JP2004250500A - ポリ乳酸系樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】このポリ乳酸系樹脂組成物は、ポリ乳酸と800℃以下の軟化点を有する無機ガラスと、場合によっては、ポリ乳酸以外の生分解性を有する樹脂やシリコーン系化合物を含んでなる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリ乳酸系樹脂組成物、その成形物等に関する。
【0002】
【従来の技術】
樹脂製品は、土中に埋めても分解しがたく、燃焼時には高熱やダイオキシン等の有毒ガスを発生するものもあり、地球環境保全、汚染の防止の観点から大きな問題となっている。
【0003】
近年、この打開策として生分解性樹脂が注目され、これまで農林水産用資材(フィルム、植栽ポット、釣り糸、魚網等)、土木工事資材(保水シート、植物ネット等)、包装・容器分野(土、食品等が付着してリサイクルが難しい物)等、主として使い捨て用品に対して実用化が進められている。
【0004】
電気製品については、2001年4月から使用済み電気製品リサイクル法が施行され、現在、テレビジョン装置等、大型電気製品の回収が開始されている。しかし、これら以外の廃棄品を回収し、リサイクルすることは行なわれておらず、これまでのところ法的規制もない。従って、電気製品でもほとんどのものは廃棄時に不燃ゴミとして捨てられており、たとえ小型製品でも、販売数が多い場合には全体としては多量の廃棄物を発生する結果となっている。このことは、廃棄物処分場が不足している昨今、深刻な問題となっている。
【0005】
この対策として生分解性を有する樹脂(生分解性樹脂)で電気製品を作製することが考えられる。生分解性樹脂は、分子骨格に脂肪族系ポリエステル樹脂を有するもの、ポリビニルアルコールを有するもの、多糖類を有するものの三種に大別することができる。ここで、「生分解性樹脂」とは、使用後は自然界において微生物が関与して低分子化合物、最終的には水と二酸化酸素に分解するプラスチックであると定義されている(生分解性プラスチック研究会、ISO/TC−207/SC3)。
【0006】
しかしながら、電気製品の筐体、構造材として用いる場合には、どのような種類の生分解性素材でも良いというわけではなく、所定の機械的特性、耐熱性、難燃性等が要求される。すなわち、上記脂肪族系の生分解性ポリエステル樹脂を始めとする生分解性樹脂は、使用中には従来のプラスチックと同等の機能、たとえば強度・耐水性・成形加工性や耐熱性を有し、かつ、廃棄時には自然界に一般に存在する微生物により速やかに分解される必要がある。
【0007】
この要求に対し、従来の生分解性樹脂である純粋な脂肪族系ポリエステル樹脂は、難燃性、機械的特性において単独での家電製品、筐体材料などへの適応は困難である。
【0008】
難燃性を付与する技術としては、ポリ乳酸を含む各種樹脂とケイ酸化合物であるシリコーン系難燃剤が開示されている(たとえば特許文献1参照。)。しかし、これはシリコーン系難燃剤を、樹脂溶液中でケイ素アルコキシドをゾルゲル法で作りつつ相溶させるという方法であるため、一般の樹脂と難燃剤とを直接混練する方法に比べて多大な工数を要し、大量生産には不向きである。
【0009】
また、たとえば、一般に難燃化剤として使用される臭素化ビスフェノールAのカーボネート誘導体のオリゴマーあるいはポリマーを配合した場合には、耐衝撃性が低下することにより成形物に割れが発生しやすい。臭素を含む多量のハロゲン系化合物を配合する場合には、燃焼時にハロゲンを含むガスが発生するため、環境上、塩素、臭素等を含有しない難燃剤の使用が望まれている。ポリ乳酸のような生分解性樹脂の場合は特に、このような環境負荷の問題が大きい。
【0010】
さらに、ポリ乳酸は脆さや加工性に問題があり、工業的な用途が限定されているが、このポリ乳酸の機械的特性に関する弱点を改善するために様々な検討が行われており、なかでも可塑剤の添加は、樹脂改質の一般的な方法として知られ、透明性を損なわずに柔軟性を付与する方法として、早くから検討されてきた。
【0011】
たとえば、ポリ乳酸に、乳酸オリゴマーやラクチドを添加して柔軟化する方法(たとえば特許文献2参照。)や、ポリ乳酸と可塑剤を含む組成物(たとえば特許文献3参照。)が開示されている。その他の高分子系可塑剤としては、ポリカプロラクトンなどのポリエステル類、ポリエーテル類(たとえば特許文献4参照。)、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールからなる脂肪族ポリエステル(たとえば特許文献5参照。)が、ポリ乳酸を主体とするポリマーの軟質化を目的とする可塑剤として有用であることが開示されている。また、ポリ乳酸に低融点または低軟化点のポリエステルを共重合し、更にこれと類似な構造を有するコポリマーまたはホモポリマーを添加したポリ乳酸系樹脂組成物(たとえば特許文献6参照。)や、乳酸系共重合ポリエステルを可塑剤として使用する方法(たとえば特許文献7,8参照。)が開示されている。しかしこれらはいずれも難燃化を考慮しないものであって、実用を考えて難燃剤を添加した場合には、充分な物理的特性、特に耐衝撃性が得られない。
【0012】
以上のごとく、ポリ乳酸は生分解性を有する環境負荷の小さいすぐれたプラスチック材料でありながら、難燃性や耐衝撃性等の機械的特性との両立がなされていないため、汎用化の障碍となっている。
【0013】
【特許文献1】
特開2000−319532号公報(段落番号0014)
【0014】
【特許文献2】
米国特許第5180765号明細書(クレーム)
【0015】
【特許文献3】
特開平4−335060号公報(特許請求の範囲)
【0016】
【特許文献4】
特開平8−199052号公報(特許請求の
範囲)
【0017】
【特許文献5】
特開平8−283557号公報(特許請求の範囲)
【0018】
【特許文献6】
特開平9−137047号公報(特許請求の範囲)
【0019】
【特許文献7】
特開2001−335623(特許請求の範囲)
【0020】
【特許文献8】
特開2002−167497(特許請求の範囲)
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を解決し、ポリ乳酸を利用しつつ、生分解性と環境負荷、難燃性、機械的特性とのバランスの優れた成形物、そのような成形物を与える組成物およびその成形物を用いてなるOA機器を提供することにある。本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになるであろう。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様によれば、ポリ乳酸と800℃以下の軟化点を有する無機ガラスとを含んでなる、ポリ乳酸系樹脂組成物が提供される。
【0023】
ポリ乳酸が乳酸系共重合ポリエステルを含むことが好ましい。また、ポリ乳酸系樹脂組成物は、ポリ乳酸以外の生分解性を有する樹脂や、シリコーン系化合物を含んでなることが好ましい。
【0024】
本発明に係るポリ乳酸系樹脂組成物は、生分解性と環境負荷、難燃性、機械的特性とのバランスの優れた成形物を与えることができる。
【0025】
本発明の他の一態様によれば、上記のポリ乳酸系樹脂組成物を用いてなるプラスチック成形物が提供される。
【0026】
本発明のさらに他の一態様によれば、上記のプラスチック成形物を用いてなるOA機器が提供される。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を表,実施例等を使用して説明する。なお、これらの表,実施例等および説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。
【0028】
本発明に係るポリ乳酸系樹脂組成物は、乳酸および/またはその誘導体のホモポリマーやコポリマーであるポリ乳酸を成分として含む組成物であり、ポリ乳酸と800℃以下の軟化点を有する無機ガラスとを含んでなる。
【0029】
本発明に係るポリ乳酸は、ホモポリマーでも、ランダムコポリマーや、ブロックコポリマー等のコポリマーでも、それらの混合物でもよく、末端基が封鎖されたり、修飾されているものも含まれる。本発明に適切なポリ乳酸であるかどうかは、要求される生分解性レベルを見て適宜定めることができる。
【0030】
本発明に係るポリ乳酸系樹脂組成物は、ポリ乳酸が、コポリマーの一種である乳酸系共重合ポリエステルを含むことが好ましい。乳酸系共重合ポリエステルは、乳酸を共重合成分とするポリエステルコポリマーであり、ポリ乳酸との親和性に優れ、ポリ乳酸系樹脂組成物における耐衝撃性等の機械的特性の向上に効果的であり、生分解性を阻害し難い。難燃性については向上する場合が多い。機械的特性の向上は、基材樹脂であるポリ乳酸の末端水酸基やカルボキシ基と反応し、ポリ乳酸系樹脂組成物全体としての高強度化に寄与するためではないかと推察される。
【0031】
乳酸系共重合ポリエステルの重合度は用途に応じて適宜定めることができる。一般的に機械的特性の向上には、高い方が好ましいが、得られる諸物性を考慮し適宜選択することが好ましい。乳酸系共重合ポリエステルは、ランダムコポリマーとブロックコポリマーとのいずれのコポリマーでもよい。
【0032】
ポリ乳酸コポリマーに関しては、本発明に係るポリ乳酸系樹脂組成物中にホモポリマーを含有しない場合には、一般的にコポリマー中に乳酸構造が90モル%以上であることが好ましい。本発明に係るポリ乳酸系樹脂組成物中にホモポリマーを含有する場合には、コポリマー中に乳酸構造が10モル%以上であることが好ましい。
【0033】
乳酸系共重合ポリエステルを含む上記コポリマーの成分としては、上記特許文献7,8で開示されているような、乳酸とジカルボン酸とジオールとを共重合したものやそれらの誘導体を共重合したものが使用できる。ジカルボン酸とジオールに代えて、末端基に−OHを有するモノカルボン酸やその誘導体を使用することもできるが、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸およびイソフタル酸からなる群から選ばれた少なくとも一つのジカルボン酸またはその誘導体と、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールおよび1,6−ヘキサンジオールからなる群から選ばれた少なくとも一つのジオールまたはその誘導体とからなる重合体成分を含んでなることが好ましい。乳酸系共重合ポリエステルとして、たとえば、乳酸とコハク酸とプロピレングリコールとを成分とするコポリマーや大日本インキ社EXP−PD−150を例示することができる。
【0034】
ポリ乳酸の製造方法は公知のどのようなものでも良いが、その分子量は、10,000〜1,000,000が好ましい。分子量がこの範囲より小さいと組成物の機械的特性が低下し、この範囲より大きいと成形性が低下する傾向が顕著になる。
【0035】
800℃以下の軟化点を有する無機ガラスが、難燃性の付与に有効であることが示された。おそらく、燃焼時に軟化した無機ガラスが、樹脂成分と外界空気との接触を効果的に遮断するためと思われる。軟化した無機ガラスにより、組成物自体の粘性が増大し、新しい樹脂成分が空気に曝される機会が減少する効果もあるのかも知れない。
【0036】
本発明に係る組成物は、これらの成分を適宜選択することにより、また、第三成分を加えることにより、独特の生分解性、環境負荷、難燃性、機械的特性のバランスを実現することができる。たとえば、生分解性に特に優れるもの、環境負荷が小さくかつ難燃性に優れるもの、生分解性と難燃性とのいずれにも優れ、かつ環境負荷が小さいもの、さらに機械的特性に優れるもの等、生分解性と環境付加と難燃性と機械的特性とを目的に応じて適宜バランスさせたものとすることができる。
【0037】
本発明に係る無機ガラスとしては、800℃以下の軟化点を有するものであれば、公知のどのようなものでもよい。いわゆる軟質ガラスと呼ばれる無機ガラスの中から容易に選択することができる。いわゆる軟質ガラスは、通常、軟化点が低く、燃焼熱で容易に軟化する。また、有害ガスを発生しにくく、日常生活品に使用されるほど安全性も高い。このような低軟化点無機ガラスとしては、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、リン酸ガラス、鉛ガラスが知られているが、環境負荷の観点から、非鉛含有系が好ましい。
【0038】
本発明に係る無機ガラスの軟化点は、300℃以上800℃以下が好ましく、より好ましくは400℃以上600℃以下である。800℃を超える軟化点では、燃焼の初期時の溶融が起きず、効果が低減する。300℃未満の軟化点では、樹脂混練時や成形時での溶融が懸念される場合がある。
【0039】
本発明に係る無機ガラスの添加量としては、本発明に係るポリ乳酸系樹脂組成物の全量に対し1〜50重量%が好ましく、より好ましくは、3〜20重量%である。1重量%より少ない添加量では、ポリ乳酸のような燃えやすい樹脂の場合、十分な難燃効果が得られず、50重量%より添加量が多い場合は、混練、成形が難しくなる場合が多い。
【0040】
本発明に係る無機ガラスは、粉末、ファイバー状、フレーク状、ビーズ状など様々な形状を取ることが可能であり、これらの形状の無機ガラスの混練により、曲げ弾性率、衝撃強度等の機械的特性も改善されるため、さらに好ましいことは言うまでもない。なお、本発明に係る無機ガラスのサイズは、実情に応じて適宜選択することができる。一般的に細かい粒子であれば、難燃性付与の効果が増大し、アスペクト比の大きい粒子であれば、機械的特性が向上し易い。
【0041】
本発明に係るポリ乳酸系樹脂組成物としては、上記ポリ乳酸以外の生分解性を有する樹脂(生分解性樹脂)を含んでなることも好ましい態様である。この生分解性樹脂には、上記した、分子骨格に脂肪族系ポリエステル樹脂を有するもの、ポリビニルアルコールを有するもの、多糖類を有するものを挙げることができる。
【0042】
特に、上記生分解性樹脂が、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート、ポリブチレンサクシネートおよびこれらの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一つの樹脂を含んでなることが好ましい。これらの化合物は、ポリ乳酸との親和性に優れ、ポリ乳酸系樹脂組成物における生分解性、難燃性、耐衝撃性等の機械的特性の向上に効果的である。その重合度は用途に応じて適宜定めることができる。一般的に機械的特性の向上には、高い方が好ましいが、成形性とのバランスを考慮して選択することが好ましい。
【0043】
本発明に係るポリ乳酸系樹脂組成物は、さらに、シリコーン系化合物を含んでなることが好ましい。シリコーン系化合物は、追加の難燃成分として機能する。好適に挙げられるシリコーン化合物としては、アルキルシロキサン、またはアルキルフェニルシロキサンとして信越シリコーン社のX40−9805、ダウコーニング・シリコーン社のMB50−315等を例示することができる。
【0044】
本発明の目的を達成するための本発明に係るポリ乳酸系樹脂組成物中の各成分の構成としては、ポリ乳酸:ポリ乳酸以外の生分解性を有する樹脂が重量比で100:0〜10:90の間が好ましく、乳酸系共重合ポリエステルはポリ乳酸の100重量部中、0〜30重量部の間が好ましく、シリコーン系化合物は、ポリ乳酸系樹脂組成物の100重量部中、5〜30重量部の間が好ましい。
【0045】
なお本発明には、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの金属塩や金属水酸化物や赤リンなどのりん系化合物よりなる難燃剤や難燃助剤、乳酸系共重合ポリエステル以外のポリエステルやポリエーテルなどからなる可塑剤等を必要に応じて添加して使用することもできる。また、強度向上がさらに必要な場合は、無機ガラス繊維、炭素繊維等の充填剤を適宜用いても良い。これらの充填剤は、ポリ乳酸や脂肪酸等でコーティング等の表面処理をされていても良いし、シランカップリング剤等で表面処理されていても良い。
【0046】
本発明に係るポリ乳酸系樹脂組成物には、目的に応じて適宜、上記以外の添加剤を含有させることもできる。たとえば、樹脂の加水分解を抑制可能な物質として、ポリエステル樹脂の末端官能基であるカルボン酸および水酸基との反応性を有する、ルボジイミド化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン系化合物等の化合物を例示することができる。また同様に、耐候性改良剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、結晶核剤、滑剤、離型剤、着色剤、相溶化剤、比重低下剤、増量剤などを配合することも可能である。具体的には、タルク、マイカ、モンモリロナイト、カオリン、麻繊維、キチン・キトサン、椰子殻繊維、およびこれらから誘導された短繊維あるいは粉体を少なくとも1種類含有させることができる。
【0047】
上記の成分から本発明の組成物を製造するには、公知のどのような方法を採用してもよい。固体状態でブレンドし、ついで溶融混練した後ペレット化する方法や、エクストルーダ等で溶融混練する際に、他の成分を適宜サイドフィーダにより供給し、ブレンドする方法が考えられる。ポリ乳酸等の加水分解を抑制するため、これらの成分は予め乾燥することが好ましい。
【0048】
この組成物は、フィルム成形、押出成形または射出成形により成形して、シート形状、3次元形状等のプラスチック成形物とすることができる。この場合、射出成形時に金型温度を制御してポリ乳酸系樹脂組成物の結晶化度を高めても良い。成形後にオーブン等でアニールしても同様の効果が得られる。これらの場合、温度としては90〜130℃程度が好ましく、より好ましくは90〜110℃である。アニール時間は所望の結晶化度が得られる範囲内で変更可能であるが、生産性を考慮すると、10秒〜30分が好ましい。また、結晶化を加速するため核剤を添加しても良いし、そのような組成も好ましい。
【0049】
本発明に係るポリ乳酸系樹脂組成物は、その成分の組み合わせを適宜選択することにより、独特の生分解性、環境負荷、難燃性、機械的特性のバランスを有するプラスチック成形物を得ることができる。たとえば、生分解性に特に優れる成形物、環境負荷が小さくかつ難燃性に特に優れる成形物、生分解性と難燃性とのいずれにも優れ、かつ環境負荷が小さい成形物、さらに機械的特性に優れる成形物等、生分解性と環境負荷と難燃性と機械的特性とを目的に応じて適宜バランスさせた成形物とすることができる。
【0050】
なお、ここでいう、生分解性、環境負荷、難燃性、機械的特性の程度は、実情に応じて適宜定めることができる。たとえば、生分解性ではJIS規格が所定のレベル以上、難燃性ではUL規格値が所定のレベル以上、機械的特性では、アイゾット衝撃強度が所定のレベル以上である成形物というように特徴ある成形物を得ることができる。
【0051】
なお、ポリ乳酸と800℃以下の軟化点を有する無機ガラスと、必要に応じて他の成分とを原料とし、さらに必要であればその他の成分も加えてブレンドし、フィルム成形、押出成形または射出成形により成形して、プラスチック成形物とする場合には、上記のように一旦組成物となすことなく、これら原料から直接ブレンド、成形することも可能である。この方法は、一旦組成物とする必要がないため、エネルギーコスト等の面で有利である。
【0052】
この場合、上記ポリ乳酸系樹脂組成物についての、ポリ乳酸、800℃以下の軟化点を有する無機ガラス、ポリ乳酸以外の生分解性樹脂、乳酸系共重合ポリエステル、シリコーン系化合物、その他の添加物等についての組成、分子量等に関する好ましい諸態様は、このプラスチック成形物についても同様に適用することができる。
【0053】
これらのプラスチック成形物は、特に、OA機器の部品として使用する場合に、その独特の生分解性、難燃性、機械的特性のバランスを有効に発揮させることができる。その例として、ポリ乳酸に基づく生分解性を維持しつつ、環境負荷が小さく、難燃性に優れ、かつ機械的特性も充足するパーソナルコンピュータや、テレビジョン受信機等の家電製品、自動車の筐体や構造部材を挙げることができる。これらのプラスチック成形物は片面または両面に塗装して使用することもあり得る。
【0054】
【実施例】
次に本発明の実施例および比較例を詳述する。なお、次の測定方法を採用した。
【0055】
(無機ガラスの軟化点)
JIS−R3103−1の方法によった。
【0056】
(アイゾット衝撃強度試験)
JIS−K7110試験法によった。
【0057】
(難燃性評価試験)
UL94試験法によった。
【0058】
[実施例1〜6、比較例1,2]
ポリ乳酸として、三井化学製のレイシアH−100Jを用いた。ポリ乳酸以外の生分解性樹脂としては、昭和高分子製のビオノーレ1020(ポリブチレンサクシネート)を用いた。無機ガラスとしては、ソーダ石灰無機ガラス(Na2O分17重量%、軟化点670℃)を粉砕し用いた。改質剤としては、乳酸系共重合ポリエステルである、重量平均分子量50,000で、乳酸:コハク酸:プロピレングリコール=50:30:20(モル比)のコポリマー(合成法は特開2001−335623公報記載の方法に準ずる)と、ポリ乳酸以外の生分解性樹脂の一種であるセバシン酸と1,3−ブタンジオールからなるコポリマーとの1対1混合物を用いた。シリコーン系化合物としては、ダウコーニング・シリコーン社のMB50−315(ポリカーボネートとポリジメチルシロキサンとの混合物と言われている)、信越シリコーン社のX40−9805(メチルフェニル系シリコーン)を用いた。
【0059】
表1、2に記載の成分について、射出成形機内で温度180℃に保持して溶融混練した後、平板金型に射出し、板厚3.1mmのサンプルを作成し、アイゾット衝撃強度試験および難燃性評価試験を行った。
【0060】
結果を表1,2に示す。表1はビオノーレ1020と乳酸系共重合ポリエステルとを含まない場合、表2はビオノーレ1020と乳酸系共重合ポリエステルとを含む場合を示す。本発明に係る組成によりV−0までの良好な難燃性が達成できた。乳酸系共重合ポリエステルやビオノーレ1020を添加した場合には、衝撃強度も大幅に向上することも判明した。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
なお、以下を含め、表中の「ポリ乳酸/ポリ乳酸以外の生分解性樹脂」欄におけるポリ乳酸以外の生分解性樹脂には、乳酸系共重合ポリエステルと混合して使用されたポリ乳酸以外の生分解性樹脂は含まれていない。
【0064】
[実施例7〜12、比較例3,4]
実施例1等のビオノーレに代えて、ダイセル化学工業製ポリカプロラクトンPCLを使用した以外は、実施例1〜6、比較例1,2と同様にして実験を行った。
【0065】
結果を表3,4に示す。表3は乳酸系共重合ポリエステルを含まない場合、表4は乳酸系共重合ポリエステルを含む場合を示す。本発明に係る組成によりV−0までの良好な難燃性が達成でき、乳酸系共重合ポリエステルを添加した場合には、衝撃強度も大幅に向上した。
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】
[実施例13〜18、比較例5,6]
実施例1等のビオノーレに代えて、ポリヒドロキシブチレート(PHB、三菱ガス化学製)を用いて同様に実験を行った。
【0069】
結果を表5,6に示す。表5は乳酸系共重合ポリエステルを含まない場合、表6は乳酸系共重合ポリエステルを含む場合を示す。本発明に係る組成によりV−0までの良好な難燃性が達成でき、乳酸系共重合ポリエステルを添加した場合には、衝撃強度も大幅に向上した。
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】
【0072】
なお、上記に開示した内容から、下記の付記に示した発明が導き出せる。
【0073】
(付記1) ポリ乳酸と800℃以下の軟化点を有する無機ガラスとを含んでなる、ポリ乳酸系樹脂組成物。
【0074】
(付記2) ポリ乳酸以外の生分解性を有する樹脂を含んでなる、付記1に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
【0075】
(付記3) ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート、ポリブチレンサクシネートおよびこれらの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一つの樹脂を含んでなる、付記1に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
【0076】
(付記4) 前記ポリ乳酸が乳酸系共重合ポリエステルを含む、付記1〜3のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
【0077】
(付記5) 前記乳酸系共重合ポリエステルが、
コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸およびイソフタル酸からなる群から選ばれた少なくとも一つのジカルボン酸またはその誘導体と、
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールおよび1,6−ヘキサンジオールからなる群から選ばれた少なくとも一つのジオールまたはその誘導体と、
からなる重合体成分を含んでなる、付記4に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
【0078】
(付記6) シリコーン系化合物を含んでなる、付記1〜5のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
【0079】
(付記7) 付記1〜6のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂組成物を用いてなるプラスチック成形物。
【0080】
(付記8) 生分解性を有する、付記7に記載のプラスチック成形物。
【0081】
(付記9) 難燃性を有する、付記7または8に記載のプラスチック成形物。
【0082】
(付記10) ポリ乳酸と800℃以下の軟化点を有する無機ガラスとをブレンドし、フィルム成形、押出成形または射出成形により成形してなるプラスチック成形物。
【0083】
(付記11) ポリ乳酸以外の生分解性を有する樹脂を含めてブレンドしてなる、付記12に記載のプラスチック成形物。
【0084】
(付記12) ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート、ポリブチレンサクシネートおよびこれらの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一つの樹脂を含めてブレンドしてなる、付記10に記載のプラスチック成形物。
【0085】
(付記13) 前記ポリ乳酸が乳酸系共重合ポリエステルを含む、付記10〜12のいずれかに記載のプラスチック成形物。
【0086】
(付記14) 前記乳酸系共重合ポリエステルが、
コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸およびイソフタル酸からなる群から選ばれた少なくとも一つのジカルボン酸またはその誘導体と、
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールおよび1,6−ヘキサンジオールからなる群から選ばれた少なくとも一つのジオールまたはその誘導体と、
からなる重合体成分を含んでなる、付記13に記載のプラスチック成形物。
【0087】
(付記15) シリコーン系化合物を含んでなる、付記10〜14のいずれかに記載のプラスチック成形物。
【0088】
(付記16) 生分解性を有する、付記10〜15のいずれかに記載のプラスチック成形物。
【0089】
(付記17) 難燃性を有する、付記10〜16のいずれかに記載のプラスチック成形物。
【0090】
(付記18) 付記7〜17に記載のプラスチック成形物を用いてなるOA機器。
【0091】
【発明の効果】
本発明により、生分解性と環境負荷と難燃性や機械的特性とのバランスの優れた成形物を与えるポリ乳酸系樹脂組成物、生分解性と環境負荷と難燃性や機械的特性とのバランスの優れたプラスチック成形物、その成形物を用いてなるOA機器が提供される。
Claims (5)
- ポリ乳酸と800℃以下の軟化点を有する無機ガラスとを含んでなる、ポリ乳酸系樹脂組成物。
- ポリ乳酸以外の生分解性を有する樹脂を含んでなる、請求項1に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
- ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート、ポリブチレンサクシネートおよびこれらの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一つの樹脂を含んでなる、請求項1に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
- 前記ポリ乳酸が乳酸系共重合ポリエステルを含む、請求項1〜3のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
- 前記乳酸系共重合ポリエステルが、
コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸およびイソフタル酸からなる群から選ばれた少なくとも一つのジカルボン酸またはその誘導体と、
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールおよび1,6−ヘキサンジオールからなる群から選ばれた少なくとも一つのジオールまたはその誘導体と、
からなる重合体成分を含んでなる、請求項4に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
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