JP4374256B2 - 射出成形体 - Google Patents

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Description

本発明は射出成形体に関し、特に、ノンハロゲン、ノンリンの植物原料に由来し、生分解性を有すると共に難燃性を有する射出成形体に関するものである。
近年環境問題の高まりから、プラスチック製品が自然環境中に棄却された場合、経時的に分解・消失し、最終的に自然環境に悪影響を及ぼさないことが求められている。従来のプラスチックは、自然環境中で長期にわたって安定であり、しかも嵩比重が小さいため、廃棄物埋め立て地の短命化を促進したり、自然の景観や野生動植物の生活環境を損なったりといった問題があった。
そこで、今日注目を集めているのは、生分解性樹脂材料である。生分解性樹脂は、土壌中や水中で、加水分解や生分解により、徐々に崩壊・分解が進行し、最終的には微生物の作用により無害な分解物となることが知られている。また、コンポスト(堆肥化)処理により、容易に廃棄物処理ができることが知られている。実用化され始めている生分解性樹脂としては、脂肪族ポリエステル、変性PVA、セルロースエステル化合物、デンプン変性体、およびこれらのブレンド体等がある。
また、これらの生分解性樹脂材料の中でも、ポリ乳酸などは植物原料由来のプラスチックである。石油原料由来の樹脂と異なり、植物原料由来のプラスチックは原料となるトウモロコシが大気中の二酸化炭素を炭素源としているため、焼却して二酸化炭素が発生しても、大気中のトータルの二酸化炭素量を増加させない。つまり、カーボンニュートラルな材料であるといえる。
これらの生分解性樹脂材料はそれぞれ固有の特徴を有し、その特徴に応じた用途が展開されている。中でも、幅広い特性と汎用樹脂に近い加工性を有する脂肪族ポリエステルが広く使われ始めている。また、脂肪族ポリエステルの中でも、乳酸系樹脂は、透明性、剛性、耐熱性等が優れていることから、ポリスチレンやABS樹脂などの代替材料として家電製品、OA機器などの射出成形分野において注目されている。
家電製品、OA機器等の用途には火災防止のために難燃性が要求される。そのため、ポリスチレン、ABS樹脂は燃焼しやすいので、主としてハロゲン系難燃剤、特に臭素系難燃剤が使用されてきた。しかし、ハロゲン系難燃剤は燃焼時にダイオキシン類のような有害ガスを発生する場合があり、廃棄物焼却処理やサーマルリサイクルの際には安全性について問題がある。ハロゲン系難燃剤の代替難燃剤としてはリン化合物が挙げられるが、安全性や環境調和性が不十分であり、また、成形性や耐熱性等の実用面にも悪影響を与えるものがある。このため、非ハロゲン系難燃剤、非リン系難燃剤の開発が求められている。例えば、分解時に有害ガスを発生することのない環境調和型難燃剤として金属水酸化物が注目されている。
特開平8−252823号公報には、生分解性プラスチック原料よりなるペレットに水酸化アルミニウム、あるいは、水酸化マグネシウムを30wt%〜50wt%配合することにより難燃性を付与する手法が開示されている。しかしながら、通常の水酸化アルミニウム、あるいは、水酸化マグネシウムを配合する場合では難燃性を発現させるために60wt%(生分解性プラスチック原料100質量部に対して、水酸化アルミニウム、あるいは、水酸化マグネシウム150質量部)より多く配合する必要があり、上記広報に記載されている技術では実用上十分でない。また、耐衝撃性も実用レベルに達していない。
また、特開2000−319532号公報には、金属水酸化物以外のノンハロゲンまたはノンリンの難燃剤を用いる方法として、ケイ素酸化物を樹脂に相溶化させる手法が開示されているが、家電、OA機器用途に使用するには難燃性が十分でなく、機械物性も十分ではない。
特開平8−252823号公報 特開2000−319532号公報
本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、分解時に有害ガスを発生することがなく、難燃性を有する射出成形体を提供することにある。
本発明者らは、このような現状に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の射出成形体は、乳酸系樹脂100質量部に対して、エポキシシランカップリング剤で表面処理された、平均粒径が7μm以下の金属水酸化物を20〜120質量部配合してなることを特徴とする。
本発明の射出成形体は、さらに、前記乳酸系樹脂100質量部に対して、下記(i)、(ii)及び(iii)からなる群から選ばれる少なくとも1つを50〜120質量部配合してなることができる。
(i)乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステル
(ii)芳香族脂肪族ポリエステル
(iii)(i)と乳酸系樹脂の共重合体、あるいは、(ii)と乳酸系樹脂の共重合体
本発明の射出成形体は、さらに、前記乳酸系樹脂100質量部に対して、結晶核剤を0.01〜20質量部配合することが好ましい。
また、本発明の射出成形体は、日本工業規格JIS K−7110に基づいて求めたアイゾット衝撃強度が5kJ/m以上であることが好ましい。
本発明によれば、分解時に有害なガスを発生することがなく、生分解性を有し、かつ、十分な難燃性を有する射出成形体を得ることができる。
発明を実施するための形態
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の射出成形体は、乳酸系樹脂100質量部に対して、エポキシシランカップリング剤で表面処理された、平均粒径が7μm以下の金属水酸化物を20〜120質量部配合してなる。
本発明に用いられる乳酸系樹脂は、構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、構造単位がL−乳酸及びD−乳酸である、ポリ(DL−乳酸)や、これら二種類以上の組み合わせからなる混合体である。
乳酸系樹脂のD乳酸(D体)とL乳酸(L体)との構成比は、L体:D体=100:0〜90:10、もしくは、L体:D体=0:100〜10:90であることが好ましく、L体:D体=100:0〜94:6、もしくは、L体:D体=0:100〜6:94であることがより好ましい。D体とL体との構成比がこの範囲内であれば、得られる製品の耐熱性が得られ易く、用途が制限されることがない。本発明に用いられる乳酸系樹脂の代表的なものとしては、三井化学(株)製のレイシアシリーズ、カーギル・ダウ製のNature Worksシリーズなどが挙げられる。
乳酸系樹脂の重合法としては、縮重合法、開環重合法などの公知の方法を採用することができる。例えば、縮重合法では、L−乳酸またはD−乳酸、あるいはこれらの混合物を直接脱水縮重合して任意の組成を有する乳酸系樹脂を得ることができる。
また、開環重合法では、乳酸の環状二量体であるラクチドを、必要に応じて重合調整剤等を用いながら、適宜選択された触媒を使用してポリ乳酸系重合体を得ることができる。ラクチドにはL−乳酸の2量体であるL−ラクチド、D−乳酸の2量体であるD−ラクチド、さらにL−乳酸とD−乳酸からなるDL−ラクチドがあり、これらを必要に応じて混合して重合することにより、任意の組成、結晶性を有する乳酸系樹脂を得ることができる。
さらに、耐熱性を向上させるなどの必要に応じて、少量の共重合成分を添加することもできる。少量の共重合成分として、テレフタル酸のような非脂肪族ジカルポン酸及び/又はビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のような非脂肪族ジオールを用いることができる。
さらにまた、分子量増大を目的として、少量の鎖延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、エポキシ化合物、酸無水物などを使用することもできる。
乳酸系樹脂は、さらに、上記いずれかの乳酸と、乳酸以外のα−ヒドロキシカルボン酸などの他のヒドロキシカルボン酸単位や、ジオール/ジカルボン酸、ポリエーテル、ポリオールとの共重合体であってもよい。
他のヒドロキシ−カルボン酸単位としては、乳酸の光学異性体(L−乳酸に対してはD−乳酸、D−乳酸に対してはL−乳酸)、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の2官能脂肪族ヒドロキシ−カルボン酸やカプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
乳酸系樹脂に共重合される上記ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。また、上記ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸およびドデカン二酸等が挙げられる。
本発明に用いられる乳酸系樹脂は、重量平均分子量が5万〜40万であることが好ましく、更に好ましくは10万〜25万である。重量平均分子量が5万未満では実用物性がほとんど発現されず、40万より上回る場合には、溶融粘度が高すぎて成形加工性に劣ることがある。
本発明に好適に用いられる金属水酸化物の具体例としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、カルシウム・アルミネート水和物、酸化スズ水和物、プロゴバイト、硝酸亜鉛六水和物、硝酸ニッケル六水和物などがあげられるが、コスト、難燃性向上機能の点から、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムを用いることが好ましい。
また、成形体の難燃性を向上させ、かつ機械物性の低下を少なくするためには、上記の金属水酸化物にエポキシシランカップリング剤で表面処理を行うことが最も重要である。このエポキシシランカップリング剤としては、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシシラン等が挙げられる。
このエポキシシランカップリング剤による金属水酸化物の表面処理方法としては、金属水酸化物表面への直接処理が一般的であるが、金属水酸化物と乳酸系樹脂などとを配合する際に同時にシランカップリング剤を添加するインテグラルブレンド法を用いてもよい。金属水酸化物に表面処理を施す場合には、エポキシシランカップリング剤をアルコールなどの有機溶媒、あるいは酢酸水等で希釈した後、金属水酸化物粉体に噴霧するか、あるいは水スラリー中に添加して行うのが一般的である。
本発明に使用される金属水酸化物には、上記のようなエポキシシランカップリング剤による表面処理と併用して、他の処理剤、例えば、高級脂肪酸、シランカップリング剤(ビニルシラン、アミノシラン、メタクリルシラン、エポキシシラン、メルカプトシラン、イソシアネートシラン)、チタネートカップリング剤、ゾル−ゲルコーティング、シリコーンポリマーコーティング、樹脂コーティング、硝酸塩等を用いる表面処理が施されてもよい。また、エポキシシランカップリング剤により表面処理された金属水酸化物と、他の処理剤により表面処理された金属水酸化物とを併用してもよい。
上記金属水酸化物の平均粒径は7μm以下であることが、難燃性を向上させ、機械物性の低下を押さえるために必要である。金属水酸化物の平均粒径が7μm以下であれば、実用上十分な難燃性が得られ、機械物性の低下も抑えられる。金属水酸化物の平均粒径は5μm以下であることが望ましい。平均粒径が5μm以下であれば、高度な難燃性が得られ、機械物性の低下もほとんどない。また、金属水酸化物の平均粒径は0.3μm以上であることが好ましい。平均粒径が0.3μmであれば、コストが安く済み、作業性も良い。平均粒径は0.5μm以上であることが更に好ましい。平均粒径が0.5μm以上であれば、コストはさらに安く済み、作業性もさらに良い。
金属水酸化物の粒子表面に存在するNaO(w−NaO)は0.1質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以下であることが更に好ましい。金属水酸化物の粒子表面に存在するNaOが0.1質量%を上回る場合には、成形体中に、もしくは成形時にHOが存在すると、NaOは、

NaO + HO → 2NaOH → 2Na +2OH

となり、乳酸系樹脂、乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステル、又は、芳香族脂肪族ポリエステルが加水分解されるため、耐衝撃性などの機械物性が著しく低下することがある。
金属水酸化物の粒子表面に存在するw−NaOの量は、以下のようにして求めることができる。すなわち、100mLのビーカーに水酸化アルミニウム5gを入れる。但し水酸化アルミニウムの重さは1mgの単位まで秤量する。これに、50〜60℃の水50mLを加え、加熱し、80〜90℃で2時間保持する。その後、その内容物を5Bの濾紙を用いて濾過し温湯(例えば50〜60℃の水)で4回洗浄する。その濾液を20℃に冷却し、内部標準として0.2mg/mLのLi内部標準溶液を10mL加え、更に蒸留水を加えて全量を100mLにする。JIS H1901−1977に則っとり原子吸光光度計でNa量を測定し、NaO量に換算してw−NaOとする。
エポキシシランカップリング剤で表面処理が施された金属水酸化物は、乳酸系樹脂100質量部に対して、20質量部以上、120質量部以下の範囲内で配合することが必要である。かかる範囲を下回ると、難燃性の付与効果が得られず、かかる範囲を上回ると、金属水酸化物及び樹脂を混練する際や、射出成形する際に、分子量低下を生じ、成形体の機械強度が低下する。
本発明においては、更に難燃助剤を配合することによって難燃効率を更に向上させることができる。用いられる難燃助剤の具体的例としては、無水ホウ酸、スズ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、硝酸鉄、硝酸銅、硝酸亜鉛、硝酸ニッケル、硝酸アンモニウム、スルフォン酸金属塩などの金属化合物、赤リン、高分子量リン酸エステル、フォスファゼン化合物などのリン化合物、メラミン、メラミンシアヌレート、メレム、メロンなどの窒素化合物あるいは、PAN、シリコーン化合物などが挙げられる。ただし、環境などへの影響を考慮すると、メラミンシアヌレート、硝酸亜鉛、硝酸ニッケル、またはホウ酸亜鉛を用いることが好ましい。
家電製品、OA機器などには、高度な難燃性と共に、高い耐衝撃性が要求されるが、ポリ乳酸系樹脂を使用する場合には耐衝撃性を向上させる必要がある。
そのためには、例えば、下記(i)、(ii)、または、(iii)の樹脂、あるいは、(i)、(ii)、および、(iii)から選ばれる2種類以上の樹脂を混合した樹脂混合物を配合することが好ましい。
(i)乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステル
(ii)芳香族脂肪族ポリエステル
(iii)(i)と乳酸系樹脂との共重合体、あるいは、(ii)と乳酸系樹脂との共重合体(以下、「乳酸系共重合ポリエステル」と称すこともある)
上記(i)、(ii)、及び、(iii)からなる群から選択される少なくとも1つ以上の樹脂の配合量は、乳酸系樹脂100質量部に対して、50質量部以上、120質量部以下であることが好ましい。かかる範囲を下回る場合には、耐衝撃性の改良効果が十分には得られないことがあり、かかる範囲を上回る場合には、成形体が過剰に軟質化することがある。実用上必要な衝撃強度は、用途にもよるが、概ね5kJ/m以上である。
(i)乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステル、(ii)芳香族脂肪族ポリエステル、あるいは、(iii)乳酸系共重合ポリエステルは、結晶融解熱量(ΔHm)が30J/g未満であることが望ましい。ΔHmが30J/g以上では、結晶部分が多く、ゴム部分が少なくなるため、衝撃吸収効果が得られにくくなるからである。
上記(i)乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステルとしては、例えば、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を縮合して得られる脂肪族ポリエステル、環状ラクトン類を開環重合して得られる脂肪族ポリエステル、合成系脂肪族ポリエステルなどが挙げられる。
ここで、ジカルボン酸成分としては、特に限定されないが、直鎖状ジカルボン酸、分岐状ジカルボン酸、その他のジカルボン酸等が挙げられる。その中でも、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、ダイマー酸等が好適に用いられる。
また、ジオール成分としては、特に限定されないが、直鎖状ジオール、分岐鎖状ジオール、ポリオール、ポリエーテルポリオール、その他のジオール等が挙げられる。その中でも、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ダイマージオール等が好適に用いられる。
これらの脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸は、それぞれ1種類または、2種類以上を用いることができ、これらを縮合重合して得ることができる。
環状ラクトン類を開環重合して得られる脂肪族ポリエステルとしては、環状モノマーであるε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等が代表的なものとして挙げられる。本発明においては、これらの中から1種類以上選ばれて重合されることにより得られる。具体的例としては、ダイセル化学工業社製のセルグリーンシリーズが挙げられる。
上記合成系脂肪族ポリエステルとしては、環状酸無水物とオキシラン類、例えば、無水コハク酸と、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等との共重合体などが挙げられる。
上記(i)乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステルは、必要に応じてイソシアネート化合物等でジャンプアップして所望の分子量の脂肪族ポリエステルを得ることができる。乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステルの具体例としては、昭和高分子(株)製のビオノーレシリーズ、イレケミカル社製のEnpoleなどが挙げられる。
上記(ii)芳香族脂肪族ポリエステルとしては、例えば、芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジカルボン酸成分、および脂肪族ジオール成分からなる生分解性を有する芳香族脂肪族ポリエステルが挙げられる。
ここで、芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族ジカルボン酸成分としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などが挙げられ、脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。なお、芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジカルボン酸成分あるいは脂肪族ジオール成分は、それぞれ2種類以上を用いることもできる。
本発明において、最も好適に用いられる芳香族ジカルボン酸成分はテレフタル酸であり、脂肪族ジカルボン酸成分はアジピン酸であり、脂肪族ジオール成分は1,4−ブタンジオールである。
脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジオールからなる脂肪族ポリエステルは生分解性を有することが知られているが、芳香族脂肪族ポリエステルにおいて生分解性を発現させるためには芳香環の合間に脂肪族鎖が存在することが必要である。そのため、本発明に用いられる芳香族脂肪族ポリエステルの芳香族ジカルボン酸成分は、50モル%以下にすることが好ましい。
上記(ii)芳香族脂肪族ポリエステルの代表的なものとしては、ポリブチレンアジペートとテレフタレートの共重合体(BASF社製、「Ecoflex」)やテトラメチレンアジペートとテレフタレートの共重合体(Eastman Chemicals社製、「EastarBio」)などが挙げられる。
上記(iii)乳酸系共重合ポリエステルの製造方法については特に限定されないが、具体的には、(i)乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステル、または(ii)芳香族脂肪族ポリエステルに、ラクタイドを開環重合触媒の存在下で開環共重合させ、並びに、エステル交換反応させて得ることができる。あるいは、(i)乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステル、または(ii)芳香族脂肪族ポリエステルと、ポリ乳酸とをエステル交換反応させて得ることができる。
また、上記(iii)乳酸系共重合ポリエステルの分子量を大きくするために、3官能以上の多価カルボン酸、カルボン酸無水物、イソシアネート化合物、多官能エポキシ化合物、オキシカルボン酸、ラクトン類等の高分子量化剤を用いてもよく、また、これらの混合物などを構成成分として含んでもよい。
乳酸系共重合ポリエステルは、ある程度以上の分子量があることが好ましく、具体的に重量平均分子量で20,000〜400,000であることが好ましく、更に好ましくは50,000〜350,000である。
上記(i)乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステル、または、(ii)芳香族脂肪族ポリエステルに、ラクタイドを開環重合触媒の存在で開環共重合させて得られた(iii)乳酸系共重合ポリエステルは、A−B−A型のブロックコポリマーとなるため、ポリ乳酸と混合したときの分散性が非常に高くなる。このため、ポリ乳酸マトリックス中にミクロ相分離することが可能になり、透明性と高い耐衝撃性とを両立させることができる。
射出成形体を家電、OA機器等に特に使用する場合には、成型時の寸法安定性を向上させることが好ましい。また、射出成形によって得られた成形品の耐熱性をさらに向上させるためにも、熱処理により結晶化を行うことが有効である。この結晶化の速度を向上させ、熱処理時の変形を防止し、寸法安定性を向上させ、成形サイクルの短縮化を測るために、結晶核剤を添加することが好ましい。結晶核剤の添加量としては0.01〜20質量部が適当である。結晶核剤の添加量が0.01質量部未満では結晶化速度の向上が十分でない場合があり、また、20質量部を超えると難燃性、耐衝撃性の低下を招くことがある。
本発明に好適に用いられる結晶核剤としては、特には限定されないが、タルク、マイカ、ウォラストナイト、炭酸カルシウム、ボロンナイトライド、ケイ酸カルシウム、層状ケイ酸塩などの無機系結晶核剤、ソルビトール誘導体、脂肪酸、脂肪酸塩、脂肪酸アミド化合物などの有機系結晶核剤などが挙げられる。
射出成形体の、成型時における寸法安定性、および、加熱時、あるいは、経時変化時における収縮をさらに抑制するために、上記結晶核剤に加えフィラーを配合することができる。本発明に用いることができる無機フィラーの具体例としては、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、ベントナイト、マイカ、セリサイト、ガラスフレーク、黒鉛、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、硫酸バリウム、ホウ酸亜鉛、含水ホウ酸カルシウム、硝酸鉄、硝酸銅、硝酸亜鉛、硝酸ニッケル、アルミナ、マグネシア、ウォラストナイト、ゾノトライト、セピオライト、ウィスカー、ガラス繊維、金属粉末、ビーズ、シリカバルーン、シラスバルーンなどが挙げられる。本発明に用いることができる有機フィラーの具体例としては、タケ、麻、ケナフ等の繊維、紙、ケナフ、木粉等の粉末等が挙げられる。また、上記フィラー表面をチタン酸、脂肪酸、シランカップリング剤などで処理することにより樹脂との接着性を向上させ、フィラーの効果を向上させることが可能である。
また、本発明においては、射出成形体に耐加水分解性を付与するためにカルボジイミド化合物を添加することが好ましい。カルボジイミド化物の添加量は、射出成形体を構成する樹脂組成物の100質量部に対して、カルボジイミド化合物を0.5〜10質量部添加することが効果的である。かかる範囲を下回る場合には、耐加水分解性の改良効果が十分に発現されないことがあり、上回る場合には、カルボジイミド化合物のブリードアウトによって成形体の外観不良が生じたり、可塑化による機械物性の低下が起こることがある。また、生分解性やコンポスト分解性が損なわれることがある。
用いられるカルボジイミド化合物としては、下記一般式の基本構造を有するものが挙げられる。
−(N=C=N−R−)n−

式中、nは1以上の整数を示すが、通常、1〜50の間で適宜、決定される。Rは有機系結合単位を示し、例えば、脂肪族、脂環族、芳香族のいずれかであることができる。
カルボジイミド化合物の具体例としては、例えば、ビス(ジプロピルフェニル)カルボジイミド、ポリ(4,4'−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)などが挙げられる。この中でも特に、ビス(ジプロピルフェニル)カルボジイミドを用いることが好ましい。カルボジイミド化合物は、単独で、または、2種以上組み合わせて使用することができる。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、熱安定剤、抗酸化剤、UV吸収剤、光安定剤、顔料、着色剤、滑剤、可塑剤等の添加剤をさらに添加することができる。
次に、本発明における射出成形体の成形方法について説明する。
乳酸系樹脂及び金属水酸化物、また、さらに、必要に応じて、乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステル、芳香族脂肪族ポリエステル、無機フィラー、その他の添加剤等、の混合は、同一の射出成形機に各原料を投入して行うことができる。各原料を同一の射出成型機に投入し、直接混合して射出成形することにより、射出成形体を得ることができる。あるいは、ドライブレンドした原料を、二軸押出機を用いてストランド形状に押出してペレットを形成した後、そのペレットを再度射出成形機に戻して射出成形体を作製することもできる。
いずれの方法においても原料の分解による分子量の低下を考慮する必要があるが、原料を均一に混合するためには後者を選択することが好ましい。本発明においては、例えば乳酸系樹脂、必要に応じて芳香族脂肪族ポリエステルなどを十分に乾燥して水分を除去した後、二軸押出機を用いて溶融混合し、ストランド形状に押出してペレットを形成する。乳酸系樹脂はL−乳酸構造とD−乳酸構造の組成比によって融点が変化すること、芳香族脂肪族ポリエステルの混合の割合によって混合樹脂の融点が変化することなどを考慮して、溶融押出温度を適宜選択することが好ましい。実際には100〜250℃の温度範囲が通常選択される。
上記方法によって作製したペレットを十分に乾燥して水分を除去した後、以下の方法で射出成形を行う。
本発明の射出成形体は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂を成形する場合に一般的に採用される射出成形法を用いて、代表的にはガスアシスト成形法、射出圧縮成形法などの射出成形法によって得ることができる。また上記以外でも、用途などに応じて、インモールド成形法、ガスプレス成形法、2色成形法、サンドイッチ成形法、PUSH−PULL、SCORIM等を採用することもできる。
射出成形装置は、一般的な射出成形機、ガスアシスト成形機及び射出圧縮成形機等と、これらの成形機に用いられる成形用金型及び付帯機器、金型温度制御装置及び原料乾燥装置等から構成される。成形条件は、射出シリンダー内での樹脂の熱分解を避けるために、溶融樹脂温度が170℃〜210℃の範囲で成形する事が好ましい。
射出成形体を非晶状態で得る場合には、成形サイクル(型閉〜射出〜保圧〜冷却〜型開〜取出)の冷却時間を短くするために、金型温度はできるだけ低温にする事が好ましい。金型温度は、一般的には15℃〜55℃であることが好ましく、チラーを用いることも望ましい。ただし、後結晶化時の成形体の収縮、反り、変形などを抑えるために、15〜55℃の範囲内でも高温側に設定することが好ましく、例えば、40℃〜55℃であることが有利である。
また、無機フィラーを添加した成形体では、添加量が多いほど成形品表面にフローマークが発生し易くなる。無機フィラーを添加する場合には、射出速度を無機フィラー未充填系より低速にすることが好ましい。例えば、タルクを15質量%添加した乳酸系樹脂を、肉厚2mmのプレート金型を備えたスクリュー径25mmの射出成形機で射出成形した場合には、射出速度が30mm/sec以下でフローマークの無い成形体が得られた。未充填系の場合には50mm/secでもフローマークは発生しなかった。
ヒケが発生しやすい場合には、保持圧力及び保持時間を十分に取る事が好ましい。例えば、保持圧力は30MPa〜100MPaの範囲で設定されることが好ましく、保持時間は成形体の形状や肉厚によって1sec〜15secの範囲で適宜設定されることが好ましい。上記の肉厚2mmプレート金型を備えた射出成形機を用いて成形する場合に、保持時間は3秒前後となる。
金型内で結晶化させるためには、加熱した金型内に溶融樹脂を充填した後、一定時間金型内で保持する。金型温度としては、60℃〜130℃、好ましくは70℃〜90℃である。温度が60℃未満では結晶化に長時間を要し、サイクルが長くなり過ぎる。一方、130℃を超える場合にはリリース時に変形が生じる。
射出成形によって得られた成形体の耐熱性をさらに向上させるために、熱処理により結晶化を行うことが有効である。熱処理温度は、60〜130℃の範囲が好ましく、70〜90℃の範囲がより好ましい。熱処理温度が60℃より低い場合には、成形工程において結晶化が進行せず、130℃より高い場合には、成形体を冷却する際に、成形体に変形や収縮が生じる。
熱処理時間は、材料の組成、および熱処理温度に応じて適宜設定されるが、例えば、熱処理温度が70℃の場合には15分〜5時間熱処理を行うことが好ましい。また、熱処理温度が130℃の場合には10秒〜30分間熱処理を行うことが好ましい。成形体を結晶化させる方法としては、射出成形後に金型の温度を上げて金型内で結晶化させる方法や、射出成形体を非晶状態で金型から取り出した後、熱風、蒸気、温水、遠赤外線ヒーター、IHヒーターなどで結晶化させる方法が挙げられる。このとき、射出成形体を固定しなくてもよいが、成形体の変形を防止するためには、金型、樹脂型などで固定することが好ましい。また、生産性を考慮に入れると、梱包した状態で熱処理を行うことが好ましい。
本発明の射出成形体は優れた難燃性を備えるため、家電製品、OA機器などに、また、高い難燃性が要求されるものに使用することができる。さらにまた、家電製品等以外の、その他の一般的な成形品としても従来の樹脂と同様に使用することができる。本発明の射出成形体は、ノンハロゲン、ノンリンであるので、燃焼時、リサイクル時に有害なハロゲンガスなどを発生せず、環境保護の観点から優れたものである。また、本発明の射出成形体は、植物原料由来で、生分解性を有する環境対応型の射出成形体である。さらにまた、本発明によれば、十分な機械物性及び耐衝撃性を有する射出成形体を得ることができる。
以下に本発明の実施例を示し、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。
なお、実施例における測定、評価などは以下に示すようにして行った。
(1)燃焼性の評価
Underwriters Laboratories社の安全標準である、UL94V(ASTM D 3801(ISO 1210))に基づいて行った。試験片は、長さが125±5mm、幅が13±0.5mm、厚さが3±0.5mmであるものを用いた。判定基準は下記に示す、(a)燃焼性評価−1、および(b)燃焼性評価−2の基準に従った。
燃焼性の評価においては、5本の試験片を用いて判定した。試験片の上端から6mmの位置をクランプで垂直に支持し、この短冊状の試験片の下端にバーナー炎をあてて10秒間保ち、その後バーナー炎を試験片から離した。炎が消えるまでの時間を測定し、これをt1とする。一回目の接炎による炎が消えた後、直ちにバーナー炎を更に10秒間あてたのち、バーナー炎を離す。二回目の接炎による炎が消えるまでの時間を測定し、これをt2とする。また、二回目の接炎による炎が消えた後、残じん(材料が赤熱している状態)時間を測定し、これをt3とした。
(a)燃焼性評価−1
一回目の接炎および二回目の接炎が終了した後の有炎燃焼持続時間(t1、t2)で判定した。5本の試験片全てにおいて、一回目および二回目の有炎燃焼持続時間(t1、t2)が10秒以内である場合、すなわちt1≦10秒、かつ、t2≦10秒である場合を記号「○」、全焼したものが1枚でもある場合を記号「×」、それ以外、すなわち、全焼したものはなく、かつ、t1及びt2の少なくとも1方が10秒を超える場合を記号「△」で示した。
(b)燃焼性評価−2
下記基準に基づいて判定した。なお、記号「○」は実用基準を満たすものであり、記号「△」は用途は限定されるが実用基準を満たすものであり、記号「×」は実用基準を満たさないものである。

(イ)5本の試験片それぞれが、一回目および二回目の有炎燃焼持続時間(t1、t2)が10秒以内であり、すなわちt1≦10秒、かつ、t2≦10秒であり、(ロ)5本の試験片それぞれが、二回目の有炎燃焼持続時間(t2)と残じん時間(t3)の合計が30秒以内であり、すなわちt2+t3≦30秒であり、(ハ)(t1+t2)の5本の試験片の合計が50秒以内であり、かつ、(ニ)保持クランプまでの、残炎も残じんもなかった場合を、記号「○」で示す。

(イ)5本の試験片それぞれが、一回目および二回目の有炎燃焼持続時間(t1、t2)が共に30秒以内であり、(ロ)5本の試験片それぞれが、二回目の有炎燃焼持続時間(t2)と残じん時間(t3)の合計が60秒以内であり、(ハ)一回目の有炎燃焼時間および二回目の有炎燃焼持続時間(t1+t2)の5本の試験片の合計が250秒以内であり、かつ、(ニ)保持クランプまでの、残炎も残じんもなかった場合を、記号「△」で示す。

(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)のいずれか1つでも上記基準を満たさない場合には、記号「×」で示す。
Figure 0004374256
(2)耐衝撃性
日本工業規格JIS K−7110に基づいて、1号A試験片(長さ64mm×幅12.7mm×厚さ4mm)を作成し、衝撃試験器((株)東洋精機製作所製の「JISL−D」)を用いて、23℃におけるアイゾット衝撃強度の測定を行った。アイゾット衝撃強度は、5kJ/mを実用基準とした。
(3)寸法安定性
東芝機械(株)製の射出成形機「IS50E」を用いて、図1に示す形状の電卓型非晶成形体を得た(X=約7.6cm、Y=約12.2cm)。この時の成形条件は、シリンダー温度195℃、金型温度25℃、射出圧力110MPa、射出時間1.5秒、保持圧力80MPa、保持時間3.0秒、背圧10MPa、スクリュー回転数110rpmであった。
成形後、測定室内(温度23℃、相対湿度50%R.H.)で成形体を24時間静置し、図に示すXとYの寸法を測定した。その後、温度75℃で3.5時間加熱処理(アニール処理)を行った。ただし、アニール処理は、恒温恒湿オーブンを用い、成形体に負荷のかからない状態で静置させて行った。アニール処理後、直ちに成形体を取り出し、測定室内で24時間静置した後、再度、XとYの寸法を測定し、アニール処理による収縮率を算出した。但し、XとYの寸法の測定には三次元測定機を用いた。評価は、下記評価基準に基づいて行った。なお、記号「○」、「△」は実用基準を満たすものである。

評価基準:
「○」… XとYの収縮率が、共に1.0%未満であるもの
「△」… XまたはYの収縮率のいずれか一方が1.0%以上であるか、または、共に1.0%以上、2.0%未満であるもの。
「×」… XとYの収縮率が共に2.0%以上であるもの。
(合成例1)
脂肪族ポリエステル(セバシン酸成分50モル%、プロピレングリコール成分50モル%、重量平均分子量20,000(ポリスチレン換算))50部に無水ピロメリット酸0.15部を加えて200℃で3時間攪拌して反応させ、重量平均分子量100,000(ポリスチレン換算)のポリマーを生成した。これに、更に、L−ラクタイド49部及びDL−ラクタイド1部と、溶媒としてトルエン15部とを加え、不活性ガス雰囲気下、170℃で1時間、両者を溶融、混合させ、触媒としてオクタン酸錫を0.03部加えて6時間反応させた。その後、取り出して、冷却、ペレット化した後、130℃、1mmHgで揮発成分を除去して樹脂Aを得た。樹脂Aの重量平均分子量110,000(ポリスチレン換算)であった。
(合成例2)
脂肪族ポリエステル(コハク酸成分50モル%、プロピレングリコール成分50モル%、重量平均分子量20,000(ポリスチレン換算))50部に、L−ラクタイド49部及びDL−ラクタイド1部と、溶媒としてトルエン15部とを加え、不活性ガス雰囲気下、170℃で1時間、両者を溶融、混合させ、触媒としてオクタン酸錫を0.03部加えて5時間反応させた。その後、取り出して、冷却、ペレット化した後、130℃、1mmHgで揮発成分を除去して樹脂Bを得た。樹脂Bの重量平均分子量は110,000(ポリスチレン換算)であった。
(実施例1)
乳酸系樹脂としてカーギル・ダウ社製のNature Works 4031D(L−乳酸/D−乳酸=95.8/4.2、重量平均分子量20万)、金属水酸化物として日本軽金属(株)製のBF013STエポキシシランカップリング処理品(エポキシシランカップリング剤で表面処理された水酸化アルミニウム、平均粒径1μm)を用い、Nature Works 4031Dと、BF013STエポキシシランカップリング処理品とを質量比100:50の割合でドライブレンドした後、真空乾燥機を用い、60℃で、12時間乾燥させた。次に、三菱重工(株)製の40mmφ小型同方向二軸押出機を用いて180℃でコンパウンドし、ペレット形状にした。得られたペレットを、東芝機械(株)製の射出成形機「IS50E」(スクリュー径25mm)を用い、L100mm×W100mm×t4mmの板材を射出成形した。おもな成形条件は以下の通りである。
1)温度条件:シリンダー温度(195℃) 金型温度(20℃)
2)射出条件:射出圧力(115MPa) 保持圧力(55MPa)
3)計量条件:スクリュー回転数(65rpm) 背圧(15MPa)
次に、得られた射出成形体をベーキング試験装置((株)大栄科学精器製作所製のDKS−5S)内に静置し、70℃で3.5時間熱処理を行った。その後、L64mm×W12.7mm×t4mmの大きさに切りだし、アイゾット衝撃強度の測定用の試験片とした。
また同様にして、L200mm×W30mm×t3mmの板材を射出成形し、同様に熱処理を行った後、L125±5mm×W13±0.5mm×t3±0.5mmの大きさに切りだし、燃焼性評価用の試験片とした。
その後、温度75℃で3.5時間加熱処理(アニール処理)を行った。ただし、アニール処理は、恒温恒湿オーブンを用い、成形体に負荷のかからない状態で静置させて行った。アニール処理後、直ちに成形体(試験片)を取り出し、測定室内で24時間静置した後、燃焼性の評価を行った。その結果を表2に示す。
(実施例2)
Nature Works 4031Dと、BF013STエポキシシランカップリング処理品とを質量比100:20の割合でドライブレンドした以外は、実施例1と同様にして、射出成形体(評価用のアニール処理後の試験片)を作製した。得られた試験片について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
(実施例3)
Nature Works 4031Dと、BF013STエポキシシランカップリング処理品とを質量比100:120の割合でドライブレンドした以外は、実施例1と同様にして、射出成形品(評価用のアニール処理後の試験片)を作成した。得られた試験片について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
(実施例4)
金属水酸化物として昭和電工(株)製のHP350STE*(エポキシシランカップリング剤で表面処理された水酸化アルミニウム、平均粒径5μm)を用い、Nature Works 4031Dと、HP350STE*とを質量比100:50の割合でドライブレンドした以外は、実施例1と同様にして、射出成形品(評価用のアニール処理後の試験片)を作成した。得られた試験片について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
(実施例5)
結晶融解熱量(ΔHm)が30J/g以上である脂肪族ポリエステルとして昭和高分子(株)製のビオノーレ1003(ポリブチレンサクシネート、ΔHm=40J/g)を用い、Nature Works 4031Dと、ビオノーレ1003と、BF013STエポキシシランカップリング処理品とを質量比100:80:80の割合でドライブレンドした以外は、実施例1と同様にして、射出成形品(燃焼性評価用および耐衝撃性評価用のアニール処理後の試験片)を作製した。得られた試験片について、燃焼性の評価および耐衝撃性の評価を行った。その結果を表3に示す。
(実施例6)
芳香族脂肪族ポリエステルとしてBASF社製のEcoflex(テレフタル酸24モル%、アジピン酸26モル%、1,4−ブタンジオール50モル%、ΔHm=20J/g)を用い、Nature Works 4031Dと、Ecoflexと、BF013STエポキシシランカップリング処理品とを質量比100:100:100の割合でドライブレンドした以外は、実施例5と同様にして、射出成形体(評価用のアニール処理後の試験片)を作製した。得られた試験片について、実施例5と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。
また、上記と同様にして、図1に示す射出成形体を作製し、寸法安定性の評価を行った。その結果を表4に示す。
(実施例7)
Nature Works 4031Dと、Ecoflexと、BF013STエポキシシランカップリング処理品とを質量比100:50:100の割合でドライブレンドした以外は、実施例5と同様にして、射出成形体(評価用のアニール処理後の試験片)を作製した。得られた試験片について、実施例5と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。
(実施例8)
Nature Works 4031Dと、Ecoflexと、BF013STエポキシシランカップリング処理品とを質量比100:100:50の割合でドライブレンドした以外は、実施例5と同様にして、射出成形体(評価用のアニール処理後の試験片)を作製した。得られた試験片について、実施例5と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。
(実施例9)
Nature Works 4031Dと、Ecoflexと、HP350STE*とを質量比100:100:100の割合でドライブレンドした以外は、実施例5と同様にして、射出成形体(評価用のアニール処理後の試験片)を作製した。得られた試験片について、実施例5と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。
(実施例10)
乳酸系共重合ポリエステルとして合成例1記載の樹脂Aを用い、Nature Works 4031Dと、樹脂Aと、BF013STエポキシシランカップリング処理品とを質量比100:80:80の割合でドライブレンドした以外は、実施例5と同様にして、射出成形体(評価用のアニール処理後の試験片)を作製した。得られた試験片について、実施例5と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。
(実施例11)
Nature Works 4031Dと、樹脂Aと、BF013STエポキシシランカップリング処理品とを質量比100:50:80の割合でドライブレンドした以外は、実施例5と同様にして、射出成形体(評価用のアニール処理後の試験片)を作製した。得られた試験片について、実施例5と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。
(実施例12)
Nature Works 4031Dと、樹脂Aと、BF013STエポキシシランカップリング処理品とを質量比100:120:80の割合でドライブレンドした以外は、実施例5と同様にして、射出成形体(評価用のアニール処理後の試験片)を作製した。得られた試験片について、実施例5と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。
(実施例13)
乳酸系共重合ポリエステルとして合成例2に記載の樹脂Bを用い、Nature Works 4031Dと、樹脂Bと、BF013STエポキシシランカップリング処理品とを質量比100:80:80の割合でドライブレンドした以外は、実施例5と同様にして、射出成形体(評価用のアニール処理後の試験片)を作製した。得られた試験片について、実施例5と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。
(実施例14)
結晶核剤としてタルク(日本タルク(株)製の「ミクロエースL1」)を用い、Nature Works 4031Dと、Ecoflexと、BF013STエポキシシランカップリング処理品と、ミクロエースL1とを質量比100:100:100:10の割合でドライブレンドした以外は、実施例5と同様にして、射出成形体(評価用のアニール処理後の試験片)を作製した。得られた試験片について、実施例5と同様の評価(燃焼性の評価、耐衝撃性の評価)を行った。その結果を表4に示す。
また、上記と同様にして、図1に示す射出成形体を作製し、寸法安定性の評価を行った。その結果を表4に示す。
(比較例1)
金属水酸化物として、日本軽金属(株)製のBF083STエポキシシランカップリング処理品(エポキシシランカップリング剤で表面処理された水酸化アルミニウム、平均粒径10μm)を用い、Nature Works 4031Dと、BF083STエポキシシランカップリング処理品とを質量比100:50の割合でドライブレンドした以外は、実施例1と同様にして、射出成形体(評価用のアニール処理後の試験片)を作製した。得られた試験片について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
(比較例2)
金属水酸化物として、日本軽金属(株)製のBF013STメタクリルシランカップリング処理品(エポキシシランカップリング剤で表面処理された水酸化アルミニウム、平均粒径1μm)を用い、Nature Works 4031Dと、BF013STメタクリルシランカップリング処理品とを質量比100:50の割合でドライブレンドした以外は、実施例1と同様にして、射出成形体(評価用のアニール処理後の試験片)を作製した。得られた試験片について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
(比較例3)
金属水酸化物として、日本軽金属(株)製のBF013S(ステアリン酸で表面処理された水酸化アルミニウム、平均粒径1μm)を用い、Nature Works 4031Dと、BF013Sとを質量比100:50の割合でドライブレンドした以外は、実施例1と同様にして、射出成形体(評価用のアニール処理後の試験片)を作製した。得られた試験片について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
(比較例4)
金属水酸化物として、日本軽金属(株)製のBF013(無表面処理水酸化アルミニウム、平均粒径1μm)を用い、Nature Works 4031Dと、BF013Sとを質量比100:50の割合でドライブレンドした以外は、実施例1と同様にして、射出成形体(評価用のアニール処理後の試験片)を作製した。得られた試験片について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
Figure 0004374256
Figure 0004374256
Figure 0004374256
表2から明らかなように、乳酸系樹脂100質量部に対して、エポキシシランカップリング表面処理された、平均粒径が7μm以下の金属水酸化物を20〜120質量部配合した実施例1〜4は、難燃性−1及び難燃性−2のいずれの評価においても良好な結果が得られた。
これに対し、平均粒径が7μmより大きい金属水酸化物を用いた比較例1、エポキシシランで表面処理が施されていない金属水酸化物を用いた比較例2〜3、及び、表面処理が施されていない比較例4は、難燃性が低かった。
表3から明らかなように、さらに乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステルを配合した実施例5、さらに芳香族脂肪族ポリエステルを配合した実施例6〜9、及び、乳酸系共重合ポリエステルを配合した実施例10〜13は、難燃性を維持しつつ、耐衝撃強度の向上が達成されている。
表4から明らかなように、実施例14は、実施例6と同じ配合に、さらにタルクを10質量部配合したものであり、結晶化速度が向上し、寸法安定性が達成されている。
(a)は、本発明の第1の実施形態にかかる射出成形体の平面図であり、(b)は正面図である。
符号の説明
1〜6 穴あき部

Claims (4)

  1. 乳酸系樹脂100質量部に対して、エポキシシランカップリング剤で表面処理された、平均粒径が7μm以下の金属水酸化物を20〜120質量部配合してなることを特徴とする射出成形体。
  2. さらに、前記乳酸系樹脂100質量部に対して、下記(i)、(ii)及び(iii)からなる群から選ばれる少なくとも1つを50〜120質量部配合してなる請求項1記載の射出成形体。
    (i)乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステル
    (ii)芳香族脂肪族ポリエステル
    (iii)(i)と乳酸系樹脂の共重合体、あるいは、(ii)と乳酸系樹脂の共重合体
  3. 日本工業規格JIS K−7110に基づいて求めたアイゾット衝撃強度が5kJ/m以上である請求項1又は2記載の射出成形体。
  4. さらに、前記乳酸系樹脂100質量部に対して、結晶核剤を0.01〜20質量部配合してなる請求項1から3のいずれか1項記載の射出成形体。
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