JP4777606B2 - 難燃性射出成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、乳酸系樹脂を主成分として含有する射出成形体に関し、詳しくは難燃性を備えた射出成形体に関する。
プラスチックは今や生活と産業のあらゆる分野に浸透し、全世界の年間生産量は約1億トンにも達している。しかし、その大半が使用後廃棄され、これが地球環境を乱す原因の一つとして認識されている。そのため、枯渇性資源の有効活用が近年重要視されるようになり、再生可能資源の利用が重要な課題となって来ている。
現在、その解決策として注目されている手段の一つが、植物原料(生分解性)プラスチックの利用である。植物原料プラスチックは、非枯渇資源を利用し、プラスチック製造時における枯渇性資源の節約を図ることができるだけでなく、優れたリサイクル性を備えている点でも注目に値する材料である。その中でも特に、乳酸系樹脂は、澱粉の発酵により得られる乳酸を原料とし、化学工学的に量産可能であり、しかも透明性・剛性・耐熱性等に優れていることから、ポリスチレンやポリエチレンテレフタレートの代替材料として、家電、OA機器、自動車部品等の射出成形分野において注目されている。
ところで、家電、OA機器、自動車部品等の用途においては、火災防止のための難燃性が要求されるが、乳酸系樹脂は、ポリスチレンやABSなどと同様に燃焼し易い樹脂であるため、これらの用途に用いる場合には難燃剤を配合するなどの難燃対策を施す必要がある。
従来、ポリスチレンやABS等の場合には、ハロゲン系難燃剤、特に臭素系難燃剤を配合する難燃対策が採られることが多かったが、ハロゲン系難燃剤を配合すると、燃焼時にダイオシン類などの有害ガスが発生するおそれがあり、廃棄物焼却処理やサーマルリサイクルの際の安全性の面で問題があった。
かかる観点から、分解ガスを発生しない環境調和型の難燃剤として注目されているのが「金属水酸化物」である。
例えば、特許文献1などには、生分解性プラスチック原料よりなるペレットに水酸化アルミニウム、或いは、水酸化マグネシウムを30〜50wt%配合することにより難燃性を付与する方法が開示されている。
特開平8−252823
ところが、金属水酸化物を生分解性プラスチックに配合して射出成形体を製造すると、樹脂混練時に、難燃剤中のアルカリイオンによって生分解性プラスチックの分解が促進され、分子量及び機械強度の低下を生じることが分かってきた。加えて、金属水酸化物を難燃剤として使用する場合には、多量に金属水酸化物を配合する必要があるため、機械強度の低下を避けることが特に難しいことも分かってきた。
そこで本発明は、金属水酸化物を難燃剤として生分解性プラスチックに配合してなる射出成形体であって、優れた難燃性と共に、耐久性を兼ね備えた難燃性射出成形体を提供せんとするものである。
本発明者らは、このような現状に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、効果の高い本発明を完成するに至った。
本発明は、乳酸系樹脂を主成分とする樹脂組成物(A)と、シランカップリング剤によって表面処理を施された金属水酸化物(B)と、芳香族カルボジイミド(C)とを含有してなる組成を備えた難燃性射出成形体を提案する。
難燃剤として配合する金属水酸化物をシランカップリング剤によって表面処理すると共に、芳香族カルボジイミド(C)を配合することにより、優れた難燃性と共に、耐久性を兼ね備えた射出成形体を得ることができる。
この際、芳香族カルボジイミド(C)に代えて脂肪族カルボジイミドを配合すると、所望の耐久性を得ることは難しい。その理由はおそらく、脂肪族カルボジイミドは芳香族カルボジイミドに比べて反応性が高いため、成形時の反応によって耐久性に影響する官能基が消失するためと考えられる。
本発明はさらに、樹脂組成物(A)に対して、分子量200〜1000のエステル化合物を配合するを提案する。分子量200〜1000のエステル化合物を配合することによって、射出成形体の耐衝撃性を高めることができる。
本発明はさらに、樹脂組成物(A)に対して結晶化促進剤を配合すると共に、射出成形時に結晶化処理することを提案する。
射出成形体の耐熱性を向上させるためには結晶化処理を行うことが好ましいが、乳酸系樹脂を主成分とする樹脂組成物の場合には結晶化速度が非常に遅いため、結晶化促進剤を配合して結晶化時間を短縮するのが好ましい。
なお、本発明において、「乳酸系樹脂を主成分とする樹脂組成物」とは、乳酸系樹脂を樹脂組成物中に50〜100質量%、中でも70〜100質量%含有する樹脂組成物の意である。
本発明における数値範囲の上限値及び下限値は、本発明が特定する数値範囲から僅かに外れる場合であっても、当該数値範囲内と同様の作用効果を備えている限り本発明の範囲に含まる意を包含するものである。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
本発明の一実施形態に係る難燃性射出成形体は、乳酸系樹脂を主成分とする樹脂組成物(A)と、シランカップリング剤によって表面処理を施された金属水酸化物(B)とを含有する樹脂組成物に、芳香族カルボジイミド(C)を配合し、これを射出成形して得ることができる。
(樹脂組成物)
本発明の射出成形体の構成成分である樹脂組成物は、乳酸系樹脂を主成分とするものであり、必要に応じて、生分解性を備えたその他の樹脂成分を配合(ポリマーブレンド)してなるものであってもよい。
[乳酸系樹脂]
本発明に用いられる乳酸系樹脂は、構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、或いは、構造単位がL−乳酸及びD−乳酸であるポリ(DL−乳酸)、或いはこれらの二種類以上の組合せからなる混合体を用いることができる。この時、乳酸系樹脂のDL構成比は、L体:D体=100:0〜90:10であるか、若しくはL体:D体=0:100〜10:90であるのが好ましく、より好ましくはL体:D体=99.5:0.5〜94:6であるか、若しくはL体:D体=0.5:99.5〜6:94である。かかる範囲内であれば、耐熱性が得られ易く、広範囲の用途に用いることができる。
また、本発明に用いられる乳酸系樹脂は、上記いずれかの乳酸と、α−ヒドロキシカルボン酸や脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸との共重合体であってもよい。
この際、乳酸系樹脂に共重合される「α―ヒドロキシカルボン酸」としては、乳酸の光学異性体(L−乳酸に対してはD−乳酸、D−乳酸に対してはL−乳酸)、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシn−酪酸、2−ヒドロキシ3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の2官能脂肪族ヒドロキシ−カルボン酸やカプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類が挙げられ、乳酸系樹脂に共重合される「脂肪族ジオール」としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール,1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、「脂肪族ジカルボン酸」としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸及びドデカン二酸等が挙げられる。
乳酸系樹脂の重合法としては、縮重合法、開環重合法、その他の公知の重合法を採用することができる。例えば、縮重合法では、L−乳酸またはD−乳酸、或いはこれらの混合物を直接脱水縮重合して任意の組成を持った乳酸系樹脂を得ることができる。
また、開環重合法では、乳酸の環状二量体であるラクチドを、必要に応じて重合調整剤等を用いながら、選ばれた触媒を使用してポリ乳酸系重合体を得ることができる。この際、ラクチドにはL−乳酸の2量体であるL−ラクチド、D−乳酸の2量体であるD−ラクチド、或いはL−乳酸とD−乳酸とからなるDL−ラクチドを用いることができ、これらを必要に応じて混合して重合することにより任意の組成、結晶性をもつ乳酸系樹脂を得ることができる。
なお、本発明に用いられる乳酸系樹脂には、耐熱性を向上させるなどの必要に応じ、少量共重合成分として、テレフタル酸のような非脂肪族ジカルボン酸、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のような非脂肪族ジオールを加えてもよい。
さらにまた、分子量増大を目的として少量の鎖延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、エポキシ化合物、酸無水物などを加えてもよい。
本発明に用いられる乳酸系樹脂の質量平均分子量の好ましい範囲は、5万から40万、より好ましくは10万から25万である。5万以上の分子量であれば好適な実用物性が期待でき、40万以下であれば、溶融粘度が高すぎて成形加工性が劣るという問題もない。
乳酸系樹脂の代表的なものとしては、三井化学製レイシアシリーズ、カーギル・ダウ製Nature Worksシリーズなどを挙げることができる。
[乳酸系樹脂以外の樹脂成分]
本発明の射出成形体を形成する樹脂組成物には、上述のように、必要に応じて生分解性を備えた脂肪族ポリエステル、生分解性を備えた芳香族ポリエステル、或いは生分解性を備えた芳香族脂肪族ポリエステルを配合(ポリマーブレンド)することができる。
[生分解性を備えた脂肪族ポリエステル]
乳酸系樹脂以外の生分解性を備えた脂肪族ポリエステルとしては、例えば、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸とを縮合して得られる脂肪族ポリエステル、環状ラクトン類を開環重合して得られる脂肪族ポリエステル、合成系脂肪族ポリエステル等を挙げることができる。
上記「肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を縮合して得られる脂肪族ポリエステル」には、脂肪族ジオールであるエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールのいずれか或いはこれらのうちの二種類以上の組合せからなる混合物と、脂肪族ジカルボン酸であるコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸及びドデカン二酸等のいずれか或いはこれらのうちの二種類以上の組合せからなる混合物とを縮合重合して得られる脂肪族ポリエステルを用いることができる。必要に応じてイソシアネート化合物等でジャンプアップさせて得られるポリマーを用いることもできる。
この脂肪族ポリエステルの質量平均分子量の好ましい範囲は、5万から40万、より好ましくは10万から25万である。
具体的な例としては、昭和高分子社製ビオノーレシリーズ、イレケミカル社製Enpoleなどを挙げることができる。
なお、上記脂肪族ポリエステル、すなわち上記肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を縮合して得られる脂肪族ポリエステルと、乳酸系樹脂をエステル交換することで得られる共重合体を用いることもできる。このようにして得られる共重合体も、イソシアネート化合物やカルボン酸無水物を用いて所定の分子量に調整することが可能である。
上記「環状ラクトン類を開環重合した脂肪族ポリエステル」には、環状モノマーであるε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等のいずれか或いはこれらのうちの二種類以上の組合せからなる成分を重合したものを用いることができる。
この脂肪族ポリエステルの質量平均分子量の好ましい範囲は、5万から40万、より好ましくは10万から25万である。
具体的な例としては、ダイセル化学工業社製セルグリーンシリーズが挙げることができる。
上記「合成系脂肪族ポリエステル」には、環状酸無水物とオキシラン類、例えば、無水コハク酸とエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等との共重合体等を用いることができる。
この脂肪族ポリエステルの質量平均分子量の好ましい範囲は、5万から40万、より好ましくは10万から25万である。
[生分解性を備えた芳香族ポリエステル]
生分解性を備えた芳香族ポリエステルとしては、例えば、芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジカルボン酸成分及び脂肪族ジオール成分からなる生分解性を有する芳香族脂肪族ポリエステルを挙げることができる。
この際、「芳香族ジカルボン酸成分」としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられ、脂肪族ジカルボン酸成分としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられ、「脂肪族ジオール」としては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。なお、芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジカルボン酸成分或いは脂肪族ジオール成分は、それぞれ2種類以上を用いることもできる。
本発明において、最も好適に用いられる芳香族ジカルボン酸成分はテレフタル酸であり、脂肪族ジカルボン酸成分はアジピン酸であり、脂肪族ジオール成分は1,4−ブタンジオールである。
[生分解性を備えた芳香族脂肪族ポリエステル]
生分解性を備えた芳香族脂肪族ポリエステルとしては、芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジカルボン酸成分、および脂肪族ジオール成分からなる生分解性を有する芳香族脂肪族ポリエステルを挙げることができる。
芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられ、脂肪族ジカルボン酸成分としては、例えばコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンニ酸等が挙げられ、脂肪族ジオールとしては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。なお、芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジカルボン酸成分、脂肪族ジオール成分は、それぞれ2種類以上を用いることもできる。
以上の中でも最も好適に用いることができる芳香族ジカルボン酸成分はテレフタル酸であり、脂肪族ジカルボン酸成分はアジピン酸であり、脂肪族ジオール成分は1,4−ブタンジオールである。
芳香族脂肪族ポリエステルの代表的なものとして、ポリブチレンアジペートとテレフタレートの共重合体(BASF社製エコフレックス)やテトラメチレンアジペートとテレフタレートの共重合体(EasmanChemicals製EastarBio)などが挙げられる。
なお、耐衝撃性の改良効果から、上記の脂肪族ポリエステル、芳香ポリエステル、芳香族脂肪族ポリエステルのガラス転移温度(Tg)は0℃以下であるのが好ましい。
(金属水酸化物)
本発明で用いる金属水酸化物(水和金属化合物)は、シランカップリング剤によって表面処理を施してなるものであることが重要である。
水酸化物の表面を、シランカップリング剤で表面処理することで、難燃性の向上による配合部数の低減(すなわち、機械物性の低下抑制)、および、樹脂との混練時や射出成形体の成型時における分子量の低下抑制を図ることができる。
金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、カルシウム・アルミネート水和物、酸化スズ水和物、プロゴバイトなどが挙げられる。この中でも、難燃効果、コストの面で水酸化アルミニウムが特に好ましい。
シランカップリング剤の種類としては、エポキシシラン、ビニルシラン、メタクリルシラン、アミノシラン、イソシアネートシランなどが挙げられるが、エポキシシランを用いることが特に好ましい。
シランカップリング剤以外の、例えば、チタネートカップリング剤、高級脂肪酸などでは、樹脂との密着性が悪いため、難燃性を発現させることが困難である。
また、上記の水和金属化合物に加えて、難燃助剤を配合することで、さらに難燃効率を向上させることができる。難燃助剤の具体的な例としては、スズ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、硝酸鉄、硝酸銅、スルフォン酸金属塩などの金属化合物、赤リン、高分子量リン酸エステル、フォスファゼン化合物などのリン化合物、メラミンシアヌレートなどの窒素化合物、或いは、ジメチルシリコーン、フェニルシリコーン、フッ素シリコーンなどのシリコーン化合物等があげられる。
(芳香族カルボジイミド)
本発明の射出成形体においては、耐加水分解性を付与するために、乳酸系樹脂を主成分とする樹脂組成物100質量部に対して芳香族カルボジイミド化合物を0.1〜10質量部、好ましくは1〜5質量部添加する。0.1〜10質量部の範囲内であれば、耐加水分解性改良効果が発現し、かつカルボジイミド化合物のブリードアウトによる成形体の外観不良や可塑化による機械物性の低下が生じることもない。
この際、カルボジイミド化合物として、芳香族カルボジイミド化合物を選択することが重要である。芳香族カルボジイミド化合物を配合することにより、選択的に乳酸系樹脂を主成分とする樹脂組成物のカルボキシル基と反応し、酸触媒を低減することにより耐加水分解性を付与することができる。一方、脂肪族カルボジイミド化合物では、金属水酸化物の水酸基との反応により活性が失われ、射出成形体とした時に乳酸系樹脂に対する耐加水分解性付与効果が希薄となってしまう。
カルボジイミド化合物としては、下記一般式の基本構造を有するものが挙げることができる。
−(N=C=N−R−)n−
なお、上記式において、nは1以上の整数を示し、Rは芳香族の有機系結合単位を示す。また、nは通常1〜50の間で適宜決められる。
具体例には、ビス(ジプロピルフェニル)カルボジイミド、ポリ(4,4'−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)等が挙げられる。該カルボジイミド化合物は、単独、または、2種以上組み合わせて用いることができる。
(好ましい配合)
乳酸系樹脂を主成分とする樹脂組成物(A)、シランカップリング剤によって表面処理を施された金属水酸化物(B)、及び、芳香族カルボジイミド化合物(C)の配合量としては、(A)100質量部に対して、(B)を25〜100質量部配合することが好ましく、40〜80質量部配合することがより好ましい。また、(C)の配合量としては、(A)100質量部に対して、(C)を0.1〜10質量部配合することが好ましく、1〜8質量部配合することが好ましい。かかる範囲で、(A)(B)及び(C)を配合することで、乳酸系樹脂を主成分とする樹脂組成物に優れた難燃性、耐久性を付与することができる。
また、乳酸系樹脂を主成分する樹脂組成物中に占める乳酸系樹脂(D)と、乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステル、又は/及び、芳香族脂肪族ポリエステル(E)の混合比としては、(D):(E)=50:50〜100:0であることが好ましく、60:40〜80:20であることがより好ましい。かかる範囲内で(D)と(E)とを配合することで、乳酸系樹脂の耐衝撃性をさらに向上させることができる。
(分子量200〜1000のエステル化合物)
本発明における射出成形体の耐衝撃性をより一層向上させるために、分子量が200〜1000のエステル化合物を更に配合することも効果的である。
本発明に用いる分子量200〜1000のエステル化合物としては、ジイソデシルアジペート、ジ(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジ(2−エチルヘキシル)セバケート、ジ(2−エチルヘキシル)ドデカンジオネート、アセチルトリブチルシトレート、ジブチルセバケート、ジ(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソノニルアジペート、ジメチルアジペート、ジブチルアジペート、トリブチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、トリエチルシトレート、ジイソブチルアジペート、ジ(2−エチルヘキシル)ドデカンジオネート、ジブチルフタレート、ジイソノニルフタレート、2−エチルヘキシルベンジルフタレート、ジメチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、トリス(2−エチルヘキシル)トリメリテート、トリブチルトリメリテート、トリ(2−エチルヘキシル)トリメリテート、グリセリントリアセテート、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。中でも、ジイソデシルアジペート、ジ(2−エチルヘキシル)アジペート、ジ(2−エチルヘキシル)アゼレートが好ましい。
上記エステル化合物の分子量は、200〜1000の範囲にあることが重要であり、250〜500の範囲にあることがより好ましい。かかる範囲を下回ると、耐衝撃性の改良効果を得ることが難しくなるばかりか、成形体表面へのエステル化合物のブリードアウトを生じる恐れがある。一方、かかる範囲を上回ると、耐衝撃性改良効果を得ることが難しくなるばかりか、成形体の耐衝撃性を低下させることとなる。
また、上記エステル化合物の配合量としては、乳酸系樹脂を主成分とする樹脂組成物100質量部に対して、分子量が200〜1000のエステル化合物を0.1〜5質量部配合することが好ましく、0.5〜3質量部配合することがより好ましい。0.1〜5質量部の範囲内で配合することにより、耐熱性を損ねることなく、耐衝撃性を向上させることができる。
(結晶化促進剤)
射出成形体の耐熱性を向上させるためには結晶化処理を行うことが好ましいが、乳酸系樹脂を主成分とする樹脂組成物の場合には結晶化速度が非常に遅いため、結晶化促進剤を配合して結晶化時間を短縮するのが好ましい。
結晶化促進剤としては、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、ベントナイト、マイカ、セリサイト、ガラスフレーク、黒鉛、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、硫酸バリウム、ホウ酸亜鉛、含水ホウ酸カルシウム、アルミナ、マグネシア、ウォラストナイト、ゾノトライト、セピオライト、ウィスカー、ガラス繊維、ガラスフレーク、金属粉末、ビーズ、シリカバルーン、シラスバルーンなどのいずれか或いはこれらの二種類以上の組合わせからなる混合物を挙げることができる。
また、上記無機系結晶化促進剤の表面をチタン酸、脂肪酸、シランカップリング剤などで処理することにより樹脂との接着性を向上させ、無機系結晶化促進剤の効果を向上させることも可能である。
結晶化促進剤の配合量は、乳酸系樹脂を主成分とする樹脂組成物100質量部に対して0.1〜10質量部配合するのが好ましく、1〜5質量部配合するのがより好ましい。0.1〜10質量部の範囲であれば、耐衝撃性を損ねることなく結晶化速度の促進効果を付与することができる。
(その他の成分)
本発明の効果を損なわない範囲で、さらに熱安定剤、抗酸化剤、UV吸収剤、光安定剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤等の添加剤を処方することが可能である。
(製造方法)
次に、本発明における射出成形体の成形方法について説明する。
先ず、それぞれ所定量の、乳酸系樹脂を主成分とする樹脂組成物、シランカップリング剤によって表面処理を施された金属水酸化物、芳香族カルボジイミド化合物、及び、その他の添加剤を、同一の射出成形機にそれぞれの原料を投入して混合する。具体的には、射出成型機を用いて原料を直接混合して射出成形する方法や、或いは、ドライブレンドした原料を二軸押出機を用いてストランド形状に押出してペレットを作成した後、再度射出成形機を用いて射出成形体を作成する方法などを採用することができる。いずれの方法においても、原料の分解による分子量の低下を考慮する必要があり、均一に混合させるためには後者を選択することが好ましい。
例えば、乳酸系樹脂を主成分とする樹脂組成物、シランカップリング剤によって表面処理を施された金属水酸化物、芳香族カルボジイミド化合物、及び、その他の添加剤を、十分に乾燥させて水分を除去した後、二軸押出機を用いて溶融混合し、ストランド形状に押出してペレットを作成すればよい。
この際、溶融押出温度に関しては、L−乳酸構造とD−乳酸構造の組成比によって融点が変化すること、芳香族脂肪族ポリエステルの混合の割合によって混合樹脂の融点が変化すること等を考慮して適宜設定することが好ましい。実際には160〜230℃の温度範囲が通常選択される。
上記方法にて作成したペレットは、十分に乾燥して水分を除去した後、以下の方法で射出成形を行えばよい。
すなわち、射出成形の方法は、特に限定されないが、代表的には熱可塑性樹脂用の一般射出成形法、ガスアシスト成形法及び射出圧縮成形法等の射出成形法を採用すればよい。その他目的に合わせて、上記の方法以外でインモールド成形法、ガスプレス成形法、2色成形法、サンドイッチ成形法、PUSH−PULL、SCORIM等を採用することもできる。
射出成形装置は、一般射出成形機、ガスアシスト成形機及び射出圧縮成形機等と、これらに用いられる成形用金型、その付帯機器、金型温度制御装置、原料乾燥装置等とから構成されるが、このような構成のものに限定するものではない。
成形条件は射出シリンダー内での樹脂の熱分解を避けるため、溶融樹脂温度を170℃〜210℃の範囲で成形することが好ましい。
射出成形体を非晶状態で得る場合は、成形サイクル(型閉〜射出〜保圧〜冷却〜型開〜取出)の冷却時間を短くする点から、金型温度はできるだけ低温とするのが好ましい。一般的には15℃〜55℃で、チラーを用いることも望ましい。しかし、後結晶化時の成形体の収縮及び反り、変形を抑える点では20〜40℃の範囲とすることが有利である。
射出成形によって得られた成形品の耐熱性をさらに向上させるために、熱処理により結晶化を行うことが有効である。
結晶化の方法としては、事前に温度の上げられた金型に射出成形し、金型内で結晶化させる方法や、射出成形後に金型の温度を上げ金型内で結晶化させる方法、或いは射出成形体を非晶状態で金型から取り出した後、熱風、蒸気、温水、遠赤外線ヒーター、IHヒーターなどで熱処理する方法などを挙げることができる。この時、射出成形体を固定しなくてもよいが、成形体の変形を防止するために、金型、樹脂型などで固定することが好ましい。また、生産性を考慮に入れて、梱包した状態で熱処理を行うこともできる。
金型内で結晶化させるためには、加熱した金型内に溶融樹脂を充填した後、一定時間金型内で保持するのが好ましい。
この際、金型温度としては、80℃〜130℃、特に90℃〜120℃とするのが好ましく、冷却時間としては1〜300秒、好ましくは5〜30秒である。かかる温度及び冷却時間にて金型内で結晶化処理を行うことで、本発明における射出成形体の耐熱性をさらに向上させることができる。
金型から成形体を取り出した後に結晶化させる場合、熱処理温度は、60〜130℃の範囲にするのが好ましく、70〜90℃の範囲がより好ましい。熱処理温度が60℃より低いと、成形工程において結晶化が進まず、130℃より高いと、成形体の冷却時において変形や収縮が生じる可能性がある。
加熱時間は、組成及び熱処理温度によって適宜決めるのが好ましい。例えば、70℃の場合は15分〜5時間熱処理するのが好ましい。130℃の場合は10秒〜30分熱処理を行うのが好ましい。
本発明の射出成形体は、優れた難燃性と共に、耐久性を兼ね備えた難燃性射出成形体であるから、建材、家電製品、自動車部品、その他一般成形品として使用することができ、特に耐熱性が要求される用途に好適に用いることができる。
以下に実施例を示すが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。なお、実施例中に示す結果は以下の方法で評価を行った。
(1) 難燃性
長さ135mm×幅13mm×厚さ3mmの試験片を用いて、Underwriters laboratories社の安全標準UL94垂直燃焼試験に基づいて測定を行った。
(2) 耐久性
85℃、80%RHの条件で湿熱試験を行い、100時間経過後の分子量保持率を以下の式により算出した。
分子量保持率(%)=(湿熱試験後の質量平均分子量/湿熱試験前の質量平均分子量)×100
分子量保持率は70%以上を実用基準とした。これは、70%を下回るあたりから急激に強度の劣化が進むためである。
なお、質量平均分子量の測定は、以下の方法で行った。
東ソー株式会社製HLC−8120GPCを用いて、溶媒クロロホルム、溶媒濃度0.2wt/vol%、溶液注入量200μl、溶媒流速1.0ml/分、溶媒温度40℃で測定を行い、ポリスチレン換算で、乳酸系樹脂を主成分とする樹脂組成物の質量平均分子量を算出した。この際用いた標準ポリスチレンの質量平均分子量は、2000000、670000、110000、35000、10000、4000,600である。
(実施例1)
乳酸系樹脂としてカーギル・ダウ社製NatureWorks4032D(L−乳酸/D−乳酸=98.6/1.4、質量平均分子量20万)、シランカップリング剤によって処理された金属水酸化物として、日本軽金属社製エポキシシランカップリング処理BF013ST(水酸化アルミニウム、平均粒径1μm)、及び、芳香族カルボジイミド化合物としてラインケミー社製スタバクゾールI(ビス(ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド:芳香族モノカルボジイミド)を用い、NatureWorks4032D、エポキシシランカップリング処理BF013ST、及び、スタバクゾールIを質量比100:30:5の割合でドライブレンドした後、三菱重工製40mmΦ小型同方向二軸押出機を用いて180℃でコンパウンドし、ペレット形状にした。得られたペレットを東芝機械製射出成形機IS50E(スクリュー径25mm)を用い、L200mm×W30mm×t3mmの板材を射出成形した。主な成形条件は以下の通りである。
1) 温度条件:シリンダー温度(195℃)金型温度(20℃)
2) 射出条件:射出圧力(115MPa)保持圧力(55MPa)
3) 計量条件:スクリュー回転数(65rpm)背圧(15MPa)
次に、射出成形体をベーキング試験装置(大栄科学精器製作所製DKS−5S)内に静置し、70℃で2時間熱処理を行った。その後、上記射出成形によって得られた板材を長さ135mm×幅13mm×厚さ3mmに切り出し、難燃性の評価、及び、耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
NatureWorks4032D、エポキシシランカップリング処理BF013ST、及び、スタバクゾールIを質量比100:50:5の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
NatureWorks4032D、エポキシシランカップリング処理BF013ST、及び、スタバクゾールIを質量比100:80:5の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
NatureWorks4032D、エポキシシランカップリング処理BF013ST、及び、スタバクゾールIを質量比100:50:1の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
NatureWorks4032D、エポキシシランカップリング処理BF013ST、及び、スタバクゾールIを質量比100:50:8の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
芳香族カルボジイミド化合物として、ラインケミー社製スタバクゾールP(芳香族ポリカルボジイミド)を用い、NatureWNatureWorks4032D、エポキシシランカップリング処理BF013ST、及び、スタバクゾールPを、質量比100:50:5の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステルとして、昭和高分子社製ビオノーレ3003(ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、質量平均分子量20万)を用い、NatureWorks4032D、ビオノーレ3003、エポキシシランカップリング処理BF013ST、及び、スタバクゾールIを質量比70:30:50:5の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例8)
芳香族脂肪族ポリエステルとして、BASF社製ECOFLEX F(ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート))、結晶化促進剤として日本タルク社製SG−95(タルク、粒径2.4μm)を用い、NatureWorks4032D、ECOFLEX F、エポキシシランカップリング処理BF013ST、スタバクゾールI、及び、SG−95を、質量比70:30:50:5:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様射出成形機を用いて、金型温度110℃、冷却時間60秒にて金型内で結晶化処理を行ったサンプルの作製、及び評価を行った。結果を表1に示す。
なお、金型温度、冷却時間以外の射出条件は実施例1と同様である。
Figure 0004777606
(比較例1)
NatureWorks4032Dを実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例2)
NatureWorks4032D、及び、エポキシシランカップリング処理BF013STを質量比100:50の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例3)
脂肪族カルボジイミド化合物として日清紡績社製カルボジライトHMV−8CAを用い、NatureWorks4032D、エポキシシランカップリング処理BF013ST、及び、カルボジライトHMV−8CAを質量比100:50:5の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例4)
脂肪族カルボジイミド化合物として日清紡績社製カルボジライトHMV−8CAを用い、NatureWorks4032D、エポキシシランカップリング処理BF013ST、及び、カルボジライトHMV−8CAを質量比100:50:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例5)
金属水酸化物として、日本軽金属社製BF−013S(ステアリン酸処理水酸化アルミニウム、平均粒径1μm)を用い、NatureWorks4032D、BF−013S、及び、スタバクゾールIを質量比100:50:5の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0004777606
表1から明らかなように、実施例1〜8の射出成形体は、UL94に基づく難燃性がV−2を満たし、かつ、85℃、80%RH条件下にて100時間経過後の分子量保持率が70%であり、難燃性、耐久性ともに優れていることがわかった。
一方、比較例1は難燃性、耐久性ともに劣ったもので、比較例2〜4は難燃性には優れるものの、耐久性に劣るものであった。このように、比較例1〜4の射出成形体では、難燃性、耐久性のいずれかにおいて、実用不可能なものであった。

Claims (4)

  1. L−乳酸とD−乳酸の質量比率が、L体:D体=99.5:0.5〜94:6若しくはL体:D体=0.5:99.5〜6:94である乳酸系樹脂を主成分とする樹脂組成物(A)と、シランカップリング剤によって表面処理を施された金属水酸化物(B)と、芳香族カルボジイミド(C)とを含有してなる組成を備えた難燃性射出成形体であって、
    樹脂組成物(A)は、上記の乳酸系樹脂と、乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステル又は/及び芳香族脂肪族ポリエステルとを、質量混合比60:40〜80:20の割合で含有する樹脂組成物であることを特徴とする難燃性射出成形体。
  2. 芳香族カルボジイミド(C)は、次の一般式の基本構造を有するものであることを特徴とする請求項1記載の難燃性射出成形体。
    −(N=C=N−R−)n−
    なお、上記式において、nは1以上の整数を示し、Rは芳香族の有機系結合単位を示す。
  3. 芳香族カルボジイミド(C)は、ポリ(4,4'−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)及びポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)からなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項2に記載の難燃性射出成形体。
  4. 樹脂組成物(A)に対して結晶化促進剤を0.1〜10質量部配合し、射出成形時の金型内において、金型温度80〜130℃、冷却時間1〜300秒の条件にて結晶化処理されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性射出成形体。
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