JP2020016389A - インク乾燥装置 - Google Patents
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Abstract
Description
第1のインク乾燥装置は、ヒータを有した乾燥ドラムと、乾燥ドラムの表面に熱風を吹き付ける装置と、乾燥ドラム表面に吹き付けられた熱風を排気する装置を備え、乾燥ドラムの表面に基材を巻き付けて搬送することで、基材の表面に吹き付けられる熱風と乾燥ドラムのヒータの熱とで、基材の表面に吐出されたインクを乾燥する構成である。
第3のインク乾燥装置は、硬化炉の箱体に巻取リールと、複数のロールと、複数のヒータを設け、箱体内に挿通した基材(フィルムシート)を複数のロールにより渦巻状に搬送して巻取リールで巻取ることで、ヒータの熱で基材の表面に吐出したインク(印刷したインク)を乾燥(硬化)する構成である。
第4のインク乾燥装置は、赤外線乾燥機を用いたものである。
本発明者等は、この印刷機械で、基材の表面に吐出されたインクを、特許文献1、2、3、4に開示された第1、2、3、4のインク乾燥装置を用いて乾燥したが満足する結果が得られなかった。
その原因は、樹脂の基材と紙の基材とでは、基材へのインクの浸透が異なることと、基材に加えることができる温度の差であった。
つまり、樹脂の基材へのインクの浸透は紙の基材よりも少なく、乾燥させるインクの量が多いので高い乾燥能力が要求される。樹脂の基材は高い温度を加えるとダメージを受けるので、樹脂の基材に加えることができる温度は、紙の基材よりも低い温度である。
第1のインク乾燥装置は、乾燥ドラムの外周に基材を巻き付けて搬送しているので、インクを乾燥することができる基材の搬送距離(乾燥距離)は乾燥ドラムの外周径の大きさで決まり、乾燥ドラムの外周径の大きさには設置スペースの観点から限度があるので、インクを乾燥することができる基材の搬送距離を長くすることができない。
したがって、基材の搬送距離に比例する乾燥時間も長くはできないので、樹脂の基材の表面に吐出されたインクの乾燥には適さない。
なお、第1のインク乾燥装置は、紙の基材に吐出されたインクを乾燥することを目的としたものであり、紙の基材に吐出されたインクは乾燥することができる。
しかしながら、第2のインク乾燥装置は、複数のローラを加熱し、その熱でインクを乾燥するので、樹脂の基材の表面に吐出されたインクの乾燥には適さない。
しかも、基材が螺旋状に搬送されるから、インクを加熱することで生じた水蒸気が基材と基材の間に溜まり、インクの乾燥を阻害する原因となる。
しかしながら、第3のインク乾燥装置は、インクを加熱することで生じた水蒸気が箱体内に溜まり、インクの乾燥を阻害する原因となる。
第4のインク乾燥装置は、赤外線乾燥機単独では、赤外線の効果は樹脂の基材よりもインクの方へ多く出るが、インクの色によりその効果は変動する。例えば黒(K)とシアン(C)では、光の吸収率の差が大きいので、共に同じ時間で乾燥させるためには、吸収率の低い色に合わせた出力で赤外線を照射しなくてはならない。しかし、そうすると吸収率の高いインクは余剰加熱となるので、短い搬送路で、かつ短い乾燥時間にて全ての色のインクを一様に乾燥させることは困難である。
これらのことから、赤外線乾燥機単独では、樹脂の基材の表面に吐出したインクの乾燥には適さない。
また、複数の基材乾燥用ダクトに熱風を均一に供給でき、複数の基材乾燥用ダクトから乾燥炉内の空気を均一に吸引して排気できる。
また、熱風供給用パイプと前記排気用パイプの少なくとも一方と基材乾燥用ダクトを簡単に接続できる。
また、複数の基材乾燥用ダクトに熱風をより一層均一に供給できることと、複数の基材乾燥用ダクトから乾燥炉内の空気をより一層均一に吸引して排気できることの少なくとも一方を達成できる。
また、乾燥炉内を高温としてインクの乾燥を補助できるとともに、乾燥炉内の水蒸気を確実に排気できる。
また、基材乾燥用ダクトをコンパクトにできる。しかも、熱風を基材の表面に均一に吹き付けることができるとともに、基材の表面近くから水蒸気を含んだ高温の空気を均一に吸引して排気できる。
また、熱風の吹き出しがより一層均一になるとともに、水蒸気を含んだ空気をより一層均一に吸引して排気できる。
また、基材に吐出されたインクを効率的に乾燥できる。
また、インクを効率的に乾燥できる。
図1に示すように、本発明のインク乾燥装置Aは、基台Bと、基台Bに取り付けた赤外線乾燥機1と、熱風乾燥機2と、熱風供給部3と、排気部4を有している。
赤外線乾燥機1の基材搬送方向上流側に図示しない印刷機械の印刷装置が設けてある。印刷装置は、樹脂の基材の片方の表面に水系インクをインクジェットによって吐出することで印刷する。
表面にインクが吐出された樹脂の基材(以下単に基材という)は、赤外線乾燥機1を通過し、その後に熱風乾燥機2を通過することで基材の表面に吐出されたインクが乾燥される。
赤外線乾燥機1を設けたことで、基材と基材表面に吐出されたインクを、短時間で温度上昇させることができる。ところで、赤外線の光を熱として吸収するのに、基材においては基材の地色、インクにおいてはインクの色材によって、その吸収率が変化する。
例えば、基材の地色が透明である場合には、基材が吸収する熱量は少なくなる。インクの場合には、色材が黒(K)の場合とシアン(C)の場合には大きな差があることが知られている。また、赤外線ヒータの種類によってもそれぞれの光波長によって、被加熱体に対する熱吸収率は変化することも知られており、この実施の形態で使用しているカーボンヒータの場合、赤外線ヒータにあって比較的波長が長く、短波長のヒータと比して、インクの色による光吸収率の差による昇温の差を少なくすることが出来る。
つまり、熱風乾燥機2では、基材と基材表面に吐出されたインクが熱風にさらされるので、基材とインクが共に昇温する。高温下では基材へのダメージが大きくなるが、低温で長時間付与することで基材へのダメージを抑えてインクを乾燥させることができる。
したがって、赤外線乾燥機1で低温で基材上のインクが混色しない程度に初期乾燥させたのちに、熱風乾燥機2で低温で時間をかけて乾燥させることで、一様に効率よく乾燥させることができる。
しかも、インクが初期乾燥されることで、それ以降の基材搬送等によりインクの潰れ、拡散などの乱れがなく、吐出された状態を維持できる。
第4側壁20dは開閉可能な扉で、乾燥作業停止時に開放して内部のメンテナンス作業を行うことが出来る。
乾燥炉20内に基材搬送経路21と、基材乾燥用ダクト22と、乾燥炉内保温ダクト23と、乾燥炉内排気ダクト24が設けてある。
基材搬送経路21は、後で説明するように渦巻状で、長い搬送経路が得られると共に、乾燥炉20をコンパクトにできる。
基材乾燥用ダクト22は、熱風を吹き付ける熱風吹付用ダクト25と、水蒸気を含む高温空気を排気する排気用ダクト26を備えている。熱風吹付用ダクト25は基材搬送方向上流側に位置し、排気用ダクト26は基材搬送方向下流側に位置している。
乾燥炉内保温ダクト23は、乾燥炉20内に熱風を供給するものである。
乾燥炉内排気ダクト24は、乾燥炉20内の空気を外に排出するものである。
熱風供給部3は基材乾燥用ダクト22(熱風吹付用ダクト25)と乾燥炉内保温ダクト23に熱風を供給する。
排気部4は、基材乾燥用ダクト22(排気用ダクト26)と乾燥炉内排気ダクト24から乾燥炉20内の空気を排気する。
排気部4は、排気ブロワ40と、排気用渦巻パイプ41と、熱交換器31を有している。
給気ブロワ30から給送された空気は、吸気用配管34で熱交換器31を経てヒーティングユニット32に送られ、ヒーティングユニット32で加熱されることで熱風となる。
熱風は、熱風供給用パイプ35で熱風供給用渦巻パイプ33に送られ、熱風供給用渦巻パイプ33から基材乾燥用ダクト22(熱風吹付用ダクト25)と乾燥炉内保温ダクト23に供給される。
熱風吹付用ダクト25に供給された熱風は基材の表面に吹き付けられ、インクを乾燥する。
つまり、熱風供給用パイプ35と熱風供給用渦巻パイプ33とで、熱風を、熱風吹付用ダクト25と乾燥炉内保温ダクト23に供給する熱風供給用配管を構成している。なお、熱風供給用渦巻パイプ33は直線状のパイプでもよい。また、熱風供給用渦巻パイプ33を設けずに、熱風供給用パイプ35で熱風吹付用ダクト25と乾燥炉内保温ダクト23に熱風を送るようにしてもよい。この場合は熱風供給用パイプ35が熱風供給用配管である。
排気ブロワ40を駆動することで、排気用パイプ42を経て排気用渦巻パイプ41内の空気を吸引する。
乾燥炉20内を保温している高温の空気と、基材乾燥用ダクト22(排気用ダクト26)で排気されなかった水蒸気は、乾燥炉内排気ダクト24を経て排気用渦巻パイプ41に流れる。排気用渦巻パイプ41に流れた空気と水蒸気は、排気用パイプ42で熱交換器31を経て排気ブロワ40でインク乾燥装置A外の排気設備へと排気される。
このように、インクを加熱することで発生した水蒸気は乾燥炉20の外に排気されるので、水蒸気によりインクの乾燥が阻害されることがない。
このために、ヒーティングユニット32に送られる空気は外部空気よりも高い温度となるので、ヒーティングユニット32で昇温して設定温度の熱風とする時間が短くなる。
しかも、熱風乾燥機2の乾燥炉20から排気される熱を再利用しているため、ヒーティングユニット32のヒータ容量(電気容量)を押さえることができる。
これらが相まって、ヒーティングユニット32の温度制御の安定性が向上し、熱風吹付用ダクト25から吹き付ける熱風の温度が安定する。
赤外線乾燥機1は、乾燥炉10内を耐熱性光透過部材11でヒータ取り付け部12と乾燥室13に区分してある。ヒータ取り付け部12にヒータ14が取り付けられ、乾燥室13内を基材15が上から下に向けて通過する。基材15は連続した長尺のもので、基材15はインクが吐出された表面が耐熱性光透過部材11に対向して連続搬送される。
ヒータ14としては、カーボンヒータ、ハロゲンヒータなどが用いられる。耐熱性光透過部材11としては、耐熱性ガラスや耐熱性ステンレスメッシュなどが用いられる。図示しない印刷装置でインクが吐出された基材15は乾燥室13内を上から下に向けて通過し、その際にインクはヒータ14の光を受けて加熱昇温する。乾燥室13内を通過する際に基材15が破断等しても耐熱性光透過部材11によりヒータ14に触れることがない。
図2に示すように、乾燥炉20の内面は断熱材20gで覆われている。
乾燥炉20の第1側壁20aの下方位置(下壁20f寄り位置)に入口20hが形成され、乾燥炉20の第2側壁20bの上方位置(上壁20e寄り位置)に出口20iが形成してある。入口20h、出口20iは基材15が通過する大きさのスリット形状である。
往路21aと復路21bは相互に反対回りの渦巻状で、往路21aと復路21bが交差しないように交互に位置するような渦巻状である。
図2では、往路21aは時計回りの渦巻状で、復路21bは反時計回りの渦巻状である。
往路21aに沿って複数の基材乾燥用ダクト22が設けられ、熱風吹付用ダクト25と排気用ダクト26は、基材搬送方向に交互に位置している。復路21bには基材乾燥用ダクト22は設けていない。
内側位置から外側位置に向けて連続した復路用仮想渦巻線(図示せず)に沿って複数の復路用ローラ28を間隔を置いて設け、複数の復路用ローラ28で渦巻状の復路21bとしている。
最も内側に位置する往路用ローラ27aと、最も内側に位置する復路用ローラ28aの間に反転用ローラ29を設け、往路21aに沿って搬送された基材15がスムーズに復路21bに乗り移るようにしている。
図2では、往路21aが時計回りの渦巻状で、復路21bが反時計回りの渦巻状であるから、基材15は時計回りに搬送された後に反時計回りに搬送される。
搬送方向に隣接した2つの往路用ローラ27間と、入口20hと最初の往路用ローラ27間と、最も内側の往路用ローラ27aと反転用ローラ29の間に基材乾燥用ダクト22がそれぞれ設けてある。基材乾燥用ダクト22における基材15のインクが吐出された表面と対向する基材対向面22aが直線状平坦面としてある。つまり、搬送方向に隣接した2つの往路用ローラ27間を搬送される基材15と、入口20hから最初の往路用ローラ27に搬送される基材15と、最も内側の往路用ローラ27aと反転用ローラ29間を搬送される基材15は直線状であるから、基材乾燥用ダクト22の基材対向面22aを直線状平坦面としてある。
隣接した2つの往路用ローラ27の間隔を、基材乾燥用ダクト22の長さに合わせたことにより、往路21aに基材乾燥用ダクト22を連続して設けることが出来る。
乾燥炉内保温ダクト23は、乾燥炉20内の下部に設けてある。図2では、乾燥炉20内の下部における出口20i寄りに設けてある。つまり、暖かい空気は下から上に流れるので、乾燥炉内保温ダクト23を乾燥炉20内の下部に設け、熱風が乾燥炉20内の全域に流れるようにしている。
乾燥炉内排気ダクト24は、暖かい空気が溜まる乾燥炉20内の上部に設け、暖かい空気を排気しやすいようにしている。図2では乾燥炉20内上部の入口20h側と、出口20i側にそれぞれ乾燥炉内排気ダクト24が設けてある。
基材15は、入口20hから往路21aに搬送され、往路21aに沿って反転用ローラ29に向けて搬送される。つまり、基材15は、インクが吐出されている表面と反対側の面(以下裏面という)が往路用ローラ27に接触しながら搬送される。
往路21aに沿って搬送される間に、基材15の表面に、基材乾燥用ダクト22の基材搬送方向上流寄り(熱風吹付用ダクト25)から熱風が吹き付けられ、インクが加熱され、熱により乾燥される。熱風の温度は60℃〜140℃である。
基材15における熱風が吹き付けられた周辺の空気は基材乾燥用ダクト22の基材搬送方向下流寄り(排気用ダクト26)に吸引されて排気ブロワ40で排気される。これと同時にインクの加熱で発生した水蒸気も排気される。
したがって、水蒸気は直ちに排気されるので、基材15に水蒸気が付着することが少なく、乾燥炉20内に水蒸気が溜まることが少ない。
つまり、基材15は、インクが吐出されている表面が復路用ローラ28に接触しながら搬送される。この時にはインクが吐出されている表面に熱風が吹き付けられないが、乾燥炉20内は高温状態であるので、インクは自然乾燥される。
したがって、乾燥炉20がコンパクトでありながら基材搬送距離が長く、長い時間をかけて低温でインクを乾燥するので、樹脂の基材15に吐出した水系のインクを乾燥できる。そして、乾燥炉20内の高温の空気と、基材乾燥用ダクト22(排気用ダクト26)で排気されなかった水蒸気は、乾燥炉内排気ダクト24を経て排気されるので、より一層基材15に水蒸気が付着することが少なくなり、乾燥炉20内に水蒸気が溜まることが少なくなる。
以上のようにしてインクを乾燥する際に、インクの乾燥に必要な基材搬送距離は、基材15の種類、インクの種類、カバレッジ(単位面積当たりのインク吐出率)の状態で変わる。印刷見当、損紙(ヤレ)量、印刷結果の早期確認などの観点から、一般的に、基材搬送距離は短いほうが好ましい。
具体的には、最も内側に位置する往路用ローラ27aよりも上流側に位置する中間往路用ローラ27bから、最も内側に位置する復路用ローラ28aよりも下流側に位置する中間復路用ローラ28bに基材15を掛け渡して基材搬送経路21を短絡できる構成である。
この構成とすることで、基材15は2点鎖線で示すように反転用ローラ29を経ずに搬送されるので基材搬送距離が短くなる。
図3に示すように、乾燥炉20内における第3側壁20c寄りと、第4側壁20d寄りにプレート20jがそれぞれ設けてある。このプレート20j間に、基材乾燥用ダクト22と、乾燥炉内保温ダクト23と、乾燥炉内排気ダクト24がそれぞれ取り付けてある。図3には基材乾燥用ダクト22と、乾燥炉内保温ダクト23と、乾燥炉内排気ダクト24が同じ向きで、上下に間隔を置いて図示してあるが、実際には、図2に示す位置に異なる向きで取り付けてある。
なお、往路用ローラ27と、復路用ローラ28と、反転用ローラ29はプレート20j間に取り付けてある。
基材乾燥用ダクト22は外部ダクト5を有する。外部ダクト5は、長尺なコ字形状の本体板50と本体板50の長手方向両端を閉塞する2つの端面板51とで基材15と対向する面が開口した外部壁と、外部壁の開口を閉塞するスリット板52を有する。
基材乾燥用ダクト22は、外部ダクト5の端面板51をプレート20jに固定することで取り付けられる。基材乾燥用ダクト22の長手方向が基材搬送方向と直交し、スリット板52が基材15のインクが吐出されている表面と対向している。スリット板52が基材乾燥用ダクト22の基材対向面22aである。
外部ダクト5の内部は仕切り板53で基材搬送方向に2つの空間に区画され、基材搬送方向上流側の空間が熱風吹き出し空間54で、基材搬送方向下流側の空間が排気空間55である。
熱風吹き出し空間54内の熱風は熱風吹き出しスリット56から吹き出る。その熱風によって基材15の表面に吐出されたインクが加熱され、インクは乾燥される。
これに伴い水蒸気が発生するが、この水蒸気は吸引スリット57を通して排気空間55に回収される。
熱風吹き出し空間54と排気空間55が隣接しているため、発生した水蒸気は直ちに回収されるので、水蒸気が乾燥炉20内部や基材15に付着することを最大限抑えることができる。
一側板60と他側板61には、熱風が流れる供給用穴64が長手方向に間隔を置いて複数形成してある。
一側板60の供給用穴64から熱風が、熱風吹き出し空間54の基材搬送方向上流側に供給され、他側板61の供給用穴64から熱風が、熱風吹き出し空間54の基材搬送方向下流側に供給されるので、熱風吹き出し空間54の基材搬送方向全域に亘って熱風が均等に供給される。
一般的に、一端が封止された管状の物体に他端から空気を送り込むとき、封止された箇所の近傍の方が空気圧が高くなりやすい。したがって、熱風供給用内部ダクト6の個々の供給用穴64の開口面積が同じであると、他方の端面板51で封止された位置に近い箇所の供給用穴64から、より多くの熱風が流れてしまう。そのため、供給用穴64の開口面積を変えることで、各供給用穴64からの熱風の流れ量を均一化している。
熱風供給用内部ダクト6の供給用穴64から熱風吹き出し空間54に流れた熱風は、熱風吹き出しスリット56から吹き出される。
したがって、外部ダクト5の熱風吹き出し空間54を形成する部分と、熱風供給用内部ダクト6とで熱風吹付用ダクト25を形成する。
つまり、熱風供給用内部ダクト6内に供給された熱風を供給用穴64から外部ダクト5内に供給するので、外部ダクト5内の全域に亘って均等に熱風が供給される。これに対して、熱風を外部ダクト5内に直接供給すると、供給する箇所から離れた所に熱風が行き渡らない。しかも、供給用穴64の開口面積は供給する箇所(供給用接続口58)から離れるにつれて小さいので、外部ダクト5内の全域に亘ってより一層均等に熱風が供給される。
一側板70と他側板71には、吸引用穴74が長手方向に間隔を置いて複数形成してある。
一側板70の吸引用穴74から排気空間55の基材搬送方向上流側の空気が吸引され、他側板71の吸引用穴74から排気空間55の基材搬送方向下流側の空気が吸引されるので、排気空間55の基材搬送方向全域から空気を均等に吸引できる。
一般的に、一端が封止された管状の物体に他端から空気を吸い込むとき、封止された箇所の近傍の方が空気圧が低くなりやすい。したがって、排気用内部ダクト7の個々の吸引用穴74の開口面積が同じであると、他方の端面板51で封止された位置に近い箇所の吸引用穴74から吸引される空気量がより少なくなる。そのため、吸引用穴74の開口面積を変えることで、各吸引用穴74からの空気吸引量を均一化している。
したがって、外部ダクト5の排気空間55を形成する部分と、排気用内部ダクト7とで排気用ダクト26を形成する。
つまり、排気用内部ダクト7の吸引用穴74から外部ダクト5内の水蒸気を含む高温空気を吸引するので、外部ダクト5内の全域から均等に水蒸気を含む高温空気が吸引される。これに対して、外部ダクト5内の水蒸気を含む高温空気を直接吸引すると、吸引する箇所から遠い所の吸引量が、近い所の吸引量より少なく、均等に吸引できない。しかも、吸引用穴74の開口面積は吸引する箇所(排気用接続口59)から離れるにつれて大きいので、外部ダクト5内の全域からより一層均等に水蒸気を含む高温空気が吸引される。
なお、熱風吹付用ダクト25の外部ダクト5と、排気用ダクト26の外部ダクト5を別々にしてもよい。
乾燥炉内保温ダクト23は、熱風吹付用ダクト25と同様な構成でもよいが、図9〜図11に示す構成としてある。
乾燥炉内保温ダクト23は、外部ダクト23aと、外部ダクト23a内に設けた内部ダクト23bを備えている。外部ダクト23aは一側面板80と、他側面板81と、2つの端面板82で吹き出し空間83を形成している。
一側面板80は、幅が狭く長尺な平板状で、他側面板81は、幅が狭く長尺で、幅方向に山形に折れ曲がった板状で、一側面板80と他側面板81はステー80aで連結してある。一側面板80の幅方向両端と他側面板81の幅方向両端は離隔してスリット状の吹き出し口84を形成している。
内部ダクト23bの2つの側面板85、85には複数の供給用穴89が長手方向に間隔を置いて形成され、各供給用穴89から吹き出し空間83に熱風を供給する。
各供給用穴89の開口面積は、供給用接続口88に近いほど大きく、各供給用穴89から供給される熱風の量を均一化している。
この構成であるから、乾燥炉内保温ダクト23は、乾燥炉20内の基材搬送方向と直交する方向に熱風を均一に吹き出すことができる。
乾燥炉内排気ダクト24は、排気用ダクト26と同様な構成でもよいが、図12〜図14に示す構成としてある。つまり、乾燥炉内保温ダクト23と同様の構成である。
乾燥炉内排気ダクト24は、外部ダクト24aと、外部ダクト24a内に設けた内部ダクト24bを備えている。外部ダクト24aは一側面板90と、他側面板91と、2つの端面板92で排気空間93を形成している。
一側面板90は、幅が狭く長尺な平板状で、他側面板91は、幅が狭く長尺で、幅方向に山形に折れ曲がった板状で、一側面板90と他側面板91はステー90aで連結してある。一側面板90の幅方向両端と他側面板91の幅方向両端は離隔してスリット状の吸引口94を形成している。
内部ダクト24bの2つの側面板95、95には複数の吸引用穴99が長手方向に間隔を置いて形成され、各吸引用穴99から排気空間93の空気を吸引する。
各吸引用穴99の開口面積は、封止された他端部に近いほど大きく、各吸引用穴99から吸引される空気の量を均一化している。
この構成であるから、乾燥炉内排気ダクト24は、乾燥炉20内の基材搬送方向と直交する方向から空気を均一に吸引することができる。
図15に示すように、熱風供給用渦巻パイプ33は、熱風乾燥機2の乾燥炉20における第3側壁20cと隣接して設けられ、複数の供給用チューブ16が接続してある。供給用チューブ16は各基材乾燥用ダクト22の供給用接続口58と、乾燥炉内保温ダクト23の供給用接続口88にそれぞれ接続され、基材乾燥用ダクト22と乾燥炉内保温ダクト23に熱風を供給する。
排気用渦巻パイプ41は、熱風供給用渦巻パイプ33の乾燥炉20と反対側と隣接して設けられ、複数の排気用チューブ17が接続してある。排気用チューブ17は各基材乾燥用ダクト22の排気用接続口59と、乾燥炉内排気ダクト24の排気用接続口98に接続され、基材乾燥用ダクト22と乾燥炉内排気ダクト24から水蒸気を含む高温空気を吸引する。
給気ブロワ30より供給された空気は、供給路入口31eからシェル31a内を通り、供給路出口31fよりヒーティングユニット32に排出される。一方、排気用渦巻パイプ41から排出された水蒸気を含む高温空気は、流入側ボンネット31bの排出路入口31gから熱交換器31内部へと流入し、チューブ31d内を流れて流出側ボンネット31cから排出路出口31hを通って排気ブロワ40に向かう。
給気ブロワ30から供給された空気の温度が上昇したことによって、熱交換器31を介さずにヒーティングユニット32で温度を上昇させる場合と比較して、より少ない熱量で、かつ、より短時間で熱風を作り出すことができる。
図17と図18に示すように、熱風供給用渦巻パイプ33は一平面上で巻かれた渦巻状で、外側端33aと内側端33bは同一平面上に位置する。
熱風供給用渦巻パイプ33の外側端33aに供給パイプ100が一体に設けられて供給口101としてあり、外側端33aが供給端である。供給パイプ100は熱風供給用渦巻パイプ33から直角に突出している。
熱風供給用渦巻パイプ33の内側端33bは封止され、供給口101から供給された熱風が溜まるようにしてあり、内側端33bが先端である。なお、内側端33bに供給口を設けて供給端とし、外側端33aを封止して先端としてもよい。
熱風供給用渦巻パイプ33には乾燥炉内保温ダクト23に熱風を供給するための第2接続口103が設けられている。第1接続口102と第2接続口103には供給用チューブ16がそれぞれ接続される。
熱風供給用渦巻パイプ33の外側端33a寄りと、内側端33b寄りに第3接続口104が設けられている。この2つの第3接続口104には、図15に示すバランスチューブ105が接続され、熱風供給用渦巻パイプ33の外側端33aと内側端33bを連通することで、外側端33aと内側端33bの温度、圧力の差を低減して熱風供給用渦巻パイプ33内の熱風の温度、圧力が均一化するようにしている。
熱風供給用渦巻パイプ33には、取り付け用のスタッド106が複数設けられている。スタッド106は熱風供給用渦巻パイプ33から直角に突出している。
図19と図20に示すように、排気用渦巻パイプ41は一平面上で巻かれた渦巻状で、外側端41aと内側端41bは同一平面上に位置する。排気用渦巻パイプ41の外側端41aに吸引パイプ110が一体に設けられて吸引口111としてあり、外側端41aが吸引端である。吸引パイプ110は排気用渦巻パイプ41から直角に突出している。
排気用渦巻パイプ41の内側端41bは封止され、内側端41bが先端である。なお、内側端41bに吸引口を設けて吸引端とし、外側端41aを封止して先端としてもよい。
排気用渦巻パイプ41には乾燥炉内排気ダクト24から空気を吸引するための第2吸引接続口113が2つ設けられている。第1吸引接続口112と第2吸引接続口113に排気用チューブ17がそれぞれ接続される。
排気用渦巻パイプ41の外側端41a寄りと、内側端41b寄りに接続口114が設けられている。この2つの接続口114には、図15に示すバランスチューブ115が接続され、排気用渦巻パイプ41の外側端41aと内側端41bを連通することで、外側端41aと内側端41bの圧力の差を低減して排気用渦巻パイプ41内の圧力が均一化するようにしている。
排気用渦巻パイプ41には、取り付け用のスタッド116が複数設けられている。スタッド116は排気用渦巻パイプ41から直角に突出している。
図21に示すように、基台Bにブラケット120が取り付けられ、ブラケット120にスタッド106を固定することで熱風供給用渦巻パイプ33が基台Bに取り付けられる。熱風供給用渦巻パイプ33は乾燥炉20の第3側壁20cと隣接し、第1接続口102は第3側壁20cに向けて突出している。
したがって、第1接続口102に接続した供給用チューブ16を乾燥炉20の第3側壁20cから突き出た供給用接続口58に接続する作業がやり易い。
したがって、第1吸引接続口112に接続した排気用チューブ17を、乾燥炉20の第3側壁20cから突き出た排気用接続口59に接続する作業がやり易い。
ブラケット120に熱交換器31が固定されている。
つまり、熱風供給用渦巻パイプ33の内側端33bと排気用渦巻パイプ41の内側端41bが、反転用ローラ29と対向した位置で、熱風供給用渦巻パイプ33の外側端33aと排気用渦巻パイプ41の外側端41aが入口20h近くと対向した位置で、熱風供給用渦巻パイプ33と排気用渦巻パイプ41は基材乾燥用ダクト22と対向している。
排気用渦巻パイプ41の2つの第2吸引接続口113は上向きで、乾燥炉内排気ダクト24(排気用接続口98)と対向している。
したがって、供給用チューブ16、排気用チューブ17の長さを短くできるとともに、簡単に接続できる。
Claims (9)
- 熱風乾燥機と、熱風供給部と、排気部を有し、
前記熱風乾燥機は、乾燥炉と、前記乾燥炉内に設けられた渦巻状の経路を成す基材搬送経路と、前記基材搬送経路に沿って搬送される基材のインクが吐出された表面に熱風を吹き付けてインクを加熱するとともに、インクの加熱で発生した水蒸気を排気する複数の基材乾燥用ダクトを備え、
前記熱風供給部は、前記乾燥炉外に設けられ、前記基材乾燥用ダクト内に熱風を供給する構成とし、
前記排気部は、前記乾燥炉外に設けられ、前記基材乾燥用ダクトを介して前記乾燥炉内の空気を排気する構成としたことを特徴とするインク乾燥装置。 - 請求項1に記載のインク乾燥装置において、
前記熱風供給部は、熱風が供給されるとともに、前記複数の基材乾燥用ダクトの熱風吹き出し空間にそれぞれ連通した熱風供給用パイプを有し、
前記排気部は、空気が吸引されるとともに、前記複数の基材乾燥用ダクトの空気吸引空間にそれぞれ連通した排気用パイプを有しているインク乾燥装置。 - 請求項2に記載のインク乾燥装置において、
前記熱風供給用パイプと前記排気用パイプの少なくとも一方は、渦巻状であるインク乾燥装置。 - 請求項2または3に記載のインク乾燥装置において、
前記熱風供給用パイプと前記排気用パイプの少なくとも一方は、長手方向一方側が開口し、長手方向他方側が封止され、長手方向一方側と長手方向他方側が連通しているインク乾燥装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載のインク乾燥装置において、
前記乾燥炉内に熱風を供給する乾燥炉内保温ダクトと、前記乾燥炉内の空気を、前記乾燥炉外に排気する乾燥炉内排気ダクトを有するインク乾燥装置。 - 請求項1から5のいずれかに記載のインク乾燥装置において、
前記基材乾燥用ダクトは、前記基材の表面に熱風を吹き付ける熱風吹き出し空間と、前記基材の熱風が吹き付けられた周辺の空気を吸引する排気空間を有した外部ダクトと、前記熱風吹き出し空間と排気空間にそれぞれ設けられた内部ダクトを備え、
前記熱風吹き出し空間に設けられた内部ダクト内は、前記熱風吹き出し空間に開口し、かつ前記熱風供給部と連通し、
前記排気空間に設けられた内部ダクト内は、前記排気空間に開口し、かつ前記排気部と連通しているインク乾燥装置。 - 請求項6に記載のインク乾燥装置において、
前記熱風吹き出し空間に設けられた内部ダクトは、複数の供給用穴を有し、前記供給用穴の開口面積は、前記熱風供給部と連通した部分から離れるにつれて小さく、
前記排気空間に設けた内部ダクトは、複数の吸引用穴を有し、前記吸引用穴の開口面積は、前記排気部と連通した部分から離れるにつれて大きいインク乾燥装置。 - 請求項1から7のいずれかに記載のインク乾燥装置において、
前記乾燥炉の基材搬送方向上流側に、基材を加熱する赤外線乾燥機が設けられているインク乾燥装置。 - 請求項1から8のいずれかに記載のインク乾燥装置において、
前記排気部に流れる前記乾燥炉内の高温の空気の熱で、前記熱風供給部を流れる空気を昇温する熱交換器が設けられているインク乾燥装置。
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