる塩または異なる濃度の同一塩を有する)のものと比較して、上昇したイオン強度により特徴付けられる。一部の実施態様では、提供される組成物は、生理学的強度に近い、または生理学的強度でのイオン強度により特徴付けられる。一部の実施態様では、本明細書に記載の組成物は、異なるイオン強度の適切な参照組成物と比較して、より大きなレオロジー剛性および/または改善されたゲル化特性により特徴付けられる。一部の実施態様では、提供される組成物は、異なる(例えば、より低い)イオン強度の対応する参照組成物よりも幅広い範囲の適用での使用に適切である。
ある特定の実施態様によれば、塩溶液中にIEIK13、KLD12、またはRADA16を含むペプチド組成物が提供され、その組成物は、水中に溶解された関連のあるペプチドの参照組成物とは異なるイオン強度を有し、その参照組成物と比較して1つまたは複数の改善された物質(例えば、レオロジー)特性を示す。一部の実施態様では、提供される組成物は、関連のある参照組成物よりも剛性である。一部の実施態様では、提供される組成物は、参照組成物と比較して上昇したイオン強度を有するが、なお、それらの塩臨界点よりも低いイオン強度を有する。
いかなる特定の理論にも拘束されることを望まずに、本開示は、増大したイオン強度を有するペプチド組成物の特性が、ペプチドの溶解度に関連し得ることを提案する。pHレベル約2〜4における自己組織化ペプチドの溶解度は、透明で均質のペプチド組成物を作るのに十分ほぼ高い。ペプチド鎖の周りのイオン強度の増大は、ペプチドの溶解度を低下させる。組成物が混濁するようにペプチドの溶解度が低い場合、この状態は臨界点と呼ばれ得る。増大したイオン強度がその臨界点よりも低いがそれに近い場合、ペプチドは、より強い疎水性の相互作用を誘導し得て、剛性が増大する。ペプチド溶解度がその臨界点よりも下に低下した場合は(すなわち高イオン強度)、ペプチド組成物は半透明または不透明であり得て(すなわち、その曇り点よりも上)、沈殿し得る(すなわち相分離)。ペプチドは、透明で粘性の溶液を生成するナノファイバーを形成し得ない。ランダムの疎水性の相互作用は、塩析効果に起因する高イオン強度において自己組織化ナノファイバーを生成する疎水性相互作用よりも優勢であり得る。ランダムの分子内および/または分子間の凝集体は、相分離を引き起こし得る。
1つまたは複数の実施態様によれば、臨界イオン強度は、塩およびペプチド同一性に応じて変化し得る。溶解度と塩濃度との間の関係は、以下のコーエンの等式により表わすことができる:
log S=B−KI
Sがペプチドの溶解度である場合、Bはペプチドに特異的な定数であり、Kは塩に特異的な定数であり、Iは塩のイオン強度である。Bは、pH、および温度と相関する。KはpHと相関する。
一部の実施態様では、ペプチドの溶解度は、温度およびpHが定数(すなわちBが定数)の場合、塩析定数Kおよびイオン強度Iにより左右され得る。より高いKおよびIは、より低いペプチド溶解度をもたらす。一定のpHおよび温度では、Kは、塩類中のイオン同一性により決定される。概して、4つの塩類の中の定数Kの順番は、NaCl>KCl>MgCl=CaClである。
1つまたは複数の実施態様によれば、ペプチドの溶解度は、アミノ酸配列(例えば、ペプチド中の親水性および疎水性アミノ酸残基の組成)により決定され得る。相対的に高い疎水性アミノ酸含有量を有するペプチド(例えばIEIK13)は、典型的に、水性溶媒中に難溶解性である。そのようなペプチドは、自己組織化ペプチド鎖の間の強い疎水性相互作用により特徴付けられることが多く、高い剛性をもたらす。本明細書に示されるように、そのようなペプチドの組成物は、少量の塩の添加により、劇的な剛性の増大を示し得る。対照的に、相対的に低い疎水性アミノ酸含有量を有するペプチド(例えばRADA16)は、水性溶媒への溶解度が高い。これらのペプチドは、典型的に、自己組織化ペプチド間の疎水性相互作用が弱く、低い剛性をもたらす。そのようなペプチドの組成物の剛性は、大量の塩を添加してさえ、それほど増大しない。このモデルと一致して、本開示は、相対的な疎水性と並行する3つの特定の例示されたペプチドの中の臨界イオン強度(例えば組成物が混濁するとき)の順番を示す:RADA16(0.9〜1.2M)>KLD12(0.3〜0.4M)>IEIK13(0.03〜0.04M)。
1つまたは複数の実施態様によれば、ペプチド組成物のイオン強度は、そのゲル化カイネティクスに影響を与え得る。一部の実施態様では、上昇したイオン強度は、ペプチド組成物のゲル化を促進し得る。ゲル化に必要なイオン強度は、塩および/またはペプチド同一性に依存し得る。例えば、RADA16、KLD12、およびIEIK13ペプチドが生理食塩水バッファー(すなわち0.15M NaCl、等張体液と同等)に曝された場合、IEIK13のゲル化のみ開始した。RADA16およびKLD12は、ゲル化を示さず、または無視できるほどであった。これらの知見は、上昇したイオン強度に伴うペプチドの溶解度の低下を反映し得る。IEIK13は、上述のRADA16およびKLD12よりもイオン強度に感受性である。
一部の実施態様では、ペプチド組成物のイオン強度は、例えば、混合および/または撹拌処理が、(典型的に疎水性)ペプチド間相互作用に起因する最初に形成された集合体(例えばナノファイバー)を崩壊させた後の、その復元特性に影響を与え得る。
組み合わせたpHおよび塩の効果
本開示は、pHおよびイオン強度の同時の調節(例えば、生理学的条件への曝露による)が、ペプチド組成物のレオロジー特性を変更することができることを示す。例えば、本明細書に記載のように、提供されるペプチド組成物において細胞培養培地を含むことに起因する増大したpHレベルおよびイオン強度は、そのような組成物の様々な特性(例えば、レオロジー特性)に影響を与えることができる。
一部の実施態様では、ペプチド組成物の剛性、粘度および/またはゲル化カイネティクスは、生理学的条件下で増大し得る。一部の実施態様では、ペプチド組成物の特性は、pHおよびイオン強度の組み合わせにより調整され得る。
いかなる特定の理論にも拘束されることを望まずに、本開示は、ペプチド組成物の剛性:疎水性相互作用および電荷間相互作用に関連する2つ主な分子間相互作用が存在することを提案する。
第一に、疎水性相互作用および反発静電気相互作用は、低pHでのβシートナノファイバーの形成を通して粘性溶液を形成するための主な駆動力である。これらの相互作用は、アスパラギン酸およびグルタミン酸のほとんどが負電荷なくプロトン化され、アルギニンおよびリジンのほとんどが正に帯電している場合に、低pHにおいて重大であると予測される。ペプチド分子は自己組織化して、疎水性相互作用に起因してナノファイバーを形成し、一方でナノファイバーの表面は、ペプチド分子間の反発静電気相互作用に起因して水和される。
一部の実施態様では、約2〜約3のpHレベル周辺でのペプチド組成物の剛性は、それらの疎水性と主に相関するはずである。IEIK13は、7個のイソロイシン基(強い疎水性基)を有し、KLD12は、6個のロイシン基(強い疎水性基)を有し、RADA16は、8個のアラニン基(弱い疎水性基)を有する。IEIK13は、同一のpHおよび濃度において、KLD12およびRADA16よりも高い貯蔵弾性率を有する。
図17Bに示すように、水溶液中のIEIK13分子が模擬的体液(例えば、DMEM)で処理された場合、それらの繊維構造はより厚くなる。より厚い繊維構造は、隣接するナノファイバー間の生理学的pHおよび浸透圧での増大した疎水性相互作用に起因して生じ得る。
疎水性相互作用は、水性環境においてナノファイバー形成を誘導し得て、粘性組成物を生成する。高剪断応力の適用後(すなわち粘度および剛性の低下)、ペプチドはナノファイバーを再形成してそれらの特性を復元することもできる。したがって、ペプチドは、pH2〜3においてチキソトロピック特性を示す。ペプチド組成物は、適用された剪断応力が取り除かれた時点で、それらの元の特性をゆっくり復元する。
第二に、引き合う電荷間相互作用は、生理学的条件において既存の疎水性相互作用と同時に生じ得る。ペプチド分子周辺のpHが酸性から中性に変化する場合、既存の疎水性相互作用は崩壊し得ない。負帯電基および正帯電基は、図7に示されるように、ペプチド組成物がより剛性であり得るように、さらなる引き合う電荷間の分子間相互作用を誘導する。
しかしながら、生理学的条件におけるペプチド集合体(peptide assembly)が高剪断応力に曝される場合、ペプチド集合体はペプチド凝集体に崩壊する。図7に示すように、これは不可逆のプロセスである。
例えば、0.5mLのDMEMを、0.5mLの2% RADA16と数回ピペッティングにより混合した場合、RADA16は、透明で粘性のペプチド集合体を形成しなかった(すなわち混濁した粘性が低いエマルション)。混合物を2500rpmで5分間遠心分離した場合、混濁したRADA16の相分離が混合物から沈殿した。この場合、ペプチド集合体(すなわち、初め、疎水性相互作用を介して形成された)は、混合プロセス中、崩壊される可能性があった。引き合う電荷間相互作用が疎水性相互作用よりも優勢であった。それは、ランダムの分子内および分子間凝集体の形成を誘導する。相分離を図7に示す。
1つまたは複数の実施態様によれば、IEIK13、KLD12、またはRADA16は、塩バッファー(例えばNaCl)に溶解され得て、それらのpHは、アルカリ塩バッファー(例えばNaOH)により上昇され得る。それらの塩イオン強度は、それらの塩臨界点より下であり得る。それらのpHは約2.5〜約4.0であり得る。組成物は、同一濃度での同一ペプチドの適切な参照組成物と比較して、増大された剛性および粘度を有し得る。
一部の実施態様では、生理学的条件(例えば、上昇したpHおよび塩イオン強度)は、ペプチド組成物のゲル化を促進し得る。生理学的条件下でのIEIK13の促進されたゲル化は、2つの駆動力、すなわち増大されたpHおよびイオン強度と関連し得る。生理学的条件下でのRADA16の促進されたゲル化は、ただ1つの駆動力、すなわち増大したpHを有し得る。一部の実施態様では、体液でのペプチド組成物の促進されたゲル化は、一般に、その機能および様々な臨床適用に対する応答時間を改善し得る。
細胞適合性
1つまたは複数の実施態様によれば、提供されるペプチド組成物は、一般に、高い細胞生存率と関連する。
一部の実施態様では、KLD12およびIEIK13は、RADA16と比較して同様またはより高い細胞生存率を有し得る。これらのペプチド組成物の中の全般的な細胞生存率の順番は、KLD12>IEIK13>RADA16であった。一部の実施態様では、ペプチド組成物は、それらの濃度が約0.75%またはそれ未満である場合、80%よりも高い細胞生存率を有し得る。一部の実施態様では、ペプチド濃度が0.75%よりも高い場合、細胞生存率は低減し得る。
形状
[一部の実施態様では、本発明によるペプチド組成物は、乾燥粉末、溶液、ゲル(例えば、ヒドロゲル)、またはそれらの任意の組み合わせの形状である。
一部の実施態様では、乾燥粉末組成物は、ペプチドを適切な量で含み、選択された容量の溶媒(例えば、水性溶媒、場合により1つまたは複数の塩類および/または1つまたは複数のpH調節剤を含む)の添加の際に所望の濃度の溶液をもたらす。一部の実施態様では、乾燥粉末組成物は、適切なタイプおよび相対的量の塩およびペプチドを含み、選択された容量の溶媒(例えば、水性溶媒、場合により1つまたは複数のさらなる塩類および/または1つまたは複数のpH調節剤を含む)の添加の際に、本明細書に記載の所望のペプチド濃度およびイオン強度の溶液をもたらす。一部の実施態様では、乾燥粉末組成物は、適切なタイプおよび相対的量のpH調節剤およびペプチドを含み、選択された容量の溶媒(例えば、水性溶媒、場合により1つまたは複数の塩類および/または1つまたは複数のさらなるpH調節剤を含む)の添加の際に、本明細書に記載の所望のペプチド濃度およびpHの溶液をもたらす。一部の実施態様では、乾燥粉末組成物は、適切なタイプおよび相対的量のpH調節剤、塩、およびペプチドを含み、選択された容量の溶媒(例えば、水性溶媒、場合により1つまたは複数のさらなる塩類および/または1つまたは複数のさらなるpH調節剤を含む)の添加の際に、本明細書に記載の所望のペプチド濃度、pH、および/またはイオン強度の溶液をもたらす。
一部の実施態様では、提供される組成物は、容器(例えば、シリンジ、バイアル、ウェルなど)に収納される。一部の実施態様では、容器は、容量表示を含むという点で、目盛り付きの容器である。一部の実施態様では、容器は、カニューレまたはシリンジのような送達デバイスへの接続に適している。一部の実施態様では、容器は、シールを除去せずに流動可能な(例えば、液体)物質の添加および/または除去を可能にする様式(例えば、侵入可能なカバリング)で、密封されている。
適用
一部の実施態様では、本開示は、特定の適用での使用のためのペプチド組成物を選択するためのシステムを提供する。ペプチド同一性、ペプチド濃度、pH、塩同一性および/または塩濃度の効果は、本明細書に記載のように、特性(したがって、特定の適用のための特定のペプチド組成物の有用性)に影響を与えることができる。
2、3であるが例を提供すると、一般に、より高い剛性を有するペプチド組成物は、止血、組織プラグ、抗癒着、または特定の組織再生により特徴付けられる適用に、より適している。より迅速なゲル化時間を有するペプチド組成物は、特定の組織プラグの適用(例えば、約1分〜約1時間よりも少ないゲル化時間が典型的に必要または好ましい、止血、組織プラグ、抗癒着、または薬物輸送、血管プラグなど)に、特に適し得る。より迅速な復元時間を有するペプチド組成物は、止血、組織プラグ、または血管プラグに、特に適し得る。
本明細書に示されるように、例えば、細胞足場、液体移動のバリア、止血剤、空隙充填剤として、およびそれよりも多くを含む、様々なインビボおよびインビトロのコンテキストにおいて、極めて有用である自己組織化ペプチド組成物が提供される。本明細書に記載の異なるそのような組成物は、異なるコンテキストにおいて、より有用であり得る。
例えば、外科的処置中のペプチド組成物(例えば、止血剤として)の投与に関するコンテキストは、組成物が、外科的部位への投与に適切な期間、実質的に液体のままであり、その後、迅速にゲル化して、安定した、好ましくは透明で相対的に剛性のゲルを形成することを可能にする、ゲル化カイネティクスにより恩恵を受け得る(それにより外科的操作を容易に進めることができる)。
具体例を提供すると、本明細書に記載のように、一部の実施態様では、IEIK13組成物は、例えば特定の剛性および迅速なゲル化を必要とする、様々な生体医学的適用において、特に有用であり得る。本開示は、特定のIEIK13組成物が、高剪断応力の適用後の迅速な復元速度(例えば最も迅速な自己組織化)および/または相対的に高い剛性により特徴付けられることを示す。また、本開示は、特定のIEIK13組成物が、生理学的培地と接触した場合に、特に有用な(例えば、高い)剛性を示し得ることを示す。
また、本開示は、例えば、高い最終的な剛性とともに簡単な注入が必要な場合に、特定のKLD12組成物が特に有用であり得ることを示す。一部の実施態様では、KLD12の自己組織化ナノファイバーは、高剪断応力により逆組織化し得て、それからゆっくり元に組織化する。
また、本開示は、特定のKLD12組成物は、高い細胞生存率が必要である場合に特に有用であり得ることも示す。一部の実施態様では、KLD12の濃度が増大されて、特定の適用に必要な剛性を有し得る。
実施例1:特定の参照ペプチド組成物の光学的透明度
本実施例は、示されたペプチドが水に溶解された、特定の参照ペプチド組成物の光学的透明度および相安定性(すなわち相分離の不存在)を示す。一部の実施態様では、提供されるペプチド組成物の光学的透明度(および/または相安定性)は、そのような参照組成物のものと比較して評価される。一部の実施態様では、特定の濃度での特定のペプチドの提供される組成物は、水に溶解された同一組成での同一ペプチドの参照組成物のものと少なくとも同じくらい良好の光学的透明度および/または相安定性を示す。
表1に関して見ることができるように、様々なペプチド濃度にわたって光学的透明度(および相安定性も)を示す様々な参照ペプチド組成物を調製した。特に、0.05%、0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%またはそれよりも高い濃度のペプチド組成物は、透明な光学的特性および相分離の不存在を示した。
実施例2:濃度の関数としてのペプチド組成物のレオロジー特性
本実施例は、特定のペプチド組成物のレオロジー特性に対するペプチド濃度の効果を示す。一部の実施態様では、レオロジー特性は、ペプチド濃度との直線相関を有し得る。
一部の実施態様では、特定の所望の剛性を有するペプチド組成物は、数学的モデル(すなわち、弾性率トレンドライン等式(modulus trend−line equation))を用いて決定される特定のペプチド濃度を有するように製剤化され得る。ペプチド組成物の製剤化チャートは、例えば下記の表3Aに示すように、脱イオン水におけるそれらの濃度を、それらの特有の貯蔵弾性率に対して関連付け得る。そのようなチャートから、当業者は、製剤化される組成物が所望の剛性を有するように特定のペプチドおよび適切なペプチド濃度を選択することによって、所望のレオロジー特性を有するペプチド組成物を製剤化し得る。
例えば、本明細書に記載のように、一般に、RADA16、KLD12、またはIEIK13ペプチドを含むペプチド組成物のレオロジー強度の順番は、IEIK13>KLD12>RADA16と示される。
本実施例は、40mmプレートを備えるレオメータ(AR500,TA Instruments)を用いた、選択された濃度での特定のペプチド組成物の様々なレオロジー特性の測定をさらに示す。ペプチド組成物(700μL)をレオメータプレート上に置き、過剰な組成物をキムワイプで優しく取り除いた。37℃での2分の緩和時間の後に測定を行なった。300μmの測定幾何学的ギャップで置かれたプレートを用いて、貯蔵弾性率、損失弾性率、および粘度(η’)を37℃で測定し、応力スイープ試験を、0.1Pa〜1000Paの振動応力、10rad/sの角振動数で行なった。
結果をRADA16、IEIK13、およびKLD12に関して図2〜図4に示す。図2〜図4に示すように、振動応力が約10〜200Pa未満の場合、ペプチド組成物は、ほぼプラトーの弾性率を示した。それらは全て、特定の降状振動応力(yield oscillation stress)において、劇的な弾性率の低下を有した。少なくとも、約1%〜約2.5%の試験された濃度範囲内では、ペプチド組成物は、濃度の増大に伴い貯蔵弾性率の直線増加を示した(直線トレンドラインのR2は、0.971〜0.992の間である)。特定のペプチド組成物は、臨界応力レベルを超える剪断減粘性特性を示した。
本実施例において試験された、様々なペプチド組成物に関して決定されたレオロジー結果を、表3に示す。見ることができるように、1.5% KLD12の貯蔵弾性率は、2.5% RADA16のものと同様であることが分かった。1% IEIK13の貯蔵弾性率は、2.5% KLD12のものと同様であり、2.5% RADA16のものよりも高いことが分かった。概して、ここで試験された組成物の間のレオロジー強度の順番は、IEIK13>KLD12>RADA16であった。
実施例3:pHの関数としてのペプチド組成物のレオロジー特性
本実施例は、特定のペプチド組成物のレオロジー特性に対する、pHの効果を示す。一部の実施態様では、pHは、ペプチド組成物の剛性、粘度、および/または復元時間に影響を与えるコントロールパラメーターであり得る。
以下の表2は、示されたペプチドが示された濃度において水に可溶化される、参照組成物に関して見られるpH濃度を示す。
本実施例では、例えば、2mLの2.5%ペプチド組成物に0.1N NaOHを添加することにより、ペプチド組成物のpHレベルを調節した。調節された組成物のpHおよび外観を観察した。pHレベルが所望のレベルよりも高い場合は、酸性塩を添加した。
結果を表5に示す。とりわけ、pH上昇(すなわち、約3.5まで、またはそれ未満)は、RADA16、IEIK13、およびKLD12組成物の透明色を変化させず、一方で、それらの見かけ上の剛性は増大した。特定の組成物では、ペプチド組成物のpHレベルが3.5よりも高い場合(RADA16およびKLD12)または3.7よりも高い場合(IEIK13)、ペプチド組成物は相分離し始めた(すなわち混濁する)。一部の実施態様では、提供されるペプチド組成物は、約3.0〜約3.7(具体的にはIEIK3に関して)、または約3.0〜約3.5(具体的にはRADA16および/またはKLD12に関して)の範囲内のpHを有する。
特定のペプチド組成物のレオロジー特性を、それらのpHレベルを3.4(RADA16およびKLD12)または3.7(IEIK13)に調節する前および後に観察した。40mmプレートを備えるレオメータ(AR500,TA Instruments)を用いて、ペプチドのレオロジー特性を評価した。具体的には、ペプチド組成物(700μL)をレオメータプレート上に置き、過剰な組成物をキムワイプで優しく取り除いた。37℃での2分の緩和時間の後に測定を行なった。応力スイープ試験の結果を、図8〜図11に示す。上昇したpHにおけるRADA16、KLD12およびIEIK13組成物は、2.5(RADA16)、2.0(KLD12)、および2.1(IEIK13)におけるものよりも剛性だった。
選択されたpHレベルにおける特定のペプチド組成物の貯蔵弾性率を、20mmプレートを備えるレオメータ(DHR−1,TA Instruments)を用いて評価した。RADA16およびIEIK13組成物の貯蔵弾性率は、3.4までのpH上昇に伴い増大した。試験されたペプチド組成物に関して決定された貯蔵弾性率を、RADA16について図18およびIEIK13について図19にそれぞれ示す。
選択されたpHレベルにおける1% IEIK13組成物の粘度を、20mmプレートを備えるレオメータ(DHR−1,TA Instruments)を用いて評価した。IEIK13組成物の粘度は、3.5までのpH上昇に伴い増大した。IEIK13組成物は、典型的な剪断減粘性特性を示した。結果を図20Aおよび図20Bに示す。
1% IEIK13組成物に高剪断応力を適用後に、選択されたpHにおいてレオロジー特性の復元時間を評価した。1000 1/secの剪断速度をサンプルに1分間適用後に、DHR−1レオメータ―(TA Instruments)を用いて、1% IEIK13の貯蔵弾性率の変化を、1rad/s、1Paで測定した。選択されたpHにおけるIEIK13組成物は、典型的なチキソトロピック挙動を示した。これは、それらのレオロジー特性がゆっくり復元したことを意味する。いかなる特定の理論にも拘束されることを望まずに、レオロジー特性の復元時間は、ペプチド分子の再組織化が組成物において再び自己関連性(例えば、ナノファイバー)を形成するのに必要な時間を表わすことを我々は提案する。1% IEIK13コントロール組成物(pH2.3)の完全な再組織化時間は12時間まで、またはそれより少なく、一方で、pHが上昇したIEIK13組成物のものは6〜10分であった。IEIK13に関して、代表的な結果を図21A〜図21Dに示す。
実施例4:イオン強度の関数としての、ペプチド組成物のレオロジー特性
本実施例は、特定のペプチド組成物のレオロジー特性に対する、イオン強度の効果を示す。一部の実施態様では、イオン強度は、ペプチド組成物の剛性、粘度、および/または復元時間のコントロールパラメーターであり得る。
選択された塩類(例えばKCl、MgCl、CaCl)を含むRADA16、KLD12、およびIEIK13組成物の目視観察を、表7〜表9に要約する。特定のイオン強度におけるペプチド組成物は透明であり、より低いイオン強度におけるものより高い剛性を示した。RADA16に関しては(表7)、およそ0.85〜1.15Mの範囲内のイオン強度(塩同一性に依存)は、RADA16組成物の不透明性をそれほど変化させなかった。KLD12に関しては(表8)、およそ0.25〜0.35Mの範囲内のイオン強度(塩同一性に依存)は、KLD12組成物の不透明性をそれほど変化させなかった。IEIK13に関しては(表9)、およそ0.025〜0.035Mの範囲内のイオン強度(塩同一性に依存)は、IEIK13組成物の不透明性をそれほど変化させなかった。RADA16、KLD12およびIEIK13組成物の見かけ上の剛性は、イオン強度の増大に伴い増大した。
いかなる特定の理論にも拘束されることを望まずに、我々は、レオロジー特性の増大は、それぞれの塩の塩析定数(K)に関連し得ることを提案する。RADA16に関するNaClの定数Kは、他の塩類よりも高くあり得る。NaClを含むRADA16組成物のレオロジー特性は、KClおよびCaClを含むものよりもわずかに高かった。
臨界イオン強度を、表7〜表9に記録された目視観察から決定した。ペプチド組成物のイオン強度が、0.9M(RADA16)、0.3M(KLD12)または0.03M(IEIK13)より高い場合、ペプチド組成物は相分離し始めた。0.9M、0.3Mおよび0.03Mは、それぞれ、RADA16、KDL12およびIEIK13に関する臨界イオン強度を表わし得る。
図27〜図29は、イオン強度が臨界イオン強度よりもわずかに低い場合の、20mmプレートを備えるレオメータ(DHR−1,TA Instruments)を用いて測定したレオロジー特性を示す。RADA16、KDL12およびIEIK13のイオン強度は、測定に関して、それぞれ、0.7M、0.2Mおよび0.02Mであった。RADA16、KLD12およびIEIK13組成物のレオロジー特性は、NaClを用いてそれらのイオン強度レベルを0.7M(RADA16)、0.2M(KLD12)または0.02M(IEIK13)に調節した後、より高かった。
選択されたイオン強度におけるペプチド組成物のレオロジー特性を、20mmプレートを備えるレオメータ(DHR−1,TA Instruments)を用いて測定した。1% RADA16組成物のレオロジー特性は、0.7Mまでのイオン強度調節により増大し、一方で、0.7Mよりも高いイオン強度では低減した。1% IEIK13組成物のレオロジー特性は、0.03Mまでのイオン強度調節により増大し、一方で、0.03Mよりも高いイオン強度では低減した。結果は、選択された塩イオン強度におけるペプチド組成物の目視検査とよく一致した。結果を、図30(RADA16)および図31(IEIK13)に示す。
選択されたイオン強度レベルにおけるペプチド組成物の粘度を評価した。IEIK13組成物の粘度は、イオン強度の増大に伴い増大した。1% IEIK13組成物は、典型的な剪断減粘性特性を示した。1% IEIK13組成物の粘度を、20mmプレートを備えるレオメータ(DHR−1,TA Instruments)を用いて評価した。結果を、IEIK13に関して図32Aおよび図32Bに示す。
選択されたイオン強度における1% IEIK13組成物に高剪断応力を適用した後に、レオロジー特性の復元時間を評価した。DHR−1レオメータ(TA Instruments)を用いて、1000 1/secの剪断速度をサンプルに1分間適用後、時間スイープ試験(1rad/s、1Pa)により、1% IEIK13の貯蔵弾性率の変化を測定した。選択されたイオン強度におけるIEIK13組成物は、典型的なチキソトロピック挙動を示し、それらのレオロジー特性をゆっくり復元した。レオロジー特性の復元時間は、ナノファイバーを再び形成するペプチド分子の再組織化に基づく。塩を添加しない1% IEIK13コントロール組成物の完全な再組織化時間は、12時間まで、またはそれよりも少なく、一方で、NaCl 0.01Mおよび0.02Mを含むIEIK13組成物のものは、1分〜3分未満だった。IEIK13に関して、結果を図33A〜図33Cに示す。
実施例5:pHおよびイオン強度の両方の関数としての、ペプチド組成物のレオロジー特性
本実施例は、増大したpHおよびイオン強度における、ペプチド組成物のレオロジー特性を示す。具体的には、本実施例は、特定のペプチド組成物のレオロジー特性に対する、細胞培養培地のような生理学的培地の効果を示す。
IEIK13、KLD12、およびRADA16組成物のレオロジー特性に対する、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)(pH7.4)の効果を、40mmプレートを備えるレオメータ(AR500,TA Instruments)を用いて評価した。DMEMは、6.4g/LのNaCl、3.4g/LのNaHCO(炭酸水素ナトリウム)、少量の他の塩類、様々なアミノ酸類、および4.5g/Lのグルコースを含む、細胞培養培地である。DMEMのpHは7.2±0.2であり、浸透圧は335±30mOsm/KgHOである。DMEMは、ヒト生理学的流体(例えば血液)に近い。
DMEM溶液と混合する前に、1%のペプチド組成物を、4℃で少なくとも48時間維持した。実験を実施するために、1mLのペプチド組成物を穏やかにピペッティングして、レオメータのプレート上に置いた。2mLのDMEM溶液を、ペプチド組成物の周りに穏やかに添加した。ペプチド組成物をDMEMで2分間処理し、それから、培地を取り除き、プレートを、450μm付近の測定幾何学的ギャップで置いた。2分の緩和後に、37℃で測定を行なった。振動数試験を、1Paの振動応力で、1rad/s〜100rad/sで行なった。
1%ペプチド組成物のレオロジー特性を、2分間のDMEM処理の前後に測定した;結果を図5Aに示す。DMEM処理後の貯蔵弾性率の増加倍率を図5Bに示す。見ることができるように、ペプチド組成物は、DMEM処理後に、貯蔵弾性率の大きな増加を示した。DMEM処理後の、RADA16、KLD12、およびIEIK13の間の倍率の違いは、DMEM処理前のものと比較して、相対的に小さかった。同様に、より剛性のペプチド組成物(例えば、IEIK13)は、DMEM処理後、より低い剛性のペプチド組成物(例えば、RADA16)よりも、貯蔵弾性率のより低い増加倍率を示した。DMEM処理後、臨界的な分子間相互作用が増大した。それは、最終的な剛性を決定し得る。
DHR−1レオメータ(TA Instruments)を用いて、選択された濃度におけるペプチド組成物のレオロジー特性を、DMEM処理の前後に測定した。1rad/sec〜10rad/secで、1Paで振動数スイープ試験を行ない、グラフ内の貯蔵弾性率は1rad/secであった。RADA16およびIEIK13組成物のレオロジー特性は、DMEM処理および/またはpH上昇に伴い増大した。結果をそれぞれ、RADA16に関して図22Aおよび図22B、および、IEIKに関して図23Aおよび図23Bに示す。
DHR−1レオメータ(TA Instruments)を用いて、選択されたイオン強度におけるペプチド組成物のレオロジー特性を、DMEM処理後10分に評価した。振動数スイープ試験を、1rad/sec〜10rad/secで、1Paで実施し、1rad/secにおける貯蔵弾性率をデータに選択した。RADA16組成物のレオロジー特性は、0.7Mまでのイオン強度調節により増大し、一方でそれらは、0.7Mまたはそれよりも高い場合は低下した。0.9Mまたはそれよりも高いNaClのイオン強度では、RADA16組成物は混濁した。RADA16のレオロジー特性は、DMEM処理により変化しなかった(例えばゲル化なし)。しかしながら、IEIK13組成物のレオロジー特性は、選択されたイオン強度におけるDMEM処理により増大した。結果を図34〜図35に示す。
IEIK13、KLD12、およびRADA16を塩バッファー(例えばNaCl)に溶解させて、アルカリ塩バッファー(例えばNaOH)を用いて調節された上昇したpHレベルで維持した。組成物は、それらのpHレベル約2.5〜4.0、および、それらの臨界点よりも低いイオン強度を有した。RADA16、KLD13およびIEIK13に関して、ペプチド組成物は、pH3.4(NaOHを用いて調節)において、0.9% NaCl(すなわち0.15Mのイオン強度)でもなお透明であった。pH3.4における0.9% NaClを含むRADA16のレオロジー特性は、RADA16コントロール(すなわち、イオン強度およびpH上昇なし)および0.9% NaClを含むRADA16(pH上昇なし)のものよりも剛性であった。結果を図40に示す。
図1に示すように、コンゴレッドアッセイを行なって、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)溶液(pH7.4)におけるペプチド組成物のゲル形成を決定した。選択された濃度における各ゲルの100μlを、ガラススライド上にプレーティングした。30秒後、500μlの1%コンゴレッド溶液を組成物アリコートのそれぞれの周りおよび上部に添加し、それから、試験の前に過剰のコンゴレッド溶液を拭き取った。RADA16、IEIK13、およびKLD12を、0.5%、1.0%、1.5%、2.0%および2.5%の選択された濃度でプレーティングした。各濃度におけるゲル化の成功または失敗を、目視観察で決定した。RADA16、IEIK13、およびKLDは、全ての濃度でゲル化した。
実施例6:細胞生存率
本実施例は、細胞生存率をサポートする特定のペプチド組成物の能力を示す。一部の実施態様では、提供されるペプチド組成物は、それらが高い細胞生存率(特に、適切な参照組成物と比較して)をサポートするという点で特徴付けられる。
細胞生存率(細胞毒性)アッセイを行なって、本明細書に記載のIEIK13、KLD12およびRADA16組成物による、C57 BL/6マウス間葉系幹細胞(mMSC)の生存率を測定した。mMSCは、ヒドロゲル組織培養系において頻繁に用いられる細胞株である。ペプチド組成物を2.5%の濃度で調製し、それから、スクロースで1.5%、1.25%、1.0%、0.75%、および0.50%の濃度に希釈した。スクロースの最終濃度は10%であった。細胞を洗浄し、5百万細胞/mlの最終濃度まで、10%スクロースに再懸濁した。細胞を遠心分離して、上清を除去した。10%スクロースを用いてペプチド組成物に細胞を再懸濁した。プロトコルは、それから、PuraMatrix(登録商標)の使用ガイドライン(BD/Corningウェブサイト)に記載のとおりに、プレーティングドロップ(plating drop)培養およびその後の分離を続けた。RADA16、IEIK13、およびKLD12に関して、それぞれ結果を図14〜図16に示す。
0.5%におけるIEIK13およびKLD12組成物での細胞生存率は、0.25%におけるものと同様であった。0.5%におけるRADA16組成物での細胞生存率は、0.25%におけるものよりも有意に高い。しかしながら、ペプチドの濃度が0.75%を超えた場合、細胞生存率は有意に低下した。KLD12およびIEIK13組成物は、0.25%〜1.5%の範囲内の全ての試験された濃度において、RADA16と比較して同様またはより高い細胞生存率を示した。これらのペプチド組成物の間の全般的な細胞生存率の順番は、KLD12>IEIK13>RADA16であった。0.75%またはそれよりも低い濃度を有する試験されたペプチド組成物は、80%よりも高い細胞生存率を示した。
実施例7:異なる塩類を含むRADA16組成物のレオロジー特性
本実施例は、とりわけ、ゲル可逆性をなお維持しながら(例えば、ゲル形成、および、機械的摂動後のその機械的完全性を、損なわない)、自己組織化ペプチドゲルの調整された機械的増強を達成した試験を示す。また、これらの示された試験は、様々な自己組織化ペプチド、中でもとりわけ、RADARADARADARADA(またはRADA−16)と組み合わせた、選択された濃度におけるカチオンおよびアニオンの混合を介した、ゲル化カイネティクスの調整も達成した。
本実施例は、特に本明細書と関連させて考慮すると、ペプチド組成物が、特定の適用に特に有用である物質および/またはレオロジー特性を有するように、具体的に製剤化されるのを可能にする、パラメーターが定義されていることを確実にする。例えば、本明細書に記載の技術は、シーラント(例えば、増強した剛性を必要とし得て、またはそれから恩恵を受け得る)、潤滑剤(例えば、増強したカイネティクスを必要とし得て、またはそれから恩恵を受け得る)、薬剤混合物(例えば、可逆性および増強したカイネティクスを必要とし得て、またはそれから恩恵を受け得る)、注射液(例えば、可逆性を要求し得て、またはそれから恩恵を受け得る)などとして、良好に機能するように特に適合される、自己組織化ペプチド組成物の調製を可能にする。これに代え又はこれに加えて、本明細書に記載の技術は、有用なペプチド組成物および/またはそれらを含むデバイスの操作および/または製造を一般に助けることができる、ペプチド組成物の調製および/またはそれらに含まれ、または適用されるパラメーターの選択を可能にする。
例えば、本明細書に示されるように、自己組織化ペプチド組成物に含まれるカチオンのタイプ(例えば、Na、K、およびCa)および/または濃度を体系的に調整することにより、可逆性およびゲル化カイネティクスをなお維持しながら機械的強度(すなわち剛性)を調節することができる。これに代え又はこれに加えて、アニオンのタイプ(例えば、Cl、SO、PO)および/または濃度を体系的に調整することにより、可逆性を維持しながらゲル化カイネティクスを調整することができる。
本実施例に示されるように、一部の実施態様では(具体的には、RADA16ペプチドを利用する実施態様では)、Caは、NaおよびKと比較して、ペプチドゲルにおいて、より増強された剛性を可能にする。加えて、一部の実施態様では(具体的には、RADA16ペプチドを利用する実施態様では)、Clは、SOと比較して、ペプチドゲルにおいて、より迅速なゲル化カイネティクスを可能にする。さらに、一部の実施態様では(具体的には、RADA16ペプチドを利用する実施態様では)、CaClは、≧0.125および<0.500Mの濃度における可逆的ゲルを最適に機械的に増強するのを可能にする。本実施例で報告される特定の試験では、濃度≧0.500Mは、特定のゲルの機械的特性を損ない、または、それらを、ゲル化後の機械的摂動に使用不可にさせる。
一般に、本実施例において報告される知見は、様々な塩類および塩濃度の使用を通して、剛性、ゲル化カイネティクス、およびゲル化の可逆性などの属性は、ペプチドの濃度、ペプチドの同一性(例えば、アミノ酸配列)、カチオン/アニオンの濃度、カチオン/アニオンの同一性などのようなパラメーターの選択により決定することができることを示す。カチオンおよびアニオンの両方が、独立および組み合わせて、属性に影響を与えることができることが見いだされている。本実施例を含む、本開示により提供される技術は、例えば特定の適用または状況に適切であり得る、所望の属性(例えば性能特性)に従って、ペプチド混合物を適合させるシステムを提供する。
本実施例は、具体的には、ある特定のタイプのカチオンおよび/またはアニオン、および/またはそれらの濃度は/所望の有益な効果を有することを示し;とりわけ、本実施例は、そのようなアニオン/カチオンおよび例示されたコンテキストに関する濃度を定義し、さらに、他のケース(例えば、他のペプチドなど)に関して当業者が同様に行なうことを可能にするフレームアークを提供する。
本実施例は、特に、および驚くべきことに、自己組織化ペプチドの有用な組成物を提供するための現在のストラテジーでの問題を特定する。すなわち、自己組織化の能力は、イオン性塩による攻撃に利用可能な帯電基の量に依存性であり、ペプチドの浸透能であることが理論化されている[P.Chen.(2005).“Self−assembly of ionic−complementary peptides:a physicochemical viewpoint.”Colloids and Surfaces]。しかしながら、本実施例は、少なくとも一部の場合において、ペプチドは塩濃度により比例的に影響を受けず、したがって、機械的特性および可逆性は直線的に増加せず、速度依存性でないことを証明する。
図41A〜図41Dは、ペプチド溶解を追うため、および、特定のアニオンおよび/またはカチオン、および/またはそれらの濃度の、特定のRADA16組成物に対する効果を評価するために用いられる、プロトコルを示す。示されるように、バイアル中のペプチドパウダーは、ボルテックスおよび超音波処理により、脱イオン水に溶解された。本実施例で使用された特定のペプチド組成物は、RADA16の1%組成物であり、2×塩溶液と1:1比で混合されて、0.5% RADA16の終濃度および所望のモル濃度の塩を得た。
塩濃度試験
図41A〜図41Dに示されるプロトコルに従って、異なる濃度のCaClを含むRADA16の0.5%溶液を調製した。混合した溶液は、約24時間の緩和期間、休憩(sit)させた。それから、ゲル特性を評価することができるようにバイアルを上下逆にした。組成物が、それを含むバイアルを逆さにしたときに完全に所定の位置に留まった場合は、組成物は完全に機能性ゲルと考えられた。それを含むバイアルを逆さにしたときに、組成物の半分よりも多くが所定の位置に留まった場合は、半機能性ゲルと考えられた。反転の際に、組成物の半分よりも多く、および、特に、組成物の実質的に全てがそれを含むバイアルの逆末端に落ちた場合、非機能性ゲルと考えられた。
図42A〜図42Gは、得られた結果の写真を示し、具体的には、様々な濃度のCaClのそれぞれ関する正立および倒立のバイアルを示す。見ることができるように、これらの0.5% RADA16組成物に関して、0.250M CaClでは完全な機能性ゲルが形成され(パネルE)、0.500M CaClでは半機能性ゲルが形成され(パネルF)、および、1M CaClでは非機能性ゲルが形成された(パネルG)。
カチオン選択試験
図41A〜図41Dに示すプロトコルに従って、0.005、0.05、0.125、0.25、0.5、および1MのNaCl、KCl、およびCaClを含むRADA16の0.5%溶液を調製した。アニオン、クロライド(Cl)を同一に維持して、カチオン、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、およびカルシウム(Ca2+)の効果を観察した。結果を図43に示し、塩溶液のカチオンの変更が、生じる組成物の粘弾性特性および剛性にどのように影響を与えるかに関する基礎的な理解を提供する。
機械的強度試験
図41A〜図41Dに示すプロトコルに従って、2.5% RADA16および塩の添加なし、または、2.5% RADA16および0.125M CaClの、いずれかを含むペプチド組成物の剛性を分析した。結果を図44に示し、生じる組成物の粘性特性の基礎的な理解を提供する。見ることができるように、カチオン溶液が混合された場合、2つの溶液の間に剛性の著しい増大が存在する。
可逆性試験
図41A〜図41Dに示すプロトコルに従って、0.125、0.25、または0.5MのCaClと混合した0.5% RADA16の溶液を調製した。組成物を、それらの構造が完全に破壊される(例えばランダム化される)ように、ボルテックスおよび超音波処理を介した機械的応力に供した。破壊された組成物を、それから、室温に48時間おき、自己組織化が起きるのを可能にした。図45Aおよび図45Bは、この試験による結果を示し、ペプチド組成物の基礎的な粘弾性特性を明らかにし、0.125または0.25MのCaClを含む場合、組成物における任意の構造の摂動後でさえ、可逆性を維持することができることを示す。対照的に、0.5M CaClを含む組成物は、崩壊後、劇的により低い剛性を示す(劇的に低下した、構造を回復させる能力を反映する)。
同等物
当業者は、せいぜいルーチンの実験を用いて、本明細書に記載の本発明の特定の実施態様に対する多くの同等物を認識し、または確認することができるであろう。本発明の範囲は、上記の説明に制限されることを意図しないが、むしろ、以下の特許請求の範囲に示される。
[参考文献]
[1] P. Chen. (2005). “Self-assembly of ionic-complementary peptides: a physicochemical viewpoint.” Colloids and Surfaces.
[2] Mishra A., et al. (2013). “Influence of metal salts on the hydrogelation properties of ultrashort aliphatic peptides.” RSC Advances.
[3] Shuguang, Z., et al. (1999). “Peptide self-assembly in functional polymer science and
Engineering.” Reactive and Functional Polymers.
[4] Yanlian, Y., et al. (2009). “Designer self-assembling peptide nanomaterials.” Nano Today.
[5] Zhaoyang, Y., et al. (2008). “Temperature and pH effects on biophysical and morphological properties of self-assembling peptide RADA16-I.” Journal of Peptide Science.

Claims (20)

  1. IEIK13組成物であって、
    少なくとも0.25%の濃度でIEIK13ペプチドを含み;
    組成物は、約2.5〜約4.0の範囲内のpHを有する、
    IEIK13組成物。
  2. 請求項1の組成物であって、
    組成物が溶液である、
    組成物。
  3. 請求項1の組成物であって、
    組成物がゲルである、
    組成物。
  4. 請求項1の組成物であって、
    前記組成物は、約0.0001M〜約0.1Mの範囲内のイオン強度を有する、
    組成物。
  5. 請求項4の組成物であって、
    前記イオン強度は、一般的な塩類により調節/付与され、
    前記一般的な塩類は、NaCl、KCl、MgCl、CaCl、およびCaSOからなる群より選択される、
    組成物。
  6. 請求項4の組成物であって、
    前記イオン強度は、一般的な塩類により付与され、
    前記一般的な塩類は、カチオンを形成する1つまたは複数の塩およびアニオンを形成する1つまたは複数の塩からなり、
    前記のカチオンを形成する塩は、アンモニウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、カリウム、ピリジニウム、第4級アンモニウム、およびナトリウムからなる群より選択され、
    前記のアニオンを形成する塩は、アセテート、カーボネート、クロライド、シトレート、シアニド、フロリド、ニトレート、ニトライト、およびホスフェートからなる群より選択される、
    組成物。
  7. 請求項1の組成物であって、
    前記組成物は、1rad/secの振動数および1Paの振動応力で約100〜約10000Paの範囲内の貯蔵弾性率を有する、
    組成物。
  8. 請求項1の組成物であって、
    前記組成物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫化ナトリウム、またはDMEMで緩衝される、
    組成物。
  9. 請求項1の組成物であって、
    前記IEIK13ペプチドは、3%未満の濃度で存在し、および/または、
    前記組成物は、約3.0〜約4.0の範囲内のpHを有する、
    組成物。
  10. 請求項9の組成物であって、
    組成物は、1rad/secの振動数および1Paの振動応力で、500Paを超える貯蔵弾性率を示すゲルである、
    組成物。
  11. 請求項1の組成物であって、
    前記組成物は、前記組成物のpHが調節されるように、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、または硫化ナトリウムで緩衝される、
    組成物。
  12. 液体ペプチド組成物であって、
    約6〜約20個の範囲内のアミノ酸の長さおよび交互の疎水性アミノ酸および親水性アミノ酸のアミノ酸配列を有するペプチドを含み、
    組成物は、以下の点で特徴付けられる:
    室温で約1Pa・s〜約500,000Pa・sの範囲内の粘度を有し、
    1rad/secの振動数および1Paの振動応力で、約1〜約5000Paの範囲内の貯蔵弾性率を有し、
    約2.5〜約4.0の範囲内のpHまたはおよび/または約0.0001M〜約1.5Mの範囲内のイオン強度に曝露/維持された場合に、約0〜約30sの時間内、ゲルを形成する、
    液体ペプチド組成物。
  13. 請求項12の組成物であって、
    水性組成物である、
    組成物。
  14. 請求項12の組成物であって、
    前記ペプチドは、RADA16を含む、
    組成物。
  15. 請求項12の組成物であって、
    前記ペプチドは、IEIK13を含む、
    組成物。
  16. 請求項12の組成物であって、
    前記ペプチドは、KLD12を含む、
    組成物。
  17. 請求項12の組成物であって、
    前記イオン強度は、一般的な塩類により付与され、
    前記一般的な塩類は、NaCl、KCl、MgCl、CaCl、およびCaSOからなる群より選択される、
    組成物。
  18. 請求項12の組成物であって、
    前記イオン強度は、一般的な塩類により付与され、
    前記一般的な塩類は、カチオンを形成する1つまたは複数の塩およびアニオンを形成する1つまたは複数の塩からなり、
    前記のカチオンを形成する塩は、アンモニウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、カリウム、ピリジニウム、第4級アンモニウム、およびナトリウムからなる群より選択され、
    前記のアニオンを形成する塩は、アセテート、カーボネート、クロライド、シトレート、シアニド、フロリド、ニトレート、ニトライト、およびホスフェートからなる群より選択される、
    組成物。
  19. 請求項12の組成物であって、
    前記組成物は、前記組成物のpHが調節されるように、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、または硫化ナトリウムで緩衝される、
    組成物。
  20. 特定のインビボ部位への適用のためのペプチド組成物を選択するステップを含む方法であって、
    前記方法は、
    前記ペプチド組成物に関する、貯蔵弾性率、粘度、ゲル化時間、剪断減粘性特性、およびペプチドナノファイバー再組織化時間からなる群より選択される、1つまたは複数のパラメーターを決定するステップ;および
    前記の決定された1つまたは複数のパラメーターを、前記の特定のインビボ部位への適用に適切であると決定された特性のセットと比較するステップ;および
    前記比較に照らして前記ペプチド組成物を選択するステップ;および
    前記部位に、前記の選択されたペプチド組成物を投与するステップ、
    を含む、
    方法。
JP2019218513A 2014-03-10 2019-12-03 自己組織化ペプチド組成物 Pending JP2020055836A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021181679A JP7397042B2 (ja) 2014-03-10 2021-11-08 自己組織化ペプチド組成物

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201461950529P 2014-03-10 2014-03-10
US61/950,529 2014-03-10

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016556013A Division JP6628733B2 (ja) 2014-03-10 2015-03-10 自己組織化ペプチド組成物

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021181679A Division JP7397042B2 (ja) 2014-03-10 2021-11-08 自己組織化ペプチド組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020055836A true JP2020055836A (ja) 2020-04-09

Family

ID=53008839

Family Applications (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016556013A Active JP6628733B2 (ja) 2014-03-10 2015-03-10 自己組織化ペプチド組成物
JP2019218513A Pending JP2020055836A (ja) 2014-03-10 2019-12-03 自己組織化ペプチド組成物
JP2021181679A Active JP7397042B2 (ja) 2014-03-10 2021-11-08 自己組織化ペプチド組成物

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016556013A Active JP6628733B2 (ja) 2014-03-10 2015-03-10 自己組織化ペプチド組成物

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021181679A Active JP7397042B2 (ja) 2014-03-10 2021-11-08 自己組織化ペプチド組成物

Country Status (12)

Country Link
US (3) US10654893B2 (ja)
EP (2) EP3466965A1 (ja)
JP (3) JP6628733B2 (ja)
KR (1) KR20160127827A (ja)
CN (2) CN117138022A (ja)
AU (2) AU2015229549B2 (ja)
BR (1) BR112016020584A2 (ja)
CA (1) CA2939696C (ja)
DK (1) DK3116896T3 (ja)
ES (1) ES2711728T3 (ja)
RU (1) RU2016139369A (ja)
WO (1) WO2015138514A1 (ja)

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2011118341A (ru) 2008-10-06 2012-11-20 3-Д Матрикс, Лтд. (Jp) Агент для окклюзии тканей
EP2869903B1 (en) 2012-07-06 2018-11-28 3-D Matrix Ltd. Fill-finish process for peptide solutions
CA2939696C (en) 2014-03-10 2023-01-10 3-D Matrix, Ltd. Self-assembling peptide compositions
BR112016019510A2 (pt) 2014-03-10 2017-10-24 3 D Matrix Ltd esterilização e filtração de composições de peptídeos
EP3116524B1 (en) 2014-03-10 2018-11-28 3-D Matrix Ltd. Autoassembling peptides for the treatment of pulmonary bulla
JP2018506291A (ja) * 2015-02-25 2018-03-08 株式会社スリー・ディー・マトリックス 細胞外マトリクスとして使用するための合成ペプチドヒドロゲル製剤
WO2017120092A1 (en) * 2016-01-06 2017-07-13 3-D Matrix, Ltd. Combination compositions
CN109641076A (zh) * 2016-06-01 2019-04-16 立美基股份有限公司 具有自组装肽水凝胶的止血敷料
CA3026239A1 (en) 2016-06-01 2017-12-07 3-D Matrix, Ltd. Hemostatic powders with self-assembling peptide hydrogels
JP2019518569A (ja) * 2016-06-27 2019-07-04 株式会社スリー・ディー・マトリックス 内視鏡的剥離術後の食道狭窄を予防するための自己集合性ペプチドマトリックス
CN117085140A (zh) 2017-12-15 2023-11-21 立美基股份有限公司 表面活性剂肽纳米结构及在药物递送中的用途
US20190287217A1 (en) * 2018-03-13 2019-09-19 Microsoft Technology Licensing, Llc Machine learning system for reduced network bandwidth transmission of content
KR102219828B1 (ko) 2018-04-11 2021-02-24 연세대학교 산학협력단 pH 감응성 펩타이드 구조체, 및 이의 용도
US11617778B2 (en) 2018-07-03 2023-04-04 3-D Matrix, Ltd. Ionic self-assembling peptides
CN110396124B (zh) * 2019-08-21 2021-04-13 上海交通大学 自组装多肽及其作为止血剂的用途
CN111848736B (zh) * 2020-08-05 2021-12-31 赛克赛斯生物科技股份有限公司 自组装多肽、制备方法、自组装多肽制剂及应用
KR102647642B1 (ko) * 2021-05-04 2024-03-15 (주)케어젠 혈액 응고 활성을 갖는 펩타이드와 이의 용도
AU2022327162A1 (en) * 2021-08-09 2024-02-29 Gel4Med, Inc. Films formed from self-assembling peptide hydrogels
WO2023225463A2 (en) * 2022-05-14 2023-11-23 3-D Matrix, Ltd. Novel formulations for oral administration of therapeutic agents to the gastrointestinal tract

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010041636A1 (ja) * 2008-10-06 2010-04-15 株式会社スリー・ディー・マトリックス 組織閉塞剤
WO2013133413A1 (ja) * 2012-03-09 2013-09-12 株式会社スリー・ディー・マトリックス 粘膜隆起剤

Family Cites Families (85)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4582640A (en) 1982-03-08 1986-04-15 Collagen Corporation Injectable cross-linked collagen implant material
US4466641A (en) 1982-08-04 1984-08-21 The Lockformer Company Duct connecting system
US4642117A (en) 1985-03-22 1987-02-10 Collagen Corporation Mechanically sheared collagen implant material and method
US4947840A (en) 1987-08-21 1990-08-14 Massachusetts Institute Of Technology Biodegradable templates for the regeneration of tissues
US5236903A (en) 1988-06-24 1993-08-17 Ichiro Azuma Polypeptide comprising repeated cell-adhesive core sequences
US5110604A (en) 1988-06-30 1992-05-05 Collagen Corporation Processes for producing collagen matrixes and methods of using same
US5126141A (en) 1988-11-16 1992-06-30 Mediventures Incorporated Composition and method for post-surgical adhesion reduction with thermo-irreversible gels of polyoxyalkylene polymers and ionic polysaccharides
US5550187A (en) 1988-11-21 1996-08-27 Collagen Corporation Method of preparing crosslinked biomaterial compositions for use in tissue augmentation
US5629291A (en) 1992-01-31 1997-05-13 La Jolla Cancer Research Foundation Methods of modulating fibronectin extracellular matrix assembly
US5292514A (en) 1992-06-24 1994-03-08 Minnesota Mining And Manufacturing Company Azlactone-functional substrates, corneal prostheses, and manufacture and use thereof
US5670483A (en) 1992-12-28 1997-09-23 Massachusetts Insititute Of Technology Stable macroscopic membranes formed by self-assembly of amphiphilic peptides and uses therefor
US5955343A (en) 1992-12-28 1999-09-21 Massachusetts Institute Of Technology Stable macroscopic membranes formed by self-assembly of amphiphilic peptides and uses therefor
GB2274988A (en) 1993-02-10 1994-08-17 Mcconn Stern Rita Iodine containing wound-healing preparations
US5709854A (en) 1993-04-30 1998-01-20 Massachusetts Institute Of Technology Tissue formation by injecting a cell-polymeric solution that gels in vivo
US5773577A (en) 1994-03-03 1998-06-30 Protein Polymer Technologies Products comprising substrates capable of enzymatic cross-linking
US5527610A (en) 1994-05-20 1996-06-18 The Uab Research Foundation Elastomeric polypeptide matrices for preventing adhesion of biological materials
US5510102A (en) 1995-01-23 1996-04-23 The Regents Of The University Of California Plasma and polymer containing surgical hemostatic adhesives
WO1996040033A1 (en) 1995-06-07 1996-12-19 Clarion Pharmaceuticals Inc. Non-biological patch for hemostasis
US6649162B1 (en) 1996-04-04 2003-11-18 Baxter Aktiengesellschaft Hemostatic sponge based on collagen
US6489446B1 (en) 1996-08-07 2002-12-03 Hsc Research And Development Limited Partnership Self-aligning peptides modeled on human elastin and other fibrous proteins
AU6019898A (en) 1997-01-09 1998-08-03 Cohesion Technologies, Inc. Devices for tissue repair and methods for preparation and use thereof
US6224893B1 (en) 1997-04-11 2001-05-01 Massachusetts Institute Of Technology Semi-interpenetrating or interpenetrating polymer networks for drug delivery and tissue engineering
US6187555B1 (en) 1998-04-16 2001-02-13 3M Innovative Properties Company Spores with increased sensitivity to sterilants using additives that bind to sterilant-sensitive sites
KR100661413B1 (ko) 1998-07-06 2006-12-27 나노박 오와이 나노박테리아 박멸 방법
US6046160A (en) 1999-07-22 2000-04-04 Deroyal Industries, Inc. Composition and method for enhancing wound healing
DK1282437T3 (da) 2000-05-16 2008-06-30 Genentech Inc Behandling af brusklidelser
JP2004508140A (ja) 2000-09-11 2004-03-18 クロージャー メディカル コーポレイション 気管支閉塞法および装置
EE05685B1 (et) 2001-01-25 2013-12-16 Nycomed Pharma As Fibrinogeeni, trombiini ja alkoholi sisaldav suspensioon ning meetod kandja katmiseks selle suspensiooniga
US7449180B2 (en) 2001-02-06 2008-11-11 John Kisiday Macroscopic scaffold containing amphiphilic peptides encapsulating cells
ATE419333T1 (de) 2001-02-06 2009-01-15 Massachusetts Inst Technology Peptidgerüstverkapselung von gewebszellen und verwendungen davon
AU2003222167A1 (en) 2002-04-02 2003-10-20 Northwestern University Peptide amphiphile solutions and self assembled peptide nanofiber networks
WO2003096972A2 (en) 2002-05-13 2003-11-27 Massachusetts Institute Of Technology Angiogenesis and cardiac tissue engineering with peptide hydrogels and related compositions and methods of use thereof
GB0216286D0 (en) 2002-07-15 2002-08-21 Univ Leeds Network
JP2005534697A (ja) 2002-08-06 2005-11-17 エピックス ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド ペプチド凝集体
US7713923B2 (en) 2003-06-25 2010-05-11 Massachusetts Institute Of Technology Self-assembling peptides incorporating modifications and methods of use thereof
DK1636250T3 (en) 2003-06-25 2016-02-22 Massachusetts Inst Technology SELF-ORGANIZING PEPTIDES, CONTAINING MODIFICATIONS, AND APPLICATIONS THEREOF
PL1641918T3 (pl) 2003-06-27 2016-06-30 Depuy Synthes Products Inc Komórki poporodowe do zastosowania w leczeniu choroby serca i układu krążenia
US7846891B2 (en) 2003-10-17 2010-12-07 Massachusetts Institute Of Technology Self-assembling peptides for regeneration and repair of neural tissue
GB0404374D0 (en) 2004-02-27 2004-03-31 Univ Manchester Treatment of bacterial infections
JP2005263631A (ja) 2004-03-16 2005-09-29 Sanyo Chem Ind Ltd 細胞接着性ポリペプチド
WO2006014570A2 (en) 2004-07-06 2006-02-09 3D Matrix, Inc. Purified amphilic peptide compositions and uses thereof
AU2005323062A1 (en) 2005-01-04 2006-07-13 The Brigham And Women's Hospital, Inc. Sustained delivery of PDGF using self-assembling peptide nanofibers
US9162005B2 (en) 2005-04-25 2015-10-20 Arch Biosurgery, Inc. Compositions for prevention of adhesions and other barrier applications
EP2283851B1 (en) 2005-04-25 2023-06-07 Massachusetts Institute of Technology Compositions for promoting hemostasis
US20060293243A1 (en) 2005-06-17 2006-12-28 Navneet Puri Stable, buffered, pharmaceutical compositions including motilin-like peptides
CN101198350A (zh) 2005-06-17 2008-06-11 巴克斯特国际公司 含胃动素样肽的稳定的缓冲的药物组合物
CA2618184A1 (en) 2005-06-17 2006-12-28 Baxter International Inc. Stable buffered, pharmaceutical compositions including motilin-like peptides
JP4982841B2 (ja) 2005-10-12 2012-07-25 国立大学法人名古屋大学 再生医療骨組成物
US7858585B2 (en) 2005-11-14 2010-12-28 University Of Delaware Hydrogels and uses thereof
AR058567A1 (es) 2005-12-20 2008-02-13 Bristol Myers Squibb Co Formulaciones de proteinas estables
US10508144B2 (en) 2005-12-20 2019-12-17 Bristol-Myers Squibb Company Carbohydrate content of CTLA4 molecules
US9095818B2 (en) 2009-06-15 2015-08-04 Biovec Transfusion, Llc Method of filtering platelets to remove antiplatelet and anticoagulant agents
HUE037994T2 (hu) 2006-04-25 2018-09-28 Massachusetts Inst Technology Készítmények és eljárások szennyezõ anyagok, testfolyadékok vagy más anyagok mozgásának befolyásolására és/vagy más fiziológiai állapotok befolyásolására
US7875017B2 (en) 2007-04-11 2011-01-25 Henry Ford Health System Cardiac repair, resizing and reshaping using the venous system of the heart
EP2066697A2 (en) 2006-09-26 2009-06-10 Massachusetts Institute of Technology Modified self-assembling peptides
JP5558104B2 (ja) 2006-12-11 2014-07-23 スリー−ディー マトリックス, インコーポレイテッド 心組織の保護および再生のための組成物および方法
ES2854674T3 (es) 2007-03-14 2021-09-22 Arch Biosurgery Inc Tratamiento de uniones estrechas con fugas o dañadas y mejora de la matriz extracelular
JP2009011341A (ja) 2007-06-29 2009-01-22 Yuka Denshi Co Ltd ペースト状材料充填容器
US20090053103A1 (en) 2007-08-20 2009-02-26 William Patrick Mortimer Non-linting sterilization packaging material
WO2009072556A1 (ja) 2007-12-05 2009-06-11 3-D Matrix, Ltd. 創傷治癒・皮膚再建材
US8834926B2 (en) 2008-08-08 2014-09-16 University Of Delaware Macromolecular diffusion and release from self-assembled β-hairpin peptide hydrogels
CN101514225B (zh) 2008-10-13 2011-09-14 西安蓝晶生物科技有限公司 自聚体多肽及其制备方法和应用
KR101702677B1 (ko) 2009-03-09 2017-02-03 가부시끼가이샤 메니콘 자기 조직화 펩티드 및 고강도 펩티드 겔
WO2011072482A1 (en) 2009-12-14 2011-06-23 The University Of Hong Kong Nano cancer barrier device(ncbd) to immobilize and inhibit the division of metastic cancer stem cells
WO2012008967A1 (en) 2010-07-16 2012-01-19 Massachusetts Institute Of Technology Self-assembling peptides incorporating modifications and methods of use thereof
JP2012082180A (ja) 2010-10-14 2012-04-26 Nagoya Univ 骨再生用自己組織化ペプチドハイドロゲル
WO2013030673A2 (en) 2011-09-02 2013-03-07 3-D Matrix, Ltd. Amphiphilic peptides for thoracic air leakage occlusion
EP2869903B1 (en) 2012-07-06 2018-11-28 3-D Matrix Ltd. Fill-finish process for peptide solutions
EP2877497B1 (en) 2012-07-27 2016-12-07 Koninklijke Coöperatie Cosun U.A. Structuring agent for liquid detergent and personal care products
EP2919826A1 (en) 2012-11-14 2015-09-23 3-D Matrix Ltd. Vascular embolic system
CN103251690B (zh) 2013-02-26 2015-10-28 中国人民解放军新疆军区联勤部药品仪器检验所 维药瘤果黑种草子挥发油在制备治疗慢性阻塞性肺病药物的应用
CN105392493A (zh) 2013-03-06 2016-03-09 三维矩阵有限责任公司 使用纯化的两亲性多肽组合物的外科手术方法
CN105339020B (zh) * 2013-03-14 2020-06-16 立美基股份有限公司 预防胃肠梗阻的材料
EP2968654A1 (en) 2013-03-14 2016-01-20 3-D Matrix, Ltd Treatment for bile leakage
WO2015027203A1 (en) 2013-08-22 2015-02-26 Arch Biosurgery, Inc. Implantable meshes for controlling the movement of fluids
WO2015030063A1 (ja) 2013-09-02 2015-03-05 大成化工株式会社 シリンジおよびシリンジセット
CA2939696C (en) 2014-03-10 2023-01-10 3-D Matrix, Ltd. Self-assembling peptide compositions
BR112016019510A2 (pt) 2014-03-10 2017-10-24 3 D Matrix Ltd esterilização e filtração de composições de peptídeos
EP3116523B1 (en) 2014-03-10 2018-10-17 3-D Matrix, Ltd. Self-assembling peptides as bronchial obstruction agents
JP2017513927A (ja) 2014-03-10 2017-06-01 株式会社スリー・ディー・マトリックス 肺の漏出を治療するための自発組織化ペプチド
EP3116524B1 (en) 2014-03-10 2018-11-28 3-D Matrix Ltd. Autoassembling peptides for the treatment of pulmonary bulla
MX2016016832A (es) * 2014-06-20 2017-09-05 3-D Matrix Ltd Materiales y metodos para llenar cavidades oseas.
WO2017120092A1 (en) 2016-01-06 2017-07-13 3-D Matrix, Ltd. Combination compositions
IL296772B2 (en) * 2020-03-31 2023-12-01 3 D Matrix Ltd Sterilization of self-assembling peptides by irradiation
CN117651855A (zh) * 2021-07-13 2024-03-05 10X基因组学有限公司 用于制备具有可控厚度的聚合基质的方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010041636A1 (ja) * 2008-10-06 2010-04-15 株式会社スリー・ディー・マトリックス 組織閉塞剤
WO2013133413A1 (ja) * 2012-03-09 2013-09-12 株式会社スリー・ディー・マトリックス 粘膜隆起剤

Also Published As

Publication number Publication date
EP3466965A1 (en) 2019-04-10
AU2015229549B2 (en) 2019-05-23
EP3116896B1 (en) 2018-12-19
ES2711728T3 (es) 2019-05-07
CA2939696A1 (en) 2015-09-17
KR20160127827A (ko) 2016-11-04
CN117138022A (zh) 2023-12-01
US20160362451A1 (en) 2016-12-15
DK3116896T3 (en) 2019-03-18
RU2016139369A (ru) 2018-04-10
EP3116896A1 (en) 2017-01-18
JP2017510568A (ja) 2017-04-13
CN106459154A (zh) 2017-02-22
US20200399310A1 (en) 2020-12-24
JP6628733B2 (ja) 2020-01-15
US20220033442A1 (en) 2022-02-03
BR112016020584A2 (pt) 2017-10-03
CA2939696C (en) 2023-01-10
AU2019219809A1 (en) 2019-09-12
JP2022036947A (ja) 2022-03-08
WO2015138514A1 (en) 2015-09-17
US10654893B2 (en) 2020-05-19
AU2015229549A1 (en) 2016-08-18
JP7397042B2 (ja) 2023-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7397042B2 (ja) 自己組織化ペプチド組成物
Raymond et al. Low-molecular-weight supramolecular hydrogels for sustained and localized in vivo drug delivery
JP4766528B2 (ja) 自己組織化ペプチドおよびそれより得られるゲル
Behanna et al. Coassembly of amphiphiles with opposite peptide polarities into nanofibers
KR101702677B1 (ko) 자기 조직화 펩티드 및 고강도 펩티드 겔
JP5255274B2 (ja) 精製両親媒性ペプチド組成物およびその使用
US8834926B2 (en) Macromolecular diffusion and release from self-assembled β-hairpin peptide hydrogels
Dandu et al. Silk–elastinlike protein polymer hydrogels: Influence of monomer sequence on physicochemical properties
Chien et al. Using biomimetic polymers in place of noncollagenous proteins to achieve functional remineralization of dentin tissues
US20210106726A1 (en) Hydrogels
EP3230303B1 (en) Self-assembling peptides comprising non-ionic polar amino acids
Radvar et al. Supramolecular nanofibrous peptide/polymer hydrogels for the multiplexing of bioactive signals
Dao et al. Hemopressin-based pH-sensitive hydrogel: a potential bioactive platform for drug delivery
JP6134081B1 (ja) ペプチド組成物
JP6823231B2 (ja) 自己組織化ペプチドおよびそれから形成されるゲル
Liu et al. Self-Assembly Peptide based Double-Network Hydrogel
ES2705602T3 (es) Composiciones de péptidos anfifílicos purificadas y usos de las mismas
Branco Understanding the structure, dynamics, and mass transport properties of self assembling peptide hydrogels for injectable, drug delivery applications

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191224

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201214

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210208

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210330

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210810