本発明は、特許請求項1に記載のワイヤリングハーネス、特許請求項12に記載の自動車の車両構成部品、特許請求項14に記載のワイヤリングハーネスを製造するための金型、特許請求項28に記載の金型システム及び、特許請求項29に記載のワイヤリングハーネスを製造するための方法に関する。
自動車における種々の構成部品を接続するための個々のケーブルを備えたワイヤリングハーネスは周知である。この文脈で、ケーブルは取付け板に布設され、巻きテープに巻込まれる。ワイヤリングハーネスは実質的に手作業で製造され、従ってワイヤリングハーネスの製造は特に高額である。
本発明の目的は、改良したワイヤリングハーネス、改良した車両構成部品、改良した金型、改良した金型システム及びこの種のワイヤリングハーネスを製造するための改良方法を提供することである。
この目的は、請求項1に記載の自動車用ワイヤリングハーネスによって達成される。有利な実施形態は従属請求項に示されている。
ワイヤリングハーネスが少なくとも2本のケーブルを備えたケーブル束及び外被を有する場合に、自動車用の改良ワイヤリングハーネスが提供され得ることが認められた。ケーブル束の少なくとも一部の単数又は複数の部分は外被に埋込まれる。このようにして、労力を要するケーブル束の巻付けを省くことが可能である。さらに、外被によって、きつい半径部のまわりで特に容易にワイヤリングハーネスを曲げて案内できることが保証される。さらに、ケーブル束の個々のケーブルは外被によって保護される。
別の実施形態において、外被は外側に指示要素を有しており、指示要素はケーブル束の位置を指示するためにケーブル束と平行に配線されており、指示要素は実質的に外被の縦長さ全体にわたって延びており、指示要素の少なくとも一部の単数又は複数の部分は金型の保持装置の幾何学的構成に対応するように構成されている。第1隆起部は、外被におけるケーブル束の並びを指示する単純な手段であり、それによりワイヤリングハーネスを自動車に特に迅速に布設することが可能になる。
別の実施形態において、指示要素は第1隆起部を有しており、第1隆起部はビード形の構成であり、及び/又は、指示要素は外被の外側に切欠き部を有する。これにより、ワイヤリングハーネスを修理する時にケーブル束を外被において特に迅速に見つけることが可能になる。
別の実施形態において、第1隆起部は実質的に外被の縦長さ全体にわたって延びている。
別の実施形態において、ワイヤリングハーネスは第1締結要素を有する。第1締結要素の少なくとも一部の単数又は複数の部分は外被に埋込まれる。第1締結要素は、ケーブル束のケーブルの少なくとも1本を所定の位置に保持するように構成されている。このようにして、ワイヤリングハーネスの加熱を所定の方法で固定でき、それによりワイヤリングハーネスの局部的過熱さえも確実に回避する。これによってワイヤリングハーネスへの不可逆的損傷を単純な方法で回避することが可能である。
別の実施形態において、ワイヤリングハーネスは第2締結要素を有する。第2締結要素は、外被に埋込まれた第1係合部を有する。第2締結要素は、自動車の車両構成部品に係合してワイヤリングハーネスを車両構成部品に締結するように構成されている第2係合部を有する。
別の実施形態において、外被は第1層、第2層及び好ましくは第3層を有しており、ケーブル束は第1層に埋込まれており、第1層は第1材料を含み、第2層は第2材料を含み、第2材料は好ましくは、第1材料とは異なる弾性を、好ましくはより高い弾性を有しており、第2層は好ましくは、矩形構成であるか、又はリブ構造を有しており、第2層は好ましくは、第1層に面する側に、所定の表面構造を備えた表面を有しており、第2層は好ましくは、第1層とは反対に面する側で、平坦構成であり、第3層は好ましくは、第1層とは反対に面する第2層の面に配置されており、第3層は少なくとも1つの材料を含み、第3材料は、接着剤を含み、且つ/又は、第1及び/又は第2の弾性とは異なる、好ましくはより低い第3の弾性を有している。これにより第2層はケーブル束のための保護として働くことが可能になり、それにより、例えば車両の車体の鋭利な縁端による、ケーブル束への起こり得る損傷を回避する。
別の実施形態において、第1層は、ケーブル束に対して横の方向で第2層よりも細い構成であり、第1層は、車両構成部品における凹部に係合するように構成されており、第1層は好ましくは台形横断面を有しており、第2層は好ましくは実質的に矩形横断面を有する。
別の実施形態において、外被は第2隆起部を有しており、ワイヤリングハーネスは車両構成部品におけるフィードスルー開口部に貫通でき、第2隆起部はケーブル束の縦長さに対して傾斜して延びており、第2隆起部は、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、車両構成部品における2つの空間の間に分離、好ましくは液密分離を形成するように構成されており、第2隆起部は隆起部輪郭を有しており、第2隆起部は隆起部輪郭をフィードスルー開口部のフィードスルー開口部輪郭に押しつけて該空間の間に実質的に液密分離をもたらすように構成されている。
別の実施形態において、外被は第2隆起部を有しており、第2隆起部はケーブル束の縦長さに対して傾斜して延びており、第2隆起部は、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、車両構成部品における2つの空間の間に分離、好ましくは液密分離を形成するように構成されており、第2隆起部は隆起部輪郭を有しており、第2隆起部は、隆起部輪郭を車両構成部品における凹部の凹部輪郭に押しつけて、凹部と第2隆起部との間に摩擦接続をもたらし、ワイヤリングハーネスを凹部に摩擦で締結するように構成されている。これによりワイヤリングハーネスを特に単純な方法で自動車車両に締結することが可能になる。
別の実施形態において、外被は第1外被部及び第2外被部を有する。第1外被部は第1外被部の縦長さの第1方向に関して第1横長さを有する。第2外被部は第2外被部の第2縦長さに関して第2横長さを有する。第1横長さは第2横長さよりも大きい。
外被は移行部を有する。移行部は第1外被部と第2外被部との間に配置される。第1外被部は第1外側面を有しており、第2外被部は第2外側面を有する。移行部は、第1外側面及び第2外側面に対して傾斜している移行面を有している。傾斜は角度を有しており、角度は、45°未満である、特に30°未満、特に20°未満、特に15°未満、特に10°未満である値を有する。
しかし、目的はまた、特許請求項12に記載の自動車の車両構成部品によっても達成される。有利な実施形態は従属請求項に示されている。
自動車の改良された車両構成部品が提供され得ると認められたのは、車両構成部品が、凹部輪郭を備えた少なくとも1つの凹部を有する構造と、上述したワイヤリングハーネスとを有しており、少なくとも第2隆起部は凹部に係合し、第2隆起部は、プレストレスの下で、好ましくは圧縮下で、凹部に少なくとも部分的に配置され、第2隆起部は隆起部輪郭を凹部輪郭に押しつけて、ワイヤリングハーネスと車両構成部品との間に摩擦接続をもたらす、場合である。これによって自動車の車両構成部品の内部で利用可能な設置空間を特に効率的に利用することが可能である。さらに、車両構成部品の構造に接するワイヤリングハーネスのラットリングが、構造との表面間接触によって回避される。
別の実施形態において、ワイヤリングハーネスは凹部に配置されており、構造は凹部に隣接する表面を有しており、該表面と上面とは無段構成であり、該表面と上面とは好ましくは共通平面で延びている。このようにして、ワイヤリングハーネスを特に小さい設置空間を要して車両に布設することができると同時に、ワイヤリングハーネスの固定が単純な方法で保証され得る。さらに、構造に取付ける時にワイヤリングハーネスへの自動車の他の構成部品の引っ掛かりが回避される。
しかし、目的はまた、特許請求項14に記載の前記ワイヤリングハーネスを製造するための金型によっても達成される。有利な実施形態は従属請求項に示されている。
金型が壁及び開口部を有している場合に、ワイヤリングハーネスを製造するための改良した金型が提供され得ると認められた。壁は金型キャビティを少なくとも横方向に画成する。金型キャビティは上部で開口部に隣接する。
上方に開放した金型によって、ケーブルは、ピンのまわりで引っ張らなくてもワイヤリングハーネスの製造中、特に容易に布設することができる。その結果、ワイヤリングハーネスは特に迅速に製造できる。さらに、ケーブルをロボットによって自動的に布設することも可能であり、従って製造コストは自動化によってさらに低減する。
別の実施形態において、金型は保持装置を有する。保持装置は、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、壁に配置されており、開口部を覆い、保持装置はプレート形式及び/又はブラシ形式構成であり、保持装置は可逆弾性変形が可能である材料を含み、保持装置は少なくとも70°、好ましくは90°、好ましくは金型キャビティ内に可逆的に曲げることができる。これにより、金型キャビティに布設されたケーブルが偶発的に抜け得る状況が回避される。また、外被の発泡中の金型キャビティにおけるケーブルの浮動も回避される。
この際、壁は壁底面を有しており、保持装置は、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、壁底面と平行に配置されている場合、特に有利である。
別の実施形態において、壁は第1壁部及び第2壁部を有する。第1壁部は第2壁部に対向して配置されており、保持装置は第1保持要素及び第2保持要素を含み、第1保持要素は第1壁部に配置されており、第2保持要素は第2壁部に配置されており、第1保持要素及び第2保持要素は各々、開口部の上で自由端部により終わり、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、金型キャビティを閉鎖しており、第1壁部及び/又は第2壁部は好ましくは、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、波状輪郭形状を備える。
別の実施形態において、第1及び第2保持要素の自由端部は離間して配置されており、且つ/又は、第1及び第2保持要素は開口部の上で重なり合う様態で配置されている。
別の実施形態において、第1壁部は第1壁領域及び第2壁領域を有しており、第1壁領域は第2壁部と実質的に平行に配置されており、第2壁領域は、第2壁部から離れる方向で第1壁領域からずらされた様態で延び、その結果、金型キャビティは拡幅部を有しており、第2壁領域は第1隆起部輪郭及び/又は第2隆起部輪郭に対応するように構成されている。
別の実施形態において、開口が壁に設けられており、開口は貫通開口部として構成されており、金型の壁底部に配置されており、壁底部は底部で金型キャビティを画成しており、開口はワイヤリングハーネスの第1及び/又は第2締結要素の少なくとも部分を収容するように構成されており、且つ/又は、金型からワイヤリングハーネスを取出すためのエジェクタは開口を通じて届くように構成されており、開口は好ましくはエジェクタに対応するように構成されている。その結果、ワイヤリングハーネスは金型から特に容易に、機械によって取出し得る。
別の実施形態において、開口が壁に設けられており、開口はワイヤリングハーネスの第1及び/又は第2締結要素の少なくとも部分を収容するように構成されている。
別の実施形態において、壁は第1壁面部、第2壁面部及び壁面移行部を有しており、第1壁面部は好ましくは第2壁面部よりも低位に配置されており、壁面移行部は第1壁面部と第2壁面部との間に配置されており、壁面移行部は、第1壁面部及び第2壁面部に対して傾斜して配置されており、傾斜は好ましくは角度を有しており、角度は、45°未満である、特に30°未満、特に20°未満、特に15°未満、特に10°未満である値を有している。これにより、第1壁包囲部と第2壁包囲部との間の移行部でのワイヤリングハーネスにおける亀裂が回避される。
別の実施形態において、第1壁面部及び第2壁面部は、互いに平行に配置された2平面に配置されている。
別の実施形態において、保持装置は、壁に沿っており、一部の単数又は複数の部分で中断される、及び/又は連続的であるように構成されている。
別の実施形態において、保持装置は材料としてシリコーンを含む。加えて、又は代替として、壁は以下の材料:ポリテトラフルオライド、ポリオキシメチレンの少なくとも1つを含む。
これらの材料は外被材料に比べて特に低い表面張力を有しており、それにより外被の硬化後にワイヤリングハーネスの信頼できる離型が保証される。特に、壁へのそれらの材料の使用によって、付加的に要求される原型を製造するための更なる清掃又は再処理ステップを要することなく、その金型で多数のワイヤリングハーネスを製造可能なこともまた保証される。
別の実施形態において、壁は金型キャビティに面する壁面を有しており、壁面は少なくとも一部の単数又は複数の部分においてレーザーポリッシングされる。レーザーポリッシングによって、特に金型にミリングされている金型キャビティに起因して存在し得るいずれかのスコーリングが軽減され、その結果、ワイヤリングハーネスの成形及び金型からの取出しが確実に保証される。
別の実施形態において、壁は、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、波状及び/又はリブ形及び/又は平面様態で輪郭をなしている。これによりワイヤリングハーネスは単純な方法で車両における幾何学的境界条件に最適に合致することが可能になる。
別の実施形態において、金型キャビティからの外被の出現を少なくとも部分的に防ぐために、シーリング要素が壁の1つの縦端部に配置される。
別の実施形態において、金型は第1金型部分及び第2金型部分を有する。第1金型部分は1つの縦端部に第1係合要素を有する。第2金型部分は、第1金型部分の縦端部に面する第2金型部分の縦端部に第1係合要素に対応するように構成されたソケットを有する。第1係合要素は、第1ソケットに係合し、第1金型部分を第2金型部分と確実に接続し、係合要素及びソケットは互いに関して、ソケットへの係合要素の係合によって縦方向の脱離が妨げられるようにして構成されており、係合要素及び第1金型部分は好ましくは一体であり、物質的に単一構成である。これにより金型は、特に容易に拡張又は適用することが可能になる。
別の実施形態において、金型は金型システムの取付け板に締結されるように構成される。
しかし、目的はまた、特許請求項28に記載の金型システムによっても達成される。
改良した金型システムが提供され得ると認められたのは、以下の場合である。金型システムが金型及び取付け板を備えており、金型は上述のごとく構成されており、金型は取付け板に面する側に更なる係合要素を有しており、取付け板は金型に面する側に、複数の更なるソケットを有する少なくとも1つのグリッドを有しており、あるいは、金型は取付け板に面する側に更なるソケットを有しており、取付け板は金型に面する側に、複数の更なる係合要素を有するグリッドを有しており、更なる係合要素及び更なるソケットは互いに対応する様態で配置されており、更なる係合要素は更なるソケットの1つに係合し、取付け板を金型と確実に、且つ可逆的に分離可能な様態で接続し、グリッドの他の更なるソケットは空いたままであり、あるいは、更なる係合要素の1つは更なるソケットに係合し、取付け板を金型と確実に、且つ可逆的に分離可能な様態で接続し、グリッドの他の更なる係合要素は固定されないままであり、更なる係合要素は好ましくは一体であり、金型又は取付け板と物質的に単一構成である。
その結果、金型は取付け板に特に迅速に取付けできる、又は金型システムは、製造される異なるワイヤリングハーネスに特に迅速に適応できる。
しかし、目的はまた、特許請求項29に記載の方法によっても達成される。有利な実施形態は従属請求項に示されている。
本発明によれば、上述のごとく構成されたワイヤリングハーネスを製造するための改良方法が提供され得ると認められたのは、以下の場合である。上述のごとく構成された金型を準備し、ケーブル束の少なくとも1本のケーブルが金型キャビティに布設され、ケーブルが金型キャビティに布設される際に、保持装置は、好ましくは金型キャビティ内に又は金型キャビティから離れる方向に曲げられる手段によって第1領域における閉鎖位置から、開口部が少なくとも一部の単数又は複数の部分において、第1領域において空いており、保持装置が第2領域において閉鎖位置に留まり開口部を閉鎖するようにして、可逆的に変形され開放され、ケーブルは第1領域を通じて金型キャビティに布設され、手段は金型キャビティに沿って動かされ、手段の取出し後、保持装置は再び緩み金型キャビティを閉鎖し、外被の少なくとも1つの材料が金型キャビティに導入され、材料は、外被材料のプロセス時間中、重力方向に流動し、その際に少なくとも一部の単数又は複数の部分においてケーブル束のケーブルを包囲する。
別の実施形態において、ケーブルが第1領域に布設される際に、第1保持要素及び第2保持要素は、前記手段によって閉鎖位置から可逆的に曲げ離され、好ましくは金型キャビティ内に、又は金型キャビティから離れる方向に外へ曲げられるか、又は金型キャビティの縦方向に曲げられ、前記手段の取出し後、保持要素は閉鎖位置に曲がり戻り、再び開口部を閉鎖する。
別の実施形態において、金型キャビティへの外被材料の導入後、カバーが保持装置に置かれ、カバーは、金型キャビティとは反対に面する側で保持装置が曲がり開くのを少なくとも部分的に阻止する。
別の実施形態において、外被材料は第一に、第1壁面部の上方の金型キャビティに導入され、その後の時間の間に、第2壁面部の上方の金型キャビティに、さらに壁面移行部の上方の金型キャビティに導入される。
別の実施形態において、外被材料は、第1壁部と第2壁部との間でケーブル束に関して横方向で波状に変動する様態で適用される。このようにして、周囲の壁へのケーブル束の信頼できる埋込みが保証される。
本発明を図によって以下で更に詳細に説明する。
第1実施形態による自動車の車両構成部品の横断面図の詳細を示す。
図1Aに示した車両構成部品の平面図の詳細を示す。
第2実施形態による車両構成部品の断面図を示す。
第3実施形態による自動車の車両構成部品の横断面図の詳細を示す。
図3Aに示した車両構成部品を発展させたものの横断面図の詳細を示す。
図3Aに示した車両構成部品を発展させたものの横断面図の詳細を示す。
図3Aに示した車両構成部品を発展させたものの横断面図の詳細を示す。
図3Aに示した車両構成部品を発展させたものの縦断面図を示す。
第4実施形態による自動車の車両構成部品の横断面図の詳細を示す。
図4Aに示した車両構成部品を発展させたものの横断面図の詳細を示す。
ワイヤリングハーネスの縦断面図を示す。
別の実施形態におけるワイヤリングハーネスの斜視図を示す。
別の実施形態におけるワイヤリングハーネスの斜視図を示す。
別の実施形態におけるワイヤリングハーネスの斜視図を示す。
図1乃至8に示した少なくとも1つのワイヤリングハーネスを製造するための金型システムの斜視図を示す。
図9Aに示した金型システムの平面図を示す。
第1実施形態による図9A及び図9Bに示した金型の第1金型部分の斜視図を示す。
図10に示した断面平面A−Aに沿った、図10に示した金型の断面図を示す。
図10に示した断面平面A−Aに沿った、図10に示した金型の変更例の断面図を示す。
図10に示した断面平面A−Aに沿った第2実施形態による第1金型部分の断面図を示す。
第3実施形態による第1金型部分の斜視図を示す。
金型の斜視図の詳細を示す。
図9A乃至14に示した金型を発展させたものの斜視図を示す。
図9A乃至15に示した金型を発展させたものの斜視図を示す。
図16に示した金型を発展させたものの斜視図の詳細を示す。
第4実施形態による第1金型部分の斜視図を示す。
図18に示した金型部分を含む金型の斜視図を示す。
発展させたものにおける壁の斜視図を示す。
図20に示した実施形態の変更例における壁の斜視図を示す。
別の実施形態における金型の斜視図を示す。
別の実施形態における金型の縦断面図を示す。
別の実施形態における金型の斜視図を示す。
別の実施形態における金型の斜視図を示す。
別の実施形態における金型の斜視図を示す。
第1実施形態による第1締結要素の斜視図を示す。
第2実施形態による第1締結要素の斜視図を示す。
第3実施形態による第1締結要素の斜視図を示す。
第4実施形態による第1締結要素の斜視図を示す。
第2締結要素の斜視図を示す。
第2実施形態による第2締結要素の斜視図を示す。
ワイヤリングハーネスを製造するための方法の流れ図を示す。
第3方法ステップの間の金型システムの平面図を示す。
図34に示した断面平面D−Dに沿った断面図を示す。
図1Aは、第1実施形態による自動車の車両構成部品1000の横断面図の詳細を示す。車両構成部品1000は、構造1005及びワイヤリングハーネス1010を有する。構造1005は、例えば、車体、深絞り部品、ルーフライニング、ドアパネル、中間パネル、防音隔壁又はコックピットであり得る。構造1005は例えば、板金又はプラスチックで製造できる。しかし構造1005は、プラスチック構造、カーペット又は類似物であってもよい。構造1005は支承面1015を有する。支承面1015はワイヤリングハーネス1010に面する。
ワイヤリングハーネス1010は、複数のケーブル1025を含むケーブル束1020を有する。ケーブル1025は2点間で電気信号又は電流を伝導する働きをする。ケーブル1025は互いにほぼ同じ方向に延びるように配置される。この配列において、ワイヤリングハーネス1010を別の電気装置に電気的に接続するための接続システムが、ワイヤリングハーネス1010のそれぞれの端に設けられ得る。ケーブル束1020のケーブル1025は、ワイヤリングハーネス1010の外被1030に埋込まれる。外被1030は外側に、外被輪郭を有する外側面1035を有する。
外被1030は好ましくは、以下の材料:ポリウレタン、シリコーン、発泡体、独立気泡発泡体、連続気泡発泡体、シリコーン発泡体、ポリウレタン発泡体の少なくとも1つを含む。ワイヤリングハーネス1010は、外側面1035によって支承面1015に静止する。この配列において、支承面1015と外側面1035との間に接着層を付加的に設けて、ワイヤリングハーネス1010を構造1005に物質的に接続できる。
この配列において、外被1030の横断面に関しては選択の自由があり、それは好ましくは支承面1015の幾何学的構成に対応するように選択されるべきである。同時に、支承輪郭及び外被輪郭が一部の単数又は複数の部分において同一である場合、特に有利であり、それによりワイヤリングハーネス1010と構造1005との間の特に良好な表面間接触を保証する。
外被1030が指示要素1038を備える場合、特に有利である。指示要素1038は、有利にはワイヤリングハーネス1010の上面1037における第1隆起部1036を含む。第1隆起部1036は上面1037の上方に突出する。第1隆起部1036は好ましくは、ビード形の構成であり、好ましくは少なくとも一部の単数又は複数の部分においてケーブル束1020と平行に延びる。指示要素1038は第1の最大横長さb1に関して中心に配置できる。これによって単純な方法でケーブル束1020のケーブル1025の経路を指示することが可能である。指示要素1038はさらに、構造1005へのワイヤリングハーネス1010の挿入のための所定の側を指示するために使用でき、それにより自動車の組立中にワイヤリングハーネス1010を特に迅速に取付けることが可能になる。加えて、又は代替として、指示要素1038が(図1において破線で図示した)切欠き部1040を上面1037に備えることも考えられる。切欠き部1040は例えば、ある特定の形式のワイヤリングハーネス1010を指示する働きをし得る。
図1Bは、図1に示した車両構成部品1000の平面図の詳細を示す。
指示要素1038は実質的にワイヤリングハーネス1010の縦長さ全体にわたって延びる。これにより、特に単純な方法で外被1030におけるケーブル束1020の挿入位置を断定することが可能になる。これは特に、外被1030が特に厚みのある構成であって、外被におけるケーブル束1025を触覚も目視も不可能な時に有利である。
図2は、第2実施形態による車両構成部品1000の断面図を示す。車両構成部品1000は、図1に示した車両構成部品1000と実質的に同一であるようにして構成されている。構造1005は第1空間1100及び第2空間1105を有する。隔壁1110が第1空間1100と第2空間1105との間に設けられている。隔壁1110は開口部1115を有する。ワイヤリングハーネス1010は開口部1115に通される。
ワイヤリングハーネス1010は、図1に図示したワイヤリングハーネス1010と実質的に同一であるようにして構成されている。加えて、ワイヤリングハーネス1010の外被1030は第2隆起部1120を有する。第2隆起部1120はケーブル束1020の縦長さに対し横方向に延びている。少なくとも第2隆起部1120の領域において、外被1030は有利には柔軟材料を含む。第2隆起部1120は隆起部輪郭1121を有する。第2隆起部1120は、開口部1115に配置され、開口部1115を充填する。第2隆起部1120は好ましくは、開口部1115に押圧/圧縮される。その結果、第2隆起部1120は、隆起部輪郭1121を開口部1115の開口部輪郭1122に対して周囲で押しつけ、第1空間1100を第2空間から流体的にシールする。さらに、第1空間1100と第2空間1105との間での第2隆起部1120による雑音伝達は、これによって回避される。この際、第2隆起部1120がケーブル束1020を取り囲むように配置された場合、特に有利である。第2隆起部1120が横断面において三角形構成である場合、特に有利な可能性がある。これによって開口部1115でのグロメットの使用を省くことが可能である。
図3Aは、第3実施形態による自動車の車両構成部品1000の横断面図の詳細を示す。車両構成部品は、図1及び2に示した車両構成部品1000と類似の構成である。異なる点として、ワイヤリングハーネス1010は第1層1200及び第2層1205を有する。第2層1205は、第1層1200の下に、第1層1200と構造1005との間に配置される。ケーブル束1020は第1層1200に埋込まれる。この配列において、第1隆起部1036は第1層1200に隣接している。第1層1200は好ましくは第1材料を含み、第2層1205は好ましくは第2材料を含む。第1層1200及び第2層1205が同一の材料を含むこともまた可能である。この際、第2材料は第1材料と異なる弾性を有してもよい。それにより、第2材料の弾性が第1材料の弾性よりも大きい場合、構造1005における第2層1205の特に弾性特性によってケーブル束1020のラットリングが回避できることは有利である。
さらに、第2層1205の第2材料の弾性が第1材料の弾性よりも小さい場合、それによって第2層1205が、起こり得る損傷からケーブル束1020を効果的に保護する一種のプレートを形成することから、それも有利である。
この実施形態において、第2層1205は横断面において矩形である。第2層1205の他の構成もまた考えられる。従って、第2層1205は例えば、半円形、楕円形、U字形、C字形、円筒形又はいずかの他の構成であってよい。
図3に示した平坦構成を有する代わりに、第2層1205はワイヤリングハーネス1010の縦方向にリブ構造を有することもまた考えられる。これによりワイヤリングハーネス1010は半径部のまわりで特に良好に案内することが可能になると同時に、第2層1205によってケーブル束1020に高水準の保護を与え得る。
図3Bは、図3Aに示した車両構成部品1000を発展させたものの横断面図の詳細を示す。ワイヤリングハーネス1010は、図3に示したワイヤリングハーネス1010と実質的に同一の構成である。異なる点として、第2層1200は、第1層1200に面する表面1220に所定の表面構造1215を有する。表面構造1215は例えば、波状構成である。これにより、第2層1205の表面1220の大きさを増大させて、図3Aに示した構成に比べて第2層1200への第1層1205の接着を向上させる。
図3Cは、図3Aに示した車両構成部品1000を発展させたものの横断面図の詳細を示す。異なる点として、第1層1200は、ケーブル束1020に対して横の方向で第2層1205よりも細い構成である。
図3Dは、図3に示した車両構成部品1000を発展させたものの横断面図の詳細を示す。加えて、外被1030は第3層1210を有する。第3層1210は、第1層1200とは反対に面する第2層1205の面に配置され、前記第2層と接続される。第3層1210は第3の弾性を備えた第3材料を含む。第3の弾性は好ましくは、第1の弾性及び/又は第2の弾性よりも小さい。第3層1210は好ましくは、衝撃板として又は接着層として構成される。衝撃板としての構成の場合、ケーブル束1020への損傷が第3層1210によって回避できると同時に、振動を第2層1205によって特に効果的に制振できることが有利である。この実施形態において、一例として、層1200、1205、1210は、層の重なりにおいて同一幅の矩形形状で配置されている。層1200、1205、1210は異なる幅又は構成を有してもよい。
図3Eは、図3Aに示した車両構成部品1000を発展させたものの縦断面図を示す。第2層1200にリブ構造1225が設けられている。リブ構造1225は、リブ1230と、縦方向でリブ1230の間に配置され縦方向でリブ1230を区切るリブ凹部1235とを有する。リブ凹部1235は各々、ケーブル束1020のケーブル1025から離間して配置される凹部底面1240を有する。
図4Aは、第4実施形態による自動車の車両構成部品1000の横断面図の詳細を示す。車両構成部品1000は、図1A乃至3Eに示した車両構成部品1000と実質的に同一の構成である。構造1005は、凹部輪郭1301を有する溝形式凹部1300を有している。一例として、凹部1300は矩形構成である。凹部1300は例えば、プレス作業の間に構造1005に導入できる。
ワイヤリングハーネス1010は、図3Aに示した実施形態と実質的に同一の構成である。ワイヤリングハーネス1010は凹部1300に配置される。この配列において、外被1030は第2隆起部1120を有する。第2隆起部1120は好ましくは、周囲に形成され、好ましくは3つの側でケーブル束1020を包囲し、好ましくは層状構成である。第2隆起部1120は隆起部輪郭1121を有する。第2隆起部1120の材料は好ましくは、弾性であり、外被1030の材料と一体で、物質的に単一である。取付けられていない状態において、第2隆起部1120の隆起部輪郭1121は、この場合、凹部1300の凹部輪郭よりも好ましくは大きい。
ワイヤリングハーネス1010が取付けられた時、第2隆起部1120及びその材料が圧縮され、その結果、第2隆起部1120はその隆起部輪郭1121を凹部1300の凹部輪郭に対して押しつけ、それにより第2隆起部1120によってワイヤリングハーネス1010を車両構成部品1000の凹部1300に摩擦で接続する。これによってワイヤリングハーネス1010を車両構成部品1000の構造1005に特に省スペース様態で収容することが可能である。
特に、この際、構造1005が凹部1300に隣接する表面1310を有することが有利であり、ワイヤリングハーネス1010の上面1037は表面1310に対して実質的にいかなる移行部又は段差もないようにして構成される。上面1037及び構造1005の表面は好ましくは共通平面にある。ワイヤリングハーネス1010の場合、この際、第2隆起部1120を省くことが可能であり、この構成において、ワイヤリングハーネス1010は凹部1300を実質的に完全に充填する。第2隆起部1120を縦方向で一部の単数又は複数の部分だけに設けることも可能であり、外被1030は例えば、(第2隆起部1120のない)残りの領域において凹部輪郭1305からある距離をおいて配置される。
図4Bは、図4Aに示した車両構成部品1000を発展させたものの横断面図を示す。
図4Bに示した構成は実質的に、図3Cに示したワイヤリングハーネス1010の構成と図4Aに示した車両構成部品1000の構成との組合せである。異なる点として、車両構成部品1000は、構造1005に加えて、凹部1300からある距離をおいて上面に配置された保持構造1006を有する。第1層1200だけが凹部1300に係合するのに対し、第2層1205は保持構造1006と構造1005との間で凹部1300の外側に配置される。保持構造1006は好ましくは、保持力FHで第2層1205を押圧し、それによりワイヤリングハーネス1010を構造1005に固定する。保持構造1006は構造1005に固定できる。保持構造1006はまた、該構造とは異なる車両部分組立品であってもよい。
図5は、ワイヤリングハーネス1010の縦断面図を示す。ワイヤリングハーネス1010の外被1030は、第1外被部1400、第2外被部1405及び移行部1410を有する。移行部1410は、ワイヤリングハーネス1010の縦方向で第1外被部1400と第2外被部1405との間に配置される。第1外被部1400は第1外側面1415を有しており、第2外被部1405は第2外側面1420を有する。外側面1415、1420は好ましくは、異なる高さで互いに対してずらして配置された2平面において平行に配置されている。この場合、一例として、外側面1415、1420は平坦構成である。外側面1415、1420のいずれかの他の構成もまた考えられる。移行部1410は移行面1425を有する。外側面1415、1420及び移行面1425は、ワイヤリングハーネス1010の下側において、ワイヤリングハーネス1010上において横方向に、又はワイヤリングハーネス1010の上面において配置できる。移行面1425は、第1外側面1415及び第2外側面1420に対して傾斜して配置されている。傾斜は角度α1を有しており、角度α1は、45°未満である、特に30°未満、特に20°未満、特に15°未満、特に10°未満である値を有する。これによって第1外被部1400と第2外被部1405との間の移行部の外被1030における亀裂が回避される。当然ながら、移行部1410を省くことを考えることも可能である。また、図5に示した平坦構成の代わりに湾曲構成である移行面1425も考えられる。この場合、特に凸状又は凹状湾曲が考えられる。
ずらされた外側面1415、1420によって、第1外被部1400は、第1外被部1400の縦長さの第1方向に関して第1横長さb1を有しており、第2外被部1405は、第2外被部1405の縦長さの第2方向に関して第2横長さb2を有する。この際、第1横長さb1は、第2横長さb2よりも大きい。
一例として、図5における縦長さの第1方向は、縦長さの第2方向と同一である。縦長さの第1方向は縦長さの第2方向と異なってもよく、移行部1410は例えば、湾曲構成であってもよい。ワイヤリングハーネス1010のこの構成は、構造1005で利用可能な設置空間にワイヤリングハーネス1010がその幅に関して柔軟に適応できるという利点がある。
図6は、別の実施形態におけるワイヤリングハーネス1010の斜視図を示す。
ワイヤリングハーネス1010は、図1乃至5に示したワイヤリングハーネス1010と類似の構成である。異なる点として、外側面1035は図示されるような波状輪郭形状1500で構成されている。輪郭形状1500は、第1輪郭形状部1505及び第2輪郭形状部1510を有する。一例として、第1輪郭形状部1505は、第2輪郭形状部1510よりも縦方向で広い構成である。好ましくは、第1輪郭形状部1505は凹状構成であり、第2輪郭形状部は凸状構成である。第1及び第2輪郭形状部1505、1510は縦方向に交互になる。
図7は、別の実施形態におけるワイヤリングハーネス1010の斜視図を示す。
ワイヤリングハーネス1010は、図6に示したワイヤリングハーネス1010と実質的に同一の構成である。異なる点として、第1輪郭形状部1505及び第2輪郭形状部1510は同一の幅で構成されている。
図8は、別の実施形態におけるワイヤリングハーネス1010の斜視図を示す。
ワイヤリングハーネス1010は、図6に示したワイヤリングハーネス1010と実質的に同一の構成である。異なる点として、輪郭形状1500は実質的に矩形構成であって、図6に示したワイヤリングハーネス1010の第1輪郭形状部は実質的に平坦構成であり、第2輪郭形状部1510は外側面1035において凹部として構成されている。
図9Aは、図1乃至8に示した少なくとも1つのワイヤリングハーネス1010を製造するための金型システム10の斜視図を示す。
金型システム10は好ましくは金型15及び取付け板20を有する。一例として、取付け板20は平坦である。金型15は、第1金型部分16及び少なくとも1つの第2金型部分17を有することができ、それらは各々、1つの縦端部18で当接し、好ましくは共通平面において、下面19によって取付け板20の上面25に配置される。
図9Bは、図9Aに示した金型システム10の平面図の詳細を示す。
上面25において、一例として、取付け板20は、互いに同一構成の複数の第1ソケット142を含むグリッド27を有する。第1ソケット142はグリッド27において規則パターンで配置される。明瞭さのために、第1ソケット142の一部だけが図9Bに図示されている。
図10は、図1に示した第1実施形態による金型15の第1金型部分16の斜視図を示す。
金型15の説明をより容易にするために、以下では座標系26に言及する。座標系26は好ましくは、右手系として構成されており、x方向(横長さの方向)、y方向(縦方向)及びz方向(高さ)を有する。
金型15は、壁30、開口部35及び保持装置40を有する。壁30は、金型キャビティ45を画成している。ワイヤリングハーネス1010の製造中、ケーブル束1020及び外被1030は、開口部35によって金型キャビティ45に導入される。開口部35は、上面に配置され、金型キャビティ45に隣接する。この実施形態において、一例として、金型キャビティ45は矩形横断面により構成されている。金型キャビティ45は、いずれかの他の方法で構成し、異なる横断面を有することも可能である。それにより、例えば、(一部の単数又は複数の部分において)多角形、三角形、丸い、円形及び/又は楕円形構成である金型キャビティ45もまた考えられる。
壁30は、第1壁部50、第2壁部55及び壁底部60を有する。壁底部60は、第1壁部50と第2壁部55との間に配置されている。第1壁部50及び第2壁部55は、金型キャビティ45を横方向に画成する。壁底部60は、底部で金型キャビティ45を画成する。開口部35は好ましくは、壁底部60の上方に配置される。
第1壁部50は金型キャビティ45に面する第1壁面61を有しており、第2壁部55は金型キャビティ45に面する第2壁面62を有しており、壁底部60は金型キャビティ45に面する壁底面63を有する。この実施形態において、一例として、第1及び第2壁面61、62は平行に延びる。壁底面63は、第1壁面61及び第2壁面62に垂直に配置される。壁底面63及び/又は壁面61、62は異なる方法で配置してもよい。従って、第1壁面61は第2壁面62に対し斜めに配置できる。また、第1壁面61及び第2壁面62を互いに直接隣接させて壁底部60を省くことも考えられ、その結果、金型キャビティ45は例えば、三角形横断面を有することとなる。
この際、壁面61、62及び/又は壁底面63のうちの少なくとも1つを、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、レーザーポリッシングした場合、特に有利である。これによって特に良好な表面仕上げが保証され得る。さらに、例えば、機械加工によって金型15を製造するために金型キャビティ45を基体に導入することによって生じるスコーリング及び/又は溝は、レーザーポリッシングによって少なくとも部分的に除去される。これによって、金型15の付加的な準備を要さずに多数のワイヤリングハーネス1010を製造可能にする、特に長期にわたって安定した金型15が保証される。
壁面61、62及び/又は壁底面63の平坦構成とは対照的に、壁面61、62及び/又は壁底面63を、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、波状及び/又はリブ形様態の輪郭にすることもまた可能である。
保持装置40は、第1保持要素65、第2保持要素70、第1接触圧要素75、第2接触圧要素80及び第1締結手段85を備える。一例として、第1保持要素65及び第2保持要素70は、好ましくは金型キャビティ45の中心を通る対称面86に関して対称に構成されている。対称面86は好ましくはYZ平面として構成される。第1保持要素65及び第2保持要素70を互いに別様に構成することもまた可能である。
金型15は、この実施形態において、一例として第1係合要素として構成された少なくとも1個のピン140を一例として有する第2締結手段135によって取付け板20に確実に接続される。この際、ピン140は壁30に接続され、自由縦端部141によって取付け板20のグリッド27の第1ソケット142に係合し、前記ソケットはピン140に対応するように構成されている。取付け板20への金型15の特に単純な取付けをもたらすために、第1ソケット142に対応するように、且つ互いに同一に構成された好ましくは多数のピン140がこの目的で存在し、前記ピンは壁30に接続される。金型15の並びに応じて、ピン140は各々、グリッド27の第1ソケット142に係合するが、グリッド27の他の第1ソケット142は空いたままである。この場合、例えば金型システム10が傾倒されると想定される場合、金型15が偶発的に取付け板20から脱落するのを防ぐために、その係合を追加的に非確実的に確保できる。これを達成するには、例えば、ピン140及びソケット142を中間ばめ方式又は締りばめ方式として構成することによって可能である。
第2締結手段135はまた別様にも構成可能である。特に、ねじシステムとして設計されている第2締結手段135を考えることがこの際可能である。
第1ソケットは、金型部分16、17の下面19に配置してもよい。取付け板20の上面において、取付け板20は好ましくは、第1係合要素として構成された多数のピン140を有する。
第1ソケット142の代わりに、グリッド27は、金型15の方向に延びる第1係合要素として構成されたピン140を代替的に有し得る。この代替策において、第1ソケット142は金型15に、好ましくは壁30に配置される。金型15の並びに応じて、グリッド27のピン140の一部は各々、取付け板20への金型15の取付け状態において第1ソケット142に係合し、上述の通り、金型15を取付け板20に可逆的に固定する。第1ソケット142に係合しない他のピン140は、(少なくとも周方向において)固定されないままであり、且つ/又は少なくとも一部の単数又は複数の部分において(上面で)金型15によって覆われる。
図11Aは、保持要素65、70の閉鎖位置において、図10に示した断面平面A−Aに沿った、図10に示した金型15の断面図を示す。
第1保持要素65は、プレート形式構成であり、第1部分90及び第2部分95を備える。この場合、第1保持要素65の第1部分90は、第1壁部50の上面に配置される。第1接触圧要素75は、第1部分90の上面に配置される。第1接触圧要素75は好ましくは、第1締結手段85によって第1壁部50に非確実的に接続される。この場合、第1締結手段85は第1の型締力FS1を供給し、それにより第1接触圧要素75は第1保持要素65を第1壁部50の上面に押しつける。この実施形態において、第1接触圧要素75は、一例として、X方向で第1壁部50とまったく同じ幅であるように構成されている。それによって第1保持要素65が第1接触圧要素75によって確実に接触して押しつけられるのを保証することが可能である。さらに、第1保持要素65の不要な変形が回避できる。
第1保持要素70の第1自由端部100は、開口部35の上方で終わる。第1保持要素65の第1自由端部100に隣接する第1保持要素65の第2部分95は、上部で開口部35を覆う。第2部分95は好ましくは、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、くさび形構成であってよい。この際、第1保持要素65の第1下面105が実質的に平坦構成であり、第1保持要素65が上面(Z方向)で自由端部100から第1壁部50に向けて厚くなっている場合、特に有利である。
第2保持要素70は好ましくは、第1保持要素65に関して、反対側で同じ高さにある、すなわち一例として、共通XY平面に配置されている。第2保持要素70は対称面86に関して鏡面対称に配置される。第2保持要素70は、第2壁部55の上面に配置されて、一例として同様にプレート形構成である第3部分110及び第4部分115を有する。第2保持要素70の第3部分110は、第2壁部55の上面に載っている。第2接触圧要素80は第3部分110の上方に配置されている。第1締結手段85は、第2接触圧要素80に第2の接触圧FS2を供給し、それにより第2接触圧要素80は第2部分110を第2壁部55の上面に押しつける。この際、一例として、第2接触圧要素80は第2壁部55とまったく同じ幅であるように構成されている。この場合、第1接触圧要素75及び第2接触圧要素80は、開口部35とまったく同じ幅である第1隙間120を横方向に画成する。
第4部分115は第2保持要素70の第2自由端部130に隣接している。第2部分95と同様、第4部分115はくさび形構成であり、第2保持要素70の第2下面125は、第1保持要素65の第1下面105との共通平面に配置される。第2自由端部130は開口部35の上方で終わる。上面において、第4部分115は第2自由端部130から第3部分110に向けて厚くなっている。
この際、第4部分115は第2保持要素70の第2自由端部130に隣接する。
第1自由端部100は好ましくは、第2保持要素70の第2自由端部130からある距離をおいて配置される。この際、第1自由端部100と第2自由端部130との間の距離は、(共通XZ平面に関して)開口部35の幅よりも好ましくは10倍小さい。その結果、保持装置(40)は開口部35の部分だけを覆う。また、第1自由端部100及び第2自由端部130は互いに直接接触していてもよい。
保持要素65、70が、特に弾性である材料を含み、好ましくは金型キャビティ45内に、少なくとも90°可逆的に曲げ得る場合、特に有利である。この際、保持要素65、70が材料としてシリコーンを含む場合、特に有利である。これによってさらに、保持装置65、70を壁部50、55の幾何学的構成に従うように構成することが可能になる。
図11Bは、図10に示した断面平面A−Aに沿った、図10に示した金型15の変更例の断面図を示す。
金型15は、図11Aに示した構成と実質的に同一の構成である。異なる点として、第1保持要素65及び第2保持要素70はブラシ形式構成である。この場合、第1保持要素65は多数のブラシ繊維67による第1ブラシ66を有しており、第2保持要素70は多数の第2のブラシ繊維72による第2ブラシ71を有する。
ブラシ繊維67、72は実質的に横方向に延びている。この場合、第2部分95及び第4部分115は、横方向(x方向)で開口部35の幅の半分よりも広い。その結果、ブラシ66、71はそれぞれ対向するブラシ66、71に達しており、上部の開口部35を完全に閉鎖する。図11Aに示すように、自由端部100、130を互いにある距離をおいて配置することもまた可能である。
図12は、図10に示した断面平面A−Aに沿った、第2実施形態による第1金型部分16の断面図を示す。
金型15は、図9A乃至11に示した金型15と類似の構成である。異なる点として、保持要素65、70の第2部分95及び第4部分115は、開口部35の上方に部分的に重なるように配置されている。この際、重なるとは、第2部分95及び第4部分115が共通XY平面に投影された時にそれらが少なくとも部分的に重なることを意味すると理解される。
第1金型部分16の壁30は、一体であり、物質的に単一構成である。この際、壁30は有利には、以下の材料:ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオライド(PTFE)、ポリエチレン(PE)、好ましくは高度に枝分かれしたポリマー鎖を備えたポリエチレン(PE−LD)、ポリオキシメチレン(POM)のうちの少なくとも1つを含む。加えて、又は代替として、壁30がポリウレタン及び/又はシリコーンに関して特に低い表面張力を有する材料を含むこともまた考えられる。
図13は、第3実施形態による第1金型部分16の斜視図を示す。
第1金型部分16は、図10乃至12に示した金型15と類似の構成である。異なる点として、第1金型部分16は図10に示した構成に比べて拡大した縦長さを有する。
保持装置40は、拡大した縦長さに対応するように構成されている。この際、第2締結手段135を壁30の上面に取付けるのを可能にするために、保持装置40には、好ましくは開口部45とは反対に面する側に第1凹部145が追加的に設けられている。この場合、一例として、保持装置40における第1凹部145は、保持要素65、70を横切って、且つ接触圧要素75、80を横切って延びている。第1凹部145は、X方向で、すなわち金型15の縦長さ、及び第2締結手段135の領域における保持装置40の縦長さに対し横方向で、より細い構成となっている。
さらに、第1締結手段85及び第2締結手段135は互いに組合せることができ、従って、金型15及び保持装置40は組合せた締結手段85、135によって取付け板20に固定される。
加えて、図9A乃至12に示した金型15の両側で、金型15の縦端部18に(破線で図示した)シーリング要素150が設けられる。シーリング要素150は縦端部18で金型キャビティ45を区切る。この場合、シーリング要素150はプレート形式構成であり得る。この際、金型部分16がいずれの他の金型部分17にも隣接しない縦端部18だけにシーリング要素150を配置する場合、特に有利である。これにより、ワイヤリングハーネス1010の製造中、金型15の縦端部18における外被1030の出現を回避することが可能になる。
図14は、金型15の斜視図の詳細を示す。
第1金型部分16は、図9A乃至13に記載の通り構成され得る。金型15は壁30の上にカバー155を付加的に有する。カバー155は、第3締結手段160によって第1金型部分16の壁30に接続される。この際、カバー155は、保持装置40(図14には図示せず)の上面に配置され、保持要素65、70が金型キャビティ45から離れる方向で上方に曲げられるのを防ぐ。
図15は、図9A乃至14に示した金型15を発展させたものの斜視図を示す。
金型15は、図9A乃至14に示した金型15と類似の構成である。異なる点として、保持装置40の様々な変更例が図15に示されている。
保持装置40は、縦方向(x方向)に一定の間隔で配置された多数の保持要素65、70を備える。保持要素65、70は各々、壁部50、55に接続される。保持要素65、70は好ましくは、壁30の上面165に対し垂直に延びる。保持要素65、70のこれらの変更例において、保持要素65、70の各々は、上面165と平行な平面(xy平面)において異なる横断面を有する。従って例えば、保持要素65、70は、円形横断面、矩形横断面、台形横断面、楕円形横断面及び/又は円形横断面を有し得る。また、保持要素65、70は壁30の上面165から離れる方向で先細りにすることも考えられる。この場合、保持要素65、70が壁30の上面165から離れる方向でくさび形横断面を有する場合、特に有利であり、保持要素65、70の自由端部170はワイヤリングハーネス1010からセットバックされている。これによってケーブル束1015の個々のケーブル1020の挿入を容易にすることが可能である。
この実施形態において、第1保持要素65は各々の例で、第2保持要素70に対向して配置されており、その結果、第1及び第2保持要素65、70は各々、共通XZ平面に配置される。
当然ながら、第1及び第2保持要素65、70はまた、各々、互いに対してずらして配置できる。
図16は、図9A乃至15に示した金型15を発展させたものの斜視図を示す。明瞭さのために、保持装置40は図16には図示していない。
金型15は、図9A乃至15に示した金型15と類似の構成である。異なる点として、第1壁領域50の壁30は側部に第1ウェブ175を有しており、第2壁部55は側部に第2ウェブ180を有する。ウェブ175、180は、金型キャビティ45から離れる方向に延び、第1金型部分16の下面19に隣接する。さらに、各々のウェブ175、180に好ましくは複数の第1開口185が設けられる。この場合、第1開口185は好ましくは溝付き穴として構成されている。これにより、第1金型部分16を縦方向に特に正確な形で位置決めすることが可能になり、従って、第1金型部分16はその縦端部18及びそれに隣接する面190によって縦端部18に配置された更なる金型部分17の更なる端面195に当接する。
第1開口185について、第2締結手段135は好ましくは、ピン140の代わりにねじを有する。また、図10に示すように、例えば、ウェブ180、175に固定されたピン140によって金型部分16、17を取付け板20に接続することも可能である。
ワイヤリングハーネス11のケーブル束1020は、金型キャビティ45に挿入される。この場合、一例として、ケーブル束12は第1締結要素200、205によって所定の位置に保持される。第1締結要素200は、ケーブル束12とは反対に面する側で壁30に支持され、ワイヤリングハーネス1010の外被1030に埋込まれる。
第1締結要素200の更なる詳細は図27乃至30に示される。
図17は、図16に示した金型15を発展させたものの斜視図の詳細を示す。
金型15は、図16に示した金型15と類似の構成である。異なる点として、第1金型部分16は第2係合要素205を有しており、第2金型部分17は、第2金型部分17との第1金型部分16の信頼できる接続を保証するために第2係合要素205に対応するように構成された第2ソケット210を備えている。この場合、第2係合要素205は、第1金型部分16の縦端部18に端面に接して配置される。第2係合要素205は第2ソケット210に係合し、それにより第1金型部分16が第2金型部分17と確実に結合するのを保証する。これによって互いに対する金型部分16、17の信頼できる整列を形成することが可能である。特に、これにより金型キャビティ45は、図17に示すように、第1金型部分16と第2金型部分17との間の移行部を介して直線状に延びて、移行部での漏れが回避されることが保証される。
図18は、第4実施形態による第1金型部分16の斜視図を示す。
この際、第1係合要素205はウェブ175、180の端面に配置される。この場合、一例として、各々好ましくはウェブ175、180に配置された2つの第2係合要素205が、第1金型部分160の端面190に設けられる。この際、第1係合要素205は、xy平面において分断した時に台形横断面を有しており、第2係合要素205は第1金型部分16の端面190から離れる方向で厚くなる。
図19は、図18に示した第1金型部分16と、第1金型部分16に対応するように構成された第2金型部分17とを含む金型15の斜視図を示す。第2金型部分17は、図18における台形構成の第2係合要素205に対応するように構成された第2ソケット210を有している。第2係合要素205は第2ソケット210に係合する。第2係合要素205の台形横断面によって、2つの金型部分16、17はZ方向だけで互いに脱着できる。これによって、2つの端面190、195の間に隙間がまったく形成できず、金型キャビティ45が端面でシールされることが保証され得る。
さらに、第2ソケット210及び第2係合要素205の構成は、金型部分16、17が互いに可逆的に脱着できることを保証する。このようにして、金型システム10は、ワイヤリングハーネス1010の製造のための様々な構成に特に迅速に適応できる。これによって金型システム10の段取り時間を短縮できる。
図20は、図10乃至19に示した金型15を発展させたものにおける壁30の斜視図を示す。
この場合、一例として、壁30は低肉厚で構成されている。例えば、壁30は深絞り加工できる。
第1壁部50は、第1壁領域215及び第2壁領域220を有する。一例として、第1壁領域215及び第2壁領域220は縦方向で互いに隣接する。第2壁部55は好ましくは、対称面86に関して第1壁部50と対称に構成されており、第3壁領域225及び第4壁領域230を有する。第4壁領域230は好ましくは、横方向(x方向)で第2壁領域220に対向して配置されており、第3壁領域215は好ましくは、横方向で第1壁領域215に対向して配置されている。第1壁領域215及び第3壁領域225は好ましくは平行に延びる。第2及び第4壁領域220、230は一例として、弧状構成である。
第2壁領域220は、第2壁部55に対してセットバックして配置されている。例えば、第4壁領域230は第2壁領域220に対してセットバックして配置されており、それにより金型キャビティ45が第2壁領域220と第4壁領域230との間で拡幅部235を有するようになっている。拡幅部235は第2隆起部1120を形成するために使用できる。また、壁領域220、225、230、235の少なくとも1つが異なる幾何学的構成を有することも考えられる。
図21は、図20に示した構成の変更例における壁30の斜視図を示す。異なる点として、第2及び第4壁領域220、230は、図20よりも縦方向(y方向)に長い構成である。この場合、第2壁領域220及び第4壁領域230は溝付き穴の形態で拡幅部235を形成している。
さらに、壁30は、縦方向に第2及び第4壁領域220、230の高さで壁底部60に第2開口240を有する。一例として、第2開口240は、矩形構成であり、壁底部60に貫通穴として構成されている。この場合、第2開口240は第2締結要素400(図示せず)を収容するように構成される。第2締結要素400の更なる詳細は図31及び32に示されている。第2開口240はまた、壁領域50、55にも配置できる。
また、第2開口240は、金型15でのワイヤリングハーネス1010の製造後、ワイヤリングハーネス1010を下方から金型15から押出すために(図21において破線で図示した)エジェクタ245に対応するように構成することも可能である。これによって、外被1040がエジェクタ245によって圧縮荷重だけを受けて引張荷重を実質的に受けないことから、ワイヤリングハーネス1010への、特に外被1040への損傷を回避することが可能である。エジェクタ245は、外被1040に直接当てるか、又は第2締結要素400に適用できる。ワイヤリングハーネス1010の製造中、いずれの第2締結要素400も第2開口240に挿入されない場合、金型キャビティ40は第2開口によって底部に向けて開放している。
図22は、別の実施形態における金型15の斜視図を示す。壁30は、図20及び21に示した壁30と類似の構成である。異なる点として、壁30は、共通領域241において互いに通じている複数の金型キャビティ45を区切っている。この際、図22に示した幾何学的構成は例示的である。壁30はいずれかの他の形で構成可能である。共通領域への金型キャビティ45の開口により、ワイヤリングハーネス1010の個々のケーブル束1020及び/又はケーブル1025を金型15において単純な様態で分岐又は結合することが可能になる。
図23は、別の実施形態における金型15の縦断面図を示す。金型15は、図9A乃至22に示した金型15と類似の構成である。壁底面63及び/又は壁部55、60は、第1壁面部250、第2壁面部255及び壁面移行部260を有する。壁面移行部260は、縦方向で第1壁面部250と第2壁面部255との間に配置されている。この場合、第1壁面部250は第2壁面部255よりも低位に配置されている。この場合、第1壁面部250及び第2壁面部255は各々、互いに対してずらして配置された平面において、好ましくは平行に延びるように配置される。壁面移行部260は、第1壁面部250及び第2壁面部255に対して傾斜して配置される。壁面移行部260の傾斜が角度α2を有する場合、それは有利であり、角度α2は、45°未満である、特に30°未満、特に20°未満、特に15°未満、特に10°未満である値を有する。壁面部250、255及び壁面移行部260により、ワイヤリングハーネス1010の外被部1400、1405及び移行部1410を形成することが可能になる。
図24は、別の実施形態における金型15の斜視図を示す。
金型15は、図9A乃至23に示した金型15と類似の構成である。異なる点として、壁面61、62は、図6に示したワイヤリングハーネス1010の輪郭の形状1500に対応するように波状様態で構成されている。
図25は、別の実施形態における金型15の斜視図を示す。金型15は、図24に示した金型15と類似の構成であり、壁面61、62は、図7に示したワイヤリングハーネス1010の輪郭の形状1500に対応するように波状様態で構成されている。
図26は、別の実施形態における金型の斜視図を示す。
金型15は、図24及び図25に示した金型15と類似の構成であり、壁面61、62は、図8に示したワイヤリングハーネス1010の輪郭の形状1500に対応するようにリブ形様態で構成されている。
図27は、第1実施形態による第1締結要素200の斜視図を示す。
第1締結要素200は、締結プレート300、第1締結ブラケット305及び第2締結ブラケット310を有する。第1締結ブラケット305及び第2締結ブラケット310は、締結プレート300において縦方向で互いに離間して配置されている。この実施形態において、締結プレート300は一例として平坦構成である。締結プレート300は湾曲形状であることも可能である。締結プレート300は、締結ブラケット305、310とは反対に面する外側面315によって壁面61、62及び/又は壁底面63に静止する。締結ブラケット305、310は、好ましくは関係する壁面61、62にそれぞれ静止する、少なくとも1つの横方向に配置された支承面311、312を有する。
第1締結ブラケット305は第3開口320を有する。第2締結ブラケット320は第4開口325を有する。第3及び/又は第4開口320、325は、ケーブル束1020、又はケーブル束1020の一つ以上のケーブル1025に対応するように構成されている。第3及び/又は第4開口320、325は好ましくは円形構成であってよい。他の横断面もまた考えられる。この場合、第3及び第4開口320、325は縦方向で互いに対向して配置される。
第1締結ブラケット305は第1挿入開口部330を有しており、第2締結ブラケット310は第2挿入開口部335を有する。第1挿入開口部330は第3開口320に通じている。第2挿入開口部335は第4開口325に通じている。この場合、挿入開口部330、335は、横方向(X方向)でそれぞれ締結ブラケット305、310の反対側に配置される。この際、挿入開口部330、335は好ましくは90°の円弧部分を含み得る。第1締結要素200による金型キャビティ45におけるケーブル束1020の、及び/又はケーブル束1020の1本以上のケーブル1025の安定した固定及び位置決めは、これによって保証される。
図28は、第2実施形態による第1締結要素200の斜視図を示す。
第1締結要素200は、図27に示した第1締結要素200の実施形態と類似の構成である。異なる点として、締結ブラケット305、310は好ましくはフック形式構成である。第1締結ブラケット305は、第1ブラケット部340及び第2ブラケット部345を有する。この場合、一例として、第1ブラケット部340は締結プレート300に対し垂直に形成されている。第2ブラケット部345は、第1ブラケット部340に対し垂直に向いており、一例として、締結プレート300に平行である。第2締結ブラケット310は好ましくは、第1締結ブラケット305と同一の構成である。異なる点として、第2締結ブラケット310は、縦方向(y方向)で第1締結ブラケット305に関してずらして配置されている。この場合、第2締結ブラケット310の第2ブラケット部345は、第1締結ブラケット305の第2ブラケット部345の方向(x方向)に延びており、好ましくは第1締結ブラケット305と平行に配置されている。
また、図28に示すように、第2ブラケット部345の自由端部349に隣接して、第2ブラケット部345を締結プレート300に面する側でくさび形構成とすることも可能である。
図29は、第3実施形態による第1締結要素200の斜視図を示す。
第1締結要素200は、図28に示した第1締結要素200と類似の構成である。異なる点として、第1及び/又は第2ブラケット部305、310の第2ブラケット部345は、締結プレート300に対して傾斜して配置される。この場合、第2ブラケット部345は、締結プレート300の方向に斜め下方に延びている。その結果、第1ブラケット部340と第2ブラケット部345との間の角度は90°よりも小さい。さらに、支持部350が第1ブラケット部340と締結プレート300との間に設けられている。この場合、支持部350は第2ブラケット部345に面する側に、好ましくはケーブル束1020及び/又はケーブル束の一つ以上のケーブル1025に対応するように構成された、例えば丸形である、支持面355を有する。これによってケーブル束1020は、締結ブラケット305、310によって金型キャビティ45に特に良好に固定できる。
図30は、第4実施形態による第1締結要素200の斜視図を示す。
第1締結要素200は、図28に示した第1締結要素200と類似の構成である。異なる点として、第1締結ブラケット305及び第2締結ブラケット310は、縦方向(y方向)で同じ高さに配置される。さらに、第1締結ブラケット305の第2ブラケット部345は、第2締結ブラケット310の第2ブラケット部345の方向に先細りになっている。この際、先細りは好ましくは、第2ブラケット部345がくさび形設計であるように構成される。第2締結部310の第2ブラケット部345は、第1締結ブラケット305の第2ブラケット部345と類似の構成であり、第2締結ブラケット310の第2ブラケット部345の方向に先細りにされている。第1締結ブラケット305の第2ブラケット部345と第2締結ブラケット310の第2ブラケット部345との間に、第2隙間360が配置されている。第2隙間360によって、ケーブル束1020又はケーブル束1020の個々のケーブル1025を挿入でき、その結果、ケーブル束1020のケーブル1025は締結ブラケット305、310によって包囲される。これにより、ケーブル束12を金型キャビティ45において所定の位置に位置決めすることが可能になる。
図31は、第2締結要素400の斜視図を示す。
第2締結要素400は、支持プレート405、第1係合部410及び第2係合部415を備える。一例として、第1係合部410は図31において支持プレート405の上側に配置されている。第2係合部415は支持プレート405の下側に配置されている。支持プレート405は、その境界縁端420の方向に外方へ先細りになるように構成されている。第1係合部410は、ファーツリー形構成であり、締結プレート405に対し斜めに延びるとともに、好ましくは第1係合部410の全面に配置されている、少なくとも1枚の係合プレート425を有する。この場合、係合プレート425はワイヤリングハーネス1010の外被1030に埋込まれる。ファーツリー形構成により、外被1030による第2締結要素400へのワイヤリングハーネス1010の特に良好な固定を達成することが可能になる。
第2係合部415は好ましくは外側にリブ形構造430を有する。この場合、第2係合部415は、自動車の車両構成部品1000の構造1005の開口部435に係合するように構成されている。これによりワイヤリングハーネス11を構造1005に特に良好に固定することが可能になる。
この際、第2開口240(図21参照)が第2係合部415に対応するように構成されており、支持プレート405が上面において第2開口240よりも大きい構成である場合、特に有利である。その結果、締結プレート405は、シーリング要素の働きをすると同時に、例えば、底部で金型キャビティ45を区切る。さらに、ワイヤリングハーネス1010の外被1030における段は、支持プレート405が外部の方向に先細りになることによって低減される。
図32は、第2実施形態による第2締結要素400の斜視図を示す。この際、第2締結要素400は、図29に示した第1締結要素200と図31に示した第2締結要素400との組合せである。この場合、第1締結要素200の締結プレート300は、第2締結要素400の支持プレート405と一体であり物質的に単一構成である。一例として、第1係合部410は省かれている。さらに、一例として、2つの第1締結要素200は締結プレート405に配置されている。金型キャビティ45におけるケーブル束1020及び/又は少なくとも1本のケーブル1025の位置決めは、第1締結要素200によって保証され得る。同時に、ワイヤリングハーネス1010は、ワイヤリングハーネス1010の製造後、第2係合部415によって構造1005に確実に固定できる。同時に、支持プレート405は好ましくは、ワイヤリングハーネス1010の外被1030との材料接合部に入る。
図33は、ワイヤリングハーネス1010を製造するための方法の流れ図を示す。図34は第3方法ステップの間の金型システム10の平面図を示し、図35は図34に示した断面平面D−Dに沿った断面図を示す。
金型システム10は第1方法ステップ3000で供給される。この際、金型15の加熱は省かれており、従って金型15は実質的に室温である。また、金型キャビティ45への、特に壁面61、62及び/又は壁底面63への、離型剤の導入も省かれている。それによってケーブル1025が離型剤と接触する状況を回避することが可能であり、導入される外被1030がケーブル1025に付着し得ない。
任意選択である第2方法ステップ3005において、第1締結要素200及び/又は第2締結要素400は金型キャビティ45に導入される。このプロセスの間に、支持プレート405が壁底面63又は壁面61、62に静止するまで、第2係合要素415は第2開口240に挿入される。第1締結要素200は、それが上部で金型15から突出しないように、及び/又は支承面311、312によって壁面61、62に静止するか、又は好ましくは下側で壁底面63に着座するようにして、挿入される。
第3方法ステップ3010において、ケーブル束1020の個々のケーブル1025が挿入される。このプロセスの間に、第1保持要素65及び第2保持要素70は、保持要素65、70の間に挿入開口部1610が形成されるようにして、手段1600によって第1領域1605において閉鎖位置から可逆的に変形される。例えば、第1及び第2保持要素65、70は、金型キャビティ40内に曲げ入れられるか、金型キャビティ40から離れる方向に曲げられる。一例として、挿入開口部は、手段1600によって縦方向に、且つ第1及び第2保持要素65、70によって横方向に区切られる。手段1600は、機械的工具及び/又は人間の手指及び/又は挿入されるケーブル1025であってよい。一例として、手段1600の部分が上部で金型キャビティ40内に突出する。
縦方向に両側で第1領域1605に隣接する第2領域1615において、保持要素65、70は閉鎖位置にある。加えて、第1及び/又は第2締結要素200、400は任意選択で、ケーブル束1020の更なるケーブル1025に対するケーブル束1020の所定のケーブル1025の所定の位置を保証する。第1及び/又は第2締結要素200、400はまた、ケーブル束1020を金型キャビティにおいてその位置に位置決めし固定できる。特に、ワイヤリングハーネス1010におけるケーブル束1020の加熱は、ケーブル束1020における1本以上のケーブル1025の所定の配置によって精確に規定できる。特に、ワイヤリングハーネス1010の過熱はこの場合、回避される。その結果、ワイヤリングハーネス1010の起こり得る自己点火、短絡又はワイヤリングハーネス1010への他の不可逆的な損傷は回避される。
加えて、保持装置40は、ケーブル1025が第2領域1615において金型キャビティ45から滑落するのを防ぐ。挿入開口部1610によって、ケーブル束1020のケーブル1025の少なくとも1本が、手段1600を金型キャビティ40に沿った縦方向に動かし、それと平行に、挿入するケーブル1025を挿入開口部1610により金型キャビティ40内に上方から挿入することによって挿入される。手段1600の移動中、保持要素65、70は手段1600の前で開いて曲がり、挿入開口部1610を形成し、手段1600が通過した後、それらはそれぞれの閉鎖位置に戻り、金型キャビティ40の開口部35を閉じる。
図10乃至15において記載された保持装置40の幾何学的構成によって、ケーブル1025が手動でも自動でも特に迅速に挿入でき、それによりワイヤリングハーネス1010を特に低コストで製造することが可能になる。さらに、保持装置40による金型15へのケーブル1025の挿入は、特に人間工学的であると認められる。
第4方法ステップ3015において、外被1030の材料が、低圧プロセスで開口部35によって上部で金型キャビティ45に導入される。この目的で、保持要素65、70はもう一度、それぞれの閉鎖位置から(例えば、金型キャビティ40内に、又は金型キャビティ40から離れる方向に)可逆的に曲げられて、外被1030の材料を金型キャビティに導入し得る。
このプロセスの間に、第2層1205(図3参照)の形成のための第2材料が好ましくは最初に導入され、その後、第1層1200の第1材料が導入される。第1及び第2材料は両方とも好ましくは、導入中、自由に流動する。材料のプロセス時間中、材料は重力方向に沈降し、その過程でケーブル束1020のケーブル1025を包囲する。第2材料は壁底面63に堆積し、第2層1205が形成される。この際、第2材料がすでに硬化しており、第2材料のプロセス時間が好ましくは経過し終えた時に第1材料を第2材料に適用した場合、特に有利である。
金型15の少なくとも一部が図5に記載の通り構成されている場合、材料を最初に第1壁面部250の上方に導入し、下になる第1壁面部250が充填された後に、第2壁面部255の上方で第2壁面部255に導入する場合、特に有利である。最後に、材料は壁面移行部260の上方に導入される。この手順により、材料が第2壁面部255から壁面移行部260を経て第1壁面部250の方向に流れ落ちるのを防ぐ利点が得られる。
金型キャビティ45への材料の導入の間に、外被1030の材料が、第1壁部50と第2壁部55との間で壁底面63に平行な平面で、波状に変動する様態で適用された場合、特に有利である。これによって、外被1030におけるケーブル束1020のケーブル1025の信頼できる埋込みが保証される。
材料が硬化中に発泡するようにして構成されている場合、保持装置40は付加的に、ケーブル束1020が上部で金型キャビティ45から押出されるのを防ぎ、ケーブル束1020を金型キャビティ45に固定する。これによって外被1030によるケーブル束1020の安全な封入が保証される。この際、第1隙間120により、第1隆起部1036が同時に単純な様態で形成されることが可能になる。この場合、第1隆起部130は引き続き、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、保持要素65、70の幾何学的構成に対応しているそれぞれの自由端部100、130で形成され得る(図11A及び図12参照)。保持要素65、70がブラシ形式構成である場合、第1隆起部1036が生成されるのは、発泡中、材料が金型キャビティ40からブラシ66、71の下面105、125を押圧し、その結果、ブラシ66、71が(図11Bにおいて破線で象徴的に図示した)金型キャビティ40から離れる方向にわずかに上方へ曲げられることによってである。指示要素1038はブラシ66、71の痕に対応する。隙間120がブラシ66、71の間に配置された場合、外被1040の材料は特に隙間120の中に押し進み、その結果、特に第1隆起部1036はブラシ66、71の横方向のブラシ痕を有する。また、切欠き部1040としての指示要素1038の構成をブラシ66、71によって特に単純な様態で生成することも可能である。
第5方法ステップ3020において、カバー155が金型15に置かれ、カバー155は、金型キャビティ45とは反対に面する側で保持要素65、70が上方に曲がるのを阻止する。これによって、外被1030の、特に第1隆起部1036の特に信頼できる幾何学的構成が、発泡材料を使用した場合でも保証される。
上述した方法ステップ3000、3005、3010、3015、3020に加えて、更なる方法ステップが設けられ得ることに留意されたい。また、方法ステップ3000、3005、3010、3015、3020の一部を省くことも考えられる。
さらに、図9A乃至26に記載された金型15及び/又は金型部分16、17の様々な構成は互いに組合せられ得ることにも留意されたい。また、締結要素200、400の特徴は別様に互いに組合せてもよい。また、図1乃至8に記載されたワイヤリングハーネス1010の特徴は互いに組合せてもよい。
10 金型システム
15 金型
16 第1金型部分
17 第2金型部分
18 縦端部
19 金型部分の下面
20 取付け板
25 取付け板の上面
26 座標系
27 グリッド
30 壁
35 開口部
40 保持装置
45 金型キャビティ
50 第1壁部
55 第2壁部
60 壁底部
61 第1壁面
62 第2壁面
63 壁底面
65 第1保持要素
70 第2保持要素
75 第1接触圧要素
80 第2接触圧要素
85 第1締結手段
86 対称面
90 第1保持要素の第1部分
95 第1保持要素の第2部分
100 第1保持要素の第1自由端部
105 第1保持要素の第1下面
110 第3部分
115 第4部分
120 隙間
125 第2下面
130 第2自由端部
135 第2締結手段
140 ピン(第1係合要素)
141 ピンの自由端部
142 第1ソケット
145 第1凹部
150 シーリング要素
155 カバー
160 第3締結手段
165 壁の上面
170 保持要素の自由端部
175 第1ウェブ
180 第2ウェブ
185 第1開口
190 金型部分の端面
195 更なる金型部分の端面
200 第1締結要素
205 第2係合要素
210 第2ソケット
215 第1壁領域
220 第2壁領域
225 第3壁領域
230 第4壁領域
235 拡幅部
240 第2開口
241 共通領域
245 エジェクタ
250 第1壁底面部
255 第2壁底面部
260 壁底面移行部
300 第1締結プレート
305 第1締結ブラケット
310 第2締結ブラケット
311 締結ブラケットの支承面
312 締結ブラケットの支承面
315 外側面
320 第3開口
325 第4開口
330 第1挿入開口部
335 第2挿入開口部
340 第1ブラケット部
345 第2ブラケット部
349 第2ブラケット部の自由端部
350 支持部
355 支持面
360 第2隙間
400 第2締結要素
405 締結プレート
410 第1係合部
415 第2係合部
420 境界縁端
425 係合プレート
430 構造
1000 車体
1005 構造
1006 保持構造
1010 ワイヤリングハーネス
1015 支承面
1020 ケーブル束
1025 ケーブル束のケーブル
1030 外被
1035 外側面
1036 第1隆起部
1037 上面
1038 指示要素
1040 切欠き部
1100 第1空間
1105 第2空間
1110 隔壁
1115 開口部
1120 第2隆起部
1121 隆起部輪郭
1122 開口部輪郭
1200 第1層
1205 第2層
1210 第3層
1215 表面構造
1220 表面
1225 リブ構造
1230 リブ
1235 リブ凹部
1240 リブ凹部の凹部底面
1300 凹部
1305 凹部輪郭
1310 構造の表面
1400 第1外被部
1405 第2外被部
1410 移行部
1415 第1外被部の外側面
1420 第2外被部の外側面
1425 移行面
1500 輪郭形状
1505 第1輪郭形状部
1510 第2輪郭形状部
1600 手段
1605 第1領域
1610 挿入開口部
1615 第2領域
3000 第1方法ステップ
3005 第2方法ステップ
3010 第3方法ステップ
3015 第4方法ステップ
3020 第5方法ステップ
a 距離
b1 第1横長さ
b2 第2横長さ
本発明は、特許請求項1に記載のワイヤリングハーネス、特許請求項12に記載の自動車の車両構成部品、特許請求項14に記載のワイヤリングハーネスを製造するための金型、特許請求項28に記載の金型システム及び、特許請求項29に記載のワイヤリングハーネスを製造するための方法に関する。
自動車における種々の構成部品を接続するための個々のケーブルを備えたワイヤリングハーネスは周知である。この文脈で、ケーブルは取付け板に布設され、巻きテープに巻込まれる。ワイヤリングハーネスは実質的に手作業で製造され、従ってワイヤリングハーネスの製造は特に高額である。
本発明の目的は、改良したワイヤリングハーネス、改良した車両構成部品、改良した金型、改良した金型システム及びこの種のワイヤリングハーネスを製造するための改良方法を提供することである。
この目的は、請求項1に記載の自動車用ワイヤリングハーネスによって達成される。有利な実施形態は従属請求項に示されている。
ワイヤリングハーネスが少なくとも2本のケーブルを備えたケーブル束及び外被を有する場合に、自動車用の改良ワイヤリングハーネスが提供され得ることが認められた。ケーブル束の少なくとも一部の単数又は複数の部分は外被に埋込まれる。このようにして、労力を要するケーブル束の巻付けを省くことが可能である。さらに、外被によって、きつい半径部のまわりで特に容易にワイヤリングハーネスを曲げて案内できることが保証される。さらに、ケーブル束の個々のケーブルは外被によって保護される。
別の実施形態において、外被は外側に指示要素を有しており、指示要素はケーブル束の位置を指示するためにケーブル束と平行に配線されており、指示要素は実質的に外被の縦長さ全体にわたって延びており、指示要素の少なくとも一部の単数又は複数の部分は金型の保持装置の幾何学的構成に対応するように構成されている。第1隆起部は、外被におけるケーブル束の並びを指示する単純な手段であり、それによりワイヤリングハーネスを自動車に特に迅速に布設することが可能になる。
別の実施形態において、指示要素は第1隆起部を有しており、第1隆起部はビード形の構成であり、及び/又は、指示要素は外被の外側に切欠き部を有する。これにより、ワイヤリングハーネスを修理する時にケーブル束を外被において特に迅速に見つけることが可能になる。
別の実施形態において、第1隆起部は実質的に外被の縦長さ全体にわたって延びている。
別の実施形態において、ワイヤリングハーネスは第1締結要素を有する。第1締結要素の少なくとも一部の単数又は複数の部分は外被に埋込まれる。第1締結要素は、ケーブル束のケーブルの少なくとも1本を所定の位置に保持するように構成されている。このようにして、ワイヤリングハーネスの加熱を所定の方法で固定でき、それによりワイヤリングハーネスの局部的過熱さえも確実に回避する。これによってワイヤリングハーネスへの不可逆的損傷を単純な方法で回避することが可能である。
別の実施形態において、ワイヤリングハーネスは第2締結要素を有する。第2締結要素は、外被に埋込まれた第1係合部を有する。第2締結要素は、自動車の車両構成部品に係合してワイヤリングハーネスを車両構成部品に締結するように構成されている第2係合部を有する。
別の実施形態において、外被は第1層、第2層及び好ましくは第3層を有しており、ケーブル束は第1層に埋込まれており、第1層は第1材料を含み、第2層は第2材料を含み、第2材料は好ましくは、第1材料とは異なる弾性を、好ましくはより高い弾性を有しており、第2層は好ましくは、矩形構成であるか、又はリブ構造を有しており、第2層は好ましくは、第1層に面する側に、所定の表面構造を備えた表面を有しており、第2層は好ましくは、第1層とは反対に面する側で、平坦構成であり、第3層は好ましくは、第1層とは反対に面する第2層の面に配置されており、第3層は少なくとも1つの材料を含み、第3材料は、接着剤を含み、且つ/又は、第1及び/又は第2の弾性とは異なる、好ましくはより低い第3の弾性を有している。これにより第2層はケーブル束のための保護として働くことが可能になり、それにより、例えば車両の車体の鋭利な縁端による、ケーブル束への起こり得る損傷を回避する。
別の実施形態において、第1層は、ケーブル束に対して横の方向で第2層よりも細い構成であり、第1層は、車両構成部品における凹部に係合するように構成されており、第1層は好ましくは台形横断面を有しており、第2層は好ましくは実質的に矩形横断面を有する。
別の実施形態において、外被は第2隆起部を有しており、ワイヤリングハーネスは車両構成部品におけるフィードスルー開口部に貫通でき、第2隆起部はケーブル束の縦長さに対して傾斜して延びており、第2隆起部は、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、車両構成部品における2つの空間の間に分離、好ましくは液密分離を形成するように構成されており、第2隆起部は隆起部輪郭を有しており、第2隆起部は隆起部輪郭をフィードスルー開口部のフィードスルー開口部輪郭に押しつけて該空間の間に実質的に液密分離をもたらすように構成されている。
別の実施形態において、外被は第2隆起部を有しており、第2隆起部はケーブル束の縦長さに対して傾斜して延びており、第2隆起部は、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、車両構成部品における2つの空間の間に分離、好ましくは液密分離を形成するように構成されており、第2隆起部は隆起部輪郭を有しており、第2隆起部は、隆起部輪郭を車両構成部品における凹部の凹部輪郭に押しつけて、凹部と第2隆起部との間に摩擦接続をもたらし、ワイヤリングハーネスを凹部に摩擦で締結するように構成されている。これによりワイヤリングハーネスを特に単純な方法で自動車車両に締結することが可能になる。
別の実施形態において、外被は第1外被部及び第2外被部を有する。第1外被部は第1外被部の縦長さの第1方向に関して第1横長さを有する。第2外被部は第2外被部の第2縦長さに関して第2横長さを有する。第1横長さは第2横長さよりも大きい。
外被は移行部を有する。移行部は第1外被部と第2外被部との間に配置される。第1外被部は第1外側面を有しており、第2外被部は第2外側面を有する。移行部は、第1外側面及び第2外側面に対して傾斜している移行面を有している。傾斜は角度を有しており、角度は、45°未満である、特に30°未満、特に20°未満、特に15°未満、特に10°未満である値を有する。
しかし、目的はまた、特許請求項12に記載の自動車の車両構成部品によっても達成される。有利な実施形態は従属請求項に示されている。
自動車の改良された車両構成部品が提供され得ると認められたのは、車両構成部品が、凹部輪郭を備えた少なくとも1つの凹部を有する構造と、上述したワイヤリングハーネスとを有しており、少なくとも第2隆起部は凹部に係合し、第2隆起部は、プレストレスの下で、好ましくは圧縮下で、凹部に少なくとも部分的に配置され、第2隆起部は隆起部輪郭を凹部輪郭に押しつけて、ワイヤリングハーネスと車両構成部品との間に摩擦接続をもたらす、場合である。これによって自動車の車両構成部品の内部で利用可能な設置空間を特に効率的に利用することが可能である。さらに、車両構成部品の構造に接するワイヤリングハーネスのラットリングが、構造との表面間接触によって回避される。
別の実施形態において、ワイヤリングハーネスは凹部に配置されており、構造は凹部に隣接する表面を有しており、該表面と上面とは無段構成であり、該表面と上面とは好ましくは共通平面で延びている。このようにして、ワイヤリングハーネスを特に小さい設置空間を要して車両に布設することができると同時に、ワイヤリングハーネスの固定が単純な方法で保証され得る。さらに、構造に取付ける時にワイヤリングハーネスへの自動車の他の構成部品の引っ掛かりが回避される。
しかし、目的はまた、特許請求項14に記載の前記ワイヤリングハーネスを製造するための金型によっても達成される。有利な実施形態は従属請求項に示されている。
金型が壁及び開口部を有している場合に、ワイヤリングハーネスを製造するための改良した金型が提供され得ると認められた。壁は金型キャビティを少なくとも横方向に画成する。金型キャビティは上部で開口部に隣接する。
上方に開放した金型によって、ケーブルは、ピンのまわりで引っ張らなくてもワイヤリングハーネスの製造中、特に容易に布設することができる。その結果、ワイヤリングハーネスは特に迅速に製造できる。さらに、ケーブルをロボットによって自動的に布設することも可能であり、従って製造コストは自動化によってさらに低減する。
別の実施形態において、金型は保持装置を有する。保持装置は、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、壁に配置されており、開口部を覆い、保持装置はプレート形式及び/又はブラシ形式構成であり、保持装置は可逆弾性変形が可能である材料を含み、保持装置は少なくとも70°、好ましくは90°、好ましくは金型キャビティ内に可逆的に曲げることができる。これにより、金型キャビティに布設されたケーブルが偶発的に抜け得る状況が回避される。また、外被の発泡中の金型キャビティにおけるケーブルの浮動も回避される。
この際、壁は壁底面を有しており、保持装置は、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、壁底面と平行に配置されている場合、特に有利である。
別の実施形態において、壁は第1壁部及び第2壁部を有する。第1壁部は第2壁部に対向して配置されており、保持装置は第1保持要素及び第2保持要素を含み、第1保持要素は第1壁部に配置されており、第2保持要素は第2壁部に配置されており、第1保持要素及び第2保持要素は各々、開口部の上で自由端部により終わり、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、金型キャビティを閉鎖しており、第1壁部及び/又は第2壁部は好ましくは、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、波状輪郭形状を備える。
別の実施形態において、第1及び第2保持要素の自由端部は離間して配置されており、且つ/又は、第1及び第2保持要素は開口部の上で重なり合う様態で配置されている。
別の実施形態において、第1壁部は第1壁領域及び第2壁領域を有しており、第1壁領域は第2壁部と実質的に平行に配置されており、第2壁領域は、第2壁部から離れる方向で第1壁領域からずらされた様態で延び、その結果、金型キャビティは拡幅部を有しており、第2壁領域は第1隆起部輪郭及び/又は第2隆起部輪郭に対応するように構成されている。
別の実施形態において、開口が壁に設けられており、開口は貫通開口部として構成されており、金型の壁底部に配置されており、壁底部は底部で金型キャビティを画成しており、開口はワイヤリングハーネスの第1及び/又は第2締結要素の少なくとも部分を収容するように構成されており、且つ/又は、金型からワイヤリングハーネスを取出すためのエジェクタは開口を通じて届くように構成されており、開口は好ましくはエジェクタに対応するように構成されている。その結果、ワイヤリングハーネスは金型から特に容易に、機械によって取出し得る。
別の実施形態において、開口が壁に設けられており、開口はワイヤリングハーネスの第1及び/又は第2締結要素の少なくとも部分を収容するように構成されている。
別の実施形態において、壁は第1壁面部、第2壁面部及び壁面移行部を有しており、第1壁面部は好ましくは第2壁面部よりも低位に配置されており、壁面移行部は第1壁面部と第2壁面部との間に配置されており、壁面移行部は、第1壁面部及び第2壁面部に対して傾斜して配置されており、傾斜は好ましくは角度を有しており、角度は、45°未満である、特に30°未満、特に20°未満、特に15°未満、特に10°未満である値を有している。これにより、第1壁包囲部と第2壁包囲部との間の移行部でのワイヤリングハーネスにおける亀裂が回避される。
別の実施形態において、第1壁面部及び第2壁面部は、互いに平行に配置された2平面に配置されている。
別の実施形態において、保持装置は、壁に沿っており、一部の単数又は複数の部分で中断される、及び/又は連続的であるように構成されている。
別の実施形態において、保持装置は材料としてシリコーンを含む。加えて、又は代替として、壁は以下の材料:ポリテトラフルオライド、ポリオキシメチレンの少なくとも1つを含む。
これらの材料は外被材料に比べて特に低い表面張力を有しており、それにより外被の硬化後にワイヤリングハーネスの信頼できる離型が保証される。特に、壁へのそれらの材料の使用によって、付加的に要求される原型を製造するための更なる清掃又は再処理ステップを要することなく、その金型で多数のワイヤリングハーネスを製造可能なこともまた保証される。
別の実施形態において、壁は金型キャビティに面する壁面を有しており、壁面は少なくとも一部の単数又は複数の部分においてレーザーポリッシングされる。レーザーポリッシングによって、特に金型にミリングされている金型キャビティに起因して存在し得るいずれかのスコーリングが軽減され、その結果、ワイヤリングハーネスの成形及び金型からの取出しが確実に保証される。
別の実施形態において、壁は、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、波状及び/又はリブ形及び/又は平面様態で輪郭をなしている。これによりワイヤリングハーネスは単純な方法で車両における幾何学的境界条件に最適に合致することが可能になる。
別の実施形態において、金型キャビティからの外被の出現を少なくとも部分的に防ぐために、シーリング要素が壁の1つの縦端部に配置される。
別の実施形態において、金型は第1金型部分及び第2金型部分を有する。第1金型部分は1つの縦端部に第1係合要素を有する。第2金型部分は、第1金型部分の縦端部に面する第2金型部分の縦端部に第1係合要素に対応するように構成されたソケットを有する。第1係合要素は、第1ソケットに係合し、第1金型部分を第2金型部分と確実に接続し、係合要素及びソケットは互いに関して、ソケットへの係合要素の係合によって縦方向の脱離が妨げられるようにして構成されており、係合要素及び第1金型部分は好ましくは一体であり、物質的に単一構成である。これにより金型は、特に容易に拡張又は適用することが可能になる。
別の実施形態において、金型は金型システムの取付け板に締結されるように構成される。
しかし、目的はまた、特許請求項28に記載の金型システムによっても達成される。
改良した金型システムが提供され得ると認められたのは、以下の場合である。金型システムが金型及び取付け板を備えており、金型は上述のごとく構成されており、金型は取付け板に面する側に更なる係合要素を有しており、取付け板は金型に面する側に、複数の更なるソケットを有する少なくとも1つのグリッドを有しており、あるいは、金型は取付け板に面する側に更なるソケットを有しており、取付け板は金型に面する側に、複数の更なる係合要素を有するグリッドを有しており、更なる係合要素及び更なるソケットは互いに対応する様態で配置されており、更なる係合要素は更なるソケットの1つに係合し、取付け板を金型と確実に、且つ可逆的に分離可能な様態で接続し、グリッドの他の更なるソケットは空いたままであり、あるいは、更なる係合要素の1つは更なるソケットに係合し、取付け板を金型と確実に、且つ可逆的に分離可能な様態で接続し、グリッドの他の更なる係合要素は固定されないままであり、更なる係合要素は好ましくは一体であり、金型又は取付け板と物質的に単一構成である。
その結果、金型は取付け板に特に迅速に取付けできる、又は金型システムは、製造される異なるワイヤリングハーネスに特に迅速に適応できる。
しかし、目的はまた、特許請求項29に記載の方法によっても達成される。有利な実施形態は従属請求項に示されている。
本発明によれば、上述のごとく構成されたワイヤリングハーネスを製造するための改良方法が提供され得ると認められたのは、以下の場合である。上述のごとく構成された金型を準備し、ケーブル束の少なくとも1本のケーブルが金型キャビティに布設され、ケーブルが金型キャビティに布設される際に、保持装置は、好ましくは金型キャビティ内に又は金型キャビティから離れる方向に曲げられる手段によって第1領域における閉鎖位置から、開口部が少なくとも一部の単数又は複数の部分において、第1領域において空いており、保持装置が第2領域において閉鎖位置に留まり開口部を閉鎖するようにして、可逆的に変形され開放され、ケーブルは第1領域を通じて金型キャビティに布設され、手段は金型キャビティに沿って動かされ、手段の取出し後、保持装置は再び緩み金型キャビティを閉鎖し、外被の少なくとも1つの材料が金型キャビティに導入され、材料は、外被材料のプロセス時間中、重力方向に流動し、その際に少なくとも一部の単数又は複数の部分においてケーブル束のケーブルを包囲する。
別の実施形態において、ケーブルが第1領域に布設される際に、第1保持要素及び第2保持要素は、前記手段によって閉鎖位置から可逆的に曲げ離され、好ましくは金型キャビティ内に、又は金型キャビティから離れる方向に外へ曲げられるか、又は金型キャビティの縦方向に曲げられ、前記手段の取出し後、保持要素は閉鎖位置に曲がり戻り、再び開口部を閉鎖する。
別の実施形態において、金型キャビティへの外被材料の導入後、カバーが保持装置に置かれ、カバーは、金型キャビティとは反対に面する側で保持装置が曲がり開くのを少なくとも部分的に阻止する。
別の実施形態において、外被材料は第一に、第1壁面部の上方の金型キャビティに導入され、その後の時間の間に、第2壁面部の上方の金型キャビティに、さらに壁面移行部の上方の金型キャビティに導入される。
別の実施形態において、外被材料は、第1壁部と第2壁部との間でケーブル束に関して横方向で波状に変動する様態で適用される。このようにして、周囲の壁へのケーブル束の信頼できる埋込みが保証される。
本発明を図によって以下で更に詳細に説明する。
第1実施形態による自動車の車両構成部品の横断面図の詳細を示す。
図1Aに示した車両構成部品の平面図の詳細を示す。
第2実施形態による車両構成部品の断面図を示す。
第3実施形態による自動車の車両構成部品の横断面図の詳細を示す。
図3Aに示した車両構成部品を発展させたものの横断面図の詳細を示す。
図3Aに示した車両構成部品を発展させたものの横断面図の詳細を示す。
図3Aに示した車両構成部品を発展させたものの横断面図の詳細を示す。
図3Aに示した車両構成部品を発展させたものの縦断面図を示す。
第4実施形態による自動車の車両構成部品の横断面図の詳細を示す。
図4Aに示した車両構成部品を発展させたものの横断面図の詳細を示す。
ワイヤリングハーネスの縦断面図を示す。
別の実施形態におけるワイヤリングハーネスの斜視図を示す。
別の実施形態におけるワイヤリングハーネスの斜視図を示す。
別の実施形態におけるワイヤリングハーネスの斜視図を示す。
図1乃至8に示した少なくとも1つのワイヤリングハーネスを製造するための金型システムの斜視図を示す。
図9Aに示した金型システムの平面図を示す。
第1実施形態による図9A及び図9Bに示した金型の第1金型部分の斜視図を示す。
図10に示した断面平面A−Aに沿った、図10に示した金型の断面図を示す。
図10に示した断面平面A−Aに沿った、図10に示した金型の変更例の断面図を示す。
図10に示した断面平面A−Aに沿った第2実施形態による第1金型部分の断面図を示す。
第3実施形態による第1金型部分の斜視図を示す。
金型の斜視図の詳細を示す。
図9A乃至14に示した金型を発展させたものの斜視図を示す。
図9A乃至15に示した金型を発展させたものの斜視図を示す。
図16に示した金型を発展させたものの斜視図の詳細を示す。
第4実施形態による第1金型部分の斜視図を示す。
図18に示した金型部分を含む金型の斜視図を示す。
発展させたものにおける壁の斜視図を示す。
図20に示した実施形態の変更例における壁の斜視図を示す。
別の実施形態における金型の斜視図を示す。
別の実施形態における金型の縦断面図を示す。
別の実施形態における金型の斜視図を示す。
別の実施形態における金型の斜視図を示す。
別の実施形態における金型の斜視図を示す。
第1実施形態による第1締結要素の斜視図を示す。
第2実施形態による第1締結要素の斜視図を示す。
第3実施形態による第1締結要素の斜視図を示す。
第4実施形態による第1締結要素の斜視図を示す。
第2締結要素の斜視図を示す。
第2実施形態による第2締結要素の斜視図を示す。
ワイヤリングハーネスを製造するための方法の流れ図を示す。
第3方法ステップの間の金型システムの平面図を示す。
図34に示した断面平面D−Dに沿った断面図を示す。
図1Aは、第1実施形態による自動車の車両構成部品1000の横断面図の詳細を示す。車両構成部品1000は、構造1005及びワイヤリングハーネス1010を有する。構造1005は、例えば、車体、深絞り部品、ルーフライニング、ドアパネル、中間パネル、防音隔壁又はコックピットであり得る。構造1005は例えば、板金又はプラスチックで製造できる。しかし構造1005は、プラスチック構造、カーペット又は類似物であってもよい。構造1005は支承面1015を有する。支承面1015はワイヤリングハーネス1010に面する。
ワイヤリングハーネス1010は、複数のケーブル1025を含むケーブル束1020を有する。ケーブル1025は2点間で電気信号又は電流を伝導する働きをする。ケーブル1025は互いにほぼ同じ方向に延びるように配置される。この配列において、ワイヤリングハーネス1010を別の電気装置に電気的に接続するための接続システムが、ワイヤリングハーネス1010のそれぞれの端に設けられ得る。ケーブル束1020のケーブル1025は、ワイヤリングハーネス1010の外被1030に埋込まれる。外被1030は外側に、外被輪郭を有する外側面1035を有する。
外被1030は好ましくは、以下の材料:ポリウレタン、シリコーン、発泡体、独立気泡発泡体、連続気泡発泡体、シリコーン発泡体、ポリウレタン発泡体の少なくとも1つを含む。ワイヤリングハーネス1010は、外側面1035によって支承面1015に静止する。この配列において、支承面1015と外側面1035との間に接着層を付加的に設けて、ワイヤリングハーネス1010を構造1005に物質的に接続できる。
この配列において、外被1030の横断面に関しては選択の自由があり、それは好ましくは支承面1015の幾何学的構成に対応するように選択されるべきである。同時に、支承輪郭及び外被輪郭が一部の単数又は複数の部分において同一である場合、特に有利であり、それによりワイヤリングハーネス1010と構造1005との間の特に良好な表面間接触を保証する。
外被1030が指示要素1038を備える場合、特に有利である。指示要素1038は、有利にはワイヤリングハーネス1010の上面1037における第1隆起部1036を含む。第1隆起部1036は上面1037の上方に突出する。第1隆起部1036は好ましくは、ビード形の構成であり、好ましくは少なくとも一部の単数又は複数の部分においてケーブル束1020と平行に延びる。指示要素1038は第1の最大横長さb1に関して中心に配置できる。これによって単純な方法でケーブル束1020のケーブル1025の経路を指示することが可能である。指示要素1038はさらに、構造1005へのワイヤリングハーネス1010の挿入のための所定の側を指示するために使用でき、それにより自動車の組立中にワイヤリングハーネス1010を特に迅速に取付けることが可能になる。加えて、又は代替として、指示要素1038が(図1Aにおいて破線で図示した)切欠き部1040を上面1037に備えることも考えられる。切欠き部1040は例えば、ある特定の形式のワイヤリングハーネス1010を指示する働きをし得る。
図1Bは、図1Aに示した車両構成部品1000の平面図の詳細を示す。
指示要素1038は実質的にワイヤリングハーネス1010の縦長さ全体にわたって延びる。これにより、特に単純な方法で外被1030におけるケーブル束1020の挿入位置を断定することが可能になる。これは特に、外被1030が特に厚みのある構成であって、外被におけるケーブル束1020を触覚も目視も不可能な時に有利である。
図2は、第2実施形態による車両構成部品1000の断面図を示す。車両構成部品1000は、図1A及び図1Bに示した車両構成部品1000と実質的に同一であるようにして構成されている。構造1005は第1空間1100及び第2空間1105を有する。隔壁1110が第1空間1100と第2空間1105との間に設けられている。隔壁1110は開口部1115を有する。ワイヤリングハーネス1010は開口部1115に通される。
ワイヤリングハーネス1010は、図1A及び図1Bに図示したワイヤリングハーネス1010と実質的に同一であるようにして構成されている。加えて、ワイヤリングハーネス1010の外被1030は第2隆起部1120を有する。第2隆起部1120はケーブル束1020の縦長さに対し横方向に延びている。少なくとも第2隆起部1120の領域において、外被1030は有利には柔軟材料を含む。第2隆起部1120は隆起部輪郭1121を有する。第2隆起部1120は、開口部1115に配置され、開口部1115を充填する。第2隆起部1120は好ましくは、開口部1115に押圧/圧縮される。その結果、第2隆起部1120は、隆起部輪郭1121を開口部1115の開口部輪郭1122に対して周囲で押しつけ、第1空間1100を第2空間から流体的にシールする。さらに、第1空間1100と第2空間1105との間での第2隆起部1120による雑音伝達は、これによって回避される。この際、第2隆起部1120がケーブル束1020を取り囲むように配置された場合、特に有利である。第2隆起部1120が横断面において三角形構成である場合、特に有利な可能性がある。これによって開口部1115でのグロメットの使用を省くことが可能である。
図3Aは、第3実施形態による自動車の車両構成部品1000の横断面図の詳細を示す。車両構成部品は、図1及び2に示した車両構成部品1000と類似の構成である。異なる点として、ワイヤリングハーネス1010は第1層1200及び第2層1205を有する。第2層1205は、第1層1200の下に、第1層1200と構造1005との間に配置される。ケーブル束1020は第1層1200に埋込まれる。この配列において、第1隆起部1036は第1層1200に隣接している。第1層1200は好ましくは第1材料を含み、第2層1205は好ましくは第2材料を含む。第1層1200及び第2層1205が同一の材料を含むこともまた可能である。この際、第2材料は第1材料と異なる弾性を有してもよい。それにより、第2材料の弾性が第1材料の弾性よりも大きい場合、構造1005における第2層1205の特に弾性特性によってケーブル束1020のラットリングが回避できることは有利である。
さらに、第2層1205の第2材料の弾性が第1材料の弾性よりも小さい場合、それによって第2層1205が、起こり得る損傷からケーブル束1020を効果的に保護する一種のプレートを形成することから、それも有利である。
この実施形態において、第2層1205は横断面において矩形である。第2層1205の他の構成もまた考えられる。従って、第2層1205は例えば、半円形、楕円形、U字形、C字形、円筒形又はいずかの他の構成であってよい。
図3Aに示した平坦構成を有する代わりに、第2層1205はワイヤリングハーネス1010の縦方向にリブ構造を有することもまた考えられる。これによりワイヤリングハーネス1010は半径部のまわりで特に良好に案内することが可能になると同時に、第2層1205によってケーブル束1020に高水準の保護を与え得る。
図3Bは、図3Aに示した車両構成部品1000を発展させたものの横断面図の詳細を示す。ワイヤリングハーネス1010は、図3Aに示したワイヤリングハーネス1010と実質的に同一の構成である。異なる点として、第2層1205は、第1層1200に面する表面1220に所定の表面構造1215を有する。表面構造1215は例えば、波状構成である。これにより、第2層1205の表面1220の大きさを増大させて、図3Aに示した構成に比べて第2層1205への第1層1205の接着を向上させる。
図3Cは、図3Aに示した車両構成部品1000を発展させたものの横断面図の詳細を示す。異なる点として、第1層1200は、ケーブル束1020に対して横の方向で第2層1205よりも細い構成である。
図3Dは、図3Aに示した車両構成部品1000を発展させたものの横断面図の詳細を示す。加えて、外被1030は第3層1210を有する。第3層1210は、第1層1200とは反対に面する第2層1205の面に配置され、前記第2層と接続される。第3層1210は第3の弾性を備えた第3材料を含む。第3の弾性は好ましくは、第1の弾性及び/又は第2の弾性よりも小さい。第3層1210は好ましくは、衝撃板として又は接着層として構成される。衝撃板としての構成の場合、ケーブル束1020への損傷が第3層1210によって回避できると同時に、振動を第2層1205によって特に効果的に制振できることが有利である。この実施形態において、一例として、層1200、1205、1210は、層の重なりにおいて同一幅の矩形形状で配置されている。層1200、1205、1210は異なる幅又は構成を有してもよい。
図3Eは、図3Aに示した車両構成部品1000を発展させたものの縦断面図を示す。第2層1205にリブ構造1225が設けられている。リブ構造1225は、リブ1230と、縦方向でリブ1230の間に配置され縦方向でリブ1230を区切るリブ凹部1235とを有する。リブ凹部1235は各々、ケーブル束1020のケーブル1025から離間して配置される凹部底面1240を有する。
図4Aは、第4実施形態による自動車の車両構成部品1000の横断面図の詳細を示す。車両構成部品1000は、図1A乃至3Eに示した車両構成部品1000と実質的に同一の構成である。構造1005は、凹部輪郭1305を有する溝形式凹部1300を有している。一例として、凹部1300は矩形構成である。凹部1300は例えば、プレス作業の間に構造1005に導入できる。
ワイヤリングハーネス1010は、図3Aに示した実施形態と実質的に同一の構成である。ワイヤリングハーネス1010は凹部1300に配置される。この配列において、外被1030は第2隆起部1120を有する。第2隆起部1120は好ましくは、周囲に形成され、好ましくは3つの側でケーブル束1020を包囲し、好ましくは層状構成である。第2隆起部1120は隆起部輪郭1121を有する。第2隆起部1120の材料は好ましくは、弾性であり、外被1030の材料と一体で、物質的に単一である。取付けられていない状態において、第2隆起部1120の隆起部輪郭1121は、この場合、凹部1300の凹部輪郭よりも好ましくは大きい。
ワイヤリングハーネス1010が取付けられた時、第2隆起部1120及びその材料が圧縮され、その結果、第2隆起部1120はその隆起部輪郭1121を凹部1300の凹部輪郭に対して押しつけ、それにより第2隆起部1120によってワイヤリングハーネス1010を車両構成部品1000の凹部1300に摩擦で接続する。これによってワイヤリングハーネス1010を車両構成部品1000の構造1005に特に省スペース様態で収容することが可能である。
特に、この際、構造1005が凹部1300に隣接する表面1310を有することが有利であり、ワイヤリングハーネス1010の上面1037は表面1310に対して実質的にいかなる移行部又は段差もないようにして構成される。上面1037及び構造1005の表面は好ましくは共通平面にある。ワイヤリングハーネス1010の場合、この際、第2隆起部1120を省くことが可能であり、この構成において、ワイヤリングハーネス1010は凹部1300を実質的に完全に充填する。第2隆起部1120を縦方向で一部の単数又は複数の部分だけに設けることも可能であり、外被1030は例えば、(第2隆起部1120のない)残りの領域において凹部輪郭1305からある距離をおいて配置される。
図4Bは、図4Aに示した車両構成部品1000を発展させたものの横断面図を示す。
図4Bに示した構成は実質的に、図3Cに示したワイヤリングハーネス1010の構成と図4Aに示した車両構成部品1000の構成との組合せである。異なる点として、車両構成部品1000は、構造1005に加えて、凹部1300からある距離をおいて上面に配置された保持構造1006を有する。第1層1200だけが凹部1300に係合するのに対し、第2層1205は保持構造1006と構造1005との間で凹部1300の外側に配置される。保持構造1006は好ましくは、保持力FHで第2層1205を押圧し、それによりワイヤリングハーネス1010を構造1005に固定する。保持構造1006は構造1005に固定できる。保持構造1006はまた、該構造とは異なる車両部分組立品であってもよい。
図5は、ワイヤリングハーネス1010の縦断面図を示す。ワイヤリングハーネス1010の外被1030は、第1外被部1400、第2外被部1405及び移行部1410を有する。移行部1410は、ワイヤリングハーネス1010の縦方向で第1外被部1400と第2外被部1405との間に配置される。第1外被部1400は第1外側面1415を有しており、第2外被部1405は第2外側面1420を有する。外側面1415、1420は好ましくは、異なる高さで互いに対してずらして配置された2平面において平行に配置されている。この場合、一例として、外側面1415、1420は平坦構成である。外側面1415、1420のいずれかの他の構成もまた考えられる。移行部1410は移行面1425を有する。外側面1415、1420及び移行面1425は、ワイヤリングハーネス1010の下側において、ワイヤリングハーネス1010上において横方向に、又はワイヤリングハーネス1010の上面において配置できる。移行面1425は、第1外側面1415及び第2外側面1420に対して傾斜して配置されている。傾斜は角度α1を有しており、角度α1は、45°未満である、特に30°未満、特に20°未満、特に15°未満、特に10°未満である値を有する。これによって第1外被部1400と第2外被部1405との間の移行部の外被1030における亀裂が回避される。当然ながら、移行部1410を省くことを考えることも可能である。また、図5に示した平坦構成の代わりに湾曲構成である移行面1425も考えられる。この場合、特に凸状又は凹状湾曲が考えられる。
ずらされた外側面1415、1420によって、第1外被部1400は、第1外被部1400の縦長さの第1方向に関して第1横長さb1を有しており、第2外被部1405は、第2外被部1405の縦長さの第2方向に関して第2横長さb2を有する。この際、第1横長さb1は、第2横長さb2よりも大きい。
一例として、図5における縦長さの第1方向は、縦長さの第2方向と同一である。縦長さの第1方向は縦長さの第2方向と異なってもよく、移行部1410は例えば、湾曲構成であってもよい。ワイヤリングハーネス1010のこの構成は、構造1005で利用可能な設置空間にワイヤリングハーネス1010がその幅に関して柔軟に適応できるという利点がある。
図6は、別の実施形態におけるワイヤリングハーネス1010の斜視図を示す。
ワイヤリングハーネス1010は、図1乃至5に示したワイヤリングハーネス1010と類似の構成である。異なる点として、外側面1035は図示されるような波状輪郭形状1500で構成されている。輪郭形状1500は、第1輪郭形状部1505及び第2輪郭形状部1510を有する。一例として、第1輪郭形状部1505は、第2輪郭形状部1510よりも縦方向で広い構成である。好ましくは、第1輪郭形状部1505は凹状構成であり、第2輪郭形状部は凸状構成である。第1及び第2輪郭形状部1505、1510は縦方向に交互になる。
図7は、別の実施形態におけるワイヤリングハーネス1010の斜視図を示す。
ワイヤリングハーネス1010は、図6に示したワイヤリングハーネス1010と実質的に同一の構成である。異なる点として、第1輪郭形状部1505及び第2輪郭形状部1510は同一の幅で構成されている。
図8は、別の実施形態におけるワイヤリングハーネス1010の斜視図を示す。
ワイヤリングハーネス1010は、図6に示したワイヤリングハーネス1010と実質的に同一の構成である。異なる点として、輪郭形状1500は実質的に矩形構成であって、図6に示したワイヤリングハーネス1010の第1輪郭形状部は実質的に平坦構成であり、第2輪郭形状部1510は外側面1035において凹部として構成されている。
図9Aは、図1乃至8に示した少なくとも1つのワイヤリングハーネス1010を製造するための金型システム10の斜視図を示す。
金型システム10は好ましくは金型15及び取付け板20を有する。一例として、取付け板20は平坦である。金型15は、第1金型部分16及び少なくとも1つの第2金型部分17を有することができ、それらは各々、1つの縦端部18で当接し、好ましくは共通平面において、下面19によって取付け板20の上面25に配置される。
図9Bは、図9Aに示した金型システム10の平面図の詳細を示す。
上面25において、一例として、取付け板20は、互いに同一構成の複数の第1ソケット142を含むグリッド27を有する。第1ソケット142はグリッド27において規則パターンで配置される。明瞭さのために、第1ソケット142の一部だけが図9Bに図示されている。
図10は、図9A及び図9Bに示した第1実施形態による金型15の第1金型部分16の斜視図を示す。
金型15の説明をより容易にするために、以下では座標系26に言及する。座標系26は好ましくは、右手系として構成されており、x方向(横長さの方向)、y方向(縦方向)及びz方向(高さ)を有する。
金型15は、壁30、開口部35及び保持装置40を有する。壁30は、金型キャビティ45を画成している。ワイヤリングハーネス1010の製造中、ケーブル束1020及び外被1030は、開口部35によって金型キャビティ45に導入される。開口部35は、上面に配置され、金型キャビティ45に隣接する。この実施形態において、一例として、金型キャビティ45は矩形横断面により構成されている。金型キャビティ45は、いずれかの他の方法で構成し、異なる横断面を有することも可能である。それにより、例えば、(一部の単数又は複数の部分において)多角形、三角形、丸い、円形及び/又は楕円形構成である金型キャビティ45もまた考えられる。
壁30は、第1壁部50、第2壁部55及び壁底部60を有する。壁底部60は、第1壁部50と第2壁部55との間に配置されている。第1壁部50及び第2壁部55は、金型キャビティ45を横方向に画成する。壁底部60は、底部で金型キャビティ45を画成する。開口部35は好ましくは、壁底部60の上方に配置される。
第1壁部50は金型キャビティ45に面する第1壁面61を有しており、第2壁部55は金型キャビティ45に面する第2壁面62を有しており、壁底部60は金型キャビティ45に面する壁底面63を有する。この実施形態において、一例として、第1及び第2壁面61、62は平行に延びる。壁底面63は、第1壁面61及び第2壁面62に垂直に配置される。壁底面63及び/又は壁面61、62は異なる方法で配置してもよい。従って、第1壁面61は第2壁面62に対し斜めに配置できる。また、第1壁面61及び第2壁面62を互いに直接隣接させて壁底部60を省くことも考えられ、その結果、金型キャビティ45は例えば、三角形横断面を有することとなる。
この際、壁面61、62及び/又は壁底面63のうちの少なくとも1つを、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、レーザーポリッシングした場合、特に有利である。これによって特に良好な表面仕上げが保証され得る。さらに、例えば、機械加工によって金型15を製造するために金型キャビティ45を基体に導入することによって生じるスコーリング及び/又は溝は、レーザーポリッシングによって少なくとも部分的に除去される。これによって、金型15の付加的な準備を要さずに多数のワイヤリングハーネス1010を製造可能にする、特に長期にわたって安定した金型15が保証される。
壁面61、62及び/又は壁底面63の平坦構成とは対照的に、壁面61、62及び/又は壁底面63を、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、波状及び/又はリブ形様態の輪郭にすることもまた可能である。
保持装置40は、第1保持要素65、第2保持要素70、第1接触圧要素75、第2接触圧要素80及び第1締結手段85を備える。一例として、第1保持要素65及び第2保持要素70は、好ましくは金型キャビティ45の中心を通る対称面86に関して対称に構成されている。対称面86は好ましくはYZ平面として構成される。第1保持要素65及び第2保持要素70を互いに別様に構成することもまた可能である。
金型15は、この実施形態において、一例として第1係合要素として構成された少なくとも1個のピン140を一例として有する第2締結手段135によって取付け板20に確実に接続される。この際、ピン140は壁30に接続され、自由縦端部141によって取付け板20のグリッド27の第1ソケット142に係合し、前記ソケットはピン140に対応するように構成されている。取付け板20への金型15の特に単純な取付けをもたらすために、第1ソケット142に対応するように、且つ互いに同一に構成された好ましくは多数のピン140がこの目的で存在し、前記ピンは壁30に接続される。金型15の並びに応じて、ピン140は各々、グリッド27の第1ソケット142に係合するが、グリッド27の他の第1ソケット142は空いたままである。この場合、例えば金型システム10が傾倒されると想定される場合、金型15が偶発的に取付け板20から脱落するのを防ぐために、その係合を追加的に非確実的に確保できる。これを達成するには、例えば、ピン140及びソケット142を中間ばめ方式又は締りばめ方式として構成することによって可能である。
第2締結手段135はまた別様にも構成可能である。特に、ねじシステムとして設計されている第2締結手段135を考えることがこの際可能である。
第1ソケットは、金型部分16、17の下面19に配置してもよい。取付け板20の上面において、取付け板20は好ましくは、第1係合要素として構成された多数のピン140を有する。
第1ソケット142の代わりに、グリッド27は、金型15の方向に延びる第1係合要素として構成されたピン140を代替的に有し得る。この代替策において、第1ソケット142は金型15に、好ましくは壁30に配置される。金型15の並びに応じて、グリッド27のピン140の一部は各々、取付け板20への金型15の取付け状態において第1ソケット142に係合し、上述の通り、金型15を取付け板20に可逆的に固定する。第1ソケット142に係合しない他のピン140は、(少なくとも周方向において)固定されないままであり、且つ/又は少なくとも一部の単数又は複数の部分において(上面で)金型15によって覆われる。
図11Aは、保持要素65、70の閉鎖位置において、図10に示した断面平面A−Aに沿った、図10に示した金型15の断面図を示す。
第1保持要素65は、プレート形式構成であり、第1部分90及び第2部分95を備える。この場合、第1保持要素65の第1部分90は、第1壁部50の上面に配置される。第1接触圧要素75は、第1部分90の上面に配置される。第1接触圧要素75は好ましくは、第1締結手段85によって第1壁部50に非確実的に接続される。この場合、第1締結手段85は第1の型締力FS1を供給し、それにより第1接触圧要素75は第1保持要素65を第1壁部50の上面に押しつける。この実施形態において、第1接触圧要素75は、一例として、X方向で第1壁部50とまったく同じ幅であるように構成されている。それによって第1保持要素65が第1接触圧要素75によって確実に接触して押しつけられるのを保証することが可能である。さらに、第1保持要素65の不要な変形が回避できる。
第1保持要素65の第1自由端部100は、開口部35の上方で終わる。第1保持要素65の第1自由端部100に隣接する第1保持要素65の第2部分95は、上部で開口部35を覆う。第2部分95は好ましくは、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、くさび形構成であってよい。この際、第1保持要素65の第1下面105が実質的に平坦構成であり、第1保持要素65が上面(Z方向)で自由端部100から第1壁部50に向けて厚くなっている場合、特に有利である。
第2保持要素70は好ましくは、第1保持要素65に関して、反対側で同じ高さにある、すなわち一例として、共通XY平面に配置されている。第2保持要素70は対称面86に関して鏡面対称に配置される。第2保持要素70は、第2壁部55の上面に配置されて、一例として同様にプレート形構成である第3部分110及び第4部分115を有する。第2保持要素70の第3部分110は、第2壁部55の上面に載っている。第2接触圧要素80は第3部分110の上方に配置されている。第1締結手段85は、第2接触圧要素80に第2の接触圧FS2を供給し、それにより第2接触圧要素80は第2部分110を第2壁部55の上面に押しつける。この際、一例として、第2接触圧要素80は第2壁部55とまったく同じ幅であるように構成されている。この場合、第1接触圧要素75及び第2接触圧要素80は、開口部35とまったく同じ幅である第1隙間120を横方向に画成する。
第4部分115は第2保持要素70の第2自由端部130に隣接している。第2部分95と同様、第4部分115はくさび形構成であり、第2保持要素70の第2下面125は、第1保持要素65の第1下面105との共通平面に配置される。第2自由端部130は開口部35の上方で終わる。上面において、第4部分115は第2自由端部130から第3部分110に向けて厚くなっている。
この際、第4部分115は第2保持要素70の第2自由端部130に隣接する。
第1自由端部100は好ましくは、第2保持要素70の第2自由端部130からある距離をおいて配置される。この際、第1自由端部100と第2自由端部130との間の距離は、(共通XZ平面に関して)開口部35の幅よりも好ましくは10倍小さい。その結果、保持装置(40)は開口部35の部分だけを覆う。また、第1自由端部100及び第2自由端部130は互いに直接接触していてもよい。
保持要素65、70が、特に弾性である材料を含み、好ましくは金型キャビティ45内に、少なくとも90°可逆的に曲げ得る場合、特に有利である。この際、保持要素65、70が材料としてシリコーンを含む場合、特に有利である。これによってさらに、保持要素65、70を壁部50、55の幾何学的構成に従うように構成することが可能になる。
図11Bは、図10に示した断面平面A−Aに沿った、図10に示した金型15の変更例の断面図を示す。
金型15は、図11Aに示した構成と実質的に同一の構成である。異なる点として、第1保持要素65及び第2保持要素70はブラシ形式構成である。この場合、第1保持要素65は多数のブラシ繊維67による第1ブラシ66を有しており、第2保持要素70は多数の第2のブラシ繊維72による第2ブラシ71を有する。
ブラシ繊維67、72は実質的に横方向に延びている。この場合、第2部分95及び第4部分115は、横方向(x方向)で開口部35の幅の半分よりも広い。その結果、ブラシ66、71はそれぞれ対向するブラシ66、71に達しており、上部の開口部35を完全に閉鎖する。図11Aに示すように、自由端部100、130を互いにある距離をおいて配置することもまた可能である。
図12は、図10に示した断面平面A−Aに沿った、第2実施形態による第1金型部分16の断面図を示す。
金型15は、図9A乃至11に示した金型15と類似の構成である。異なる点として、保持要素65、70の第2部分95及び第4部分115は、開口部35の上方に部分的に重なるように配置されている。この際、重なるとは、第2部分95及び第4部分115が共通XY平面に投影された時にそれらが少なくとも部分的に重なることを意味すると理解される。
第1金型部分16の壁30は、一体であり、物質的に単一構成である。この際、壁30は有利には、以下の材料:ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオライド(PTFE)、ポリエチレン(PE)、好ましくは高度に枝分かれしたポリマー鎖を備えたポリエチレン(PE−LD)、ポリオキシメチレン(POM)のうちの少なくとも1つを含む。加えて、又は代替として、壁30がポリウレタン及び/又はシリコーンに関して特に低い表面張力を有する材料を含むこともまた考えられる。
図13は、第3実施形態による第1金型部分16の斜視図を示す。
第1金型部分16は、図10乃至12に示した金型15と類似の構成である。異なる点として、第1金型部分16は図10に示した構成に比べて拡大した縦長さを有する。
保持装置40は、拡大した縦長さに対応するように構成されている。この際、第2締結手段135を壁30の上面に取付けるのを可能にするために、保持装置40には、好ましくは開口部35とは反対に面する側に第1凹部145が追加的に設けられている。この場合、一例として、保持装置40における第1凹部145は、保持要素65、70を横切って、且つ接触圧要素75、80を横切って延びている。第1凹部145は、X方向で、すなわち金型15の縦長さ、及び第2締結手段135の領域における保持装置40の縦長さに対し横方向で、より細い構成となっている。
さらに、第1締結手段85及び第2締結手段135は互いに組合せることができ、従って、金型15及び保持装置40は組合せた締結手段85、135によって取付け板20に固定される。
加えて、図9A乃至12に示した金型15の両側で、金型15の縦端部18に(破線で図示した)シーリング要素150が設けられる。シーリング要素150は縦端部18で金型キャビティ45を区切る。この場合、シーリング要素150はプレート形式構成であり得る。この際、金型部分16がいずれの他の金型部分17にも隣接しない縦端部18だけにシーリング要素150を配置する場合、特に有利である。これにより、ワイヤリングハーネス1010の製造中、金型15の縦端部18における外被1030の出現を回避することが可能になる。
図14は、金型15の斜視図の詳細を示す。
第1金型部分16は、図9A乃至13に記載の通り構成され得る。金型15は壁30の上にカバー155を付加的に有する。カバー155は、第3締結手段160によって第1金型部分16の壁30に接続される。この際、カバー155は、保持装置40(図14には図示せず)の上面に配置され、保持要素65、70が金型キャビティ45から離れる方向で上方に曲げられるのを防ぐ。
図15は、図9A乃至14に示した金型15を発展させたものの斜視図を示す。
金型15は、図9A乃至14に示した金型15と類似の構成である。異なる点として、保持装置40の様々な変更例が図15に示されている。
保持装置40は、縦方向(x方向)に一定の間隔で配置された多数の保持要素65、70を備える。保持要素65、70は各々、壁部50、55に接続される。保持要素65、70は好ましくは、壁30の上面165に対し垂直に延びる。保持要素65、70のこれらの変更例において、保持要素65、70の各々は、上面165と平行な平面(xy平面)において異なる横断面を有する。従って例えば、保持要素65、70は、円形横断面、矩形横断面、台形横断面、楕円形横断面及び/又は円形横断面を有し得る。また、保持要素65、70は壁30の上面165から離れる方向で先細りにすることも考えられる。この場合、保持要素65、70が壁30の上面165から離れる方向でくさび形横断面を有する場合、特に有利であり、保持要素65、70の自由端部170はワイヤリングハーネス1010からセットバックされている。これによってケーブル束1020の個々のケーブル1025の挿入を容易にすることが可能である。
この実施形態において、第1保持要素65は各々の例で、第2保持要素70に対向して配置されており、その結果、第1及び第2保持要素65、70は各々、共通XZ平面に配置される。
当然ながら、第1及び第2保持要素65、70はまた、各々、互いに対してずらして配置できる。
図16は、図9A乃至15に示した金型15を発展させたものの斜視図を示す。明瞭さのために、保持装置40は図16には図示していない。
金型15は、図9A乃至15に示した金型15と類似の構成である。異なる点として、第1壁領域50の壁30は側部に第1ウェブ175を有しており、第2壁部55は側部に第2ウェブ180を有する。ウェブ175、180は、金型キャビティ45から離れる方向に延び、第1金型部分16の下面19に隣接する。さらに、各々のウェブ175、180に好ましくは複数の第1開口185が設けられる。この場合、第1開口185は好ましくは溝付き穴として構成されている。これにより、第1金型部分16を縦方向に特に正確な形で位置決めすることが可能になり、従って、第1金型部分16はその縦端部18及びそれに隣接する面190によって縦端部18に配置された更なる金型部分17の更なる端面195に当接する。
第1開口185について、第2締結手段135は好ましくは、ピン140の代わりにねじを有する。また、図10に示すように、例えば、ウェブ180、175に固定されたピン140によって金型部分16、17を取付け板20に接続することも可能である。
ワイヤリングハーネス1010のケーブル束1020は、金型キャビティ45に挿入される。この場合、一例として、ケーブル束1020は第1締結要素200、205によって所定の位置に保持される。第1締結要素200は、ケーブル束1020とは反対に面する側で壁30に支持され、ワイヤリングハーネス1010の外被1030に埋込まれる。
第1締結要素200の更なる詳細は図27乃至30に示される。
図17は、図16に示した金型15を発展させたものの斜視図の詳細を示す。
金型15は、図16に示した金型15と類似の構成である。異なる点として、第1金型部分16は第2係合要素205を有しており、第2金型部分17は、第2金型部分17との第1金型部分16の信頼できる接続を保証するために第2係合要素205に対応するように構成された第2ソケット210を備えている。この場合、第2係合要素205は、第1金型部分16の縦端部18に端面に接して配置される。第2係合要素205は第2ソケット210に係合し、それにより第1金型部分16が第2金型部分17と確実に結合するのを保証する。これによって互いに対する金型部分16、17の信頼できる整列を形成することが可能である。特に、これにより金型キャビティ45は、図17に示すように、第1金型部分16と第2金型部分17との間の移行部を介して直線状に延びて、移行部での漏れが回避されることが保証される。
図18は、第4実施形態による第1金型部分16の斜視図を示す。
この際、第2係合要素205はウェブ175、180の端面に配置される。この場合、一例として、各々好ましくはウェブ175、180に配置された2つの第2係合要素205が、第1金型部分16の端面190に設けられる。この際、第2係合要素205は、xy平面において分断した時に台形横断面を有しており、第2係合要素205は第1金型部分16の端面190から離れる方向で厚くなる。
図19は、図18に示した第1金型部分16と、第1金型部分16に対応するように構成された第2金型部分17とを含む金型15の斜視図を示す。第2金型部分17は、図18における台形構成の第2係合要素205に対応するように構成された第2ソケット210を有している。第2係合要素205は第2ソケット210に係合する。第2係合要素205の台形横断面によって、2つの金型部分16、17はZ方向だけで互いに脱着できる。これによって、2つの端面190、195の間に隙間がまったく形成できず、金型キャビティ45が端面でシールされることが保証され得る。
さらに、第2ソケット210及び第2係合要素205の構成は、金型部分16、17が互いに可逆的に脱着できることを保証する。このようにして、金型システム10は、ワイヤリングハーネス1010の製造のための様々な構成に特に迅速に適応できる。これによって金型システム10の段取り時間を短縮できる。
図20は、図10乃至19に示した金型15を発展させたものにおける壁30の斜視図を示す。
この場合、一例として、壁30は低肉厚で構成されている。例えば、壁30は深絞り加工できる。
第1壁部50は、第1壁領域215及び第2壁領域220を有する。一例として、第1壁領域215及び第2壁領域220は縦方向で互いに隣接する。第2壁部55は好ましくは、対称面86に関して第1壁部50と対称に構成されており、第3壁領域225及び第4壁領域230を有する。第4壁領域230は好ましくは、横方向(x方向)で第2壁領域220に対向して配置されており、第3壁領域225は好ましくは、横方向で第1壁領域215に対向して配置されている。第1壁領域215及び第3壁領域225は好ましくは平行に延びる。第2及び第4壁領域220、230は一例として、弧状構成である。
第2壁領域220は、第2壁部55に対してセットバックして配置されている。例えば、第4壁領域230は第2壁領域220に対してセットバックして配置されており、それにより金型キャビティ45が第2壁領域220と第4壁領域230との間で拡幅部235を有するようになっている。拡幅部235は第2隆起部1120を形成するために使用できる。また、壁領域215、220、225、230の少なくとも1つが異なる幾何学的構成を有することも考えられる。
図21は、図20に示した構成の変更例における壁30の斜視図を示す。異なる点として、第2及び第4壁領域220、230は、図20よりも縦方向(y方向)に長い構成である。この場合、第2壁領域220及び第4壁領域230は溝付き穴の形態で拡幅部235を形成している。
さらに、壁30は、縦方向に第2及び第4壁領域220、230の高さで壁底部60に第2開口240を有する。一例として、第2開口240は、矩形構成であり、壁底部60に貫通穴として構成されている。この場合、第2開口240は第2締結要素400(図示せず)を収容するように構成される。第2締結要素400の更なる詳細は図31及び32に示されている。第2開口240はまた、壁領域50、55にも配置できる。
また、第2開口240は、金型15でのワイヤリングハーネス1010の製造後、ワイヤリングハーネス1010を下方から金型15から押出すために(図21において破線で図示した)エジェクタ245に対応するように構成することも可能である。これによって、外被1040がエジェクタ245によって圧縮荷重だけを受けて引張荷重を実質的に受けないことから、ワイヤリングハーネス1010への、特に外被1040への損傷を回避することが可能である。エジェクタ245は、外被1040に直接当てるか、又は第2締結要素400に適用できる。ワイヤリングハーネス1010の製造中、いずれの第2締結要素400も第2開口240に挿入されない場合、金型キャビティ45は第2開口によって底部に向けて開放している。
図22は、別の実施形態における金型15の斜視図を示す。壁30は、図20及び21に示した壁30と類似の構成である。異なる点として、壁30は、共通領域241において互いに通じている複数の金型キャビティ45を区切っている。この際、図22に示した幾何学的構成は例示的である。壁30はいずれかの他の形で構成可能である。共通領域への金型キャビティ45の開口により、ワイヤリングハーネス1010の個々のケーブル束1020及び/又はケーブル1025を金型15において単純な様態で分岐又は結合することが可能になる。
図23は、別の実施形態における金型15の縦断面図を示す。金型15は、図9A乃至22に示した金型15と類似の構成である。壁底面63及び/又は壁部55、60は、第1壁面部250、第2壁面部255及び壁面移行部260を有する。壁面移行部260は、縦方向で第1壁面部250と第2壁面部255との間に配置されている。この場合、第1壁面部250は第2壁面部255よりも低位に配置されている。この場合、第1壁面部250及び第2壁面部255は各々、互いに対してずらして配置された平面において、好ましくは平行に延びるように配置される。壁面移行部260は、第1壁面部250及び第2壁面部255に対して傾斜して配置される。壁面移行部260の傾斜が角度α2を有する場合、それは有利であり、角度α2は、45°未満である、特に30°未満、特に20°未満、特に15°未満、特に10°未満である値を有する。壁面部250、255及び壁面移行部260により、ワイヤリングハーネス1010の外被部1400、1405及び移行部1410を形成することが可能になる。
図24は、別の実施形態における金型15の斜視図を示す。
金型15は、図9A乃至23に示した金型15と類似の構成である。異なる点として、壁面61、62は、図6に示したワイヤリングハーネス1010の輪郭の形状1500に対応するように波状様態で構成されている。
図25は、別の実施形態における金型15の斜視図を示す。金型15は、図24に示した金型15と類似の構成であり、壁面61、62は、図7に示したワイヤリングハーネス1010の輪郭の形状1500に対応するように波状様態で構成されている。
図26は、別の実施形態における金型の斜視図を示す。
金型15は、図24及び図25に示した金型15と類似の構成であり、壁面61、62は、図8に示したワイヤリングハーネス1010の輪郭の形状1500に対応するようにリブ形様態で構成されている。
図27は、第1実施形態による第1締結要素200の斜視図を示す。
第1締結要素200は、締結プレート300、第1締結ブラケット305及び第2締結ブラケット310を有する。第1締結ブラケット305及び第2締結ブラケット310は、締結プレート300において縦方向で互いに離間して配置されている。この実施形態において、締結プレート300は一例として平坦構成である。締結プレート300は湾曲形状であることも可能である。締結プレート300は、締結ブラケット305、310とは反対に面する外側面315によって壁面61、62及び/又は壁底面63に静止する。締結ブラケット305、310は、好ましくは関係する壁面61、62にそれぞれ静止する、少なくとも1つの横方向に配置された支承面311、312を有する。
第1締結ブラケット305は第3開口320を有する。第2締結ブラケット310は第4開口325を有する。第3及び/又は第4開口320、325は、ケーブル束1020、又はケーブル束1020の一つ以上のケーブル1025に対応するように構成されている。第3及び/又は第4開口320、325は好ましくは円形構成であってよい。他の横断面もまた考えられる。この場合、第3及び第4開口320、325は縦方向で互いに対向して配置される。
第1締結ブラケット305は第1挿入開口部330を有しており、第2締結ブラケット310は第2挿入開口部335を有する。第1挿入開口部330は第3開口320に通じている。第2挿入開口部335は第4開口325に通じている。この場合、挿入開口部330、335は、横方向(X方向)でそれぞれ締結ブラケット305、310の反対側に配置される。この際、挿入開口部330、335は好ましくは90°の円弧部分を含み得る。第1締結要素200による金型キャビティ45におけるケーブル束1020の、及び/又はケーブル束1020の1本以上のケーブル1025の安定した固定及び位置決めは、これによって保証される。
図28は、第2実施形態による第1締結要素200の斜視図を示す。
第1締結要素200は、図27に示した第1締結要素200の実施形態と類似の構成である。異なる点として、締結ブラケット305、310は好ましくはフック形式構成である。第1締結ブラケット305は、第1ブラケット部340及び第2ブラケット部345を有する。この場合、一例として、第1ブラケット部340は締結プレート300に対し垂直に形成されている。第2ブラケット部345は、第1ブラケット部340に対し垂直に向いており、一例として、締結プレート300に平行である。第2締結ブラケット310は好ましくは、第1締結ブラケット305と同一の構成である。異なる点として、第2締結ブラケット310は、縦方向(y方向)で第1締結ブラケット305に関してずらして配置されている。この場合、第2締結ブラケット310の第2ブラケット部345は、第1締結ブラケット305の第2ブラケット部345の方向(x方向)に延びており、好ましくは第1締結ブラケット305と平行に配置されている。
また、図28に示すように、第2ブラケット部345の自由端部349に隣接して、第2ブラケット部345を締結プレート300に面する側でくさび形構成とすることも可能である。
図29は、第3実施形態による第1締結要素200の斜視図を示す。
第1締結要素200は、図28に示した第1締結要素200と類似の構成である。異なる点として、第1及び/又は第2締結ブラケット305、310の第2ブラケット部345は、締結プレート300に対して傾斜して配置される。この場合、第2ブラケット部345は、締結プレート300の方向に斜め下方に延びている。その結果、第1ブラケット部340と第2ブラケット部345との間の角度は90°よりも小さい。さらに、支持部350が第1ブラケット部340と締結プレート300との間に設けられている。この場合、支持部350は第2ブラケット部345に面する側に、好ましくはケーブル束1020及び/又はケーブル束の一つ以上のケーブル1025に対応するように構成された、例えば丸形である、支持面355を有する。これによってケーブル束1020は、締結ブラケット305、310によって金型キャビティ45に特に良好に固定できる。
図30は、第4実施形態による第1締結要素200の斜視図を示す。
第1締結要素200は、図28に示した第1締結要素200と類似の構成である。異なる点として、第1締結ブラケット305及び第2締結ブラケット310は、縦方向(y方向)で同じ高さに配置される。さらに、第1締結ブラケット305の第2ブラケット部345は、第2締結ブラケット310の第2ブラケット部345の方向に先細りになっている。この際、先細りは好ましくは、第2ブラケット部345がくさび形設計であるように構成される。第2締結ブラケット310の第2ブラケット部345は、第1締結ブラケット305の第2ブラケット部345と類似の構成であり、第2締結ブラケット310の第2ブラケット部345の方向に先細りにされている。第1締結ブラケット305の第2ブラケット部345と第2締結ブラケット310の第2ブラケット部345との間に、第2隙間360が配置されている。第2隙間360によって、ケーブル束1020又はケーブル束1020の個々のケーブル1025を挿入でき、その結果、ケーブル束1020のケーブル1025は締結ブラケット305、310によって包囲される。これにより、ケーブル束1020を金型キャビティ45において所定の位置に位置決めすることが可能になる。
図31は、第2締結要素400の斜視図を示す。
第2締結要素400は、支持プレート405、第1係合部410及び第2係合部415を備える。一例として、第1係合部410は図31において支持プレート405の上側に配置されている。第2係合部415は支持プレート405の下側に配置されている。支持プレート405は、その境界縁端420の方向に外方へ先細りになるように構成されている。第1係合部410は、ファーツリー形構成であり、支持プレート405に対し斜めに延びるとともに、好ましくは第1係合部410の全面に配置されている、少なくとも1枚の係合プレート425を有する。この場合、係合プレート425はワイヤリングハーネス1010の外被1030に埋込まれる。ファーツリー形構成により、外被1030による第2締結要素400へのワイヤリングハーネス1010の特に良好な固定を達成することが可能になる。
第2係合部415は好ましくは外側にリブ形構造430を有する。この場合、第2係合部415は、自動車の車両構成部品1000の構造1005の開口部1115に係合するように構成されている。これによりワイヤリングハーネス1010を構造1005に特に良好に固定することが可能になる。
この際、第2開口240(図21参照)が第2係合部415に対応するように構成されており、支持プレート405が上面において第2開口240よりも大きい構成である場合、特に有利である。その結果、支持プレート405は、シーリング要素の働きをすると同時に、例えば、底部で金型キャビティ45を区切る。さらに、ワイヤリングハーネス1010の外被1030における段は、支持プレート405が外部の方向に先細りになることによって低減される。
図32は、第2実施形態による第2締結要素400の斜視図を示す。この際、第2締結要素400は、図29に示した第1締結要素200と図31に示した第2締結要素400との組合せである。この場合、第1締結要素200の締結プレート300は、第2締結要素400の支持プレート405と一体であり物質的に単一構成である。一例として、第1係合部410は省かれている。さらに、一例として、2つの第1締結要素200は支持プレート405に配置されている。金型キャビティ45におけるケーブル束1020及び/又は少なくとも1本のケーブル1025の位置決めは、第1締結要素200によって保証され得る。同時に、ワイヤリングハーネス1010は、ワイヤリングハーネス1010の製造後、第2係合部415によって構造1005に確実に固定できる。同時に、支持プレート405は好ましくは、ワイヤリングハーネス1010の外被1030との材料接合部に入る。
図33は、ワイヤリングハーネス1010を製造するための方法の流れ図を示す。図34は第3方法ステップの間の金型システム10の平面図を示し、図35は図34に示した断面平面D−Dに沿った断面図を示す。
金型システム10は第1方法ステップ3000で供給される。この際、金型15の加熱は省かれており、従って金型15は実質的に室温である。また、金型キャビティ45への、特に壁面61、62及び/又は壁底面63への、離型剤の導入も省かれている。それによってケーブル1025が離型剤と接触する状況を回避することが可能であり、導入される外被1030がケーブル1025に付着し得ない。
任意選択である第2方法ステップ3005において、第1締結要素200及び/又は第2締結要素400は金型キャビティ45に導入される。このプロセスの間に、支持プレート405が壁底面63又は壁面61、62に静止するまで、第2係合部415は第2開口240に挿入される。第1締結要素200は、それが上部で金型15から突出しないように、及び/又は支承面311、312によって壁面61、62に静止するか、又は好ましくは下側で壁底面63に着座するようにして、挿入される。
第3方法ステップ3010において、ケーブル束1020の個々のケーブル1025が挿入される。このプロセスの間に、第1保持要素65及び第2保持要素70は、保持要素65、70の間に挿入開口部1610が形成されるようにして、手段1600によって第1領域1605において閉鎖位置から可逆的に変形される。例えば、第1及び第2保持要素65、70は、金型キャビティ45内に曲げ入れられるか、金型キャビティ45から離れる方向に曲げられる。一例として、挿入開口部は、手段1600によって縦方向に、且つ第1及び第2保持要素65、70によって横方向に区切られる。手段1600は、機械的工具及び/又は人間の手指及び/又は挿入されるケーブル1025であってよい。一例として、手段1600の部分が上部で金型キャビティ45内に突出する。
縦方向に両側で第1領域1605に隣接する第2領域1615において、保持要素65、70は閉鎖位置にある。加えて、第1及び/又は第2締結要素200、400は任意選択で、ケーブル束1020の更なるケーブル1025に対するケーブル束1020の所定のケーブル1025の所定の位置を保証する。第1及び/又は第2締結要素200、400はまた、ケーブル束1020を金型キャビティにおいてその位置に位置決めし固定できる。特に、ワイヤリングハーネス1010におけるケーブル束1020の加熱は、ケーブル束1020における1本以上のケーブル1025の所定の配置によって精確に規定できる。特に、ワイヤリングハーネス1010の過熱はこの場合、回避される。その結果、ワイヤリングハーネス1010の起こり得る自己点火、短絡又はワイヤリングハーネス1010への他の不可逆的な損傷は回避される。
加えて、保持装置40は、ケーブル1025が第2領域1615において金型キャビティ45から滑落するのを防ぐ。挿入開口部1610によって、ケーブル束1020のケーブル1025の少なくとも1本が、手段1600を金型キャビティ45に沿った縦方向に動かし、それと平行に、挿入するケーブル1025を挿入開口部1610により金型キャビティ45内に上方から挿入することによって挿入される。手段1600の移動中、保持要素65、70は手段1600の前で開いて曲がり、挿入開口部1610を形成し、手段1600が通過した後、それらはそれぞれの閉鎖位置に戻り、金型キャビティ45の開口部35を閉じる。
図10乃至15において記載された保持装置40の幾何学的構成によって、ケーブル1025が手動でも自動でも特に迅速に挿入でき、それによりワイヤリングハーネス1010を特に低コストで製造することが可能になる。さらに、保持装置40による金型15へのケーブル1025の挿入は、特に人間工学的であると認められる。
第4方法ステップ3015において、外被1030の材料が、低圧プロセスで開口部35によって上部で金型キャビティ45に導入される。この目的で、保持要素65、70はもう一度、それぞれの閉鎖位置から(例えば、金型キャビティ45内に、又は金型キャビティ45から離れる方向に)可逆的に曲げられて、外被1030の材料を金型キャビティに導入し得る。
このプロセスの間に、第2層1205(図3参照)の形成のための第2材料が好ましくは最初に導入され、その後、第1層1200の第1材料が導入される。第1及び第2材料は両方とも好ましくは、導入中、自由に流動する。材料のプロセス時間中、材料は重力方向に沈降し、その過程でケーブル束1020のケーブル1025を包囲する。第2材料は壁底面63に堆積し、第2層1205が形成される。この際、第2材料がすでに硬化しており、第2材料のプロセス時間が好ましくは経過し終えた時に第1材料を第2材料に適用した場合、特に有利である。
金型15の少なくとも一部が図5に記載の通り構成されている場合、材料を最初に第1壁面部250の上方に導入し、下になる第1壁面部250が充填された後に、第2壁面部255の上方で第2壁面部255に導入する場合、特に有利である。最後に、材料は壁面移行部260の上方に導入される。この手順により、材料が第2壁面部255から壁面移行部260を経て第1壁面部250の方向に流れ落ちるのを防ぐ利点が得られる。
金型キャビティ45への材料の導入の間に、外被1030の材料が、第1壁部50と第2壁部55との間で壁底面63に平行な平面で、波状に変動する様態で適用された場合、特に有利である。これによって、外被1030におけるケーブル束1020のケーブル1025の信頼できる埋込みが保証される。
材料が硬化中に発泡するようにして構成されている場合、保持装置40は付加的に、ケーブル束1020が上部で金型キャビティ45から押出されるのを防ぎ、ケーブル束1020を金型キャビティ45に固定する。これによって外被1030によるケーブル束1020の安全な封入が保証される。この際、第1隙間120により、第1隆起部1036が同時に単純な様態で形成されることが可能になる。この場合、第1隆起部1036は引き続き、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、保持要素65、70の幾何学的構成に対応しているそれぞれの自由端部100、130で形成され得る(図11A及び図12参照)。保持要素65、70がブラシ形式構成である場合、第1隆起部1036が生成されるのは、発泡中、材料が金型キャビティ45からブラシ66、71の下面105、125を押圧し、その結果、ブラシ66、71が(図11Bにおいて破線で象徴的に図示した)金型キャビティ45から離れる方向にわずかに上方へ曲げられることによってである。指示要素1038はブラシ66、71の痕に対応する。隙間120がブラシ66、71の間に配置された場合、外被1030の材料は特に隙間120の中に押し進み、その結果、特に第1隆起部1036はブラシ66、71の横方向のブラシ痕を有する。また、切欠き部1040としての指示要素1038の構成をブラシ66、71によって特に単純な様態で生成することも可能である。
第5方法ステップ3020において、カバー155が金型15に置かれ、カバー155は、金型キャビティ45とは反対に面する側で保持要素65、70が上方に曲がるのを阻止する。これによって、外被1030の、特に第1隆起部1036の特に信頼できる幾何学的構成が、発泡材料を使用した場合でも保証される。
上述した方法ステップ3000、3005、3010、3015、3020に加えて、更なる方法ステップが設けられ得ることに留意されたい。また、方法ステップ3000、3005、3010、3015、3020の一部を省くことも考えられる。
さらに、図9A乃至26に記載された金型15及び/又は金型部分16、17の様々な構成は互いに組合せられ得ることにも留意されたい。また、締結要素200、400の特徴は別様に互いに組合せてもよい。また、図1乃至8に記載されたワイヤリングハーネス1010の特徴は互いに組合せてもよい。
10 金型システム
15 金型
16 第1金型部分
17 第2金型部分
18 縦端部
19 金型部分の下面
20 取付け板
25 取付け板の上面
26 座標系
27 グリッド
30 壁
35 開口部
40 保持装置
45 金型キャビティ
50 第1壁部
55 第2壁部
60 壁底部
61 第1壁面
62 第2壁面
63 壁底面
65 第1保持要素
70 第2保持要素
75 第1接触圧要素
80 第2接触圧要素
85 第1締結手段
86 対称面
90 第1保持要素の第1部分
95 第1保持要素の第2部分
100 第1保持要素の第1自由端部
105 第1保持要素の第1下面
110 第3部分
115 第4部分
120 隙間
125 第2下面
130 第2自由端部
135 第2締結手段
140 ピン(第1係合要素)
141 ピンの自由端部
142 第1ソケット
145 第1凹部
150 シーリング要素
155 カバー
160 第3締結手段
165 壁の上面
170 保持要素の自由端部
175 第1ウェブ
180 第2ウェブ
185 第1開口
190 金型部分の端面
195 更なる金型部分の端面
200 第1締結要素
205 第2係合要素
210 第2ソケット
215 第1壁領域
220 第2壁領域
225 第3壁領域
230 第4壁領域
235 拡幅部
240 第2開口
241 共通領域
245 エジェクタ
250 第1壁面部
255 第2壁面部
260 壁面移行部
300 締結プレート
305 第1締結ブラケット
310 第2締結ブラケット
311 締結ブラケットの支承面
312 締結ブラケットの支承面
315 外側面
320 第3開口
325 第4開口
330 第1挿入開口部
335 第2挿入開口部
340 第1ブラケット部
345 第2ブラケット部
349 第2ブラケット部の自由端部
350 支持部
355 支持面
360 第2隙間
400 第2締結要素
405 支持プレート
410 第1係合部
415 第2係合部
420 境界縁端
425 係合プレート
430 構造
1000 車両構成部品
1005 構造
1006 保持構造
1010 ワイヤリングハーネス
1015 支承面
1020 ケーブル束
1025 ケーブル束のケーブル
1030 外被
1035 外側面
1036 第1隆起部
1037 上面
1038 指示要素
1040 切欠き部
1100 第1空間
1105 第2空間
1110 隔壁
1115 開口部
1120 第2隆起部
1121 隆起部輪郭
1122 開口部輪郭
1200 第1層
1205 第2層
1210 第3層
1215 表面構造
1220 表面
1225 リブ構造
1230 リブ
1235 リブ凹部
1240 リブ凹部の凹部底面
1300 凹部
1305 凹部輪郭
1310 構造の表面
1400 第1外被部
1405 第2外被部
1410 移行部
1415 第1外被部の外側面
1420 第2外被部の外側面
1425 移行面
1500 輪郭形状
1505 第1輪郭形状部
1510 第2輪郭形状部
1600 手段
1605 第1領域
1610 挿入開口部
1615 第2領域
3000 第1方法ステップ
3005 第2方法ステップ
3010 第3方法ステップ
3015 第4方法ステップ
3020 第5方法ステップ
a 距離
b1 第1横長さ
b2 第2横長さ