JP4777606B2 - 難燃性射出成形体 - Google Patents
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例えば、特許文献1などには、生分解性プラスチック原料よりなるペレットに水酸化アルミニウム、或いは、水酸化マグネシウムを30〜50wt%配合することにより難燃性を付与する方法が開示されている。
本発明は、乳酸系樹脂を主成分とする樹脂組成物(A)と、シランカップリング剤によって表面処理を施された金属水酸化物(B)と、芳香族カルボジイミド(C)とを含有してなる組成を備えた難燃性射出成形体を提案する。
この際、芳香族カルボジイミド(C)に代えて脂肪族カルボジイミドを配合すると、所望の耐久性を得ることは難しい。その理由はおそらく、脂肪族カルボジイミドは芳香族カルボジイミドに比べて反応性が高いため、成形時の反応によって耐久性に影響する官能基が消失するためと考えられる。
射出成形体の耐熱性を向上させるためには結晶化処理を行うことが好ましいが、乳酸系樹脂を主成分とする樹脂組成物の場合には結晶化速度が非常に遅いため、結晶化促進剤を配合して結晶化時間を短縮するのが好ましい。
本発明における数値範囲の上限値及び下限値は、本発明が特定する数値範囲から僅かに外れる場合であっても、当該数値範囲内と同様の作用効果を備えている限り本発明の範囲に含まる意を包含するものである。
本発明の射出成形体の構成成分である樹脂組成物は、乳酸系樹脂を主成分とするものであり、必要に応じて、生分解性を備えたその他の樹脂成分を配合(ポリマーブレンド)してなるものであってもよい。
本発明に用いられる乳酸系樹脂は、構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、或いは、構造単位がL−乳酸及びD−乳酸であるポリ(DL−乳酸)、或いはこれらの二種類以上の組合せからなる混合体を用いることができる。この時、乳酸系樹脂のDL構成比は、L体:D体=100:0〜90:10であるか、若しくはL体:D体=0:100〜10:90であるのが好ましく、より好ましくはL体:D体=99.5:0.5〜94:6であるか、若しくはL体:D体=0.5:99.5〜6:94である。かかる範囲内であれば、耐熱性が得られ易く、広範囲の用途に用いることができる。
この際、乳酸系樹脂に共重合される「α―ヒドロキシカルボン酸」としては、乳酸の光学異性体(L−乳酸に対してはD−乳酸、D−乳酸に対してはL−乳酸)、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシn−酪酸、2−ヒドロキシ3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の2官能脂肪族ヒドロキシ−カルボン酸やカプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類が挙げられ、乳酸系樹脂に共重合される「脂肪族ジオール」としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール,1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、「脂肪族ジカルボン酸」としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸及びドデカン二酸等が挙げられる。
また、開環重合法では、乳酸の環状二量体であるラクチドを、必要に応じて重合調整剤等を用いながら、選ばれた触媒を使用してポリ乳酸系重合体を得ることができる。この際、ラクチドにはL−乳酸の2量体であるL−ラクチド、D−乳酸の2量体であるD−ラクチド、或いはL−乳酸とD−乳酸とからなるDL−ラクチドを用いることができ、これらを必要に応じて混合して重合することにより任意の組成、結晶性をもつ乳酸系樹脂を得ることができる。
さらにまた、分子量増大を目的として少量の鎖延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、エポキシ化合物、酸無水物などを加えてもよい。
乳酸系樹脂の代表的なものとしては、三井化学製レイシアシリーズ、カーギル・ダウ製Nature Worksシリーズなどを挙げることができる。
本発明の射出成形体を形成する樹脂組成物には、上述のように、必要に応じて生分解性を備えた脂肪族ポリエステル、生分解性を備えた芳香族ポリエステル、或いは生分解性を備えた芳香族脂肪族ポリエステルを配合(ポリマーブレンド)することができる。
乳酸系樹脂以外の生分解性を備えた脂肪族ポリエステルとしては、例えば、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸とを縮合して得られる脂肪族ポリエステル、環状ラクトン類を開環重合して得られる脂肪族ポリエステル、合成系脂肪族ポリエステル等を挙げることができる。
この脂肪族ポリエステルの質量平均分子量の好ましい範囲は、5万から40万、より好ましくは10万から25万である。
具体的な例としては、昭和高分子社製ビオノーレシリーズ、イレケミカル社製Enpoleなどを挙げることができる。
この脂肪族ポリエステルの質量平均分子量の好ましい範囲は、5万から40万、より好ましくは10万から25万である。
具体的な例としては、ダイセル化学工業社製セルグリーンシリーズが挙げることができる。
この脂肪族ポリエステルの質量平均分子量の好ましい範囲は、5万から40万、より好ましくは10万から25万である。
生分解性を備えた芳香族ポリエステルとしては、例えば、芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジカルボン酸成分及び脂肪族ジオール成分からなる生分解性を有する芳香族脂肪族ポリエステルを挙げることができる。
生分解性を備えた芳香族脂肪族ポリエステルとしては、芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジカルボン酸成分、および脂肪族ジオール成分からなる生分解性を有する芳香族脂肪族ポリエステルを挙げることができる。
芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられ、脂肪族ジカルボン酸成分としては、例えばコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンニ酸等が挙げられ、脂肪族ジオールとしては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。なお、芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジカルボン酸成分、脂肪族ジオール成分は、それぞれ2種類以上を用いることもできる。
以上の中でも最も好適に用いることができる芳香族ジカルボン酸成分はテレフタル酸であり、脂肪族ジカルボン酸成分はアジピン酸であり、脂肪族ジオール成分は1,4−ブタンジオールである。
芳香族脂肪族ポリエステルの代表的なものとして、ポリブチレンアジペートとテレフタレートの共重合体(BASF社製エコフレックス)やテトラメチレンアジペートとテレフタレートの共重合体(EasmanChemicals製EastarBio)などが挙げられる。
本発明で用いる金属水酸化物(水和金属化合物)は、シランカップリング剤によって表面処理を施してなるものであることが重要である。
水酸化物の表面を、シランカップリング剤で表面処理することで、難燃性の向上による配合部数の低減(すなわち、機械物性の低下抑制)、および、樹脂との混練時や射出成形体の成型時における分子量の低下抑制を図ることができる。
シランカップリング剤以外の、例えば、チタネートカップリング剤、高級脂肪酸などでは、樹脂との密着性が悪いため、難燃性を発現させることが困難である。
本発明の射出成形体においては、耐加水分解性を付与するために、乳酸系樹脂を主成分とする樹脂組成物100質量部に対して芳香族カルボジイミド化合物を0.1〜10質量部、好ましくは1〜5質量部添加する。0.1〜10質量部の範囲内であれば、耐加水分解性改良効果が発現し、かつカルボジイミド化合物のブリードアウトによる成形体の外観不良や可塑化による機械物性の低下が生じることもない。
−(N=C=N−R−)n−
なお、上記式において、nは1以上の整数を示し、Rは芳香族の有機系結合単位を示す。また、nは通常1〜50の間で適宜決められる。
乳酸系樹脂を主成分とする樹脂組成物(A)、シランカップリング剤によって表面処理を施された金属水酸化物(B)、及び、芳香族カルボジイミド化合物(C)の配合量としては、(A)100質量部に対して、(B)を25〜100質量部配合することが好ましく、40〜80質量部配合することがより好ましい。また、(C)の配合量としては、(A)100質量部に対して、(C)を0.1〜10質量部配合することが好ましく、1〜8質量部配合することが好ましい。かかる範囲で、(A)(B)及び(C)を配合することで、乳酸系樹脂を主成分とする樹脂組成物に優れた難燃性、耐久性を付与することができる。
本発明における射出成形体の耐衝撃性をより一層向上させるために、分子量が200〜1000のエステル化合物を更に配合することも効果的である。
本発明に用いる分子量200〜1000のエステル化合物としては、ジイソデシルアジペート、ジ(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジ(2−エチルヘキシル)セバケート、ジ(2−エチルヘキシル)ドデカンジオネート、アセチルトリブチルシトレート、ジブチルセバケート、ジ(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソノニルアジペート、ジメチルアジペート、ジブチルアジペート、トリブチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、トリエチルシトレート、ジイソブチルアジペート、ジ(2−エチルヘキシル)ドデカンジオネート、ジブチルフタレート、ジイソノニルフタレート、2−エチルヘキシルベンジルフタレート、ジメチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、トリス(2−エチルヘキシル)トリメリテート、トリブチルトリメリテート、トリ(2−エチルヘキシル)トリメリテート、グリセリントリアセテート、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。中でも、ジイソデシルアジペート、ジ(2−エチルヘキシル)アジペート、ジ(2−エチルヘキシル)アゼレートが好ましい。
また、上記エステル化合物の配合量としては、乳酸系樹脂を主成分とする樹脂組成物100質量部に対して、分子量が200〜1000のエステル化合物を0.1〜5質量部配合することが好ましく、0.5〜3質量部配合することがより好ましい。0.1〜5質量部の範囲内で配合することにより、耐熱性を損ねることなく、耐衝撃性を向上させることができる。
射出成形体の耐熱性を向上させるためには結晶化処理を行うことが好ましいが、乳酸系樹脂を主成分とする樹脂組成物の場合には結晶化速度が非常に遅いため、結晶化促進剤を配合して結晶化時間を短縮するのが好ましい。
また、上記無機系結晶化促進剤の表面をチタン酸、脂肪酸、シランカップリング剤などで処理することにより樹脂との接着性を向上させ、無機系結晶化促進剤の効果を向上させることも可能である。
本発明の効果を損なわない範囲で、さらに熱安定剤、抗酸化剤、UV吸収剤、光安定剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤等の添加剤を処方することが可能である。
次に、本発明における射出成形体の成形方法について説明する。
例えば、乳酸系樹脂を主成分とする樹脂組成物、シランカップリング剤によって表面処理を施された金属水酸化物、芳香族カルボジイミド化合物、及び、その他の添加剤を、十分に乾燥させて水分を除去した後、二軸押出機を用いて溶融混合し、ストランド形状に押出してペレットを作成すればよい。
この際、溶融押出温度に関しては、L−乳酸構造とD−乳酸構造の組成比によって融点が変化すること、芳香族脂肪族ポリエステルの混合の割合によって混合樹脂の融点が変化すること等を考慮して適宜設定することが好ましい。実際には160〜230℃の温度範囲が通常選択される。
成形条件は射出シリンダー内での樹脂の熱分解を避けるため、溶融樹脂温度を170℃〜210℃の範囲で成形することが好ましい。
結晶化の方法としては、事前に温度の上げられた金型に射出成形し、金型内で結晶化させる方法や、射出成形後に金型の温度を上げ金型内で結晶化させる方法、或いは射出成形体を非晶状態で金型から取り出した後、熱風、蒸気、温水、遠赤外線ヒーター、IHヒーターなどで熱処理する方法などを挙げることができる。この時、射出成形体を固定しなくてもよいが、成形体の変形を防止するために、金型、樹脂型などで固定することが好ましい。また、生産性を考慮に入れて、梱包した状態で熱処理を行うこともできる。
この際、金型温度としては、80℃〜130℃、特に90℃〜120℃とするのが好ましく、冷却時間としては1〜300秒、好ましくは5〜30秒である。かかる温度及び冷却時間にて金型内で結晶化処理を行うことで、本発明における射出成形体の耐熱性をさらに向上させることができる。
加熱時間は、組成及び熱処理温度によって適宜決めるのが好ましい。例えば、70℃の場合は15分〜5時間熱処理するのが好ましい。130℃の場合は10秒〜30分熱処理を行うのが好ましい。
長さ135mm×幅13mm×厚さ3mmの試験片を用いて、Underwriters laboratories社の安全標準UL94垂直燃焼試験に基づいて測定を行った。
85℃、80%RHの条件で湿熱試験を行い、100時間経過後の分子量保持率を以下の式により算出した。
分子量保持率(%)=(湿熱試験後の質量平均分子量/湿熱試験前の質量平均分子量)×100
分子量保持率は70%以上を実用基準とした。これは、70%を下回るあたりから急激に強度の劣化が進むためである。
東ソー株式会社製HLC−8120GPCを用いて、溶媒クロロホルム、溶媒濃度0.2wt/vol%、溶液注入量200μl、溶媒流速1.0ml/分、溶媒温度40℃で測定を行い、ポリスチレン換算で、乳酸系樹脂を主成分とする樹脂組成物の質量平均分子量を算出した。この際用いた標準ポリスチレンの質量平均分子量は、2000000、670000、110000、35000、10000、4000,600である。
乳酸系樹脂としてカーギル・ダウ社製NatureWorks4032D(L−乳酸/D−乳酸=98.6/1.4、質量平均分子量20万)、シランカップリング剤によって処理された金属水酸化物として、日本軽金属社製エポキシシランカップリング処理BF013ST(水酸化アルミニウム、平均粒径1μm)、及び、芳香族カルボジイミド化合物としてラインケミー社製スタバクゾールI(ビス(ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド:芳香族モノカルボジイミド)を用い、NatureWorks4032D、エポキシシランカップリング処理BF013ST、及び、スタバクゾールIを質量比100:30:5の割合でドライブレンドした後、三菱重工製40mmΦ小型同方向二軸押出機を用いて180℃でコンパウンドし、ペレット形状にした。得られたペレットを東芝機械製射出成形機IS50E(スクリュー径25mm)を用い、L200mm×W30mm×t3mmの板材を射出成形した。主な成形条件は以下の通りである。
2) 射出条件:射出圧力(115MPa)保持圧力(55MPa)
3) 計量条件:スクリュー回転数(65rpm)背圧(15MPa)
NatureWorks4032D、エポキシシランカップリング処理BF013ST、及び、スタバクゾールIを質量比100:50:5の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表1に示す。
NatureWorks4032D、エポキシシランカップリング処理BF013ST、及び、スタバクゾールIを質量比100:80:5の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表1に示す。
NatureWorks4032D、エポキシシランカップリング処理BF013ST、及び、スタバクゾールIを質量比100:50:1の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表1に示す。
NatureWorks4032D、エポキシシランカップリング処理BF013ST、及び、スタバクゾールIを質量比100:50:8の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表1に示す。
芳香族カルボジイミド化合物として、ラインケミー社製スタバクゾールP(芳香族ポリカルボジイミド)を用い、NatureWNatureWorks4032D、エポキシシランカップリング処理BF013ST、及び、スタバクゾールPを、質量比100:50:5の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表1に示す。
乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステルとして、昭和高分子社製ビオノーレ3003(ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、質量平均分子量20万)を用い、NatureWorks4032D、ビオノーレ3003、エポキシシランカップリング処理BF013ST、及び、スタバクゾールIを質量比70:30:50:5の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表1に示す。
芳香族脂肪族ポリエステルとして、BASF社製ECOFLEX F(ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート))、結晶化促進剤として日本タルク社製SG−95(タルク、粒径2.4μm)を用い、NatureWorks4032D、ECOFLEX F、エポキシシランカップリング処理BF013ST、スタバクゾールI、及び、SG−95を、質量比70:30:50:5:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様射出成形機を用いて、金型温度110℃、冷却時間60秒にて金型内で結晶化処理を行ったサンプルの作製、及び評価を行った。結果を表1に示す。
なお、金型温度、冷却時間以外の射出条件は実施例1と同様である。
NatureWorks4032Dを実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表2に示す。
NatureWorks4032D、及び、エポキシシランカップリング処理BF013STを質量比100:50の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表2に示す。
脂肪族カルボジイミド化合物として日清紡績社製カルボジライトHMV−8CAを用い、NatureWorks4032D、エポキシシランカップリング処理BF013ST、及び、カルボジライトHMV−8CAを質量比100:50:5の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表2に示す。
脂肪族カルボジイミド化合物として日清紡績社製カルボジライトHMV−8CAを用い、NatureWorks4032D、エポキシシランカップリング処理BF013ST、及び、カルボジライトHMV−8CAを質量比100:50:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表2に示す。
金属水酸化物として、日本軽金属社製BF−013S(ステアリン酸処理水酸化アルミニウム、平均粒径1μm)を用い、NatureWorks4032D、BF−013S、及び、スタバクゾールIを質量比100:50:5の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表2に示す。
一方、比較例1は難燃性、耐久性ともに劣ったもので、比較例2〜4は難燃性には優れるものの、耐久性に劣るものであった。このように、比較例1〜4の射出成形体では、難燃性、耐久性のいずれかにおいて、実用不可能なものであった。
Claims (4)
- L−乳酸とD−乳酸の質量比率が、L体:D体=99.5:0.5〜94:6若しくはL体:D体=0.5:99.5〜6:94である乳酸系樹脂を主成分とする樹脂組成物(A)と、シランカップリング剤によって表面処理を施された金属水酸化物(B)と、芳香族カルボジイミド(C)とを含有してなる組成を備えた難燃性射出成形体であって、
樹脂組成物(A)は、上記の乳酸系樹脂と、乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステル又は/及び芳香族脂肪族ポリエステルとを、質量混合比60:40〜80:20の割合で含有する樹脂組成物であることを特徴とする難燃性射出成形体。 - 芳香族カルボジイミド(C)は、次の一般式の基本構造を有するものであることを特徴とする請求項1記載の難燃性射出成形体。
−(N=C=N−R−)n−
なお、上記式において、nは1以上の整数を示し、Rは芳香族の有機系結合単位を示す。 - 芳香族カルボジイミド(C)は、ポリ(4,4'−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)及びポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)からなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項2に記載の難燃性射出成形体。
- 樹脂組成物(A)に対して結晶化促進剤を0.1〜10質量部配合し、射出成形時の金型内において、金型温度80〜130℃、冷却時間1〜300秒の条件にて結晶化処理されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性射出成形体。
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