JP2019183104A - ケイ素含有無機粒子を含む熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

ケイ素含有無機粒子を含む熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ケイ素含有無機粒子を含む熱可塑性樹脂組成物の溶融流動性及び/又は耐久性を向上させる。【解決手段】熱可塑性樹脂とケイ素含有無機粒子とポリシランとを溶融混練して、ケイ素含有無機粒子を含む熱可塑性樹脂組成物を得る。前記ポリシランは、重量平均分子量が100〜10000であってもよく、鎖状ポリシラン(例えば、鎖状ポリアルキルアリールシラン)又は環状ポリシラン(例えば、環状ポリジアリールシラン)であってもよい。前記ケイ素含有無機粒子は、フライアッシュ、珪砂及びガラスビーズからなる群より選択された少なくとも1種であってもよい。前記樹脂組成物は、ケイ素含有無機粒子100重量部に対して、ポリシランを0.1〜15重量部の割合で含んでいてもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、溶融流動性などが改善された熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法、並びにケイ素含有無機粒子を含む熱可塑性樹脂組成物の溶融流動性を向上する方法に関する。
自動車部材を中心にして、高温耐性を有し、より軽量な樹脂複合材のニーズは高い。ポリオレフィン系プラスチックなどの熱可塑性樹脂は、コスト、リサイクル性、多様性などの利点を有しているものの、耐熱性は高くないため、高温耐性を要求される部材としての利用には限界がある。そのため、この改善方法として、無機充填剤(主に繊維)を混合して耐熱性や物性を向上させる方法が試みられているが、通常30質量%程度の添加が限界であったり、繊維配向による異方性発現や成形性低下など課題が多い。また、ケイ素含有無機粒子の添加も検討されており、例えば、石炭火力発電所で副生するフライアッシュ(石炭灰)を有効利用する手法の1つとして、フライアッシュを熱可塑性樹脂の充填材として利用する方法が検討されている。
例えば、特許第3462808号(特許文献1)には、少なくとも一部が不飽和カルボン酸の添加により酸変性された熱可塑性樹脂と石炭灰との混合物である石炭灰混入熱可塑性樹脂材料が記載されている。また、中部電力株式会社、技術開発ニュース2004年9月(110号)p.23〜24「石炭灰プラスチックペレットの実用化」(非特許文献1)には、射出成形用プラスチック原料として、ポリプロピレンと石炭灰と不飽和カルボン酸系添加剤とを二軸押出機にて混練、冷却、切断して得られた石炭灰混合プラスチックペレットが記載されている。しかし、この石炭灰混合プラスチックペレットは、樹脂の流動特性の指標であるMFR(Melt Flow Rate)値が、13.3〜18.3g/10分と記載され、ベース原料であるポリプロピレンのMFR値29.1g/10分に対し、著しく低下する。そのため、成形性(溶融流動性)に課題がある。
また、2005年石炭灰有効利用シンポジウム、講演IX「フライアッシュによるポリカーボネート樹脂の難燃化」(非特許文献2)には、ポリカーボネートにフライアッシュを30%添加すると、スパイラルフロー試験にて、成形性(溶融流動性)が低下すること;フライアッシュを30%含むポリカーボネートに、さらに高流動化剤を添加すると、成形性が改善することが記載されている。しかし、高流動化剤についての詳細は記載されていない。
特許第3462808号(特許請求の範囲、実施例)
中部電力株式会社、技術開発ニュース2004年9月(110号)p.23〜24「石炭灰プラスチックペレットの実用化」(第2表) 2005年石炭灰有効利用シンポジウム、講演IX「フライアッシュによるポリカーボネート樹脂の難燃化」(p.18)
従って、本発明の目的は、フライアッシュや珪砂などのケイ素含有無機粒子を含んでいても、溶融流動性(又は成形性)及び/又は耐久性(耐熱耐久性)の高い熱可塑性樹脂組成物、及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、ケイ素含有無機粒子を含む熱可塑性樹脂組成物の溶融流動性(又は成形性)、及び/又は耐久性(耐熱耐久性)を簡便に向上させる方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、機械強度を維持しつつ、柔軟性が向上したケイ素含有無機粒子を含む熱可塑性樹脂組成物、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂とケイ素含有無機粒子とを含む樹脂組成物にポリシランを添加して溶融混練すると、ケイ素含有無機粒子を含んでいても、熱可塑性樹脂組成物の機械強度を維持したまま、溶融流動性及び耐熱耐久性が大きく向上すること、及び引張破壊呼びひずみが向上することを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂とケイ素含有無機粒子とポリシランとを含む(以下、単に樹脂組成物と称する場合がある)。前記ポリシランは、鎖状及び/又は環状構造を有していてもよく、鎖状ポリアルキルアリールシラン及び/又は環状ポリジアリールシラン、例えば、鎖状ポリC1−6アルキルC6−10アリールシランを含んでいてもよい。前記ポリシランの重量平均分子量は、100〜10000程度であってもよい。前記熱可塑性樹脂は、オレフィン系樹脂を含んでいてもよい。前記ケイ素含有無機粒子は、二酸化ケイ素SiOを含んでいてもよい。前記ケイ素含有無機粒子は、フライアッシュ、珪砂及びガラスビーズからなる群より選択された少なくとも1種であってもよい。前記ケイ素含有無機粒子の形状は等方形状であってもよい。前記樹脂組成物は、前記熱可塑性樹脂100重量部に対して、ケイ素含有無機粒子を10〜1000重量部程度の割合で含んでいてもよく、ケイ素含有無機粒子100重量部に対して、ポリシランを0.1〜15重量部程度の割合で含んでいてもよい。本発明は、前記樹脂組成物の製造方法も包含する。前記樹脂組成物は、熱可塑性樹脂とケイ素含有無機粒子とポリシランとを溶融混練して製造してもよい。さらに、本発明は、熱可塑性樹脂とケイ素含有無機粒子とポリシランとを溶融混練して、ケイ素含有無機粒子を含む熱可塑性樹脂組成物の溶融流動性(成形性)、及び耐久性(耐熱耐久性)のうち少なくとも1つの特性を向上させる方法も包含する。
本発明では、熱可塑性樹脂とケイ素含有無機粒子とを含む樹脂組成物にポリシランを添加するため、ケイ素含有無機粒子を含んでいても、溶融流動性又は成形性(成形加工性)及び/又は耐久性(耐熱耐久性)を大きく改善できる。また、添加するポリシラン量が少量であっても溶融流動性を向上できるため、機械強度を維持できる。さらに本発明は、熱可塑性樹脂組成物の引張破壊呼びひずみや引張破断伸びなどの柔軟性を向上させることもできる。
[ケイ素含有無機粒子を含む熱可塑性樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂とケイ素含有無機粒子とポリシランとを含む。
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂としては、特に制限されず、例えば、オレフィン系樹脂(ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂などのポリα―C2−6オレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂などの環状オレフィン系樹脂など);変性オレフィン系樹脂(塩素化ポリエチレンなどのハロゲン化オレフィン系樹脂、架橋ポリプロピレンなどの架橋オレフィン系樹脂、無水マレイン酸グラフトポリエチレンなどのグラフト共重合体、エチレンー酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンービニルアルコール共重合体などの共重合体など);塩化ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂など);酢酸ビニル系樹脂(ポリ酢酸ビニル又はその誘導体(ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールなど)など);スチレン系樹脂(ポリスチレン;アクリロニトリルースチレン共重合体(AS樹脂)などのスチレン系共重合体、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリルーブタジエンースチレン共重合体などのゴム強化ポリスチレン系樹脂など);(メタ)アクリル系樹脂;ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのC2−4アルキレンC6−12アリレート単位を有するホモ又は共重合ポリエステル、ポリ(1,4−シクロヘキシルジメチレンテレフタレート)などのC5−10シクロアルキレンジC1−4アルキレンC6−12アリレート、ポリフェニレンアリレートなどの全芳香族系ポリエステル(ポリアリレート)など);ポリカーボネート系樹脂(ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂など);ポリアミド系樹脂(ポリアミド6、ポリアミド6−6などの脂肪族ポリアミド、シクロアルカンジカルボン酸とジアミンとなどで形成された脂環族ポリアミド、MXD−6、テレフタル酸とトリメチルヘキサメチレンジアミンとなどで形成された芳香族ポリアミドなど);ポリエーテル系樹脂(ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂など);ポリフェニレンスルフィド系樹脂;ポリスルホン系樹脂(ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂など);ポリアセタール系樹脂;フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレンなど);液晶プラスチック(液晶ポリエステルなど);熱可塑性エラストマー(オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、フッ素系エラストマーなど)などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
好ましい熱可塑性樹脂は、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂又はポリアミド系樹脂、さらに好ましくはオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂)、特にポリプロピレン系樹脂であってもよい。ポリシランがオレフィン系樹脂との相溶性が高いためか、オレフィン系樹脂を含む熱可塑性樹脂では、樹脂組成物の溶融流動性向上(改善)効果が大きいようである。また、ポリシランの添加により、耐久性(耐熱耐久性)を大きく改善できる。
ポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、メタロセン触媒により得られる直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−C3−6アルケン共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体など)などのエチレン単位を有する単独又は共重合体が挙げられる。ポリエチレン系樹脂のエチレン単位の割合(エチレン含量)は、ポリエチレン系樹脂の総量に対して、70モル%以上であればよく、例えば、75〜100モル%、好ましくは80〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%であってもよい。
ポリプロピレン系樹脂としては、アイソタクチックポリプロピレン(N−Z触媒系又はメタロセン触媒系)、シンジオタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−C4−6アルケン共重合体(例えば、プロピレン−ブテン共重合体など)などのプロピレン単位を有する単独又は共重合体が挙げられる。ポリプロピレン系樹脂のプロピレン単位の割合(プロピレン含量)は、ポリプロピレン系樹脂の総量に対して、70モル%以上であればよく、例えば、75〜100モル%、好ましくは80〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%であってもよい。
なお、共重合体構造は、特に制限されず、例えば、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれかの構造であってもよい。
熱可塑性樹脂(特にポリプロピレン系樹脂などのオレフィン系樹脂)の分子量は、特に制限されず、重量平均分子量(単位:×10)は、例えば、0.1〜100、好ましくは1〜80、さらに好ましくは2〜70程度であってもよく、分散度(Mw/Mn)は、例えば、1〜5、好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2、特に1〜1.5であってもよい。なお、樹脂の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、GPC(Gel Permeation Chromatography、ゲル浸透クロマトグラフィー)によりポリスチレン換算で測定できる。
熱可塑性樹脂(特に、ポリプロピレン系樹脂などのオレフィン系樹脂)のメルトフローレート(MFR)は、JIS K 7210に準拠した方法(例えば、試験温度:230℃、試験荷重:2.16kg)で、例えば1〜100g/10分、好ましくは5〜80g/10分、さらに好ましくは10〜50g/10分(特に20〜40g/10分)程度である。熱可塑性樹脂のMFRが低すぎると、耐熱性が低下する虞があり、逆に高すぎると、成形性が低下する虞がある。
(ケイ素含有無機粒子)
ケイ素含有無機粒子は、ケイ素を含む無機粒子であれば特に限定されず、例えば、酸化ケイ素、ケイ酸塩、窒化ケイ素、炭化ケイ素などを含む無機粒子であってもよいが、ポリシランによる効果が発現し易い点から、SiO(二酸化ケイ素)を含む無機粒子が好ましく、SiOを主成分として含む無機粒子が特に好ましい。
SiOを含む無機粒子としては、例えば、マイクロシリカ(珪石粉末)、シリカフューム、珪砂(石英砂)、フライアッシュ、ガラスビーズ、スラグ粉末、シリカセメント、珪藻土などが挙げられる。これらの無機粒子は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、SiOの含量が高く、入手容易な点から、珪砂、フライアッシュ、ガラスビーズが好ましい。
珪砂は、特に制限されず、熱可塑性樹脂の充填材として使用できればよく、例えば、JIS Z 8901の試験用粉体1〜3種のいずれかを含んでいてもよい。珪砂は、天然珪砂であってもよいが、粒径や形状を調整し易い点から、人造珪砂が好ましい。
珪砂の組成は、SiOを主成分として含んでいればよく、他の成分として、例えば、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化カリウム、酸化ナトリウムなどの金属酸化物などを含んでいてもよい。SiOの含量は、珪砂総量に対して70重量%以上であってもよく、例えば80重量%以上、好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上(特に98重量%以上)であってもよい。なお、SiOの含量は、溶解質量分析又は蛍光X線分析によって測定できる。珪砂は主成分としてSiOを含んでいるため、珪砂とポリシランとの親和性が良好であり、充填物の添加による樹脂組成物の溶融流動性低下を抑制できる。
フライアッシュ(石炭灰)も、特に制限されず、熱可塑性樹脂の充填材として使用できればよく、例えば、JIS A 6201のフライアッシュI〜IV種のいずれかを含んでいてもよい。
フライアッシュの組成は、少なくともSiO(二酸化ケイ素)を含んでいればよく、例えば、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カリウム、酸化ナトリウムなどの金属酸化物、酸化硫黄、酸化リン、未燃カーボン、水溶性物質などを含んでいてもよい。SiOの含量は、フライアッシュ総量に対して45重量%以上であってもよく、例えば、45〜80重量%、好ましくは45〜70重量%、さらに好ましくは50〜60重量%程度であってもよい。なお、SiOの含量は、溶解質量分析又は蛍光X線分析によって測定できる。フライアッシュが少なくともSiOを含んでいると、フライアッシュとポリシランとの親和性が良好となり、樹脂組成物の溶融流動性が向上しやすくなる。
フライアッシュは、アルカリ性であってもよく、例えば、pH9以上(例えば、pH10以上)であってもよい。フライアッシュのpHは、水100重量部に対してフライアッシュ10重量部を混合した混合物のpHを、pHメーターで測定することなどにより測定できる。
フライアッシュは、石炭火力発電所などで大量に副生するため、有効利用することにより産業的な有用性も大きい。
ガラスビーズも、熱可塑性樹脂の充填材として使用できればよく、例えば、JIS Z 8901のソーダライムシリケートガラスの粒子径分布から選択してもよい。
ガラスビーズの組成は、SiOを含んでいればよく、例えば、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カリウム、酸化ナトリウムなどの金属酸化物、酸化ホウ素などを含んでいてもよい。SiOの含量は、ガラスビーズ総量に対して10重量%以上であってもよく、例えば、30〜90重量%、好ましくは50〜85重量%、さらに好ましくは60〜80重量%(特に70〜75重量%)程度であってもよい。なお、SiOの含量は、溶解質量分析又は蛍光X線分析によって測定できる。ガラスビーズが少なくともSiOを含んでいると、ガラスビーズとポリシランとの親和性が良好となり、充填物の添加による樹脂組成物の溶融流動性低下を抑制できる。
ガラスビーズを構成するガラスとしては、例えば、ソーダガラス(ソーダ石灰ガラス又はソーダライムシリケートガラス)、クラウンガラス、バリウム含有ガラス、ストロンチウム含有ガラス、ホウ素含有ガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラス、結晶化透明ガラス、シリカガラス、石英ガラス、耐熱ガラスなどが挙げられる。これらのガラスは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、ソーダガラス、シリカガラス、石英ガラスが好ましく、ソーダガラスが汎用される。
ケイ素含有無機粒子(特に、珪砂、フライアッシュ又はガラスビーズ)の形状は、例えば、球状、楕円形状、多角体状、扁平状、不定形状などであってもよく、通常、球状であってもよい。ケイ素含有無機粒子の形状は、異方形状であってもよいが、機械的特性および成形性などの点から、球状などの等方形状が好ましい。
ケイ素含有無機粒子(特に、珪砂、フライアッシュ又はガラスビーズ)の平均粒径は(質量基準)、特に制限されず、例えば0.01〜100μm(例えば、0.1〜90μm)、好ましくは1〜80μm(例えば、5〜70μm)、さらに好ましくは10〜60μm(例えば、20〜50μm)であってもよい。高度な柔軟性や伸長性が要求される用途では、ケイ素含有無機粒子の平均粒径は、例えば、0.1〜50μm、好ましくは1〜30μm、さらに好ましくは2〜20μm(特に3〜10μm)であってもよい。平均粒径は、レーザ回折・散乱法などにより測定できる。
本発明では、ケイ素含有無機粒子(特に、珪砂、フライアッシュ又はガラスビーズ)の含量が多くても、樹脂組成物の溶融流動性を改善できる。ケイ素含有無機粒子の重量割合は、熱可塑性樹脂(特にポリプロピレン系樹脂などのオレフィン系樹脂)100重量部に対して、例えば、10〜1000重量部(例えば、15〜800重量部)、好ましくは20〜600重量部(例えば、25〜500重量部)、さらに好ましくは30〜300重量部(例えば、30〜200重量部)程度であってもよく、特に35〜150重量部(例えば、35〜125重量部)程度であってもよい。高度な溶融流動性及び機械的強度が要求される用途では、ケイ素含有無機粒子の重量割合は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、例えば、10〜100重量部、好ましくは20〜80重量部、さらに好ましくは30〜50重量部程度である。高度な剛性及び耐熱性が要求される用途では、ケイ素含有無機粒子の重量割合は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、例えば、30〜200重量部、好ましくは50〜150重量部、さらに好ましくは80〜120重量部程度である。
(ポリシラン)
ポリシランは、特に限定されず、Si−Si結合を有する鎖状(線状)、環状、分岐鎖状又は網目状のケイ素原子からなる同核高分子であればよく、下記式(1)又は(2)で表される構造単位のうち少なくとも1つの構造単位を有する場合が多い。
Figure 2019183104
(式中、R〜Rは、同一又は相異なって、有機基、水素原子、ヒドロキシル基、シリル基を示す)。
前記式(1)及び(2)において、R〜Rで表される有機基としては、炭化水素基及びこれらの炭化水素基に対応するエーテル基などが挙げられる。炭化水素基としては、例えば、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、2−プロピル基(イソプロピル基)、n−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、へキシル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−12アルキル基など);シクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基などのC5−12シクロアルキル基など);アルケニル基(アリル基、ブテニル基、ペンテニル基などのC2−12アルケニル基など);シクロアルケニル基(シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などのC5−12シクロアルケニル基など);アリール基(フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などのC6−14アリール基など);アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基などのC6−10アリールC1−4アルキル基など)などが挙げられる。これらの炭化水素基のうち、特にアルキル基、アリール基が好ましい。
これらの炭化水素基に対応するエーテル基としては、例えば、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基などのC1−12アルコキシ基など);シクロアルキルオキシ基(シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などのC5−12シクロアルキルオキシ基など);アリールオキシ基(フェノキシ基、ナフチルオキシ基などのC6−14アリールオキシ基など)などが挙げられる。
好ましい有機基としては炭化水素基、さらに好ましくはアルキル基、アリール基、特にC1−6アルキル基、C6−10アリール基が好ましい。
シリル基としては、例えば、シリル基、シジラニル基、トリシラニル基、テトラシラニル基などが挙げられる。
これらのうち、R〜Rは、通常、アルキル基、アリール基であってもよい。アルキル基は、例えば、C1−6アルキル基、好ましくはC1−4アルキル基、さらに好ましくはC1−2アルキル基、通常、メチル基であってもよい。アリール基は、好ましくはC6−14アリール基、さらに好ましくはC6−10アリール基、特にフェニル基が好ましい。
とRとの組み合わせとしては、少なくともアルキル基又はアリール基のいずれかを含んでいればよく、RとRは同一であってもよく、異なっていてもよい。RとRの組み合わせは、好ましくはアルキル基とアリール基との組み合わせ、さらに好ましくはC1−2アルキル基とC6−10アリール基との組み合わせ、特にメチル基とフェニル基との組み合わせが好ましい。
具体的なポリシランとしては、前記式(1)で表される構造単位を有する直鎖状又は環状ポリシラン、前記式(2)で表される構造単位を有する分岐鎖状又は網目状ポリシラン、前記式(1)及び(2)で表される構造単位を組み合わせて有するポリシランなどが挙げられる。これらのポリシランは単独で又は2種以上組み合わせてもよい。なお、分岐鎖状又は網目状ポリシランは、下記式(3)で表される構造単位をさらに含んでいてもよい。
Figure 2019183104
好ましいポリシランとしては、前記式(1)で表される構造単位を有する直鎖状又は環状ポリシランが挙げられ、好ましくはポリジアルキルシラン、ポリアルキルアリールシラン、ポリジアリールシラン、これらのポリシラン共重合体、さらに好ましくは直鎖状ポリアルキルアリールシラン、環状ポリジアリールシラン(例えば、環状ポリジフェニルシラン)、特に直鎖状ポリC1−2アルキルC6−10アリールシラン(例えば、ポリメチルフェニルシラン)が好ましい。
ポリシランの末端構造は、特に制限されず、例えば、上述と同様の有機基(例えば、アルキル基、アルコキシ基など)、水素原子、ヒドロキシル基、シリル基などが挙げられ、通常、水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シリル基であってもよい。
ポリシランの分子量について、重量平均分子量は、例えば、100〜10000、好ましくは300〜5000、さらに好ましくは500〜3000程度;数平均分子量は、例えば、100〜10000、好ましくは300〜5000、さらに好ましくは500〜3000程度であってもよく、分散度(M/M)は、例えば、1〜5、好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2、特に1〜1.5であってもよい。なお、樹脂の重量平均分子量(M)及び数平均分子量(M)は、GPCによりポリスチレン換算で測定できる。ポリシランが低分子量(例えば、重量平均分子量が3000以下)であると、熱可塑性樹脂の粘度が低下しやすくなるためか、樹脂組成物の溶融流動性を向上させる効果が大きくなる。また、オレフィン系樹脂との相溶性の観点からも、ポリシランは低分子量であることが好ましいようである。
ポリシランの重合度は、特に制限されず、例えば、重合度2〜25、好ましくは2〜15、さらに好ましくは3〜10程度であってもよい。
本発明では、ポリシランの含量が少なくても、樹脂組成物の溶融流動性を改善でき、ポリシランの重量割合は、ケイ素含有無機粒子(特に、珪砂、フライアッシュ及びガラスビーズからなる群より選択された1種、又は2種以上の場合は総量)100重量部に対して、例えば、0.1〜15重量部(例えば、0.5〜12重量部)、好ましくは1〜10重量部(例えば、1.5〜8重量部)、さらに好ましくは2〜5重量部(例えば、2.5〜4.5重量部)程度であってもよい。また、ポリシランの重量割合は、熱可塑性樹脂(特にポリプロピレン系樹脂などのオレフィン系樹脂)100重量部に対して、例えば、0.1〜15重量部(例えば、0.3〜10重量部)、好ましくは0.5〜6重量部(例えば、0.8〜4重量部)、さらに好ましくは1〜2重量部(例えば、1.1〜1.7重量部)程度であってもよい。
高度な剛性及び耐熱性が要求される用途では、ポリシランの重量割合は、ケイ素含有無機粒子100重量部に対して、例えば、0.5〜10重量部、好ましくは1〜5重量部、さらに好ましくは1.5〜3重量部程度であってもよい。また、ポリシランの重量割合は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、例えば、0.5〜10重量部、好ましくは1〜5重量部、さらに好ましくは1.5〜3重量部程度であってもよい。
これらポリシランの製造方法は特に限定されず、例えば、マグネシウム還元法などの慣用の方法例えば、特開2011−208054号公報などを参照して得ることができる。
(その他の配合成分)
樹脂組成物は、必要に応じて、各種添加剤(配合剤)を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、難燃剤、安定剤(熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、着色剤(顔料など)、帯電防止剤、滑剤、加工助剤、抗菌剤、防カビ剤、強化材、ケイ素含有無機粒子を除く充填材などが挙げられる。これらの添加剤は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。これら添加剤の添加量は、添加剤の種類に応じて選択でき、添加剤の総量は、熱可塑性樹脂(特にポリプロピレン系樹脂などのオレフィン系樹脂)100重量部に対して、0.001〜100重量部の範囲から選択でき、例えば、100重量部以下(例えば、0.01〜80重量部)、好ましくは70重量部以下(例えば、0.1〜60重量部)、さらに好ましくは50重量部以下(例えば、0.1〜40重量部程度)であってもよい。
[ケイ素含有無機粒子含有熱可塑性樹脂組成物の製造方法]
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂とケイ素含有無機粒子(特に、珪砂、フライアッシュ及びガラスビーズからなる群より選択された少なくとも1種)とポリシランとを溶融混練することにより製造できる。
溶融混練方法は、特に制限されず、熱可塑性樹脂が溶融した状態でポリシランとケイ素含有無機粒子と混練(又は混合)できればよく、通常、略均一に混練(又は混合)される。溶融混練は、慣用の方法(押出機、ロール混練など)で行ってもよい。
熱可塑性樹脂、ケイ素含有無機粒子及びポリシランの形態は特に制限されず、例えば、粉粒状であってもよく、ペレット状であってもよい。また、溶融混練において、熱可塑性樹脂、ケイ素含有無機粒子及びポリシランを添加する順序は特に制限されず、例えば、熱可塑性樹脂と、ケイ素含有無機粒子及びポリシランの少なくとも一方とを含む混合物又はペレットに、粉粒状又はペレット状の他方を添加して、溶融混練してもよい。また、予め、ケイ素含有無機粒子をポリシランで処理し、又はケイ素含有無機粒子とポリシランとを混合し、さらに熱可塑性樹脂を添加した後に溶融混練してもよい。
本発明の樹脂組成物は、ケイ素含有無機粒子を含んでいても、高い溶融流動性を有している。本発明の樹脂組成物の溶融流動性は、ベース樹脂としての熱可塑性樹脂単独の溶融流動性(例えば、メルトフローレート(MFR))を100とするとき、例えば、80以上(例えば、85〜150)、好ましくは90以上(例えば、93〜130)、さらに好ましくは95以上(例えば、97〜110程度)であってもよく、ベースとなる熱可塑性樹脂と同等の溶融流動性を有することが好ましい。このような樹脂組成物は、成形性(又は成形加工性)が高く、成形体(成形品)を効率よく製造できる。樹脂組成物のMFRは、実施例に記載の方法で測定できる(単位:g/10分)。
熱可塑性樹脂とケイ素含有無機粒子とポリシランとを溶融混練すると、ポリシランは、熱可塑性樹脂とケイ素含有無機粒子との界面に存在して、ケイ素含有無機粒子の相溶化剤及び/又はケイ素含有無機粒子表面の改質剤として作用するためか、樹脂組成物の溶融流動性を向上(又は改善)できる。樹脂組成物の溶融流動性が向上する理由は明確ではないが、ポリシランによって、熱可塑性樹脂とケイ素含有無機粒子との相溶性(又は接着性、親和性)が向上することにより、熱可塑性樹脂におけるケイ素含有無機粒子の凝集塊が微細化して、分散性及び分配性が向上する(均一に分散及び分配混合する)ためであると考えられる。
溶融混練における温度は、特に制限されず、熱可塑性樹脂などの溶融温度以上、分解温度未満であればよく、樹脂の種類に応じて、例えば、100〜400℃の範囲から選択できる。オレフィン系樹脂の場合、例えば、100〜300℃、好ましくは130〜290℃、さらに好ましくは160〜280℃程度であってもよい。
さらに、本発明の樹脂組成物は、長期間に亘り高温下に曝露されても、強度を維持(保持)又は改善(向上)でき、高い耐久性(耐熱性又は耐熱耐久性)を有する。例えば、110℃の大気下で500時間に亘り熱処理したとき、本発明の樹脂組成物の強度(例えば、引張降伏応力、引張破壊応力など)は、熱処理前の強度を100とするとき、例えば、90以上(例えば、95〜200)、好ましくは97以上(例えば、99〜180)、さらに好ましくは100以上(例えば、110〜130)であってもよく、熱処理前と同等以上の強度を有することが好ましい。このような樹脂組成物の成形体は、高温の環境下であっても強度を維持又は改善できるため、高い耐熱性が求められる環境下でも使用できる。
本発明の樹脂組成物の耐久性(耐熱性)が向上する理由は明確ではないが、ポリシランが、熱可塑性樹脂とケイ素含有無機粒子との界面において、熱可塑性樹脂とケイ素含有無機粒子とを接着する接着剤として作用し、前記界面の剥離を抑制するためであると考えられる。
樹脂組成物の形態は、熱可塑性樹脂とケイ素含有無機粒子とポリシランとが溶融混練されて一体化したペレットの形態であってもよい。
樹脂組成物は、溶融流動性及び成形性に優れるため、慣用の成形方法(押出成形法、射出成形法、カレンダー成形法などの溶融成形法など)により、板状、フィルム又はシート状、筒状又はパイプ状などの三次元形状などの所定の形態の成形体を作製できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、使用した原料の詳細及び試験項目の測定方法は以下の通りである。
[原料]
ポリプロピレン:日本ポリプロ(株)製、「ノバテックPP BC03C」
フライアッシュ:「JIS A 6201 I種−JIS Z 8901 10種規格品」(日本粉体工業技術協会より購入)日本粉体工業技術協会 JIS試験用粉体1の3種(粒径分布は以下の通り)
5μm未満:39重量%、5〜10μm:18重量%、10〜20μm:16重量%、20〜30μm:12重量%、30〜40μm:6重量%、40〜75μm:6重量%、75μm以上:3重量%
珪砂:日本粉体工業技術協会 JIS試験用粉体1の3種(粒径分布は以下の通り)
5μm未満:39重量%、5〜10μm:18重量%、10〜20μm:16重量%、20〜30μm:12重量%、30〜40μm:6重量%、40〜75μm:6重量%、75μm以上:3重量%
ガラスビーズ:ポッターズ・バロティー二(株)製「マイクロガラスビーズEMB−10」、平均粒径:5μm
ポリシラン:大阪ガスケミカル(株)製、「ポリメチルフェニルシラン(OGSOL SI−10−40)」(重量平均分子量:700、数平均分子量:620)。
[測定方法]
(メルトフローレートMFR(g/10分))
メルトインデクサー(タカラ工業(株)製、「TYPE:L203」)を用いて、JIS K 7210に準拠して3回測定し、3回測定した平均値をメルトフローレート値とした。なお、試験温度:230℃、試験荷重:2.16kgとした。
(引張降伏応力(MPa)、引張破壊応力(MPa)及び引張破壊呼びひずみ(%))
引張試験機((株)東洋精機製作所製、「ストログラフAP II」)を用いて、JIS K 7161に準拠して5回測定し、5回測定した平均値を、それぞれ引張降伏応力、引張破壊応力及び引張破壊呼びひずみとした。ISO多目的タイプAの試験片を用い、試験速度:50mm/分、チャック間距離:115mmとした。なお、引張破壊呼びひずみは、初期のチャック間距離を基準とし、破断時のチャック間距離の増加割合を表す。
(曲げ強さ(MPa)及び曲げ弾性率(MPa))
曲げ試験機((株)東洋精機製作所製、「ベンドグラフ II」)を用いて、JIS K 7171に準拠して5回測定し、5回測定した平均値を曲げ強さ及び曲げ弾性率とした。なお、試験速度:2mm/分、スパン間距離:64mm、圧子及び支持台半径:5mmとした。
(シャルピー衝撃強さ(kJ/m))
デジタルインパクトテスター((株)東洋精機製作所製)を用いて、JIS K 7111に準拠して10回測定し、10回測定した平均値をシャルピー衝撃強さとした。なお、ノッチ形状:A、ハンマ秤量:0.5Jとした。
(過重たわみ温度(℃))
HDT試験機((株)東洋精機製作所製、「AUTO HDT TESTER」)を用いて、JIS K 7191に準拠して3回測定し、3回測定した平均値を荷重たわみ温度とした。なお、試験片方向:フラットワイズ、昇温度速度:120℃/時、曲げ応力:0.45MPaとした。
(耐久性(耐熱性)評価)
大気中の耐熱性試験として、110℃に設定したオーブンに試料を500時間静置し、熱処理を行った。500時間後、オーブンから試料を取り出し、引張降伏応力、引張破壊応力及び引張破壊呼びひずみを上述と同様の方法にて測定した。
また、温水中の耐熱性試験として、80℃の温水中に500時間浸漬し、熱処理を行った。500時間後、温水から試料を取り出し、引張降伏応力、引張破壊応力及び引張破壊呼びひずみを上述と同様の方法にて測定した。
実施例1
フライアッシュ1.5kg(30重量部)とポリシラン0.05kg(1重量部)とをミキサーを用いて混合した後、ポリプロピレン3.5kg(70重量部)を添加し、再度ミキサーで混合した。この混合物を40mm単軸押出機(いすず化工機(株)製、「40MM EXTRUDER」)のホッパーへ投入し、前記押出機で混練温度:230℃、スクリュー回転数:50rpm、押出量:約10kg/時の条件で溶融混練を行い、コンパウンド化した。続いて、このコンパウンドを80℃で4時間乾燥させ、射出成形機(日精樹脂工業(株)製、「FE80S12ASE」、金型:ISO多目的タイプA)を用いて、樹脂温度:200℃、射出圧:81MPa、冷却時間:10秒の条件で射出成形を行い、各評価で使用する試験片を作製し、耐久性評価を除く各評価を行った。
実施例2
ポリプロピレンを2.5kg(50重量部)、フライアッシュを2.5kg(50重量部)とした以外は、実施例1と同様にして試料を作製し、各評価を行った。
比較例1
ポリシランを添加することなく、ポリプロピレン3.5kg(70重量部)とフライアッシュ1.5kg(30重量部)とを用いた以外は、実施例1と同様にして試料を作製し、耐久性評価を除く各評価を行った。
比較例2
ポリシランを添加することなく、ポリプロピレン2.5kg(50重量部)とフライアッシュ2.5kg(50重量部)とを用いた以外は、実施例1と同様にして試料を作製し、各評価を行った。
比較例3
ポリシラン及びフライアッシュを添加することなく、ポリプロピレン5kg(100重量部)のみを用いた以外は、実施例1と同様にして試料を作製し、耐久性評価を除く各評価を行った。
結果を表1及び表2に示す。
Figure 2019183104
Figure 2019183104
表1から明らかなように、実施例1及び実施例2は、比較例1及び比較例2に比べ、MFR値の向上がみられ、特に実施例1のMFR値は、フライアッシュを添加していない比較例3(ベース樹脂であるポリプロピレン単独)と同等であった。これらの結果から、ベース樹脂である熱可塑性樹脂がフライアッシュを含む場合、さらにポリシランを含んでいると、フライアッシュを含んでいても、溶融流動性が改善され、ベース樹脂である熱可塑性樹脂単独と同等の溶融流動性が得られることが分かった。また、実施例1及び2と比較例1及び2との引張破壊呼びひずみの結果から、フライアッシュを含む熱可塑性樹脂組成物がさらにポリシランを含むことによって、フライアッシュを含んでいても、引張破壊呼びひずみが向上することが分かった。また、ポリシランを含んでいても引張降伏強度などの機械強度への影響は極めて小さく、実施例1と比較例1との機械強度は同等であった。
また、表2から明らかなように、比較例2では、熱処理後の強度が熱処理前の強度と比較して低下したのに対し、実施例2は、熱処理前の強度と比較して熱処理後の強度が大きく向上した。これらの結果から、熱可塑性樹脂がフライアッシュを含む場合、さらにポリシランを含んでいると、高い耐久性(耐熱性)を有することが分かった。
実施例3
フライアッシュの代わりに珪砂を用いた以外は、実施例1と同様にして試料を作製し、各評価を行った。
比較例4
ポリシランを添加することなく、ポリプロピレン3.5kg(70重量部)と珪砂1.5kg(30重量部)とを用いた以外は、実施例3と同様にして試料を作製し、耐久性評価を除く各評価を行った。
実施例4
ポリプロピレンを2.5kg(50重量部)、珪砂を2.5kg(50重量部)とした以外は、実施例3と同様にして試料を作製し、各評価を行った。
比較例5
ポリシランを添加することなく、ポリプロピレン2.5kg(50重量部)と珪砂2.5kg(50重量部)とを用いた以外は、実施例1と同様にして試料を作製し、各評価を行った。
結果を表3及び表4に示す。なお、比較例3の結果も併せて示す。
Figure 2019183104
Figure 2019183104
表3から明らかなように、実施例3及び実施例4は、比較例4及び比較例5に比べ、MFR値の向上がみられ、特に実施例3のMFR値は、珪砂を添加していない比較例3(ベース樹脂であるポリプロピレン単独)と同等であった。これらの結果から、ベース樹脂である熱可塑性樹脂が珪砂を含む場合、さらにポリシランを含んでいると、珪砂を含んでいても、溶融流動性が改善され、ベース樹脂である熱可塑性樹脂単独と同等の溶融流動性が得られることが分かった。また、実施例3及び4と比較例4及び5との引張破壊呼びひずみの結果から、珪砂を含む熱可塑性樹脂組成物がさらにポリシランを含むことによって、珪砂を含んでいても、引張破壊呼びひずみが向上することが分かった。また、ポリシランを含んでいても引張降伏強度などの機械強度への影響は極めて小さく、実施例3と比較例4との機械強度は同等であった。
また、表4から明らかなように、比較例5では、熱処理後の強度が熱処理前の強度と比較して低下したのに対し、実施例3及び4は、熱処理前の強度と比較して熱処理後の強度が向上した。また、比較例4及び5では、引張破壊呼びひずみが大きく低下したのに対して、実施例3及び4では、伸びの低下は抑制され、特に、実施例3で低下が抑制された。さらに、熱処理後の外観においても、実施例3及び4では変化がなかったのに対して、比較例4では大気中での熱処理後に少し黄変し、比較例5でも大気中での熱処理後に明らかに黄変した。これらの結果から、熱可塑性樹脂が珪砂を含む場合、さらにポリシランを含んでいると、高い耐久性(耐熱性)を有することが分かった。
比較例6
フライアッシュの代わりに炭酸カルシウムを用いた以外は、実施例2と同様にして試料を作製し、各評価を行った。
比較例7
ポリシランを添加することなく、ポリプロピレン2.5kg(50重量部)と炭酸カルシウム2.5kg(50重量部)とを用いた以外は、比較例6と同様にして試料を作製し、耐久性評価を除く各評価を行った。
実施例5
フライアッシュの代わりにガラスビーズを用いた以外は、実施例2と同様にして試料を作製し、各評価を行った。
比較例8
ポリシランを添加することなく、ポリプロピレン2.5kg(50重量部)とガラスビーズ2.5kg(50重量部)とを用いた以外は、実施例5と同様にして試料を作製し、耐久性評価を除く各評価を行った。
結果を表5に示す。なお、比較例3の結果も併せて示す。
Figure 2019183104
表5から明らかなように、実施例5は、比較例6〜8に比べ、MFR値の向上がみられ、ガラスビーズを添加していない比較例3(ベース樹脂であるポリプロピレン単独)と同等であった。これらの結果から、ベース樹脂である熱可塑性樹脂がガラスビーズを含む場合、さらにポリシランを含んでいると、ガラスビーズを含んでいても、溶融流動性が改善され、ベース樹脂である熱可塑性樹脂単独と同等の溶融流動性が得られることが分かった。逆に、比較例6の結果から、ベース樹脂である熱可塑性樹脂が炭酸カルシウムを含む場合、さらにポリシランを含んでいても、溶融流動性は大きく改善されなかった。
また、実施例5と比較例6〜8との引張破壊呼びひずみの結果から、ガラスビーズを含む熱可塑性樹脂組成物がさらにポリシランを含むことによって、ガラスビーズを含んでいても、引張破壊呼びひずみが向上することが分かった。また、ポリシランを含んでいても引張降伏強度などの機械強度への影響は極めて小さく、実施例5と比較例8との機械強度は同等であった。
本発明は、熱可塑性樹脂とケイ素含有無機粒子とポリシランとを溶融混練することによって、高い溶融流動性を有する熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。この樹脂組成物の溶融流動性は、ベースの熱可塑性樹脂と同等であるため、慣用の成形方法で良好に成形可能である。また、ケイ素含有無機粒子としてフライアッシュを用いると、石炭火力発電所で副生するフライアッシュを有効に利用できるため、工業的な価値も大きい。そのため、本発明の樹脂組成物及びその成形体は、種々の用途、例えば、自動車部品、家電・電化製品の部品、事務機器の部材、漁業用資材、農業用資材、園芸用資材、土木・建築用資材などに好適に利用できる。

Claims (13)

  1. 熱可塑性樹脂とケイ素含有無機粒子とを含む樹脂組成物であって、さらにポリシランを含む樹脂組成物。
  2. ポリシランが、鎖状及び/又は環状構造を有する請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. ポリシランが、鎖状ポリアルキルアリールシラン及び/又は環状ポリジアリールシランを含む請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. ポリシランが、鎖状ポリC1−6アルキルC6−10アリールシランを含む請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. ポリシランの重量平均分子量が100〜10000である請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 熱可塑性樹脂が、オレフィン系樹脂を含む請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. ケイ素含有無機粒子が、SiOを含む請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
  8. ケイ素含有無機粒子が、フライアッシュ、珪砂及びガラスビーズからなる群より選択された少なくとも1種である請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物。
  9. ケイ素含有無機粒子の形状が等方形状である請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物。
  10. ケイ素含有無機粒子の重量割合が、熱可塑性樹脂100重量部に対して、10〜1000重量部である請求項1〜9のいずれかに記載の樹脂組成物。
  11. ポリシランの重量割合が、ケイ素含有無機粒子100重量部に対して、0.1〜15重量部である請求項1〜10のいずれかに記載の樹脂組成物。
  12. 熱可塑性樹脂とケイ素含有無機粒子とポリシランとを溶融混練して、請求項1〜11のいずれかに記載の樹脂組成物を製造する方法。
  13. 熱可塑性樹脂とケイ素含有無機粒子とを含む樹脂組成物の溶融流動性及び耐久性のうち少なくとも1つの特性を向上させる方法であって、熱可塑性樹脂とケイ素含有無機粒子とポリシランとを溶融混練する方法。
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